説明

布材の引張試験方法

【課題】異種の面状部材が積層された布材の引張試験を精度良く行えるようにする。
【解決手段】異種の面状部材(ラミネートパッド2)が積層された布材1に引張荷重をかけて抵抗力を調べる布材1の引張試験方法であり、布材1をラミネートパッド2が外周側となるように環状に巻いて無端状に結合したものを試験片とし、試験片を試験片の環内に設けた3本の支持棒11A〜11Cに跨るように巻き掛けた状態にして、各支持棒11A〜11Cを互いに離間させる方向に直線状に移動させることにより試験片に内周側から押圧力をかけて引張荷重をかけるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布材の引張試験方法に関する。詳しくは、異種の面状部材が積層された布材に引張荷重をかけて抵抗力を調べる布材の引張試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の引張試験方法として、下記特許文献1,2に記載されたものが知られている。特許文献1には、ゴムの引張試験方法が記載されており、試験片となるゴムをリング状にし、リング内に一対の丸棒部材を設定して、一方の丸棒部材を他方の丸棒部材に対して直線状に離間させることにより、ゴムに内周側から押圧力をかけて引張試験を行うものとなっている。特許文献2には、面状部材の引張試験方法が記載されており、面状部材の一端と他端とをそれぞれチャックにより挟持して、一方のチャックを他方のチャックに対して直線状に離間させることにより、面状部材に引張荷重をかけるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−14641号公報
【特許文献2】特許第3509369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記各文献に記載の引張試験方法では、いずれも、車両用シートの表皮材のように布材にスラブウレタンから成るラミネートパッドが積層されたものを試験片として用いる場合に、引張試験を精度良く行うことができない。具体的には、特許文献1に記載の引張試験方法では、試験片をリング状にすることで布材とラミネートパッドとの間に周長差が生じるため、試験片を各丸棒部材に跨るように細長状の形にして巻き掛けることにより、この巻き掛けられた内周面に屈曲が生じて丸棒部材が入りにくくなる折れジワが発生し、試験片に引張荷重がかかり始める立ち上がり勾配が定まりにくくなる。また、特許文献2に記載の引張試験方法では、試験片が積層状となっているためにチャックによる挟持力が一定とならず、正確な試験結果が得られにくくなる。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、異種の面状部材が積層された布材の引張試験を精度良く行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、異種の面状部材が積層された布材に引張荷重をかけて抵抗力を調べる布材の引張試験方法であり、布材を面状部材が外周側となるように環状に巻いて無端状に結合したものを試験片とし、試験片を試験片の環内に設けた3つ以上の掛止具に跨るように巻き掛けた状態にして、各掛止具の中から少なくとも1つを他の掛止具から離間させる方向に直線状に移動させることにより試験片に内周側から押圧力をかけて引張荷重をかけるものである。
【0006】
ここで、試験片は、面状部材が積層された布材を環状に巻いて形成したものであるため、その外周側に巻かれる面状部材と内周側に巻かれる布材との間に周長差が発生する構成となっている。これにより、試験片は、その湾曲する曲率が大きくなりすぎると、上記周長差により発生する力によって、布材が内外どちらかの方向に屈曲する折れジワが発生しやすい構成となっている。
この第1の発明によれば、試験片をその環内に設けた3つ以上の掛止具によって内周側から押圧する構成とすることにより、試験片が各掛止具により押圧されて湾曲する各湾曲部の曲率が小さくなるため、各湾曲部に折れジワが発生しにくくなる。したがって、試験片に引張荷重がかかり始める際に、折れジワが伸ばされる挙動が起こらないため、引張荷重の立ち上がり勾配の基点を正確にとることができ、引張試験を精度良く行うことができる。
【0007】
第2の発明は、上述した第1の発明において、各掛止具を正多角形を形作るように等間隔に並べ、試験片に引張荷重をかける前後で各掛止具の並ぶ形が相似の関係に保たれるように各掛止具を動作させるものである。
