説明

希土類金属の回収方法

【課題】簡単な少ない工程数の処理により、少ないエネルギー消費で、希土類磁石のような大量に排出される廃棄物から効率よく不純分の含有量の少ない希土類金属を分離回収する方法を提供する。
【解決手段】溶融塩電解に際し、陽極5と陰極6との間を、希土類金属合金からなるバイポーラー電極型隔膜1で分画して陽極室3及び陰極室4を形成し、陽極室3側に希土類金属イオンREn+を供給しながら、陽極5と陰極6との間に電圧を印加して電解を行わせて、希土類金属REをバイポーラー電極型隔膜1中で拡散透過させ、陰極6表面に希土類金属又はその合金を析出させることにより希土類金属を回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融塩を用いて希土類金属と他の金属との分離又は希土類金属間相互の分離を行って希土類金属を回収する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
希土類金属は、資源の偏在性や需要増加による価格高騰などが原因となって、近年リサイクルに対する要求が高まっている。しかし、これは技術的に確立しておらず、特に廃棄物からはほとんどリサイクルされていない。例えば、希土類金属の用途として大きな割合を占めている希土類磁石では、リサイクルの対象は製造工程中の切削くずに限られており、この場合は、磁石から酸で浸出し、溶解した希土類金属を炭酸などで沈殿させたのち、加熱乾燥して希土類酸化物を形成し、さらに溶融塩電解で単体若しくは合金として回収している。
【0003】
そのほか、希土類金属の回収方法としては、陽極と陰極の中間に、電解質中における電気抵抗が0.05〜10Ω/cmのバイポーラー電極として作用しない隔膜を配置し、アルカリ金属フッ化物及びアルカリ土類金属フッ化物を主体とする溶融塩中において希土類化合物を電解して希土類金属を製造する方法(特許文献1参照)、金属陰極と黒鉛陽極を用いる溶融塩電解において、金属陰極の周囲に電気絶縁材料からなるバイポーラー電極として作用しない隔膜を設けるとともに、該隔壁の電解浴中への浸漬深さを10mm以上に制御することにより、希土類金属の単体若しくは合金を製造する方法(特許文献2参照)、希土類金属含有合金スクラップを水素化して粉砕し、粉砕した合金スクラップを加熱して酸化物に変換し、該酸化物を酸溶液と接触させて希土類金属をイオンとして溶出させ、このイオン含有溶液から希土類金属を含む沈澱を生成させる再利用可能な希土類含有化合物の回収方法(特許文献3参照)、希土類酸化物を原料とする溶融塩電解浴に投入し、電解浴中で希土類酸化物と磁石合金に溶融分離させ、電解浴に溶解した希土類酸化物を希土類金属に還元し、磁石合金をこれと合金化させ、希土類金属−遷移金属−ボロン合金として再生するNd系希土類磁石スクラップのリサイクル方法(特許文献4参照)、水素吸蔵合金を陽極として陰極とともに溶融塩に浸漬して前記陽極と陰極に電圧を印加し、水素吸蔵合金から希土類元素を溶解させ、これから不純物イオンを分離した後、電解還元により希土類元素を上記陰極上に析出させて金属として回収する方法(特許文献5参照)、気体又は溶融状態の鉄塩化物に、希土類元素と鉄族元素を含んだ物質を接触させ、その物質中の鉄族元素の金属状態を保ったまま上記物質中の希土類元素の塩化反応を行わせ、希土類元素を塩化物として選択的に回収する方法(特許文献6参照)などが知られている。
【0004】
しかしながら、水素吸蔵合金を陽極として、陰極とともに溶融塩に浸漬して、陽極溶解させ、希土類金属のみを溶融塩中に溶出させて電解還元する方法は、電気泳動において30〜60Vという大きい電圧を必要とするため厖大な電力の消費を伴う上に、希土類金属と他の遷移金属とを完全に分離させることができないという欠点があるし、Nd系希土類磁石スクラップから、希土類金属−遷移金属−ボロン合金として回収する方法は、酸素以外の除去は困難であり、途中で回収される希土類金属も純粋なものは得られないなど、工業的な方法としては不適当であった。
