帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド方法及びそのガイド装置
【課題】小型軽量で、搬送台車の省スペース及びコストダウンを図ることが出来、更に巻取って保管する帯状の帯状ゴム部材を効率良く冷却保管することが出来る高剛性ライナーのガイド方法及びそのガイド装置を提供する。
【解決手段】ガイド装置１０は、帯状ライナーＲの巻出し及び巻取りを行う際、保管用ドラム５Ａ側のライナーＲａ及び巻取り用ドラム４Ａ側のライナーＲｂの両側面において、巻取り用ドラム４Ａと、保管用ドラム５Ａの軸芯Ｘ−Ｘを通るように放射状に配設した少なくとも一本以上のガイドローラ７Ａ，７Ｂにより構成され、この実施形態では、巻取り用ドラム４Ａの片面には２本、保管用ドラム５Ａ側の片面には３本配設し、帯状ライナーＲの巻出し及び巻取りを行う際にライナーエッジをガイドする。
【解決手段】ガイド装置１０は、帯状ライナーＲの巻出し及び巻取りを行う際、保管用ドラム５Ａ側のライナーＲａ及び巻取り用ドラム４Ａ側のライナーＲｂの両側面において、巻取り用ドラム４Ａと、保管用ドラム５Ａの軸芯Ｘ−Ｘを通るように放射状に配設した少なくとも一本以上のガイドローラ７Ａ，７Ｂにより構成され、この実施形態では、巻取り用ドラム４Ａの片面には２本、保管用ドラム５Ａ側の片面には３本配設し、帯状ライナーＲの巻出し及び巻取りを行う際にライナーエッジをガイドする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、高剛性ライナーを使用した帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド方法及びそのガイド装置に係わり、更に詳しくは小型軽量で、搬送台車の省スペース及びコストダウンを図ることが出来る帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド方法及びそのガイド装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、タイヤ成形工程等では、押出し装置から型付け押出し成形されたタイヤトレッドやサイドゴム等の未加硫状態のゴム状弾性部材をタイヤ成形時まで保管する方法として、定尺切断した帯状ゴム部材をケリートラックと呼称される台車に多段状に載置して保管する方法が知られている。
【０００３】
また近年では、型付け押出し成形された未加硫状態の帯状ゴム部材を定尺切断せずに巻取り用ドラムでロール状に巻取り、成形使用時直前に巻出して定尺切断して使用する方法が行われている（例えば、特許文献１，特許文献２参照）。
【０００４】
上記のような巻取り用ドラムで帯状ゴム部材をロール状に巻取る方法は、定尺切断して保管する方法に比べて材料の形状寸法の収縮を抑え、寸法精度を保証する点で優れている。ところで、従来の巻取り帯状ライナーで使用される材質としては、布帯状ライナーや硬質ポリエチレン帯状ライナーが主として使用され、このような材質の帯状ライナーにより帯状ゴム部材をロール状に巻取って保管する場合、図６及び図７に示すように、キャスター１を備えた搬送台車２上のフレーム３に、両側にガイドフランジ４ａを備えたドラム径Ｄ１，Ｄ２の異なる巻取りドラム４と、ガイドフランジ５ａを備えた巻出しドラム５とを所定の間隔で配設している。
【０００５】
ガイドフランジ４ａ，５ａの外径Ｄｘは、各々帯状ライナーＲを介して帯状ゴム部材Ｗをロール状に巻取る際の巻き崩れ等を防止するため巻取り最大径よりも大きくする必要がある。
【０００６】
然しながら、各々のガイドフランジ４ａ，５ａは、互いにラップすることが出来ないため、軸間距離Ｌは必然的に大きくなり、搬送台車２も大きくなり、重量も大きくなると言う問題があった。また押出し成形された未加硫状態の帯状ゴム部材Ｗを巻取るために効率良く冷却させて帯状ゴム部材Ｗの変形を防止することが理想的であるが、上記のように巻取りドラム４及び巻出しドラム５には、巻取り最大径よりも大きなガイドフランジ４ａ，５ａが一体的に形成されているため、帯状ゴム部材Ｗを効率良く冷却することは難しい。
【特許文献１】特開平５−３０１３００号公報
