巻線機のテンション付与装置
【課題】ワイヤにテンションを付与しつつ、ワイヤの被覆の損傷を予防し、被巻線体に精度良くワイヤを巻線できる巻線機のテンション付与装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る巻線機のテンション付与装置100は、電磁ブレーキ21を備えた回転自在のテンションローラ22と、テンションローラ22の外周面にワイヤ1を挟んで押圧しながら、テンションローラ22の回転スピードに合わせてテンションローラ22と反対方向に回転してワイヤ1を巻付テンションローラ32に送出する押圧ローラ23とを有する押圧搬送機構20を備えたものである。
【解決手段】本発明に係る巻線機のテンション付与装置100は、電磁ブレーキ21を備えた回転自在のテンションローラ22と、テンションローラ22の外周面にワイヤ1を挟んで押圧しながら、テンションローラ22の回転スピードに合わせてテンションローラ22と反対方向に回転してワイヤ1を巻付テンションローラ32に送出する押圧ローラ23とを有する押圧搬送機構20を備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コイル用の巻線機においてノズルの移動に合わせてワイヤにテンションを付与する巻線機のテンション付与装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コイル用の巻線機では、ワイヤにテンションを付与することでワイヤの振動を抑制し、巻枠に対する位置決め精度が向上する。
これにより、コイルを所定の形状に整列して形成することができる。
テンションが大き過ぎる場合には、ワイヤの断線や伸びが大きくなるという問題があるため、ワイヤに対して所定の引っ張り力を維持することが望まれる。
ワイヤにテンションを付与する装置の例としては、例えば特許文献1のような装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−255884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、電磁ブレーキによってテンションを付与する構造が示されている。
電磁ブレーキ部分で発生するテンションの大きさF2は、ブレーキトルクTbをプーリの半径Rpで除した値となる(後述、式1)。
また、ワイヤガイドによる一次テンションをF1としたとき、ワイヤとプーリの間で滑りが生じない条件は、ワイヤのプーリへの巻き付け角をθ、ワイヤとプーリの摩擦係数をμとすると「オイラーのベルト理論」により、次の式2となる。
F2=Tb/Rp (式1)
F2<F1・exp(μ・θ) (式2)
電磁ブレーキによる所定のテンションを正しく付与するためには、ワイヤとプーリに滑りが生じないことが必要条件となる。滑りを生じることなくより大きなテンションを付与するためには、次のような方策がある。
(1)一次テンションF1を大きくする。
(2)ワイヤとプーリの摩擦係数を大きくする。
(3)ワイヤとプーリの巻き付け角を大きくする。
特許文献1によれば、一次テンションF1を、ワイヤガイドを用いてワイヤを挟み込むことにより発生させている。
【0005】
ワイヤの挟み込みのための機構では、ワイヤとワイヤガイドの間の滑り摩擦によりテンションを与える。
ワイヤの表面には、エナメルなどの絶縁被覆が存在する。
従って、滑り摩擦によって被覆が損傷しないように工夫を施す必要がある。
テンションF1は、挟み込み力Nと摩擦係数μ2により次の式3で与えられる。
F1=μ2・N (式3)
ここで、テンションF1を大きくするために、Nを大きくすればワイヤを変形させる課題があった。
また、μ2を大きくすればワイヤとワイヤガイドの間で、滑りによりワイヤ被覆が損傷するという課題もあった。
【0006】
本発明は、これらの課題を解決するためになされたものであり、ワイヤの変形や被覆損傷の確率を低減し、ワイヤに対してより大きなテンションを付与できる、巻線機のテンション付与装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る巻線機のテンション付与装置は、
回転抵抗付与機構を備えた巻付テンションローラにワイヤを巻き付け、巻付テンションローラの回転抵抗によりワイヤにテンションを付与する巻付テンション機構を備えた巻線機のテンション付与装置において、
回転抵抗付与機構を備えた回転自在のテンションローラとテンションローラの外周面にワイヤを挟んで押圧しながら、外周面の回転スピードに合わせてテンションローラと反対方向に回転してワイヤを巻付テンションローラに送出する押圧ローラとを有する押圧搬送機構を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る巻線機のテンション付与装置は、
回転抵抗付与機構を備えた回転自在のテンションローラとテンションローラの外周面にワイヤを挟んで押圧しながら、外周面の回転スピードに合わせてテンションローラと反対方向に回転してワイヤを巻付テンションローラに送出する押圧ローラとを有する押圧搬送機構を備えたものなので、
