説明

広スペクトル対応のRoss式補正がなされたカセグレン式望遠鏡

【課題】広い赤外波長領域で動作するカセグレン式望遠鏡用対物光学系を提供する。
【解決手段】主鏡12と,前記主鏡から離れて配置された副鏡14とを備え,前記主鏡及び前記副鏡は焦点面19を形成するように構成されており,さらに複数のレンズを含む光学収差補正機16を備え,前記光学収差補正機は,前記副鏡と前記焦点面との間に配置されるとともに,前記主鏡及び前記副鏡の光学収差を補正するように構成され,前記複数のレンズの材料は,約0.4mmから約12mmの間の波長領域において放射光を伝達するために選択され,且つ,波面収差(RMS WFE)の平均二乗平均平方根が約0.08より小さくなるレベルへ色収差を減少させるために屈折率の変化が約0.05以下となるように選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は,広い波長領域で動作するRoss式補正がなされたカセグレン式望遠鏡に関する。
【0002】
古典的なカセグレン式望遠鏡,Dall-Kirkham式望遠鏡,Schmidt-Cassegrain式望遠鏡,Maksutov-Cassegrain式望遠鏡,Argunov-Cassegrain式望遠鏡,Klevtsov-Cassegrain式望遠鏡,及びリッチー・クレチアン(Ritchey-Chretien:RC)式望遠鏡を含むカセグレン式望遠鏡は,可視波長領域において物体を観察するために広く用いられている。二つの鏡を有するカセグレン式望遠鏡は,軸外像面湾曲やコマ収差及び非点収差によって制限される非常に限定された視野(FOV)を有することが知られている。RC望遠鏡は,コマ収差を除去し,カセグレン式の構成よりも大きな視野を提供するように構成されている。古典的なカセグレン式望遠鏡は,主放物面鏡及び副双曲面鏡を有する。RC望遠鏡は,主双曲面鏡及び副双曲面鏡を有する。
【0003】
二つの鏡を有するカセグレン式望遠鏡における軸外収差の補正は,Ross式光学収差補正機又はWynne式光学収差補正機を用いて実行される。Ross式光学収差補正機及びWynne式光学収差補正機は,二つの鏡を有するカセグレン式の望遠鏡によって形成される最終像の近くに配置される一連の対物レンズを用いる。しかしながら,従来のRoss式光学補正機又はWynne式光学補正機は,もっぱら光学ガラスレンズを用い,可視波長領域において作動される。光学ガラスレンズは限られた波長領域で機能するものであり,広い波長領域例えば0.4mmから約12mmの間の波長領域には特に適していない。
【0004】
そこで,当該技術分野においては,1度以上の拡張された視野(FOV)を提供する一方で,0.4mmから約12mmの間の波長領域において動作可能な光学収差補正機を用いるRC望遠鏡等のカセグレン式望遠鏡が求められている。この波長領域には,短波長赤外(SWIR)領域(約1.4mmから約3mmの間),中間波長赤外(MWIR)領域(約3mmから約8mmの間),及び長波長赤外(LWIR)領域(約8mmから約15mmの間)の少なくとも一部分が含まれる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一又は複数の実施形態は,カセグレン式望遠鏡を提供する。このカセグレン式望遠鏡は,主鏡と,当該主鏡から離れて配置された副鏡と,複数のレンズを有する光学収差補正機とを備える。前記主鏡及び前記副鏡は,焦点面を形成するように構成される。前記光学収差補正機は,前記副鏡と前記焦点面との間に配置される。前記光学収差補正機は,前記主鏡及び前記副鏡の光学収差を補正するように構成される。前記複数のレンズの材料は,約0.4mmから約12mmの間の波長領域において放射光を伝達し,且つ,波面収差(RMS WFE)の平均二乗平均平方根が約0.08より小さくなるレベルへ色収差を減少させるために屈折率の変化が約0.05以下となるように選択される。
【0006】
本開示の他の実施形態は,主鏡と当該主鏡と離れて配置された副鏡とを有するカセグレン式望遠鏡の収差補正方法を提供する。当該方法は,前記副鏡と前記主鏡及び前記副鏡によって形成される焦点面との間に複数のレンズを備える光学収差補正機を配置する工程と,約0.4mmから約12mmの間の波長領域において放射光を伝達し,且つ,前記主鏡及び前記副鏡の光学収差を補正するために,屈折率の変化が前記波長領域において約0.05より小さくなるように前記複数の光学レンズの材料を選択する工程と,を備える。
