帳票生成システムおよび帳票生成方法およびプログラムおよび記録媒体
【課題】管理負担を増大させることなく、ユーザの権限及び各データの内容または性質、さらにフォームファイルに定義されたデータ加工範囲から機密重要度を判断し、適切な人に適切な帳票の出力環境を提供して、セキュリティを保護すること。
【解決手段】フォームデータに対して、権限・役割毎にフォームデータにより定義される帳票に対する加工情報を定義した権限定義ファイルを予め作成しておき、帳票生成サーバ14は、帳票作成を要求したユーザの権限・役割を示す情報,前記権限定義ファイル,帳票に印字(表示)するデータの内容に基づいて、帳票に出力される内容を加工して帳票を生成する構成を特徴とする。
【解決手段】フォームデータに対して、権限・役割毎にフォームデータにより定義される帳票に対する加工情報を定義した権限定義ファイルを予め作成しておき、帳票生成サーバ14は、帳票作成を要求したユーザの権限・役割を示す情報,前記権限定義ファイル,帳票に印字(表示)するデータの内容に基づいて、帳票に出力される内容を加工して帳票を生成する構成を特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票レイアウトを定義したフォームデータと帳票レイアウトに印字(表示)するためのデータをオーバーレイすることにより帳票を生成する帳票生成システムおよび帳票生成方法およびプログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予め帳票レイアウトが定義されたフォームと帳票に表示(印字)するためのデータをオーバーレイすることにより帳票を生成する帳票生成システムでは、帳票を生成する者(以下、ユーザと表示する)の権限に応じた帳票を生成する場合、ユーザの権限に応じたフォームとデータをそれぞれ用意しなければならなかった。
【0003】
特許文献1では、電子帳票において、利用者の役割または属性に応じた帳票フォームを提供する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−141423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の技術を利用することにより、ユーザの役割または属性に応じて特定項目を非表示にすること可能である。
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、ユーザまたはユーザの権限ごとのフォームとデータをそれぞれ用意しなければならず、保守・運用時の作業負荷及び管理コストが増大してしまうという問題点があった。
【0006】
また、上記従来の技術では、単にユーザの役割または属性を考慮して表示項目を変化させるだけであり、該当項目に表示すべきデータの内容または性質については言及していない。通常、帳票に出力されるデータは、ユーザの役割または属性とそこに表示されるデータの内容または性質によって、それぞれの機密重要度が変化するものである。
【0007】
例えば、項目自体は表示させたいが、その項目内のデータは、開示したくないという場合があるが、上記特許文献1の技術では、項目とともにそのデータが開示されてしまい、セキュリティ保護という点で問題があった。
【0008】
そのため、このような場合、従来では、開示用のダミーデータを作成し、該ダミーデータを用いて帳票を作成していたため、非常に手間がかかっていた。
【0009】
ところで、上記特許文献1の技術では、予めユーザ毎に定義情報を作成しておく必要があり、定義情報に記載されていないユーザからの帳票作成要求は想定されていない。しかしながら、企業において人員再配置や例外的なユーザ(協力会社やアルバイト)の出現は頻繁に発生する。
【0010】
このような場合に、上記従来の技術では、その都度、定義情報を作成しなければならず、作業負荷の増大が懸念される。
【0011】
また、帳票上の特定の項目と深い関連を持つ項目が複数存在する場合、例えば見積書明細行に金額欄を持ち、合計行にその合計金額を出力する帳票において、ユーザの権限に応じて合計金額を非表示にしたいケースでは、合計金額だけを非表示にしても意味がなく、明細行の金額欄も非表示にしなければならない。このような場合、上記従来の技術では、明細行の各金額欄にユーザ毎の権限を設定しなければならず、作業負荷の増大してしまう。
【0012】
一方で、サンプル帳票を出力する場合、例えば外部のシステム会社などに現状で使用している帳票のレイアウトを提示する場合などに、帳票としての鮮度を保ったもの、すなわち本番環境で出力された帳票と同様の内容が表示されたものでなければ意味をなさない。しかしながら、企業の機密情報が記載されている帳票はセキュリティ保護の観点から外部企業に公開することはできない。
【0013】
このため、現状では機密情報を帳票に出力されるデータの加工作業(擬似データの作成)を人手に頼っており、データの加工漏れによる機密情報漏洩の恐れがある。
【0014】
さらに、フォームとデータをオーバーレイすることにより、帳票を生成する帳票生成システムにおいて、従来では、ユーザの権限に応じて、フォーム上に描画されているフォーム図形と、データファイルに記述されているデータを表示するためのフィールドを同時に非表示とすることはできなかった。
【0015】
例えば、見積書において、顧客名を表示するためのフィールドと、その後ろに固定で"御中"というフォームが描画される場合、データファイルを加工する事により、顧客名を非表示にすることは可能であるが、"御中"というフォーム図形を非表示にすることは不可能であった。これを実現するには、ユーザの権限ごとのフォームとデータを用意するしかなく、負担が増大していた。
【0016】
本発明は、上記のような各種問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、管理負担を増大させることなく、ユーザの権限及び各データの内容または性質、さらにフォームファイルに定義されたデータ加工範囲から機密重要度を判断し、適切な人に適切な帳票の出力環境を提供することにより、セキュリティを保護する仕組を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、帳票レイアウトを定義したフォームデータと帳票に印字(表示)するためのデータをオーバーレイすることにより帳票を生成する帳票生成システムにおいて、前記フォームデータに対して、権限・役割毎にフォームデータにより定義される帳票に対する加工情報を定義した権限定義情報を記憶する記憶手段と、帳票作成を要求したユーザの権限・役割を示す情報,前記記憶手段に記憶される権限定義情報,前記帳票に印字(表示)するデータの内容に基づいて、帳票に出力される内容を加工して帳票を生成する生成手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、管理負担を増大させることなく、ユーザの権限及び各データの内容または性質、さらにフォームファイルに定義されたデータ加工範囲から機密重要度を判断し、適切な人に適切な帳票の出力環境を提供することにより、セキュリティを保護することができる。
【0019】
また、従来の帳票生成システムのように、ユーザ毎のフォームとデータをそれぞれ作成する必要がなく、一つのフォームとデータを使用してユーザの権限に応じ、データの特性を考慮した内容の帳票出力を実現することができるため、管理コストの軽減及び帳票レイアウト修正時の作業負荷を軽減することができる。
【0020】
さらに、当初想定していなかったユーザや例外的なユーザが発生した場合にも、定義情報を更新することなく帳票を生成することができ、保守・運用段階における例外的なユーザの発生時にも、速やかにセキュリティ保護対応を行うことが可能となる。
【0021】
また、帳票上の特定の項目をユーザの権限に応じて非表示にする場合、それに連動して関連項目も非表示にすることができる。
【0022】
さらに、作業負荷をかけることなく、本番環境で出力されたデータと同じ桁数、または同様の編集方法で加工された擬似データを出力し、セキュリティを確保することができる。
【0023】
また、フォームとデータの管理コスト軽減するため、1つのフォームとデータを利用し、ユーザの権限に応じてフォームとフィールドを同時に非表示にすることができる等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す帳票生成システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図1において、11はネットワークである。12は例えば役割Aを持つユーザでログインしているクライアント端末である。13は例えば役割Bを持つユーザでログインしているクライアント端末である。
【0026】
14は帳票生成サーバであり、実際の帳票生成を行う帳票印刷プログラムを実行する情報処理装置である。15はDBサーバ(データベースサーバ)であり、帳票データを格納管理する。
【0027】
役割Aを持つユーザでログインしているクライアント端末12,役割Bを持つユーザでログインしているクライアント端末13は、ネットワーク11を介して、帳票生成サーバ14とデータの送受信が可能である。
【0028】
なお、帳票生成サーバ14は、負荷分散のため、ネットワーク11上に複数存在していてもよい。また、クライアント端末も12,13にかぎられるものではなく、さらに存在していてもよい。
【0029】
なお、ネットワーク11上に接続されている各種端末の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0030】
次に、図1に示した帳票生成サーバ14のハードウェア構成について図2を用いて説明する。
【0031】
図2は、図1に示した帳票生成サーバ14のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0032】
図2において、11はCPUであり、システムバス20に接続される各デバイスを統括的に制御する。22はROMである。23はRAMであり、CPU21の主メモリ、ワークエリア、一時退避領域等として機能する。
【0033】
24は外部記憶装置(HD)であり、CPU21の制御プログラムであるオペレーティングシステム(OS)や各種プログラム(本帳票生成システムの後述する各種機能を実現するためのプログラム等)や各種データが記憶されている。この外部記憶装置(HD)24としては、ハードディスク(HD)等が挙げられる。
【0034】
なお、外部記憶装置(HD)24に記憶される各種プログラムは、必要に応じてRAM23にロードされることによりCPU21によって実行されるものである。また、後述するフォームファイルやデータファイル、各種定義ファイル等は、図1に示したDBサーバ15に格納されていても、外部記憶装置(HD)24に格納されていてもよい。
【0035】
25は通信I/Fコントローラであり、ネットワーク11を介して外部機器との通信制御処理を実行する。例えば、ページプリンタがネットワークを介して存在する場合は、この通信制御処理を担当する。
【0036】
26は外部記憶装置(メモリ)であり、帳票生成サーバプログラムのメモリとして利用される。この外部記憶装置(メモリ)26としては、シリコンディスク等が挙げられる。
【0037】
27,28はページプリンタ装置であり、ページプリンタ装置27,28はハードウェア上に存在していても、所定のインタフェース(例えば、USB、セントロニクス等)を介して、情報処理装置と接続される構成であっても、ネットワーク11を介して情報処理装置と接続される構成であってもよい。
【0038】
なお、図1に示した各クライアント端末12,13、DBサーバ15の各ハードウェア構成も、図2に示した帳票生成サーバ14の構成と同様である。
【0039】
以下、図3を参照して、図1に示した帳票生成システムの基本的な処理について説明する。
【0040】
図3は、本発明の帳票生成システムにおける第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、本実施形態の帳票生成システムの基本的な処理に対応する。なお、図中、ステップS301〜S303は、図1に示したクライアント端末12,13等により実行される処理に対応し、クライアント端末12,13のCPUが外部記憶装置に格納されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。また、ステップS304〜S314は、図1に示した帳票生成サーバ14により実行される処理に対応し、帳票生成サーバ14のCPU21が外部記憶装置に格納されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。
【0041】
まず、クライアント端末12のCPUは、ある役割(権限)を持つユーザによる入力されたログイン情報を受け取ると(S301)、ステップS302において、該入力されたログイン情報を、一般的なログインシステム(又は帳票生成システムでもよい)に送信してユーザの役割・権限の付与を受ける。
【0042】
次に、ステップS303において、クライアント端末12のCPUは、ユーザから帳票生成指示(生成する帳票のフォームファイル情報,データファイル情報を含む)が入力されると、帳票生成サーバ14に、帳票生成要求を送信する。なお、帳票生成要求には、要求したクライアントのユーザの権限・役割名,フォームファイル名,データファイル名等を含む。
【0043】
帳票生成サーバ14のCPU21は、クライアント端末12から送信された帳票生成要求を受信すると(S304)、RAM23上の要求変数テーブル(図4)を確保し、該受信した帳票生成を要求内に含まれるクライアントのユーザの権限・役割名をRAM23上の要求変数テーブルに格納する(S305)。
【0044】
次に、ステップS306において、帳票生成サーバ14のCPU21は、受信した帳票生成を要求内に含まれるフォームファイル名に基づいてDBサーバ15からフォームファイル1010(図5)を取得(準備)し、そして、該フォームファイル名をRAM23上の要求変数テーブルに格納する(S307)。
【0045】
次に、帳票生成サーバ14のCPU21は、受信した帳票生成を要求内に含まれるデータファイル名に基づいてDBサーバ15からデータファイル1000(図5)を取得(準備)し(S308)、該データファイル名をRAM23上の要求変数テーブルに格納する(S309)。
