説明

広告サーバ、ゲーム機及び広告システム

【課題】広告料と広告効果との関連が明快な広告サーバ、ゲーム機及び広告システムを提供する。
【解決手段】表示部36を有するゲーム機3に対して通信ネットワーク5を介して接続された広告サーバ1は、広告主を識別する広告主情報を含む広告データが付された、ゲーム機3のプレイヤが操作する車体を、表示部36に所定の時間表示させたことを条件に、ゲーム機3が送信した、広告主情報を含む広告課金データを受信する広告課金受信部12と、広告課金受信部12から広告課金データを受信したことを条件に、広告課金データによって特定される広告主に対して課金する課金部13と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告サーバ、ゲーム機及び広告システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを使用したオンラインゲームにおいて、ゲームを利用するユーザに広告情報を報知する広告システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−77691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の広告システムは、スポンサーをユーザが選択したことで、ユーザがゲームで使用するキャラクタに広告を付して表示するものであった。そして、ユーザは、スポンサーを予め選択すると、無料でプレイできるようになる一方、スポンサーになる企業等の広告主は、広告料として、一定額又はスポンサーになっているチーム数に対応した額を、ゲーム運営者に支払うものであった。
しかし、広告システムは、ユーザがプレイをしなければ広告効果が生じない。そのため、広告主にとって、広告料と広告効果との関連が不明確であった。
【0005】
本発明の課題は、広告料と広告効果との関連を明確にできる広告サーバ、ゲーム機及び広告システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0007】
第1の発明は、プレイ画面(36)を有するゲーム機(3,203)に対して通信ネットワーク(5)を介して接続された広告サーバ(1,201)であって、広告主を識別する広告主情報を含む広告データが付された、前記ゲーム機のプレイヤが操作するキャラクタである広告付キャラクタを、前記プレイ画面に所定の時間表示させたことを条件に、前記ゲーム機が送信した、前記広告主情報を含む広告課金データを受信する広告課金受信部(12)と、前記広告課金受信部から前記広告課金データを受信したことを条件に、前記広告課金データによって特定される前記広告主に対して課金する課金部(13)と、を備えること、を特徴とする広告サーバである。
第2の発明は、第1の発明の広告サーバ(1,201)において、時期に関する情報である時期情報と加算額とを対応付けて記憶する加算記憶部(23)と、前記加算記憶部を参照して、前記広告課金受信部(12)により前記広告課金データを受信した日時の条件が前記時期情報に合致した場合に、その時期情報に対応する前記加算額を、前記広告主に対して課金する加算課金部(14)と、を備えること、を特徴とする広告サーバである。
第3の発明は、第2の発明の広告サーバ(1,201)において、前記時期情報が、時間帯の情報であること、を特徴とする広告サーバである。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの広告サーバ(1,201)において、前記広告課金受信部(12)は、前記広告課金データと共に前記プレイヤを識別するプレイヤ識別データを受信し、前記広告課金受信部により受信した前記プレイヤ識別データによって特定される前記プレイヤに特典を付与する特典付与部(15)を備えること、を特徴とする広告サーバである。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの広告サーバ(1,201)において、前記広告データを記憶する広告記憶部(21,221)と、前記広告記憶部に記憶された前記広告データを、前記ゲーム機(3,203)でプレイが行われる都度及び所定の時間間隔のうち少なくともいずれかのタイミングで、前記ゲーム機に送信する広告送信制御部(11,211)と、を備えること、を特徴とする広告サーバである。
第6の発明は、第5の発明の広告サーバ(1)において、前記広告記憶部(21)は、前記ゲーム機(3)でのプレイ進行時に前記プレイ画面(36)の背景に付し、前記広告データに関連する情報を有する背景広告データを、前記広告データに対応付けて記憶し、前記広告送信制御部(11)は、前記広告記憶部に記憶された前記背景広告データを、前記広告データと共に前記ゲーム機に送信すること、を特徴とする広告サーバである。
第7の発明は、第5の発明の広告サーバ(201)において、前記ゲーム機(203)でのプレイ進行時に前記プレイ画面(36)の背景に付する背景広告データと、時間帯及び場所の少なくともいずれかを特定する情報である付帯情報とを対応付けて記憶する背景広告記憶部(224)を備え、前記広告送信制御部(211)は、前記背景広告記憶部に記憶され、前記ゲーム機でのプレイ開始時刻及び前記ゲーム機の設置場所の少なくともいずれかに合致する背景を生成する前記背景広告データを、前記付帯情報に対応付けて送信すること、を特徴とする広告サーバである。