テンションローラと押圧ローラによって十分なテンションをワイヤに付与することができる。
【0009】
また、ワイヤと、巻付テンションローラ及び巻付テンションローラとの間でも滑りが発生せず、ワイヤに付与する最大テンションを大きくすることができる。
また、ワイヤが各部品との間で摺動摩擦しないので、ワイヤの絶縁被覆へのダメージを与えずに十分に高いテンションをワイヤに付与できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置に架設したワイヤの取付模式図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置の押圧搬送機構の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置の押圧搬送機構の正面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置の押圧搬送機構の側面図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置の巻付テンション機構の斜視図、正面図、側面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置の他の巻付テンション機構の斜視図、正面図、側面図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置の巻付テンションローラの配置例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る巻線機のテンション付与装置に架設したワイヤの取付模式図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る巻線機のテンション付与装置に架設したワイヤの取付模式図である。
【図11】本発明の実施の形態4に係る巻線機のテンション付与装置の機械式ブレーキ60の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、本発明に係る巻線機のテンション付与装置の実施の形態1を、図を用いて説明する。
図1は、巻線機のテンション付与装置100(以下、装置100という)の斜視図である。
図2は、装置100に架設したワイヤ1の取付模式図である。
ワイヤ1は、図の右手に設置した図示しないワイヤドラムから装置100に供給される。
【0012】
図3は、装置100の押圧搬送機構20の斜視図である。
図4は、押圧搬送機構20の正面図である。
図5は、押圧搬送機構20の側面図である。
押圧搬送機構20は、電磁ブレーキ21の回転軸に接続されたテンションローラ22と、押圧ローラ23等で構成されている。
ワイヤ1はテンションローラ22と押圧ローラ23の間に挟み込まれてこれらの間を通過する。この時、テンションローラ22と押圧ローラ23は互いに逆方向に、それぞれの外周面が同じスピードで回転する。
押圧ローラ23は、回転自在のローラであり、リニアガイド24を介して、上下に動作するシリンダ25に接続されている。
このシリンダ25を上下に動作させることによって、押圧ローラ23のテンションローラ22に対する押圧力を調整できる。
そして、押圧ローラ23の押圧力と、回転抵抗付与機構としての電磁ブレーキ21の制動力によってワイヤ1にテンションを付与し、ワイヤ1が滑らないように制御する。
また、テンションローラ22の外周面はゴム又はシリコン加工を施してワイヤの滑りを防止する。
【0013】
図6(a)は、巻付テンション機構30の斜視図である。
図6(b)は、巻付テンション機構30の正面図である。
図6(c)は、巻付テンション機構30の側面図である。
巻付テンション機構30は、電磁ブレーキ31と、電磁ブレーキ31の回転軸に接続された巻付テンションローラ32で構成されている。
先に説明したテンションローラ22と、これから説明する巻付テンションローラ32は、いずれもワイヤ1に対してテンションを付与する点で機能は共通する。
しかし、巻付テンションローラ32は、ワイヤ1を巻き付けて、ローラ面とワイヤ1との摩擦力と電磁ブレーキ31の制動力によってテンションを付与する点が先のテンションローラ22と異なる。
【0014】
押圧搬送機構20を通過したワイヤ1は、押圧搬送機構20の押圧ローラ23の上端部と、巻付テンション機構30の巻付テンションローラ32の下端部とを結ぶ直線上であって、巻付テンションローラ32の直近に設けたガイド7の横穴に導かれる。
そして、ワイヤ1は、巻付テンションローラ32に、下側から時計回りに概略3/4周分の角度に渡って巻き付けられる。
巻付テンションローラ32の外周は溝になっているのでワイヤ1が外れることはない。
また、巻付テンションローラ32の外周の溝面はゴム又はシリコン加工を施してワイヤの滑りを防止する。
【0015】
図7(a)は、巻付テンション機構40の斜視図である。
図7(b)は、巻付テンション機構40の正面図である。
図7(c)は、巻付テンション機構40の側面図である。
巻付テンション機構40は、回転抵抗付与機構としてのサーボモータ41と、サーボモータ41の回転軸に接続された巻付テンションローラ42で構成されている。
