説明

布地ケア用エマルション

本発明は、水中油型エマルション、前記エマルションの製造方法、および布地ケアまたはヘアケア用組成物における使用に関する。布地ケア用組成物は、水中シリコーン油型エマルションを含み、このエマルションは、a. 少なくとも1つのシリコーン化合物と少なくとも1つのシリコーンを含まない油とを混合することにより油相を形成する工程、b. 場合によって乳化剤を添加する工程、c) 水を添加する工程、d) 水中油型エマルションを形成する工程、によって得られる。シリコーンを含まない油で希釈されたシロキサンまたはポリシロキサン化合物、例えばポリジメチルシロキサン(ポリジメチルシリコーンまたはPDMS)またはこれらの誘導体(例えばアミノおよびアミドシリコーン)を含むシリコーン油は、費用を下げ、高い布地ケア特性を備えるエマルションを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型エマルション、前記エマルションを製造する方法、およびその布地ケア用組成物またはヘアケア用組成物における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
布地の柔軟剤組成物、特に布地の洗浄サイクルのすすぎ工程において加えられるものは、当分野においてよく知られている。
【0003】
布地を柔軟にする組成物は、古典的には、ポリアルキル第四級アンモニウム塩、およびより明確には1つまたは複数の完全に飽和したアルキル鎖を有する、エステル結合した第四級アンモニウムの布地を柔軟にする物質から構成されている。
【0004】
すすぎおよび乾燥段階の間の布地のしわを低減するために、アイロン前のしわまたはひだ(crease)の見た目を減らすために、アイロンをかけやすくするために、布地を柔軟にする高い性能をもたらすために、または、布地の再湿潤性を改善するために、1つまたは複数の追加の物質、例えばシリコーンあるいはポリジオルガノシロキサンを組み込むことも知られている。これらの構造およびこれらの低い溶解性により、布地を柔軟にする物質は、あまり乳化特性を有することができない。したがって、油、特にシリコーン油の布地の柔軟剤組成物への添加は、製品の不安定性につながる粒子の崩壊により、困難である。
【0005】
シリコーンは、in situのシリコーンの乳化を含む、様々な方法で組み込まれることができる。たくさんの先行技術の組成物が、マイクロエマルション(つまりシリコーンが可視光の波長未満の液滴サイズを有する液滴として存在し、エマルションが例えば国際公開WO92/01776号に見られるように実質的に透明である)の形態におけるシリコーンの組み込みを記載している。いくつかの場合において、マイクロエマルションが使用される(例えば国際公開WO97/31997号)。これらの先行技術の組成物において、シリコーンは、布地の柔軟剤処方に添加される前に、すでに乳化されている。
【0006】
あらかじめ乳化したシリコーンの、布地の柔軟剤処方への添加は、長年にわたってよく文書化されてきたが、このような布地ケア用エマルションの使用は、その活性質量あたりの高い費用により、制限されている。さらに、シリコーンは、環境立法がより厳しくなり続けているために顕著な欠点となり得る、低い生分解性プロファイルを有する。これらの点に加えて、固体粒子により安定化されたエマルション(つまりピッカリングエマルション(Pickering emulsion))を開発する場合、粘度が障害となり得る。加えて、油/水の界面張力を下げるための界面活性剤が存在しないため、少量の油状液滴の処方は、粘性油を使用する場合、困難であり、例えば国際公開WO2003/055968号に見られるように、小さな油状液滴を形成するために高いレベルの機械的なエネルギーを必要とする。
【0007】
シリコーンを含む組成物は、化粧用および医薬用途のようなパーソナルケア用途においても使用されている。欧州特許出願EP A 1306072号によると、有機油とシリコーン油の混合物、例えばジメチルポリシロキサンおよびシクロメチコーンは、非常に優れた知覚特性およびケア特性を有し、結果として、これらは化粧用および医薬組成物における使用のために、非常に好適である。しかし、処方は、有機改質シリコーンの形態において相溶化剤を必要とする。国際公開WO2007/141565号には、油中水または水中シリコーン油型エマルション中で、シャンプーおよびスキンクリームのようなパーソナルケア製品において使用される、アミノ酸官能性シロキサンが記載されている。これらの処方は溶剤、好ましくは短鎖アルコールの形態を含むことができる。米国特許出願第2003/036490号には、化粧品のための水中油型エマルションが記載されており、ここで、あらかじめ均質化された、鉱油と低分子量シロキサン化合物の油性相は、両親媒性ポリマーを含む水性相と混合される。米国特許第6465402号には、油相中に追加の流体を含むことができる、シロキサンエラストマーエマルションが記載されている。国際公開WO2007/083256号およびWO2005/105024号には、パーソナルケア用途のための水中油型エマルションが記載されており、ここで、油性相はシリコーン化合物を含む。
【0008】
欧州特許出願EP A 0756864号およびEP A 0850644号には、化粧品用途、例えばリップスティックまたはファンデーションにおいて、衣服または他の表面への物質の移動を低減するために使用される、油性混合物が記載されている。韓国特許出願第20020057493号には、シリコーンで被覆された顔料を含む、水中油型のファンデーションが記載されている。
【0009】
国際公開WO99/09947号には、界面活性剤および水を含む、リンスオフ(rinse-off)の液体のパーソナルクレンジング組成物が記載されており、ここで、組成物は、シリコーン油および炭化水素油を含んでもよい、いくつかの成分中に、2つの異なる界面活性剤の組合せを含む。
【0010】
洗濯用途の分野において、米国特許第7335630号、米国特許第7326676号および米国特許出願第20050009720号には、清浄にするためおよび布地ケア便益、つまり「2つが1つに入った(2-in-1)液体洗剤」を与えるための、水性液体洗濯用洗剤が記載されている。組成物には、洗浄用界面活性剤と、窒素を含むアミノまたはアンモニウム官能基化ポリシロキサンおよび窒素を含まない官能基化されていないポリシロキサンを含むシリコーンブレンドの液滴とが含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開WO92/01776号
【特許文献2】国際公開WO97/31997号
【特許文献3】国際公開WO2003/055968号
【特許文献4】欧州特許出願EP A 1306072号
【特許文献5】国際公開WO2007/141565号
【特許文献6】米国特許出願第2003/036490号
【特許文献7】米国特許第6465402号
【特許文献8】国際公開WO2007/083256号
【特許文献9】国際公開WO2005/105024号
【特許文献10】欧州特許出願EP A 0756864号
【特許文献11】欧州特許出願EP A 0850644号
【特許文献12】韓国特許出願第20020057493号
【特許文献13】国際公開WO99/09947号
【特許文献14】米国特許第7335630号
【特許文献15】米国特許第7326676号
【特許文献16】米国特許出願第20050009720号
【特許文献17】米国特許第5035832号
【特許文献18】米国特許第3915867号
【特許文献19】米国特許第4137180号
【特許文献20】米国特許第7026277号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
使用の有効性における費用、および洗剤処方または布地ケア用組成物から出すことができる、改善された環境プロファイルで、布地ケアの便益を提供することができる、シリコーンベースのエマルション技術を発展させるさらなる要求が存在する。
【0013】
使用の有効性における費用、およびシャンプーまたはコンディショナーから出すことができる、改善された環境プロファイルで、ヘアケアの便益を提供することができる、シリコーンベースのエマルション技術を発展させる要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