【特許文献２】特開平６−３２０６４２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
この発明はかかる従来の問題点に着目し、小型軽量で、搬送台車の省スペース及びコストダウンを図ることが出来、更に巻取って保管する帯状ゴム部材を効率良く冷却保管することが出来る帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド方法及びそのガイド装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
この発明は上記目的を達成するため、この発明の高剛性ライナーのガイド方法は、帯状ゴム部材を高剛性ライナーを介在させてロール状に巻取った保管用ドラム側と高剛性ライナーの巻取り用ドラム側との間で高剛性ライナーの巻出し及び巻取りを行う帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド方法であって、前記高剛性ライナーの巻出し及び巻取りを行う際、前記保管用ドラム側及び巻取り用ドラム側のライナーの両側面エッジを、保管用ドラム及び巻取り用ドラムの軸芯を通るように放射状に配設した少なくとも一本以上のガイドローラによりガイドすることを要旨とするものである。
【０００９】
ここで、前記高剛性ライナーのライナーエッジをガイドするガイドローラは、円筒状で、かつ長手方向に分割したローラを使用するものである。
【００１０】
また、この発明の高剛性ライナーのガイド装置は、搬送台車上のフレームに左右一対の保管用ドラムと巻取り用ドラムとを所定の間隔を隔てて配設し、前記フレームの両側面に、保管用ドラム側及び巻取り用ドラム側の高剛性ライナーの両側面エッジと接触してガイドし、かつ保管用ドラムと巻取り用ドラムの軸芯を通るように放射状に配設したガイドローラを少なくとも一本以上の配設したことを要旨とするものである。
【００１１】
ここで、前記ガイドローラは、円筒状で、かつ長手方向に分割された複数の回転自在なローラにより構成し、また前記ガイドローラは、左右一対の保管用ドラム及び巻取り用ドラムの軸芯を通るように放射状に配設するものである。
【００１２】
また、前記左右一対の保管用ドラム及び巻取り用ドラムの軸芯は、高剛性ライナーの保管用ドラム側のライナー外径と巻取り用ドラム側のライナー外径とが任意の巻出し状態において互いに干渉しない位置に配設し、更に前記高剛性ライナーは、硬質の帯状樹脂材料または帯状軽金属材料である。
【発明の効果】
【００１３】
この発明は上記のように構成したので、以下のような優れた効果を奏するものである。（ａ）．高剛性ライナーの保管用ドラムと巻取り用ドラムとを、同一の搬送台車上に設置する場合に、各々の保管用ドラム及び巻取り用ドラムを所定の間隔で配設すると共に、軸芯を通るように放射状に配設したガイドローラは互いに干渉しない角度で配置するので、保管用ドラム及び巻取り用ドラムの軸間距離を小さくでき、各々のドラムのライナー最大外径をラップさせることが出来る。この結果、搬送台車を小型，軽量化することが出来るものである。
（ｂ）．帯状ゴム部材を剛性ライナーによりロール状に巻取って保管する搬送台車の省スペース化及びコストダウンを図ることが出来、また、スペーサを介して空気が流通し易いので帯状ゴム部材を効率良く冷却保管することが出来る
（ｃ）．ガイドローラを長手方向に分割することにより、形状を単純な円筒形状にすることが可能となり、搬送台車の省スペース化及びコストダウンを図ることが出来る。
（ｄ）．巻取り，巻出し時の高剛性ライナーの蛇行を防止することが出来ると共に、運搬台車の荷崩れを有効に防止出来る。
（ｅ）．高剛性ライナーの保管用ドラムと巻取り用ドラムには、従来のようなガイドフランジを設けていないので、巻取った未加硫状態の帯状ゴム部材を効率良く冷却することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
なお、従来例と同一構成要素は、同一符号を付して説明は省略する。
【００１５】