【0046】
次に、帳票生成サーバ14のCPU21は、フォームファイル名に基づいてDBサーバ15から権限定義ファイル(図6a,図6b)を取得(準備)し(S310)、該権限定義ファイル名をRAM23上の要求変数テーブルに格納する(S311)。
【0047】
次に、帳票生成サーバ14のCPU21は、例外的ユーザの加工エリア指定がなされている場合には、例外的ユーザによる加工エリア指定を促す画面(不図示)を表示し、該指定される加工エリア指定情報を取得(準備)し(S312)、該例外的ユーザの加工エリア指定情報をRAM23上の要求変数テーブルに格納する(S313)。
【0048】
なお、「例外的ユーザ」とは、上記権限定義ファイル内で加工情報が定義されている権限・役割を有するユーザ以外のユーザ(例えば、"guest"ユーザ等)を示す。また、「例外的ユーザの加工エリア指定情報」とは、上記例外的ユーザが、本帳票生成システムを使用したい場合、該例外的ユーザが帳票生成要求を行った際に指定するデータ加工定義情報に対応する。なお、「例外的ユーザの加工エリア指定情報」は、データ加工エリアと加工方法から構成され、複数指定可能である。例えば、データ加工エリアとして座標「(400,400)-(420,450)」、加工方法として「非表示」等を設定可能である(後述する図6a,図6bに示す権限定義ファイルと同様のデータ加工エリア,加工方法を指定可能である)。
【0049】
なお、ここでは、例外的ユーザ自身が例外的ユーザの加工エリアを指定する場合について説明したが、例外的ユーザの加工エリア指定情報を、予め管理者が作成し、帳票生成サーバ14の外部記憶装置24又はDBサーバ15に格納しておいてもよい。
【0050】
次に、ステップS314において、帳票生成サーバ14のCPU21は、権限定義ファイルを利用したオーバーレイ処理(図8)を実行して帳票の生成を行い、処理を終了する。
【0051】
以下、図4〜図7を参照して、上述した要求変数テーブル,データファイル,フォームファイル,権限定義解析結果テーブルについて説明する。
【0052】
図4は、本実施形態における要求変数テーブルの一例を示す図であり、この要求変数テーブルが帳票生成サーバ14のCPU21によりRAM23内に確保される。
【0053】
図4に示すように、701はフォームファイル名格納エリアであり、フォームファイル名を格納するために使用される(図3のステップS307で格納される)。702はデータファイル情報格納エリアであり、データファイルの情報を格納するために使用される(図3のステップS309で格納される)。
【0054】
703は権限定義ファイル情報格納エリアであり、権限定義ファイルの情報を格納するために使用される(図3のステップS311で格納される)。704は生成ユーザ役割・権限情報格納エリアであり、権限・役割の情報を格納するために使用される(図3のステップS305で格納される)。
【0055】
705は例外的ユーザのデータ加工エリア情報格納エリアであり、例外的ユーザのデータ加工エリア・加工方法を格納するために使用される(図3のステップS313で格納される)。
【0056】
図5は、本実施形態におけるデータファイル,フォームファイルを例示した図である。
【0057】
図5において、1000は機密情報が記載されたCVS形式のデータファイル、1010はデータファイル1000対応するフォームファイルを示す。
【0058】
データファイル1000の「顧客連絡先」項目の各データは、先頭に機密重要度フラグ('!')が付加されており、機密情報となっている。
【0059】
フォームファイル1010には、各フィールドの名称/印字位置/属性(データタイプ,桁数等)と共にフィールドの定義順序が格納されており、CVSファイルの先行項目から順に(1001,1002,1003,1004の順に)各フィールドにマップされる。
【0060】
例示した図5のフォームファイル1010での、各フィールドの定義順序は下記の通りである。
【0061】
フィールド1005は、定義順序「1」,名称「顧客名」,データタイプ「文字列」と定義されている。フィールド1006は、定義順序「2」,名称「顧客連絡先」,データタイプ「電話番号」と定義されている。フィールド1007は、定義順序「3」,名称「明細行の商品名」,データタイプ「文字列」と定義されている。フィールド1008は、定義順序「4」,名称「明細行の金額」,データタイプ「通貨」,桁数「4桁」と定義されている。フィールド1009は、名称「合計金額」,データタイプ「フィールド1008(明細行の金額)を集計した合計金額」,桁数「6桁」と定義されている。
【0062】
即ち、顧客名データ1001は、フォームファイル1010のフィールド定義順序に従い、フィールド1005(顧客名)にマップされる。顧客連絡先データ1002は、フォームファイル1010のフィールド定義順序に従い、フィールド1006(顧客連絡先)にマップされる。なお、顧客連絡先データ1002は機密情報である事を示す"!"が付加されたデータ(機密データ)であるため、機密情報はALL権限を持ったユーザのみ印刷(表示)可能となる。
【0063】
商品名データ1003は、フォームファイル1010のフィールド定義順序に従い、フィールド1007(明細行の商品名)にマップされる。金額データ1004は、フォームファイル1010のフィールド定義順序に従い、フィールド1008(明細行の金額)にマップされる。また、フィールド1008(明細行の金額)を集計した合計金額がフォーム1009にマップされる。
【0064】
図6a,図6bは、本実施形態における権限定義ファイルを説明する図であり、図6aは権限定義ファイルの説明に対応し、図6bは実際の権限定義ファイルの例示に対応する。
【0065】
なお、権限定義ファイルは、帳票のフォーム情報毎にDBサーバ15に保持されるものである。
【0066】
図6a,図6bに示すように、権限定義ファイルは、定義部を示す情報(801a〜806a)と、定義部の意味を示す情報(801b〜806b)から構成される複数の権限定義情報801〜806で構成される。
【0067】
権限定義情報801は、権限"管理職"を定義しており、ALL指定により、全表示することを示している。権限定義情報802は、権限"営業職"を定義しており、データ加工エリア1において、座標(400,400)-(420,450)を非表示(非印字)にすることを指定している。
【0068】
権限定義情報803は、権限"一般職1"を定義しており、データ加工エリア1において、[営業職]で指定したデータ加工エリアを継承している。また、データ加工エリア2において、座標(200,200)-(300,350)を非表示(非印字)にすることを指定している。
【0069】
権限定義情報804は、権限"一般職2"を定義しており、データ加工エリア1において、"Synchro"指定により、[営業職]で指定した領域及びその関連項目も連動して非表示にすることを指定している。
【0070】
権限定義情報805は、権限"一般職3"を定義しており、データ加工エリア1において、"Imitation"指定により、座標(400,400)-(420,450)に擬似データの表示を指定している。権限定義情報806は、権限"一般職4"を定義しており、データ加工エリア1において、"Imitation"・"Synchro"指定により、座標(400,400)-(420,450)及びその関連項目に擬似データの表示を指定している。
【0071】
図7は、実施形態における権限定義解析結果テーブルの一例を示す図である。
【0072】
図7に示すように、権限定義解析結果テーブルは、複数のデータ加工定義(1)〜(n)を格納可能である。
【0073】
各データ加工定義は、データ加工エリア901,加工方法902を格納可能である。データ加工エリア901は、帳票生成ユーザの権限に応じたデータ加工エリア(座標)を格納するためのものである。加工方法902は、帳票生成ユーザの権限に応じた、データ加工方法を格納するためのものである。
【0074】
なお、本図では、帳票の生成ユーザが「一般職1」である場合を示している。即ち、データ加工定義(1)のデータ加工エリア901,加工方法902には、権限定義ファイル(図6a,図6b)の803に対応するデータ加工エリア1に対応する<営業職>に対応するデータ加工エリア1の座標「(400,400)-(420,450)」,加工方法「非表示」が格納されている。また、データ加工定義(2)のデータ加工エリア901,加工方法902には、権限定義ファイル(図6a,図6b)の803に対応するデータ加工エリア2の座標「(200,200)-(300,350)」,加工方法「非表示」が格納されている。
【0075】
以下、図8のフローチャートを参照して、図3のステップS314に示したオーバーレイ処理について説明する。
【0076】
図8は、本発明の帳票生成システムにおける第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図3のステップS314に示したオーバーレイ処理に対応する。なお、図中、ステップS401〜S416は、図1に示した帳票生成サーバ14により実行される処理に対応し、帳票生成サーバ14のCPU21が外部記憶装置に格納されたプログラムをRAM23に読み出して実行することにより実現される。
【0077】
まず、ステップS401において、帳票生成サーバ14のCPU21は、RAM内の要求変数テーブル(図4)に格納されたフォームファイル名701及びデータファイル名702を抽出してフォームファイル及びデータファイルを解析する。詳細には、フォームファイル及びデータファイルを読み込み、形式チェック、論理チェック及び整合性をチェックした後、フォームファイルとデータファイルで定義されている情報をメモリ上に展開する。
【0078】
次に、ステップS402において、帳票生成サーバ14のCPU21は、RAM内の要求変数テーブルに格納されたユーザの役割・権限名704、権限定義ファイル名703、例外的ユーザの加工エリア情報705を抽出して解析する(詳細は図9に示す)。この権限定義解析処理により、情報が権限定義解析結果テーブル(図7)に格納される。
【0079】
次に、ステップS403において、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS401で解析した情報を参照し、データファイル内のデータを描画対象データとして一つ取得し、フォームと描画対象データのオーバーレイ処理を行う。詳細には、フォームファイルで定義されたフィールドとデータファイルで定義された描画対象データのマッピングを行う。
【0080】
次に、ステップS404において、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS401で解析したデータファイル情報を参照し、描画対象データの先頭に機密重要度フラグ('!')が付加されているか否かにより機密重要度が高いか否かを判定する。図5に示すデータファイルの例では、顧客連絡先1002の各データの先頭に、'!'が付加されている。
【0081】
そして、ステップS404で、帳票生成サーバ14のCPU21は、描画対象データは機密重要度が高いと判定した場合には、ステップS405において、描画対象データの読み捨て処理を行う。そして、ステップS408に処理を進める。
【0082】
次に、ステップS408において、帳票生成サーバ14のCPU21は、データファイル内の全てのデータについて処理を終了したか否かを判定し、終了したと判定した場合には、そのまま処理を終了する。
【0083】
一方、ステップS408で、帳票生成サーバ14のCPU21が、データファイル内の全てのデータについて未だ処理を終了していないと判定した場合には、ステップS403に処理を戻し、次のデータの処理を行う。
【0084】
一方、ステップS404で、帳票生成サーバ14のCPU21が、描画対象データは機密重要度が高くないと判定した場合には、ステップS406において、ステップS402で解析された権限定義解析結果テーブル(図7)を参照し、描画対象データがデータ加工対象の矩形座標範囲に含まれるか否かを判定する。
【0085】
そして、ステップS406で、帳票生成サーバ14のCPU21が、描画対象データがデータ加工対象の矩形座標範囲に含まれていないと判定した場合には、ステップS407において、帳票生成サーバ14のCPU21は、描画対象データの描画処理を行う。そして、ステップS408に処理を進める。なお、ユーザの権限が"ALL"権限の場合には、ステップS404,S406の判定は行わず、そのままステップS407に進み、データの描画処理を実行するものとする。
【0086】
一方、ステップS406で、帳票生成サーバ14のCPU21が、描画対象データがデータ加工対象の矩形座標範囲に含まれていると判定した場合には、ステップS409に処理を進める。
【0087】
そして、ステップS409において、帳票生成サーバ14のCPU21は、データ加工対象の矩形座標範囲内の描画データについて、上記ステップS402で解析された権限定義解析結果テーブル(図7)を参照し、データの加工方法が"非表示"か否かの判定を行う。
【0088】
そして、ステップS409で、帳票生成サーバ14のCPU21は、データの加工方法が"非表示"と判定した場合には、ステップS410において、データ加工対象の矩形座標内のデータ(フォーム上に描画されているフォーム図形、及び、データファイルからフィールドに表示するデータの双方)を捨てる処理を行い、ステップS408に処理を進める。
【0089】
一方、ステップS409で、帳票生成サーバ14のCPU21は、データの加工方法が"非表示"でないと判定した場合には、ステップS411に処理を進める。
【0090】
次に、ステップS411において、帳票生成サーバ14のCPU21は、データ加工対象の矩形座標範囲内の描画データについて、上記ステップS402で解析された権限定義解析結果テーブル(図7)を参照し、データの加工方法が"連動"("Synchro")か否かの判定を行う。
【0091】
そして、ステップS411で、データの加工方法が"連動"でない(即ち、データの加工方法が"擬似データ"("Imitation")である)と判定した場合には、ステップS415において、データの加工方法が"擬似データ"のデータについて、フォームファイルから対象データの桁数及び型の情報(フォームファイル内で定義されている)を取得する。