その態様の1つにおいて、本発明は、水中シリコーン油型エマルションを含む布地ケア用組成物の製造方法を提供し、エマルションは、
a. 少なくとも1つのシリコーン化合物と少なくとも1つのシリコーンを含まない油とを混合することにより油相を形成する工程、
b. 場合によって乳化剤または固体の粒子状乳化剤を加える工程、
c. 水を加える工程、
d. 水中油型エマルションを形成する工程、
により得られる。
【0015】
本発明は、油相がシリコーン化合物とシリコーンを含まない油とを含むことを特徴とする、水中シリコーン油型エマルションを含む、布地ケア用組成物も提供する。
【0016】
本発明は、さらに、油相がシリコーン化合物とシリコーンを含まない油とを含む水中油型エマルションと同様に、布地ケア用組成物、またはシャンプーあるいはコンディショナーのようなヘアケア用組成物における、このような水中油型エマルションの使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、使用における費用、環境プロファイルおよびピッカリングエマルションとしても知られている粒子で安定化されたエマルションの製造の容易さを改善した、布地ケア用シリコーンエマルションを提供することを可能にする。
【0018】
本出願人らは、シリコーンを含まない油で希釈された、シロキサンまたはポリシロキサン化合物、例えばポリジメチルシロキサン(ポリジメチルシリコーンまたはPDMS)、あるいはこれらの誘導体、例えばアミノおよびアミドシリコーンを含むシリコーン油は、高い布地ケア特性を備えるエマルションを提供することができることを見出した。
【0019】
本記載において、油と名付けられた化合物または化合物の混合物は、流体として作用する場合、例えば、液体であり、水と混和しない。
【0020】
驚くべきことに、シリコーン物質がシリコーンを含まない油で希釈された油相を含むエマルションは、再湿潤および柔軟試験により観察された通り、優れた柔軟性能を有する布地ケア用組成物を製造することを可能にする。
【0021】
希釈剤の(希釈する)油がそれ自体に布地ケアの便益を有さない場合であっても、布地ケアの便益を維持することができる一方、コストを下げ得ることがわかった。本発明は、シリコーンを含む商業的な布地の柔軟剤より安い成分を使用して、高い性能を示す布地の柔軟剤を得ることを可能にする。
【0022】
既に重合されたシリコーンが好ましくは使用され、シリコーンを含まない油と混合される。
【0023】
いくつかの実施形態において、250℃未満の沸点の、少ない含有量の揮発性シロキサンを有する、シリコーン化合物(または異なるシリコーン化合物の混合物)が使用される。好ましくは、シリコーン化合物または異なるシリコーン化合物の混合物は、0.5質量%未満の沸点250℃未満のシロキサンを含む。好ましくは、シリコーン化合物中に存在する沸点250℃未満のそれぞれのシロキサンは、0.1質量%未満のシリコーン化合物を形成する。
【0024】
この低い揮発性のシリコーン化合物または混合物は、シリコーンから揮発性種を蒸発または抽出することによって、または低い揮発性含有量をもたらす重合条件を使用することによって、調製することができる。このような条件は、これに制限されないが、低い温度における重合、または平衡より縮合反応を好む触媒の使用である。
【0025】
シリコーン化合物または混合物の希釈は、油相の粘度を低下させることができ、これによりプロセス中のシリコーン物質の乳化を促進する。
【0026】
シリコーン化合物を希釈する、シリコーンを含まない油は、シリコーン化合物と混和性(相溶性)であるか、または混和性(相溶性)ではない。非混和性(非相溶性)のシリコーンを含まない油が使用される場合、シリコーン化合物または混合物は、正確には希釈されるのではなく、非混和性の油に分散される。油とシリコーン化合物の混合は、シリコーン化合物または混合物の油中の微分散を確実にするため、適切なせん断を激しくかける必要がある。この実施形態は、希釈剤、相溶性油とは異なる油を使用することを可能にし、異なる特性を得ることを可能にする。例えば、シリコーン化合物はヒマワリ油に分散されることができ、製品に興味深い生分解性特性を備えさせる。これは、生分解性が重要な特性である、布地ケア製品にとって特に有利となり得る。
【0027】
それゆえ、好ましい実施形態において、本発明は水中油型エマルションに増量され、油相は、シリコーン化合物と相溶性ではない、シリコーンを含まない油中の、シリコーン化合物の液-液分散体を含む。このようなエマルションは、ヘアケアまたは布地ケア用組成物のために、有利であり得る。
【0028】
混合は、高粘度物質の混合に影響を与えるための、当分野で知られている任意の方法によって達成することができる。混合は、バッチ、半連続、または連続方法のどちらかとして起きてもよい。例えば、チェンジキャンミキサー(change-can mixer)、ダブルプラネタリーミキサー(double-planetary mixer)、コニカルスクリューミキサー(conical-screw mixer)、リボンブレンダー(ribbon blender)、ダブルアーム(double-arm)またはシグマブレード(sigma-blade)ミキサーを含む中間/低せん断を伴うバッチ混合装置、Charles Ross & Sons (NY)、Hockmeyer Equipment Corp. (NJ)により製造されるものを含む高せん断および高速分散機、Banburyタイプ(CW Brabender Instruments Inc.、NJ)およびHenschelタイプ(Henschel mixers America、TX)を含む高せん断動作を伴うバッチ混合装置を使用して、混合が起きてもよい。連続ミキサー/コンパウンダーの実例には、一軸、二軸、および多軸の押出機、共回転押出機(例えばKrupp Werner & Pfleiderer Corp(Ramsey、NJ)およびLeistritz(NJ)により製造されたもの)、二軸反転押出機(twin-screw counter-rotating extruder)、二段階押出機(two-stage extruder)、二回転連続ミキサー(twin-rotor continuous mixer)、動的または静的ミキサー、あるいはこれらの装置の組合せが含まれる。
【0029】
乳化は、相転換、粘度の高い相を用いた方法(thick phase process)または機械的なせん断によるような、様々なプロセス経路を使用して起こり得る。
【0030】
好ましくは、シリコーンを含まない油は、好ましくは25℃において0.65mPa・sから25℃において10000mPa・sの間を含む、低い粘度を有する。より好ましくは、粘度は2から1000mPa・sの間、最も好ましくは4から500mPa・sの間を含む。
【0031】
好ましくは、シリコーンを含まない油は、炭化水素油である。好ましくは、シリコーンを含まない油は、天然由来であるまたは天然油から誘導される。好ましくは、油は、鉱物、植物または動物由来である。例には、直鎖または分岐のモノ不飽和炭化水素、例えば少なくとも12個、例えば12から25個の炭素原子を含む直鎖または分岐のアルケンあるいはこれらの混合物; および/または直鎖の(例えばn-パラフィン系)鉱油、分岐の(イソ-パラフィン系)鉱油、環式の(いくつかの先行技術においてナフテン系として表される)鉱油、およびこれらの混合物を含む、鉱油画分が含まれる。好ましくは、利用される炭化水素は、1分子あたり少なくとも10個、好ましくは少なくとも12個、および最も好ましくは15個以上の炭素原子を含む。
【0032】
他の好ましい油の増量剤には、ポリマー、モノ、ジまたはポリカルボン酸エステルと非反応性である、アルキル脂環式化合物、低分子量ポリイソブチレン、ホスフェートエステル、ポリアルキルベンゼンを含むアルキルベンゼンが含まれる。
【0033】
油画分の任意の好適な混合物は、本発明において、希釈剤として利用されてもよいが、高分子量の増量剤(例えば>220g/モル)が特に好ましい。例には、アルキルシクロヘキサン(分子量>220g/モル); 1から99%、好ましくは15から80%のn-パラフィン系および/またはイソパラフィン系炭化水素(直鎖分岐パラフィン系)と、1から99%、好ましくは85から20%の環式炭化水素(ナフテン系)と、最大3%、好ましくは最大1%の芳香族炭素原子とを含む、パラフィン系炭化水素およびこれらの混合物が含まれる。環式パラフィン系炭化水素(ナフテン系)には、環式および/または多環式炭化水素が含まれる。鉱油画分の任意の好適な混合物は、例えば、以下:
