説明

帯電装置、現像装置、及び画像形成装置

【課題】帯電フィルムを感光体ドラムの周面に接触させ、形成される微小ギャップ部で発生する放電によって感光体ドラムの周面を一様に帯電させる帯電装置においては、転写後に残留した外添剤が微小ギャップ部に溜まって放電がばらつき、安定した帯電が行なえない問題があった。
【解決手段】所定の電圧が印加されて、回転する感光体ドラム21の周面に対向して配置される放電面221を有する帯電フィルム22を備え、帯電フィルム22が感光体ドラム21の回転軸方向において、画像形成領域全域に亘って感光体ドラム21の周面と接触する凸部222を有するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写装置、画像記録装置、プリンタ、ファクシミリ等の潜像担持体に形成された潜像を現像して可視化するのに用いられる帯電装置、現像装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感光体を帯電する方法として、フィルム状の帯電フィルム部材を用いて、一方の端部側を支持し、他方の自由端側を、フィルムの曲げモーメントを規定して感光体に接触させ、印加した電圧で感光体表面を帯電させるものがある。
(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平4―249270号公報(段落0029、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、画像形成装置の高速化により、低融点化されたトナーが使用される。これらの低融点トナーは、低融点で各部材へ付着し易いため、付着防止のために、シリカなどの外添剤と呼ばれる微粒子の添加剤が大量に使用される。この外添剤のなかで、記録媒体へのトナー像の転写時において、記録媒体に転写しなかったものは転写工程の下流側に配置された帯電部材へ移動してくる。このとき、従来の方法で曲げモーメントを規定しても、転写後に感光体上に残留して流れてくる外添剤が、帯電フィルムと感光体の接触部に溜まって、帯電フィルムと感光体の接触部付近の放電がばらついてしまい、帯電不良が発生する。この帯電不良により、印刷画像上にスジが発生してしまい、印刷品位を劣化させてしまうという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、これらの問題点を解消し、外添剤が移動してきても、正常な帯電を実行できる帯電装置、及びこの帯電装置を備えた現像装置及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による帯電装置は、回転する感光体の周面を帯電する帯電装置において、
所定の電圧が印加されて、前記感光体の周面に対向して配置される対向面を有する帯電部材を備え、該帯電部材は、前記感光体の回転軸方向において、画像形成領域に亘って前記感光体の前記周面と接触する凸部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成領域に亘って、帯電部材と感光体との間に、感光体に付着してトナーの外添剤が搬送されてきた場合にも、安定した放電が可能となるギャップ領域を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、本発明による帯電装置を備えた現像ユニットを着脱自在に装着する実施の形態1の画像形成装置の要部構成を説明するための概略構成図である。
【0009】
同図中、画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色を印刷可能なカラー用電子写真式プリンタとしての構成を備え、記録媒体としての記録用紙9の搬送経路の上流側に、記録用紙9を積層した状態で収納する用紙カセット4を装着し、その上方には記録用紙9をピックアップするホッピングローラ5が配設されている。更に、記録用紙9の搬送方向におけるホッピングローラ5の下流側には、ピンチローラ7と共に記録用紙9の斜行を修正し、搬送するレジストローラ6を配設している。
【0010】
転写ベルト11は、図示しない駆動源からギアなどを介して動力が伝達されるドライブローラ12と従動するテンションローラ13とによって張架されて駆動され、矢印A方向に回転移動する。転写ベルト11の周囲には、その移動方向の上流側からイエローのトナー現像を形成する現像ユニット15a、マゼンタのトナー現像を形成する現像ユニット15b、シアン現像を形成する現像ユニット15c、そしてブラックのトナー現像を形成する現像ユニット15dが順に着脱自在に配置されている。
【0011】
これらの現像装置としての現像ユニット15a〜15d(区別する必要のないときには現像ユニット15と称す)の各感光体ドラム21に対向する位置には、導電性のゴム等によって形成された転写ローラ3a〜3d(区別する必要のないときには転写ローラ3と称す)が転写ベルト11を介して圧接するように配置されている。尚、これらの各駆動部は、後述する印刷制御部51(図5)によって制御される。
【0012】
転写ローラ3は、対向する現像ユニット15との間を転写ベルト11が通過する際に、その通過部分に現像ユニット15によって形成されたトナー像を転写する。後述するように、転写ベルト11が各現像ユニット15を通過する段階で、転写ベルト11上には、各色のトナー像が順次重ねて転写され、転写ベルト11上に転写されたトナー像は、二次転写部802において更に記録用紙9に転写される。このようにしてトナー像が転写され、二次転写部802を通過した記録用紙9は、次段の定着装置8に搬送される。
【0013】
