説明

幕板付きテーブル

【課題】重量が著しく増大する事態や管理コストの負担が増大する事態を招来することなく天板の姿勢を変更すること。
【解決手段】天板20を脚体10に対して水平軸回りに回転可能に支持させるとともに、天板20の下面に水平方向に沿って支持軸部材43を支持させ、幕板30の内表面に水平方向に沿って外側突条部32及び内側突条部33を一体に形成するとともに、外側突条部32及び内側突条部33に対して幕板30から離隔する方向の移動を規制した状態でブロック部材50を外側突条部32及び内側突条部33の延在方向に沿ってスライド可能に配設し、ブロック部材50に対して支持軸部材43を回転可能に支持させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板の奥側下方部に幕板を備えた幕板付きテーブルに関するもので、より詳細には、脚体に対して天板を使用時と不使用時とで姿勢を変更することのできる幕板付きテーブルの幕板支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
幕板付きテーブルには、脚体に対して天板が水平軸回りに回転可能に支持され、使用時と不使用時とで天板の姿勢を変更できるように構成したものが既に提供されている。この種の幕板付きテーブルでは、幕板の上端部が天板の下面に対して水平軸回りに回転可能となるように支持されており、天板に対して幕板の姿勢を変更することが可能である。具体的には、幕板及び天板の双方にネジによって取付片が取り付けられ、かつこれらの取付片の間に回転軸部材が設けられており、幕板側の取付片と天板側の取付片とが回転軸部材を中心に相対的に回転可能に支持されている。
【0003】
こうした支持構造を適用することにより、幕板が脚体等の他の部品と干渉することなく天板の姿勢を変更することのできる幕板付きテーブルを提供することが可能となる。この幕板付きテーブルによれば、天板を水平方向に沿った姿勢に配置することで、通常のものと同様に使用することができる一方、天板を上下方向に沿った姿勢に配置することで、互いに前後に収納(ネスティング)した場合に必要となるスペースを削減し、収納効率を向上させることができるようになる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−136996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、幕板に取付片を取り付ける構造にあっては、幕板としてネジを螺合できるだけの板厚を有したものが必要となる。このため、幕板付きテーブルの重量が著しく増大する要因となり、可搬性の点で不利となる等の問題を招来する恐れがある。また、幕板のネジ孔が正確な位置に設けられていなければ、天板に支持させることが困難となる。このため、製造段階で高い寸法精度が要求されることになり、管理コストの負担も大きなものとなる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、重量が著しく増大する事態や管理コストの負担が増大する事態を招来することなく天板の姿勢を変更することのできる幕板付きテーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る幕板付きテーブルは、天板の奥側端部下方となる部位に前記天板の下方域を覆う幕板を備えた幕板付きテーブルにおいて、前記天板を前記脚体に対して水平軸回りに回転可能に支持させるとともに、前記天板の下面に水平方向に沿って支持軸部材を支持させ、前記幕板の内表面に水平方向に沿ってガイドレールを一体に形成するとともに、前記ガイドレールに対して前記幕板から離隔する方向の移動を規制した状態でブロック部材を前記ガイドレールの延在方向に沿ってスライド可能に配設し、前記ブロック部材に対して前記支持軸部材を回転可能に支持させたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上述した幕板付きテーブルにおいて、前記ガイドレールは、水平方向に沿って延在した一対の突条部を備え、これら突条部の相互間に前記ブロック部材をスライド可能に嵌合させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上述した幕板付きテーブルにおいて、前記ブロック部材は、前記一対の突条部の相互間となる部位に前記支持軸部材を回転可能に支持するものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上述した幕板付きテーブルにおいて、前記幕板の内表面に当接部を突設し、かつ前記支持軸部材を支持する取付片に前記当接部に対向する受部を設け、前記天板が水平方向に沿い、かつ前記幕板が鉛直方向に沿って配置された場合に前記当接部の先端を前記受部に当接させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上述した幕板付きテーブルにおいて、前記当接部の先端と前記受部とが互いに近接する方向に向けて常時付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、幕板に一体に設けたガイドレールにブロック部材を配設し、天板に設けた支持軸部材をブロック部材に回転可能に支持させるようにしているため、幕板にネジを螺合させる必要がない。