【0007】
本開示の上記及び上記以外の特徴及び性質、並びに、関連する構成要素及び各部分の組み合わせの動作方法及び機能及び製造の経済性については、添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明と添付の特許請求の範囲を検討することによってさらに明らかになる。これらはいずれも本明細書の一部を構成する。本明細書において、類似の参照符号は様々な図面において対応する部分を表す。添付図面は例示及び説明のためのものであり、本発明の発明特定事項の定義として用いることは意図されていない。本明細書及び特許請求の範囲における用法によれば、単数形の"a", "an"及び"the"には複数のものへの言及が含まれる。ただし、文脈によって別に解すべきことが明白な場合はこの限りでない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付図面は以下の通りである。
【0009】
【図1】一実施形態に従って,RC望遠鏡におけるレイ・トレーシング・シミュレーションを示す。
【0010】
【図2】他の実施形態に従って,カセグレン式望遠鏡におけるレイ・トレーシング・シミュレーションを示す。
【0011】
【図3】一実施形態に従って,様々な光学材料について,屈折率の変化Dnを約1mmから約10mmの間の領域における波長の関数としてプロットした図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は,一実施形態に従って,RC望遠鏡10におけるレイ・トレーシング・シミュレーションを示す。RC望遠鏡10は,双曲面主鏡12,双曲面副鏡14,及び光学収差補正機16を備える。光学収差補正機16は複数の光学レンズを備える。光学収差補正機16は,二つの鏡12及び14で生じる球面収差,コマ収差,及び非点収差を含む光学収差を補正するために用いられる。図1に示すように,光学収差補正機16は,例えば、二つの光学レンズ18A及び18Bを備える。しかしながら,光学収差補正機16は,光学収差(例えば、球面収差,コマ収差,及び非点収差)を補正するために,二つ以上のレンズを備えることができる。主鏡12及び副鏡14は焦点面19を形成する。光学レンズ18A及び18Bは,副鏡14と主鏡12及び副鏡14の焦点面19との間に配置される。一実施形態において,光学レンズ18A及び18Bは,主鏡12及び副鏡14によって形成される焦点面19の近傍に配置される。
【0013】
一実施形態において,RC望遠鏡10は,結像光学系(imaging optical system)として動作できる。当該光学系においては,遠位にある物体(不図示)からの放射光が主鏡12によって受光される。主鏡12は,放射光を副鏡14の方向に反射する。副鏡14は,主鏡12によって反射された放射光を受光し,当該放射光を反射して光学収差補正機16を通過した後に平面状の焦点面19に像を形成するように構成されている。一実施形態において,平面状の焦点面19は,ゼロ・ペッツバル曲率又は「フラットフィールド(flat field)」条件を満足するように構成されうる。
【0014】
他の実施形態において,RC望遠鏡10は,広視野(WFOV)コリメーター又は光学特殊試験装置(optical special test equipment: OSTE)の一部分として動作できる。例えば、この場合,RC望遠鏡10は,結像光学系又はそれ以外の望遠鏡の試験のために,遠位にある物体をシミュレートするために用いられうる。この場合,放射源(不図示)は,焦点面19に配置されうる。放射源からの放射光は,光学収差補正機16を通過した後,すなわち光学レンズ18A及び18Bを通過した後に副鏡14によって受光される。副鏡14は,当該放射光を主鏡12の方向へ反射する。主鏡12は,光学収差補正機16を通過した後に副鏡14によって反射された放射光を受光し,当該放射光を反射して無限遠でコリメートビームを形成するように構成される。したがって,望遠鏡10によって形成されたコリメートビームは,遠位(試験対象の結像光学系から数10キロメーターないし数千キロメーター離れている)にある放射源をシミュレートする。放射源は,実際には,試験対象の結像光学系から1メートル未満に配置されうる。