図１及び図２は、この発明の高剛性の帯状ライナーＲのガイド装置１０を備えた搬送台車の正面図で、高剛性の帯状ライナーＲの巻取り初めの状態と、巻取り終了間近の状態を示し、図３は図１のＡ−Ａ矢視側面図、図４は図３のＢ−Ｂ矢視拡大正面図を示し、搬送台車２の下部には、複数個のキャスター１を備え、また搬送台車２上のフレーム３には、ドラム径Ｄ１，Ｄ２の異なる帯状ライナーＲの巻取り用ドラム４Ａと、保管用ドラム５Ａとが所定の間隔を隔てて配設されている。
【００１６】
この発明の実施形態における帯状ライナーＲは、例えば、図５に示すように硬質の帯状樹脂材料または帯状の軽金属材料（例えば、アルミ合金等）により構成され、所定の厚さ，所定の幅で帯状に形成されている。また、この帯状ライナーＲとしては、この実施形態では、幅方向表面の両側縁部に所定の高さの突起状（台形状や波形状等）のスペーサ６が設けてある。
【００１７】
このスペーサ６は、押出し成形された所定断面形状（例えば、断面台形状）のプロファイルを備えた未加硫状態の帯状ゴム部材Ｗを前記高剛性の帯状ライナーＲへロール状に巻付けた場合、その帯状ライナーＲの巻付け力により押し潰されないようにガードするためと、通気性，冷却性を良くして帯状ゴム部材Ｗを成形時まで品質を保持して保管させるためのものである。
【００１８】
前記ガイド装置１０は、前記帯状ライナーＲの巻出し及び巻取りを行う際、保管用ドラム５Ａ側のライナーＲａ及び巻取り用ドラム４Ａ側のライナーＲｂの両側面において、巻取り用ドラム４Ａと、保管用ドラム５Ａの軸芯Ｘ−Ｘを通るように放射状に配設した少なくとも一本以上のガイドローラ７Ａ，７Ｂにより構成され、この実施形態では、巻取り用ドラム４Ａの片面には２本、保管用ドラム５Ａ側の片面には３本配設し、帯状ライナーＲの巻出し及び巻取りを行う際にライナーエッジ（帯状ライナーＲの幅方向の両側縁部）をガイドする。
【００１９】
前記帯状ライナーＲのライナーエッジをガイドするガイド装置１０のガイドローラ７Ａ，７Ｂは、円筒状で、かつ長手方向に分割した複数個の回転自在なローラ８を支持軸９に挿通させて構成し、このローラ８の材質としては、樹脂材料が好ましい。
【００２０】
また、前記ガイドローラ７Ａ，７Ｂは、上述したように左右一対の巻取り用ドラム４Ａと、保管用ドラム５Ａとの軸芯Ｘ−Ｘを通るように放射状に配設する。
【００２１】
また、前記左右一対の巻取り用ドラム４Ａと保管用ドラム５Ａの軸芯は、巻取り，巻出し時の作業支承を生じないように保管用ドラム５Ａ側のライナーＲａ及び巻取り用ドラム４Ａ側のライナーＲｂの外径とが任意の巻出し状態において互いに干渉しない位置に配設する必要がある。
【００２２】
なお、図において、１１は巻取り用ドラム４Ａと保管用ドラム５Ａの主軸１２ａ，１２ｂの端末部に設けた駆動連結用の係合部材であり、帯状ライナーＲ及び帯状ゴム部材Ｗの巻出し、巻取り時に、搬送台車２の停止位置の側部に設置された図示しない回転駆動装置に連結させて巻取り用ドラム４Ａ及び保管用ドラム５Ａを回転駆動させるものである。
【００２３】
次に、帯状ゴム部材Ｗの巻取り保管装置における高剛性ライナーＲのガイド方法について説明する。
【００２４】
この発明の高剛性ライナーＲのガイド方法は、搬送台車２上のフレーム３に所定の間隔で配設された左右一対の巻取り用ドラム４Ａと保管用ドラム５Ａとの間において、帯状ゴム部材Ｗを帯状ライナーＲｂを介在させてロール状に巻取った保管用ドラム５Ａ側と帯状ライナーＲａの巻取り用ドラム４Ａ側との間で帯状ライナーＲの巻出し及び巻取りを行うためのガイド方法である。
【００２５】
即ち、帯状ライナーＲの巻出し及び巻取りを行う際、前記保管用ドラム５Ａ側のライナーＲａ及び巻取り用ドラム４Ａ側のライナーＲｂの両側面のライナーエッジを、巻取り用ドラム４Ａ及び保管用ドラム５Ａの軸芯Ｘ−Ｘを通るように放射状に配設した少なくとも一本以上のガイドローラ７Ａ，７Ｂによりガイドする。
【００２６】
これにより、巻取り，巻出し時の帯状ライナーＲの蛇行を防止することが出来ると共に、搬送台車２による保管用ドラム５Ａ側のライナーＲａ及び巻取り用ドラム４Ａ側のライナーＲｂの運搬時に荷崩れ等を有効に防止出来る。
【００２７】