その他の酸溶解を用いた方法も、操作が煩雑である、溶解、中和工程において鉄が利用価値の低い水酸化物や酸化物となり、特別な処理が必要である、場合によっては多量の酸とアルカリを必要とするなど、多くの欠点を抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−169397号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献2】特開平3−140490号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献3】特開平9−157769号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献4】特開2002−60855号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献5】特開2002−198104号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献6】特開2003−73754号公報(特許請求の範囲その他)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記した従来の希土類金属の回収方法が有する欠点を克服し、簡単な少ない工程数の処理により、少ないエネルギー消費で、希土類磁石のような大量に排出される廃棄物から効率よく不純分の含有量の少ない希土類金属を分離回収する方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、希土類金属を含む溶融塩の電気化学プロセスについて種々研究を行い、先にNiを陰極としてDyイオンを含む溶融塩中で電解を行うと、DyNi2のような希土類金属と遷移金属との合金が急速に形成されることを見出したが(「溶融塩および高温化学」、2004年、第47巻、第1号、p.5−12)、さらに研究を重ねた結果、上記の希土類金属と遷移金属との合金をバイポーラー電極として利用して溶融塩電解すれば、希土類金属含有物から希土類金属を選択的に回収し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、溶融塩電解に際し、陽極と陰極との間を、希土類金属合金からなるバイポーラー電極型隔膜で分画して陽極室及び陰極室を形成し、陽極室側に希土類金属イオンを供給しながら、陽極と陰極との間に電圧を印加して電解を行わせて、希土類金属をバイポーラー電極型隔膜中で拡散透過させ、陰極表面に希土類金属又はその合金を析出させることを特徴とする希土類金属の回収方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明方法によれば、製品スクラップから、常圧下での簡単な操作で、高純度の希土類金属の回収を行うことができ、しかも鉄が大量に含まれるNd−Fe−B磁石などの場合にも、水酸化鉄や酸化鉄のような利用価値の低い副生物を生成することがない上に、製品スクラップ中にコーティング剤のような樹脂成分が含まれていても、容易に消散除去されるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】陽極室に希土類化合物を添加し、希土類金属を選択的に分離、回収する例の作用機構を示すための説明図。
【図2】図1とは別例の作用機構を示すための説明図。
【図3】参考例で用いた装置の略解図。
【図4】参考例において、通電量とメルトA中に溶出したDy及びNdの質量との関係を示すグラフ。
【図5】実施例1で用いた装置の略解図。
【図6】実施例2で用いた装置の略解図。
【図7】実施例2で得た希土類−遷移金属合金の断面組成の変化を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明方法においては、陽極室へ希土類金属イオンを供給する手段としては、希土類化合物、例えば希土類金属塩を陽極室側溶融塩に添加する方法、陽極として希土類金属を含む材料、例えば希土類金属合金を用いて陽極溶解させる方法などがある。
【0012】
本発明方法においては、溶融塩を入れた電解槽をバイポーラー電極型隔膜で分画し、一方の分画に陽極を、他方の分画に陰極を浸漬し、陽極室に希土類金属イオンを供給しながら、電解処理するのであるが、この際の溶融塩としては、特に制限はなく、通常の溶融塩電解において使用されている溶融塩の中から任意に選んで用いることができる。
【0013】