【0015】
図2は,他の実施形態に従って,カセグレン式望遠鏡20におけるレイ・トレーシング・シミュレーションを示す。カセグレン式望遠鏡20は,放物面主鏡22,双曲面副鏡24,及び光学収差補正機26を備える。光学収差補正機26は,複数の光学レンズを備える。光学収差補正機26は,鏡22及び24で生じる球面収差,コマ収差,及び非点収差等の任意の光学収差を補正するために用いられる。例えば、図2に示すように,光学収差補正機26は,光学レンズ28A及び28Bを備える。しかしながら,補正機26は,光学収差を補正するために,二つ以上のレンズを備えることができる。主鏡22及び副鏡24は,焦点面29に像を形成することができる。光学レンズ28A及び28Bは,副鏡24と主鏡22及び副鏡24の焦点面29との間に配置される。一実施形態において,光学レンズ28A及び28Bは,主鏡22及び副鏡24によって形成される焦点面29の近傍に配置される。
【0016】
RC望遠鏡10と同様に,カセグレン式望遠鏡20は,焦点面29に像を形成する結像光学系,広視野(WFOV)コリメーター,又は,RC望遠鏡10に関連して上述したように遠位にある放射源をシミュレートする光学特殊試験装置(OSTE)の一部として動作できる。
【0017】
本明細書ではカセグレン式望遠鏡について二つの実施形態(カセグレン式望遠鏡20及びRC望遠鏡10)を説明するが,光学収差補正機は,少なくとも二つの鏡を有する他の任意のカセグレン式望遠鏡において用いられうる。このようなカセグレン式望遠鏡には,Dall-Kirkham式望遠鏡,
Kutter式望遠鏡,Schmidt-Cassegrain式望遠鏡,Maksutov-Cassegrain式望遠鏡,Argunov-Cassegrain式望遠鏡,及びKlevtsov-Cassegrain式望遠鏡,又はこれらの任意の変形が含まれる。
【0018】
望遠鏡10及び20における複数のレンズ18A及び18B,28A及び28Bの材料は,約0.4mmから約12mmの間の広い波長領域を伝達し,望遠鏡10,20の視野(FOV)を拡張することができるようにそれぞれ選択される。一実施形態において,複数のレンズ18A,18B,28A及び28Bの材料は,スペクトルの赤外領域(例えば、SWIR及びMWIR波長領域)において放射光を伝達する光学材料,及び,望遠鏡10,20の拡張された,例えば1.0度より大きいFOVを実現するための所望の屈折率を有する光学材料から選択されうる。
【0019】
図3は,一実施形態に従って,様々な光学材料について,屈折率の変化Dnを,約1mmから約10mmの間の領域における波長の関数としてプロットした図である。図3には,関心のある波長領域で放射光を伝達する様々な材料を示した。この図には,複数の高水溶性の材料が示されている。また,各材料についての平均近似屈折率が示されている。屈折率の変化(アッベ数に関連する)は,材料の光学的分散特性に関する情報を提供する。アッベ数は,光学的分散の評価指標である。アッベ数は,材料の屈折率の変化Dnに反比例する。低光学的分散を有する材料はアッベ数の値が高くなる。したがって,指標の変化Dnが大きくなるほどアッベ数は小さくなり当該材料はより高分散性となる。屈折率の変化Dnが小さくなるほどアッベ数は大きくなり当該材料はより低分散性となる。低分散性の材料は低色収差の原因となる。図3のプロットに示されるように,フッ化バリウム(BaF2)は,約1.0mmから約10.0mmの関心のある波長領域において,相対的に低い屈折率の変化Dn(約0.01)を有する。フッ化バリウムは,約1.45の屈折率を有する。また、図3に示すように,BaF2の屈折率の変化Dnは,約1.0mmから約10.0mmの間の関心のある波長領域において本質的に一定である。図3に示すように,NaFも相対的に一定で低い約0.01のという屈折率変化Dnを有する。しかしながら,NaFは,水溶性である。したがって,NaFは,BaF2のようには,光学レンズを作成するために適していない。
【0020】
表1に,図1に示した実施形態の具体的な仕様を示す。
【表1】

【0021】