【0092】
そして、ステップS416において、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS415で取得した対象データの桁数及び型の情報を参照し、擬似データを生成して描画する処理を行い、ステップS408に処理を進める。
【0093】
一方、ステップS411で、データの加工方法が"連動"と判定した場合には、ステップS412において、帳票生成サーバ14のCPU21は、データの加工方法が"連動"のデータについて、ステップS401において解析したフォームファイル情報を参照し、関連項目の抜き出し処理を行う。
【0094】
次に、ステップS413において、帳票生成サーバ14のCPU21は、データの加工方法が"連動"のデータについて、上記ステップS402で解析された権限定義解析結果テーブル(図7)を参照し、データの加工方法に"擬似データ"が指定されているか否かの判定を行う。
【0095】
そして、ステップS413で、帳票生成サーバ14のCPU21は、データの加工方法が"擬似データ"が指定されていないと判定した場合には、ステップS414において、矩形座標範囲内の描画データ及びステップS412で抜き出した関連項目データについて、読み捨て処理を行い、ステップS408に処理を進める。
【0096】
一方、ステップS413で、帳票生成サーバ14のCPU21は、データの加工方法が"擬似データ"が指定されていると判定した場合には、ステップS415において、描画対象データ及びステップS412で抜き出した関連項目データについて、フォームファイルから対象データの桁数及び型の情報を取得する。
【0097】
そして、ステップS416において、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS415で取得した対象データの桁数及び型の情報を参照し、擬似データを生成して描画する処理を行い、ステップS408に処理を進める。
【0098】
以下、図9,図10を参照して、ステップS402の権限定義解析処理を詳細に説明する。
【0099】
図9は、本発明の帳票生成システムにおける第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図8のステップS402に示した権限定義解析処理に対応する。なお、図中、ステップS601〜S607は、図1に示した帳票生成サーバ14により実行される処理に対応し、帳票生成サーバ14のCPU21が外部記憶装置に格納されたプログラムをRAM23に読み出して実行することにより実現される。
【0100】
まず、ステップS601において、帳票生成サーバ14のCPU21は、RAM23の要求変数テーブル(図4)に格納された生成ユーザの役割・権限704の抽出を行う。
【0101】
次に、ステップS602において、帳票生成サーバ14のCPU21は、RAM23の要求変数テーブル(図4)に格納された権限定義ファイル名703を抽出し、権限定義ファイル(図6a,図6b)の読み込み処理を行う。
【0102】
次に、ステップS602において、帳票生成サーバ14のCPU21は、読み込んだ権限定義ファイルに権限定義部(図8の801a〜806aに示す)が存在するか否かの判定を行う。
【0103】
ステップS602で、読み込んだ権限定義ファイルに権限定義部(図6a,図6bの801a〜806aに示す)が存在すると判定した場合には、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS604において、権限定義解析結果格納処理(図10)を実行し、ステップS605に処理を進める。この権限定義解析結果格納処理により、権限定義ファイル(図6a,図6b)が解析され解析結果が権限定義解析結果テーブル(図7)へ格納される。
【0104】
一方、ステップS602で、読み込んだ権限定義ファイルに権限定義部(図6a,図6bの801a〜806aに示す)が存在しないと判定した場合には、帳票生成サーバ14のCPU21は、そのままステップS605に処理を進める。
【0105】
次に、ステップS605において、帳票生成サーバ14のCPU21は、図3のステップS313で要求変数テーブル(図4)に格納された例外的ユーザの加工エリア705の取得処理を行う。
【0106】
次に、ステップS606において、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS605で取得処理した例外的ユーザの加工エリア情報が存在するか否かを判定する。
【0107】
そして、ステップS606で、取得処理した例外的ユーザの加工エリア情報が存在すると判定した場合には、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS607において、権限定義解析結果格納処理(図10)を実行し、処理を終了する。この権限定義解析結果格納処理により、例外的ユーザの加工エリア705(図4)が解析され解析結果が権限定義解析結果テーブル(図7)へ格納される。
【0108】
一方、ステップS606で、取得処理した例外的ユーザの加工エリア情報が存在しないと判定した場合には、帳票生成サーバ14のCPU21は、そのままス処理を終了する。
【0109】
図10は、本発明の帳票生成システムにおける第4の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図9のステップS604,S607に示した権限定義解析結果格納処理に対応する。なお、図中、ステップS608〜S615は、図1に示した帳票生成サーバ14により実行される処理に対応し、帳票生成サーバ14のCPU21が外部記憶装置に格納されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。
【0110】
まず、ステップS608において、帳票生成サーバ14のCPU21は、権限定義ファイル(図8)または変数要求テーブル(図4)の例外的ユーザの加工エリア705に定義されている権限/権限名の取得処理を行う。
【0111】
次に、ステップS609において、帳票生成サーバ14のCPU21は、図9のステップS601で取得した生成ユーザの権限とステップS608で取得した権限定義部が一致するか否かの判定を行う。
【0112】
そして、ステップS609で、生成ユーザの権限と権限定義部が一致しないと判定した場合には、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS610に処理を進め、権限定義ファイル(図6a,図6b)または変数要求テーブル(図4)の例外的ユーザの加工エリア705に定義されている次の権限/権限名の取得処理を行う。
【0113】
次に、ステップS610で、帳票生成サーバ14のCPU21は、次の権限名が存在するか否かを判定し、次の権限名がしないと判定した場合には、そのまま処理を終了する。
【0114】
一方、ステップS610で、帳票生成サーバ14のCPU21は、次の権限名が存在すると判定した場合には、ステップS608に処理を戻す。
【0115】
一方、ステップS609で、生成ユーザの権限と権限定義部が一致すると判定した場合には、帳票生成サーバ14のCPU21は、権限定義ファイル(図6a,図6b)または変数要求テーブル(図4)からデータ加工エリア(座標)の取得処理を行う。
【0116】
次に、ステップS613において、帳票生成サーバ14のCPU21は、権限定義ファイル(図6a,図6b)または変数要求テーブル(図4)からデータ加工方法の取得処理を行う。
【0117】
次に、ステップS614において、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS612,S613で取得したデータ加工エリア(座標),データ加工方法を権限定義解析結果テーブル(図7)のデータ加工エリア901,データ加工方法902への格納処理を行う。
【0118】
次に、ステップS615において、帳票生成サーバ14のCPU21は、次のデータ加工エリア指定が存在するか否かの判定を行い、次のデータ加工エリア指定が存在すると判定した場合には、ステップS612へ処理を戻し、S612〜S614の処理を繰り返す。
【0119】
一方、ステップS615で、次のデータ加工エリア指定が存在しないと判定した場合には、そのまま処理を終了する。
【0120】
以下、図11を参照して、本実施形態の帳票生成結果について説明する。
【0121】
図11は、権限定義ファイル設定に従って生成される帳票を例示した図である。
【0122】
帳票1201は、帳票の生成ユーザが「管理職」であり、権限定義ファイル(図6a,図6b)の権限定義情報801が適用されて生成された出力帳票に対応する。
【0123】
帳票1202は、帳票の生成ユーザが「営業職」であり、権限定義ファイル(図6a,図6b)の権限定義情報802が適用されて生成された出力帳票に対応する。帳票1202では、権限定義情報802に従い、(400,400)-(420,450)に対応する座標(ここでは「値引き」,「合計金額」を描画すべき座標)が非表示となっている。
【0124】
帳票1203は、帳票の生成ユーザが「一般職1」であり、権限定義ファイル(図6a,図6b)の権限定義情報803が適用されて生成された出力帳票に対応する。帳票1203では、権限定義情報803に従い、(400,400)-(420,450)及び(200,200)-(300,350)に対応する座標(ここでは「値引き」、「合計金額」及び「顧客名」を描画すべき座標)が非表示となっている。
【0125】
帳票1204は、帳票の生成ユーザが「一般職2」であり、権限定義ファイル(図6a,図6b)の権限定義情報804が適用されて生成された出力帳票に対応する。帳票1204では、権限定義情報804に従い、(400,400)-(420,450)に対応する座標(「値引き」、「合計金額」を描画すべき座標)とそれに関連する項目(ここでは「合計金額」の算出元である「明細の金額」)を描画すべき座標が非表示となっている。
【0126】
帳票1205は、帳票の生成ユーザが「一般職3」であり、権限定義ファイル(図6a,図6b)の権限定義情報805が適用されて生成された出力帳票に対応する。帳票1205では、権限定義情報805に従い、(400,400)-(420,450)に対応する座標(「値引き」、「合計金額」を描画すべき座標)に擬似データ(ここでは、内部的に発生させた乱数の羅列)を表示している。
【0127】
帳票1206は、帳票の生成ユーザが「一般職4」であり、権限定義ファイル(図6a,図6b)の権限定義情報804が適用されて生成された出力帳票に対応する。帳票1205では、権限定義情報805に従い、(400,400)-(420,450)に対応する座標(「値引き」、「合計金額」を描画すべき座標)及びその関連項目(ここでは「明細の金額」)を描画すべき座標に乱数の羅列を表示している。
【0128】
以下、図12を参照して、本実施形態における権限定義ファイル作成画面について説明する。
【0129】
図12は、本実施形態における権限定義ファイル作成画面の一例を示す図であり、パーソナルコンピュータ等(帳票生成サーバ14でもよい)により実行される権限定義ファイル作成プログラムにより表示される。
【0130】
まず、権限定義ファイル作成プログラムは、権限定義ファイルの基礎となるフォームファイルが指定されると、該フォームファイルをDBサーバ15から取得する。そして、権限定義ファイル作成プログラムは、フォームファイルを開き、権限名(例えば、"管理職")の指定を受け付ける。
【0131】
そして、権限名が指定されると、権限定義ファイル作成プログラムは、メモリ上に"管理職"権限の権限定義情報を追加し、定義部に該指定された権限名を設定する。即ち、ここで設定した権限名が、権限定義ファイルの定義部(図6a,図6bの801a〜806a)の名称となる。
【0132】
さらに、権限定義ファイル作成プログラムは、"管理職"権限の加工シート1104を表示し、該加工シート上にフォームの情報1101を表示し、該フォームへの加工指示を受け付ける。
【0133】
この加工指示は、フォーム上のデータ加工を行いたい領域(データ加工エリア)をマウスなどのポインタデバイスで選択し、"非表示","擬似データ表示","連動"等(データ加工方法)を指定することにより、行うことができる。
【0134】
そして、権限定義ファイル作成プログラムは、指定されたデータ加工エリア,データ加工方法を、該当する権限定義情報内に追加する。
【0135】
また、「権限名追加」ボタン1110が指示されて権限名の追加指示がなされると、権限定義ファイル作成プログラムは、追加指示された権限名(例えば"営業職")の加工シート(1105)を追加し、該加工シート上に一つ前の権限の加工エリア情報を含むフォームの情報(1102)を表示し、該フォームへの加工指示を受け付ける。
【0136】
なお、権限名の並びは、"管理職"→"一般職"へと、権限の少ない方向へ遷移するものとする。
【0137】
また、各加工シート1104〜1109は、レイヤー構造を有し、例えば"管理職"加工シート1104が、選択された状態では、フォーム情報1101のみが表示され、加工可能となる。また、各加工シート1105が、選択された状態では、フォーム情報1102のみが表示され、加工可能となる。さらに、各加工シート1106が、選択された状態では、フォーム情報1103のみが表示され、加工可能となる。
【0138】
そして、「作成ボタン」1101が指示されると、権限定義ファイル作成プログラムは、権限定理ファイル作成画面で設定された各権限定義情報に基づいて、図6a,図6bに示したような権限定義ファイルを作成する。
【0139】
なお、「キャンセル」1101が指示されると、権限定義ファイル作成プログラムは、権限定義ファイルを作成することなく、権限定理ファイル作成画面を終了する。
【0140】
なお、権限定義ファイル作成プログラムは、例えば、マイクロソフト社のExcel(商標登録)を用いて(例えば、Excel(商標登録)にアドインするプログラム等により)、実現するように構成してもよい。
【0141】
また、権限定義ファイルは、上述したような権限定義ファイル作成プログラムにより作成されるのみでなく、テキストエディタ等により、作成するよう構成してもよいことはいうまでもない。
【0142】
