説明

巻取紙搬送システム

【課題】工場内のレイアウト変更が容易であり、巻取紙にシワやキズを発生させることなく、メンテナンス負担が軽く、システムの高稼働率が実現できる巻取紙搬送システムを提供する。
【解決手段】トラックヤード110、立体自動紙庫120、輪転機エリア130を備えた新聞製作工場における巻取紙搬送システム100であって、トラックヤードにおける巻取紙の搬入工程、巻取紙の立体自動紙庫への入庫工程、立体自動紙庫から輪転機エリアの各輪転機132までへの搬送工程の全てを無人搬送車により行うことによって、上記の課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輪転用新聞巻取紙を外部より搬入し、立体自動紙庫にて一時保管し、印刷計画に基づいて、所定の輪転機まで所定の巻取紙を搬送する巻取紙搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、新聞製作工場における巻取紙搬送システムとしては、トラックヤードから搬入した巻取紙を入庫コンベヤによって、立体自動紙庫に入庫した後、所定の巻取紙を出庫コンベヤによって、無人搬送車ステーションまで運搬し、そこで、所定の無人搬送車に受け渡し、無人搬送車によって輪転機に供給するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実開平5−1706号公報(第2頁、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上述したような従来の巻取紙搬送システムは、トラックヤードから立体自動紙庫への入庫及び立体自動紙庫から輪転機への出庫の手段として、工場の床に据え付けたスラットコンベヤを使用しているため、工場内のレイアウト変更が困難である。さらに大重量の巻取紙を長距離搬送するため、前記スラットコンベヤは複数のスラットコンベヤで構成しなければならず、そのためスラットコンベヤの乗り継ぎ部において、巻取紙にシワやキズが発生し易い。また、定期的にスラットコンベヤの保守が必要であり、システムの稼働率を低下させる原因となっている。
【0004】
そこで、本発明の目的は、工場内のレイアウト変更が容易であり、巻取紙にシワやキズを発生させることなく、メンテナンス負担が軽く、システムの高稼働率が実現できる巻取紙搬送システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本請求項1の発明は、トラックヤード、立体自動紙庫、輪転機エリアを備えた新聞製作工場における巻取紙搬送システムにおいて、前記トラックヤードにおける巻取紙の搬入工程、前記巻取紙の前記立体自動紙庫への入庫工程、前記立体自動紙庫から輪転機エリアの各輪転機までへの搬送工程の全てを無人搬送車により行うことによって上記目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、トラックヤード、立体自動紙庫、輪転機エリアを備えた新聞製作工場における巻取紙搬送システムにおいて、前記トラックヤードにおける巻取紙の搬入工程、前記巻取紙の前記立体自動紙庫への入庫工程、前記立体自動紙庫から輪転機エリアの各輪転機までへの搬送工程の全てを無人搬送車により行うため、巻取紙にシワやキズが発生することがなくなると共に、工場内のレイアウト変更が容易となる。さらに、システムのメンテナンス負担が軽く、システムの稼働率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態である一実施例を図1に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例である巻取紙搬送システムの全体概要を示した概念図である。
【0008】
図1に示すように、本実施例の巻取紙搬送システム100は、外部よりトラックによって巻取紙を搬入するトラックヤード110、立体自動紙庫120、複数の輪転機132を有する輪転機エリア130を備えている。そして、トラックヤード110においてトラックにより搬入された巻取紙は、無人搬送車150に移載される。
【0009】
そして、巻取紙を積載した無人搬送車150は、バーコードリーダ設置部140まで走行し、巻取紙に貼付されたバーコードのデータが読み取られる。その後、データを管理された巻取紙は、無人搬送車150により立体自動紙庫120まで運搬され、所定の保管棚に入庫される。
【0010】
また、巻取紙の出庫要求が出されると、所定の巻取紙が立体自動紙庫120から出庫され、無人搬送車150に移載される。そして、要求された輪転機132まで搬送される。遊休状態にある無人搬送車150は、搬送路の途中に設けられた充電ステーション160に移動し、そこでバッテリへの充電が行われる。
【0011】
このように本発明の巻取紙搬送システム100によれば、トラックヤード110における巻取紙の搬入工程、トラックヤードから立体自動紙庫120への入庫工程、立体自動紙庫120から輪転機エリア130の各輪転機132までへの搬送工程の全てを無人搬送車150により実施され、これまで必要とされていた巻取紙の搬送用スラットコンベヤが不要になる。そのため、巻取紙にシワやキズが発生することがなくなると共に、工場内のレイアウト変更が容易となる。さらに、システムのメンテナンス負担が軽減され、システムの稼働率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例である巻取紙搬送システムの全体概要を示した概念図である。
【符号の説明】
【0013】
100 ・・・ 巻取紙搬送システム
110 ・・・ トラックヤード
120 ・・・ 立体自動紙庫
130 ・・・ 輪転機エリア
132 ・・・ 輪転機
140 ・・・ バーコードリーダ設置部140
150 ・・・ 無人搬送車
160 ・・・ 充電ステーション


【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックヤード、立体自動紙庫、輪転機エリアを備えた新聞製作工場における巻取紙搬送システムにおいて、
前記トラックヤードにおける巻取紙の搬入工程、前記巻取紙の前記立体自動紙庫への入庫工程、前記立体自動紙庫から輪転機エリアの各輪転機までへの搬送工程の全てを無人搬送車により行うこと
を特徴とする巻取紙搬送システム。

【図1】
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【公開番号】特開2006−27866(P2006−27866A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211929(P2004−211929)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)
【Fターム(参考)】