説明

平型画面パネルを備えた装置

平型画面のパネル(6)上に表示可能な画像の輝度への障害的影響を回避するために、センサ(3)とパネルの背後照明を行なう光を持つバックライト(5)との間に、パネル(6)の光透過部分のエージング特性および/または温度特性にほぼ一致するエージング特性および/または温度特性を有する光透過部分(4)を配置することが提案されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトの光によって背後照明可能である平型画面パネルと、センサによって検出された輝度を予め与え得る目標値に調整するバックライト調節部とを備えた装置に関する。
【0002】
一般に、いわゆるLCDパネル(LCDディスプレイモジュール)のためのバックライトの輝度調節のために、バックライト調節部が設けられている。このバックライト調節部は、パネルを背後照明する光を放つバックライトの、センサによって検出された輝度をほぼ一定の目標値に調整する。この種の調節部によってバックライトの輝度のみが検出されて調節されるので、パネルに表示可能な画像の輝度への障害的影響は検出されず調節されない欠点がある。例えば、パネルのLCD液体、拡散フィルムおよび/または偏光フィルムのエージング(aging)作用に基づく画像輝度への障害的影響を検出して相応に補正することはできない。
【0003】
本発明の課題は、パネルに表示可能な画像の輝度への障害的影響を十分に回避する冒頭に述べた装置を提供することにある。
【0004】
この課題は、バックライトとセンサとの間に、パネルの光透過部分のエージング特性および/または温度特性に一致するエージング特性および/または温度特性を有する光透過部分が配置されていることによって解決される。
【0005】
バックライトとセンサとの間に配置された光透過部分は、物理学的構成および物理学的特性がパネルの光透過部分に対応している。バックライトは、一方ではパネルの背後照明を行ない、他方ではバックライトとセンサとの間に配置された光透過部分の背後照明を行なう。それによってセンサは、輝度に関して、パネルのこれらの光透過部分の障害的なエージング作用をほぼ一緒に検出し、バックライト調節部がこれらの障害的なエージング作用を補償する。
【0006】
本発明の1つの実施態様において、光透過部分は拡散フィルムおよび/または偏光フィルムだけを含む。この簡単に実現可能な実施態様により、輝度への温度およびエージングに関係する部分の障害的影響を検出して補償することができる。
【0007】
パネルに表示可能な画像の輝度への障害的影響をさらに低減するために、請求項3によれば、光透過部分が更にLCD(Liquid Crystal Display)液体を有するパネルガラスを含み、それによってガラスのエージング作用および/または温度作用に基づく障害的影響を検出して補償することができる。
【0008】
本発明の有利な実施態様において、パネルの光透過部分全体が考慮され、対応部分がバックライトとセンサとの間の配置されている。これは、「小さい」パネル(小型パネル)がバックライトとセンサとの間に配置され、小型パネルのサイズがセンサのサイズにほぼ一致することを意味する。障害の影響に関する知識および/またはパネル特性に関する知識は必要でなく、バックライト調節部はこれらの障害を補償する。
【0009】
以下において本発明を実施例に基づいて図面の唯一の図を参照しながら更に詳細に説明する。図面の図はパネル輝度の調節装置を示す。
【0010】
1でグラフィックプロセッサが示され、これはバックライト調節部2に、予め与え得る目標輝度に相当する目標値を供給する。センサユニット3は光透過部分4の輝度を検出し、この検出された輝度に相当する実際値を同様にバックライト調節部2に伝達する。このバックライト調節部2は目標値からの実際値の偏差に応じてバックライト5の光の強さを調整する。バックライト5の光は、LCDパネル6の背後照明を行なうと共に、センサユニット3とバックライト5との間に配置されかつパネルの光透過部分のエージング特性および/または温度特性にほぼ一致するエージング特性および/または温度特性を有する光透過部分4の背後照明を行なう。バックライト5とセンサユニット3との間に光透過部分4をこのように配置することによって、センサユニット3は、パネル6の輝度にほぼ一致する光透過部分4の輝度を検出する。それによって、輝度に関するパネル6の光透過部分の障害的なエージング作用および/または温度作用がほぼ一緒に検出され、バックライト調節部2はこれらの障害的なエージング作用および/または温度作用を補償し、パネル6上に表示可能な画像の輝度を目標値に応じて調節する。
【0011】
光透過部分4は、簡単な実施形態では、パネル6の拡散フィルム6aおよび/または偏光フィルム6bにほぼ相当する拡散フィルム4aおよび/または偏光フィルム4bを含み、それによってパネルの輝度へのこれらのフィルムの障害的な温度作用およびエージング作用がセンサユニット3によって検出され、バックライト調節部2によって補償される。
【0012】
パネルに表示可能な画像の輝度への障害的影響を更に低減するために、更に光透過部分4は、パネルガラス6cおよび/またはLCD液体6dに相当するガラス4cおよびLCD液体4dを備えることができる。それによって、ガラスおよび/またはLCD液体のエージング作用に基づく障害的影響を検出して補償することができる。
【0013】
光透過部分4はパネルの光透過部分全体に対応すると好ましい。センサのサイズにほぼ一致するサイズを有するこのように構成された小型パネルにより、パネルのエージング作用および温度作用に基づくほぼ全ての障害を補償することができる。障害作用に関する知識および/またはパネルの特性に関する知識は必要でなく、バックライト調節部が障害を補償する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】パネル輝度の調節装置の本発明の実施例を示すブロック図
【符号の説明】
【0015】
1 グラフィックプロセッサ
2 バックライト調節部
3 センサユニット
4 光透過部分
4a 拡散フィルム
4b 偏光フィルム
4c ガラス
4d LCD液体
5 バックライト
6 パネル
6a 拡散フィルム
6b 偏光フィルム
6c パネルガラス
6d LCD液体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトの光によって背後照明可能である平型画面パネルと、センサによって検出された輝度を予め与え得る目標値に調整するバックライト調節部とを備えた装置において、バックライト(5)とセンサ(3)との間に、パネル(6)の光透過部分のエージング特性および/または温度特性にほぼ一致するエージング特性および/または温度特性を有する光透過部分(4)が配置されていることを特徴とする平型画面パネルを備えた装置。
【請求項2】
光透過部分(4)は、少なくとも拡散フィルム(4a)および/または偏光フィルム(4b)を含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
光透過部分(4)は、更にLCD液体(4d)を有するパネルガラス(4c)を含むことを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項4】
光透過部分(4)は、パネル(6)の光透過部分全体とほぼ同じであることを特徴とする請求項1記載の装置。

【公表番号】特表2007−501962(P2007−501962A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529881(P2006−529881)
【出願日】平成16年5月19日(2004.5.19)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005429
【国際公開番号】WO2004/104976
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】