以上示したように、ユーザの権限及び各データの内容または性質、さらにフォームファイルに定義されたデータ加工範囲から機密重要度を判断し、適切な人に適切な帳票の出力環境を提供することにより、セキュリティを保護することができる。
【0143】
また、当初想定していなかったユーザや例外的なユーザが発生した場合にも、定義情報を更新することなく帳票を生成することができる。
【0144】
さらに、帳票上の特定の項目をユーザの権限に応じて非表示にする場合、それに連動して関連項目も非表示にすることができる。
【0145】
また、作業負荷をかけることなく、本番環境で出力されたデータと同じ桁数、または同様の編集方法で加工された擬似データを出力し、セキュリティを確保することができる。
【0146】
さらに、フォームとデータの管理コスト軽減するため、1つのフォームとデータを利用し、ユーザの権限に応じてフォームとフィールドを同時に非表示にすることができる。
【0147】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、図6a,図6bに示したような権限定義ファイルをフォーム毎に準備する構成について説明したが、本実施形態では、フォームファイル内に権限定義情報を含めるように構成してもよい。
【0148】
以下、図13のフローチャートを参照して、本実施形態のオーバーレイ処理について説明する。
【0149】
図13は、本発明の帳票生成システムにおける第5の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図3のステップS314に示したオーバーレイ処理に対応する。なお、図中、ステップS401,S501,S403〜S416は、図1に示した帳票生成サーバ14により実行される処理に対応し、帳票生成サーバ14のCPU21が外部記憶装置に格納されたプログラムをRAM23に読み出して実行することにより実現される。また、図8と同一のステップには同一のステップ番号を付してある。
【0150】
ステップS401の要求変数解析処理が終了すると、ステップS501において、帳票生成サーバ14のCPU21は、RAM内の要求変数テーブルに格納されたユーザの役割・権限名704及びステップS401で解析したフォームファイル情報より、データ加工エリアの座標及び加工方法を取得し、権限定義解析結果テーブル(図7)のデータ加工エリア901,加工方法902へ格納する。
【0151】
さらに、変数要求テーブル(図4)の例外的ユーザの加工エリア705からも、データ加工エリアの座標及び加工方法を取得し、権限定義解析結果テーブル(図7)のデータ加工エリア901,加工方法902へ格納する。
【0152】
そして、ステップS501の処理が終了すると、ステップS403に処理を進める。以下、図8と同様なので説明は省略する。
【0153】
なお、本実施形態の場合も、図12に示した権限定義ファイル作成プログラムにより各権限定義を設定し、該権限定義情報を、フォームファイル内に格納するものとする。
【0154】
以上示したように、本発明によれば、ユーザの権限及び特定の位置(項目等)に表示されるデータの内容または性質、さらにフォームファイルに対応して設定したデータ加工範囲指定の内容に応じて出力内容を変化させることができ、ユーザは煩雑な作業を行うことなく、容易に、機密情報を保護することが可能となる。
【0155】
また、従来の帳票生成システムのように、ユーザ毎のフォームとデータをそれぞれ作成する必要がなく、一つのフォームとデータを使用してユーザの権限に応じ、データの特性を考慮した内容の帳票出力を実現することができるため、管理コストの軽減及び帳票レイアウト修正時の作業負荷を軽減することが可能となる。
【0156】
ところで、権限定義ファイルに定義されていないユーザ(例外的ユーザ)が帳票を生成する場合にも、帳票の生成時に、データ加工エリアを指定することが可能であるため、権限定義ファイルを修正することなく、ユーザに適した帳票を生成することが可能である。
【0157】
なお、上記例外的ユーザが帳票を生成する際に、管理者より権限付与ファイル等を発行してもらい、テンポラリの権限を付与してもらって、該権限付与ファイルを帳票生成要求とともに帳票生成サーバ14に送信して、帳票を生成可能に構成してもよい。なお、上記権限付与ファイルには、有効期限情報,権限名等が含まれ、且つ暗号化されているものとする。
【0158】
従って、保守・運用段階における例外的なユーザの発生時にも、速やかにセキュリティ保護対応を行うことが可能となる。
【0159】
また、帳票上の特定の項目と深い関連を持つ項目が複数存在する場合、例えば見積書明細行に金額欄を持ち、合計行にその合計金額を出力する帳票において、権限定義ファイルに固定のキーワードを指定することにより、合計行の合計金額に関連する明細行の金額欄も非表示にすることを可能としており、少ない作業量で、より高いセキュリティレベルを実現することが可能である。このため、ミス等によって、非表示の指定を忘れてしまった場合でも、関連項目を非表示にすることができ、ミスによる情報漏洩を回避することが可能である。
【0160】
一方で、サンプル帳票を出力する場合、例えば外部のシステム会社などに現状で使用している帳票のレイアウトを提示する場合などに、権限定義ファイルに固定のキーワードを指定することにより、本番環境で使用されたデータに手を加えることなく、本番と同様の帳票を生成することが可能となる。
【0161】
これにより、帳票としての鮮度を保ったまま、また人手に頼ることなく、セキュリティ保護に対応したサンプル帳票を即座に出力することが可能となる。
【0162】
さらに、権限定義ファイル設定エディタ(図12に示した権限定義ファイル作成プログラム)上で、マウスなどのポインタデバイスでの選択により、座標でのデータ加工エリア指定を実現しており、ユーザの権限に応じて、フォームとフィールドを同時に加工対象にすることが可能となる。これにより、加工エリアや加工方法の指定が容易になり、管理者負担を軽減することが可能となる。
【0163】
なお、上述して各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0164】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0165】
以下、図14に示すメモリマップを参照して本発明に係る帳票生成システムを構成する帳票生成サーバ14,クライアント端末12,13で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0166】
図14は、本発明に係る帳票生成システムを構成する帳票生成サーバ14,クライアント端末12,13で読み取り(読み出し)可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【0167】
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0168】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0169】
本実施形態における図3,図8,図9,図10,図13に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0170】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0171】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0172】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0173】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0174】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0175】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0176】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0177】
なお、上記実施形態で示した各変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】本発明の第1実施形態を示す帳票生成システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示した帳票生成サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の帳票生成システムにおける第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態における要求変数テーブルの一例を示す図であり、この要求変数テーブルが帳票生成サーバ14のCPU21によりRAM23内に確保される。
【図5】本実施形態におけるデータファイル,フォームファイルを例示した図である。
【図6a】本実施形態における権限定義ファイルを説明する図である。
【図6b】本実施形態における権限定義ファイルを説明する図である。
【図7】実施形態における権限定義解析結果テーブルの一例を示す図である。
【図8】本発明の帳票生成システムにおける第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の帳票生成システムにおける第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の帳票生成システムにおける第4の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】権限定義ファイル設定に従って生成される帳票を例示した図である。
【図12】本実施形態における権限定義ファイル作成画面の一例を示す図である。
【図13】本発明の帳票生成システムにおける第5の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る帳票生成システムを構成する帳票生成サーバ,クライアント端末で読み取り(読み出し)可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0179】
11 ネットワーク
12 役割Aクライアント端末
13 役割Bクライアント端末
14 帳票生成サーバ
15 DBサーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票レイアウトを定義したフォームデータと帳票レイアウトに印字(表示)するためのデータをオーバーレイすることにより帳票を生成する帳票生成システムおよび帳票生成方法およびプログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予め帳票レイアウトが定義されたフォームと帳票に表示(印字)するためのデータをオーバーレイすることにより帳票を生成する帳票生成システムでは、帳票を生成する者(以下、ユーザと表示する)の権限に応じた帳票を生成する場合、ユーザの権限に応じたフォームとデータをそれぞれ用意しなければならなかった。
【0003】
特許文献1では、電子帳票において、利用者の役割または属性に応じた帳票フォームを提供する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−141423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の技術を利用することにより、ユーザの役割または属性に応じて特定項目を非表示にすること可能である。
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、ユーザまたはユーザの権限ごとのフォームとデータをそれぞれ用意しなければならず、保守・運用時の作業負荷及び管理コストが増大してしまうという問題点があった。
【0006】
また、上記従来の技術では、単にユーザの役割または属性を考慮して表示項目を変化させるだけであり、該当項目に表示すべきデータの内容または性質については言及していない。通常、帳票に出力されるデータは、ユーザの役割または属性とそこに表示されるデータの内容または性質によって、それぞれの機密重要度が変化するものである。
【0007】
例えば、項目自体は表示させたいが、その項目内のデータは、開示したくないという場合があるが、上記特許文献1の技術では、項目とともにそのデータが開示されてしまい、セキュリティ保護という点で問題があった。
【0008】
そのため、このような場合、従来では、開示用のダミーデータを作成し、該ダミーデータを用いて帳票を作成していたため、非常に手間がかかっていた。
【0009】
ところで、上記特許文献1の技術では、予めユーザ毎に定義情報を作成しておく必要があり、定義情報に記載されていないユーザからの帳票作成要求は想定されていない。しかしながら、企業において人員再配置や例外的なユーザ(協力会社やアルバイト)の出現は頻繁に発生する。
【0010】
このような場合に、上記従来の技術では、その都度、定義情報を作成しなければならず、作業負荷の増大が懸念される。
【0011】
また、帳票上の特定の項目と深い関連を持つ項目が複数存在する場合、例えば見積書明細行に金額欄を持ち、合計行にその合計金額を出力する帳票において、ユーザの権限に応じて合計金額を非表示にしたいケースでは、合計金額だけを非表示にしても意味がなく、明細行の金額欄も非表示にしなければならない。このような場合、上記従来の技術では、明細行の各金額欄にユーザ毎の権限を設定しなければならず、作業負荷の増大してしまう。
【0012】
一方で、サンプル帳票を出力する場合、例えば外部のシステム会社などに現状で使用している帳票のレイアウトを提示する場合などに、帳票としての鮮度を保ったもの、すなわち本番環境で出力された帳票と同様の内容が表示されたものでなければ意味をなさない。しかしながら、企業の機密情報が記載されている帳票はセキュリティ保護の観点から外部企業に公開することはできない。
【0013】
このため、現状では機密情報を帳票に出力されるデータの加工作業(擬似データの作成)を人手に頼っており、データの加工漏れによる機密情報漏洩の恐れがある。
【0014】