(i) 60から80%のパラフィン系および20から40%のナフテン系ならびに最大1%の芳香族炭素原子;
(ii) 30〜50%、好ましくは35から45%のナフテン系および70から50%のパラフィン系ならびに/またはイソパラフィン系油;
(iii) 60質量%より多いナフテン系、少なくとも20質量%の多環式ナフテン系を含む炭化水素流体であって、ASTM D-86沸点が235℃を超えるもの;
(iv) 炭化水素の100質量部に基づいて、40質量部を超えるナフテン系炭化水素および60質量部未満のパラフィン系ならびに/またはイソパラフィン系炭化水素を有する炭化水素流体;
を含む混合物が使用されてもよい。
【0034】
好ましくは、油ベースの希釈剤またはこれらの混合物は、少なくとも1つの以下のパラメータ:
(i) 150を超える、最も好ましくは200を超える分子量;
(ii) 230℃以上の初留点(ASTM D 86による);
(iii) 0.9以下の粘度密度定数値(ASTM 2501による);
(iv) 1分子あたり平均少なくとも12個、最も好ましくは1分子あたり12から30個の炭素原子の炭素原子;
(v) 70℃以上のアニリン点、最も好ましくは80から110℃のアニリン点(ASTM D 611による);
(vi) 増量剤の20から70質量%の含有量のナフテン系および増量剤の30から80%の含有量のパラフィン系を有する鉱油ベースの増量剤(ASTM D 3238による);
(vii) -50から60℃の流動点(ASTM D 97による);
(viii) 40℃において1から20cStの動粘性率(ASTM D 445による);
(ix) 0.7から1.1の特定の重力(ASTM D1298による);
(x) 20℃において1.1から1.8の屈折率(ASTM D 1218による);
(xi) 15℃において700kg/m3を超える密度(ASTM D4052による); および/または
(xii) 100℃を超える、より好ましくは110℃を超える引火点(ASTM D 93による);
(xiii) 少なくとも+30のセイボルト色度(saybolt colour)(ASTM D 156による);
(xiv) 250ppm以下の水含有量;
(xv) 2.5ppm未満の硫黄含有量(ASTM D 4927による);
を含む。
【0035】
希釈剤には、好適な非鉱物ベースの天然油またはこれらの混合物、つまり動物、種子、木の実から誘導されたものであって、鉱油からではないもの(つまり、石油または石油ベースの油ではないもの)、例えば、アーモンド油、アボカド油、牛脂、ボラージ油(borrage oil)、バター脂、キャノーラ油、カルダノール(cardanol)、カシューナッツ油、カシューナッツ殻液体(cashew nutshell liquid)、ヒマシ油、シトラスシード油(citrus seed oil)、ココアバター、ココナッツ油、タラ肝油、コーン油、綿実油、クフェア油、月見草油、大麻油、ホホバ油、ラード、亜麻仁油、マカダミア油、ニシン油、オート麦油(oat oil)、オリーブ油、パーム核油、パーム油、ピーナッツ油、ケシの実油、ナタネ油、米ぬか油、サフラワー油(safflower oil)、サフラワー油(safflower oil)(高オレイン酸)、セサミ油、大豆油、ヒマワリ油、ヒマワリ油(高オレイン酸)、トール油(tall oil)、ティーツリー油、ロート油(turkey red oil)、ウォールナッツ油、エゴマ油、脱水ヒマシ油、アンズ油、松の実油、ククイナッツ油、アマゾンナッツ油(amazon nut oil)、アーモンド油、ババス油、アルガン油、黒クミン油(black cumin oil)、ベアベリー油、カロフィラム油、カメリナ油、ニンジン油、カルタマス油(carthamus oil)、カボチャ油、デイジー油(daisy oil)、グレープシード油、ホラハ油(foraha oil)、ホホバ油、クイーンズランド油、オノエテラ油(onoethera oil)、トウゴマ油(ricinus oil)、タマヌ油、ツクマ油(tucuma oil)、魚油(例えばピルチャード油、イワシ油およびニシン油)を含んでもよい。希釈剤は、代わりには、上記および/または上記の1つまたは複数の誘導体の混合物であってもよい。
【0036】
広い範囲の様々な天然油誘導体が利用可能である。これらには、トランスエステル化天然植物油、ボイル天然油(例えばボイル亜麻仁油)、吹込み天然油(blown natural oil)およびスタンド天然油が含まれる。好適なトランスエステル化天然植物油の例は、バイオディーゼル油として知られており、トランスエステル化製品は、機械的に、種子(例えばナタネ)から抽出された天然油を、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム触媒の存在下でメタノールと一緒に反応させ、利用される供給量に応じていろいろなエステルを生成することによって製造される。例には、例えば、メタオレアート(CH3(CH2)7CH=CH(CH2)7CO2CH3)が含まれる。
【0037】
熱的重合油または加熱重合油として知られているスタンド天然油は、空気の不存在下で、高温で製造される。油は、油中に天然に存在する二重結合で架橋することによって重合される。結合は、炭素-炭素タイプである。スタンド油は、淡色であり、酸性度が低い。これらは吹込み油より広い範囲の粘度で製造されることができ、粘度がより安定である。一般的には、スタンド油は亜麻仁油および大豆油から製造されるが、他の油に基づいて製造されることもできる。スタンド油は、表面被覆産業において、広く使用されている。
【0038】
酸化され、増粘され、および酸化重合された油としても知られている吹込み油は、油を通して空気を吹き込むことによって高温で製造される。再び油は二重結合で架橋されることによって重合されるが、この場合、酸素分子が架橋結合内に組み込まれる。過酸化物、ヒドロペルオキシドおよびヒドロキシ基も存在する。吹込み油は、スタンド油よりも広い範囲の油から製造されてもよい。一般的には、吹込み油は、スタンド油と比較すると、より色が暗く、高い酸化度を有する。広い範囲の原料物質を使用することができるため、吹込み油は多くの多様な産業において使用されることがわかり、例えば、吹込み亜麻仁油は表面被覆産業において使用され、吹込みナタネ油は普通潤滑剤において使用される。
【0039】
シリコーンを含まない油、例えば植物由来の油の存在は、布地組成物の生分解性を増加させることを助けることができ、これは環境の関心および法律がますます重要になってきているため、利点となる。
【0040】
好ましくは、シリコーン化合物は、アミノまたはアミド官能基化シロキサンまたはポリシロキサン化合物を含む。
【0041】
シリコーン油は、任意のオルガノポリシロキサンであることができる。オルガノポリシロキサンは、(R3SiO0.5)、(R2SiO)、(RSiO1.5)または(SiO2)シロキシ単位から独立に選択されるシロキサン単位を含むポリマーであり、ここでRは任意の一価の有機基であってもよい。これらのシロキシ単位は、様々な方法で組み合わされて、環式、直鎖、または分岐構造を形成してもよい。オルガノポリシロキサンの(R3SiO0.5)、(R2SiO)、(RSiO1.5)または(SiO2)シロキシ単位におけるRがメチル基である場合、シロキシ単位は、通常、それぞれM、D、T、およびQ単位として表される。得られるポリマー構造の化学的および物理的特性は、変化することができる。例えば、オルガノポリシロキサンは、オルガノポリシロキサン内のシロキシ単位の数および配置に応じて、揮発性または低粘性流体、高粘性流体/ガム、エラストマーまたはゴム、および樹脂となり得る。
【0042】
本発明においてシリコーン油として有用なオルガノポリシロキサンは、任意の数または組合せの(R3SiO0.5)、(R2SiO)、(RSiO1.5)または(SiO2)シロキシ単位を含んでもよい。シリコーン油は、2つ以上のオルガノポリシロキサンの混合物であってもよい。オルガノポリシロキサンは、これに制限されないが、シリコーン流体、ガム、エラストマーまたは樹脂として当分野において知られているものから選択されてもよい。オルガノポリシロキサンは、これに制限されないが、「オルガノ官能性」シリコーン流体、ガム、エラストマーまたは樹脂として当分野において知られているものから選択されてもよい。