ワイヤ1は、先述のガイド7の縦穴を通って、巻付テンションローラ32の右端部と巻付テンションローラ42の左端部とを結ぶ直線上であって、巻付テンションローラ42の直近に設けたガイド10の縦穴に導かれる。
【0016】
そして、ワイヤ1は、巻付テンションローラ42に、向かって左端から反時計回りに概略3/4周分の角度に渡って巻き付けられる。
その後、ワイヤ1は、先のガイド10の横穴を通って、図示しないノズルを介して被巻線体に供給される。
【0017】
次に、ワイヤ1に付与されるテンションについて、図2を用いて説明する。
押圧搬送機構20のテンションローラ22によってワイヤ1に発生するテンションF1は、
電磁ブレーキ21による摩擦トルクをτ1とし、テンションローラ22の半径をr1とするとき、次式で表される。
F1=τ1/r1
【0018】
次に、巻付テンション機構30の巻付テンションローラ32によって発生するテンションF2は、電磁ブレーキ31による摩擦トルクをτ2、巻付テンションローラ32の半径をr2とするとき、次式で表される。
F2=τ2/r2
【0019】
このとき、巻付テンションローラ32の巻き付け角θ2及び、巻付テンションローラ32とワイヤ1の摩擦係数μ2を用いて、オイラーのベルト理論により次式の条件を設定する。
F2≦F1・exp(μ2・θ2)
F2の値がこの条件を満たすようにτ2の値を制御することによって、巻付テンションローラ32とワイヤ1の間での滑りの発生を防止できる。
【0020】
同様に、巻付テンション機構40の巻付テンションローラ42によって発生するテンションF3は、サーボモータ41による摩擦トルクをτ3、巻付テンションローラ42の半径をr3とするとき、次式で表される。
F3=τ3/r3
【0021】
このとき、巻付テンションローラ42の巻き付け角θ3及び、巻付テンションローラ42とワイヤ1の摩擦係数μ3を用いて、オイラーのベルト理論により次式の条件が設定する。
F3≦(F1+F2)・exp(μ3・θ3)
F3の値がこの条件を満たすようにτ3の値を制御することによって、巻付テンションローラ42とワイヤ1の間での滑りの発生を防止できる。
【0022】
以上の結果、被巻線体にかかるテンションは、F1、F2及びF3の総和となる。
また、各条件設定を満たす限り、ワイヤ1と各テンションローラは、転がりによる相対運動をし、滑り運動は発生しない。
【0023】
本実施の形態では、巻付テンション機構30には電磁ブレーキ31を使用し、巻付テンション機構40にはサーボモータ41を使用して、ワイヤ1に付与するテンションを調整した。
この理由は、サーボモータ41による調整は、電磁ブレーキ31による調整に比べて微妙な制御が可能だからである。
しかしながら、ワイヤの太さや種類によって電磁ブレーキだけで構成しても良いし、サーボモータだけで構成しても良い。
【0024】
シリンダ25の押圧力、電磁ブレーキ31とサーボモータ41の回転抵抗の付与は、以下のように行う。
(1)まず、テンションローラ22と押圧ローラ23の間にワイヤ1を挟んだ状態で、シリンダ25に適当な押圧指令を仮出力する。
(2)次に、電磁ブレーキ21に対して適当な制動指令値を出力する。
(3)手作業でワイヤ1を引き出し、この時にワイヤ1に付与されているテンションを測定する。
(4)測定したテンションを元に、先の各指令値を増減させて所望のテンションを得る。
(5)次に、巻付テンション機構30にワイヤ1を巻き付ける。
(6)巻付テンション機構30に回転抵抗を付与する適度な指令を与える。
(7)手作業でワイヤ1を引き出し、ワイヤ1に付与されたテンションを測定する。
(8)測定したテンションを元に、巻付テンション機構30に与えた指令値を増減させて所望のテンションを得る。
(9)次に、巻付テンション機構40にもワイヤ1を巻き付けてサーボモータ41に与える指令値の設定を同様におこなう。
【0025】
図8は、巻付テンションローラの他の配置例を示す図である。
巻付テンションローラの配置は先に説明した配置に限られるものではなく例えば図8のような配置であっても良い。また、巻付テンションローラは2個に限られるものでもなく3個以上でも良い。
【0026】
なお、同じ装置100の設置スペース内で、巻付テンションローラ32、42に対するワイヤ1の巻き付け角度を大きく取るためには、巻付テンションローラ32と巻付テンションローラ42へのワイヤ1の巻き付けは、8の字を描くようにする方が有利である。
【0027】
本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置100によれば、テンションローラ22と押圧ローラ23によって十分なテンションをワイヤ1に付与することができる。
また、ワイヤ1と、巻付テンションローラ32及び巻付テンションローラ42との間でも滑りが発生せず、ワイヤ1に付与する最大テンションを大きくすることができる。
また、ワイヤ1が各部品との間で摺動摩擦しないので、ワイヤ1の絶縁被覆へのダメージを与えずに十分に高いテンションをワイヤ1に付与できる。
【0028】
実施の形態2.
