年齢に関係した黄斑変性症の治療
年齢が関係する黄斑変性症が、カテーテル(12)を介して眼球の周りの斑点(16)の後ろの位置に挿入された小型X線管(20)から伝達される放射線により治療される。方法が、カテーテル上の照明を使用しそして眼の前部から見るか、又はカテーテル上のセンサーおよび眼の前部から光る走査ビームを使用して、カテーテル(12)及びX線管(20)を適正に置くために記載される。X線で励起された蛍光もまた使用できる。一旦適正に眼内に置かれたプローブを固定し、X線管(20)を標的組織から離隔し、そして隣接組織への線量を除きながら脈絡膜(22)に処方の放射線線量を達成するための方法及び器具も記載される。X線治療は、放射線増感薬物を使用して向上させることができ、そしてPDTと組み合わせることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目の湿性の年齢に関係した黄斑変性症(AMD)の治療に関し、特にかかる黄斑変性症の治療への放射線の使用に関し、該放射線は強膜の後ろから放射される。眼の腫瘍の治療もまた本発明の一部を形成する。
【背景技術】
【0002】
目の湿性の年齢に関係した黄斑変性症は米国では盲目の主要な原因であり、そして世界の主要な原因である。それは、窪みを含む網膜の黄斑領域及びそれを直に囲む領域における、眼の後ろの脈絡膜からの異常な血管の成長により特徴付けられる。これは「脈絡膜新血管形成」(CNV)と呼ばれる。用語「湿性」は、これらの異常な血管が漏れそして斑点を損傷し、中心の視野の歪みを引き起こす。従って、患者の最も高い解像視力がひどく危うくなるか又は失われる。
【0003】
AMD事例のほぼ10パーセントは湿性AMDを含み、これは盲目に至るタイプである。乾性AMDはAMD事例のほぼ90パーセントを占めるが、これらのあるパーセント(ほぼ10パーセント)は最終的には湿性AMDに進む。
【0004】
湿性AMD患者の中で、これらの事例のほぼ70パーセントは標準的な湿性AMDであり、ほぼ30パーセントは超自然的なAMDである。両方の場合でCNVが起こり、脈絡膜と脈絡膜の上の空間を、損傷を引き起こす増殖する血管が侵入する。標準的AMDの場合、新しい血管は本質的にそのままであるが、一方超自然的AMDでは血管が漏れ、幾分無定形の塊を形成し、そして医者が検眼鏡で血管を見るのを妨げる。従って、特定的にこれらの血管を標的とした治療は、血管の眼による確認と位置特定を要するが、超自然的AMDについてはできない。
【0005】
湿性AMDの治療に対するいくつかの方法がある。光力学的療法(PDT)及び経瞳孔温熱療法(TTT)の両方において、眼の前部を通過するように向けられたレーザービームを使用する。これらはいろいろな有効性の度合を有するが、PDTは一般に二つの中でより有効である。PDTにおいて、治療は光感受性染料を投与し、次いでレーザー治療するが、レーザー治療は染料を増感してCNV症状に影響を及ぼす。TTTとPDTの両方の結果は理想的というより少なかった。一つの研究に基づくと、AMD患者のたった15%しか治療のための斑点光凝固研究グループ(MPSG)ガイドラインに合致せず、従って殆どのAMD患者はこの治療から利益を得ないであろう。更に、この治療の費用は極めて高く、その費用有効性は疑問である。
【0006】
FDAは、AMDからの主として標準的脈絡膜新血管傷害を有する患者の治療にPDTを勧めるが、殆どの場合、新血管形成が3カ月以内に再発する。従って、患者は多分、この療法が有効なものとするには1年に3ないし4回の治療を必要とするであろう。そして治療は基本的には視力を改善するというよりも視覚を維持するだけである。
【0007】
研究でX線照射はCNVの治療に有効であることが発見された。放射線は外部源からこめかみ領域を通って、近接照射療法により、放射線同位体ペレットを支持する「プラーク(plaques)」を使用して照射される。これらのプラークは、強膜の外部の周りに挿入することにより、眼の裏側に強膜に向かって埋め込まれる。これらの埋め込まれたプラークは処方された持続時間、例えば約30時間、又は17.6Gyで約18−65時間の範囲で所定の位置に置かれる。一つの研究では、治療した患者の約45%に安定化又は視力の改良が示された。7年の追跡後、どの患者にも視力を制限する放射線合併症が見られなかった。このように、X線放射は特に近接照射療法で照射された場合、黄斑変性症のCNV症状の安定化及び改良にいくらかの効力があることが知られている。
【0008】
パウル フィンガーの特許文献1は、これらのプラークの使用、及びプラークに取り付けられた光源を使用してプラークを配置する方法を記載する。
【0009】
外部ビーム治療法は難しく、そして一般に高度に専門的な実施者に限られ、設備の資本コストが非常に高い。この治療法は、標的に特定的な非常に小さいビームを生成することができないこと、ビームを標的に正確に配置すること、脳組織を含む他の構造に対する放射線損傷、及び視神経及び放射線網膜症を回避することを含むいくつかの理由で難しい。
【0010】
前に論じた他の制限に加えて、同位体の使用は理想的ではない。同位体は、同位体の比活性度の選択、並びにエネルギーの選択について極度に限定される。更に、同位体は近接照射療法のための据え付けの間、遮蔽しなければならず、そして同位体は等方性放射体であるので、隣接する構造体を保護するために方向的に遮蔽しなければならない。
【特許文献1】特許第6,443,881号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
黄斑変性症のCNVのためのずっと改良された治療は、非外科的に斑点(黄斑)に隣接して正確に置くことができ、信頼できる正確な方向性放出をし、そして放射線浸透度の深さと照射量を制御することができる制御可能なX線源であろう。これらは以下に記載する本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、小型のX線源を眼球の周りに非外科的に挿入して、該源を斑点に直に隣接して、眼の背ろに且つ強膜に対向して置く。小型X線管はオフ/オンに切り替え可能であり、且つ好ましい態様では、電圧(浸透度)及び電流(線量)に関して制御可能である。該源の挿入は、眼球の周りに眼の後ろに挿入され且つ標的組織に隣接して置かれたカテーテル/プローブを介して行われる。カテーテル内の小型X線管は直径約1mm、長さほぼ7mm程度である(寸法は変えることができる)。この器具により、イオン化放射線の治療線量が脈絡膜層内の異常な血管に伝達される。この治療用放射線は、血管線維形成を引き起こすプロセスを通して、出血する血管を封止又は閉鎖する傾向がある。活発に増殖していない隣接する組織細胞は、よく知られているように、放射線による影響が少ない。
【0013】
眼の後ろからイオン化放射線を伝達する重要な利点は、眼の構造、即ちレンズ、網膜及び視神経、を損傷する事なく治療線量を病斑に与えることができることである。眼の後ろの膜は比較的放射線耐性である。
【0014】
本発明は、カテーテル及びX線管を眼の後ろに正確に置く方法及び手段を包含する。いくつかの異なるガイダンス技術が使用できる。一つの技術によると、プローブ又はガイドの上に隆起又はうねが設けられ、器具を操作すると、医者が眼の前部から見ることができる、網膜上を動くマウンドを形成する。これは医者に、X線管のアノード端部を正確に置くための基点を与える。別の方法は、プローブを空間的に又は時間的に配置するための手段として、眼の前部から向けられた光又は眼に見えない放射線を使用することである。一例として、眼の前部から光を発する器具は一連の膨張する光の環を発生することができる。これらの光の環はプローブの外部の複数のセンサーにより感知することができる。網膜から強膜の後ろまでの組織は相対的に半透明である。光の環がこれらのセンサーに到達する時に幾分散乱されるであろうが、それらのピークは検出され、そしてこれは制御装置にフィードバックされて、器具を効果的に中心に置きそして放射線源を斑点に対してそろえるにはどの方向にプローブを動かすべきかを決定するのに十分な情報を与えるであろう。
【0015】
赤外線をプローブの配置に有利に使用することができる。IRは眼の前部から、患者に見えず、従って患者に不快でなく導くことができ、この放射線は網膜、脈絡膜及び強膜を透過して器具上のセンサーにまで達するであろう。
【0016】
他の整列器具は、前に参照したフィンガー特許におけるように、プローブ自体上に位置する光源を有することができる。この発明によると、これらの光源は、ファイバー端部に再配向反射器を有する引き裂いた光ファイバー又は研磨したファイバーであることができ(マイクロプリズム)、光の起源は制御装置の後ろである。これらのファイバー端部は、プローブを、眼の前部から現れる光源の位置を参照して配置する「ヘッドライト」として役立つことができる。他の変形は、眼の前部を通って光るカラーグラデーション、光パターンの格子、又はプローブ若しくは眼の前部からの光の感知を含む他の器具を含むことができる。修正された態様は、X線が当たると、眼の前部を覗き込むことによりX線ビームの位置を見ることができるようにする蛍光材料を使用する。蛍光材料は血液又は眼の流体に入れて、少しのX線の照射で蛍光を発して器具を配置することができる。或いは、管自体が蛍光材料を有することができ、X線で励起された場合に光を放って目で見えるようにプローブを配置する。
【0017】
本発明により、放射線の線量及び深さはCNV症状に対する処方に合わせることができ、一方健康な隣接する構造体に放射線を最小にすることができる。これを達成するために、いくつかのパラメータが調整可能である。更に、プローブ中のX線管は方向性にするのが好ましく、所望により治療のために、X線管から見て治療領域の距離及び治療領域の幅に相対的に、放射線の理想的窓を設けることができる。
【0018】
小型管からのX線ビームをフィルターに通すことは必要に応じて導入することができる。これは低エネルギー放射を大きく減少させることができ(即ちビームの「硬化」)、従って近位領域、即ち、放射線が望ましくない強膜、における線量を減少させる。これが設置後の光源の離隔及び電圧の調整と組合わさって、脈絡膜、強膜及び網膜への線量を最適にする。
【0019】
