説明

布帛用接着性積層フィルム及びそれを用いた布帛

【課題】原反の取扱が容易で、1反からの対応が可能で、透明感に優れ、表地との熱プレス処理時のトラブルが少なく、熱プレスによる容易な接着が可能な布帛用接着性積層フィルム及びそれを用いた布帛の提供。
【解決手段】支持フィルム、好ましくはポリプロピレン樹脂フィルムまたはポリエステル樹脂フィルム層、透湿及び防風性を有する機能性フィルム、好ましくはポリエステルエラストマーフィルム、ポリウレタンエラストマーフィルム、またはポリアミドエラストマーフィルルムのいずれかの層、並びにドット状に付与された接着剤層がこの順に積層された積層フィルムからなることを特徴とする布帛用接着性積層フィルムおよびそれを用いた布帛。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布帛用接着性積層フィルム及びそれを用いた布帛に関し、詳しくは、支持フィルム層、透湿及び防風性を有する機能性フィルム層、並びにドット状に付与された接着剤層がこの順に積層された布帛用接着性積層フィルム及びそれを用いた布帛に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の衣類は、ユーザーの多様化と商品感覚の高度化によってその用途に応じてそれぞれ高度な機能が付与されたものが求められるようになってきた。例えば、スポーツ着等では、汗がいつまでも肌のところに留まることが嫌われ、また一方で寒い外気から体を保温するため風をさえぎる機能が求められている。機能を付与するために、汗等の湿気は透過することができるが、外気の流れを遮断することのできるような機能を持った繊維、織物自身の改良と同時に、そこに用いる芯地等の改良も求められている。
【0003】
従来から衣服においては、生地素材の特性を活かし、生地素材の弱点を補強するために、種々の芯地が使用されている。これら芯地の1つとして、繊維シートの片面に接着剤を付着させた、いわゆる接着芯地があり、この接着芯地は生地に熱プレスさせることにより可縫性や保型性を生地に付与する機能を有し、好適に使用されている。
例えば、熱可塑性樹脂からなる実質的無孔質なフィルムと不織布とが積層され、透湿度が1000g/m・day以上であり、且つ耐水圧が500mm以上である透湿防水積層体(例えば、特許文献1参照。)が記載されている。
これらの芯地は、衣服に保型性を持たせる目的で広く用いられており、表地と接着するための接着樹脂を不織布基布や機能性フィルムに所定形状で被着形成した構成が一般的である。接着樹脂にはローラープレス機などの加熱手段により表地と容易に熱接着し得るホットメルト樹脂が利用されている。
【0004】
一般的に防風性、保温性等を有する機能性フィルムを生地に貼りつけて用いる場合は、生地に湿気硬化型ウレタン樹脂を、全体にまたはくもの巣状及びドット状等に付与して機能性フィルムを貼り付ける一体成形により行なうことが多く、表地素材の特長が失われ易く、生地に十分対応できるものではなかった。また、機能性フィルムに接着剤を、全面またはくもの巣状に付与して支持層として紙を用いた積層体も用いられていたが、1反からの対応が困難で、透明感が悪く、表地との熱接着処理時にしわがよったりして加工時のトラブルが多いという問題があった。
【特許文献1】特開平9−187897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、支持層フィルムがつくことにより原反の取扱が容易で、1反からの対応が可能で、透明感に優れ、表地との熱接着処理時のトラブルが少なく熱プレスによる容易な接着が可能な布帛用接着性積層フィルム及びそれを用いた布帛を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、支持フィルム層、透湿及び防風性等を有する機能性フィルム層、並びにドット状に付与された接着剤層がこの順に積層された積層フィルムが原反の取扱が容易で、1反からの対応が可能で、透明感に優れ、表地との熱プレス処理時のトラブルが少なく、熱プレスによる容易な接着が可能な布帛用接着性積層フィルムとなり得ることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、支持フィルム層、透湿及び防風性を有する機能性フィルム層、並びにドット状に付与された接着剤層がこの順に積層された積層フィルムからなることを特徴とする布帛用接着性積層フィルムが提供される。
【0008】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、機能性フィルムがポリエステルエラストマーフィルム、ポリウレタンエラストマーフィルム、またはポリアミドエラストマーフィルルムのいずれかであることを特徴とする布帛用接着性積層フィルムが提供される。
【0009】
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、支持フィルムがポリプロピレン樹脂フィルムまたはポリエステル樹脂フィルムであることを特徴とする布帛用接着性積層フィルムが提供される。