以下、本発明に係る巻線機のテンション付与装置の実施の形態2を、図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図9(a)は、巻線機のテンション付与装置に架設したワイヤ1の取付模式図である。
図9(a)に示すワイヤ1の取り回し順は、実施の形態1とまったく同じである。
本実施の形態では、巻付テンションローラ232と巻付テンションローラ242との間に、中間ローラ50を設けている。
この中間ローラ50を使用すると、例えば図9(a)のように2個の巻付テンションローラを使用したり、図9(b)のように中間ローラ50からワイヤ1を直接ノズルに導いて巻付テンションローラ242を使用しない運用をしたりできる。
【0029】
同じ巻線機を使用して様々なコイルを巻線する場合、コイルの大きさや、ワイヤの太さ、線材によって付与するテンションは様々である。
実施の形態1では押圧ローラ、電磁ブレーキ、サーボモータを使用してテンションを調整したが、付与するテンションを大きく変更するには、使用する巻付テンションローラの数を調整することが効果的である。
【0030】
本実施の形態の巻線機のテンション付与装置によれば、巻付テンションローラ間に中間ローラ50を設けるだけで容易にテンションを大きく変更して様々な線材に対応することができる。
【0031】
実施の形態3.
以下、本発明に係る巻線機のテンション付与装置の実施の形態3を、図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図10(a)は、巻線機のテンション付与装置に架設したワイヤ1の取り付け模式図である。
本実施の形態では、各巻付テンションローラに巻き付けるワイヤ1の巻き付け角度を調整できるように移動ローラ350、351を備えている。
図10(b)に示すように、移動ローラ350、351を左右に移動することによって容易に各巻付テンションローラに対するワイヤ1の巻き付け角度を調整できる。
ワイヤ1の巻き付け角度を大きくすることによって、ワイヤ1に付与できるテンションを大幅に増加できる。
【0032】
実施の形態4.
以下、本発明に係る巻線機のテンション付与装置の実施の形態4を、図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図11は、機械式ブレーキ60の断面模式図である。
本実施の形態では電磁ブレーキや、サーボモータの代わりに、機械式ブレーキ60を使用してワイヤ1にテンションを付与する。
巻付テンションローラの軸63は、粘性流体64を充填したハウジング61に回転可能に軸支持されている。
ハウジング61の中の軸63には、はねが取り付けられており、回転時に粘性流体64を受けて回転抵抗が生じる。
【0033】
本発明の実施の形態4に係る機械式ブレーキ60によれば、簡便な構造で一定の制動力を確保できる。
これにより、低コストな巻線機のテンション付与装置を提供できる。
【符号の説明】
【0034】
r1,r2,r3 半径、F1,F2,F3 テンション、20 押圧搬送機構、
21,31 電磁ブレーキ、22 テンションローラ、23 押圧ローラ、
24 リニアガイド、25 シリンダ、30,40 巻付テンション機構、
32,42,232,242 巻付テンションローラ、41 サーボモータ、
7,10 ガイド、50 中間ローラ、350,351 移動ローラ、
60 機械式ブレーキ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、コイル用の巻線機においてノズルの移動に合わせてワイヤにテンションを付与する巻線機のテンション付与装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コイル用の巻線機では、ワイヤにテンションを付与することでワイヤの振動を抑制し、巻枠に対する位置決め精度が向上する。
これにより、コイルを所定の形状に整列して形成することができる。
テンションが大き過ぎる場合には、ワイヤの断線や伸びが大きくなるという問題があるため、ワイヤに対して所定の引っ張り力を維持することが望まれる。
ワイヤにテンションを付与する装置の例としては、例えば特許文献1のような装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−255884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、電磁ブレーキによってテンションを付与する構造が示されている。
電磁ブレーキ部分で発生するテンションの大きさF2は、ブレーキトルクTbをプーリの半径Rpで除した値となる(後述、式1)。
また、ワイヤガイドによる一次テンションをF1としたとき、ワイヤとプーリの間で滑りが生じない条件は、ワイヤのプーリへの巻き付け角をθ、ワイヤとプーリの摩擦係数をμとすると「オイラーのベルト理論」により、次の式2となる。