プローブを治療中固定することは重要である。いくつかの方法を使用できる。上記のプローブ器具上の「隆起」は膨らませることができ、従って平らにして挿入し、斑点の近くで(液体で)膨らませる。更なる膨張はプローブが隣接する組織に向かって保持するのを助ける(そしてまた、以下に記載するように光源を組織から離す)。別の膨張可能なバルーンをプローブの裏側に置くことができ、そして更なるバルーンをカテーテル上にX線源に近接して置いて、カテーテル及びプローブを更に固定することができる。
【0020】
本発明の別の側面は、薬物を使用して放射線治療の有効性を向上させ、従って低い放射線線量の照射を可能にする。上記のPDTの概念と同様に、放射線向上薬物は全身に投与することができ、照射された領域を放射線に対して一層感受性にするが、非照射領域の身体組織に対する影響はない。
【0021】
従って、本発明の目的は、湿性浸出性黄斑変性症のための治療としての放射線療法を、正確に放射線を伝達するために斑点の後ろに正確に置くことができる制御可能な放射線源を有するプローブの使用により改良することである。本発明のこれら及びその他の目的、利点及び特徴は、以下の好ましい態様の記述を図面と共に考慮して理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、一般に平面図及び断面図で患者の眼10を示し、眼球の周りに強膜14の表面に沿って挿入されたプローブ又はカテーテル器具12を図式的に示す。斑点、又は斑点領域は16で示され、眼の網膜の領域にある。プローブ又はカテーテル器具12は、図式的に示されそしてカテーテルが挿入される外部鞘又はガイドを含んでもよいが、その遠方端部に切り替え可能なX線源20を含む。源20は好ましくは、スイッチを入れた時に放射線を放出しそして場合によっては電流及び電圧を変えることができるX線管を含み、側方監視式方向性放射線を、強膜14及び脈絡膜又は斑点の直後の層を通過して斑点16に向かって放出する。X線源20の正確な配置は本発明の重要な側面であり、以下に論じる。
【0023】
図2は、X線源20を図式的に示した、拡大詳細図である。源20は強膜14の直き後ろにあり、そして該源、又は該源を囲む鞘若しくはガイドは強膜の背面に直接接する。図面が図式的に示すように、脈絡膜若しくは脈絡層22は強膜から次の内側の組織である。強膜はこの領域では厚さが約1mmであり、脈絡層はたった約0.5mmの厚さである。脈絡層の直ぐ内側は網膜26である。
【0024】
窩28は斑点領域30の中心にあり、それは典型的にはフォビア(phobia)(小窩、窩、傍中心窩及び周囲窩領域を含む)の周り直径約5−6mmの領域と考えられる。図2が示すように、この領域は、放射線を避けなければならない視神経32に非常に近い。前に説明したように、脈絡層22は、年齢が関係する黄斑変性症のCNVが起きる領域であり、これは、斑点の直き後ろにあり、本発明に従ってX線放射線で治療すべき層である。
【0025】
図3−8は、プローブ又はカテーテル12、そして特にX線放射線を斑点の後ろに適正に配置することに関する。図3では、医者に網膜の後ろのX線管の位置を示すために、一つのスキームが例示され、これによりX線管が斑点の後ろのほぼ中央に位置するようにプローブを調整しそして適正に配置することができる。この配置により、X線管を収容したプローブ12、即ち眼球の周りに挿入される装置の外装(それはガイドであり得る)は、「隆起」又は突起32を有する。この突起32は図3では相対的サイズが誇張されていると思われるが、網膜内の動くうね又は隆起を形成し、そのうね又は隆起は医者が光学機器を使用して眼の前部から見ることができる。図3の概略図に見られるように、隆起32はX線管20のアノード、即ちX線34を発する管の部分、をセンターオーバーするのが好ましい。図3で、プローブ12の端部は、丸く、傷をつけないタイプ36に示されている。
【0026】
図3Aは図3に示すものの変形を示す。図3及び図3Aの両方において、隆起32又は32aは固定機能と上記の配置機能を形成する。隆起32,32aは強膜に向けて押し、従ってプローブ器具を強膜と隣接する組織の間にきつく割り込ませる傾向がある。更に、この隆起32,32aは放射線源20を強膜及び脈絡層から離すように働き、従って放出される放射線に対する表面対深さの比を改良する。図3Aにおいて、隆起32aはカテーテル12a内の内腔(lumen)(図示されていない)を介して膨張可能であり、膨張の量は必要に応じて変えることができる。この離隔距離は管20に対して設定した電圧で校正され、従って医者は、網膜及び強膜内の線量を最小にしながら脈絡膜内のX線放射線線量を最適にすることができる。図3はまた、追加の膨張可能なバルーン突起33を示し、該突起はプローブ器具の放射線側から反対側に配置することができる。このバルーン33もまた、隆起32aと同様、カテーテル12a内の内腔又はダクト(図示されていない)を介して膨張可能であり、プローブが挿入される時は収縮する。それ(バルーン33)は、管が斑点の後ろに適正に置かれた後、プローブの固定を助けるために選択した膨張度に膨張させることができる。図3Aにはまた、第3の膨張可能なバルーン構造体35が示され、該構造体はカテーテル12aの長さ方向に沿った選択した位置に含めることができ、更にプローブを固定し、そしてカテーテル先端とX線源を、近接したカテーテルの動き及びプローブを適正に配置した後のカテーテルの動きから隔離する。再び、バルーン35は挿入の間収縮させる。
【0027】
減圧、即ち組織に対する吸引、もまた、適正に配置した後の器具を固定するために使用することができる。吸引はカテーテル内の別個の内腔(図示されていない)を通して適用でき、突起32a又は33上の開口を介して適用し、吸引を相対的に広い領域に広げることができる。
【0028】
図4及び5は、X線管20を斑点(それは実際には眼の前部からは見えないであろう)の背後に適正に置く手順を図式的に示す。図4はプローブの正しくない配置の例を示す。この図面では斑点領域への血管は38で示される。
【0029】
図5は図4と同様であるが、斑点30の後ろに正しく置かれたプローブ12及びX線管20を示す。図6、7及び8は光学的方法およびこれを達成するための手段の例を示す。
【0030】
図6において、一連の光の環40、42、44および46が示される。これらは眼の前から方向づけられ、図6で30で示される斑点領域を中心とする。環のセンターリングは医者が眼の前で機器を使用して行う。光の環40、42等は絶えず膨張している(そして中心に再度現れる)。網膜の後ろはプローブであり、複数のセンサー48(この場合4個)が器具に設けられ、そして好ましくはX線の放出源点の周りに中心化される。これらのセンサー48は光40、42、44及び46の各環が膨張するにつれて通過するのを検出する。光の環は部分的に半透明な網膜、脈絡及び強膜を通過してセンサー48に達するときにかなり散乱されるであろうが、それらのピーク強度は各点48で検出可能であろう。従って、環が膨張するにつれ、各センサー点48による各ピーク検出のタイミングは、プローブ機器に連結された制御装置(図示されていない)に送られ、この情報から、光の環の発光源の中心点に対するセンサーの位置を決定することができる。センターリングされた場合、検出器48は同時に光のピークを全て検出するであろう。従って、医者に、正しい配置を達成するにはどの方向にプローブを動かすべきかについての指示を発生することができるか、又は斑点に相対的なプローブの位置を制御装置上の又はそれに連結したスクリーンに実際に表示することができる。センサー48及び制御装置からのロボットフィードバックを有するロボット器具をプローブの配置に使用できる。
【0031】
図7は別のプローブ配置方法及びシステムを示す。この方法では、光線の格子、例えば垂直光線50及び水平光線52、が、光を眼の前部から内部に方向づける機器により発生する。図6に関して論じた4個のセンサー点48が光線の格子の後ろに示される。図7は概略にすぎず、格子内で間隔をあけた線は十分に小さいので、少なくとも1つの光線からの光は、プローブ器具に設けられた複数のセンサー48の少なくともいくつかにより常に検出されるであろう。前に検討したように、この光は網膜、脈絡膜及び強膜を通過した後非常に散乱されるであろうが、そのピークは検出可能であろう。線50、52の格子は、特別にはっきり明るくされた交差位置54により、医者が眼の斑点に対してできるだけ正確に配置するであろう。この光線は次々活性化することができるので、センサー48からのフィードバックは常に、どの光線が検出されたかそしてどのセンサーによって検出されたかを確認するであろう。これは医者(又はロボットプローブ操縦者)に、プローブがどこに位置しているか、そしてプローブを斑点の後ろに適正に配置するにはどの方向にどの程度プローブを動かすかを告げるに十分な情報を与えるであろう。
【0032】
或いは、図7に示した格子は網膜を横切って動く走査された光線を表し得る(より少ない線が必要とされる)。一時的同期化により、各光線のあらゆる時間の位置が知られ、センサー及び連結されたロジックがプローブを配置するのを可能にする。ほんの2個或いは1個のセンサー48でもこの型の走査配置具に十分であることに注目されたい。
【0033】
図8は、X線管20を斑点領域30の後ろに適正に配置するための別のスキームを示す。この配置は、光源56がプローブ上に直接設けられている点で、前に論じたフィンガー特許の配置と幾分にている。図8には4個の光源が示される。しかしながら、本発明では、これらの光源は、制御装置の照明源から光を受け取る、角度方向に割れた光学ファイバー端部である。ファイバー端部56は十分に明るいので、医者は斑点の後ろのこれらの光源のパターンを見ることができ、それに従ってプローブを配置することができる。ファイバー端部は角度的にきれいにされるか(cleared)又は磨かれ、そして反射器(マイクロプリズム)により再配向され得る。
【0034】
X線源を眼の後ろに置くことを指示しそして確認する別の方法は、眼の前部からのぞき込むことによりX線放射線自体を見る、又はX線放射線の証拠を見るための手段を提供することである。この方法は、X線源の周りの覆いの蛍光、又は血流に入れた医学的に許容される物質の蛍光を含み、その物質はX線放射線を吸収した場合蛍光を発する。かかる物質を眼内空間に注入することができる。
【0035】