またこの発明の実施形態における巻取り用ドラム４Ａ及び保管用ドラム５Ａには、従来のようにガイドフランジを設けていないので、帯状ゴム部材Ｗの巻取り時には、突起状のスペーサ６の部分から空気が流通し、従って巻取った未加硫状態の帯状ゴム部材Ｗを効率良く冷却することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】この発明の高剛性の帯状ライナーのガイド装置を備えた搬送台車の正面図で、帯状ライナーの巻取り初めの状態を示している。
【図２】この発明の高剛性の帯状ライナーのガイド装置を備えた搬送台車の正面図で、帯状ライナーの巻取り終了間近の状態を示している。
【図３】図１のＡ−Ａ矢視側面図である。
【図４】図３のＢ−Ｂ矢視拡大正面図である。
【図５】巻出し時の帯状ライナーの斜視図である。
【図６】従来の巻取り用ドラムと搬送台車の説明図である。
【図７】図６のＣ−Ｃ矢視側面図である。
【符号の説明】
【００２９】
１ キャスター ２ 搬送台車
３ フレーム ４，４Ａ ライナーの巻取り用ドラム
４ａ ガイドフランジ ５，５Ａ 部材の保管用ドラム
５ａ ガイドフランジ Ｗ 帯状ゴム部材
Ｒ 高剛性の帯状ライナー ６ スペーサ
７Ａ，７Ｂ ガイドローラ ８ ローラ
９ 支持軸 １０ ガイド装置
１１ 係合部材 Ｒａ 保管用ドラム側のライナー １２ａ，１２ｂ 主軸 Ｒｂ 巻取り用ドラム側のライナー
Ｘ−Ｘ 軸芯
【技術分野】
【０００１】
この発明は、高剛性ライナーを使用した帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド方法及びそのガイド装置に係わり、更に詳しくは小型軽量で、搬送台車の省スペース及びコストダウンを図ることが出来る帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド方法及びそのガイド装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、タイヤ成形工程等では、押出し装置から型付け押出し成形されたタイヤトレッドやサイドゴム等の未加硫状態のゴム状弾性部材をタイヤ成形時まで保管する方法として、定尺切断した帯状ゴム部材をケリートラックと呼称される台車に多段状に載置して保管する方法が知られている。
【０００３】
また近年では、型付け押出し成形された未加硫状態の帯状ゴム部材を定尺切断せずに巻取り用ドラムでロール状に巻取り、成形使用時直前に巻出して定尺切断して使用する方法が行われている（例えば、特許文献１，特許文献２参照）。
【０００４】
上記のような巻取り用ドラムで帯状ゴム部材をロール状に巻取る方法は、定尺切断して保管する方法に比べて材料の形状寸法の収縮を抑え、寸法精度を保証する点で優れている。ところで、従来の巻取り帯状ライナーで使用される材質としては、布帯状ライナーや硬質ポリエチレン帯状ライナーが主として使用され、このような材質の帯状ライナーにより帯状ゴム部材をロール状に巻取って保管する場合、図６及び図７に示すように、キャスター１を備えた搬送台車２上のフレーム３に、両側にガイドフランジ４ａを備えたドラム径Ｄ１，Ｄ２の異なる巻取りドラム４と、ガイドフランジ５ａを備えた巻出しドラム５とを所定の間隔で配設している。
【０００５】
ガイドフランジ４ａ，５ａの外径Ｄｘは、各々帯状ライナーＲを介して帯状ゴム部材Ｗをロール状に巻取る際の巻き崩れ等を防止するため巻取り最大径よりも大きくする必要がある。
【０００６】
然しながら、各々のガイドフランジ４ａ，５ａは、互いにラップすることが出来ないため、軸間距離Ｌは必然的に大きくなり、搬送台車２も大きくなり、重量も大きくなると言う問題があった。また押出し成形された未加硫状態の帯状ゴム部材Ｗを巻取るために効率良く冷却させて帯状ゴム部材Ｗの変形を防止することが理想的であるが、上記のように巻取りドラム４及び巻出しドラム５には、巻取り最大径よりも大きなガイドフランジ４ａ，５ａが一体的に形成されているため、帯状ゴム部材Ｗを効率良く冷却することは難しい。
【特許文献１】特開平５−３０１３００号公報
【特許文献２】特開平６−３２０６４２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