定着装置8は、加熱ローラ8aとバックアップローラ8bとを備え、加熱ローラ8aの熱が記録用紙9上のトナー像を溶融し、更に溶融したトナー像を、加熱ローラ8aとバックアップローラ8bの圧接部で加圧することにより、記録用紙9へ定着する。ここでトナー像が定着された記録用紙9は、排出ローラ800によってスタッカ部801に搬送される。
【0014】
尚、図1中のX、Y、Zの各軸は、記録用紙9が画像ユニット15aを通過する際の搬送方向にX軸をとり、感光体ドラム21の回転軸方向にY軸をとり、これら両軸と直交する方向にZ軸をとっている。また、後述する他の図においてX、Y、Zの各軸が示される場合、これらの軸方向は、共通する方向を示すものとする。即ち、各図のXYZ軸は、各図の描写部分が、図1に示す画像形成装置1を構成する際の配置方向を示している。
【0015】
本実施の形態においては、現像ユニット15a〜15dの構成は同一であり、収容されているトナーの色のみが異なるため、ここではイエロー(Y)の現像ユニット15aを例にとり、次にその内部構造を以下に説明する。尚、図1では便宜上、現像ユニット15c、15dが現像ユニット15a、15bと上下反対に配置されているが、実際には、後述するように、現像ユニット15aと同様の重力作用を受けて動作するように配置されているものである。
【0016】
図2は、現像ユニット15aを、露光装置10、転写ローラ3a、及び転写ベルト11と共に模式的に示した要部概略構成図である。
【0017】
同図に示すように、現像ユニット15aには、感光体ドラム21が矢印B方向に回転可能に配置される。その回転動作は、感光体ドラム21の端部にある図示しないブランジ部に設けられたギアが、画像形成装置1本体側のギアと噛合して駆動力を得ることで行なわれる。尚、画像形成装置1の、各現像ユニット15のように、着脱可能な或いは可動な構成要素の個々に対して、その構成要素を除いた部分を画像形成装置本体と称す。
【0018】
感光体ドラム21の周囲に配置されている部材について、その回転方向上流側から順に説明する。先ず、感光体ドラム21の表面に電荷を供給して、この表面を一様に帯電させる可撓性の帯電フィルム22が配置されている。図3は、この帯電フィルム22の配設位置近傍を拡大した部分拡大図である。同図に示すように、この帯電フィルム22は、導電性をもつ金属等に曲げ加工を施した支持部材1001によって現像ユニット15a内部の所定位置に電気的に接続された状態で固定されている。支持部材1001には、後述する帯電部材用電源57(図5)から電圧が印加され、それによって帯電フィルム22と感光体ドラム21の表面間で放電する。
【0019】
また帯電フィルム22は、感光体ドラム21の反対側からウレタンスポンジ1000によって感光体ドラム21側へ押されており、感光体ドラム21の回転方向(矢印B方向)に対して順方向、即ちその自由端側が感光体ドラム21の回転方向の下流側に位置する方向に配置され、感光体ドラム21の表面に接触するようになっている。このウレタンスポンジ1000は、所定量、例えば1mm程度、感光体ドラム21の表面に向う方向に押し込まれた状態で図示しない保持部材によって保持され、帯電フィルム22を感光体ドラム21の表面に押し付けている。
【0020】
帯電フィルム22の下流には、一様に帯電された感光体ドラム21の表面に光源で発光した光を照射して静電潜像を形成する露光装置10が配設される。尚、この露光装置10は、画像形成装置1(図1)本体側に配設されており、ここでは光源としてLEDを使用している。
【0021】
露光装置10の下流には、静電潜像が形成された感光体ドラム21の表面に所定色(ここではイエロー)のトナー33を付着させて現像を発生させる現像部28に属する現像ローラ23が配置されている。現像部28には、この現像ローラ23の他に、トナー供給ローラ24、トナー収容容器25、現像ブレード26、及びトナー33を貯蔵するトナー貯蔵部27が含まれる。ここで使用されるトナー33には、流動性、帯電特性を調整するための外添剤と呼ばれる数ナノμmオーダの、シリカや酸化チタンなどからなる微粒子が添加されている。また本実施の形態では、トナー33が正規帯電した場合、極性がマイナスになるように設定している。
【0022】
トナー33を収容するトナー収容容器25は、現像ユニット15a本体に対して着脱自在であり、装着された状態で、その下部に形成されたトナー供給口25aから現像ユニット15a本体のトナー貯蔵部27にトナー33を供給する。トナー貯蔵部27にあるトナー33は、トナー33を保持し搬送するために金属製のシャフトの上に成型したシリコーンゴムの発泡体から成り、矢印E方向に回転するトナー供給ローラ24によって、矢印D方向に回転する現像ローラ23へと供給される。現像ローラ23は、ここでの現像方法が、感光体ドラム21と接触しながら現像する方式であるため、金属製のシャフト上にソリッドのウレタンゴムを成型した構成を有する。
【0023】
現像ブレード26は、現像ローラ23上のトナー33を薄層化するため、その先端の曲げR部が所定の線圧で現像ローラ23の周面を押圧するように配置されている。ここでの現像ブレード26は、ステンレス板を曲げ加工したもので、その曲げR部と現像ローラ23間の線圧によってトナー33をグランド電位に対して−50Vから−100V程度の電位になるように薄層化する。現像ローラ23には、感光体ドラム21との接触部分でトナー33を静電潜像部分に付着させてトナー像を形成して現像するため、後述する現像ローラ用電源58(図5)によって−200Vの直流電圧が印加される。
【0024】
現像ローラ23の下流には、転写ベルト11を介して転写ローラ3aが圧接するように配置されており、感光体ドラム21に形成されたトナー像は、感光体ドラム21と転写ベルト11との接触部で、転写ローラ3aによって転写ベルト11上に転写される。転写ローラ23の下流には、転写後に感光体ドラム21の表面に残留する転写残トナーを除去するためのクリーニングブレード32が配置されている。このクリーニングブレード32によって掻き取られた転写残トナーは、廃トナー収容部31に落下し、図示しない廃トナー収納容器に回収される。