蛍光指示体を生成する他の方法は、X線が当たった時に蛍光を発する物質として、X線管自体、又はX線管上の透過性プレート若しくはコーチングを使用することである。出願人は、焼結した窒化アルミニウムがX線放射線で励起された場合に蛍光を発することを見いだした。
【0036】
本発明のX線療法は、前に述べたように、光力学的療法と組み合わせて使用できる。二つの療法を同時に(又は互いに時間的に接近して)使用することにより、PDT(光力学的療法)により引き起こされる崩壊を放射線療法により相乗的に補足することができる。PDTは、参照用に本願に含める特許第6,548,542(第4欄、1.61−第5欄、1.4)に説明されているように、光活性物質により脈絡層の毛細血管の崩壊を本質的に引き起こす。光活性化物質は細胞構造を破壊し、そして’542特許に記載されたように他の影響を及ぼし、CNVラスキュラチブ(rasculative)を閉鎖する結果となる。PDTと組み合わせて伝達されるX線放射線は二つの方法でAMDを修正するのを助けることができる:即ち、第1に、直接的効果は、急速に分裂する細胞を無効にし、従って新たな不適当な血管(CNV)の成長により問題を引き起こす細胞の集団を減少させ、そして第2に、放射線はPDTの効果を、PDT治療に自然に付随する修復反応を防止することにより、助ける。
【0037】
本発明はまた、血管に放射線感受性物質を使用して、放射線に対する血管の感受性を高めることも包含する。これは、本発明の譲受人に譲渡された同時出願の第09/851,372号(2001年5月7日出願)の主題である。この同時出願は、主として放射線と放射線感受性増強物質伝達器具との組み合わせて、バルーン血管形成後の脂厚化を阻止することに向けられている。該出願はタキソール、ミソニダゾール、メトロニダゾール、エタニタゾール、5−フルオロウラシル、テキサフィラン、C225(抗EGFRモノクローナル抗体)、及びシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤のような放射線感受性増強物質を開示する。本発明では、これらの物質の一つのような放射線感受性増強物質を血液に、脈絡層内の細胞を感受性増強するのに有効な量入れるので、本発明のプローブを介して低線量のX線放射線を照射することができる。
【0038】
図9は、カテーテル又はプローブ12の遠位端部にあり、眼の斑点領域30の後ろに適正に位置するX線源20を示す簡単な概略図である。照射すべき脈絡層22の部分、即ち斑点の直後の脈絡、は60で示される。X線放射線は発散するパターンで34で示され、X線管中の源(アノード)62から適当な角度で発散して、脈絡膜中の対象領域60を照射する。図9は、強膜14及び網膜26を含む隣接する構造体が照射されることを示す。適当な線量対深さ曲線が図13に示される。強膜は必ずしも他の構造体よりも多くの放射線を受けるわけではないが、強膜は急速に増殖しない比較的無活動の細胞を含み、放射線線量は問題を起こすほど過剰ではない。次の層は、黄斑変性症のCNV症状を有する脈絡膜である。この領域は、患者に治療的利益を与えるに充分な放射線を受ける。脈絡膜22を越えると網膜26であり、網膜は更に少量の線量を受ける。レンズ及び角膜を含む、眼の前部に向かってより深い領域は、次第に少ない線量を受ける。電圧のフィルタ及び離隔を適正に選択すると、切り替え可能なX線源は標的組織(脈絡膜)から遠い構造体に、現在の同位体プラーク治療よりもかなり少ない放射線を伝達することができる。7年の追跡でプラーク治療した患者に放射線損傷は見られなかった。
【0039】
図10は、側方監視式の方向性放射を達成するためのX線管20のアノード構造を図式的に示す。この配置において、アノードは角度のついた面64、即ち、近付く電子ビーム66の方向にほぼ45゜(22゜から60゜)傾いた面、を含むので、放射は本質的にアークAによる。しかしながら、X線管は、裏側が68そして表側が70で示されるように遮蔽されているので、側方監視式放射線の所望の窓のみが所望の角度Bを通って放出される。放射線のアークは二次元で制限されるので、ほぼ円錐形の放射線を生じる。管の幾何学及びその遮蔽は、アノードから脈絡層の知られた距離、及び知られた斑点の後ろの脈絡膜の幅又は直径を用いて、正しい放射線角度で放射されるように選択される。遮蔽のみに頼って、傾斜したアノードなしのX線源からの所望の側方監視式放射線を生成することができる。
【0040】
図11は、X線源をカテーテル内で又は直に包囲する鞘72内で適正に回転配向するための「鍵に合わせた(keyed)」配列を示す単純化した概略図である。X線管又は源20はうね又は突起74を有し、そのうね又は突起は鞘72又はプラーク内の補足的チャンネル76内に適合する。例示した事例では、直に包囲する構造体は、冷却チャンネル78、80等を有する鞘72である。これは点線で示したガイド82により囲まれてもよく、そして鞘72自体はガイド82内で適正に回転配向するために鍵に合わされてもよい。管20で図示されたような鍵穴形状は必要でない。簡単な、小さい長く伸びたうね又は短い隆起、或いは楕円形のような丸くない形状は配向させるために充分であろう。側方監視式X線器具が適正に配向されて放射線を治療すべき脈絡膜領域の方に導くことが必須である。これは、多くの異なる配列により達成することができる。
【0041】
図12は、この簡単な概略図では84で示されるCNV感染脈絡膜領域を照射するための別の方法を示す。視神経32が図12に示されるが、治療平面の後ろであり、治療平面にはプローブ12及び治療領域84が位置する。この場合、X線86は、図示したように眼に対して一般に接線方向又は弦方向(chordally)に向く。これは、放射線を本質的に接線方向又は弦方向に強膜及び脈絡の一部を通過して、斑点の直き後ろのCNVの領域に送ることにより、かなりの放射線が26で示される網膜に達することを避ける方法である。X線源は、適当な幅と方向を持つ平らなビームを生成するように作られる。図12における距離は大きさの尺度にもならず、比例もしない。
【0042】
本発明の装置及び方法は眼の腫瘍を放射線で治療するために使用できる。同じカテーテルを使用し、眼の組織内のいろいろな位置における腫瘍用に適当な放射線方向を有する切り替え可能な源を用いる。上記の好ましい態様は本発明の原理を例示するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。他の態様及びこの好ましい態様の変形は当業者に明白であり、特許請求の範囲に記載された発明の精神及び範囲から逸脱することなく行い得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】眼と、斑点領域の後ろの眼球の周りに非外科的に挿入されたカテーテルとを示す断面図の概略図である。
【図2】斑点領域の後ろの本発明のカテーテル又はプローブを示す断面拡大図である。
【図3】1つのタイプのX線源配置手段を有する本発明のカテーテルの態様を示す概略部分平面図であり、この場合カテーテル表面上の突起は固定手段及び離隔手段として役立ち、放射線表面対深さ比を改良する。
【図3A】図3と同様の図であり、カテーテル又はプローブ上の膨張可能な突起を示し、そしてまた固定化のための追加の膨張可能なバルーン器具を示す。
【図4】眼の前から見た概略図であり、斑点及び取り囲む血管を示し、そしてまた斑点(それは実際には眼で見えないであろう)の後ろに置かれた本発明のX線源を明らかにし、この場合正しくないX線源の配置を示す。
【図5】図4と同様の図であるが、斑点の後ろに正しく置かれたX線源を示す。
【図6】X線源を斑点の後ろに適正に置くための別の方法及び器具として、眼の前から内側に光る膨張する光の環を示す概略図である。
【図7】X線源を適正に置くための別の方法及び器具として、光線の格子を示す概略図であり、該光線は次々に活性化されそしてプローブ又はカテーテル上のセンサーから検出することができる。
【図8】X線源を斑点の後ろに適正に置くための別の代替法として、カテーテル又はプローブ器具に設置された光源を示す概略図である。
【図9】X線源から放出される制限された放射線パターンであって、斑点の後ろの脈絡層を治療する放射線パターンの主として平面図を示す概略図である。
【図10】側方監視式方向性放射線のためのX線管を示す概略平面断面図である。
【図11】冷却チャンネルを収容した包囲鞘内のX線源の「鍵合わせ」を示す概略断面図である。
【図12】X線源から斑点に向けて、眼球に対して接線方向又は弦方向の放射を示す断面概略図である。
【図13】放射線の線量対浸透深さのグラフであり、即ち本発明の方法におけるシステムの一態様のための線量プロフィールである。
【符号の説明】
【0044】
10 眼
12 プローブ又はカテーテル器具
14 強膜
16、30 斑点領域
20 X線源
22 脈絡層
26 網膜
28 窩
32a、33 隆起
32 視神経
35 バルーン構造体
48 センサー
40、42、44、46 光の環
【技術分野】
【0001】
本発明は、目の湿性の年齢に関係した黄斑変性症(AMD)の治療に関し、特にかかる黄斑変性症の治療への放射線の使用に関し、該放射線は強膜の後ろから放射される。眼の腫瘍の治療もまた本発明の一部を形成する。
【背景技術】
【0002】
目の湿性の年齢に関係した黄斑変性症は米国では盲目の主要な原因であり、そして世界の主要な原因である。それは、窪みを含む網膜の黄斑領域及びそれを直に囲む領域における、眼の後ろの脈絡膜からの異常な血管の成長により特徴付けられる。これは「脈絡膜新血管形成」(CNV)と呼ばれる。用語「湿性」は、これらの異常な血管が漏れそして斑点を損傷し、中心の視野の歪みを引き起こす。従って、患者の最も高い解像視力がひどく危うくなるか又は失われる。
【0003】
AMD事例のほぼ10パーセントは湿性AMDを含み、これは盲目に至るタイプである。乾性AMDはAMD事例のほぼ90パーセントを占めるが、これらのあるパーセント(ほぼ10パーセント)は最終的には湿性AMDに進む。
【0004】
湿性AMD患者の中で、これらの事例のほぼ70パーセントは標準的な湿性AMDであり、ほぼ30パーセントは超自然的なAMDである。両方の場合でCNVが起こり、脈絡膜と脈絡膜の上の空間を、損傷を引き起こす増殖する血管が侵入する。標準的AMDの場合、新しい血管は本質的にそのままであるが、一方超自然的AMDでは血管が漏れ、幾分無定形の塊を形成し、そして医者が検眼鏡で血管を見るのを妨げる。従って、特定的にこれらの血管を標的とした治療は、血管の眼による確認と位置特定を要するが、超自然的AMDについてはできない。