さらに、フォームとデータをオーバーレイすることにより、帳票を生成する帳票生成システムにおいて、従来では、ユーザの権限に応じて、フォーム上に描画されているフォーム図形と、データファイルに記述されているデータを表示するためのフィールドを同時に非表示とすることはできなかった。
【0015】
例えば、見積書において、顧客名を表示するためのフィールドと、その後ろに固定で"御中"というフォームが描画される場合、データファイルを加工する事により、顧客名を非表示にすることは可能であるが、"御中"というフォーム図形を非表示にすることは不可能であった。これを実現するには、ユーザの権限ごとのフォームとデータを用意するしかなく、負担が増大していた。
【0016】
本発明は、上記のような各種問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、管理負担を増大させることなく、ユーザの権限及び各データの内容または性質、さらにフォームファイルに定義されたデータ加工範囲から機密重要度を判断し、適切な人に適切な帳票の出力環境を提供することにより、セキュリティを保護する仕組を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、帳票レイアウトを定義したフォームデータと帳票に印字(表示)するためのデータをオーバーレイすることにより帳票を生成する帳票生成システムにおいて、前記フォームデータに対して、権限・役割毎にフォームデータにより定義される帳票に対する加工情報を定義した権限定義情報を記憶する記憶手段と、帳票作成を要求したユーザの権限・役割を示す情報,前記記憶手段に記憶される権限定義情報,前記帳票に印字(表示)するデータの内容に基づいて、帳票に出力される内容を加工して帳票を生成する生成手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、管理負担を増大させることなく、ユーザの権限及び各データの内容または性質、さらにフォームファイルに定義されたデータ加工範囲から機密重要度を判断し、適切な人に適切な帳票の出力環境を提供することにより、セキュリティを保護することができる。
【0019】
また、従来の帳票生成システムのように、ユーザ毎のフォームとデータをそれぞれ作成する必要がなく、一つのフォームとデータを使用してユーザの権限に応じ、データの特性を考慮した内容の帳票出力を実現することができるため、管理コストの軽減及び帳票レイアウト修正時の作業負荷を軽減することができる。
【0020】
さらに、当初想定していなかったユーザや例外的なユーザが発生した場合にも、定義情報を更新することなく帳票を生成することができ、保守・運用段階における例外的なユーザの発生時にも、速やかにセキュリティ保護対応を行うことが可能となる。
【0021】
また、帳票上の特定の項目をユーザの権限に応じて非表示にする場合、それに連動して関連項目も非表示にすることができる。
【0022】
さらに、作業負荷をかけることなく、本番環境で出力されたデータと同じ桁数、または同様の編集方法で加工された擬似データを出力し、セキュリティを確保することができる。
【0023】
また、フォームとデータの管理コスト軽減するため、1つのフォームとデータを利用し、ユーザの権限に応じてフォームとフィールドを同時に非表示にすることができる等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す帳票生成システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図1において、11はネットワークである。12は例えば役割Aを持つユーザでログインしているクライアント端末である。13は例えば役割Bを持つユーザでログインしているクライアント端末である。
【0026】
14は帳票生成サーバであり、実際の帳票生成を行う帳票印刷プログラムを実行する情報処理装置である。15はDBサーバ(データベースサーバ)であり、帳票データを格納管理する。
【0027】
役割Aを持つユーザでログインしているクライアント端末12,役割Bを持つユーザでログインしているクライアント端末13は、ネットワーク11を介して、帳票生成サーバ14とデータの送受信が可能である。
【0028】
なお、帳票生成サーバ14は、負荷分散のため、ネットワーク11上に複数存在していてもよい。また、クライアント端末も12,13にかぎられるものではなく、さらに存在していてもよい。
【0029】
なお、ネットワーク11上に接続されている各種端末の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0030】
次に、図1に示した帳票生成サーバ14のハードウェア構成について図2を用いて説明する。
【0031】
図2は、図1に示した帳票生成サーバ14のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0032】
図2において、11はCPUであり、システムバス20に接続される各デバイスを統括的に制御する。22はROMである。23はRAMであり、CPU21の主メモリ、ワークエリア、一時退避領域等として機能する。
【0033】
24は外部記憶装置(HD)であり、CPU21の制御プログラムであるオペレーティングシステム(OS)や各種プログラム(本帳票生成システムの後述する各種機能を実現するためのプログラム等)や各種データが記憶されている。この外部記憶装置(HD)24としては、ハードディスク(HD)等が挙げられる。
【0034】
なお、外部記憶装置(HD)24に記憶される各種プログラムは、必要に応じてRAM23にロードされることによりCPU21によって実行されるものである。また、後述するフォームファイルやデータファイル、各種定義ファイル等は、図1に示したDBサーバ15に格納されていても、外部記憶装置(HD)24に格納されていてもよい。
【0035】
25は通信I/Fコントローラであり、ネットワーク11を介して外部機器との通信制御処理を実行する。例えば、ページプリンタがネットワークを介して存在する場合は、この通信制御処理を担当する。
【0036】
26は外部記憶装置(メモリ)であり、帳票生成サーバプログラムのメモリとして利用される。この外部記憶装置(メモリ)26としては、シリコンディスク等が挙げられる。
【0037】
27,28はページプリンタ装置であり、ページプリンタ装置27,28はハードウェア上に存在していても、所定のインタフェース(例えば、USB、セントロニクス等)を介して、情報処理装置と接続される構成であっても、ネットワーク11を介して情報処理装置と接続される構成であってもよい。
【0038】
なお、図1に示した各クライアント端末12,13、DBサーバ15の各ハードウェア構成も、図2に示した帳票生成サーバ14の構成と同様である。
【0039】
以下、図3を参照して、図1に示した帳票生成システムの基本的な処理について説明する。
【0040】
図3は、本発明の帳票生成システムにおける第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、本実施形態の帳票生成システムの基本的な処理に対応する。なお、図中、ステップS301〜S303は、図1に示したクライアント端末12,13等により実行される処理に対応し、クライアント端末12,13のCPUが外部記憶装置に格納されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。また、ステップS304〜S314は、図1に示した帳票生成サーバ14により実行される処理に対応し、帳票生成サーバ14のCPU21が外部記憶装置に格納されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。
【0041】
まず、クライアント端末12のCPUは、ある役割(権限)を持つユーザによる入力されたログイン情報を受け取ると(S301)、ステップS302において、該入力されたログイン情報を、一般的なログインシステム(又は帳票生成システムでもよい)に送信してユーザの役割・権限の付与を受ける。
【0042】
次に、ステップS303において、クライアント端末12のCPUは、ユーザから帳票生成指示(生成する帳票のフォームファイル情報,データファイル情報を含む)が入力されると、帳票生成サーバ14に、帳票生成要求を送信する。なお、帳票生成要求には、要求したクライアントのユーザの権限・役割名,フォームファイル名,データファイル名等を含む。
【0043】
帳票生成サーバ14のCPU21は、クライアント端末12から送信された帳票生成要求を受信すると(S304)、RAM23上の要求変数テーブル(図4)を確保し、該受信した帳票生成を要求内に含まれるクライアントのユーザの権限・役割名をRAM23上の要求変数テーブルに格納する(S305)。
【0044】
次に、ステップS306において、帳票生成サーバ14のCPU21は、受信した帳票生成を要求内に含まれるフォームファイル名に基づいてDBサーバ15からフォームファイル1010(図5)を取得(準備)し、そして、該フォームファイル名をRAM23上の要求変数テーブルに格納する(S307)。
【0045】
次に、帳票生成サーバ14のCPU21は、受信した帳票生成を要求内に含まれるデータファイル名に基づいてDBサーバ15からデータファイル1000(図5)を取得(準備)し(S308)、該データファイル名をRAM23上の要求変数テーブルに格納する(S309)。
【0046】
次に、帳票生成サーバ14のCPU21は、フォームファイル名に基づいてDBサーバ15から権限定義ファイル(図6a,図6b)を取得(準備)し(S310)、該権限定義ファイル名をRAM23上の要求変数テーブルに格納する(S311)。
【0047】
次に、帳票生成サーバ14のCPU21は、例外的ユーザの加工エリア指定がなされている場合には、例外的ユーザによる加工エリア指定を促す画面(不図示)を表示し、該指定される加工エリア指定情報を取得(準備)し(S312)、該例外的ユーザの加工エリア指定情報をRAM23上の要求変数テーブルに格納する(S313)。
【0048】
なお、「例外的ユーザ」とは、上記権限定義ファイル内で加工情報が定義されている権限・役割を有するユーザ以外のユーザ(例えば、"guest"ユーザ等)を示す。また、「例外的ユーザの加工エリア指定情報」とは、上記例外的ユーザが、本帳票生成システムを使用したい場合、該例外的ユーザが帳票生成要求を行った際に指定するデータ加工定義情報に対応する。なお、「例外的ユーザの加工エリア指定情報」は、データ加工エリアと加工方法から構成され、複数指定可能である。例えば、データ加工エリアとして座標「(400,400)-(420,450)」、加工方法として「非表示」等を設定可能である(後述する図6a,図6bに示す権限定義ファイルと同様のデータ加工エリア,加工方法を指定可能である)。
【0049】
なお、ここでは、例外的ユーザ自身が例外的ユーザの加工エリアを指定する場合について説明したが、例外的ユーザの加工エリア指定情報を、予め管理者が作成し、帳票生成サーバ14の外部記憶装置24又はDBサーバ15に格納しておいてもよい。
【0050】
次に、ステップS314において、帳票生成サーバ14のCPU21は、権限定義ファイルを利用したオーバーレイ処理(図8)を実行して帳票の生成を行い、処理を終了する。
【0051】
以下、図4〜図7を参照して、上述した要求変数テーブル,データファイル,フォームファイル,権限定義解析結果テーブルについて説明する。
【0052】
図4は、本実施形態における要求変数テーブルの一例を示す図であり、この要求変数テーブルが帳票生成サーバ14のCPU21によりRAM23内に確保される。
【0053】
図4に示すように、701はフォームファイル名格納エリアであり、フォームファイル名を格納するために使用される(図3のステップS307で格納される)。702はデータファイル情報格納エリアであり、データファイルの情報を格納するために使用される(図3のステップS309で格納される)。
【0054】
703は権限定義ファイル情報格納エリアであり、権限定義ファイルの情報を格納するために使用される(図3のステップS311で格納される)。704は生成ユーザ役割・権限情報格納エリアであり、権限・役割の情報を格納するために使用される(図3のステップS305で格納される)。
【0055】
705は例外的ユーザのデータ加工エリア情報格納エリアであり、例外的ユーザのデータ加工エリア・加工方法を格納するために使用される(図3のステップS313で格納される)。
【0056】
図5は、本実施形態におけるデータファイル,フォームファイルを例示した図である。
【0057】
図5において、1000は機密情報が記載されたCVS形式のデータファイル、1010はデータファイル1000対応するフォームファイルを示す。
【0058】
データファイル1000の「顧客連絡先」項目の各データは、先頭に機密重要度フラグ('!')が付加されており、機密情報となっている。
【0059】
フォームファイル1010には、各フィールドの名称/印字位置/属性(データタイプ,桁数等)と共にフィールドの定義順序が格納されており、CVSファイルの先行項目から順に(1001,1002,1003,1004の順に)各フィールドにマップされる。
【0060】
例示した図5のフォームファイル1010での、各フィールドの定義順序は下記の通りである。
【0061】
フィールド1005は、定義順序「1」,名称「顧客名」,データタイプ「文字列」と定義されている。フィールド1006は、定義順序「2」,名称「顧客連絡先」,データタイプ「電話番号」と定義されている。フィールド1007は、定義順序「3」,名称「明細行の商品名」,データタイプ「文字列」と定義されている。フィールド1008は、定義順序「4」,名称「明細行の金額」,データタイプ「通貨」,桁数「4桁」と定義されている。フィールド1009は、名称「合計金額」,データタイプ「フィールド1008(明細行の金額)を集計した合計金額」,桁数「6桁」と定義されている。
【0062】
即ち、顧客名データ1001は、フォームファイル1010のフィールド定義順序に従い、フィールド1005(顧客名)にマップされる。顧客連絡先データ1002は、フォームファイル1010のフィールド定義順序に従い、フィールド1006(顧客連絡先)にマップされる。なお、顧客連絡先データ1002は機密情報である事を示す"!"が付加されたデータ(機密データ)であるため、機密情報はALL権限を持ったユーザのみ印刷(表示)可能となる。