【0010】
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、接着剤が個々の直径が0.1〜3.0mmのドット状で、50〜1,500個/inで、全体付着量が2〜60g/mとなるように配されているホットメルト接着剤であることを特徴とする布帛用接着性積層フィルムが提供される。
【0011】
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、ドット状に付与されたホットメルト接着剤がディスパージョンドット、パウダードット、またはダブルドットコーティングのいずれかの方法で機能性フィルムの表面に配されたものであることを特徴とする布帛用接着性積層フィルムが提供される。
【0012】
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明の布帛用接着性積層フィルムの接着剤層側を表地に熱プレスで貼り付け、支持フィルムを剥がしてなることを特徴とする布帛が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の接着性積層フィルムは、支持フィルム層、透湿及び防風性等を有する機能性フィルム層、並びにドット状に付与された接着剤層がこの順に積層された積層フィルムであるので、原反の取扱が容易で、1反からの対応が可能で、透明感に優れ、表地との熱プレス処理時のトラブルが少なく、熱プレスによる容易な接着が可能な布帛用接着性積層フィルムであり、それから得られる布帛は、透湿・防風の機能を持ったものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明のについて詳細に説明する。
なお、本発明において、布帛とは、織物、編物、不織布、革を含むものを意味する。
また、本発明において、1反とは50m巻を意味する。
【0015】
1.接着性積層フィルム
本発明の接着性積層フィルムに用いる機能性フィルムは、透湿性、防風性等を有するフィルムであれば、とくに制限なく用いることができるが、無孔質で水を通さないが水蒸気は通す透湿及び防水性、伸縮性があるポリエステルエラストマーフィルム、ポリウレタンエラストマーフィルム、ポリアミドエラストマーフィルム等が好ましい。特に、デュポン社製ポリエーテルエステルエラストマーフィルムが好ましい。
【0016】
本発明で特に好ましく用いることのできるデュポン社製ポリエーテルエステルエラストマーフィルムは、結晶性芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、ポリエーテルをソフトセグメントとしたブロック共重合体樹脂から形成され、無孔質フィルムの表面に付着した水分はその樹脂の有する親水性によって内部に浸透することができ、フィルム内部を拡散して水蒸気濃度の低い裏面の表面から水蒸気を放出することができる特徴を有する。また、伸縮性が有り、やわらかく風合いが良い。
【0017】
機能性フィルムの厚さは、5〜50μmが好ましく、特に好ましくは10〜40μmである。機能性フィルムの厚さが5μm未満では強度が弱く、50μmを超えると透湿性と伸縮性が損なわれ風合いも硬くなる。
【0018】
本発明の接着性積層フィルムの接着剤層は、接着剤が機能性フィルムの表面にドット状に付与、塗布された層である。本発明の接着性積層フィルムを表地に接着させる場合、ドット状に付着された接着剤により表地と点接合で一体化され、これにより表地の動きの過度の拘束や接着剤の硬化、フィルム化による風合いの悪化や透湿性の低下を回避することができる。
【0019】
接着剤をドット状に付着させる場合は、表地の風合いおよび伸張回復性を損なわぬよう、接着剤が適度の密度間隔でドット状に置かれ、かつ、フィルム上のどの部分をとっても一様に配置されていることが好ましく、ドットの配置密度および一個のドットの大きさは、表地の風合いや伸張回復性をそこなわないように表地とフィルムが接着一体化するように適宜選択される。
特に、フィルムの片面においては、個々のドットの直径は、0.1〜3.0mmが好ましく、フィルム面上のドットの密度は、50〜1,500個/inが好ましく、フィルム面に対するドットの付着量は2〜60g/mが好ましい。ドットの直径、密度、付着量がこの範囲未満であると表地との良好な接着強度が保証されず、この範囲を超えると接着加熱加圧時に裏面にしみだし、外観風合いを損なう。
【0020】
フィルム上への接着剤のドット状の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、ディスパージョンドット塗布法、パウダードット塗布法、ダブルドットコーティング法等を用いることができる。