この発明はかかる従来の問題点に着目し、小型軽量で、搬送台車の省スペース及びコストダウンを図ることが出来、更に巻取って保管する帯状ゴム部材を効率良く冷却保管することが出来る帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド方法及びそのガイド装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
この発明は上記目的を達成するため、この発明の高剛性ライナーのガイド方法は、帯状ゴム部材を高剛性ライナーを介在させてロール状に巻取った保管用ドラム側と高剛性ライナーの巻取り用ドラム側との間で高剛性ライナーの巻出し及び巻取りを行う帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド方法であって、前記高剛性ライナーの巻出し及び巻取りを行う際、前記保管用ドラム側及び巻取り用ドラム側のライナーの両側面エッジを、保管用ドラム及び巻取り用ドラムの軸芯を通るように放射状に配設した少なくとも一本以上のガイドローラによりガイドすることを要旨とするものである。
【０００９】
ここで、前記高剛性ライナーのライナーエッジをガイドするガイドローラは、円筒状で、かつ長手方向に分割したローラを使用するものである。
【００１０】
また、この発明の高剛性ライナーのガイド装置は、搬送台車上のフレームに左右一対の保管用ドラムと巻取り用ドラムとを所定の間隔を隔てて配設し、前記フレームの両側面に、保管用ドラム側及び巻取り用ドラム側の高剛性ライナーの両側面エッジと接触してガイドし、かつ保管用ドラムと巻取り用ドラムの軸芯を通るように放射状に配設したガイドローラを少なくとも一本以上の配設したことを要旨とするものである。
【００１１】
ここで、前記ガイドローラは、円筒状で、かつ長手方向に分割された複数の回転自在なローラにより構成し、また前記ガイドローラは、左右一対の保管用ドラム及び巻取り用ドラムの軸芯を通るように放射状に配設するものである。
【００１２】
また、前記左右一対の保管用ドラム及び巻取り用ドラムの軸芯は、高剛性ライナーの保管用ドラム側のライナー外径と巻取り用ドラム側のライナー外径とが任意の巻出し状態において互いに干渉しない位置に配設し、更に前記高剛性ライナーは、硬質の帯状樹脂材料または帯状軽金属材料である。
【発明の効果】
【００１３】
この発明は上記のように構成したので、以下のような優れた効果を奏するものである。（ａ）．高剛性ライナーの保管用ドラムと巻取り用ドラムとを、同一の搬送台車上に設置する場合に、各々の保管用ドラム及び巻取り用ドラムを所定の間隔で配設すると共に、軸芯を通るように放射状に配設したガイドローラは互いに干渉しない角度で配置するので、保管用ドラム及び巻取り用ドラムの軸間距離を小さくでき、各々のドラムのライナー最大外径をラップさせることが出来る。この結果、搬送台車を小型，軽量化することが出来るものである。
（ｂ）．帯状ゴム部材を剛性ライナーによりロール状に巻取って保管する搬送台車の省スペース化及びコストダウンを図ることが出来、また、スペーサを介して空気が流通し易いので帯状ゴム部材を効率良く冷却保管することが出来る
（ｃ）．ガイドローラを長手方向に分割することにより、形状を単純な円筒形状にすることが可能となり、搬送台車の省スペース化及びコストダウンを図ることが出来る。
（ｄ）．巻取り，巻出し時の高剛性ライナーの蛇行を防止することが出来ると共に、運搬台車の荷崩れを有効に防止出来る。
（ｅ）．高剛性ライナーの保管用ドラムと巻取り用ドラムには、従来のようなガイドフランジを設けていないので、巻取った未加硫状態の帯状ゴム部材を効率良く冷却することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
なお、従来例と同一構成要素は、同一符号を付して説明は省略する。
【００１５】
図１及び図２は、この発明の高剛性の帯状ライナーＲのガイド装置１０を備えた搬送台車の正面図で、高剛性の帯状ライナーＲの巻取り初めの状態と、巻取り終了間近の状態を示し、図３は図１のＡ−Ａ矢視側面図、図４は図３のＢ−Ｂ矢視拡大正面図を示し、搬送台車２の下部には、複数個のキャスター１を備え、また搬送台車２上のフレーム３には、ドラム径Ｄ１，Ｄ２の異なる帯状ライナーＲの巻取り用ドラム４Ａと、保管用ドラム５Ａとが所定の間隔を隔てて配設されている。