F2=Tb/Rp (式1)
F2<F1・exp(μ・θ) (式2)
電磁ブレーキによる所定のテンションを正しく付与するためには、ワイヤとプーリに滑りが生じないことが必要条件となる。滑りを生じることなくより大きなテンションを付与するためには、次のような方策がある。
(1)一次テンションF1を大きくする。
(2)ワイヤとプーリの摩擦係数を大きくする。
(3)ワイヤとプーリの巻き付け角を大きくする。
特許文献1によれば、一次テンションF1を、ワイヤガイドを用いてワイヤを挟み込むことにより発生させている。
【0005】
ワイヤの挟み込みのための機構では、ワイヤとワイヤガイドの間の滑り摩擦によりテンションを与える。
ワイヤの表面には、エナメルなどの絶縁被覆が存在する。
従って、滑り摩擦によって被覆が損傷しないように工夫を施す必要がある。
テンションF1は、挟み込み力Nと摩擦係数μ2により次の式3で与えられる。
F1=μ2・N (式3)
ここで、テンションF1を大きくするために、Nを大きくすればワイヤを変形させる課題があった。
また、μ2を大きくすればワイヤとワイヤガイドの間で、滑りによりワイヤ被覆が損傷するという課題もあった。
【0006】
本発明は、これらの課題を解決するためになされたものであり、ワイヤの変形や被覆損傷の確率を低減し、ワイヤに対してより大きなテンションを付与できる、巻線機のテンション付与装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る巻線機のテンション付与装置は、
回転抵抗付与機構を備えた巻付テンションローラにワイヤを巻き付け、巻付テンションローラの回転抵抗によりワイヤにテンションを付与する巻付テンション機構を備えた巻線機のテンション付与装置において、
回転抵抗付与機構を備えた回転自在のテンションローラとテンションローラの外周面にワイヤを挟んで押圧しながら、外周面の回転スピードに合わせてテンションローラと反対方向に回転してワイヤを巻付テンションローラに送出する押圧ローラとを有する押圧搬送機構を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る巻線機のテンション付与装置は、
回転抵抗付与機構を備えた回転自在のテンションローラとテンションローラの外周面にワイヤを挟んで押圧しながら、外周面の回転スピードに合わせてテンションローラと反対方向に回転してワイヤを巻付テンションローラに送出する押圧ローラとを有する押圧搬送機構を備えたものなので、
テンションローラと押圧ローラによって十分なテンションをワイヤに付与することができる。
【0009】
また、ワイヤと、巻付テンションローラ及び巻付テンションローラとの間でも滑りが発生せず、ワイヤに付与する最大テンションを大きくすることができる。
また、ワイヤが各部品との間で摺動摩擦しないので、ワイヤの絶縁被覆へのダメージを与えずに十分に高いテンションをワイヤに付与できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置に架設したワイヤの取付模式図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置の押圧搬送機構の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置の押圧搬送機構の正面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置の押圧搬送機構の側面図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置の巻付テンション機構の斜視図、正面図、側面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置の他の巻付テンション機構の斜視図、正面図、側面図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置の巻付テンションローラの配置例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る巻線機のテンション付与装置に架設したワイヤの取付模式図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る巻線機のテンション付与装置に架設したワイヤの取付模式図である。
【図11】本発明の実施の形態4に係る巻線機のテンション付与装置の機械式ブレーキ60の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、本発明に係る巻線機のテンション付与装置の実施の形態1を、図を用いて説明する。
図1は、巻線機のテンション付与装置100(以下、装置100という)の斜視図である。
図2は、装置100に架設したワイヤ1の取付模式図である。
ワイヤ1は、図の右手に設置した図示しないワイヤドラムから装置100に供給される。