【0025】
図4は、帯電フィルム22の形状を示す図であり、同図(a)はその正面図、同図(b)はその側面図である。次に、同図を参照しながら帯電フィルム22について更に説明する。
【0026】
帯電フィルム22は、その長手方向が感光体ドラム21(図3)の軸方向となるように配置され、同図に示すように、外形において、例えばその長手方向の長さが224mm、幅が20mm、厚みが約60μmのフィルム状部材である。各部の構成は、厚さ50μmの可撓性のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム223の片側の感光体ドラム21に対向する面に、電源との導通と感光体ドラム21の表面への放電を行う面を確保するための導電性を有する塗料を片側全面に厚さ10μm塗布した放電面221が形成され、更にその上に、高さ5μmで、画像形成可能幅全域に対応する、例えば長さ220mmにわたってlmm幅で延在し、感光体ドラム21の表面と接触する凸部222が形成されている。尚、図4において、帯電フィルム22を実際の寸法に則した形状に描くのは困難であるため、ここに描かれた各部形状の寸法比率は実際の比率と大きく異なっている。
【0027】
この帯電フィルム22は、図3に示すように、湾曲した状態で放電面221が感光体ドラム21の周面に対向し、自由端が感光体ドラム21の回転方向下流側となるように、幅方向の一端側が支持部材1001に固定されている。その際に、感光体ドラム21の回転方向において、凸部222より上流側の第1接触部224、凸部222、及び凸部222より下流側の第2接触部229の互いに離間した3つの箇所において、感光体ドラム21と接触している。このため、第1接触部224の両側、及び第2接触部229の両側において、放電面221と感光体ドラム21の表面間の距離が放電可能な所定範囲となる4箇所の微小ギャップ領域225〜228(斜線部分)が形成される。
【0028】
感光体ドラム21の表面の帯電は、この微小ギャップ領域225〜228(斜線部分)において、帯電フィルム22の放電面221と感光体ドラム21の表面間で発生する放電により感光体ドラム21の表面に電荷が蓄積されることで行なわれる。従って、微小ギャップ領域が多く存在するほど、帯電は行なわれ易くなる。
【0029】
本実施の形態の帯電フィルム22は、PETフィルム223上に導電塗料を用いたスクリーン印刷によって放電面221と凸部222を形成し、硬化処理したものを使用している。このとき使用する導電性を有する塗料としては、ポリエステル、ポリウレタン、塩ビ、フェノール樹脂、アクリル、エポキシなどのバインダーに、銀、銅、ニッケル、カーボンなどを導電剤として添加したものを使用できる。
【0030】
ここで、付与した導電性によって放電面221の抵抗値が低くなりすぎると、感光体ドラム21の表面の傷などによるピンホールに対して電流が局所的に流れ込んでしまうリークが発生してしまう。また、
I=V/R
但し、V:印加電圧、I:電流量、R:放電面抵抗値
である。従って、抵抗が高すぎると放電に使われる電流量が滅少し、放電による感光体表面の帯電量が小さくなってしまう。これらの条件を考慮すると、本発明者の経験によれば、塗料の抵抗値を10〜10Ωにすることが好ましい。
【0031】
尚、本実施の形態では、帯電フィルム22の基体としてPETフィルム223を採用したが、これに限定されるものではなく、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミドなどのフィルムも使用可能である。
【0032】
また、例えば導電剤としてカーボンを添加したポリカーボネート、ポリイミド、ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)などを基体として用いれば、本実施の形態のように、基体とは別に設けた放電面221を特に設ける必要はない。
【0033】
また、本実施の形態では、凸部222を導電塗料で作成しているが、放電を行なうのは凸部222以外の放電面221の所定の微小ギャップ領域であるため、例えば絶縁性のインクを凸部222の素材として使用することも可能である。或いは図7に示す変形例の帯電フィルム22tのように、その表面に凸部222tを成型しておいたフィルム223tに、導電塗料を塗布し、放電面221とすることも可能である。
【0034】
更に、本実施の形態では、帯電フィルム22が、図3に示すように、1mm程度押し込まれたウレタンスポンジ1000によって感光体ドラム21側へ押され、感光体ドラム21の回転方向(矢印B方向)に対して順方向に感光体ドラム21の表面に接触するようになっているが、この構成に限るものではなく、凸部によって放電できるギャップが十分取れるのであれば、帯電フィルムのコシ、即ち帯電フィルム自体の剛性による押し付け力によって感光体21と接触するように構成してもよい。しかしながら、凸部及び接触部の周囲に確実に微小ギャップを形成させるには、フィルムの背面からフィルムを押圧することによって、フィルムの凸部及びその周辺部を接触させるのが好ましい。
【0035】
図5は、画像形成装置1の制御系のうち、本発明とかかわる部分の構成を示すブロック図である。
【0036】
同図中、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等によって構成される印刷制御部51は、図示しない上位装置からインターフェース制御部(以後、I/F制御部と称す)52を介して印刷データ及び制御コマンドを受信し画像形成装置1の全休のシーケンスを制御して印刷動作を行う。受信メモリ53は、上位装置からI/F印刷部52を介して入力した印刷データを一時的に記録し、画像データ編集メモリ54は、受信メモリ53に記録された印刷データを受け取ると共に、その印刷データを編集処理することによって形成された画像データ、即ちイメージデータを記録する。