【００１６】
この発明の実施形態における帯状ライナーＲは、例えば、図５に示すように硬質の帯状樹脂材料または帯状の軽金属材料（例えば、アルミ合金等）により構成され、所定の厚さ，所定の幅で帯状に形成されている。また、この帯状ライナーＲとしては、この実施形態では、幅方向表面の両側縁部に所定の高さの突起状（台形状や波形状等）のスペーサ６が設けてある。
【００１７】
このスペーサ６は、押出し成形された所定断面形状（例えば、断面台形状）のプロファイルを備えた未加硫状態の帯状ゴム部材Ｗを前記高剛性の帯状ライナーＲへロール状に巻付けた場合、その帯状ライナーＲの巻付け力により押し潰されないようにガードするためと、通気性，冷却性を良くして帯状ゴム部材Ｗを成形時まで品質を保持して保管させるためのものである。
【００１８】
前記ガイド装置１０は、前記帯状ライナーＲの巻出し及び巻取りを行う際、保管用ドラム５Ａ側のライナーＲａ及び巻取り用ドラム４Ａ側のライナーＲｂの両側面において、巻取り用ドラム４Ａと、保管用ドラム５Ａの軸芯Ｘ−Ｘを通るように放射状に配設した少なくとも一本以上のガイドローラ７Ａ，７Ｂにより構成され、この実施形態では、巻取り用ドラム４Ａの片面には２本、保管用ドラム５Ａ側の片面には３本配設し、帯状ライナーＲの巻出し及び巻取りを行う際にライナーエッジ（帯状ライナーＲの幅方向の両側縁部）をガイドする。
【００１９】
前記帯状ライナーＲのライナーエッジをガイドするガイド装置１０のガイドローラ７Ａ，７Ｂは、円筒状で、かつ長手方向に分割した複数個の回転自在なローラ８を支持軸９に挿通させて構成し、このローラ８の材質としては、樹脂材料が好ましい。
【００２０】
また、前記ガイドローラ７Ａ，７Ｂは、上述したように左右一対の巻取り用ドラム４Ａと、保管用ドラム５Ａとの軸芯Ｘ−Ｘを通るように放射状に配設する。
【００２１】
また、前記左右一対の巻取り用ドラム４Ａと保管用ドラム５Ａの軸芯は、巻取り，巻出し時の作業支承を生じないように保管用ドラム５Ａ側のライナーＲａ及び巻取り用ドラム４Ａ側のライナーＲｂの外径とが任意の巻出し状態において互いに干渉しない位置に配設する必要がある。
【００２２】
なお、図において、１１は巻取り用ドラム４Ａと保管用ドラム５Ａの主軸１２ａ，１２ｂの端末部に設けた駆動連結用の係合部材であり、帯状ライナーＲ及び帯状ゴム部材Ｗの巻出し、巻取り時に、搬送台車２の停止位置の側部に設置された図示しない回転駆動装置に連結させて巻取り用ドラム４Ａ及び保管用ドラム５Ａを回転駆動させるものである。
【００２３】
次に、帯状ゴム部材Ｗの巻取り保管装置における高剛性ライナーＲのガイド方法について説明する。
【００２４】
この発明の高剛性ライナーＲのガイド方法は、搬送台車２上のフレーム３に所定の間隔で配設された左右一対の巻取り用ドラム４Ａと保管用ドラム５Ａとの間において、帯状ゴム部材Ｗを帯状ライナーＲｂを介在させてロール状に巻取った保管用ドラム５Ａ側と帯状ライナーＲａの巻取り用ドラム４Ａ側との間で帯状ライナーＲの巻出し及び巻取りを行うためのガイド方法である。
【００２５】
即ち、帯状ライナーＲの巻出し及び巻取りを行う際、前記保管用ドラム５Ａ側のライナーＲａ及び巻取り用ドラム４Ａ側のライナーＲｂの両側面のライナーエッジを、巻取り用ドラム４Ａ及び保管用ドラム５Ａの軸芯Ｘ−Ｘを通るように放射状に配設した少なくとも一本以上のガイドローラ７Ａ，７Ｂによりガイドする。
【００２６】
これにより、巻取り，巻出し時の帯状ライナーＲの蛇行を防止することが出来ると共に、搬送台車２による保管用ドラム５Ａ側のライナーＲａ及び巻取り用ドラム４Ａ側のライナーＲｂの運搬時に荷崩れ等を有効に防止出来る。
【００２７】
またこの発明の実施形態における巻取り用ドラム４Ａ及び保管用ドラム５Ａには、従来のようにガイドフランジを設けていないので、帯状ゴム部材Ｗの巻取り時には、突起状のスペーサ６の部分から空気が流通し、従って巻取った未加硫状態の帯状ゴム部材Ｗを効率良く冷却することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】この発明の高剛性の帯状ライナーのガイド装置を備えた搬送台車の正面図で、帯状ライナーの巻取り初めの状態を示している。