【0012】
図3は、装置100の押圧搬送機構20の斜視図である。
図4は、押圧搬送機構20の正面図である。
図5は、押圧搬送機構20の側面図である。
押圧搬送機構20は、電磁ブレーキ21の回転軸に接続されたテンションローラ22と、押圧ローラ23等で構成されている。
ワイヤ1はテンションローラ22と押圧ローラ23の間に挟み込まれてこれらの間を通過する。この時、テンションローラ22と押圧ローラ23は互いに逆方向に、それぞれの外周面が同じスピードで回転する。
押圧ローラ23は、回転自在のローラであり、リニアガイド24を介して、上下に動作するシリンダ25に接続されている。
このシリンダ25を上下に動作させることによって、押圧ローラ23のテンションローラ22に対する押圧力を調整できる。
そして、押圧ローラ23の押圧力と、回転抵抗付与機構としての電磁ブレーキ21の制動力によってワイヤ1にテンションを付与し、ワイヤ1が滑らないように制御する。
また、テンションローラ22の外周面はゴム又はシリコン加工を施してワイヤの滑りを防止する。
【0013】
図6(a)は、巻付テンション機構30の斜視図である。
図6(b)は、巻付テンション機構30の正面図である。
図6(c)は、巻付テンション機構30の側面図である。
巻付テンション機構30は、電磁ブレーキ31と、電磁ブレーキ31の回転軸に接続された巻付テンションローラ32で構成されている。
先に説明したテンションローラ22と、これから説明する巻付テンションローラ32は、いずれもワイヤ1に対してテンションを付与する点で機能は共通する。
しかし、巻付テンションローラ32は、ワイヤ1を巻き付けて、ローラ面とワイヤ1との摩擦力と電磁ブレーキ31の制動力によってテンションを付与する点が先のテンションローラ22と異なる。
【0014】
押圧搬送機構20を通過したワイヤ1は、押圧搬送機構20の押圧ローラ23の上端部と、巻付テンション機構30の巻付テンションローラ32の下端部とを結ぶ直線上であって、巻付テンションローラ32の直近に設けたガイド7の横穴に導かれる。
そして、ワイヤ1は、巻付テンションローラ32に、下側から時計回りに概略3/4周分の角度に渡って巻き付けられる。
巻付テンションローラ32の外周は溝になっているのでワイヤ1が外れることはない。
また、巻付テンションローラ32の外周の溝面はゴム又はシリコン加工を施してワイヤの滑りを防止する。
【0015】
図7(a)は、巻付テンション機構40の斜視図である。
図7(b)は、巻付テンション機構40の正面図である。
図7(c)は、巻付テンション機構40の側面図である。
巻付テンション機構40は、回転抵抗付与機構としてのサーボモータ41と、サーボモータ41の回転軸に接続された巻付テンションローラ42で構成されている。
ワイヤ1は、先述のガイド7の縦穴を通って、巻付テンションローラ32の右端部と巻付テンションローラ42の左端部とを結ぶ直線上であって、巻付テンションローラ42の直近に設けたガイド10の縦穴に導かれる。
【0016】
そして、ワイヤ1は、巻付テンションローラ42に、向かって左端から反時計回りに概略3/4周分の角度に渡って巻き付けられる。
その後、ワイヤ1は、先のガイド10の横穴を通って、図示しないノズルを介して被巻線体に供給される。
【0017】
次に、ワイヤ1に付与されるテンションについて、図2を用いて説明する。
押圧搬送機構20のテンションローラ22によってワイヤ1に発生するテンションF1は、
電磁ブレーキ21による摩擦トルクをτ1とし、テンションローラ22の半径をr1とするとき、次式で表される。
F1=τ1/r1
【0018】
次に、巻付テンション機構30の巻付テンションローラ32によって発生するテンションF2は、電磁ブレーキ31による摩擦トルクをτ2、巻付テンションローラ32の半径をr2とするとき、次式で表される。
F2=τ2/r2
【0019】
このとき、巻付テンションローラ32の巻き付け角θ2及び、巻付テンションローラ32とワイヤ1の摩擦係数μ2を用いて、オイラーのベルト理論により次式の条件を設定する。
F2≦F1・exp(μ2・θ2)
F2の値がこの条件を満たすようにτ2の値を制御することによって、巻付テンションローラ32とワイヤ1の間での滑りの発生を防止できる。
【0020】
同様に、巻付テンション機構40の巻付テンションローラ42によって発生するテンションF3は、サーボモータ41による摩擦トルクをτ3、巻付テンションローラ42の半径をr3とするとき、次式で表される。
F3=τ3/r3
【0021】
このとき、巻付テンションローラ42の巻き付け角θ3及び、巻付テンションローラ42とワイヤ1の摩擦係数μ3を用いて、オイラーのベルト理論により次式の条件が設定する。
F3≦(F1+F2)・exp(μ3・θ3)
F3の値がこの条件を満たすようにτ3の値を制御することによって、巻付テンションローラ42とワイヤ1の間での滑りの発生を防止できる。
【0022】