【0037】
操作部55は、画像形成装置1の状態を表示するためのLED及び画像形成装置に操作者からの指示を与えるためのスイッチ等を備える。センサ群56は、画像形成装置1の動作状態を監視するための各種センサ、例えば用紙位置検出センサ、温湿度センサ、濃度センサ等からなる。各電源57〜60及び110は、印刷制御部51の指示によって各部材に電圧を印加する。例えば、帯電部材用電源57は、感光体ドラム21の表面を帯電させるための電圧を帯電フィルム22に印加する。
【0038】
露光部制御部61は、画像データ編集メモリ54に記録されたイメージデータを露光装置10に送って光源を駆動し、定着制御部62は、転写されたトナー像を記録用紙9に定着するために、定着装置8に所定の電圧を印加する。この定着装置8は、記録用紙9上のトナー像のトナーを溶融させるための図示しないヒータ、及び温度を検出する図示しない温度センサ等を備え、定着制御部62はこの温度センサのセンサ出力を読み込み、センサ出力に基づいてヒータを通電させて定着装置8の加熱ローラ8a(図1)が一定の温度になるよう制御する。
【0039】
搬送モータ駆動部63は、記録用紙9を搬送するための用紙搬送モータ66を回転駆動し、この搬送モータ駆動部63は、印刷制御部51の指示によって所定のタイミングで記録用紙9を搬送したり停止させたりする。そして駆動制御部64は、感光体ドラム21を回転させるための駆動モータ67を駆動する。この駆動制御部64によって駆動モータ67が駆動されると、図2に示すように、感光体ドラム21が矢印B方向に回転されると共に、帯電ローラ23、トナー供給ローラ24、及び転写ローラ3がそれぞれ同期して図示された矢印方向に回転される。
【0040】
次に、図1、図2を参照しながら画像形成装置1の全体の動作について説明する。
【0041】
まず、用紙トレイ4に積層した状態で収納されている記録用紙9が、ホッピングローラ5よって、上から1枚ずつ分離されて用紙搬送路に繰出され、レジストローラ6を通過する段階で斜行が矯正され、二次転写部802に送られる。その間、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを持つ現像ユニット15a〜15dは、各々が露光装置10により感光体ドラム21上に形成された静電潜像を現像ローラ23によって現像し、転写ベルト11上の所定部が、各々の感光体ドラム21と転写ドラム3の間を通過する際に、各色のトナー像が各感光体ドラム21から転写ベルト11の記録面に順次転写され、重ね合わせられる。
【0042】
重ね合わせられたトナー像は、二次転写部802で、2次転写ローラ803によって転写ベルト11から記録用紙9上に転写される。その後、定着装置8によってトナー像が定着された記録用紙9は、画像形成装置1の外部にある記録用紙スタッカ部801に排出される。以上の過程によって、カラー画像が記録用紙9上に形成される。
【0043】
次に上記画像形成時の現像ユニット15の動作について更に説明する。
【0044】
先ず図3に示すように、矢印B方向に回転する感光体ドラム21の表面を、帯電フィルム22の放電面221との間で起こる放電で帯電させる。この際、帯電フィルム22には−1000Vを印加し、感光体ドラム21の表面を一様に−500Vに帯電させる。次に、図2に示す露光装置10によって、一様に帯電された感光体ドラム21の表面を画像データに基づいて選択的に露光して静電潜像を形成する。このとき、露光された部分の静電潜像の表面と露光されない他の表面には帯電位に差が発生する。
【0045】
上記静電潜像部分に対して、−200Vの直流電圧を印加している現像ローラ23によって、感光体ドラム21との接触部においてトナー33を付着させて現像し、感光体ドラム21の表面にトナー像を形成する。このトナー像は、転写電圧が印加された転写ローラ3によって転写ベルト11に転写される。転写後、感光体ドラム21表面に残留したトナーは、クリーニングブレード32によって掻き取られ、廃トナー収容部31を経由して回収される。
【0046】
更に帯電フィルム22の動作について詳細に説明する。
【0047】
感光体ドラム21の帯電は、図3に示す帯電フィルム22の放電面221からの放電によって行なわれるが、その放電は、微小ギャップ領域225〜228(斜線部分)のように、感光体ドラム21と放電面221のギャップが後述する所定範囲にあるときに起こり、そのギャップが所定範囲外の場合や、凸部222、第1接触部224、及び第2接触部229のように帯電フィルム22が感光体ドラム21と接触している部分では起こらない。従って、感光体ドラム21の帯電は、感光体ドラム21と放電面221のギャップが所定範囲にある上記微小ギャップ領域225〜228で行なわれる。
【0048】
放電可能なギャップは、帯電フィルム22に印加する電圧によって変化するが、本実施の形態のように−1000Vの電圧を印加する場合、本発明者の経験によれば、数μm〜20μm程度であり、好ましくは3μm〜10μmである。従って、凸部222の高さは20μm以下、好ましくは3μm〜10μmがよい。そのため、感光体ドラム21を帯電させるには、感光体ドラム21の表面と、帯電フィルム放電面221のギャップを放電しやすい範囲に保つことが重要となる。
【0049】
帯電フィルム22は、前記したように第1接触部224、第2接触部229、及び凸部222で感光体ドラム21と接触し、これらの接触部によって、その放電面221と感光体ドラム21の表面と間に、上記の範囲ある4箇所の微小ギャップ領域225〜228(図3の斜線部分)を形成することができる。