【0043】
本発明の一実施形態において、オルガノポリシロキサンは、ポリジメチルシロキサンまたはその混合物である。それは、25℃において1000mm2/sを超える粘度、代わりには25℃において10000mm2/sを超える粘度、代わりには25℃において100000mm2/sを超える粘度を有することができる。ポリジメチルシロキサンの「末端ブロッキング(endblocking)」基は重要ではなく、典型的には、OH(つまりSiOH末端)、アルコキシ(RO)、またはトリメチルシロキシ(Me3SiO)のどれかである。
【0044】
オルガノポリシロキサンは、異なる粘度または分子量の様々なポリジメチルシロキサンの混合物であってもよい。さらに、オルガノポリシロキサンは、低分子量または揮発性オルガノポリシロキサン中の、高分子量オルガノポリシロキサン、例えばガム、樹脂、またはエラストマーの混合物であってもよい。本発明に好適なポリジメチルシロキサンのガムは、本質的に、ジメチルシロキサン単位と、モノメチルシロキサン、トリメチルシロキサン、メチルビニルシロキサン、メチルエチルシロキサン、ジエチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、ジフェニルシロキサン、エチルフェニルシロキサン、ビニルエチルシロキサン、フェニルビニルシロキサン、3,3,3-トリフルオロプロピルメチルシロキサン、ジメチルフェニルシロキサン、メチルフェニルビニルシロキサン、ジメチルエチルシロキサン、3,3,3-トリフルオロプロピルジメチルシロキサン、モノ-3,3,3-トリフルオロプロピルシロキサン、アミノアルキルシロキサン、モノフェニルシロキサン、モノビニルシロキサンおよび同様のものによって表される他の単位とから構成される。
【0045】
オルガノポリシロキサンは、柔軟性または布地の手触りを高めるための、当分野において知られている、任意の「オルガノ官能性」シリコーンから選択されてもよい。例えば、アミノ、アミド、エポキシ、メルカプト、ポリエーテル、官能性、または変性シリコーンとして知られているオルガノ官能性シリコーンを、シリコーン油として使用してもよい。
【0046】
オルガノ官能性オルガノポリシロキサンは、オルガノ官能性基である式RnSiO(4-n)/2内に、少なくとも1つのR基を有していてもよい。代表的なオルガノ官能性基には、これに制限されないが、アミノ、アミド、エポキシ、メルカプト、ポリエーテル(ポリオキシアルキレン)基、およびこれらのいずれかの混合物が含まれる。オルガノ官能性基は、R置換基を有するいずれかのシロキシ単位上に存在してもよく、つまり、(R3SiO0.5)、(R2SiO)、または(RSiO1.5)単位のいずれかの上に存在してもよい。
【0047】
アミノ官能基は、本明細書内の式においてRNとして示されてもよく、式-R1NHR2、-R1NR22、または-R1NHR1NHR2を有する基により例示され、ここで、それぞれのR1は、独立に、少なくとも2つの炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、R2は水素またはアルキル基である。それぞれのR1は、典型的には、2から20個の炭素原子を有するアルキレン基である。R1は、例えば基-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CHCH3-、-CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-、-CH2CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH(CH2CH3)CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2-、および-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2-により例示される。アルキル基R2は、Rのために上記で例示されたものである。R2がアルキル基である場合、それは典型的には、メチルである。
【0048】
好適なアミノ官能性炭化水素基のいくつかの例は、-CH2CH2NH2、-CH2CH2CH2NH2、-CH2CHCH3NH、-CH2CH2CH2CH2NH2、-CH2CH2CH2CH2CH2NH2、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2NH2、-CH2CH2NHCH3、-CH2CH2CH2NHCH3、-CH2(CH3)CHCH2NHCH3、-CH2CH2CH2CH2NHCH3、-CH2CH2NHCH2CH2NH2、-CH2CH2CH2NHCH2CH2NH2、-CH2CH2CH2NHCH2CH2CH2NH2、-CH2CH2CH2CH2NHCH2CH2CH2CH2NH2、-CH2CH2NHCH2CH2NHCH3、-CH2CH2CH2NHCH2CH2CH2NHCH3、-CH2CH2CH2CH2NHCH2CH2CH2CH2NHCH3、および-CH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2CH2CH3である。
【0049】
エマルションは、好ましくは、液体、ペーストまたは溶液の形態の、界面活性剤とも呼ばれる乳化剤、または固体の粒子の形態の乳化剤、つまりピッカリング乳化剤を含む。乳化剤の存在は、均質および/または安定な油相を得ることを助ける。
【0050】
液体の乳化剤を使用する場合、任意の好適な界面活性剤または界面活性剤の組合せを利用してもよい。界面活性剤は、一般的には、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、または両性界面活性剤であり得るが、本発明のプロセスを実行するための全ての手順が、全ての界面活性剤と一緒に使用されることができるわけではない。使用される界面活性剤の量は、界面活性剤に応じて変化するが、一般的には、ポリジオルガノシロキサンに基づいて、最大30質量%である。
【0051】
非イオン性界面活性剤の例には、エチレンオキシドの長鎖脂肪アルコールまたは脂肪酸(例えばC12〜16アルコール)との縮合物、エチレンオキシドのアミンまたはアミドとの縮合物、エチレンとプロピレンオキシドとの縮合生成物、グリセロールのエステル、スクロース、ソルビトール、脂肪酸アルキロールアミド、スクロースエステル、フルオロ-界面活性剤、脂肪アミンオキシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(例えばポリエチレングリコール長鎖(12〜14C)アルキルエーテル)、ポリオキシアルキレンソルビタンエーテル、ポリオキシアルキレンアルコキシレートエステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、エチレングリコールプロピレングリコールコポリマーおよびアルキルポリサッカリド、米国特許第5035832号に記載された、例えば構造R24-O-(R25O)s-(G)t(ここで、R24は直鎖または分岐アルキル基、直鎖または分岐アルケニル基またはアルキルフェニル基を表し、R25はアルキレン基を表し、Gは還元糖を表し、sは0または正の整数を示し、tは正の整数を表す)で表される物質が含まれる。非イオン性界面活性剤には、さらに、ポリマー界面活性剤、例えばポリビニルアルコール(PVA)およびポリビニルメチルエーテルが含まれる。
【0052】