【0008】
この第2の発明によれば、各掛止具を正多角形を形作るように等間隔に並べ、試験片に引張荷重をかける前後で各掛止具の並ぶ形が相似の関係となるように各掛止具を動作させることにより、各掛止具によって試験片全体が均一に引張られるため、試験片の一部のみが局所的に大きく引張られて曲率が大きくなりすぎてしまうということがなく、折れジワをより発生させにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1の布材の引張試験方法の概略を示した斜視図である。
【図2】布材に引張荷重をかける前の状態を示した正面図である。
【図3】布材に引張荷重をかけた状態を示した正面図である。
【図4】実施例2の布材の引張試験方法の概略を示した正面図である。
【図5】布材に引張荷重をかけた状態を示した正面図である。
【図6】実施例3の布材の引張試験方法の概略を示した正面図である。
【図7】布材に引張荷重をかけた状態を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0011】
始めに、実施例1の布材の引張試験方法について、図1〜図3を用いて説明する。本実施例の布材の引張試験方法は、図1に示すように、布材1に引張荷重Fをかけてその抵抗力(せん断剛性)を調べるものであるが、本実施例では、布材1の裏面に異種の面状部材(ラミネートパッド2)が積層されたものを試験片として用いる。ここで、布材1は、車両用シートの着座面に被覆される表皮材として構成されたものであり、その裏面に、布材1に適度な張り感とソフト感を付与することのできるラミネートパッド2が一体に熱溶着されて積層されている。
【0012】
上記布材1は、ポリエチレンテレフタレート(PET)の仮撚加工糸を織って構成したもの(布帛)であり、ラミネートパッド2は、スラブウレタン材により構成されている。布材1の厚みは約1mmであり、ラミネートパッド2の厚みは約5mmに設定されている。なお、布材1は、この他にも、植物系又は動物系の天然繊維、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる化学繊維、或いはこれらの混紡繊維から成る各種繊維を織って構成したものであってもよい。
【0013】
本実施例では、上記布材1の引張試験方法として、非特許文献『J.Text.Inst.40,TIII Vol.53,No.4(1997)』に記載のRoller clamps法を改良した試験方法を用いる。先ず、試験片として、上記ラミネートパッド2が積層された布材1を、布材1の縦糸と横糸との間の斜め45°の角度方向(バイアス方向)に沿って横幅45mm、縦幅400mm(縫い代除く)の帯状にカットして、これをラミネートパッド2が外周側にくるように環状に巻いて無端状に縫い合わせて結合したものを作製する。
【0014】
次に、上記試験片を、引張試験機10に設けられた3本の丸棒状の支持棒11A〜11Cに跨るように巻き掛けた状態にセットする。ここで、各支持棒11A〜11Cがそれぞれ本発明の掛止具に相当する。これら支持棒11A〜11Cは、図2に示すように、互いに正三角形を描くように等間隔に並んで設けられており、引張試験機10に対してそれぞれ軸回転可能な状態とされている。これら支持棒11A〜11Cは、それらの直径が20mmの丸棒状の形に形成されている。次に、図3に示すように、上記引張試験機10の各支持棒11A〜11Cを互いに離間させる方向に作動させて、上記環状の試験片(布材1)に内周側から押圧力をかけて引張荷重Fをかける。そして、この引張荷重Fを受けて伸張した布材1のいずれかの支持棒と支持棒との間(本実施例では支持棒11Aと支持棒11Cとの間)の部位(計測部1A)の面内方向の伸び量L1を測定する。
【0015】
詳しくは、上記各支持棒11A〜11Cは、布材1に引張荷重Fをかける前後で各支持棒11A〜11Cの並ぶ形が正三角形の関係(相似の関係)に保たれるように動かされるようになっている。具体的には、図示上端側に配された支持棒11Aが真っ直ぐ上方側に移動量La動かされ、同時に、図示左端側に配された支持棒11Bが真っ直ぐ左方側に移動量Lb動かされ、図示右端側に配された支持棒11Cが真っ直ぐ右方側に移動量Lc動かされる。
【0016】
上記図示上端側に配された支持棒11Aの上方側への移動量Laを変位量Δxとすると、図示左端側に配された支持棒11Bの移動量Lb、図示右端側に配された支持棒11Cの移動量Lcは、それぞれ次式のように与えられる。
【0017】
【数1】