【図２】この発明の高剛性の帯状ライナーのガイド装置を備えた搬送台車の正面図で、帯状ライナーの巻取り終了間近の状態を示している。
【図３】図１のＡ−Ａ矢視側面図である。
【図４】図３のＢ−Ｂ矢視拡大正面図である。
【図５】巻出し時の帯状ライナーの斜視図である。
【図６】従来の巻取り用ドラムと搬送台車の説明図である。
【図７】図６のＣ−Ｃ矢視側面図である。
【符号の説明】
【００２９】
１ キャスター ２ 搬送台車
３ フレーム ４，４Ａ ライナーの巻取り用ドラム
４ａ ガイドフランジ ５，５Ａ 部材の保管用ドラム
５ａ ガイドフランジ Ｗ 帯状ゴム部材
Ｒ 高剛性の帯状ライナー ６ スペーサ
７Ａ，７Ｂ ガイドローラ ８ ローラ
９ 支持軸 １０ ガイド装置
１１ 係合部材 Ｒａ 保管用ドラム側のライナー １２ａ，１２ｂ 主軸 Ｒｂ 巻取り用ドラム側のライナー
Ｘ−Ｘ 軸芯
【特許請求の範囲】
【請求項１】
帯状ゴム部材を高剛性ライナーを介在させてロール状に巻取る保管用ドラム側と高剛性ライナーの巻取り用ドラム側との間で高剛性ライナーの巻出し及び巻取りを行う帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド方法であって、 前記高剛性ライナーの巻出し及び巻取りを行う際、前記保管用ドラム側及び巻取り用ドラム側のライナーの両側面エッジを、保管用ドラム及び巻取り用ドラムの軸芯を通るように放射状に配設した少なくとも一本以上のガイドローラによりガイドすることを特徴とする帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド方法。
【請求項２】
前記高剛性ライナーのライナーエッジをガイドするガイドローラは、円筒状で、かつ長手方向に分割したローラを使用する請求項１に記載の帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド方法。
【請求項３】
搬送台車上のフレームに左右一対の保管用ドラムと巻取り用ドラムとを所定の間隔を隔てて配設し、前記フレームの両側面に、保管用ドラム側及び巻取り用ドラム側の高剛性ライナーの両側面エッジと接触してガイドし、かつ保管用ドラムと巻取り用ドラムの軸芯を通るように放射状に配設したガイドローラを少なくとも一本以上の配設したことを特徴とする帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド装置。
【請求項４】
前記ガイドローラは、円筒状で、かつ長手方向に分割された複数の回転自在なローラにより構成した請求項３に記載の帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド装置。
【請求項５】
前記ガイドローラは、左右一対の保管用ドラム及び巻取り用ドラムの軸芯を通るように放射状に配設した請求項３または４に記載の帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド装置。
【請求項６】
前記左右一対の保管用ドラム及び巻取り用ドラムの軸芯は、高剛性ライナーの保管用ドラム側のライナー外径と巻取り用ドラム側のライナー外径とが任意の巻出し状態において互いに干渉しない位置に配設した請求項３，４または５に記載の帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド装置。
【請求項７】
前記高剛性ライナーが、硬質の帯状樹脂材料または帯状軽金属材料である請求項３，４，５または６に記載の帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド装置。
【請求項８】
前記高剛性ライナーは、ライナーの巻取り側表面の幅方向両側縁部近傍に、長手方向に沿って所定の高さのスペーサを設けた帯状ライナーである請求項３，４，５，６または７に記載の帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド装置。
