説明

布団綿

【課題】粉末状の溶岩を布団を構成する原料綿もしくは羽毛に適用することにより、美容や健康を増進することが可能な布団綿を提供しようとするものである。
【解決手段】1)溶岩粉末を保持させた原料綿もしくは羽毛を主要原材料としたことを特徴とする布団綿。
2)粒径が1μm以上の溶岩粉末を原料綿もしくは羽毛に保持させたことを特徴とする上記1)に記載の布団綿。
3)気泡率が30%以上の溶岩粉末を原料綿もしくは羽毛に保持させたことを特徴とする上記1)または2)に記載の布団綿。
4)富士山系の溶岩粉末を原料綿もしくは羽毛に保持させたことを特徴とする上記1)ないし3)のいずれかに記載の布団綿。
5)溶岩粉末を原料綿もしくは羽毛に保持させる手段が、接着剤を介した接着によるものであることを特徴とする上記1)ないし4)のいずれかに記載の布団綿。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は溶岩粉末を原料綿もしくは羽毛に保持させたことにより新規な布団綿を提供することができ、溶岩の発する遠赤外線を有効に活用することができるようにした布団綿に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、火山地帯で産出する溶岩の用途としては、加工しやすいこと、軽量であること、吸水性があること等を利用した建築用ブロック等の建築素材、焼き肉用のプレートが一般的である。また最近では、溶岩が発生させる遠赤外線を利用した小石状の入浴材、炊飯用ジャー等に投入して炊飯時に使用するための炊飯用補助材等も知られている。
【0003】
しかしながら粉末状の溶岩は、火山地帯では粉末といえば火山灰のことであり、火山灰はその悪影響ばかり強調されているために、溶岩を粉砕して粉末として利用することには思い至らないのが実情である。
【0004】
そこで、本発明者は粉末状の溶岩の利用を鋭意研究した結果、これを遠赤外線放射板材としてシート状等の形態で利用した場合、人体の細胞を活性化させ、布団が日光でふっくらするように血管も拡張され、血液の循環が良くなって新陳代謝の促進を図ることができるので、美容や健康を増進することが判明し、特願平11−78866号(特開2000−317公報 特許文献1参照)を提案した。
【0005】
他方、セラミック類を繊維等に担持させる構造としては、特許第3529045号公報(特許文献2参照 微生物利用)、特開2000−345469公報(特許文献3参照 遠赤外線セラミックス粉末と、−イオンセラミックスを混合)、登録実用新案第3004393号公報(特許文献4参照 竹炭の粉末やセラミックス粉末利用)、特開平1−97268号公報(特許文献5参照 セラミックコーティング)等が提案されている。
【特許文献1】特開2000−317公報
【特許文献2】特許第3529045号公報
【特許文献3】特開2000−345469公報
【特許文献4】登録実用新案第3004393号公報
【特許文献5】特開平1−97268号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら粉末状の溶岩を布団綿を構成する綿繊維に適用すること、とりわけ原料綿もしくは羽毛に適用することは、上記各特許文献にはまったく示唆するところがない。
【0007】
そこで、本発明者は粉末状の溶岩を布団を構成する原料綿もしくは羽毛に適用することを鋭意研究した結果、何ら従来の綿布団もしくは羽毛布団と遜色がないことはもちろん、暖かく、軽く、通気性に富み、また原料綿もしくは羽毛の良好な感触を有するばかりでなく、人体の細胞を活性化させ、布団が日光でふっくらするように血管も拡張され、血液の循環が良くなって新陳代謝の促進を図ることができることが判明した。
すなわち、粉末状の溶岩を布団を構成する原料綿もしくは羽毛に適用することにより、美容や健康を増進することが可能な布団綿を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわちこの発明の布団綿は、溶岩粉末を保持させた原料綿もしくは羽毛を主要原材料としたことを特徴とするものである。
【0009】
この発明の布団綿は、粒径が1μm以上の溶岩粉末を原料綿もしくは羽毛に保持させたことをも特徴とするものである。
【0010】
この発明の布団綿は、気泡率が30%以上の溶岩粉末を原料綿もしくは羽毛に保持させたことをも特徴とするものである。
【0011】
この発明の布団綿は、富士山系の溶岩粉末を原料綿もしくは羽毛に保持させたことをも特徴とするものである。
【0012】
この発明の布団綿は、溶岩粉末を原料綿もしくは羽毛に保持させる手段が、接着剤を介した接着によるものであることをも特徴とするものである。
【0013】
この発明において使用する溶岩粉末は、富士山系、特に富士五湖周辺において産出する溶岩を粉砕して得た粉末であることが望ましい。この富士山系、特に富士五湖周辺において産出する溶岩は、気泡率が30%以上で遠赤外線の生成に優れた作用を発揮する。
【0014】