従って、幕板としては薄板状のものを適用することができ、重量が著しく増大する事態を招来する恐れがない。しかも、ガイドレールに対してブロック部材がスライド可能であるため、高い寸法精度が要求されることなく組立作業を容易に行うことが可能となり、管理コストが負担増となる恐れがない。
【0013】
また、本発明によれば、一対の突状部の間にスライド部材を嵌合させるようにしているため、組立作業も容易となる。
【0014】
また、本発明によれば、一対の突条部の相互間となる部位に配設した支持軸部材を中心として幕板が回転するため、回転中心から幕板の突出量が小さくなり、支持軸部材の周囲において幕板を回転させる際のスペースを削減することができる。これにより、例えば、天板と幕板との隙間に指を挿入させないために両者の隙間を小さく設定した場合にも、幕板を回転させる際に天板との干渉を防止することができるようになる。
【0015】
また、本発明によれば、幕板の当接部を取付片の受部に当接させることにより、天板が水平に配置された際の幕板の姿勢を規定することができる。
【0016】
また、本発明によれば、幕板が常に当接部と取付片の受部とが当接する方向に付勢されるため、幕板が不用意に姿勢を変更することがない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の実施の形態である幕板付きテーブルの要部を示した断面側面図である。
【図2】図2は、図1に示した幕板付きテーブルに適用する幕板の分解斜視図である。
【図3】図3は、図1に示した幕板付きテーブルに適用するブロック部材及び支持軸部材を示す斜視図である。
【図4】図4は、図1に示した幕板付きテーブルに適用する幕板とブロック部材との取付部分を示す図である。
【図5−1】図5−1は、図1に示した幕板付きテーブルに適用される天板を水平方向に沿った姿勢に配置した状態の斜視図である。
【図5−2】図5−2は、図1に示した幕板付きテーブルに適用される天板の手前側を跳ね上げた姿勢に配置した状態の斜視図である。
【図6】図6は、図1に示した幕板付きテーブルを互いに前後に収納した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る幕板付きテーブルの好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態である幕板付きテーブルの要部を示したものである。ここで例示する幕板付きテーブルは、小学校や中学・高等学校等の教室あるいは会社の会議室等のように大勢の人が集合して使用することを前提に構成したもので、図5−1、図5−2及び図6に示すように、左右一対の脚体10を備えている。
【0020】
脚体10は、それぞれアルミニウムやスチール等の金属から成る2本のパイプ11,12の上端部を互いに左右に接合して構成したもので、個々の上端部が水平方向に延在する連結体13によって互いに連結してある。脚体10の内側に位置するパイプ(以下、「内脚パイプ11」という)は、互いに平行となるように直線上に延在している。これに対して脚体10の外側に位置するパイプ(以下、「外脚パイプ12」という)は、下方に向かうに従って漸次内脚パイプ11から離隔するように屈曲しており、内脚パイプ11に対して互いに前後に拡開している。内脚パイプ11及び外脚パイプ12の下端部には、それぞれ床面上を転動するためのキャスタ11a,12aが取り付けてある。
【0021】
連結体13は、脚体10と同様、アルミニウムやスチール等の金属から成るパイプによって横断面が円形の柱状に構成したもので、その両端よりも僅かに内方に位置する下部外周面に、互いに同一方向に向けて延在するように左右の脚体10が取り付けてある。
【0022】