表1には,望遠鏡10の様々な光学的表面,及びその各々の曲率半径(Rd),円錐定数(CC),厚さ,及び材料の種類が示されている。例えば、表面3及び表面4は,光学収差補正機16におけるレンズ1(レンズ18B)の第1の表面及び第2の表面に対応する。表面5及び表面6は,光学収差補正機16におけるレンズ2(レンズ18A)の第1の表面及び第2の表面に対応する。この例において,レンズ18A,18BはBaF2から作成される。
【0022】
この光学的仕様においては,望遠鏡10は,約200インチ(約5m)の有効焦点距離を有し,約1.0度のFOVを実現する。主鏡12及び副鏡14の間で測定される望遠鏡10の長さは,約58インチ(約1.47 m)である。したがって,望遠鏡10は,約3.44(200インチ/58インチ)の望遠比を有する。望遠鏡10は,約15インチ(約38cm)の入射開口を有する。この入射開口は,一方向(例えば、y軸方向)に15インチ(38cm)ほど偏心している。望遠鏡10は,親光学系(すなわち、中心に配置された45インチの主鏡開口を用いる光学系)のF値が約F/4.5の場合に,約F/13のF値を実現する。
【0023】
可視光領域の複数の波長を有する波長領域(約0.4mmから約0.8mm)における波面収差の平均二乗平均平方根(RMS WFE)は,0.5度のFOVに対して約0.025(最も悪いRMS WFEは約0.03)となる。可視光領域の複数の波長を有する波長領域(約0.4mmから約0.8mm)における平均RMS WFEは,1.0度のFOVに対して約0.047(最も悪い場合のRMS WFEは約0.085)となる。MWIR波長領域(約3.0mmから約5.0mm)における平均RMS WFEは,0.5度のFOVに対して約0.004(最も悪いRMS WFEは約0.005)となる。MWIR波長領域(約3.0mmから約5.0mm)における平均RMS WFEは,1.0度のFOVに対して約0.007(最も悪いRMS WFEは約0.011)となる。上述のRMS WFEに関するデータは,望遠鏡10が,関心のある波長領域(例えば、約0.4mmから約5.0mm)において色収差を減少できることを示している。同等の又はさらに低いRMS WFE値が,約7.5mmから約10.0mmのスペクトルにおけるLWIRの部分で見られる。上述の像品質性能(image quality performance)値は,平面状の焦点面の一定の焦点位置において評価されており,対象のスペクトル領域の各々について望遠鏡の焦点を定め直す必要がないことに留意されたい。
【0024】
図1に示され表1に詳細が示された実施形態は他の特徴も有する。主鏡・副鏡の組(すなわち、主鏡12及び副鏡14)の焦点距離は+199インチであるが,レンズの組(すなわち、レンズ18A,18B)の焦点距離は-209インチとなる。出来上がった系(すなわち、主鏡12,副鏡14,及びレンズ18A及び18B)の焦点距離は+200インチとなる。レンズの組が相対的に長い焦点距離を有し,最終像の近傍に配置されることから,当該レンズの組が系の焦点距離の値に与える影響は小さくなる。例えば、レンズ18Bは+80インチの焦点距離を有し,レンズ18Aは-56インチの焦点距離を有するので,この組(レンズ18A及びレンズ18B)の焦点距離は,上述の-209インチとなる。個別のレンズについてのより短くより高効率の正及び負の焦点距離と組み上がった系のより長くより低効率の結合焦点距離の組み合わせが,当該Ross式視野補正機における特徴の一つである。また,(当該レンズ組の)負の屈折力が当該鏡の組(すなわち、主鏡12及び副鏡14)の負の反射力の像面湾曲を相殺するので,レンズ組の焦点距離が負であるときに,焦点距離がゼロは正のときよりも多くの平面状の焦点面が実現される。望遠鏡設計において有害な色収差の導入を防止し,また,光学収差補正機16における(負の)屈折力を制限するために,低分散材料がレンズ18A及び18B用に選択される。
【0025】
一実施形態においては,添付図面は寸法を正しく示すように(例えば、正確な比率で)記載されているが,他の実施形態においては,構成要素の他の比率を採用することも可能である。
【0026】