溶岩粉末の粒径は1・m以上であることが望ましく、これ以下の場合には飛散して作業環境や周辺の環境を損なうという問題がある。この粒径が2〜3mm以上の場合には、ざらざらしてしまって使用感が優れず、しかも使用中にプラスチックその他の材質で作製された袋状の可撓性シート等からなる担持体を傷付けてしまうという問題があった。もちろん、どの程度の粒度の溶岩粉末を使用するかは用途や使用形態を勘案して適宜決定することが可能である。
【0015】
上記溶岩粉末を保持させる原料綿としては、綿花を製綿したもの、羊の毛を防虫加工して製綿したもの、蚕の糸をつむいで何百にも重ねて真綿にしたもの等の天然繊維のみならず、ポリエステル繊維等の化学繊維をも使用することができる。
また羽毛としては、ダックダウン、グースダウンやマザーグースダウン、アイダーダウン等から適宜選択することができる。このダウン(原料綿もしくは羽毛)は水鳥の胸の辺りから採れる、産毛状の保温性に富んだ素材であり、水鳥の体温調節のための肌着の役割をしているものである。またフェザー(羽根)とはダウン以外の、真ん中に硬い軸がある羽の部分のことをいい、羽毛布団はダウンとフェザーをある比率で混合した材料を中わたに使用して作られ、ダウンの比率が50%以上のものを『羽毛布団』と呼ぶ。
【0016】
溶岩粉末を原料綿もしくは羽毛に保持させる手段としては、ベルトコンベア上を搬送される原料綿もしくは羽毛に、接着剤を噴霧状に吹き付けるとともに溶岩粉末も噴霧状に吹き付けて原料綿もしくは羽毛に溶岩粉末を付着させたり、接着剤および溶岩粉末を噴霧状にスプレーした容器内に原料綿もしくは羽毛を投入して圧送ガス等で攪拌し、バッチ式に原料綿もしくは羽毛に溶岩粉末を付着させたりすることが挙げられる。
【発明の効果】
【0017】
この発明の布団綿は以上のように構成したので、利用しやすい形態で種々の用途に使用することができ、しかも人体の細胞を活性化させ、血液の循環が良くなって新陳代謝の促進を図ることができるので、美容や健康を増進する新規な布団綿を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の布団綿の実施の形態を、実施例に基いてより詳細に説明する。
【0019】
[製造例1]
ベルトコンベア上を搬送されてくる原料綿もしくは羽毛の上に、粒径が約10〜30μmで気泡率が30%以上の溶岩粉末およびほぼ等量のスプレー用接着剤(スプレーのり等)を、コンプレッサで吹き付け、未接着の溶岩粉末をふるい落として原料綿もしくは羽毛に溶岩粉末を付着させた布団綿を得た。
【0020】
[製造例2]
粒径が10〜30・mで気泡率が30%以上の溶岩粉末30g、およびほぼ等量のスプレー用接着剤(スプレーのり等)を噴霧状にスプレーした容器内に原料綿もしくは羽毛100gを投入して圧送ガス等で攪拌し、バッチ式に原料綿もしくは羽毛に溶岩粉末を付着させて原料綿もしくは羽毛に溶岩粉末を付着させた布団綿を得た。
【実施例】
【0021】
原料綿もしくは羽毛に溶岩粉末を付着させた布団綿を、溶岩粉末を付着させていない布団綿とそれぞれ下記の割合で配合して所望の布団綿を得た。
所定割合の布団綿のそれぞれの効能について表1に示す。いずれの配合のものも、人体の細胞を活性化させ、血液の循環が良くなって新陳代謝の促進を図ることができるので、美容や健康を増進することができ、コスト的にも非常に優れた布団綿が得られた。
【表1】

表中のAは溶岩粉末を付着させた原料綿もしくは羽毛、Bは通常の原料綿もしくは羽毛である。
【産業上の利用可能性】
【0022】
この発明の布団綿は、綿入りの布団や羽毛布団としてのみならず、室内のフロアシートやマットレス、クッション材等として、また、パッケージ用の種々の緩衝材やその他の様々な用途に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶岩粉末を保持させた原料綿もしくは羽毛を主要原材料としたことを特徴とする布団綿。
【請求項2】
粒径が1μm以上の溶岩粉末を原料綿もしくは羽毛に保持させたことを特徴とする請求項1に記載の布団綿。
【請求項3】
気泡率が30%以上の溶岩粉末を原料綿もしくは羽毛に保持させたことを特徴とする請求項1または2に記載の布団綿。
【請求項4】
富士山系の溶岩粉末を原料綿もしくは羽毛に保持させたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の布団綿。
【請求項5】
溶岩粉末を原料綿もしくは羽毛に保持させる手段が、接着剤を介した接着によるものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の布団綿。

【公開番号】特開2007−303042(P2007−303042A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−134568(P2006−134568)
【出願日】平成18年5月13日(2006.5.13)
【出願人】(593099148)株式会社富士山 (6)
【Fターム(参考)】