【0005】
湿性AMDの治療に対するいくつかの方法がある。光力学的療法(PDT)及び経瞳孔温熱療法(TTT)の両方において、眼の前部を通過するように向けられたレーザービームを使用する。これらはいろいろな有効性の度合を有するが、PDTは一般に二つの中でより有効である。PDTにおいて、治療は光感受性染料を投与し、次いでレーザー治療するが、レーザー治療は染料を増感してCNV症状に影響を及ぼす。TTTとPDTの両方の結果は理想的というより少なかった。一つの研究に基づくと、AMD患者のたった15%しか治療のための斑点光凝固研究グループ(MPSG)ガイドラインに合致せず、従って殆どのAMD患者はこの治療から利益を得ないであろう。更に、この治療の費用は極めて高く、その費用有効性は疑問である。
【0006】
FDAは、AMDからの主として標準的脈絡膜新血管傷害を有する患者の治療にPDTを勧めるが、殆どの場合、新血管形成が3カ月以内に再発する。従って、患者は多分、この療法が有効なものとするには1年に3ないし4回の治療を必要とするであろう。そして治療は基本的には視力を改善するというよりも視覚を維持するだけである。
【0007】
研究でX線照射はCNVの治療に有効であることが発見された。放射線は外部源からこめかみ領域を通って、近接照射療法により、放射線同位体ペレットを支持する「プラーク(plaques)」を使用して照射される。これらのプラークは、強膜の外部の周りに挿入することにより、眼の裏側に強膜に向かって埋め込まれる。これらの埋め込まれたプラークは処方された持続時間、例えば約30時間、又は17.6Gyで約18−65時間の範囲で所定の位置に置かれる。一つの研究では、治療した患者の約45%に安定化又は視力の改良が示された。7年の追跡後、どの患者にも視力を制限する放射線合併症が見られなかった。このように、X線放射は特に近接照射療法で照射された場合、黄斑変性症のCNV症状の安定化及び改良にいくらかの効力があることが知られている。
【0008】
パウル フィンガーの特許文献1は、これらのプラークの使用、及びプラークに取り付けられた光源を使用してプラークを配置する方法を記載する。
【0009】
外部ビーム治療法は難しく、そして一般に高度に専門的な実施者に限られ、設備の資本コストが非常に高い。この治療法は、標的に特定的な非常に小さいビームを生成することができないこと、ビームを標的に正確に配置すること、脳組織を含む他の構造に対する放射線損傷、及び視神経及び放射線網膜症を回避することを含むいくつかの理由で難しい。
【0010】
前に論じた他の制限に加えて、同位体の使用は理想的ではない。同位体は、同位体の比活性度の選択、並びにエネルギーの選択について極度に限定される。更に、同位体は近接照射療法のための据え付けの間、遮蔽しなければならず、そして同位体は等方性放射体であるので、隣接する構造体を保護するために方向的に遮蔽しなければならない。
【特許文献1】特許第6,443,881号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
黄斑変性症のCNVのためのずっと改良された治療は、非外科的に斑点(黄斑)に隣接して正確に置くことができ、信頼できる正確な方向性放出をし、そして放射線浸透度の深さと照射量を制御することができる制御可能なX線源であろう。これらは以下に記載する本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、小型のX線源を眼球の周りに非外科的に挿入して、該源を斑点に直に隣接して、眼の背ろに且つ強膜に対向して置く。小型X線管はオフ/オンに切り替え可能であり、且つ好ましい態様では、電圧(浸透度)及び電流(線量)に関して制御可能である。該源の挿入は、眼球の周りに眼の後ろに挿入され且つ標的組織に隣接して置かれたカテーテル/プローブを介して行われる。カテーテル内の小型X線管は直径約1mm、長さほぼ7mm程度である(寸法は変えることができる)。この器具により、イオン化放射線の治療線量が脈絡膜層内の異常な血管に伝達される。この治療用放射線は、血管線維形成を引き起こすプロセスを通して、出血する血管を封止又は閉鎖する傾向がある。活発に増殖していない隣接する組織細胞は、よく知られているように、放射線による影響が少ない。
【0013】
眼の後ろからイオン化放射線を伝達する重要な利点は、眼の構造、即ちレンズ、網膜及び視神経、を損傷する事なく治療線量を病斑に与えることができることである。眼の後ろの膜は比較的放射線耐性である。
【0014】
本発明は、カテーテル及びX線管を眼の後ろに正確に置く方法及び手段を包含する。いくつかの異なるガイダンス技術が使用できる。一つの技術によると、プローブ又はガイドの上に隆起又はうねが設けられ、器具を操作すると、医者が眼の前部から見ることができる、網膜上を動くマウンドを形成する。これは医者に、X線管のアノード端部を正確に置くための基点を与える。別の方法は、プローブを空間的に又は時間的に配置するための手段として、眼の前部から向けられた光又は眼に見えない放射線を使用することである。一例として、眼の前部から光を発する器具は一連の膨張する光の環を発生することができる。これらの光の環はプローブの外部の複数のセンサーにより感知することができる。網膜から強膜の後ろまでの組織は相対的に半透明である。光の環がこれらのセンサーに到達する時に幾分散乱されるであろうが、それらのピークは検出され、そしてこれは制御装置にフィードバックされて、器具を効果的に中心に置きそして放射線源を斑点に対してそろえるにはどの方向にプローブを動かすべきかを決定するのに十分な情報を与えるであろう。
【0015】
赤外線をプローブの配置に有利に使用することができる。IRは眼の前部から、患者に見えず、従って患者に不快でなく導くことができ、この放射線は網膜、脈絡膜及び強膜を透過して器具上のセンサーにまで達するであろう。
【0016】
他の整列器具は、前に参照したフィンガー特許におけるように、プローブ自体上に位置する光源を有することができる。この発明によると、これらの光源は、ファイバー端部に再配向反射器を有する引き裂いた光ファイバー又は研磨したファイバーであることができ(マイクロプリズム)、光の起源は制御装置の後ろである。これらのファイバー端部は、プローブを、眼の前部から現れる光源の位置を参照して配置する「ヘッドライト」として役立つことができる。他の変形は、眼の前部を通って光るカラーグラデーション、光パターンの格子、又はプローブ若しくは眼の前部からの光の感知を含む他の器具を含むことができる。修正された態様は、X線が当たると、眼の前部を覗き込むことによりX線ビームの位置を見ることができるようにする蛍光材料を使用する。蛍光材料は血液又は眼の流体に入れて、少しのX線の照射で蛍光を発して器具を配置することができる。或いは、管自体が蛍光材料を有することができ、X線で励起された場合に光を放って目で見えるようにプローブを配置する。
【0017】
本発明により、放射線の線量及び深さはCNV症状に対する処方に合わせることができ、一方健康な隣接する構造体に放射線を最小にすることができる。これを達成するために、いくつかのパラメータが調整可能である。更に、プローブ中のX線管は方向性にするのが好ましく、所望により治療のために、X線管から見て治療領域の距離及び治療領域の幅に相対的に、放射線の理想的窓を設けることができる。
【0018】
小型管からのX線ビームをフィルターに通すことは必要に応じて導入することができる。これは低エネルギー放射を大きく減少させることができ(即ちビームの「硬化」)、従って近位領域、即ち、放射線が望ましくない強膜、における線量を減少させる。これが設置後の光源の離隔及び電圧の調整と組合わさって、脈絡膜、強膜及び網膜への線量を最適にする。
【0019】
プローブを治療中固定することは重要である。いくつかの方法を使用できる。上記のプローブ器具上の「隆起」は膨らませることができ、従って平らにして挿入し、斑点の近くで(液体で)膨らませる。更なる膨張はプローブが隣接する組織に向かって保持するのを助ける(そしてまた、以下に記載するように光源を組織から離す)。別の膨張可能なバルーンをプローブの裏側に置くことができ、そして更なるバルーンをカテーテル上にX線源に近接して置いて、カテーテル及びプローブを更に固定することができる。
【0020】
本発明の別の側面は、薬物を使用して放射線治療の有効性を向上させ、従って低い放射線線量の照射を可能にする。上記のPDTの概念と同様に、放射線向上薬物は全身に投与することができ、照射された領域を放射線に対して一層感受性にするが、非照射領域の身体組織に対する影響はない。
【0021】
従って、本発明の目的は、湿性浸出性黄斑変性症のための治療としての放射線療法を、正確に放射線を伝達するために斑点の後ろに正確に置くことができる制御可能な放射線源を有するプローブの使用により改良することである。本発明のこれら及びその他の目的、利点及び特徴は、以下の好ましい態様の記述を図面と共に考慮して理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、一般に平面図及び断面図で患者の眼10を示し、眼球の周りに強膜14の表面に沿って挿入されたプローブ又はカテーテル器具12を図式的に示す。斑点、又は斑点領域は16で示され、眼の網膜の領域にある。プローブ又はカテーテル器具12は、図式的に示されそしてカテーテルが挿入される外部鞘又はガイドを含んでもよいが、その遠方端部に切り替え可能なX線源20を含む。源20は好ましくは、スイッチを入れた時に放射線を放出しそして場合によっては電流及び電圧を変えることができるX線管を含み、側方監視式方向性放射線を、強膜14及び脈絡膜又は斑点の直後の層を通過して斑点16に向かって放出する。X線源20の正確な配置は本発明の重要な側面であり、以下に論じる。
【0023】
図2は、X線源20を図式的に示した、拡大詳細図である。源20は強膜14の直き後ろにあり、そして該源、又は該源を囲む鞘若しくはガイドは強膜の背面に直接接する。図面が図式的に示すように、脈絡膜若しくは脈絡層22は強膜から次の内側の組織である。強膜はこの領域では厚さが約1mmであり、脈絡層はたった約0.5mmの厚さである。脈絡層の直ぐ内側は網膜26である。