このようなものとしては、アルカリ金属ハロゲン化物、例えばNaCl、KCl、LiCl、NaF、KF及びLiF、アルカリ土類金属ハロゲン化物、例えばMgCl2、CaCl2、BaCl2、MgF2、CaF2及びBaF2、希土類金属ハロゲン化物、例えばNdCl3、DyCl3、NdF3及びDyF3のうちの少なくとも1つを含む溶融塩を挙げることができる。そのほか、酸化物、シュウ酸塩、硫酸塩や炭酸塩も用いることができる。
また、この溶融塩電解における希土類金属と遷移金属との合金の高速形成はLiイオンを含む場合に特に起こり易いため、溶融塩の成分としてLi化合物を含むことが好ましい。
【0014】
また、電極材料としても、これまで溶融塩電解の際に電極として普通に用いられていたものの中から任意に選んで用いることができる。このようなものとしては、例えばFe、Ni、Co、Cu、Mo、Ta、Wのような金属および合金、炭素、炭素繊維、グラファイトなどを挙げることができる。
【0015】
この際、陽極材料として希土類金属含有合金、例えば水素吸蔵合金スクラップ、Nd−Fe−BやSm−Coのような希土類磁石スクラップを用いると、希土類金属イオン供給源を兼用させることができる。
【0016】
次に、本発明方法において用いるバイポーラー電極型隔膜としては、希土類金属含有合金、好ましくは希土類金属と遷移金属との合金、例えばRE−Ni(ただし、REはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの中から選ばれた少なくとも1種)合金がある。特に好ましいのは、RENi2(ただしREは前記と同じ)である。
【0017】
本発明方法における電解条件としては、これまでの溶融塩電解において通常用いられている条件を使用すればよく、特に制限はない。すなわち、浴温度としては400〜1200℃、好ましくは500〜900℃、電解電圧としては0.5〜20V、電解電流としては、0.001〜10A/cm2の範囲が用いられる。電解電流は高いほど処理速度も高く好ましいが、同時に発熱量が増加するとともにバイポーラー電極型隔膜の破損や分離性の低下などのリスクも増大するため、これらの要因を総合的に勘案した上で最も効率的な値を選択することができる。このような電解電流としては、0.05〜5A/cm2の範囲が好ましく、0.1〜2A/cm2の範囲が特に好ましい。
この電解処理は、大気中で行うこともできるが、副反応を避けるために不活性雰囲気中で行うのが好ましい。
【0018】
次に、添付図面に従って、本発明方法において希土類金属が分離、回収される作用機構を説明する。
図1は、陽極及び陰極として慣用されている電極材料を用い、陽極室側に希土類金属イオンを添加して溶融塩電解する場合であって、図中の記号REは希土類金属、Mは遷移金属等を示す。
図1において、電解槽2は、バイポーラー電極型隔膜1により陽極室3と陰極室4に分画されている。そして、陽極室3に希土類金属含有物質[RE]が添加されると、これは溶融塩に溶解して希土類金属イオンREn+(nはイオン価。以下同じ)を形成する。この希土類金属イオンREn+は、バイポーラー電極型隔膜1の陽極室側表面で還元され、ただちに隔膜中の遷移金属MとM−RE合金を形成する。
他方、バイポーラー電極型隔膜1の陰極室側表面においては、M−RE中のREが、選択的に酸化され希土類金属イオンREn+となって溶解し、溶融塩中を移動して陰極に達し、その表面で電子を受け取り還元されて希土類金属又は希土類合金となって析出する。
【0019】
次に、図2は、本発明方法の図1とは別の態様における作用機構を示す説明図であって、陽極として希土類金属含有合金、例えば水素吸蔵合金を用いた場合のものである。そして、
希土類金属−遷移金属合金からなるバイポーラー電極型隔膜1により分けられた陽極室3に、希土類含有合金例えば水素吸蔵合金からなる陽極5を、陰極室4に金属例えばFeからなる陰極6を浸漬し、両極間に電圧を印加すると、陽極5に含まれる希土類金属は選択的に酸化され、陽極室内3に希土類金属イオンとして溶解する。この陽極室内3の希土類金属イオンは、隔膜1の陽極室側表面で還元されてただちに合金化されるとともに、合金内部に速やかに拡散する。
【0020】
次に、隔膜1の陰極室側表面では希土類金属が選択的に酸化され、陰極室内4に希土類金属イオンとして溶解する。この希土類金属イオンは陰極6において還元され、希土類金属の単体又は合金として析出する。この際、陽極として用いた希土類含有合金中あるいは汚染物質中の希土類金属以外の金属、例えばNiやCoなどの一部が溶解し、隔膜1の陽極室側表面に析出する可能性もあるが、これらは陰極室側へ拡散せず、仮に拡散した場合でも適切な電解条件下では陰極室4に溶出することはないので、陰極6では不純物の少ない希土類金属を回収することができる。