【0063】
商品名データ1003は、フォームファイル1010のフィールド定義順序に従い、フィールド1007(明細行の商品名)にマップされる。金額データ1004は、フォームファイル1010のフィールド定義順序に従い、フィールド1008(明細行の金額)にマップされる。また、フィールド1008(明細行の金額)を集計した合計金額がフォーム1009にマップされる。
【0064】
図6a,図6bは、本実施形態における権限定義ファイルを説明する図であり、図6aは権限定義ファイルの説明に対応し、図6bは実際の権限定義ファイルの例示に対応する。
【0065】
なお、権限定義ファイルは、帳票のフォーム情報毎にDBサーバ15に保持されるものである。
【0066】
図6a,図6bに示すように、権限定義ファイルは、定義部を示す情報(801a〜806a)と、定義部の意味を示す情報(801b〜806b)から構成される複数の権限定義情報801〜806で構成される。
【0067】
権限定義情報801は、権限"管理職"を定義しており、ALL指定により、全表示することを示している。権限定義情報802は、権限"営業職"を定義しており、データ加工エリア1において、座標(400,400)-(420,450)を非表示(非印字)にすることを指定している。
【0068】
権限定義情報803は、権限"一般職1"を定義しており、データ加工エリア1において、[営業職]で指定したデータ加工エリアを継承している。また、データ加工エリア2において、座標(200,200)-(300,350)を非表示(非印字)にすることを指定している。
【0069】
権限定義情報804は、権限"一般職2"を定義しており、データ加工エリア1において、"Synchro"指定により、[営業職]で指定した領域及びその関連項目も連動して非表示にすることを指定している。
【0070】
権限定義情報805は、権限"一般職3"を定義しており、データ加工エリア1において、"Imitation"指定により、座標(400,400)-(420,450)に擬似データの表示を指定している。権限定義情報806は、権限"一般職4"を定義しており、データ加工エリア1において、"Imitation"・"Synchro"指定により、座標(400,400)-(420,450)及びその関連項目に擬似データの表示を指定している。
【0071】
図7は、実施形態における権限定義解析結果テーブルの一例を示す図である。
【0072】
図7に示すように、権限定義解析結果テーブルは、複数のデータ加工定義(1)〜(n)を格納可能である。
【0073】
各データ加工定義は、データ加工エリア901,加工方法902を格納可能である。データ加工エリア901は、帳票生成ユーザの権限に応じたデータ加工エリア(座標)を格納するためのものである。加工方法902は、帳票生成ユーザの権限に応じた、データ加工方法を格納するためのものである。
【0074】
なお、本図では、帳票の生成ユーザが「一般職1」である場合を示している。即ち、データ加工定義(1)のデータ加工エリア901,加工方法902には、権限定義ファイル(図6a,図6b)の803に対応するデータ加工エリア1に対応する<営業職>に対応するデータ加工エリア1の座標「(400,400)-(420,450)」,加工方法「非表示」が格納されている。また、データ加工定義(2)のデータ加工エリア901,加工方法902には、権限定義ファイル(図6a,図6b)の803に対応するデータ加工エリア2の座標「(200,200)-(300,350)」,加工方法「非表示」が格納されている。
【0075】
以下、図8のフローチャートを参照して、図3のステップS314に示したオーバーレイ処理について説明する。
【0076】
図8は、本発明の帳票生成システムにおける第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図3のステップS314に示したオーバーレイ処理に対応する。なお、図中、ステップS401〜S416は、図1に示した帳票生成サーバ14により実行される処理に対応し、帳票生成サーバ14のCPU21が外部記憶装置に格納されたプログラムをRAM23に読み出して実行することにより実現される。
【0077】
まず、ステップS401において、帳票生成サーバ14のCPU21は、RAM内の要求変数テーブル(図4)に格納されたフォームファイル名701及びデータファイル名702を抽出してフォームファイル及びデータファイルを解析する。詳細には、フォームファイル及びデータファイルを読み込み、形式チェック、論理チェック及び整合性をチェックした後、フォームファイルとデータファイルで定義されている情報をメモリ上に展開する。
【0078】
次に、ステップS402において、帳票生成サーバ14のCPU21は、RAM内の要求変数テーブルに格納されたユーザの役割・権限名704、権限定義ファイル名703、例外的ユーザの加工エリア情報705を抽出して解析する(詳細は図9に示す)。この権限定義解析処理により、情報が権限定義解析結果テーブル(図7)に格納される。
【0079】
次に、ステップS403において、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS401で解析した情報を参照し、データファイル内のデータを描画対象データとして一つ取得し、フォームと描画対象データのオーバーレイ処理を行う。詳細には、フォームファイルで定義されたフィールドとデータファイルで定義された描画対象データのマッピングを行う。
【0080】
次に、ステップS404において、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS401で解析したデータファイル情報を参照し、描画対象データの先頭に機密重要度フラグ('!')が付加されているか否かにより機密重要度が高いか否かを判定する。図5に示すデータファイルの例では、顧客連絡先1002の各データの先頭に、'!'が付加されている。
【0081】
そして、ステップS404で、帳票生成サーバ14のCPU21は、描画対象データは機密重要度が高いと判定した場合には、ステップS405において、描画対象データの読み捨て処理を行う。そして、ステップS408に処理を進める。
【0082】
次に、ステップS408において、帳票生成サーバ14のCPU21は、データファイル内の全てのデータについて処理を終了したか否かを判定し、終了したと判定した場合には、そのまま処理を終了する。
【0083】
一方、ステップS408で、帳票生成サーバ14のCPU21が、データファイル内の全てのデータについて未だ処理を終了していないと判定した場合には、ステップS403に処理を戻し、次のデータの処理を行う。
【0084】
一方、ステップS404で、帳票生成サーバ14のCPU21が、描画対象データは機密重要度が高くないと判定した場合には、ステップS406において、ステップS402で解析された権限定義解析結果テーブル(図7)を参照し、描画対象データがデータ加工対象の矩形座標範囲に含まれるか否かを判定する。
【0085】
そして、ステップS406で、帳票生成サーバ14のCPU21が、描画対象データがデータ加工対象の矩形座標範囲に含まれていないと判定した場合には、ステップS407において、帳票生成サーバ14のCPU21は、描画対象データの描画処理を行う。そして、ステップS408に処理を進める。なお、ユーザの権限が"ALL"権限の場合には、ステップS404,S406の判定は行わず、そのままステップS407に進み、データの描画処理を実行するものとする。
【0086】
一方、ステップS406で、帳票生成サーバ14のCPU21が、描画対象データがデータ加工対象の矩形座標範囲に含まれていると判定した場合には、ステップS409に処理を進める。
【0087】
そして、ステップS409において、帳票生成サーバ14のCPU21は、データ加工対象の矩形座標範囲内の描画データについて、上記ステップS402で解析された権限定義解析結果テーブル(図7)を参照し、データの加工方法が"非表示"か否かの判定を行う。
【0088】
そして、ステップS409で、帳票生成サーバ14のCPU21は、データの加工方法が"非表示"と判定した場合には、ステップS410において、データ加工対象の矩形座標内のデータ(フォーム上に描画されているフォーム図形、及び、データファイルからフィールドに表示するデータの双方)を捨てる処理を行い、ステップS408に処理を進める。
【0089】
一方、ステップS409で、帳票生成サーバ14のCPU21は、データの加工方法が"非表示"でないと判定した場合には、ステップS411に処理を進める。
【0090】
次に、ステップS411において、帳票生成サーバ14のCPU21は、データ加工対象の矩形座標範囲内の描画データについて、上記ステップS402で解析された権限定義解析結果テーブル(図7)を参照し、データの加工方法が"連動"("Synchro")か否かの判定を行う。
【0091】
そして、ステップS411で、データの加工方法が"連動"でない(即ち、データの加工方法が"擬似データ"("Imitation")である)と判定した場合には、ステップS415において、データの加工方法が"擬似データ"のデータについて、フォームファイルから対象データの桁数及び型の情報(フォームファイル内で定義されている)を取得する。
【0092】
そして、ステップS416において、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS415で取得した対象データの桁数及び型の情報を参照し、擬似データを生成して描画する処理を行い、ステップS408に処理を進める。
【0093】
一方、ステップS411で、データの加工方法が"連動"と判定した場合には、ステップS412において、帳票生成サーバ14のCPU21は、データの加工方法が"連動"のデータについて、ステップS401において解析したフォームファイル情報を参照し、関連項目の抜き出し処理を行う。
【0094】
次に、ステップS413において、帳票生成サーバ14のCPU21は、データの加工方法が"連動"のデータについて、上記ステップS402で解析された権限定義解析結果テーブル(図7)を参照し、データの加工方法に"擬似データ"が指定されているか否かの判定を行う。
【0095】
そして、ステップS413で、帳票生成サーバ14のCPU21は、データの加工方法が"擬似データ"が指定されていないと判定した場合には、ステップS414において、矩形座標範囲内の描画データ及びステップS412で抜き出した関連項目データについて、読み捨て処理を行い、ステップS408に処理を進める。
【0096】
一方、ステップS413で、帳票生成サーバ14のCPU21は、データの加工方法が"擬似データ"が指定されていると判定した場合には、ステップS415において、描画対象データ及びステップS412で抜き出した関連項目データについて、フォームファイルから対象データの桁数及び型の情報を取得する。
【0097】
そして、ステップS416において、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS415で取得した対象データの桁数及び型の情報を参照し、擬似データを生成して描画する処理を行い、ステップS408に処理を進める。
【0098】
以下、図9,図10を参照して、ステップS402の権限定義解析処理を詳細に説明する。
【0099】
図9は、本発明の帳票生成システムにおける第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図8のステップS402に示した権限定義解析処理に対応する。なお、図中、ステップS601〜S607は、図1に示した帳票生成サーバ14により実行される処理に対応し、帳票生成サーバ14のCPU21が外部記憶装置に格納されたプログラムをRAM23に読み出して実行することにより実現される。
【0100】
まず、ステップS601において、帳票生成サーバ14のCPU21は、RAM23の要求変数テーブル(図4)に格納された生成ユーザの役割・権限704の抽出を行う。
【0101】
次に、ステップS602において、帳票生成サーバ14のCPU21は、RAM23の要求変数テーブル(図4)に格納された権限定義ファイル名703を抽出し、権限定義ファイル(図6a,図6b)の読み込み処理を行う。
【0102】
次に、ステップS602において、帳票生成サーバ14のCPU21は、読み込んだ権限定義ファイルに権限定義部(図8の801a〜806aに示す)が存在するか否かの判定を行う。
【0103】
ステップS602で、読み込んだ権限定義ファイルに権限定義部(図6a,図6bの801a〜806aに示す)が存在すると判定した場合には、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS604において、権限定義解析結果格納処理(図10)を実行し、ステップS605に処理を進める。この権限定義解析結果格納処理により、権限定義ファイル(図6a,図6b)が解析され解析結果が権限定義解析結果テーブル(図7)へ格納される。
【0104】
一方、ステップS602で、読み込んだ権限定義ファイルに権限定義部(図6a,図6bの801a〜806aに示す)が存在しないと判定した場合には、帳票生成サーバ14のCPU21は、そのままステップS605に処理を進める。
【0105】
次に、ステップS605において、帳票生成サーバ14のCPU21は、図3のステップS313で要求変数テーブル(図4)に格納された例外的ユーザの加工エリア705の取得処理を行う。
【0106】
次に、ステップS606において、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS605で取得処理した例外的ユーザの加工エリア情報が存在するか否かを判定する。
【0107】
そして、ステップS606で、取得処理した例外的ユーザの加工エリア情報が存在すると判定した場合には、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS607において、権限定義解析結果格納処理(図10)を実行し、処理を終了する。この権限定義解析結果格納処理により、例外的ユーザの加工エリア705(図4)が解析され解析結果が権限定義解析結果テーブル(図7)へ格納される。
【0108】