また、ドット状の付着パターンとしては、特に限定されず、例えば、図1に示すランダム・パターン、図2に示す格子状パターン(またはレギュラーパターン)を挙げることができる。これらのパターンは、用途、表地の生地厚み、風合いなどに応じて使い分けることができる。
【0021】
本発明の接着性積層フィルムにおける接着剤としては、ホットメルト系の接着剤が用いられる。その材質としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等であるが、特に好ましくは、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン系のホットメルト樹脂である。
【0022】
本発明の接着性積層フィルムで用いられる支持フィルムは、接着性積層フィルムの接着剤層側を生地と熱プレスで積層した後に剥がす層である。したがって、通常は透明性があり、生地に熱プレスして貼り付ける際に、その形態を維持できるために接着剤より高融点を有する樹脂のフィルムが好ましく、特にポリプロピレン樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルムが好ましい。
支持フィルムの厚さは、機能性フィルムの厚さにもよるが、10〜60μmが好ましく、特に20〜50μmが好ましい。支持フィルムの厚さが10μm未満であると、フィルムの強度が弱くなり、接着剤加工時や表地との貼りあわせ時に破壊し易く、60μmを超えると接着剤加工時の加工テンションの調整が難しいためシワが入りやすく、また全体が重くなり取扱に困難である。
【0023】
本発明の積層フィルムは、上記の支持フィルム層、機能フィルム層、接着剤層がこの順に積層されたフィルムである。支持フィルム層と機能フィルム層の積層は、機能性フィルムを押し出し機で製造する際に直接積層する方法が好ましい。接着剤層は、機能フィルムの支持層側と反対側の表面に上記のようにドット状に塗布することによって得られる。
【0024】
本発明の接着性積層フィルムは、種々の基材、例えば表地等の生地に貼りあわせることにより基材に透湿性、防風性等を付与することができる。
【0025】
2.布帛
本発明の布帛は、上記接着性積層フィルムに表地を接着させた後、支持フィルムを剥離した生地である。表地としては、各種の織布及び編布および合成皮革または不織布を使用することができ、合成繊維、再生繊維または天然繊維からなるが、これらの繊維の交繊、交編された布地を用いてもよい。本発明の接着性積層フィルムと表地を重ね、公知の熱プレスで加圧接着すればよく、支持フィルムとして、高融点の樹脂からなるフィルムを用いているので、しわの発生がなく容易に接着ができる。
【0026】
本発明の布帛は、接着性積層フィルムを用いているので、容易に透湿性、防風性を付与した布帛を得ることができ、この布帛を裁断して衣服にした場合、所定の機能を有すると同時に衣服の着用感が向上するという特徴を有する。特に、湿気硬化型ウレタンでのラミネート加工等の加工時のトラブルが起きないため、接着剤を直接生地に塗布する加工のデメリットをカバーでき、動きのある素材に対しても形崩れすることなく、また着用時の機能を損なわずに着用感のよいものを作ることができる。
【実施例】
【0027】
以下に本発明を実施例で説明するが、本発明は、実施例のみに限定されるものではない。
なお、実施例、比較例における評価方法は、以下の通りである。
(1)防風性:JIS L1096 8.27.1「フラジール形法」の通気性試験
(2)透湿性:JIS L1099 4.1.1(A−1法)「繊維製品の透湿度試験法」
(3)ストレッチ性:JIS L1096 8.14.1「伸長率」
【0028】
(実施例1)
支持フィルムとしてポリプロピレンフィルム(厚さ25μm)と、機能性フィルムとして透湿、防風性フィルムであるデュポン社製ポリエステルポリエーテルエラストマーフィルム(厚さ20μm、透湿度6000g/m・24h)を用い、それらの直接積層フィルムの機能性フィルムの支持フィルム側と反対側表面に共重合ポリエステルホットメルト樹脂接着剤(アトフィナ社製:商品名「プラサーム」)をディスパージョン・ドット・コーティング法によって、ロータリースクリーンを用いドット状に配置した。直径1.0mmのドットを170個/inの密度で図1に示すようなランダムパターンに付着させた。付着樹脂量は、10g/mとし、接着性積層フィルムを得た。
得られた接着性積層フィルムを表地に重ね、ホットプレスを用いて140℃、7N/cm、10秒間熱圧着し(アサヒローラー型プレス機JR600使用)、ポリプロピレンフィルムを剥がし、表地/機能性フィルムからなる布帛とした。
表地は、フリース(ポリエステル100%、目付207g/m)を使用した。
得られた布帛について、防風性、透湿性、ストレッチ性、風合い、外観について評価した。
防風性、透湿性、ストレッチ性については、測定結果を表1に示した。
この布帛は、風合い、外観において接着性積層フィルムを用いない、比較例1、2の布帛に比べて優れ、ソフトで表地のテクスチュアをよく保っていた。
【0029】
(実施例2)