【0024】
窩28は斑点領域30の中心にあり、それは典型的にはフォビア(phobia)(小窩、窩、傍中心窩及び周囲窩領域を含む)の周り直径約5−6mmの領域と考えられる。図2が示すように、この領域は、放射線を避けなければならない視神経32に非常に近い。前に説明したように、脈絡層22は、年齢が関係する黄斑変性症のCNVが起きる領域であり、これは、斑点の直き後ろにあり、本発明に従ってX線放射線で治療すべき層である。
【0025】
図3−8は、プローブ又はカテーテル12、そして特にX線放射線を斑点の後ろに適正に配置することに関する。図3では、医者に網膜の後ろのX線管の位置を示すために、一つのスキームが例示され、これによりX線管が斑点の後ろのほぼ中央に位置するようにプローブを調整しそして適正に配置することができる。この配置により、X線管を収容したプローブ12、即ち眼球の周りに挿入される装置の外装(それはガイドであり得る)は、「隆起」又は突起32を有する。この突起32は図3では相対的サイズが誇張されていると思われるが、網膜内の動くうね又は隆起を形成し、そのうね又は隆起は医者が光学機器を使用して眼の前部から見ることができる。図3の概略図に見られるように、隆起32はX線管20のアノード、即ちX線34を発する管の部分、をセンターオーバーするのが好ましい。図3で、プローブ12の端部は、丸く、傷をつけないタイプ36に示されている。
【0026】
図3Aは図3に示すものの変形を示す。図3及び図3Aの両方において、隆起32又は32aは固定機能と上記の配置機能を形成する。隆起32,32aは強膜に向けて押し、従ってプローブ器具を強膜と隣接する組織の間にきつく割り込ませる傾向がある。更に、この隆起32,32aは放射線源20を強膜及び脈絡層から離すように働き、従って放出される放射線に対する表面対深さの比を改良する。図3Aにおいて、隆起32aはカテーテル12a内の内腔(lumen)(図示されていない)を介して膨張可能であり、膨張の量は必要に応じて変えることができる。この離隔距離は管20に対して設定した電圧で校正され、従って医者は、網膜及び強膜内の線量を最小にしながら脈絡膜内のX線放射線線量を最適にすることができる。図3はまた、追加の膨張可能なバルーン突起33を示し、該突起はプローブ器具の放射線側から反対側に配置することができる。このバルーン33もまた、隆起32aと同様、カテーテル12a内の内腔又はダクト(図示されていない)を介して膨張可能であり、プローブが挿入される時は収縮する。それ(バルーン33)は、管が斑点の後ろに適正に置かれた後、プローブの固定を助けるために選択した膨張度に膨張させることができる。図3Aにはまた、第3の膨張可能なバルーン構造体35が示され、該構造体はカテーテル12aの長さ方向に沿った選択した位置に含めることができ、更にプローブを固定し、そしてカテーテル先端とX線源を、近接したカテーテルの動き及びプローブを適正に配置した後のカテーテルの動きから隔離する。再び、バルーン35は挿入の間収縮させる。
【0027】
減圧、即ち組織に対する吸引、もまた、適正に配置した後の器具を固定するために使用することができる。吸引はカテーテル内の別個の内腔(図示されていない)を通して適用でき、突起32a又は33上の開口を介して適用し、吸引を相対的に広い領域に広げることができる。
【0028】
図4及び5は、X線管20を斑点(それは実際には眼の前部からは見えないであろう)の背後に適正に置く手順を図式的に示す。図4はプローブの正しくない配置の例を示す。この図面では斑点領域への血管は38で示される。
【0029】
図5は図4と同様であるが、斑点30の後ろに正しく置かれたプローブ12及びX線管20を示す。図6、7及び8は光学的方法およびこれを達成するための手段の例を示す。
【0030】
図6において、一連の光の環40、42、44および46が示される。これらは眼の前から方向づけられ、図6で30で示される斑点領域を中心とする。環のセンターリングは医者が眼の前で機器を使用して行う。光の環40、42等は絶えず膨張している(そして中心に再度現れる)。網膜の後ろはプローブであり、複数のセンサー48(この場合4個)が器具に設けられ、そして好ましくはX線の放出源点の周りに中心化される。これらのセンサー48は光40、42、44及び46の各環が膨張するにつれて通過するのを検出する。光の環は部分的に半透明な網膜、脈絡及び強膜を通過してセンサー48に達するときにかなり散乱されるであろうが、それらのピーク強度は各点48で検出可能であろう。従って、環が膨張するにつれ、各センサー点48による各ピーク検出のタイミングは、プローブ機器に連結された制御装置(図示されていない)に送られ、この情報から、光の環の発光源の中心点に対するセンサーの位置を決定することができる。センターリングされた場合、検出器48は同時に光のピークを全て検出するであろう。従って、医者に、正しい配置を達成するにはどの方向にプローブを動かすべきかについての指示を発生することができるか、又は斑点に相対的なプローブの位置を制御装置上の又はそれに連結したスクリーンに実際に表示することができる。センサー48及び制御装置からのロボットフィードバックを有するロボット器具をプローブの配置に使用できる。
【0031】
図7は別のプローブ配置方法及びシステムを示す。この方法では、光線の格子、例えば垂直光線50及び水平光線52、が、光を眼の前部から内部に方向づける機器により発生する。図6に関して論じた4個のセンサー点48が光線の格子の後ろに示される。図7は概略にすぎず、格子内で間隔をあけた線は十分に小さいので、少なくとも1つの光線からの光は、プローブ器具に設けられた複数のセンサー48の少なくともいくつかにより常に検出されるであろう。前に検討したように、この光は網膜、脈絡膜及び強膜を通過した後非常に散乱されるであろうが、そのピークは検出可能であろう。線50、52の格子は、特別にはっきり明るくされた交差位置54により、医者が眼の斑点に対してできるだけ正確に配置するであろう。この光線は次々活性化することができるので、センサー48からのフィードバックは常に、どの光線が検出されたかそしてどのセンサーによって検出されたかを確認するであろう。これは医者(又はロボットプローブ操縦者)に、プローブがどこに位置しているか、そしてプローブを斑点の後ろに適正に配置するにはどの方向にどの程度プローブを動かすかを告げるに十分な情報を与えるであろう。
【0032】
或いは、図7に示した格子は網膜を横切って動く走査された光線を表し得る(より少ない線が必要とされる)。一時的同期化により、各光線のあらゆる時間の位置が知られ、センサー及び連結されたロジックがプローブを配置するのを可能にする。ほんの2個或いは1個のセンサー48でもこの型の走査配置具に十分であることに注目されたい。
【0033】
図8は、X線管20を斑点領域30の後ろに適正に配置するための別のスキームを示す。この配置は、光源56がプローブ上に直接設けられている点で、前に論じたフィンガー特許の配置と幾分にている。図8には4個の光源が示される。しかしながら、本発明では、これらの光源は、制御装置の照明源から光を受け取る、角度方向に割れた光学ファイバー端部である。ファイバー端部56は十分に明るいので、医者は斑点の後ろのこれらの光源のパターンを見ることができ、それに従ってプローブを配置することができる。ファイバー端部は角度的にきれいにされるか(cleared)又は磨かれ、そして反射器(マイクロプリズム)により再配向され得る。
【0034】
X線源を眼の後ろに置くことを指示しそして確認する別の方法は、眼の前部からのぞき込むことによりX線放射線自体を見る、又はX線放射線の証拠を見るための手段を提供することである。この方法は、X線源の周りの覆いの蛍光、又は血流に入れた医学的に許容される物質の蛍光を含み、その物質はX線放射線を吸収した場合蛍光を発する。かかる物質を眼内空間に注入することができる。
【0035】
蛍光指示体を生成する他の方法は、X線が当たった時に蛍光を発する物質として、X線管自体、又はX線管上の透過性プレート若しくはコーチングを使用することである。出願人は、焼結した窒化アルミニウムがX線放射線で励起された場合に蛍光を発することを見いだした。
【0036】
本発明のX線療法は、前に述べたように、光力学的療法と組み合わせて使用できる。二つの療法を同時に(又は互いに時間的に接近して)使用することにより、PDT(光力学的療法)により引き起こされる崩壊を放射線療法により相乗的に補足することができる。PDTは、参照用に本願に含める特許第6,548,542(第4欄、1.61−第5欄、1.4)に説明されているように、光活性物質により脈絡層の毛細血管の崩壊を本質的に引き起こす。光活性化物質は細胞構造を破壊し、そして’542特許に記載されたように他の影響を及ぼし、CNVラスキュラチブ(rasculative)を閉鎖する結果となる。PDTと組み合わせて伝達されるX線放射線は二つの方法でAMDを修正するのを助けることができる:即ち、第1に、直接的効果は、急速に分裂する細胞を無効にし、従って新たな不適当な血管(CNV)の成長により問題を引き起こす細胞の集団を減少させ、そして第2に、放射線はPDTの効果を、PDT治療に自然に付随する修復反応を防止することにより、助ける。
【0037】
本発明はまた、血管に放射線感受性物質を使用して、放射線に対する血管の感受性を高めることも包含する。これは、本発明の譲受人に譲渡された同時出願の第09/851,372号(2001年5月7日出願)の主題である。この同時出願は、主として放射線と放射線感受性増強物質伝達器具との組み合わせて、バルーン血管形成後の脂厚化を阻止することに向けられている。該出願はタキソール、ミソニダゾール、メトロニダゾール、エタニタゾール、5−フルオロウラシル、テキサフィラン、C225(抗EGFRモノクローナル抗体)、及びシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤のような放射線感受性増強物質を開示する。本発明では、これらの物質の一つのような放射線感受性増強物質を血液に、脈絡層内の細胞を感受性増強するのに有効な量入れるので、本発明のプローブを介して低線量のX線放射線を照射することができる。