一方、ステップS606で、取得処理した例外的ユーザの加工エリア情報が存在しないと判定した場合には、帳票生成サーバ14のCPU21は、そのままス処理を終了する。
【0109】
図10は、本発明の帳票生成システムにおける第4の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図9のステップS604,S607に示した権限定義解析結果格納処理に対応する。なお、図中、ステップS608〜S615は、図1に示した帳票生成サーバ14により実行される処理に対応し、帳票生成サーバ14のCPU21が外部記憶装置に格納されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。
【0110】
まず、ステップS608において、帳票生成サーバ14のCPU21は、権限定義ファイル(図8)または変数要求テーブル(図4)の例外的ユーザの加工エリア705に定義されている権限/権限名の取得処理を行う。
【0111】
次に、ステップS609において、帳票生成サーバ14のCPU21は、図9のステップS601で取得した生成ユーザの権限とステップS608で取得した権限定義部が一致するか否かの判定を行う。
【0112】
そして、ステップS609で、生成ユーザの権限と権限定義部が一致しないと判定した場合には、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS610に処理を進め、権限定義ファイル(図6a,図6b)または変数要求テーブル(図4)の例外的ユーザの加工エリア705に定義されている次の権限/権限名の取得処理を行う。
【0113】
次に、ステップS610で、帳票生成サーバ14のCPU21は、次の権限名が存在するか否かを判定し、次の権限名がしないと判定した場合には、そのまま処理を終了する。
【0114】
一方、ステップS610で、帳票生成サーバ14のCPU21は、次の権限名が存在すると判定した場合には、ステップS608に処理を戻す。
【0115】
一方、ステップS609で、生成ユーザの権限と権限定義部が一致すると判定した場合には、帳票生成サーバ14のCPU21は、権限定義ファイル(図6a,図6b)または変数要求テーブル(図4)からデータ加工エリア(座標)の取得処理を行う。
【0116】
次に、ステップS613において、帳票生成サーバ14のCPU21は、権限定義ファイル(図6a,図6b)または変数要求テーブル(図4)からデータ加工方法の取得処理を行う。
【0117】
次に、ステップS614において、帳票生成サーバ14のCPU21は、ステップS612,S613で取得したデータ加工エリア(座標),データ加工方法を権限定義解析結果テーブル(図7)のデータ加工エリア901,データ加工方法902への格納処理を行う。
【0118】
次に、ステップS615において、帳票生成サーバ14のCPU21は、次のデータ加工エリア指定が存在するか否かの判定を行い、次のデータ加工エリア指定が存在すると判定した場合には、ステップS612へ処理を戻し、S612〜S614の処理を繰り返す。
【0119】
一方、ステップS615で、次のデータ加工エリア指定が存在しないと判定した場合には、そのまま処理を終了する。
【0120】
以下、図11を参照して、本実施形態の帳票生成結果について説明する。
【0121】
図11は、権限定義ファイル設定に従って生成される帳票を例示した図である。
【0122】
帳票1201は、帳票の生成ユーザが「管理職」であり、権限定義ファイル(図6a,図6b)の権限定義情報801が適用されて生成された出力帳票に対応する。
【0123】
帳票1202は、帳票の生成ユーザが「営業職」であり、権限定義ファイル(図6a,図6b)の権限定義情報802が適用されて生成された出力帳票に対応する。帳票1202では、権限定義情報802に従い、(400,400)-(420,450)に対応する座標(ここでは「値引き」,「合計金額」を描画すべき座標)が非表示となっている。
【0124】
帳票1203は、帳票の生成ユーザが「一般職1」であり、権限定義ファイル(図6a,図6b)の権限定義情報803が適用されて生成された出力帳票に対応する。帳票1203では、権限定義情報803に従い、(400,400)-(420,450)及び(200,200)-(300,350)に対応する座標(ここでは「値引き」、「合計金額」及び「顧客名」を描画すべき座標)が非表示となっている。
【0125】
帳票1204は、帳票の生成ユーザが「一般職2」であり、権限定義ファイル(図6a,図6b)の権限定義情報804が適用されて生成された出力帳票に対応する。帳票1204では、権限定義情報804に従い、(400,400)-(420,450)に対応する座標(「値引き」、「合計金額」を描画すべき座標)とそれに関連する項目(ここでは「合計金額」の算出元である「明細の金額」)を描画すべき座標が非表示となっている。
【0126】
帳票1205は、帳票の生成ユーザが「一般職3」であり、権限定義ファイル(図6a,図6b)の権限定義情報805が適用されて生成された出力帳票に対応する。帳票1205では、権限定義情報805に従い、(400,400)-(420,450)に対応する座標(「値引き」、「合計金額」を描画すべき座標)に擬似データ(ここでは、内部的に発生させた乱数の羅列)を表示している。
【0127】
帳票1206は、帳票の生成ユーザが「一般職4」であり、権限定義ファイル(図6a,図6b)の権限定義情報804が適用されて生成された出力帳票に対応する。帳票1205では、権限定義情報805に従い、(400,400)-(420,450)に対応する座標(「値引き」、「合計金額」を描画すべき座標)及びその関連項目(ここでは「明細の金額」)を描画すべき座標に乱数の羅列を表示している。
【0128】
以下、図12を参照して、本実施形態における権限定義ファイル作成画面について説明する。
【0129】
図12は、本実施形態における権限定義ファイル作成画面の一例を示す図であり、パーソナルコンピュータ等(帳票生成サーバ14でもよい)により実行される権限定義ファイル作成プログラムにより表示される。
【0130】
まず、権限定義ファイル作成プログラムは、権限定義ファイルの基礎となるフォームファイルが指定されると、該フォームファイルをDBサーバ15から取得する。そして、権限定義ファイル作成プログラムは、フォームファイルを開き、権限名(例えば、"管理職")の指定を受け付ける。
【0131】
そして、権限名が指定されると、権限定義ファイル作成プログラムは、メモリ上に"管理職"権限の権限定義情報を追加し、定義部に該指定された権限名を設定する。即ち、ここで設定した権限名が、権限定義ファイルの定義部(図6a,図6bの801a〜806a)の名称となる。
【0132】
さらに、権限定義ファイル作成プログラムは、"管理職"権限の加工シート1104を表示し、該加工シート上にフォームの情報1101を表示し、該フォームへの加工指示を受け付ける。
【0133】
この加工指示は、フォーム上のデータ加工を行いたい領域(データ加工エリア)をマウスなどのポインタデバイスで選択し、"非表示","擬似データ表示","連動"等(データ加工方法)を指定することにより、行うことができる。
【0134】
そして、権限定義ファイル作成プログラムは、指定されたデータ加工エリア,データ加工方法を、該当する権限定義情報内に追加する。
【0135】
また、「権限名追加」ボタン1110が指示されて権限名の追加指示がなされると、権限定義ファイル作成プログラムは、追加指示された権限名(例えば"営業職")の加工シート(1105)を追加し、該加工シート上に一つ前の権限の加工エリア情報を含むフォームの情報(1102)を表示し、該フォームへの加工指示を受け付ける。
【0136】
なお、権限名の並びは、"管理職"→"一般職"へと、権限の少ない方向へ遷移するものとする。
【0137】
また、各加工シート1104〜1109は、レイヤー構造を有し、例えば"管理職"加工シート1104が、選択された状態では、フォーム情報1101のみが表示され、加工可能となる。また、各加工シート1105が、選択された状態では、フォーム情報1102のみが表示され、加工可能となる。さらに、各加工シート1106が、選択された状態では、フォーム情報1103のみが表示され、加工可能となる。
【0138】
そして、「作成ボタン」1101が指示されると、権限定義ファイル作成プログラムは、権限定理ファイル作成画面で設定された各権限定義情報に基づいて、図6a,図6bに示したような権限定義ファイルを作成する。
【0139】
なお、「キャンセル」1101が指示されると、権限定義ファイル作成プログラムは、権限定義ファイルを作成することなく、権限定理ファイル作成画面を終了する。
【0140】
なお、権限定義ファイル作成プログラムは、例えば、マイクロソフト社のExcel(商標登録)を用いて(例えば、Excel(商標登録)にアドインするプログラム等により)、実現するように構成してもよい。
【0141】
また、権限定義ファイルは、上述したような権限定義ファイル作成プログラムにより作成されるのみでなく、テキストエディタ等により、作成するよう構成してもよいことはいうまでもない。
【0142】
以上示したように、ユーザの権限及び各データの内容または性質、さらにフォームファイルに定義されたデータ加工範囲から機密重要度を判断し、適切な人に適切な帳票の出力環境を提供することにより、セキュリティを保護することができる。
【0143】
また、当初想定していなかったユーザや例外的なユーザが発生した場合にも、定義情報を更新することなく帳票を生成することができる。
【0144】
さらに、帳票上の特定の項目をユーザの権限に応じて非表示にする場合、それに連動して関連項目も非表示にすることができる。
【0145】
また、作業負荷をかけることなく、本番環境で出力されたデータと同じ桁数、または同様の編集方法で加工された擬似データを出力し、セキュリティを確保することができる。
【0146】
さらに、フォームとデータの管理コスト軽減するため、1つのフォームとデータを利用し、ユーザの権限に応じてフォームとフィールドを同時に非表示にすることができる。
【0147】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、図6a,図6bに示したような権限定義ファイルをフォーム毎に準備する構成について説明したが、本実施形態では、フォームファイル内に権限定義情報を含めるように構成してもよい。
【0148】
以下、図13のフローチャートを参照して、本実施形態のオーバーレイ処理について説明する。
【0149】
図13は、本発明の帳票生成システムにおける第5の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図3のステップS314に示したオーバーレイ処理に対応する。なお、図中、ステップS401,S501,S403〜S416は、図1に示した帳票生成サーバ14により実行される処理に対応し、帳票生成サーバ14のCPU21が外部記憶装置に格納されたプログラムをRAM23に読み出して実行することにより実現される。また、図8と同一のステップには同一のステップ番号を付してある。
【0150】
ステップS401の要求変数解析処理が終了すると、ステップS501において、帳票生成サーバ14のCPU21は、RAM内の要求変数テーブルに格納されたユーザの役割・権限名704及びステップS401で解析したフォームファイル情報より、データ加工エリアの座標及び加工方法を取得し、権限定義解析結果テーブル(図7)のデータ加工エリア901,加工方法902へ格納する。
【0151】
さらに、変数要求テーブル(図4)の例外的ユーザの加工エリア705からも、データ加工エリアの座標及び加工方法を取得し、権限定義解析結果テーブル(図7)のデータ加工エリア901,加工方法902へ格納する。
【0152】
そして、ステップS501の処理が終了すると、ステップS403に処理を進める。以下、図8と同様なので説明は省略する。
【0153】
なお、本実施形態の場合も、図12に示した権限定義ファイル作成プログラムにより各権限定義を設定し、該権限定義情報を、フォームファイル内に格納するものとする。
【0154】
以上示したように、本発明によれば、ユーザの権限及び特定の位置(項目等)に表示されるデータの内容または性質、さらにフォームファイルに対応して設定したデータ加工範囲指定の内容に応じて出力内容を変化させることができ、ユーザは煩雑な作業を行うことなく、容易に、機密情報を保護することが可能となる。
【0155】
また、従来の帳票生成システムのように、ユーザ毎のフォームとデータをそれぞれ作成する必要がなく、一つのフォームとデータを使用してユーザの権限に応じ、データの特性を考慮した内容の帳票出力を実現することができるため、管理コストの軽減及び帳票レイアウト修正時の作業負荷を軽減することが可能となる。
【0156】
ところで、権限定義ファイルに定義されていないユーザ(例外的ユーザ)が帳票を生成する場合にも、帳票の生成時に、データ加工エリアを指定することが可能であるため、権限定義ファイルを修正することなく、ユーザに適した帳票を生成することが可能である。
【0157】
なお、上記例外的ユーザが帳票を生成する際に、管理者より権限付与ファイル等を発行してもらい、テンポラリの権限を付与してもらって、該権限付与ファイルを帳票生成要求とともに帳票生成サーバ14に送信して、帳票を生成可能に構成してもよい。なお、上記権限付与ファイルには、有効期限情報,権限名等が含まれ、且つ暗号化されているものとする。
【0158】
従って、保守・運用段階における例外的なユーザの発生時にも、速やかにセキュリティ保護対応を行うことが可能となる。
【0159】
また、帳票上の特定の項目と深い関連を持つ項目が複数存在する場合、例えば見積書明細行に金額欄を持ち、合計行にその合計金額を出力する帳票において、権限定義ファイルに固定のキーワードを指定することにより、合計行の合計金額に関連する明細行の金額欄も非表示にすることを可能としており、少ない作業量で、より高いセキュリティレベルを実現することが可能である。このため、ミス等によって、非表示の指定を忘れてしまった場合でも、関連項目を非表示にすることができ、ミスによる情報漏洩を回避することが可能である。
【0160】