好適な商業的に利用可能な非イオン性界面活性剤の代表的な例には、Uniqema(ICI Surfactants)、Wilmington、DelawareによりBRIJの商品名で販売されているポリオキシエチレン脂肪アルコールが含まれる。いくつかの例は、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルとして知られているエトキシ化アルコールである、BRIJ 35 Liquid、およびポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルとして知られている別のエトキシ化アルコールである、BRIJ 30である。いくつかの追加の非イオン性界面活性剤には、The Dow Chemical Company、Midland、MichiganによりTERGITOL(登録商標)の商標名で販売されているエトキシ化アルコールが含まれる。いくつかの例は、エトキシ化トリメチルノナノールとして知られているエトキシ化アルコールである、TERGITOL(登録商標) TMN-6、および様々なエトキシ化アルコール、つまり、商標名TERGITOL(登録商標) 15-S-5、TERGITOL(登録商標) 15-S-12、TERGITOL(登録商標) 15-S-15、およびTERGITOL(登録商標) 15-S-40で販売されている、C12〜C14第二級アルコールエトキシレートである。ケイ素原子を含む界面活性剤も使用することができる。
【0053】
好適な両性界面活性剤の例には、イミダゾリン化合物、アルキルアミノ酸塩、およびベタインが含まれる。特定の例には、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシサルフェート、ココベタイン、ナトリウムココアミドアセテート、ココジメチルベタイン、N-ココ-3-アミノブチル酸およびイミダゾリニウムカルボキシ化合物が含まれる。
【0054】
カチオン性界面活性剤の例には、第四級水酸化アンモニウム(例えばオクチルトリメチル水酸化アンモニウム、ドデシルトリメチル水酸化アンモニウム、ヘキサデシルトリメチル水酸化アンモニウム、オクチルジメチルベンジル水酸化アンモニウム、デシルジメチルベンジル水酸化アンモニウム、ジドデシルジメチル水酸化アンモニウム、ジオクタデシルジメチル水酸化アンモニウム、タロウトリメチル水酸化アンモニウムおよびココトリメチル水酸化アンモニウム、同様にこれらの物質に対応する塩)、脂肪アミンおよび脂肪酸アミドならびにこれらの誘導体、塩基性ピリジニウム化合物、ベンズイミダゾリンおよびポリプロパノールポリエタノールアミンの第四級アンモニウム塩基が挙げられる。好適なカチオン性界面活性剤の他の代表的な例には、アルキルアミン塩、スルホニウム塩、およびホスホニウム塩が含まれる。
【0055】
好適なアニオン性界面活性剤の例には、アルキルサルフェート(例えばラウリルサルフェート)、ポリマー(例えばアクリレート/C10〜30アルキルアクリレート架橋ポリマー)、アルキルベンゼンスルホン酸および塩(例えばヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、セチルベンゼンスルホン酸およびミリスチルベンゼンスルホン酸)、モノアルキルポリオキシエチレンエーテルのサルフェートエステル、アルキルナフチルスルホン酸、アルカリ金属スルホレシネート、脂肪酸のスルホン化グリセリルエステル(例えばココナッツ油酸のスルホン化モノグリセリド)、スルホン化一価アルコールエステルの塩、アミノスルホン酸のアミド、脂肪酸ニトリルのスルホン化生成物、スルホン化芳香族炭化水素、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ナトリウムオクタヒドロアントラセンスルホネート、アルカリ金属アルキルサルフェート、エステルサルフェート、およびアルカリールスルホネートが含まれる。アニオン性界面活性剤には、高級脂肪酸のアルカリ金属せっけん、アルキルアリールスルホネート(例えばナトリウムドデシルベンゼンスルホネート)、長鎖の脂肪アルコールサルフェート、オレフィンサルフェートおよびオレフィンスルホネート、硫酸化モノグリセリド、硫酸化エステル、スルホン化エトキシ化アルコール、スルホサクシネート、アルカンスルホネート、ホスフェートエステル、アルキルイセチオネート、アルキルタウレート、およびアルキルサルコシネートが含まれる。好ましいアニオン性界面活性剤の1つの例は、Bio-Soft N-300の名称で、商業的に販売されている。これはStephan Company、Northfield、Illinoisにより市販されているトリエタノールアミン直鎖アルキレートスルホネート組成物である。
【0056】
上記の界面活性剤は、個々にまたは組み合わせて使用してもよい。
【0057】
他の実施形態において、エマルションは、乳化剤として働く固体の粒子状物質を含む。
【0058】
固体の粒子状物質は、布地をトリートメントする組成物と相溶性の任意の固体の粒子状物質であってもよい。例えば、固体の粒子状物質は、粘土、ゼオライト、シリカおよびこれらの混合物から選択されてもよい。好ましくは、粒子状物質は、平均(数による)サイズが0.01から1000ミクロンの範囲である個々の固体粒子を含む、固体の物質である。好ましくは、粒子のサイズは、一般的に、直径で100ミクロン未満である。より好ましくは、粒子は、0.01から50ミクロンの範囲内の粒子サイズ(つまり、最大の寸法)を有する。
【0059】
布地をコンディショニングする組成物は、好ましくは、組成物の0.01質量%から50質量%、より好ましくは組成物の0.1質量%から20質量%、例えば組成物の1質量%から10質量%の量の固体の粒子状物質を含む。
【0060】
固体の粒子状物質は、単独の固体の粒子状物質であってもよく、または異なる固体の粒子状物質の混合物であってもよい。
【0061】
粘土は布地に香りをつけることに加えて柔軟にする便益を提供するため、固体の粒子状物質は、粘土であることが特に好ましい。
【0062】
粘土は、典型的には、スメクタイトタイプとして分類される物質を含む。好適なスメクタイトタイプの粘土は、好ましくは、微細であり、膨張性である、3層の粘土、例えば、100gの粘土あたり少なくとも50ミリ等量の活性交換能力を有する、アルミノケイ酸塩およびケイ酸マグネシウムである。スメクタイトタイプの粘土は、好ましくは、よく知られているアンモニウムアセテート方により決定される、100gの粘土あたり少なくとも75ミリ等量のカチオン性交換能力を有する。
【0063】
スメクタイトタイプの粘土は、当分野においてよく知られており、数多くの供給源から商業的に入手可能である。さらに、好適なスメクタイトタイプの粘土は、気成または熱水プロセスによって合成されたものであってもよい。
【0064】
スメクタイトタイプの粘土は、好ましくは、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト(beidellite)、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト(stevensite)、およびこれらの混合物からなる群から選択される。適切な場合には、粘土はせん断の適用に処される。スメクタイトタイプの粘土は、当分野においてよく知られている方法によってせん断をかけられてもよい。
【0065】
より好ましくは、スメクタイトタイプの粘土は、ベントナイトおよびヘクトナイトまたはこれらの混合物から選択される。
【0066】
組成物中における使用のために好適な、追加のおよび/または代わりの固体の粒子状物質は、ゼオライトである。ゼオライトは、典型的には、アルミノケイ酸塩およびゼオライトA、ゼオライトB、ゼオライトP、ゼオライトX、ゼオライトHS、ゼオライトMAPの名称で、およびこれらの混合物で商業的に入手可能な、合成ゼオライトである。天然に発生するゼオライトも、固体の粒子状物質として使用されてもよい。特定の知られている洗剤組成物において、ゼオライトが洗剤のビルダー(builder)として含まれている。したがって、ゼオライトは当業者によく知られており、本明細書でより詳細に記載する必要はない。
【0067】
代わりにまたは追加で、固体の粒子状物質は、シリカ化合物であってもよい。
【0068】
粒子状乳化剤は、好ましくは、シリカ、酸化スズ、二酸化チタン、ケイ酸マグネシウム、例えば滑石、ケイ酸マグネシウムアルミニウムおよびベントナイトから選択される。
【0069】
固体の粒子状物質が1つ以上の上記で挙げた粒子状物質成分を含む場合、成分のいずれの組合せが、上記で記載したいずれの量で存在してもよい。
【0070】
固体の粒子状物質は、油滴を被覆するため、組成物の合一を防ぐ点において有効であると考えられる。このような組成物は、ピッカリングエマルションとして知られている。
【0071】