【0038】
図9は、カテーテル又はプローブ12の遠位端部にあり、眼の斑点領域30の後ろに適正に位置するX線源20を示す簡単な概略図である。照射すべき脈絡層22の部分、即ち斑点の直後の脈絡、は60で示される。X線放射線は発散するパターンで34で示され、X線管中の源(アノード)62から適当な角度で発散して、脈絡膜中の対象領域60を照射する。図9は、強膜14及び網膜26を含む隣接する構造体が照射されることを示す。適当な線量対深さ曲線が図13に示される。強膜は必ずしも他の構造体よりも多くの放射線を受けるわけではないが、強膜は急速に増殖しない比較的無活動の細胞を含み、放射線線量は問題を起こすほど過剰ではない。次の層は、黄斑変性症のCNV症状を有する脈絡膜である。この領域は、患者に治療的利益を与えるに充分な放射線を受ける。脈絡膜22を越えると網膜26であり、網膜は更に少量の線量を受ける。レンズ及び角膜を含む、眼の前部に向かってより深い領域は、次第に少ない線量を受ける。電圧のフィルタ及び離隔を適正に選択すると、切り替え可能なX線源は標的組織(脈絡膜)から遠い構造体に、現在の同位体プラーク治療よりもかなり少ない放射線を伝達することができる。7年の追跡でプラーク治療した患者に放射線損傷は見られなかった。
【0039】
図10は、側方監視式の方向性放射を達成するためのX線管20のアノード構造を図式的に示す。この配置において、アノードは角度のついた面64、即ち、近付く電子ビーム66の方向にほぼ45゜(22゜から60゜)傾いた面、を含むので、放射は本質的にアークAによる。しかしながら、X線管は、裏側が68そして表側が70で示されるように遮蔽されているので、側方監視式放射線の所望の窓のみが所望の角度Bを通って放出される。放射線のアークは二次元で制限されるので、ほぼ円錐形の放射線を生じる。管の幾何学及びその遮蔽は、アノードから脈絡層の知られた距離、及び知られた斑点の後ろの脈絡膜の幅又は直径を用いて、正しい放射線角度で放射されるように選択される。遮蔽のみに頼って、傾斜したアノードなしのX線源からの所望の側方監視式放射線を生成することができる。
【0040】
図11は、X線源をカテーテル内で又は直に包囲する鞘72内で適正に回転配向するための「鍵に合わせた(keyed)」配列を示す単純化した概略図である。X線管又は源20はうね又は突起74を有し、そのうね又は突起は鞘72又はプラーク内の補足的チャンネル76内に適合する。例示した事例では、直に包囲する構造体は、冷却チャンネル78、80等を有する鞘72である。これは点線で示したガイド82により囲まれてもよく、そして鞘72自体はガイド82内で適正に回転配向するために鍵に合わされてもよい。管20で図示されたような鍵穴形状は必要でない。簡単な、小さい長く伸びたうね又は短い隆起、或いは楕円形のような丸くない形状は配向させるために充分であろう。側方監視式X線器具が適正に配向されて放射線を治療すべき脈絡膜領域の方に導くことが必須である。これは、多くの異なる配列により達成することができる。
【0041】
図12は、この簡単な概略図では84で示されるCNV感染脈絡膜領域を照射するための別の方法を示す。視神経32が図12に示されるが、治療平面の後ろであり、治療平面にはプローブ12及び治療領域84が位置する。この場合、X線86は、図示したように眼に対して一般に接線方向又は弦方向(chordally)に向く。これは、放射線を本質的に接線方向又は弦方向に強膜及び脈絡の一部を通過して、斑点の直き後ろのCNVの領域に送ることにより、かなりの放射線が26で示される網膜に達することを避ける方法である。X線源は、適当な幅と方向を持つ平らなビームを生成するように作られる。図12における距離は大きさの尺度にもならず、比例もしない。
【0042】
本発明の装置及び方法は眼の腫瘍を放射線で治療するために使用できる。同じカテーテルを使用し、眼の組織内のいろいろな位置における腫瘍用に適当な放射線方向を有する切り替え可能な源を用いる。上記の好ましい態様は本発明の原理を例示するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。他の態様及びこの好ましい態様の変形は当業者に明白であり、特許請求の範囲に記載された発明の精神及び範囲から逸脱することなく行い得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】眼と、斑点領域の後ろの眼球の周りに非外科的に挿入されたカテーテルとを示す断面図の概略図である。
【図2】斑点領域の後ろの本発明のカテーテル又はプローブを示す断面拡大図である。
【図3】1つのタイプのX線源配置手段を有する本発明のカテーテルの態様を示す概略部分平面図であり、この場合カテーテル表面上の突起は固定手段及び離隔手段として役立ち、放射線表面対深さ比を改良する。
【図3A】図3と同様の図であり、カテーテル又はプローブ上の膨張可能な突起を示し、そしてまた固定化のための追加の膨張可能なバルーン器具を示す。
【図4】眼の前から見た概略図であり、斑点及び取り囲む血管を示し、そしてまた斑点(それは実際には眼で見えないであろう)の後ろに置かれた本発明のX線源を明らかにし、この場合正しくないX線源の配置を示す。
【図5】図4と同様の図であるが、斑点の後ろに正しく置かれたX線源を示す。
【図6】X線源を斑点の後ろに適正に置くための別の方法及び器具として、眼の前から内側に光る膨張する光の環を示す概略図である。
【図7】X線源を適正に置くための別の方法及び器具として、光線の格子を示す概略図であり、該光線は次々に活性化されそしてプローブ又はカテーテル上のセンサーから検出することができる。
【図8】X線源を斑点の後ろに適正に置くための別の代替法として、カテーテル又はプローブ器具に設置された光源を示す概略図である。
【図9】X線源から放出される制限された放射線パターンであって、斑点の後ろの脈絡層を治療する放射線パターンの主として平面図を示す概略図である。
【図10】側方監視式方向性放射線のためのX線管を示す概略平面断面図である。
【図11】冷却チャンネルを収容した包囲鞘内のX線源の「鍵合わせ」を示す概略断面図である。
【図12】X線源から斑点に向けて、眼球に対して接線方向又は弦方向の放射を示す断面概略図である。
【図13】放射線の線量対浸透深さのグラフであり、即ち本発明の方法におけるシステムの一態様のための線量プロフィールである。
【符号の説明】
【0044】
10 眼
12 プローブ又はカテーテル器具
14 強膜
16、30 斑点領域
20 X線源
22 脈絡層
26 網膜
28 窩
32a、33 隆起
32 視神経
35 バルーン構造体
48 センサー
40、42、44、46 光の環
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を含む黄斑変性症(AMD)を治療する方法:
カテーテルを生きた患者の眼球の周りに、網膜の斑点領域の後ろの位置に滑り込ませる、ここで、該カテーテルは切り替え可能なX線源を収容し、該X線源は該カテーテルの遠位端部で方向性放射が可能である、そして
X線源のスイッチを入れて、方向性放射線を強膜を通って脈絡層に放出させる。
【請求項2】
更に、カテーテル上の光源を活性化しそして眼の前部から光学機器を使用して該光源を見ることにより斑点領域の後ろにカテーテルを適正に置くことを含み、該光源は強膜、脈絡及び網膜を通って見える、請求項1記載の方法。
【請求項3】
カテーテル上の光源が、制御装置の照明の源からの光を受け取る光学ファイバーを含み、該制御装置に該ファイバーが連結している請求項2記載の方法。
【請求項4】
光学ファイバーが、カテーテルでの該光源として角度方向に引き裂かれた端部を有する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
光学ファイバーが磨かれ、そしてカテーテルでの光源が、光を光学ファイバーから眼の前部に導くマイクロプリズム反射器を含む、請求項3記載の方法。
【請求項6】
前以て選択した光パターンを眼の前部から網膜に向けて導き、そして、カテーテルの位置の校正のために移動の方向を示すように、カテーテルの遠位端部近傍に置かれた検出器を使用して光パターンを検出することにより、カテーテルの遠位端部を斑点領域の後ろに適正に置くことを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
光のパターンが繰り返す膨張する光の環を含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
光のパターンが連続して放出される光線の格子を含む、請求項6記載の方法。
【請求項9】
光のパターンがカラーグラデーションパターンを含み、色で位置を示す、請求項6記載の方法。
【請求項10】
光のパターンが光の動くパターンを含み、そして該方法が、動くパターンを参照してカテーテルの位置を一時的に感知することを含む、請求項6記載の方法。
【請求項11】
切り替え可能なX線源が等方性放射線を放出する小型のX線管を含み、カテーテルが強膜の外部に実質的に向かい合った時に、該管の放出パターンが、斑点領域の直き後ろの脈絡膜に向けられそして本質的に斑点領域の外側ではないように該管が遮蔽されている、請求項1記載の方法。
【請求項12】
切り替え可能なX線源が、側方監視式方向性放射線を放出する小型のX線管を含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
X線管が角度の付いたアノードとターゲットを有し、カテーテルが強膜の外部に実質的に向かい合った時に、該管の放出パターンが、斑点領域の直き後ろの脈絡膜に向けられそして本質的に斑点領域の外側ではないように該管が遮蔽されている、請求項12記載の方法。
【請求項14】
X線管が遮蔽されて、斑点の直き後ろの脈絡膜に向けられた所望の制限された方向性放射線を与える、請求項12記載の方法。
【請求項15】
更に、X線管に塗装した1又はそれ以上のフィルターを使用してX線源から放出された放射線をフィルターに通してX線ビームを硬化し、これにより強膜における望ましくない線量を低減する。請求項12記載の方法。
【請求項16】