以上の結果、被巻線体にかかるテンションは、F1、F2及びF3の総和となる。
また、各条件設定を満たす限り、ワイヤ1と各テンションローラは、転がりによる相対運動をし、滑り運動は発生しない。
【0023】
本実施の形態では、巻付テンション機構30には電磁ブレーキ31を使用し、巻付テンション機構40にはサーボモータ41を使用して、ワイヤ1に付与するテンションを調整した。
この理由は、サーボモータ41による調整は、電磁ブレーキ31による調整に比べて微妙な制御が可能だからである。
しかしながら、ワイヤの太さや種類によって電磁ブレーキだけで構成しても良いし、サーボモータだけで構成しても良い。
【0024】
シリンダ25の押圧力、電磁ブレーキ31とサーボモータ41の回転抵抗の付与は、以下のように行う。
(1)まず、テンションローラ22と押圧ローラ23の間にワイヤ1を挟んだ状態で、シリンダ25に適当な押圧指令を仮出力する。
(2)次に、電磁ブレーキ21に対して適当な制動指令値を出力する。
(3)手作業でワイヤ1を引き出し、この時にワイヤ1に付与されているテンションを測定する。
(4)測定したテンションを元に、先の各指令値を増減させて所望のテンションを得る。
(5)次に、巻付テンション機構30にワイヤ1を巻き付ける。
(6)巻付テンション機構30に回転抵抗を付与する適度な指令を与える。
(7)手作業でワイヤ1を引き出し、ワイヤ1に付与されたテンションを測定する。
(8)測定したテンションを元に、巻付テンション機構30に与えた指令値を増減させて所望のテンションを得る。
(9)次に、巻付テンション機構40にもワイヤ1を巻き付けてサーボモータ41に与える指令値の設定を同様におこなう。
【0025】
図8は、巻付テンションローラの他の配置例を示す図である。
巻付テンションローラの配置は先に説明した配置に限られるものではなく例えば図8のような配置であっても良い。また、巻付テンションローラは2個に限られるものでもなく3個以上でも良い。
【0026】
なお、同じ装置100の設置スペース内で、巻付テンションローラ32、42に対するワイヤ1の巻き付け角度を大きく取るためには、巻付テンションローラ32と巻付テンションローラ42へのワイヤ1の巻き付けは、8の字を描くようにする方が有利である。
【0027】
本発明の実施の形態1に係る巻線機のテンション付与装置100によれば、テンションローラ22と押圧ローラ23によって十分なテンションをワイヤ1に付与することができる。
また、ワイヤ1と、巻付テンションローラ32及び巻付テンションローラ42との間でも滑りが発生せず、ワイヤ1に付与する最大テンションを大きくすることができる。
また、ワイヤ1が各部品との間で摺動摩擦しないので、ワイヤ1の絶縁被覆へのダメージを与えずに十分に高いテンションをワイヤ1に付与できる。
【0028】
実施の形態2.
以下、本発明に係る巻線機のテンション付与装置の実施の形態2を、図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図9(a)は、巻線機のテンション付与装置に架設したワイヤ1の取付模式図である。
図9(a)に示すワイヤ1の取り回し順は、実施の形態1とまったく同じである。
本実施の形態では、巻付テンションローラ232と巻付テンションローラ242との間に、中間ローラ50を設けている。
この中間ローラ50を使用すると、例えば図9(a)のように2個の巻付テンションローラを使用したり、図9(b)のように中間ローラ50からワイヤ1を直接ノズルに導いて巻付テンションローラ242を使用しない運用をしたりできる。
【0029】
同じ巻線機を使用して様々なコイルを巻線する場合、コイルの大きさや、ワイヤの太さ、線材によって付与するテンションは様々である。
実施の形態1では押圧ローラ、電磁ブレーキ、サーボモータを使用してテンションを調整したが、付与するテンションを大きく変更するには、使用する巻付テンションローラの数を調整することが効果的である。
【0030】
本実施の形態の巻線機のテンション付与装置によれば、巻付テンションローラ間に中間ローラ50を設けるだけで容易にテンションを大きく変更して様々な線材に対応することができる。
【0031】
実施の形態3.
以下、本発明に係る巻線機のテンション付与装置の実施の形態3を、図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図10(a)は、巻線機のテンション付与装置に架設したワイヤ1の取り付け模式図である。
本実施の形態では、各巻付テンションローラに巻き付けるワイヤ1の巻き付け角度を調整できるように移動ローラ350、351を備えている。
図10(b)に示すように、移動ローラ350、351を左右に移動することによって容易に各巻付テンションローラに対するワイヤ1の巻き付け角度を調整できる。
ワイヤ1の巻き付け角度を大きくすることによって、ワイヤ1に付与できるテンションを大幅に増加できる。
【0032】
実施の形態4.