シリコーンを含むエマルションは、マイクロエマルションまたはマクロエマルションであり得る。
【0072】
組成物中に含まれてもよい希釈剤の量は、入れられる組成物の目的、関与するシリコーンを含まない油の分子量などの要因に依存する。しかし、一般的には、油の分子量が大きくなるにつれて、組成物の耐性が低下するが、このような高分子量の不活性流体は、加えられた低い揮発性の利点を有する。典型的な油エマルション組成物は、最大70質量%のシリコーンを含まない油を含む。より好適なポリマー生成物は、5〜60質量%のシリコーンを含まない油を含む。好ましくは、シリコーンを含まない油とシリコーン化合物は、重量比25:75から85:15で混合される。より好ましくは、シリコーンを含まない油とシリコーン化合物は、重量比25:75から60:40で混合される。
【0073】
本発明による組成物は、2つが1つに入った(2-in-1)洗剤を形成する液体洗剤の一部、または通常洗浄のすすぎサイクルで添加される別々の布地の柔軟剤の一部となることができる。
【0074】
任意の従来の布地の柔軟剤が、本発明の組成物中に使用されてもよい。柔軟剤は、カチオン性、アニオン性または非イオン性であってもよい。
【0075】
好適なカチオン性の布地の柔軟剤は、C20以上の平均鎖長を有する単独のアルキルまたはアルケニル長鎖を含む、実質的に水に不溶な第四級アンモニウム物質、より好ましくは極性頭部基、およびC14以上の平均鎖長を有する2つのアルキルまたはアルケニル鎖を含む化合物である。好ましくは、布地を柔軟にする化合物は、それぞれC16以上の平均鎖長を有する、2つの長鎖アルキルまたはアルケニル鎖を有する。最も好ましくは、少なくとも50%の長鎖アルキルまたはアルケニル基が、C18以上の鎖長を有する。布地を柔軟にする化合物の長鎖アルキルまたはアルケニル基は、主に直鎖であることが好ましい。
【0076】
2つの長鎖脂肪族基を有する第四級アンモニウム化合物、例えばジステアリルジメチル塩化アンモニウムおよびジ(硬化したタロウアルキル)ジメチル塩化アンモニウムは、商業的に利用可能なリンスコンディショナー組成物において、広く使用されている。
【0077】
布地を柔軟にする化合物は、好ましくは、優れた柔軟性を提供する化合物であり、25℃を超える、好ましくは35℃を超える、最も好ましくは45℃を超えるLβからLαへの鎖融解転移温度によって特徴付けられる。
【0078】
実質的に水に不溶な布地を柔軟にする化合物は、20℃における脱塩水中で1×10-3質量%未満の溶解度を有する布地を柔軟にする化合物として定義される。好ましくは、布地を柔軟にする化合物は、1×10-4質量%未満、より好ましくは1×10-8から1×10-6質量%未満の溶解度を有する。
【0079】
特に好ましくは、2つのC12〜22アルキルまたはアルケニル基を有する、水に不溶な第四級アンモニウム物質である、カチオン性の布地を柔軟にする化合物は、少なくとも1つのエステル結合、好ましくは2つのエステル結合を介して分子に結合される。特に好ましくは、エステル結合された第四級アンモニウム物質は、以下の式:
R5-N+(-R5)[-(CH2)p-T-R6]-R7-T-R6
で表すことができ、ここで、それぞれのR5基は、独立に、C1〜4アルキルまたはヒドロキシアルキル基あるいはC2〜4アルケニル基から選択され、それぞれのR6基は、独立に、C8〜28アルキルまたはアルケニル基から選択され、R7は、1から5個の炭素原子の直鎖または分岐のアルキレン基であり、Tは、
-C(=O)-O- または -O-C(=O)-
であり、pは0または1から5の整数である。
【0080】
ジ(タロウオキシロキシエチル)ジメチル塩化アンモニウムおよび/またはその硬化タロウ類似物は、この式の特に好ましい化合物である。
【0081】
第二の好ましいタイプの第四級アンモニウム物質は、以下の式:
(R5)3N+-(CH2)-CH(-OOCR6)(-CH2OCR6)
で表すことができ、ここで、R5、pおよびR6は上記で定義した通りである。
【0082】
第三の好ましいタイプの第四級アンモニウム物質は、例えば米国特許第3915867号に記載される、トリエタノールアミンから誘導されたもの(以下「TEA quats」と表す)であり、式: (TOCH2CH2)3N+(R9)で表されるもの(ここで、TはHまたは(R8--CO--)であり、R8基は独立にC8〜28アルキルまたはアルケニル基から選択され、R9はC1〜4アルキルまたはヒドロキシアルキル基あるいはC2〜4アルケニル基である)である。例えば、N-メチル-N,N,N-トリエタノールアミンジタロウエステルまたはジ-硬化タロウエステル第四級塩化アンモニウムまたはメトサルフェートである。商業的に入手可能なTEA quatsの例には、両方とも部分的に不飽和のRewoquat WE 18およびRewoquat WE20(例えばWITCO)、完全に飽和のTetranyl AOT-1(例えばKAO)、および完全に飽和のStepantex VP 85(例えばStepan)が含まれる。
【0083】
第四級アンモニウム物質は、生物学的に生分解性であることが有利である。この分類の好ましい物質、例えば1,2-ビス(硬化タロウオイルオキシ(tallowoyloxy))-3-トリメチルアンモニウム塩化プロパンおよびその調製方法は、例えば、米国特許第4137180号(Lever Brothers Co)に記載されている。好ましくは、これらの物質は、米国特許第4137180号に記載されている少量の対応するモノエステル、例えば、1-硬化タロウオイルオキシ-2-ヒドロキシ-3-トリメチルアンモニウム塩化プロパンを含む。好適なカチオン性の布地を柔軟にする物質は、米国特許第7026277号に記載されている。
【0084】
所望の場合、他の物質、例えば香料、着色料、増粘剤、保存料、可塑剤または医薬品などの活性成分を、エマルションのどちらかの相に加えることができる。添加剤は、典型的には、シリコーンエマルション中で、保存料、パルファム(parfum)、消泡剤、凍結融解安定化剤、pHを緩衝するための無機塩、増粘剤として使用される。布地を柔軟にする組成物は、液体の担体、ビルダー、泡抑制剤(suds suppressor)、安定化剤、香料、キレート剤、着色料、乳白剤、抗酸化剤、殺菌剤、中和剤、緩衝剤、相抑制剤(phase regulant)、染料移動阻害剤、ヒドロトロープ(hydrotrope)、増粘剤、香料、漂白剤、漂白活性剤、漂白触媒、光学的光沢剤、防汚活性剤(soil release active)、光活性剤、保存料、抗生物剤、殺真菌剤、カラースペックル(colour speckle)、着色ビーズ、球体または押出物、日光遮断剤、フッ素化化合物、真珠光沢剤、発光剤または化学発光剤、抗腐食剤および/または器具保護剤(appliance protectant agent)、アルカリ性供給源または他のpH調整剤、可溶化剤、加工助剤、顔料、フリーラジカルスカベンジャー、pH制御剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1つの化合物をさらに含んでもよい。
【実施例】
【0085】
・布地の予備コンディショニング
この工程は、布地の製造の間にされたシリコーン処理を除去するために行い、本出願人らの特定の処理前に、洗濯物がシリコーンを含まないことを確かめるために行った。洗濯物を、5つの新しい枕のケースと、4リットルのテリータオル(terry towel)(30×50cm) = 1.0kgで作った。この洗濯物を、以下の条件:
- 予備洗浄 1: Miele W934-長いプログラム-水の硬度: 0°F-20g Dashパウダー-温度: 95℃-回転速度: 600rpm
- ブランク 1: Miele W934-長いプログラム-水の硬度: 0°F-洗剤なし-温度: 95℃-回転速度: 600rpm
- 予備洗浄 2: 予備洗浄 1と同じ条件
- ブランク 2: ブランク 1と同じ条件
で4回洗浄した。
【0086】
予備コンディショニングの一式のサイクルは、常に、同じタイプの洗濯機(W377、W934またはW715)で行った。いくらか時間を短縮するために、3つの洗濯物を同時に同じ洗濯機で予備洗浄した。したがって、全体の洗濯物は3.0kgであり、洗剤パウダーの量を60gに調整した。
【0087】
・布地の処理