【0021】
また、陽極として複数の希土類金属を含む希土類含有合金を用いた場合、あるいは複数の希土類金属化合物を陽極室に添加した場合は、各希土類金属の合金隔膜1中の移動速度、隔膜1との合金化又は隔膜1から酸化溶解する電位などの相違を利用して、希土類金属の相互分離をすることができる。
【0022】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0023】
参考例
この例は、希土類金属−遷移金属合金の隔膜としての機能を確認するための基礎実験例である。
図3に略解した装置を用いて、DyNi2膜によるDyとNdの透過実験を行った。
図3においては、7は耐食、耐熱性容器(径80mm×150mm)、8は厚さ20μmのニッケル箔で形成した上方開放した箱体(底面40×40mm、高さ20mm)である。この容器7には、塩化リチウム45質量%と塩化カリウム55質量%とを混合し、450℃で溶融した溶融塩を高さ50mmまで装入し、箱体8にも同じ溶融塩を高さ10mmまで装入し、それぞれメルトA及びメルトBとした。
次に、メルトAの中にアルミニウム板(10×20mm)を陰極6として、またメルトBの中に炭素棒(径12mm、長さ40mm)を陽極5として挿入し、ニッケル箔は希土類合金を形成し、バイポーラー電極として作用する材料として用いた。
このような構造の電解装置において、先ずメルトBにDyCl3を添加し、Niからなる箱体8を0.64V(vs.Li/Li+)で定電位電解した。この電解により、DyイオンはNi表面で還元され、ただちにNiと合金化してDyNi2を形成した。
【0024】
次いで、メルトBにNdCl3を添加し、アルミニウム陰極6と炭素棒陽極5の間に250mAの電流を通して定電流電解した。そして、30分経過するごとに、電解を一時中断してアルミニウム陰極6を新しいものと交換し、メルトAをサンプリングし、ICP分析してメルトAに溶出したDy及びNdの質量を求めた。このときの通電量とメルトA中に溶出したDy及びNdの質量との関係をグラフとして図4に示す。
この図から分るように、通電量1300C付近まではDyとNdの質量に変化は認められないが、これはメルトAに溶出する筈の希土類金属が浴中の水分と反応して沈殿したか、又は電極表面に付着したため、検出されなかったものと思われる。それ以降は通電量とほぼ対応した増加が認められる。
このことから、Ni箔から形成された希土類金属−遷移金属合金すなわちDyNi2を介し、前述の作用機構に従って、Dy及びNdがメルトBからAに透過したことが分かる。
【実施例1】
【0025】
図5に示す装置を用い、以下の実験を行った。
径20mmのガラス管の先に、厚さ30μmのニッケル箔を接着したものを作成し、陰極室4とした。該陰極室側に10gの共融組成物LiCl−KCl(質量比45:55)を入れて溶解し、径80mmのアルミナるつぼ9に共融組成物LiCl−KClを290g入れ、これを陽極室3とした。まず、陽極室3にDyCl3を添加し、0.65V(vs.Li/Li+)でNi箔を定電位電解し、隔膜(DyNi2からなるバイポーラー電極)1を作成した。次いで、陽極室3にFeCl2、SmCl3、NdCl3を添加したのち、陰極室中のAl電極を陰極6、陽極室中の炭素電極を陽極5、DyNi2合金を隔膜1として60mAの定電流で90分間電解した。電解後の陰極室溶液及び陰極を分析して陰極室内に透過してきたFe、Sm、Ndの各質量を算出したところ、Ndのみが2.7mg検出された。
このことから、NdとFeの分離、すなわち不純物成分と希土類金属の分離と、NdとSmの分離すなわち希土類金属の相互分離が達成されたことが分かる。
【実施例2】
【0026】
図6に示す装置を用い、以下の実験を行った。