【請求項１】
帯状ゴム部材を高剛性ライナーを介在させてロール状に巻取る保管用ドラム側と高剛性ライナーの巻取り用ドラム側との間で高剛性ライナーの巻出し及び巻取りを行う帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド方法であって、 前記高剛性ライナーの巻出し及び巻取りを行う際、前記保管用ドラム側及び巻取り用ドラム側のライナーの両側面エッジを、保管用ドラム及び巻取り用ドラムの軸芯を通るように放射状に配設した少なくとも一本以上のガイドローラによりガイドすることを特徴とする帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド方法。
【請求項２】
前記高剛性ライナーのライナーエッジをガイドするガイドローラは、円筒状で、かつ長手方向に分割したローラを使用する請求項１に記載の帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド方法。
【請求項３】
搬送台車上のフレームに左右一対の保管用ドラムと巻取り用ドラムとを所定の間隔を隔てて配設し、前記フレームの両側面に、保管用ドラム側及び巻取り用ドラム側の高剛性ライナーの両側面エッジと接触してガイドし、かつ保管用ドラムと巻取り用ドラムの軸芯を通るように放射状に配設したガイドローラを少なくとも一本以上の配設したことを特徴とする帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド装置。
【請求項４】
前記ガイドローラは、円筒状で、かつ長手方向に分割された複数の回転自在なローラにより構成した請求項３に記載の帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド装置。
【請求項５】
前記ガイドローラは、左右一対の保管用ドラム及び巻取り用ドラムの軸芯を通るように放射状に配設した請求項３または４に記載の帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド装置。
【請求項６】
前記左右一対の保管用ドラム及び巻取り用ドラムの軸芯は、高剛性ライナーの保管用ドラム側のライナー外径と巻取り用ドラム側のライナー外径とが任意の巻出し状態において互いに干渉しない位置に配設した請求項３，４または５に記載の帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド装置。
【請求項７】
前記高剛性ライナーが、硬質の帯状樹脂材料または帯状軽金属材料である請求項３，４，５または６に記載の帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド装置。
【請求項８】
前記高剛性ライナーは、ライナーの巻取り側表面の幅方向両側縁部近傍に、長手方向に沿って所定の高さのスペーサを設けた帯状ライナーである請求項３，４，５，６または７に記載の帯状ゴム部材の巻取り保管装置における高剛性ライナーのガイド装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００６−１８８００６（Ｐ２００６−１８８００６Ａ）
【公開日】平成１８年７月２０日（２００６．７．２０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−２６７３（Ｐ２００５−２６７３）
【出願日】平成１７年１月７日（２００５．１．７）
【出願人】（０００００６７１４）横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年７月２０日（２００６．７．２０）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１月７日（２００５．１．７）
【出願人】（０００００６７１４）横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Ｆターム（参考）】
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