2つまたは3つの処理を、2つまたは3つの異なる洗濯機で、同時に平行して行った。常に、1つの参照処理および試験される製品の1つまたは2つの処理が存在した。異なる処理からの全ての布地を、同時に室温でライン乾燥した(一連の比較のために、温度および相対湿度を制御した)。
【0088】
・洗浄条件
a. Miele W934
b. 洗濯物: 5つの枕ケースと4リットルのテリータオル(30×50cm) = 1kg
c. 水の硬度: 0°fT
d. 温度: 40℃
e. 回転速度: 600rpm
f. 洗剤: DASH
g. 柔軟剤: 試作品の布地の柔軟剤
【0089】
洗濯機を、洗濯物なしで95℃において洗浄サイクルを実施することによって、処理後に掃除した。柔軟剤と一緒の処理の場合、柔軟剤入れを、掃除する洗浄サイクル前に、手動で水で掃除した。
【0090】
・柔軟性の便益のパネル試験
この試験は、洗浄サイクル後の、乾燥した布地(特にタオル)の柔軟性を決定するために実施した。
【0091】
以下の質問を16人のパネリストに尋ねた。1つのテリータオルを、4人のパネリストのために使用し、その後、別の1つと交換した。
a. 「どちらのタオルがより柔軟ですか?」
b. 「最初の布地が参照であり、1から10の尺度で5の値である場合、10が非常に柔軟で滑らかであることを意味することを考えると、他のものにいくつの値をつけますか?」
【0092】
・サンプルの調製
1. 異なる流体のエマルション
実施例1から3の処方:
30gの流体
1.75gのVolpo L4(脂肪アルコールエトキシレートで作られた商業的な乳化剤)
1.25gのVolpo L23(脂肪アルコールエトキシレートで作られた商業的な乳化剤)
30gの水
合計 = 63g -> 47.6%活性のエマルション
方法: Dental mixerの使用-それぞれの工程後に20秒間混合
- 流体の混合+Volpo L4+溶融(molten)Volpo L23
- 5×2gの水-それぞれの追加の後に混合
- 残りの水
【0093】
シリコーン 1は、織物の柔軟剤で使用されるアミノ官能性ポリシロキサンである。G250は、Total PetrochemicalsからHydroseal G250Hとして入手可能な鉱油である。これは、石油蒸留物から誘導される炭化水素に基づく有機増量剤である。これは、40℃で、0.81の密度で、3.3から3.7cStの動粘度を有する。
2. 5%のQuatの布地の柔軟剤:
処方:
55.6gのTetranyl L1/90標準(KAOにより販売されている布地の柔軟剤、水素化されたタロウエステルquatに基づく)
8gの20%のMgCl2・6H2O溶液
936.4gの水
合計 = 1000g -> 5%活性Quat
方法: 古典的なKAOの方法
- 55℃の温水中に溶融Quatを加え、15分間、150rpmで混合-55℃
- Ultraturraxを通して、15秒間、8000rpmで混合
- 150rpmで混合しながら、〜30℃に冷却
- 塩溶液を加え、15分間、150rpmで混合
3. 5%Quat+1%シリコーン 1の布地の柔軟剤
処方:
11.1gのTetranyl L1/90標準
2gのシリコーン 1流体
2gのTween(登録商標) 20(商業的なポリソルベート界面活性剤)
1.6gの20%のMgCl2・6H2O溶液
183.3gの水
合計 = 200g -> 5%活性Quat+1%活性シリコーン 1
方法: Quat中のポリマーの方法
- Quat+シリコーン 1+Tween(登録商標) 20-55℃まで加熱-150rpm
- Quat+流体+Ni界面活性剤と等量の冷水の追加-5分間、150rpmで混合-55℃
- 残りの冷水を2段階で加え、5分間、150rpmで混合-それぞれの追加後、55℃
- Ultraturraxを通して、15秒間、8000rpmで混合
- 150rpmで混合しながら、〜30℃に冷却
- 塩溶液を加え、15分間、150rpmで混合
【0094】
・1%活性物での評価
活性物の割合(%)は、シリコーンエマルションまたはシリコーン/油エマルションの割合を意味する。
【0095】
1. Quat単独/Quat+シリコーン 1/Quat+50/50シリコーン 1/G250油のブレンドの比較
【0096】
【表1】

【0097】
純粋なシリコーン 1アミノ流体およびシリコーン 1/G250油のブレンドで増加された両方のQuatは、十分にQuat単独よりも優れていた。
【0098】
実施例1を繰り返し、Quat単独および純粋な鉱油のエマルションと比較した。活性%は1%であった。
【0099】
【表2】

【0100】
したがって、油単独から形成されたエマルションは、柔軟性のための便益をもたらさず、さらに柔軟性の特性にわずかに不利である。
【0101】
2. Quat単独/Quat+シリコーン 1/Quat+20/80シリコーン 1/G250油のブレンド
【0102】
【表3】

【0103】
20/80シリコーン 1/油のブレンドを、Volpo界面活性剤の代わりに6gのSynperonic 13/9(イソデシルアルコールエトキシレートに基づく商業的な界面活性剤)から、55gのブレンド流体および39gの水と一緒に調製した。
【0104】
方法: (マグネチックスターラーを使用)
- Synperonicを12%の水と混合
- 混合下でゆっくりとブレンドを追加
- 残りの水を追加
【0105】
非常に希釈されたシリコーンのブレンドは、布地の柔軟剤quat単独と比較して、柔軟性の便益を与えなかった。
【0106】
3. Quat単独/Quat+50/50 60シリコーン 2/G250油のブレンド
シリコーン 2は、60000cStのポリジメチルシロキサン流体である。これは、シリコーンを含まない油の存在下、または比較例のために、シリコーンを含まない油の不存在下で乳化した。
【0107】
【表4】

【0108】
シリコーン 2エマルションを含むQuatは、quat単独より非常に優れており、一方、Quat+50/50シリコーン 2/G250油のブレンドは、Quat単独よりわずかに優れていた。
【0109】
4. Quat単独/Quat+シリコーン 3/Quat+50/50シリコーン 3/G250油のブレンド
シリコーン 3は、G250の存在下で乳化された、アミドメチルプロピルシロキサンである。シリコーン 3がG250なしで使用された場合、これは水中油型マイクロエマルションの形態で組み込まれる。
【0110】
【表5】

【0111】
驚くべきことに、50/50シリコーン 3/G250油のブレンドは、アミドシリコーンの量を減らしても、シリコーンエマルションと同じ柔軟性の便益を与える。
【0112】
・3%活性物での評価
5. Quat単独/Quat+シリコーン 3/Quat+50/50シリコーン 3/油のブレンド
【0113】
【表6】

【0114】
この場合において、シリコーン 3のエマルションは、十分な数のパネリストがこの処方をQuat単独に対して好み、性能を改善した。シリコーン 3と鉱油のブレンドは、わずかに布地の柔軟剤単独と比較して柔軟にする便益を改善した。
【0115】
・吸水度の便益
柔軟性に加えて、吸水特性が布地の柔軟剤にとって重要な基準である。
【0116】
タオル(1%活性における処理から得た)を、吸水度の便益を試験するために使用した。
【0117】
タオルの縁の近くで、2×2cmの10個の小片を裁断する。
【0118】
清浄にした250mlビーカーを、軟水で満たした。試験片を、水の表面から約10mm上部から落とし、布地の小片が水の表面より下に沈んだ時間を、ストップウォッチを使用して測定した。
【0119】
小片が10分間沈まない場合、「浮上」として報告した。小片が沈む平均時間を記録した。
【0120】
結果を、平均の結果を計算し、シリコーン処理の技術的結果を、以下の規則:
10秒未満の時間 →「++」
10〜60秒の間の時間 →「+」
60〜300秒の間の時間 →「=」
300秒を超える時間 →「−」
を使用して、選択指針のための「理解しやすい(easy-to-understand)」引用符に変換する、エクセルのスプレッドシート内に保存した。
【0121】
【表7】

【0122】
シリコーン/鉱油のブレンドの使用は、Quat単独の処方と比較して、吸水性の便益の十分な改善を与えた。使用するシリコーンに応じて、得られた結果は、鉱油で希釈されていないシリコーンを含む通常のシリコーンエマルションで得られた結果とほとんど同様に優れており、いくつかのシリコーンでは、希釈されていないシリコーンエマルションと同等、またはより優れていた。