連結体13において脚体10の連結部よりも外方に位置する部位には、それぞれブラケット14が設けてある。ブラケット14は、連結体13の周囲を囲繞する回転支持部14aと、回転支持部14aの外周面から径外方向に延在した天板取付部14bとを一体に成形したもので、回転支持部14aを介して連結体13の軸心を中心として回転することが可能である。尚、図には明示していないが、一方のブラケット14と連結体13との間には、連結体13に対するブラケット14の位置を規定するための規定手段が構成してある。この規定手段は、連結体13に対してブラケット14の天板取付部14bが手前側に向けて延在し、その上面がほぼ水平となった第1位置と、天板取付部14bが上方に跳ね上がった第2位置とに配置された場合にそれぞれの位置を維持するものである。具体的には、ブラケット14に係止ピン(図示せず)が移動可能に配設してあり、連結体13に対する係止ピン(図示せず)の係止状態を適宜変更することにより、連結体13に対してブラケット14を回転可能、かつ第1位置及び第2位置のそれぞれに選択的に停止した状態を維持するように構成している。
【0023】
連結体13の左右に位置する2つのブラケット14は、互いに対称となるように構成してあり、天板取付部14bの相互間に天板20を保持している。天板20は、矩形の板状を成すもので、左右方向に沿った幅がブラケット14における天板取付部14bの相互間距離よりも大きく、かつ前後方向に沿った奥行きがブラケット14における天板取付部14bの延在長さよりも大きな寸法に形成してある。この天板20は、ブラケット14を第1位置に維持させた場合に、図5−1及び図6に示すように、その上面がほぼ水平となるように配置される一方、ブラケット14を第2位置に移動させると、図5−2及び図6に示すように、天板20の手前側縁部を跳ね上げて上下方向に沿った姿勢に配置され、前後方向の奥行き寸法を小さくすることが可能である。
【0024】
図1に示すように、天板20には、水平に配置された場合に脚体10よりも奥側に位置する部位の下方域に幕板30が設けてある。幕板30は、図5−1及び図5−2に示すように、左右方向に沿った幅が一対の脚体10の相互間距離も大きく、かつ上下方向に沿った高さが脚体10の全高の1/2よりもさらに短い矩形の板状を成す主板部31を有したもので、天板20の下面から垂下された場合に天板20の下方域においてこれら脚体10の相互間に確保された隙間を覆うものである。
【0025】
この幕板30には、図1及び図2に示すように、平板状を成す主板部31の一方の表面(以下、「内表面31a」という)に複数本の突条部32,33,34が設けてある。突条部32,33,34は、幕板30の左右方向に沿って一方の端部から他方の端部に渡って一連に形成した薄板状の突出部分である。本実施の形態では、主板部31の左右方向に沿った2等分面に対して対称に構成してあり、主板部31の端縁から順に外側突条部32、内側突条部33、当接突条部34が互いに適宜な間隔を確保して設けてある。
【0026】
外側突条部32は、主板部31の内表面31aから離隔するに従って漸次内側突条部33に近接する方向に傾斜した後、もっとも離隔した部位32aが主板部31に対してほぼ平行となるように屈曲している。この外側突条部32には、中間部に補助突条部35が設けてある。補助突条部35は、外側突条部32において内側突条部33に対向する面に設けた一条の突出部であり、外側突条部32と同様、幕板30の左右方向に沿って一方の端部から他方の端部に渡って一連に形成してある。補助突条部35には、幕板30の左右方向に沿ってネジ孔構成溝35aが形成してある。ネジ孔構成溝35aは、横断面が細径の円形状を成す開口であり、内側突条部33に対向する部位に開口している。
【0027】
内側突条部33は、外側突条部32との間にガイドレールを構成するもので、主板部31の内表面31aから略直角方向に突出した後、外側突条部32に近接する方向にクランク状に屈曲し、さらに主板部31からもっとも離隔した部位が外側突条部32から離隔する方向に屈曲している。内側突条部33の主板部31からの突出高さは、外側突条部32と同一である。
【0028】
当接突条部34は、内側突条部33と対称となる横断面形状に構成したもので、主板部31からもっとも離隔した部分に当接部34aを構成している。
【0029】
尚、本実施の形態では、合成樹脂材を押し出し成形することによって主板部31及び外側突条部32、内側突条部33、当接突条部34、補助突条部35を有した幕板30を一体に構成するようにしている。
【0030】
上記のように構成した幕板30は、取付片40及びブロック部材50を介して天板20の下面に支持させてある。取付片40は、図1〜図4に示すように、ネジ挿通孔41aを有した平板状を成す取付基部41と、取付基部41の一端部から屈曲して延在した軸支持部42とを有した略L字状を成すもので、取付基部41の先端が天板20の手前側に向き、かつ軸支持部42が天板20の下面から突出する状態で取付基部41を介して天板20の左右両端部に取り付けてある。
【0031】