更に、X線管に塗装した1又はそれ以上のフィルターを使用してX線源から放出された放射線をフィルターに通してX線ビームを硬化し、これにより強膜における望ましくない線量を低減する。請求項1記載の方法。
【請求項17】
プローブの遠位端部が、カテーテルの挿入後にX線源を強膜から隔すための調整可能な離隔器具を含み、X線源は小型X線管を含み、そして強膜からX線源の離隔距離及び小型X線管に印加される電圧のパラメータを選択しそして釣り合わせるステップを含み、これによりパラメータを最適にして脈絡膜に処方の放射線線量を達成し、強膜の線量を制限しそして網膜の線量を最小にする、請求項16記載の方法。
【請求項18】
X線源が約10−30KeVの範囲のエネルギーを放出する、請求項1記載の方法。
【請求項19】
X線源が約15KeVのエネルギーの放射線を放出する、請求項18記載の方法。
【請求項20】
カテーテルの遠位端部を、該カテーテルの表面でその遠位端部近くの突起により適正に配置することを含み、そして方法が、カテーテルが挿入されるにつれて眼の前部から網膜を見、従って、カテーテルが適正に置かれるまでカテーテル上の該突起により生じた網膜内の突起を観察する、請求項1記載の方法。
【請求項21】
カテーテルの表面の突起が膨張可能なバルーンを含み、そして方法が、カテーテルの遠位端部を適正に置いた後、該突起の該バルーンを選択した程度まで膨張させて、該遠位端部を強膜から所望の程度離して、表面対深さ線量比を改良することを含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
更に、カテーテル上に少なくとも一つの追加の膨張可能なバルーンを含み、該追加の膨張可能なバルーンは上記突起と共に、カテーテルの遠位端部を適正に置いた後、カテーテルの固定を助けるのに役立つ、請求項21記載の方法。
【請求項23】
X線源が小型のX線管を含み、そしてX線源を強膜から離す程度を選択し、X線源の電圧を選択し、そして離隔と電圧を最適にして、脈絡膜の標的組織に処方の線量を達成し、そして非標的の眼の組織への線量を最小にするステップを含む、請求項21記載の方法。
【請求項24】
X線管に塗装した1又はそれ以上のフィルターを使用して、X線源から放出される放射線をフィルターに通してX線ビームを硬化させ、これにより強膜内の望ましくない線量を低減する、請求項23記載の方法。
【請求項25】
カテーテルが、丸くない細長い内部空洞を有するガイドを含み、X線源が丸くない空洞に合う補足的形状を有して、X線管をガイド内で回転するように配向する、請求項1記載の方法。
【請求項26】
ガイド内の丸くない断面が一般に鍵穴形状を含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
X線源のスイッチを入れる前に、患者の血管に放射線感受性増感薬物を、脈絡層の細胞を増感するのに有効量投与して、低い線量又はX線放射線を伝達できるようにする、請求項1記載の方法。
【請求項28】
眼に施される光力学的療法と組み合わせて、患者の血管に光活性化物質を投与し、そして次に、眼の前部から光を導くことにより該物質を光活性化し、これにより斑点における脈絡層内のCNV脈管構造を崩壊し、X線放射線はCNV脈管構造の急速に分裂する細胞を無効にし、そして光力学的療法の効果を、光力学的治療の後に自然に起こる修復反応を阻止することにより助ける働きをする、請求項1記載の方法。
【請求項29】
カテーテル上の蛍光物質をX線源からのX線放射線で励起し、そして蛍光物質を眼の前部から光学機器を使用して見ることにより、カテーテルを斑点領域の後ろに適正に配置することを更に含む請求項1記載の方法。
【請求項30】
X線源が小型のX線管であり、そして蛍光物質が該管の上にある、請求項29記載の方法。
【請求項31】
眼の治療処置のために治療用プローブを眼球の周囲に挿入することにより該プローブを挿入しそして適正に配置する方法であって、カテーテル上の光源を活性化し、そして光源を光学機器を使用して眼の前部から見ることにより、カテーテルを斑点領域の後ろに置くことを含み、ここで該光源は強膜、脈絡及び網膜を通して見えるものである、上記の方法。
【請求項32】
カテーテルでの光源が制御装置の照明の源からの光を受け取る光学ファイバーを含み、該制御装置に該ファイバーが連結している請求項31記載の方法。
【請求項33】
光学ファイバーが、カテーテルの該光源として角度方向に引き裂かれた端部を有する、請求項32記載の方法。
【請求項34】
眼の治療処置のために治療用プローブを好ましくは眼球の周りに挿入することにより該プローブを挿入しそして適正に配置する方法であって、前以て選択した光パターンを眼の前部から網膜に向けて導き、そして、カテーテルの位置の校正のために移動の方向を示すように、カテーテルの遠位端部近傍に置かれた検出器を使用して光パターンを検出することにより、カテーテルの遠位端部を斑点領域の後ろに適正に置くことを更に含む、上記の方法。
【請求項35】
光のパターンが繰り返す膨張する光の環を含む、請求項34記載の方法。
【請求項36】
光のパターンが連続的に放出される光線の格子を含む、請求項34載の方法。
【請求項37】
光のパターンがカラーグラデーションパターンを含み、色で位置を示す、請求項34記載の方法。
【請求項38】
光のパターンが光の動くパターンを含み、そして該方法が、動くパターンを参照してカテーテルの位置を一時的に感知することを含む、請求項34記載の方法。
【請求項39】
眼の治療処置のために治療用プローブを眼球の周りに挿入することにより該プローブを挿入しそして適正に配置する方法であって、カテーテルの遠位端部を、該カテーテルの表面でその遠位端部近くの突起により配置することを含み、そして方法が、カテーテルが挿入されるにつれて眼の前部から網膜を見て、これにより、カテーテルが適正に置かれるまでカテーテル上の該突起により生じた網膜内の突起を観察する、上記の方法。
【請求項40】
下記を含む黄斑変性症(AMD)を治療する方法:
カテーテルを生きた患者の眼球の周りに、網膜の斑点領域の後ろであって網膜の斑点領域の直後ではない位置に滑り込ませる、ここで、該カテーテルは切り替え可能なX線源を収容し、該X線源は該カテーテルの遠位端部で方向性放射が可能である、そして
X線源のスイッチを入れて、方向性放射線を強膜を通って脈絡層に、眼球に対して本質的に接線方向又は弦方向に、本質的に放射線が網膜を通過しないように放出させる。
【請求項41】
更に、カテーテル上の光源を活性化しそして眼の前部から光学機器を使用して該光源を見ることすることにより斑点領域の後ろにカテーテルを適正に置くことを含み、該光源は強膜、脈絡及び網膜を通って見える、請求項40記載の方法。
【請求項42】
カテーテル上の光源が、制御装置の照明の源からの光を受け取る光学ファイバーを含み、該制御装置に該ファイバーが連結している請求項41記載の方法。
【請求項43】
X線管が遮蔽されて、眼球に対して接線方向又は弦方向の所望の制限された方向性放射線を与える、請求項40記載の方法。
【請求項44】
X線管に塗装した1又はそれ以上のフィルターを使用して、X線源から放出される放射線をフィルターに通してX線ビームを硬化し、これにより強膜内の望ましくない線量を低減する、請求項43記載の方法。
【請求項45】
カテーテルの遠位端部を、該カテーテルの表面でその遠位端部近くの突起により適正に配置することを含み、そして方法が、カテーテルが挿入されるにつれて眼の前部から網膜を見て、これにより、カテーテルが適正に置かれるまでカテーテル上の該突起により生じた網膜内の突起を観察する、請求項40記載の方法。
【請求項46】
下記を含む眼の腫瘍を治療する方法:
カテーテルを生きた患者の眼球の周りに、腫瘍に隣接する位置まで滑り込ませる、ここで、該カテーテルは切り替え可能なX線源を収容し、該X線源は該カテーテルの遠位端部で方向性放射が可能である、そして
X線源のスイッチを入れて、方向性放射線を照射して腫瘍に処方線量を伝達する。
【請求項1】
下記を含む黄斑変性症(AMD)を治療する方法:
カテーテルを生きた患者の眼球の周りに、網膜の斑点領域の後ろの位置に滑り込ませる、ここで、該カテーテルは切り替え可能なX線源を収容し、該X線源は該カテーテルの遠位端部で方向性放射が可能である、そして
X線源のスイッチを入れて、方向性放射線を強膜を通って脈絡層に放出させる。
【請求項2】
更に、カテーテル上の光源を活性化しそして眼の前部から光学機器を使用して該光源を見ることにより斑点領域の後ろにカテーテルを適正に置くことを含み、該光源は強膜、脈絡及び網膜を通って見える、請求項1記載の方法。
【請求項3】
カテーテル上の光源が、制御装置の照明の源からの光を受け取る光学ファイバーを含み、該制御装置に該ファイバーが連結している請求項2記載の方法。
【請求項4】
光学ファイバーが、カテーテルでの該光源として角度方向に引き裂かれた端部を有する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
光学ファイバーが磨かれ、そしてカテーテルでの光源が、光を光学ファイバーから眼の前部に導くマイクロプリズム反射器を含む、請求項3記載の方法。
【請求項6】
前以て選択した光パターンを眼の前部から網膜に向けて導き、そして、カテーテルの位置の校正のために移動の方向を示すように、カテーテルの遠位端部近傍に置かれた検出器を使用して光パターンを検出することにより、カテーテルの遠位端部を斑点領域の後ろに適正に置くことを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
光のパターンが繰り返す膨張する光の環を含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
光のパターンが連続して放出される光線の格子を含む、請求項6記載の方法。
【請求項9】
光のパターンがカラーグラデーションパターンを含み、色で位置を示す、請求項6記載の方法。
【請求項10】
光のパターンが光の動くパターンを含み、そして該方法が、動くパターンを参照してカテーテルの位置を一時的に感知することを含む、請求項6記載の方法。
【請求項11】
切り替え可能なX線源が等方性放射線を放出する小型のX線管を含み、カテーテルが強膜の外部に実質的に向かい合った時に、該管の放出パターンが、斑点領域の直き後ろの脈絡膜に向けられそして本質的に斑点領域の外側ではないように該管が遮蔽されている、請求項1記載の方法。