以下、本発明に係る巻線機のテンション付与装置の実施の形態4を、図を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図11は、機械式ブレーキ60の断面模式図である。
本実施の形態では電磁ブレーキや、サーボモータの代わりに、機械式ブレーキ60を使用してワイヤ1にテンションを付与する。
巻付テンションローラの軸63は、粘性流体64を充填したハウジング61に回転可能に軸支持されている。
ハウジング61の中の軸63には、はねが取り付けられており、回転時に粘性流体64を受けて回転抵抗が生じる。
【0033】
本発明の実施の形態4に係る機械式ブレーキ60によれば、簡便な構造で一定の制動力を確保できる。
これにより、低コストな巻線機のテンション付与装置を提供できる。
【符号の説明】
【0034】
r1,r2,r3 半径、F1,F2,F3 テンション、20 押圧搬送機構、
21,31 電磁ブレーキ、22 テンションローラ、23 押圧ローラ、
24 リニアガイド、25 シリンダ、30,40 巻付テンション機構、
32,42,232,242 巻付テンションローラ、41 サーボモータ、
7,10 ガイド、50 中間ローラ、350,351 移動ローラ、
60 機械式ブレーキ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転抵抗付与機構を備えた巻付テンションローラにワイヤを巻き付け、前記巻付テンションローラの回転抵抗により前記ワイヤにテンションを付与する巻付テンション機構を備えた巻線機のテンション付与装置において、
回転抵抗付与機構を備えた回転自在のテンションローラと、前記テンションローラの外周面に前記ワイヤを挟んで押圧しながら、前記外周面の回転スピードに合わせて前記テンションローラと反対方向に回転して前記ワイヤを前記巻付テンションローラに送出する押圧ローラとを有する押圧搬送機構を備えた巻線機のテンション付与装置。
【請求項2】
前記押圧ローラの押圧力は調整可能である請求項1に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項3】
前記巻付テンション機構を複数備えた請求項1又は請求項2に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項4】
複数の前記巻付テンション機構の各前記巻付テンションローラに、前記ワイヤを順次8の字型に巻き付ける請求項3に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項5】
前記巻付テンションローラに対する前記ワイヤの巻き付け角度を可変とする移動ローラを備えた請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項6】
複数の前記巻付テンションローラの間に中間ローラを配置した請求項3又は請求項4に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項7】
前記巻付テンションローラ及び前記テンションローラに備えた各回転抵抗付与機構は、サーボモータ又は電磁ブレーキである請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項8】
前記各回転抵抗付与機構の制動力は可変である請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項9】
前記巻付テンションローラ及び前記テンションローラに備えた各回転抵抗付与機構は、機械式ブレーキである請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項10】
前記巻付テンションローラ又は前記テンションローラの少なくとも1つの外周面はゴム加工、又はシリコン加工を施してある請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項1】
回転抵抗付与機構を備えた巻付テンションローラにワイヤを巻き付け、前記巻付テンションローラの回転抵抗により前記ワイヤにテンションを付与する巻付テンション機構を備えた巻線機のテンション付与装置において、
回転抵抗付与機構を備えた回転自在のテンションローラと、前記テンションローラの外周面に前記ワイヤを挟んで押圧しながら、前記外周面の回転スピードに合わせて前記テンションローラと反対方向に回転して前記ワイヤを前記巻付テンションローラに送出する押圧ローラとを有する押圧搬送機構を備えた巻線機のテンション付与装置。
【請求項2】
前記押圧ローラの押圧力は調整可能である請求項1に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項3】
前記巻付テンション機構を複数備えた請求項1又は請求項2に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項4】
複数の前記巻付テンション機構の各前記巻付テンションローラに、前記ワイヤを順次8の字型に巻き付ける請求項3に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項5】
前記巻付テンションローラに対する前記ワイヤの巻き付け角度を可変とする移動ローラを備えた請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項6】
複数の前記巻付テンションローラの間に中間ローラを配置した請求項3又は請求項4に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項7】
前記巻付テンションローラ及び前記テンションローラに備えた各回転抵抗付与機構は、サーボモータ又は電磁ブレーキである請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項8】
前記各回転抵抗付与機構の制動力は可変である請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項9】
前記巻付テンションローラ及び前記テンションローラに備えた各回転抵抗付与機構は、機械式ブレーキである請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の巻線機のテンション付与装置。
【請求項10】
前記巻付テンションローラ又は前記テンションローラの少なくとも1つの外周面はゴム加工、又はシリコン加工を施してある請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の巻線機のテンション付与装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−21137(P2013−21137A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153394(P2011−153394)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]