【0050】
ここで、印刷動作を繰り返すと、転写後に感光体ドラム21の表面に残留して付着するトナーの外添剤が、感光体ドラム21と帯電フィルム22の接触部付近に流れくる。図6は、この外添剤が微小ギャップ領域225に堆積した様子を示す状態説明図である。同図に示すように、外添剤35は、感光体ドラム21の回転方向(矢印B方向)の上流側の接触部でせき止められ、微小ギャップ領域225に堆積して外添剤堆積部230が形成される。
【0051】
微小ギャップ領域225に堆積した外添剤35は、摩擦帯電によって得た電子が逃げないように高抵抗値に設定されており、それに対して帯電フィルム22の塗料には、前記したように抵抗値が10〜10Ωの材料を選択している。そのため、感光体ドラム21と帯電フィルム22の微小ギャップ領域225に外添剤35が堆積して外添剤堆積部230が発生してくると、放電時に感光体ドラム21と帯電フィルム22の間で抵抗成分として作用する。同時に、印刷動作によって消費されるトナーは感光体ドラム21の長手方向であるY軸方向に対して均一ではく、そのためにトナー33の消費量によって感光体21上に付着する外添剤の量は、Y軸方向で変化する。
【0052】
つまり微小ギャップ領域225では、外添剤35の堆積量によって、帯電フィルム22の放電面221と感光体ドラム21間の抵抗値が変化して放電量が変化し、この放電量変化は、感光体ドラム21の長手方向で発生する。一方、帯電フィルム22の自由端側に形成される微小ギャップ領域228においても、自由端の振動などによりギャップの量が変わりやすく、安定した放電を行うことができない。
【0053】
ここで、比較例として、図13に示すように凸部222を持たない従来の帯電フィルム422を用いた場合の、帯電フィルムと感光体ドラム21との間の接触部の構成及び作用について説明する。この場合、図13に示すように、広範囲に連続して生じる接触部240のみが感光体ドラム21の表面と接触するため、所定のギャップ領域は、その両側において微小ギャップ領域225、228の2箇所だけが形成される。
【0054】
この場合、図14に示すように、印刷動作を繰り返すことによって生じる外添剤堆積部230は、前記した図6に示す帯電フィルム22の場合と同様にして微小ギャップ領域225に形成される。従って、この微小ギャップ領域225での放電量変化は、図6に示す帯電フィルム22の場合と同様に感光体ドラム21の長手方向で発生し、一方、帯電フィルム422の自由端側に形成される微小ギャップ領域228でも、自由端の振動などによりギャップの量が変わりやすく、安定した放電を行うことができない。
【0055】
このように、凸部222を持たない従来の帯電フィルム422を用いた場合、特に印刷動作を繰り返して微小ギャップ領域225に外添剤堆積部230が発生し始めた段階において、2つの微小ギャップ領域225,228の両方において安定して均一な放電が実施できないため、感光体ドラム21の表面を、均一に且つ所定の電圧に帯電することができない。
【0056】
しかしながら本実施の形態の帯電フィルム22のように凸部222が形成されている場合、安定して均一な放電が行えない微小ギャップ領域225,228の他に、それらの間において更に2つの微小ギャップ領域226,227が形成される。そしてこれらの微小ギャップ領域226,227では、上記した外添剤35の影響及び自由端の振動の影響を受けることがないため、少なくともこの2つの微小ギャップ領域において安定して感光体ドラム21の帯電を行うことができるようになる。
【0057】
尚、本実施の形態の帯電フィルム22では、図4に示すように、その長手方向に延在する凸部222を1箇所に形成したが、これに限定されるものではく、例えば図8に示す本実施の形態の別の変形例の帯電フィルム22fのように、所定の間隔で複数の凸部222f(ここでは3つ)を互いに平行に形成することにより、感光体ドラム21と帯電フィルム22fの間に、上記した外添剤35の影響及び自由端の振動の影響を受けることなく放電を実施できる微小ギャップ領域をより多く形成してもよい。その際の凸部222fのピッチは、複数の微小ギャップ領域が安定して形成できるように、感光体ドラム21の曲率と帯電フィルムの固定方法に応じて設定されるが、本発明者の経験によれば、0.5mm〜10mmの間で、特に1mm〜3mmとするのが好ましい。
【0058】
また、本実施の形態では、帯電フィルム22に−1000Vを印加し、そのときの凸部222の高さとして、3μm〜10μmを推奨したが、この推奨値は、印加電圧によって変化するものであり、印加電圧を選択することにより、凸部222の高を任意に設定することができる。
【0059】
また、本実施の形態では、現像ユニット15は、トナー収納容器25を、現像ローラ23の上方において、着脱自在に配置するように構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、トナー収容部を現像ユニット内持ち、即ち着脱できないようにした現像ユニットにも適用可能である。
【0060】
更に、本実施の形態では、凸部222の形状を直方体状としたが、これに限定されるものではなく、放電できるギャップが形成できるのであれば、例えば三角柱や円柱などの形状としてもよいなど、種々の態様を取り得るものである。
【0061】
以上のように、本実施の形態の現像ユニットによれば、感光体ドラムの近傍に固定されて感光体ドラムに接触し、放電により感光体ドラムを帯電させる帯電フィルムにおいて、感光体ドラムと接触する凸部分を設けることにより、外添剤の堆積や端部振動に影響されることなく、安定して感光体ドラム21の帯電を行うことができるため、感光体ドラム21の表面を所望の電圧で均一に帯電することが可能となる。
【0062】
実施の形態2.