様々な実施形態に基づいて,本発明の概念を例示のために詳述したが、かかる詳細な説明は例示に過ぎず、本発明概念は開示された実施形態に限定されるものではなく,むしろ,添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内の変形や均等な配置も本発明概念に含まれる。例えば、本開示は,任意の実施形態の一又は複数の特徴が,他の任意の実施形態の一又は複数の特徴と可能な限り組み合わせられうることを考慮している。
【0027】
また、当業者にとっては多数の変更及び変形を容易に行うことができるため,本発明概念は,本明細書に開示された構成及び動作そのものに限定されるものではない。したがって、全ての好適な変形及び均等物が本開示の趣旨及び範囲に含まれる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
主鏡と,
前記主鏡から離れて配置された副鏡と,
を備え,
前記主鏡及び前記副鏡は焦点面を形成するように構成されており,
さらに複数のレンズを含む光学収差補正機を備え,
前記光学収差補正機は,前記副鏡と前記焦点面との間に配置されるとともに,前記主鏡及び前記副鏡の光学収差を補正するように構成され,
前記複数のレンズの材料は,約0.4mmから約12mmの間の波長領域において放射光を伝達するために選択され,且つ,波面収差(RMS WFE)の平均二乗平均平方根が約0.08より小さくなるレベルへ色収差を減少させるために屈折率の変化が約0.05以下となるように選択される,
カセグレン式望遠鏡。
【請求項2】
前記複数のレンズの材料がフッ化バリウム(BaF2)である請求項1の望遠鏡。
【請求項3】
前記光学収差が,球面収差,コマ収差,もしくは非点収差,又はこれらの二以上の任意の組み合わせを含む請求項1の望遠鏡。
【請求項4】
前記波長領域が約1.4mmから約3mmの間である請求項1の望遠鏡。
【請求項5】
前記波長領域が約4mmから約8mmの間である請求項1の望遠鏡。
【請求項6】
前記波長領域が約8mmから約12mmの間である請求項1の望遠鏡。
【請求項7】
前記主鏡及び前記副鏡が双曲面鏡である請求項1の望遠鏡。
【請求項8】
前記主鏡が放物面鏡であり前記副鏡が双曲面鏡である請求項1の望遠鏡。
【請求項9】
前記望遠鏡が,結像光学系として作動するよう構成され,
前記主鏡が,遠位の物体からの放射光を受光し,当該放射光を前記副鏡の方向へ反射するように構成され,
前記副鏡が,前記主鏡によって反射された前記放射光を受光し,当該放射光を反射して前記光学収差補正機を通過後に前記焦点面に像を形成するように構成された,
請求項1の望遠鏡。
【請求項10】
前記望遠鏡が光学試験用コリメーターとして作動するように構成され,
前記副鏡が,放射源からの放射光を受光し,当該放射光を前記主鏡の方向に反射するように構成され,
前記主鏡が,前記副鏡から反射された前記放射光を前記光学収差補正機を通過後に受光し,無限遠に配置された放射源をシミュレートするために前記放射光を反射してコリメートビームを生成する,
請求項1の望遠鏡。
【請求項11】
前記望遠鏡の有効焦点距離が約200インチであり,約3.44の望遠比を実現するために前記望遠鏡の長さが約58インチである請求項1の望遠鏡。
【請求項12】
前記望遠鏡の視野が約1度以上である請求項1の望遠鏡。
【請求項13】
前記望遠鏡のF値が約F/13である請求項1の望遠鏡。
【請求項14】
主鏡と当該主鏡と離れて配置された副鏡とを有するカセグレン式望遠鏡の収差補正方法であって,
前記副鏡と前記主鏡及び前記副鏡によって形成される焦点面との間に,複数のレンズを備える光学収差補正機を配置する工程と,
約0.4mmから約12mmの間の波長領域において放射光を伝達し,且つ,前記主鏡及び前記副鏡の光学収差を補正するために,屈折率の変化が前記波長領域において約0.05より小さくなるように前記複数の光学レンズの材料を選択する工程と,
を備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−163943(P2012−163943A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−236850(P2011−236850)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(503455363)レイセオン カンパニー (244)
【Fターム(参考)】