支持フィルムとしてポリプロピレンフィルム(厚さ25μm)と、機能性フィルムとして透湿、防風性フィルムであるデュポン社製ポリエステルポリエーテルエラストマーフィルム(厚さ20μm、透湿度6000g/m・24h)を用い、それらの直接積層フィルムの機能性フィルムの支持フィルム側と反対側表面に共重合ポリエステルホットメルト樹脂接着剤(アトフィナ社製:商品名「プラサーム」)をディスパージョン・ドット・コーティング法によって、ロータリースクリーンを用いドット状に配置した。直径0.5mmのドットを450個/inの密度でランダムパターンに付着させた。付着樹脂量は、10g/mとし、接着性積層フィルムを得た。
得られた接着性積層フィルムを表地に重ね、ホットプレスを用いて140℃、7N/cm、10秒間熱圧着し(アサヒローラー型プレス機JR600使用)、ポリプロピレンフィルムを剥がし、表地/機能性フィルムからなる布帛とした。
表地は、フリース(ポリエステル100%、目付207g/m)を使用した。
得られた布帛について、防風性、透湿性、ストレッチ性、風合い、外観について評価した。
防風性、透湿性、ストレッチ性については、測定結果を表1に示した。
この布帛は、風合い、外観において接着性積層フィルムを用いない比較例1、2の布帛に比べて優れ、ソフトで表地のテクスチュアをよく保っていた。
【0030】
(実施例3)
支持フィルムとしてポリプロピレンフィルム(厚さ25μm)と、機能性フィルムとして透湿、防風性フィルムであるデュポン社製ポリエステルポリエーテルエラストマーフィルム(厚さ20μm、透湿度6000g/m・24h)を用い、それらの直接積層フィルムの機能性フィルムの支持フィルム側と反対側表面に共重合ポリエステルホットメルト樹脂接着剤(アトフィナ社製:商品名「プラサーム」)をディスパージョン・ドット・コーティング法によって、ロータリースクリーンを用いドット状に配置した。直径1.0mmのドットを170個/inの密度で図1に示すようなランダムパターンに付着させた。付着樹脂量は、10g/mとし、接着性積層フィルムを得た。
得られた接着性積層フィルムを表地に重ね、ホットプレスを用いて140℃、7N/cm、10秒間熱圧着し(アサヒローラー型プレス機JR600使用)、ポリプロピレンフィルムを剥がし、表地/機能性フィルムからなる布帛とした。
表地は天竺(綿100%、目付135g/m)を使用した。
得られた布帛について、防風性、ストレッチ性、風合い、外観について評価した。
防風性、ストレッチ性については、測定結果を表1に示した。
この布帛は、風合い、外観において接着性積層フィルムを用いない、比較例3、4の布帛に比べて優れ、ソフトで表地のテクスチュアをよく保っていた。
【0031】
(実施例4)
支持フィルムとしてポリプロピレンフィルム(厚さ25μm)と、機能性フィルムとして透湿、防風性フィルムであるデュポン社製ポリエステルポリエーテルエラストマーフィルム(厚さ20μm、透湿度6000g/m・24h)を用い、それらの直接積層フィルムの機能性フィルムの支持フィルム側と反対側表面に共重合ポリエステルホットメルト樹脂接着剤(アトフィナ社製:商品名「プラサーム」)をディスパージョン・ドット・コーティング法によって、ロータリースクリーンを用いドット状に配置した。直径0.5mmのドットを450個/inの密度でランダムパターンに付着させた。付着樹脂量は、10g/mとし、接着性積層フィルムを得た。
得られた接着性積層フィルムを表地に重ね、ホットプレスを用いて140℃、7N/cm、10秒間熱圧着し(アサヒローラー型プレス機JR600使用)、ポリプロピレンフィルムを剥がし、表地/機能性フィルムからなる布帛とした。
表地は天竺(綿100%、目付135g/m)を使用した。
得られた布帛について、防風性、ストレッチ性、風合い、外観について評価した。
防風性、ストレッチ性については、測定結果を表1に示した。
この布帛は、風合い、外観において接着性積層フィルムを用いない比較例3、4の布帛に比べて優れ、ソフトで表地のテクスチュアをよく保っていた。
【0032】
(比較例1)
実施例で使用したものと同じデュポン社製ポリエステルポリエーテルエラストマーフィルム(厚さ20μm、透湿度6000g/m・24h)と表地の間に、くもの巣状ホットメルト接着剤を挟み、ホットプレスを用いて140℃、7N/cm、10秒間熱圧着し(アサヒローラー型プレス機JR600使用)、表地/機能性フィルムからなる布帛とした。
表地は、フリース(ポリエステル100%、目付207g/m)を使用した。
得られた布帛について、防風性、透湿性、ストレッチ性、風合い、外観について評価した。
防風性、透湿性、ストレッチ性については、測定結果を表1に示した。
この布帛は、風合い、外観において接着性積層フィルムを用いた実施例1、2の布帛に比べ劣っていた。
【0033】
(比較例2)
実施例で使用したものと同じデュポン社製ポリエステルポリエーテルエラストマーフィルム(厚さ20μm、透湿度6000g/m・24h)と表地の間に、フィルム状ホットメルト接着剤を挟み、ホットプレスを用いて140℃、7N/cm、10秒間熱圧着し(アサヒローラー型プレス機JR600使用)、表地/機能性フィルムからなる布帛とした。