図9は、本発明に基づく実施の形態2の画像形成装置の現像ユニットに採用される帯電フィルム320の形状を示す図である。
【0063】
この帯電フィルム320を採用する画像形成装置及び現像ユニットが、前記した図1、図2に示す実施の形態1の画像形成装置1及び現像ユニット15と主に異なる点は、帯電フィルム320の形状である。従って、この帯電フィルム320を採用する画像形成装置及び現像ユニットが前記した図1、図2に示す実施の形態1の画像形成装置1及び現像ユニット15と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。尚、本実施の形態の画像形成装置及び現像ユニットの要部構成は、帯電フィルム320以外において図1、図2に示す実施の形態1の画像形成装置1及び現像ユニット15と共通するため、必要に応じて図1、図2を参照する。
【0064】
図9に示す本実施の形態の帯電フィルム320は、図4に示す前記した実施の形態1で採用される帯電フィルム22に対して、形成される凸部322の配列が異なるものである。即ち、ここでの各凸部322は、帯電フィルム320の長手方向の長さが5mm、幅が1mm、高さが5μmであり、帯電フィルム320の長手方向に、長さ(5mm)の倍以下の所定の長手方向ピッチ(ここでは8mm)で直線状に3列、画像形成可能幅全域に対応する、例えば長さ220mmにわたって配列されている。更に各列間のピッチは3mmであり、各列の凸部322は、互いに長手方向ピッチの半分だけずれて形成されている。尚、図9において、帯電フィルム320を実際の寸法に則した形状に描くのは困難であるため、ここに描かれた各部形状の寸法比率は実際の比率と大きく異なっている。
【0065】
以上のように形成された帯電フィルム320を採用した現像ユニット、即ち前記した図2の現像ユニットにおいて、帯電フィルム22に代えて帯電フィルム320を備えた現像ユニットを用いた画像形成装置について説明する。
【0066】
図10は、現像ユニットの帯電フィルム320の配設位置近傍を拡大した部分拡大図であり、同図(a)は、実動状態にある帯電フィルム320を、図9に示すA−A断面に相当する箇所、即ち凸部322が3つ存在する位置での断面図であり、同図(b)は、実動状態にある帯電フィルム320を、図9に示すB−B断面に相当する箇所、即ち凸部322が1つ存在する位置での断面図である。
【0067】
図10(a)に示すように、帯電フィルム320は、凸部322が3つ存在するA−A断面部では、第1接触部341、3つの凸部322、及び第2接触部348において感光体ドラム21と接触している。このため、この部分では、放電面321と感光体ドラム21の表面間の距離が放電可能な所定範囲となる6箇所の微小ギャップ領域342〜347(斜線部分)が形成される。但し、微小ギャップ領域344,345では、放電面321の反り具合によって、放電領域が各々2箇所に分割される場合がある。
【0068】
また、図10(b)に示すように、帯電フィルム320は、凸部322が1つ存在するB−B断面部では、第1接触部324、1つの凸部322、及び第2接触部329において感光体ドラム21と接触している。このため、この断面部分では、前記した実施の形態1の場合と同様に、放電面321と感光体ドラム21の表面間の距離が、放電可能な所定範囲となる4箇所の微小ギャップ領域325〜328(斜線部分)が形成される。
【0069】
本実施の形態の画像形成装置においても、印刷を繰り返すことにより、前記した実施の形態1の画像形成装置の場合と同様に、帯電フィルム320の、感光体ドラム21の回転方向(矢印B方向)の上流側の接触部、即ち第1接触部324,341において、感光体ドラム21の表面に付着した外添剤がせき止められて微小ギャップ領域325,342に堆積するため、帯電フィルム322の放電面321と感光体ドラム21間の抵抗値が変化して放電量が変化し、この放電量変化は、感光体ドラム21の長手方向で発生する。そして、帯電フィルム322の自由端側に形成される微小ギャップ領域328,347においても、自由端の振動などによりギャップの量が変わりやすく、安定した放電を行うことができない。しかしながらそれ以外の微小ギャップ領域では安定した放電を行なうことができる。
【0070】
つまり、図10(a)に示す凸部322が3つ存在するA−A断面部では、安定して放電できる4箇所の微小ギャップ領域343〜346が存在し、図10(b)に示す凸部322が1つ存在するB−B断面部では、安定して放電できる2箇所の微小ギャップ領域326,327が存在する。
【0071】
従って、帯電フィルム320を採用する画像形成装置では、帯電フィルム320の長手方向の凸部322が存在する領域では、感光体ドラム21の回転方向において、前記した実施の形態1の画像形成装置と同様に、図10に示すように、1つ以上の凸部322で感光体ドラム21と接触するため、放電可能なギャップを有することができる。
【0072】
しかしながら、第1接触部324,341においてせき止められ、微小ギャップ領域325,342に堆積する外添剤は、種々の要因、例えば駆動部に起因する振動などによってその一部が第1接触部324,341を潜り抜けて、更に下流側に搬送され、帯電フィルム320に形成された各凸部322に至る。