【0018】
【数2】

【0019】
また、上記各支持棒11A〜11Cの配置による幾何学的関係により、計測部1Aの伸張方向にかかる荷重F1及び伸び量L1は、それぞれ次式のように与えられる。
【0020】
【数3】

【0021】
【数4】

【0022】
上記引張試験では、各支持棒11A〜11Cが軸回転可能となっているため、各支持棒11A〜11Cと布材1との接触部分では、布材1が各支持棒11A〜11Cの表面を自由に移動することができ、試験片(布材1)に面内カップリング効果を働かせることなく、試験片を単純引張状態にすることができる。ここで、試験片は、異硬度のラミネートパッド2(面状部材)が積層された布材1を環状に巻いて形成したものであるため、布材1とその外周側に巻かれるラミネートパッド2との間には周長差が発生する。これにより、試験片は、その湾曲する曲率が大きくなりすぎると、上記周長差により発生する力によって、布材1が内外どちらかの方向に屈曲する折れジワが発生しやすい構成となっている。
【0023】
しかし、本実施例では、試験片をその環内に設けた3本の支持棒11A〜11Cによって内周側から押圧する構成としていることにより、試験片を2本の支持棒によって内周側から押圧する構成と比べると、各支持棒11A〜11Cにより押圧されて湾曲する試験片の各湾曲部の曲率が小さく抑えられるため、各湾曲部に折れジワが発生しにくくなっている。したがって、試験片に引張荷重Fがかかり始める際に、折れジワが伸ばされる挙動が起こらないため、計測部1Aにかかる引張荷重Fの立ち上がり勾配の基点を正確にとることができ、引張試験を精度良く行うことができる。また、各支持棒11A〜11Cを正三角形を形作るように等間隔に並べ、試験片に引張荷重Fをかける前後で各支持棒11A〜11Cの並ぶ形が相似の関係となるように各支持棒11A〜11Cを動作させることにより、各支持棒11A〜11Cによって試験片全体が均一に引張られるため、試験片の一部のみが局所的に大きく引張られて曲率が大きくなりすぎてしまうということがなく、折れジワをより発生させにくくすることができるようになっている。
【実施例2】
【0024】
続いて、実施例2の布材の引張試験方法について、図4〜図5を用いて説明する。なお、本実施例では、実施例1で示した布材の引張試験方法と実質的に構成が同じとなる箇所については、それらに同一の符号を付して説明を省略し、構成が異なる箇所について異なる符号を付して詳しく説明することとする。
【0025】
図4〜図5に示すように、本実施例の布材の引張試験方法では、試験片をその環内に設けた4本の支持棒11A〜11Dによって内周側から押圧する構成となっている。これら支持棒11A〜11Dは、互いに斜め45°に傾いた正方形を描くように等間隔に並んで設けられており、引張試験機10に対してそれぞれ軸回転可能な状態とされている。これら支持棒11A〜11Dは、それらの直径が20mmの丸棒状の形に形成されている。上記試験片の引張試験に際しては、図示下端側に配された支持棒11Dを固定して、その他の各支持棒11A〜11Cを互いに離間させる方向に作動させることにより、上記環状の試験片(布材1)に内周側から押圧力をかけて引張荷重Fをかける。そして、この引張荷重Fを受けて伸張した布材1のいずれかの支持棒と支持棒との間(本実施例では支持棒11Aと支持棒11Cとの間)の部位(計測部1B)の面内方向の伸び量L2を測定する。
【0026】
詳しくは、上記各支持棒11A〜11Dは、布材1に引張荷重Fをかける前後で各支持棒11A〜11Dの並ぶ形が正方形の関係(相似の関係)に保たれるように動かされるようになっている。具体的には、上記正方形の図示上端側に配された支持棒11Aが真っ直ぐ上方側に移動量Ma動かされ、同時に、図示左端側に配された支持棒11Bが図示左斜め上方45°に向かって真っ直ぐ移動量Mb動かされ、図示右端側に配された支持棒11Cが右斜め上方45°に向かって真っ直ぐ移動量Mc動かされる。
【0027】
上記図示上端側に配された支持棒11Aの上方側への移動量Maを変位量Δxとすると、図示左端側に配された支持棒11Bの移動量Mb、図示右端側に配された支持棒11Cの移動量Mcは、それぞれ次式のように与えられる。
【0028】
【数5】

【0029】
【数6】

【0030】
また、上記各支持棒11A〜11Dの配置による幾何学的関係により、計測部1Bの伸張方向にかかる荷重F2及び伸び量L2は、それぞれ次式のように与えられる。
【0031】
【数7】

【0032】
【数8】

【0033】
このように、試験片をその環内に設けた4本の支持棒11A〜11Dによって内周側から押圧する構成とすることにより、試験片を実施例1で示した3本の支持棒(11A〜11C)によって内周側から押圧する構成と比べると、支持棒の数は増大するが、試験片が各支持棒11A〜11Dにより押圧されて湾曲する各湾曲部の曲率が小さくなるため、各湾曲部に折れジワをより発生させにくくすることができる。
【実施例3】
【0034】
続いて、実施例3の布材の引張試験方法について、図6〜図7を用いて説明する。なお、本実施例では、実施例1で示した布材の引張試験方法と実質的に構成が同じとなる箇所については、それらに同一の符号を付して説明を省略し、構成が異なる箇所について異なる符号を付して詳しく説明することとする。
【0035】
図6〜図7に示すように、本実施例の布材の引張試験方法では、試験片をその環内に設けた4本の支持棒11A〜11Dによって内周側から押圧する構成となっている。これら支持棒11A〜11Dは、互いに斜め45°に傾いた正方形を描くように等間隔に並んで設けられており、引張試験機10に対してそれぞれ軸回転可能な状態とされている。これら支持棒11A〜11Dは、それらの直径が20mmの丸棒状の形に形成されている。上記試験片の引張試験に際しては、図示下端側に配された支持棒11Dを固定して、その他の各支持棒11A〜11Cを互いに離間させる方向に作動させることにより、上記環状の試験片(布材1)に内周側から押圧力をかけて引張荷重Fをかける。そして、この引張荷重Fを受けて伸張した布材1のいずれかの支持棒と支持棒との間(本実施例では支持棒11Aと支持棒11Cとの間)の部位(計測部1C)の伸び量L3を測定する。
【0036】
詳しくは、上記各支持棒11A〜11Dは、各支持棒11A〜11Dの並ぶ形が、支持棒11Bと支持棒11Cとの間の間隔が変化せず、支持棒11Aと支持棒11Dとの間の間隔が広がっていく菱形の形に変化していくように動かされるようになっている。具体的には、図示上端側に配された支持棒11Aが真っ直ぐ上方側に移動量Na動かされ、同時に、図示左端側に配された支持棒11Bが真っ直ぐ上方側に移動量Nb動かされ、図示右端側に配された支持棒11Cが真っ直ぐ上方側に移動量Nc動かされる。
【0037】
上記図示上端側に配された支持棒11Aの上方側への移動量Naを変位量Δxとすると、図示左端側に配された支持棒11Bの移動量Nb、図示右端側に配された支持棒11Cの移動量Ncは、それぞれ次式のように与えられる。
【0038】
【数9】