一方で、サンプル帳票を出力する場合、例えば外部のシステム会社などに現状で使用している帳票のレイアウトを提示する場合などに、権限定義ファイルに固定のキーワードを指定することにより、本番環境で使用されたデータに手を加えることなく、本番と同様の帳票を生成することが可能となる。
【0161】
これにより、帳票としての鮮度を保ったまま、また人手に頼ることなく、セキュリティ保護に対応したサンプル帳票を即座に出力することが可能となる。
【0162】
さらに、権限定義ファイル設定エディタ(図12に示した権限定義ファイル作成プログラム)上で、マウスなどのポインタデバイスでの選択により、座標でのデータ加工エリア指定を実現しており、ユーザの権限に応じて、フォームとフィールドを同時に加工対象にすることが可能となる。これにより、加工エリアや加工方法の指定が容易になり、管理者負担を軽減することが可能となる。
【0163】
なお、上述して各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0164】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0165】
以下、図14に示すメモリマップを参照して本発明に係る帳票生成システムを構成する帳票生成サーバ14,クライアント端末12,13で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0166】
図14は、本発明に係る帳票生成システムを構成する帳票生成サーバ14,クライアント端末12,13で読み取り(読み出し)可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【0167】
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0168】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0169】
本実施形態における図3,図8,図9,図10,図13に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0170】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0171】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0172】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0173】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0174】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0175】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0176】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0177】
なお、上記実施形態で示した各変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】本発明の第1実施形態を示す帳票生成システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示した帳票生成サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の帳票生成システムにおける第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態における要求変数テーブルの一例を示す図であり、この要求変数テーブルが帳票生成サーバ14のCPU21によりRAM23内に確保される。
【図5】本実施形態におけるデータファイル,フォームファイルを例示した図である。
【図6a】本実施形態における権限定義ファイルを説明する図である。
【図6b】本実施形態における権限定義ファイルを説明する図である。
【図7】実施形態における権限定義解析結果テーブルの一例を示す図である。
【図8】本発明の帳票生成システムにおける第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の帳票生成システムにおける第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の帳票生成システムにおける第4の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】権限定義ファイル設定に従って生成される帳票を例示した図である。
【図12】本実施形態における権限定義ファイル作成画面の一例を示す図である。
【図13】本発明の帳票生成システムにおける第5の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る帳票生成システムを構成する帳票生成サーバ,クライアント端末で読み取り(読み出し)可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0179】
11 ネットワーク
12 役割Aクライアント端末
13 役割Bクライアント端末
14 帳票生成サーバ
15 DBサーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票レイアウトを定義したフォームデータと帳票に印字(表示)するための第1のデータをオーバーレイすることにより帳票を生成する帳票生成システムにおいて、
前記フォームデータに対して、権限・役割毎にフォームデータにより定義される帳票に対する加工情報を定義した権限定義情報を記憶する記憶手段と、
帳票作成を要求したユーザの権限・役割を示す情報,前記記憶手段に記憶される権限定義情報,前記帳票レイアウトとオーバーレイする前記データの内容に基づいて、帳票に出力される内容を加工して帳票を生成する生成手段と、
を有することを特徴とする帳票生成システム。
【請求項2】
前記生成手段は、前記帳票レイアウトとオーバーレイする前記データに所定のデータが付加されていた場合には、ユーザの権限・役割を示す情報が所定の権限・役割に対応する場合にのみ、出力可能とすることを特徴とする請求項1記載の帳票生成システム。
【請求項3】
前記加工情報は、前記フォームデータにより定義される帳票内の加工領域,該加工領域に施す加工方法の指定情報を1又は複数含むことを特徴とする請求項1又は2記載の帳票生成システム。
【請求項4】
前記加工方法は、前記加工領域に対応する領域を非表示にする加工方法を含むことを特徴とする請求項3記載の帳票生成システム。
【請求項5】
前記加工方法は、前記加工領域に含まれる項目のデータを擬似データに変更する加工方法を含むことを特徴とする請求項3記載の帳票生成システム。
【請求項6】
前記擬似データは、前記フォームデータ内で定義された、前記加工領域に含まれる項目のデータタイプ,桁数に応じた擬似データであることを特徴とする請求項5記載の帳票生成システム。
【請求項7】
前記加工方法は、前記加工領域に含まれる項目に関連する項目が前記フォームデータ内に定義されている場合、該関連する項目のデータも連動して加工対象にする加工方法を含むことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の帳票生成システム。
【請求項8】
前記権限定義情報は、前記フォームデータに含まれることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の帳票生成システム。
【請求項9】
前記権限定義情報内で前記加工情報が定義されている権限・役割を有するユーザ以外の例外的なユーザが帳票作成の要求を行う場合、該帳票生成要求時にフォームデータに対する加工情報の指定を可能にする指定手段を有し、
前記生成手段は、前記指定手段により指定された前記加工情報,前記帳票レイアウトとオーバーレイする前記データの内容に基づいて、帳票に出力される内容を加工して帳票を生成することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の帳票生成システム。
【請求項10】
前記フォームデータに対して、権限・役割を指定して、該指定した権限・役割毎に、前記フォームデータにより定義される帳票に対する加工情報を指定して、該指定情報に基づいて前記権限定義情報を生成する権限定義情報生成手段を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の帳票生成システム。
【請求項11】
帳票レイアウトを定義したフォームデータと帳票に印字(表示)するためのデータをオーバーレイすることにより帳票を生成する帳票生成方法において、
前記フォームデータに対して、権限・役割毎にフォームデータにより定義される帳票に対する加工情報を定義した権限定義情報を予め記憶手段に記憶設定させておく設定ステップと、
帳票作成を要求したユーザの権限・役割を示す情報,前記記憶手段に記憶される権限定義情報,前記帳票レイアウトとオーバーレイする前記データの内容に基づいて、帳票に出力される内容を加工して帳票を生成する生成ステップと、
を有することを特徴とする帳票生成方法。
【請求項12】
請求項11に記載された帳票生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項11に記載された帳票生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータが読み取り可能に記憶した記録媒体。
【請求項1】
帳票レイアウトを定義したフォームデータと帳票に印字(表示)するための第1のデータをオーバーレイすることにより帳票を生成する帳票生成システムにおいて、
前記フォームデータに対して、権限・役割毎にフォームデータにより定義される帳票に対する加工情報を定義した権限定義情報を記憶する記憶手段と、
帳票作成を要求したユーザの権限・役割を示す情報,前記記憶手段に記憶される権限定義情報,前記帳票レイアウトとオーバーレイする前記データの内容に基づいて、帳票に出力される内容を加工して帳票を生成する生成手段と、
を有することを特徴とする帳票生成システム。
【請求項2】
前記生成手段は、前記帳票レイアウトとオーバーレイする前記データに所定のデータが付加されていた場合には、ユーザの権限・役割を示す情報が所定の権限・役割に対応する場合にのみ、出力可能とすることを特徴とする請求項1記載の帳票生成システム。
【請求項3】
前記加工情報は、前記フォームデータにより定義される帳票内の加工領域,該加工領域に施す加工方法の指定情報を1又は複数含むことを特徴とする請求項1又は2記載の帳票生成システム。
【請求項4】
前記加工方法は、前記加工領域に対応する領域を非表示にする加工方法を含むことを特徴とする請求項3記載の帳票生成システム。
【請求項5】
前記加工方法は、前記加工領域に含まれる項目のデータを擬似データに変更する加工方法を含むことを特徴とする請求項3記載の帳票生成システム。
【請求項6】
前記擬似データは、前記フォームデータ内で定義された、前記加工領域に含まれる項目のデータタイプ,桁数に応じた擬似データであることを特徴とする請求項5記載の帳票生成システム。
【請求項7】
前記加工方法は、前記加工領域に含まれる項目に関連する項目が前記フォームデータ内に定義されている場合、該関連する項目のデータも連動して加工対象にする加工方法を含むことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の帳票生成システム。
【請求項8】
前記権限定義情報は、前記フォームデータに含まれることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の帳票生成システム。
【請求項9】
前記権限定義情報内で前記加工情報が定義されている権限・役割を有するユーザ以外の例外的なユーザが帳票作成の要求を行う場合、該帳票生成要求時にフォームデータに対する加工情報の指定を可能にする指定手段を有し、
前記生成手段は、前記指定手段により指定された前記加工情報,前記帳票レイアウトとオーバーレイする前記データの内容に基づいて、帳票に出力される内容を加工して帳票を生成することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の帳票生成システム。
【請求項10】
前記フォームデータに対して、権限・役割を指定して、該指定した権限・役割毎に、前記フォームデータにより定義される帳票に対する加工情報を指定して、該指定情報に基づいて前記権限定義情報を生成する権限定義情報生成手段を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の帳票生成システム。
【請求項11】
帳票レイアウトを定義したフォームデータと帳票に印字(表示)するためのデータをオーバーレイすることにより帳票を生成する帳票生成方法において、
前記フォームデータに対して、権限・役割毎にフォームデータにより定義される帳票に対する加工情報を定義した権限定義情報を予め記憶手段に記憶設定させておく設定ステップと、
帳票作成を要求したユーザの権限・役割を示す情報,前記記憶手段に記憶される権限定義情報,前記帳票レイアウトとオーバーレイする前記データの内容に基づいて、帳票に出力される内容を加工して帳票を生成する生成ステップと、
を有することを特徴とする帳票生成方法。
【請求項12】
請求項11に記載された帳票生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項11に記載された帳票生成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータが読み取り可能に記憶した記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−172006(P2007−172006A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−364228(P2005−364228)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】
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