個々の取付片40の軸支持部42には、支持軸部材43及び緩衝体(受部)44が設けてある。支持軸部材43は、軸支持部42において天板20の奥方側に位置する表面から奥方に向けて突出した後、天板20の左右方向に沿って延在した円柱状部材であり、個々の軸心が互いに合致し、かつ連結体13の軸心と平行となるように形成してある。ただし、左右に位置する2つの取付片40は、互いに対称となるように構成してあり、支持軸部材43の先端が互いに離反する向きとなるように取り付けてある。緩衝体44は、弾性部材等、物体が当接した場合にその衝撃を緩和する機能を有した部材によって薄板円板状に構成したもので、軸支持部42において支持軸部材43と同じ表面に設けてある。
【0032】
ブロック部材50は、幕板30に設けた外側突条部32と内側突条部33との間に、主板部31から離隔する方向の移動を規制した状態でスライド可能に嵌合させたブロック状部材であり、幕板30の左右両端部に配設してある。より詳細に説明すると、ブロック部材50は、主板部31の内表面31aと、外側突条部32の補助突条部35と、外側突条部32の屈曲した突出端部32aと、内側突条部33の突出端部33aとの間に嵌合する直方体状の主ブロック部50aと、主ブロック部50aの外表面から突出した第1嵌合突部50b、第2嵌合突部50c及び第3嵌合突部50dとを一体に形成したものである。第1嵌合突部50bは、外側突条部32と内側突条部33との間に主ブロック部50aを嵌合させた場合に幕板30の主板部31と外側突条部32の補助突条部35との間に画成される隙間に嵌合される部分である。第2嵌合突部50cは、外側突条部32と内側突条部33との間に主ブロック部50aを嵌合させた場合に補助突条部35と外側突条部32の突出端部とに画成される隙間に挿入される部分である。第3嵌合突部50dは、外側突条部32と内側突条部33との間に主ブロック部50aを嵌合させた場合、主板部31と内側突条部33の基端部との間に画成される隙間に嵌合される部分である。これら第1嵌合突部50b、第2嵌合突部50c及び第3嵌合突部50dを有したブロック部材50は、主板部31から離隔する方向の移動が規制される一方、外側突条部32及び内側突条部33の延在方向にはスライドすることが可能である。
【0033】
個々のブロック部材50には、互いに同一軸心となる部位に軸嵌合孔50eが形成してある。軸嵌合孔50eは、外側突条部32と内側突条部33との間に位置される主ブロック部50aにおいて横断面のほぼ中央となる部位に形成したもので、それぞれの内部に支持軸部材43が回転可能に嵌合してある。
【0034】
さらに、取付片40とブロック部材50との間には、押圧スプリング(付勢手段)60が介在させてある。押圧スプリング60は、図3に示すように、支持軸部材43において取付片40とブロック部材50との間に位置する部位に巻回したコイルスプリングである。この押圧スプリング60は、一方の端部が取付片40に当接してある一方、他方の端部がブロック部材50に設けた装着孔50fに装着してあり、図1においてブロック部材50が取付片40に対して常時反時計回りに回転するように構成してある。尚、図中の符号36は、幕板30の両端部に取り付けられ、個々の内表面31aがブロック部材50に当接される蓋板である。
【0035】
上記のように構成した幕板付きテーブルでは、図1の実線及び図5−1、図6に示すように、天板20を水平に配置した場合、天板20の下方域において一対の脚体10の相互間となる部位を、天板20から垂下する幕板30によって覆うことができるようになる。この場合、押圧スプリング60によって幕板30が当接突条部34を介して常に取付片40の緩衝体44に当接した状態に維持されるため、外力が作用した場合にも、幕板30の姿勢が天板20から垂下した状態に復帰する。また、幕板30の両端部に設けた蓋板36がブロック部材50に当接した状態にあるため、天板20に支持させた幕板30の位置が左右方向にずれることもない。
【0036】
一方、上述した図示せぬ規定手段を適宜操作し、連結体13の軸心を中心として天板20を回転させ、図5−2及び図6に示すように、天板20の手前側を跳ね上げて上下方向に沿った姿勢に配置した場合には、幕板30の下端が脚体10に当接することになる。しかしながら、この場合には、支持軸部材43を中心として幕板30の下端縁が奥側に向けて回転することになり、天板20の回転を妨げることがない。従って、図6に示すように、天板20の奥行き寸法が小さくなり、脚体10を相互に交差させた状態で複数の幕板付きテーブルを互いに前後に収納した場合の収納効率を向上させることが可能となり、教室や会議室により広い空間を確保することができる。
【0037】
再び、天板20を水平に配置すると、図5−1に示すように、押圧スプリング60によって幕板30が垂下した状態に復帰し、脚体10の相互間を覆った状態となる。
【0038】