【0123】
実施例5および6(シリコーン/ヒマワリ油)
エマルションの調製
【0124】
80pのシリコーン 4(94500g/モルの数平均分子量および2.05の多分散性を有する、ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン)を、70℃で、IKAミキサー内で20pのヒマワリ油と混合し、乳白色の分散体を得た。混合を停止し、1gのVolpo(登録商標) L4および1.6gのVolpo(登録商標) L23を、50gの上記で記載した温かいポリマー/ヒマワリ油ブレンドに加え、Hausschild dental mixer中で、3000rpmで20秒間混合した。1.0gの追加の水を加え、同じ条件下で混合を繰り返した。さらなる水の追加と混合を、合計で47.4gの水が追加されるまで行い、50%活性のエマルションを生成した。得られたエマルションは、D(v, 0.1)μm = 0.29、D(v, 0.5)μm = 0.97およびD(v, 0.9)μm = 1.94の粒子サイズを有していた。これは均質ではないが、実施例5において使用した安定なマクロエマルションである。
【0125】
70pのシリコーン 5(65500g/モルの数平均分子量および2.29の多分散性を有する、ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン)を、90℃で、IKAミキサー内で30pのヒマワリ油と混合し、乳白色の分散体を得た。混合を停止し、1.1gのVolpo(登録商標) L4および1.8gのVolpo(登録商標) L23を、50.2gの上記で記載した熱いポリマー/ヒマワリ油ブレンドに加え、Hausschild dental mixer内で、3000rpmで20秒間混合した。1.0gの追加の水を加え、同じ条件下で混合を繰り返した。さらなる水の追加と続けて混合を、合計で46.9gの水が追加されるまで行い、50%活性のエマルションを生成した。実施例6において使用した、得られたエマルションは、D(v, 0.1)μm = 0.19、D(v, 0.5)μm = 0.53およびD(v, 0.9)μm = 2.09の粒子サイズを有していた。
【0126】
比較: 同じ手順だが、ヒドロキシル末端ジメチルシロキサンに基づく、織物処理のために販売されている、100部の商業的なシリコーンエマルション。
【0127】
【表8】

【0128】
驚くべきことに、ヒマワリ油で希釈したシリコーン油のエマルションは、商業的なエマルションより優れた吸水性を与えた。結果は、より高い希釈のシリコーン 5がより優れていた。
【0129】
ピッカリングエマルションの調製
1. 滑石分散体の調製(溶液A)
30.0gの滑石HTP Ultra 5(IMI FABI)と400gの脱イオン水を、500mlのガラス容器に入れ、混合する(IKAローターの4-ブレードの金属攪拌機150rpm)。5分間の攪拌後、3.2gの、トリメトキシシリルプロピルエチレンジアミンを含むアルコキシシランを、滑石分散体の中に滴下する。2時間の攪拌後、分散体は、使用する準備ができている。
2. ラポナイト分散体の調製(溶液B)
12.04gのラポナイトXLG(Rockwood)と、403gの脱イオン水と、0.18gの同じシランとを、500mlのガラス容器に次々と加え、高せん断下で4時間混合する(IKAローターの4-ブレードの金属攪拌機800rpm)。攪拌後、混合物は使用する準備ができている。
3. 乳化
エマルション c1
19.5gの溶液Aを、250mlのハイビーカー(high beaker)に注ぐ。30.3gの脱イオン水と25.5gの溶液Bを、その後、溶液Aに加える。この分散体を、高せん断で10秒間混合する(21500、Ultra-Turrax IKA)。20.2gのシリコーン 2を、ビーカー内の分散体の上部に注ぐ。溶液を、高せん断下に2分間置く(6500rpm、Ultra-Turrax IKA)。
エマルションを形成せず、底の水相および上部の油相で構成された、2相の系が観察された。油相は、白っぽく見える滑石粒子の大部分を含むように思われる。
エマルション c2
19.6gの溶液Aを、250mlのハイビーカーに注ぐ。30.4gの脱イオン水と25.9gの溶液Bを、その後、溶液Aに加える。この分散体を、高せん断で10秒間混合する(16400、Ultra-Turrax IKA)。20.9gのシリコーン 2とG250の混合物(50:50 質量%)を、ビーカー内の分散体の上部に注ぐ。溶液を、高せん断下に2分間置く(5400rpm、Ultra-Turrax IKA)。クリーム状で白色のエマルションを形成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 少なくとも1つのシリコーン化合物と少なくとも1つのシリコーンを含まない油とを混合することにより油相を形成する工程、
b) 場合によって乳化剤を加える工程、
c) 水を加える工程、
d) 水中油型エマルションを形成する工程、
によって得られる水中シリコーン油型エマルションを含む、布地ケア用組成物の製造方法。
【請求項2】
前記シリコーンを含まない油が、炭化水素油、または植物性、動物性あるいは鉱物性の天然油であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シリコーンを含まない油と前記シリコーン化合物が、25:75から85:15の重量比で混合されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記シリコーン化合物が、250℃未満の沸点のシロキサンを0.5質量%未満含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
油相がシリコーン化合物とシリコーンを含まない油とを含むことを特徴とする、水中シリコーン油型エマルションを含む布地ケア用組成物。
【請求項6】
シリコーンを含まない油を含まない水中シリコーン油型エマルションと比較して、改善された吸水性を有することを特徴とする、請求項5に記載の布地ケア用組成物。
【請求項7】
前記シリコーン化合物が、アミノまたはアミド官能基化シロキサンあるいはポリシロキサン化合物であることを特徴とする、請求項5に記載の布地ケア用組成物。
【請求項8】
乳化剤を含むことを特徴とする、請求項5に記載の布地ケア用組成物。
【請求項9】
前記油相が、シリカ、酸化スズ、二酸化チタン、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウムおよびベントナイトから選択される、粒子状乳化剤を含むことを特徴とする、請求項5に記載の布地ケア用組成物。
【請求項10】
布地柔軟剤を含むことを特徴とする、請求項5に記載の布地ケア用組成物。
【請求項11】
油相が、シリコーン化合物と混和しない、シリコーンを含まない油中のシリコーン化合物の液-液分散体を含む、水中油型エマルション。
【請求項12】
前記シリコーンを含まない油が、シリコーンと混和しない天然油である、請求項11に記載の水中油型エマルション。
【請求項13】
前記シリコーン化合物が、25℃において10000mm2/sを超える粘度の、ポリジメチルシロキサンまたはポリジメチルシロキサンの混合物である、請求項11に記載の水中油型エマルション。
【請求項14】
布地ケア用組成物中に、シリコーン化合物とシリコーンを含まない油とを含む油相を含む、水中油型エマルションの使用。
【請求項15】
洗剤化合物、布地柔軟剤、およびシリコーン化合物とシリコーンを含まない油とを含む油相を含む水中油型エマルションを含む、液体洗剤組成物。

【公表番号】特表2011−521111(P2011−521111A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504428(P2011−504428)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054286
【国際公開番号】WO2009/127590
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】