【請求項12】
切り替え可能なX線源が、側方監視式方向性放射線を放出する小型のX線管を含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
X線管が角度の付いたアノードとターゲットを有し、カテーテルが強膜の外部に実質的に向かい合った時に、該管の放出パターンが、斑点領域の直き後ろの脈絡膜に向けられそして本質的に斑点領域の外側ではないように該管が遮蔽されている、請求項12記載の方法。
【請求項14】
X線管が遮蔽されて、斑点の直き後ろの脈絡膜に向けられた所望の制限された方向性放射線を与える、請求項12記載の方法。
【請求項15】
更に、X線管に塗装した1又はそれ以上のフィルターを使用してX線源から放出された放射線をフィルターに通してX線ビームを硬化し、これにより強膜における望ましくない線量を低減する。請求項12記載の方法。
【請求項16】
更に、X線管に塗装した1又はそれ以上のフィルターを使用してX線源から放出された放射線をフィルターに通してX線ビームを硬化し、これにより強膜における望ましくない線量を低減する。請求項1記載の方法。
【請求項17】
プローブの遠位端部が、カテーテルの挿入後にX線源を強膜から隔すための調整可能な離隔器具を含み、X線源は小型X線管を含み、そして強膜からX線源の離隔距離及び小型X線管に印加される電圧のパラメータを選択しそして釣り合わせるステップを含み、これによりパラメータを最適にして脈絡膜に処方の放射線線量を達成し、強膜の線量を制限しそして網膜の線量を最小にする、請求項16記載の方法。
【請求項18】
X線源が約10−30KeVの範囲のエネルギーを放出する、請求項1記載の方法。
【請求項19】
X線源が約15KeVのエネルギーの放射線を放出する、請求項18記載の方法。
【請求項20】
カテーテルの遠位端部を、該カテーテルの表面でその遠位端部近くの突起により適正に配置することを含み、そして方法が、カテーテルが挿入されるにつれて眼の前部から網膜を見、従って、カテーテルが適正に置かれるまでカテーテル上の該突起により生じた網膜内の突起を観察する、請求項1記載の方法。
【請求項21】
カテーテルの表面の突起が膨張可能なバルーンを含み、そして方法が、カテーテルの遠位端部を適正に置いた後、該突起の該バルーンを選択した程度まで膨張させて、該遠位端部を強膜から所望の程度離して、表面対深さ線量比を改良することを含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
更に、カテーテル上に少なくとも一つの追加の膨張可能なバルーンを含み、該追加の膨張可能なバルーンは上記突起と共に、カテーテルの遠位端部を適正に置いた後、カテーテルの固定を助けるのに役立つ、請求項21記載の方法。
【請求項23】
X線源が小型のX線管を含み、そしてX線源を強膜から離す程度を選択し、X線源の電圧を選択し、そして離隔と電圧を最適にして、脈絡膜の標的組織に処方の線量を達成し、そして非標的の眼の組織への線量を最小にするステップを含む、請求項21記載の方法。
【請求項24】
X線管に塗装した1又はそれ以上のフィルターを使用して、X線源から放出される放射線をフィルターに通してX線ビームを硬化させ、これにより強膜内の望ましくない線量を低減する、請求項23記載の方法。
【請求項25】
カテーテルが、丸くない細長い内部空洞を有するガイドを含み、X線源が丸くない空洞に合う補足的形状を有して、X線管をガイド内で回転するように配向する、請求項1記載の方法。
【請求項26】
ガイド内の丸くない断面が一般に鍵穴形状を含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
X線源のスイッチを入れる前に、患者の血管に放射線感受性増感薬物を、脈絡層の細胞を増感するのに有効量投与して、低い線量又はX線放射線を伝達できるようにする、請求項1記載の方法。
【請求項28】
眼に施される光力学的療法と組み合わせて、患者の血管に光活性化物質を投与し、そして次に、眼の前部から光を導くことにより該物質を光活性化し、これにより斑点における脈絡層内のCNV脈管構造を崩壊し、X線放射線はCNV脈管構造の急速に分裂する細胞を無効にし、そして光力学的療法の効果を、光力学的治療の後に自然に起こる修復反応を阻止することにより助ける働きをする、請求項1記載の方法。
【請求項29】
カテーテル上の蛍光物質をX線源からのX線放射線で励起し、そして蛍光物質を眼の前部から光学機器を使用して見ることにより、カテーテルを斑点領域の後ろに適正に配置することを更に含む請求項1記載の方法。
【請求項30】
X線源が小型のX線管であり、そして蛍光物質が該管の上にある、請求項29記載の方法。
【請求項31】
眼の治療処置のために治療用プローブを眼球の周囲に挿入することにより該プローブを挿入しそして適正に配置する方法であって、カテーテル上の光源を活性化し、そして光源を光学機器を使用して眼の前部から見ることにより、カテーテルを斑点領域の後ろに置くことを含み、ここで該光源は強膜、脈絡及び網膜を通して見えるものである、上記の方法。
【請求項32】
カテーテルでの光源が制御装置の照明の源からの光を受け取る光学ファイバーを含み、該制御装置に該ファイバーが連結している請求項31記載の方法。
【請求項33】
光学ファイバーが、カテーテルの該光源として角度方向に引き裂かれた端部を有する、請求項32記載の方法。
【請求項34】
眼の治療処置のために治療用プローブを好ましくは眼球の周りに挿入することにより該プローブを挿入しそして適正に配置する方法であって、前以て選択した光パターンを眼の前部から網膜に向けて導き、そして、カテーテルの位置の校正のために移動の方向を示すように、カテーテルの遠位端部近傍に置かれた検出器を使用して光パターンを検出することにより、カテーテルの遠位端部を斑点領域の後ろに適正に置くことを更に含む、上記の方法。
【請求項35】
光のパターンが繰り返す膨張する光の環を含む、請求項34記載の方法。
【請求項36】
光のパターンが連続的に放出される光線の格子を含む、請求項34載の方法。
【請求項37】
光のパターンがカラーグラデーションパターンを含み、色で位置を示す、請求項34記載の方法。
【請求項38】
光のパターンが光の動くパターンを含み、そして該方法が、動くパターンを参照してカテーテルの位置を一時的に感知することを含む、請求項34記載の方法。
【請求項39】
眼の治療処置のために治療用プローブを眼球の周りに挿入することにより該プローブを挿入しそして適正に配置する方法であって、カテーテルの遠位端部を、該カテーテルの表面でその遠位端部近くの突起により配置することを含み、そして方法が、カテーテルが挿入されるにつれて眼の前部から網膜を見て、これにより、カテーテルが適正に置かれるまでカテーテル上の該突起により生じた網膜内の突起を観察する、上記の方法。
【請求項40】
下記を含む黄斑変性症(AMD)を治療する方法:
カテーテルを生きた患者の眼球の周りに、網膜の斑点領域の後ろであって網膜の斑点領域の直後ではない位置に滑り込ませる、ここで、該カテーテルは切り替え可能なX線源を収容し、該X線源は該カテーテルの遠位端部で方向性放射が可能である、そして
X線源のスイッチを入れて、方向性放射線を強膜を通って脈絡層に、眼球に対して本質的に接線方向又は弦方向に、本質的に放射線が網膜を通過しないように放出させる。
【請求項41】
更に、カテーテル上の光源を活性化しそして眼の前部から光学機器を使用して該光源を見ることすることにより斑点領域の後ろにカテーテルを適正に置くことを含み、該光源は強膜、脈絡及び網膜を通って見える、請求項40記載の方法。
【請求項42】
カテーテル上の光源が、制御装置の照明の源からの光を受け取る光学ファイバーを含み、該制御装置に該ファイバーが連結している請求項41記載の方法。
【請求項43】
X線管が遮蔽されて、眼球に対して接線方向又は弦方向の所望の制限された方向性放射線を与える、請求項40記載の方法。
【請求項44】
X線管に塗装した1又はそれ以上のフィルターを使用して、X線源から放出される放射線をフィルターに通してX線ビームを硬化し、これにより強膜内の望ましくない線量を低減する、請求項43記載の方法。
【請求項45】
カテーテルの遠位端部を、該カテーテルの表面でその遠位端部近くの突起により適正に配置することを含み、そして方法が、カテーテルが挿入されるにつれて眼の前部から網膜を見て、これにより、カテーテルが適正に置かれるまでカテーテル上の該突起により生じた網膜内の突起を観察する、請求項40記載の方法。
【請求項46】
下記を含む眼の腫瘍を治療する方法:
カテーテルを生きた患者の眼球の周りに、腫瘍に隣接する位置まで滑り込ませる、ここで、該カテーテルは切り替え可能なX線源を収容し、該X線源は該カテーテルの遠位端部で方向性放射が可能である、そして
X線源のスイッチを入れて、方向性放射線を照射して腫瘍に処方線量を伝達する。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−501057(P2007−501057A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522595(P2006−522595)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/024005
【国際公開番号】WO2005/016258
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(505314354)ゾフト マイクロテューブ インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/024005
【国際公開番号】WO2005/016258
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(505314354)ゾフト マイクロテューブ インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】
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