ここで、上記幕板付きテーブルによれば、天板20に幕板30を取り付ける場合、天板20に対しては取付片40の取付基部41をネジSによって取り付けるようにしているものの、幕板30に対してはガイドレールとなる外側突条部32と内側突条部33との間にブロック部材50を嵌合させればこれを支持させることが可能となり、ネジ止めが不要である。従って、幕板30としてはネジを螺合させるだけの板厚を確保する必要がなく、薄板状のものを適用することができ、重量が著しく増大する事態を招来する恐れがない。しかも、幕板30に対してブロック部材50がスライド可能である。従って、例えば、幕板30に取り付けた取付片40を天板20の下面にネジ止めする際に、取付片40のネジ挿通孔41aと予め天板20に形成したネジ孔(図示せず)がずれていたとしても、ブロック部材50を適宜スライドさせることでネジを確実に螺合させることができるようになる。これにより、部品製造段階において高い寸法精度を要求しなくとも、組立作業を容易に行うことが可能となり、管理コストが負担増となる恐れがない。
【0039】
尚、上述した実施の形態では、ブロック部材50において一対の突条部32,33の相互間となる部位に支持軸部材43を配設するようにしているため、幕板30を回転させる際の回転半径を小さく設定することができる。従って、例えば、天板20と幕板30との隙間に指等の異物を挿入させないため、両者の隙間を小さく設定した場合にも、幕板30を回転させる際に天板20との干渉を防止することができるという作用効果を奏する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えばブロック部材50の一部を突条部32,33の相互間から外部に突出させ、この突出した部分に支持軸部材43を配設するようにしても良い。
【0040】
また、上述した実施の形態では、一対の突条部32,33の間にブロック部材50を嵌合させるようにしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、T字状のように先端部が基端部よりも大きな横断面を有した唯一の突条部を幕板に形成し、これにブロック部材を嵌合させるようにしても同様の作用効果を奏することが可能である。
【0041】
さらに、上述した実施の形態では、押し出し成形によって幕板30の主板部31と突条部32,33,34,35とを一体に成形するようにしているが、必ずしもこれに限定されない。また、幕板30の材質も合成樹脂材である必要はない。
【符号の説明】
【0042】
10 脚体
20 天板
30 幕板
32 外側突条部
33 内側突条部
34a 当接部
35 補助突条部
40 取付片
43 支持軸部材
44 緩衝体
50 ブロック部材
50e 軸嵌合孔
50f 装着孔
60 押圧スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の奥側端部下方となる部位に前記天板の下方域を覆う幕板を備えた幕板付きテーブルにおいて、
前記天板を前記脚体に対して水平軸回りに回転可能に支持させるとともに、前記天板の下面に水平方向に沿って支持軸部材を支持させ、
前記幕板の内表面に水平方向に沿ってガイドレールを一体に形成するとともに、前記ガイドレールに対して前記幕板から離隔する方向の移動を規制した状態でブロック部材を前記ガイドレールの延在方向に沿ってスライド可能に配設し、
前記ブロック部材に対して前記支持軸部材を回転可能に支持させたことを特徴とする幕板付きテーブル。
【請求項2】
前記ガイドレールは、水平方向に沿って延在した一対の突条部を備え、これら突条部の相互間に前記ブロック部材をスライド可能に嵌合させることを特徴とする請求項1に記載の幕板付きテーブル。
【請求項3】
前記ブロック部材は、前記一対の突条部の相互間となる部位に前記支持軸部材を回転可能に支持するものであることを特徴とする請求項2に記載の幕板付きテーブル。
【請求項4】
前記幕板の内表面に当接部を突設し、かつ前記支持軸部材を支持する取付片に前記当接部に対向する受部を設け、前記天板が水平方向に沿い、かつ前記幕板が鉛直方向に沿って配置された場合に前記当接部の先端を前記受部に当接させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の幕板付きテーブル。
【請求項5】
前記当接部の先端と前記受部とが互いに近接する方向に向けて常時付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項4に記載の幕板付きテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−100690(P2012−100690A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249023(P2010−249023)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】