【0073】
次に、画像形成装置の動作中に、第1接触部324,341を潜り抜けて、感光体ドラム21に付着しながら帯電フィルム320の凸部322まで搬送される外添剤35の挙動について説明する。図11は、図中のX、Y、Z軸の方向で理解されるように、例えば図10に示す帯電フィルム321及び感光体ドラム21を上方から見た部分的な模式図である。
【0074】
図11において、凸部322−1〜322−4は、図9に示すように3列に平行して形成された凸部322のうち、矢印Bで示す感光体ドラム21の回転方向の上流側に位置する2つの列において、隣接して配置されている4つの凸部322を区別して示し、外添剤堆積部230−1〜230−4は、外添剤35が各凸部322−1〜322−4にせき止められて堆積した外添剤堆積部230を区別して示している。従って、感光体ドラム21に付着する外添剤35は、同図において、感光体ドラム21の回転方向、即ち矢印B方向に移動する。
【0075】
印刷が繰り返されると、同図に示すように、帯電フィルム320(図9参照)に3列に平行して形成された凸部322のうち、上流側に位置する2列の凸部322−1〜322−4には、感光体ドラム21(図10)の回転によって搬送されてくる外添剤35が直接当接し、せき止められて外添剤堆積部230−1〜230−4が形成される。
【0076】
図12(a)、(b)は、共に順次搬送されてくる外添剤35によってこれら外添剤堆積部230−1〜230−4が形成される過程を説明するための説明図である。この図12を参照しながら更に説明する。
【0077】
同図(a)において凸部322−1に着目すると、この凸部322−1は、帯電フィルム320の長手方向(Y軸方向)において、その形成部分に対応する搬送領域P内に付着して搬送される外添剤、例えば外添剤35−2をせき止め、外添剤堆積部230−1に堆積させる。一方、凸部322−1と凸部322−3との間に対応する搬送領域に付着する外添剤35−3は、これらの凸部間を通過し、より下流側でこれらの凸部間をカバーするように形成された凸部322−4でせき止められ、その外添剤堆積部230−4に堆積する。外添剤35−1は、以上のようにして凸部322−1の外添剤堆積部230−1に堆積し、その端部に存在する外添剤である。
【0078】
このような状態で、同図(b)に示すように、例えば外添剤堆積部230−1に、更に次々と外添剤が堆積すると、凸部322−1の長さが限られているため、外添剤堆積部230−1の端部にあった外添剤35−1はやがて押し出され、感光体ドラム21に付着して下流側に搬送され、下流側の凸部322−4の外添剤堆積部230−4に堆積する。
【0079】
以上のように、ある外添剤堆積部に堆積する外添剤が一定量になると、それ以上増えないよう、更に搬送されて堆積する外添剤に相当する量の外添剤が順次押し出されて下流側に搬送される。同様の動作が、帯電フィルム320の各凸部で連続的に発生するため、各々の外添剤堆積部には、一定量以上の外添剤は堆積しない。即ち、図9に示すように、各凸部322が、帯電フィルム320の長手方向に、所定の長手方向ピッチで直線状に3列、各列の凸部322が互いに所定量ずれて形成された帯電フィルム320を採用することによって、一定量以上の外添剤を堆積させない構造が得られる。
【0080】
以上のように、本実施の形態の画像形成装置によれば、放電可能なギャップを確保しつつ、更に外添剤が最上流の接触部を潜り抜けた場合にも、各凸部によって形成される微小ギャップ領域に堆積する外添剤の堆積量が制限されて各微小ギャップ領域での放電量が均一化されるため、帯電フィルムによる感光体ドラムへの帯電を均一に安定して行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
各実施の形態では、プリンタとしての機能を備えた画像形成装置を例にあげて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ファクシミリ装置、複写機、MFP(Multifunction Peripherals)等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明による帯電装置を備えた現像ユニットを着脱自在に装着する実施の形態1の画像形成装置の要部構成を説明するための概略構成図である。
【図2】現像ユニットを、露光装置、転写ローラ、及び転写ベルトと共に模式的に示した要部概略構成図である。
【図3】図2に示す帯電フィルムの配設位置近傍を拡大した部分拡大図である。
【図4】実施の形態1の帯電フィルムの形状を示す図であり、同図(a)はその正面図、同図(b)はその側面図である。
【図5】画像形成装置の制御系のうち、本発明とかかわる部分の構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態1において、外添剤が帯電フィルムの微小ギャップ領域に堆積した様子を示す状態説明図である。
【図7】実施の形態1における帯電フィルムの変形例を示す図である。
【図8】実施の形態1における帯電フィルムの別の変形例を示す図である。