【0039】
【数10】

【0040】
また、上記各支持棒11A〜11Dの配置による幾何学的関係により、計測部1Cの伸張方向にかかる荷重F3は、次式のように与えられる。次式において、θは、互いに対向配置されて離間する支持棒11Aと支持棒11Dとを結ぶ対角線Diと布材1の計測部1Cの面方向とが成す角度である。
【0041】
【数11】

【0042】
本実施例では、計測部1Cの伸張方向にかかる伸び量L3を、試験片の環内に設けたレーザ式の伸び計20を用いて測定する。具体的には、計測部1Cの表面(布材1の内側面)に標線マークを貼り、予め設定された任意の標線間距離(例えば40mm)に対して、一定時間毎にひずみ量が一定量ずつ増大していくように各支持棒11A〜11Cの引張速度を設定して、この標線間距離の変化をレーザ式の伸び計20により測定するものである。なお、計測部1Cの伸び量L3は、実施例1〜2で示したように、各支持棒11A〜11Dの配置による幾何学的関係により求めても良い。
【0043】
このように、試験片をその環内に設けた4本の支持棒11A〜11Dによって内周側から押圧する構成とすることにより、試験片を実施例1で示した3本の支持棒(11A〜11C)によって内周側から押圧する構成と比べると、支持棒の数は増大するが、試験片が各支持棒11A〜11Dにより押圧されて湾曲する各湾曲部の曲率が小さくなるため、各湾曲部に折れジワをより発生させにくくすることができる。また、支持棒が3本以上設定されることで、試験片の環内に、伸び計20を配設するためのスペースを確保することができるため、布材1が内周側となるように巻かれる試験片の布材1の伸び量L3を、試験片の環内に伸び計20を設置して測定することができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態を三つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施できるものである。上記実施例では、本発明の掛止具に相当するものとして、丸棒状の支持棒を例示したが、掛止具は角棒状やその他の形状のものであってもよい。また、掛止具を設ける数は、3つ以上であれば良く、その数は特に限定されないが、掛止具の数が増大しすぎると、折れジワはより発生しにくくなるが、各掛止具を動作させる機構が大掛かりなものとなってしまうことに留意が必要である。
【0045】
また、上記各実施例では、布材1に積層される面状部材として、スラブウレタンから成るラミネートパッド2を例示したが、面状部材は、布材と異種の材質から成るものであればよく、例えば、ウレタンフォームやワディング材などであってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 布材
1A〜1C 計測部
2 ラミネートパッド(異種の面状部材)
10 引張試験機
11A〜11D 支持棒(掛止具)
20 伸び計
F 引張荷重
F1〜F3 荷重
L1〜L3 伸び量
La〜Lc 移動量
Ma〜Mc 移動量
Na〜Nc 移動量
Δx 変位量
θ 角度
Di 対角線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異種の面状部材が積層された布材に引張荷重をかけて抵抗力を調べる布材の引張試験方法であって、
前記布材を前記面状部材が外周側となるように環状に巻いて無端状に結合したものを試験片とし、該試験片を該試験片の環内に設けた3つ以上の掛止具に跨るように巻き掛けた状態にして、当該各掛止具の中から少なくとも1つを他の掛止具から離間させる方向に直線状に移動させることにより前記試験片に内周側から押圧力をかけて引張荷重をかけることを特徴とする布材の引張試験方法。
【請求項2】
請求項1に記載の布材の引張試験方法であって、
前記各掛止具を正多角形を形作るように等間隔に並べ、前記試験片に引張荷重をかける前後で前記各掛止具の並ぶ形が相似の関係に保たれるように前記各掛止具を動作させることを特徴とする布材の引張試験方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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