表地は、フリース(ポリエステル100%、目付207g/m)を使用した。
得られた布帛について、防風性、透湿性、ストレッチ性、風合い、外観について評価した。
防風性、透湿性、ストレッチ性については、測定結果を表1に示した。
この布帛は、風合い、外観において接着性積層フィルムを用いた実施例1、2の布帛に比べ劣っていた。
【0034】
(比較例3)
実施例で使用したものと同じデュポン社製ポリエステルポリエーテルエラストマーフィルム(厚さ20μm、透湿度6000g/m・24h)と表地の間に、くもの巣状ホットメルト接着剤を挟み、ホットプレスを用いて140℃、7N/cm、10秒間熱圧着し(アサヒローラー型プレス機JR600使用)、表地/機能性フィルムからなる布帛とした。
表地は天竺(綿100%、目付135g/m)を使用した。
得られた布帛について、防風性、ストレッチ性、風合い、外観について評価した。
防風性、ストレッチ性については、測定結果を表1に示した。
この布帛は、風合い、外観において接着性積層フィルムを用いた実施例3、4の布帛に比べ劣っていた。
【0035】
(比較例4)
実施例で使用したものと同じデュポン社製ポリエステルポリエーテルエラストマーフィルム(厚さ20μm、透湿度6000g/m・24h)と表地の間に、フィルム状ホットメルト接着剤を挟み、ホットプレスを用いて140℃、7N/cm、10秒間熱圧着し(アサヒローラー型プレス機JR600使用)、表地/機能性フィルムからなる布帛とした。
表地は天竺(綿100%、目付135g/m)を使用した。
得られた布帛について、防風性、ストレッチ性、風合い、外観について評価した。
防風性、ストレッチ性については、測定結果を表1に示した。
この布帛は、風合い、外観において接着性積層フィルムを用いた実施例3、4の布帛に比べ劣っていた。
【0036】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の接着性積層フィルムは、表地に貼りあわせて布帛として用いることができ、表地の風合いを損なうことなく、容易に透湿性、防風性等が付与される。この布帛を裁断して衣服にした場合、所定の機能を有すると同時に衣服の着用感が向上するという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】接着剤のドットのランダムパターン配置の1例を示す図である。
【図2】接着剤のドットのレギュラーパターン配置の1例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フィルム層、透湿及び防風性を有する機能性フィルム層、並びにドット状に付与された接着剤層がこの順に積層された積層フィルムからなることを特徴とする布帛用接着性積層フィルム。
【請求項2】
機能性フィルムがポリエステルエラストマーフィルム、ポリウレタンエラストマーフィルム、またはポリアミドエラストマーフィルルムのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の布帛用接着性積層フィルム。
【請求項3】
支持フィルムがポリプロピレン樹脂フィルムまたはポリエステル樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の布帛用接着性積層フィルム。
【請求項4】
接着剤が個々の直径が0.1〜3.0mmのドット状で、50〜1,500個/inで、全体付着量が2〜60g/mとなるように配されているホットメルト接着剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の布帛用接着性積層フィルム。
【請求項5】
ドット状に付与されたホットメルト接着剤がディスパージョンドット、パウダードット、またはダブルドットコーティングのいずれかの方法で機能性フィルムの表面に配されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の布帛用接着性積層フィルム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の布帛用接着性積層フィルムの接着剤層側を表地に熱プレスで貼り付け、支持フィルムを剥がしてなることを特徴とする布帛。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−181782(P2006−181782A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−375884(P2004−375884)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000201881)倉敷繊維加工株式会社 (41)
【Fターム(参考)】