【図9】本発明に基づく実施の形態2の画像形成装置の現像ユニットに採用される帯電フィルムの形状を示す図である。
【図10】実施の形態2の帯電フィルムの配設位置近傍を拡大した部分拡大図であり、同図(a)は実動状態にある帯電フィルムを、図9に示すA−A断面に相当する箇所での断面図であり、同図(b)は実動状態にある帯電フィルムを、図9に示すB−B断面に相当する箇所での断面図である。
【図11】例えば図10に示す帯電フィルム及び感光体ドラムを上方から見た模式図である。
【図12】(a),(b)は共に、実施の形態2において、順次搬送されてくる外添剤によって各外添剤堆積部が形成される過程の説明に供する説明図である。
【図13】比較例として凸部を持たない従来の帯電フィルムを用いた場合の構成の説明に供する図である。
【図14】比較例として凸部を持たない従来の帯電フィルムを用いた場合の動作の説明に供する図である。
【符号の説明】
【0083】
1 画像形成装置、 3a〜3d 転写ローラ、 4 用紙カセット、 5 ホッピングローラ、 6 レジストローラ、 8 定着装置、 8a 加熱ローラ、 8b バックアップローラ、 9 記録用紙、 10 露光装置、 11 転写ベルト、 12 ドライブローラ、 13 テンションローラ、 15a〜15d 現像ユニット、 21 感光体ドラム、 22 帯電フィルム、 23 現像ローラ、 24 トナー供給ローラ、 25 トナー収容容器、 25a トナー供給口、 26 現像ブレード、 27 トナー貯蔵部、 28 現像部、 31 廃トナー収容部、 32 クリーニングブレード、 33 トナー、 35 外添剤、 51 印刷制御部、 52 I/F制御部、 53 受信メモリ、 54 画像データ編集メモリ、 55 操作部、 56 センサ群、 57 帯電部材用電源、 58 現像ローラ用電源、 59 供給ローラ用電源、 60 転写ローラ用電源、 61 露光部制御部、 62 定着制御部、 63 搬送モータ駆動部、 64 駆動制御部、 66 用紙搬送モータ、 67 駆動モータ、 221 放電面、 222 凸部、 223 PETフィルム、 224 第1接触部、 225〜228 微小ギャップ領域、 229 第2接触部、 230 外添剤堆積部、 320 帯電フィルム、 321 放電面、 322 凸部、 324 第1接触部、 325〜328 微小ギャップ領域、 329 第2接触部、 341 第1接触部、 342〜347 微小ギャップ領域、 348 第2接触部、 800 排出ローラ、 801 記録媒体スタッカ部、 802 二次転写部、 803 2次転写ローラ、 1000 ウレタンスポンジ、 1001 支持部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する感光体の周面を帯電する帯電装置において、
所定の電圧が印加されて、前記感光体の周面に対向して配置される対向面を有する帯電部材を備え、
該帯電部材は、
前記感光体の回転軸方向において、画像形成領域に亘って前記感光体の前記周面と接触する凸部を有することを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
前記接触部よりも、前記感光体の回転方向の上流側において前記対向面が前記感光体の前記周面と接触し、該接触部の両側に所定の隙間を有するギャップ領域が形成されるように固定配置されることを特徴とする請求項1記載の帯電装置。
【請求項3】
前記凸部が前記感光体の回転軸方向に連続的に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の帯電装置。
【請求項4】
前記凸部が前記感光体の周方向に複数列形成されていることを特徴とする請求項3記載の帯電装置。
【請求項5】
前記凸部が前記感光体の周方向に複数列形成され、前記回転軸方向において、各列の凸部が所定の間隔をあけて断続的に形成され且つ列毎に互いにずれて形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の帯電装置。
【請求項6】
前記帯電部材は、可撓性の部材で形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の帯電装置。
【請求項7】
更に、前記帯電部材を前記感光体側に付勢する弾性部材を備えたことを特徴とする請求項6記載の帯電装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかの帯電装置と、
前記感光体とを有することを特徴とする現像装置。
【請求項9】
請求項8の現像装置と、
前記帯電部材に印加する電圧発生手段とを有することを特徴とする画像形成装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−8850(P2010−8850A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−170009(P2008−170009)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】