外径90mmのアルミナるつぼに300gの共融組成物LiCl−KCl(質量比45:55)を入れて溶解し、さらにLaCl3、DyCl3、FeCl2をそれぞれ0.5mol%ずつ添加した。Ni板をバイポーラー電極型隔膜の陽極室側表面に見立て、0.48V(vs.Li/Li+)で4時間定電位電解することで希土類−遷移金属合金を作成した。このときの電流密度はおよそ0.08A/cm2であった。その断面組成を図7に示す。電解によりDy−Ni合金が主に形成していたが、Feは表面に析出するだけで合金内部には存在せず、DyとFeとの分離、すなわち不純物成分と希土類金属の分離が達成されたことが分かる。また、Laは合金内部には極少量しか存在しておらず、DyとLaの分離すなわち希土類金属の相互分離が達成されたことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
ハードディスクヘッドの駆動装置や電気自動車用高出力モーターに使用されている希土類磁石や水素吸蔵合金あるいはそれらの工程内スクラップから効率よく希土類金属をリサイクルするのに有用である。
【符号の説明】
【0028】
1 隔膜(希土類金属−遷移金属合金からなるバイポーラー電極)
2 電解槽
3 陽極室
4 陰極室
5 陽極
6 陰極
7 耐食、耐熱性容器
8 箱体(Ni箔から希土類金属含有合金隔膜DyNi2を形成)
9 アルミナるつぼ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融塩電解に際し、陽極と陰極との間を、希土類金属合金からなるバイポーラー電極型隔膜で分画して陽極室及び陰極室を形成し、陽極室側に希土類金属イオンを供給しながら、陽極と陰極との間に電圧を印加して電解を行わせて、希土類金属をバイポーラー電極型隔膜中で拡散透過させ、陰極表面に希土類金属又はその合金を析出させることを特徴とする希土類金属の回収方法。
【請求項2】
希土類金属合金が希土類金属と遷移金属との合金である請求項1記載の希土類金属の回収方法。
【請求項3】
希土類金属合金が、RE−Ni合金(ただし、REはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの中から選ばれた少なくとも1種)である請求項1又は2記載の希土類金属の回収方法。
【請求項4】
RE−Ni合金がRENi2(ただし、REはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの中から選ばれた少なくとも1種)である請求項3記載の希土類金属の回収方法。
【請求項5】
溶融塩が、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物及び希土類金属ハロゲン化物の中から選ばれた少なくとも1種を含む請求項1〜4のいずれかに記載の希土類金属の回収方法。
【請求項6】
溶融塩が、Li化合物を含む請求項1〜5のいずれかに記載の希土類金属の回収方法。
【請求項7】
陽極室側の溶融塩中に希土類金属化合物を添加し、溶解させることにより、希土類金属イオンを供給する請求項1〜5のいずれかに記載の希土類金属の回収方法。
【請求項8】
希土類金属化合物が希土類金属のハロゲン化物、酸化物、シュウ酸塩、硫酸塩及び炭酸塩の中から選ばれた少なくとも1種である請求項7記載の希土類金属の回収方法。
【請求項9】
陽極として希土類金属含有合金を用いて陽極溶解により陽極室に希土類金属イオンを供給して行う請求項1〜6のいずれかに記載の希土類金属の回収方法。
【請求項10】
希土類金属含有合金が、水素吸蔵合金スクラップ又は希土類磁石スクラップである請求項9記載の希土類金属の回収方法。
【請求項11】
陰極として、希土類金属と合金を形成する金属からなる電極を用い、希土類金属をそれと上記金属との合金として回収する請求項1〜10のいずれかに記載の希土類金属の回収方法。
【請求項12】
合金を形成する金属が、ニッケル、コバルト、鉄の中から選ばれた少なくとも1種である請求項11記載の希土類金属の回収方法。
【請求項13】
希土類金属合金からなるバイポーラー電極型隔膜における電流密度が0.001〜10A/cm2である請求項1〜12のいずれかに記載の希土類金属の回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−287119(P2009−287119A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111503(P2009−111503)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】