【0008】
第8の発明は、広告サーバ(1,201)に対して通信ネットワーク(5)を介して接続されたゲーム機(3,203)であって、プレイ画面(36)と、プレイヤが操作する入力部(37)と、広告主を識別する広告主情報を含む広告データを前記入力部によって操作されるキャラクタに付した広告付キャラクタを、前記プレイ画面に表示する表示制御部(32,232)と、前記広告付キャラクタによるプレイを進行するプレイ進行部(33,233)と、前記表示制御部が前記広告付キャラクタを所定の時間表示したことを条件に、前記広告主情報を含み前記広告主に対して課金する広告課金データを、前記広告サーバに送信する送信制御部(34)と、を備えること、を特徴とするゲーム機である。
第9の発明は、第8の発明のゲーム機(3,203)において、前記表示制御部(32,232)が表示する前記広告付キャラクタは、プレイ開始前及びプレイ終了後に少なくとも前記所定の時間表示されて、前記送信制御部(34)が前記広告課金データを送信する条件を満たすこと、を特徴とするゲーム機である。
第10の発明は、第8の発明又は第9の発明のゲーム機(3,203)において、複数の前記広告データを、前記広告サーバから受信する受信制御部(31,231)を備え、前記表示制御部(32,232)は、受信した前記複数の広告データのうちの各々を前記キャラクタに付した前記広告付キャラクタを表示させ、前記プレイ進行部(33,233)は、前記入力部(37)からの前記プレイヤの操作によって、前記表示制御部により表示された複数の前記広告付キャラクタの中から1つが選択されたことを条件に、選択された前記広告付キャラクタによるプレイを進行すること、を特徴とするゲーム機である。
第11の発明は、第8の発明から第10の発明までのいずれかのゲーム機(203)において、前記広告付キャラクタの背景に付する背景広告データと、前記背景広告データに対応する時間帯及び場所の少なくともいずれかを特定する情報である付帯情報とを受信する受信制御部(231)を備え、前記プレイ進行部(233)は、プレイ開始時刻及び前記ゲーム機の設置場所のうち少なくともいずれかに基づいて、前記付帯情報に対応する前記背景広告データを決定して背景画像を生成し、前記表示制御部(232)は、前記プレイ進行部(233)によって生成された前記背景画像を、前記プレイ画面(36)に表示すること、を特徴とするゲーム機である。
【0009】
第12の発明は、プレイ画面(36)を有するゲーム機(3,203)と、広告サーバ(1,201)とが通信ネットワーク(5)を介して接続された広告システム(100,200)であって、前記広告サーバは、広告主を識別する広告主情報を含み、前記ゲーム機のプレイヤが操作するキャラクタに付する広告データを記憶する広告記憶部(21,221)と、前記広告記憶部に記憶された前記広告データを、前記ゲーム機に送信する広告送信制御部(11,211)と、前記広告主情報を含む広告課金データを、前記ゲーム機から受信する広告課金受信部(12)と、前記広告課金受信部から前記広告課金データを受信したことを条件に、前記広告課金データによって特定される前記広告主に対して課金する課金部(13)と、を備え、前記ゲーム機は、前記広告データを、前記広告サーバから受信する受信制御部(31,231)と、前記受信制御部が受信した前記広告データを前記キャラクタに付した広告付キャラクタを、前記プレイ画面に表示する表示制御部(32,232)と、前記プレイヤが入力部(37)を操作することで、前記広告付キャラクタによるプレイを進行するプレイ進行部(33,233)と、前記表示制御部が前記広告付キャラクタを所定の時間表示したことを条件に、前記広告課金データを前記広告サーバに送信する送信制御部(34)と、を備えること、を特徴とする広告システムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、ゲーム機のプレイ画面に、プレイヤが操作する広告データが付されたキャラクタを所定の時間表示させたことを条件として、ゲーム機が広告課金データを送信する。そして、広告サーバは、その広告課金データを受信することで、広告主に対して課金する。よって、プレイヤにとって広告効果が生ずる態様で広告をゲーム機のプレイ画面に表示して、広告主に対して課金することができる。そして、広告料と広告効果との関連が広告主にとって明確な広告システムを提供できる。
【0011】
(2)本発明は、広告課金データを受信した日時が、加算記憶部に記憶された時期情報に合致する場合に、その時期情報に対応する加算額を広告主に対して課金する。時期情報とは、例えば、時間帯や、月初月末といった特定日、又は曜日をいう。よって、例えば、遊戯施設に設置されたゲーム機の広告料を設定する場合に、その施設への来場者数が多く、そのゲーム機のプレイ画面を目にする人の多い時期等を勘案して、広告効果に応じた広告料を設定することができる。
【0012】
(3)本発明は、受信したプレイヤ識別データによって特定されるプレイヤに特典を付与する。よって、プレイヤが操作するキャラクタに広告データを付してゲーム機でプレイを行うことで、そのプレイヤに特典が付与されるので、プレイヤに、広告データをキャラクタに付したプレイを促すことができる。結果として、プレイヤと、広告主との両者に有益なものにできる。
(4)本発明は、広告データをゲーム機に送信するので、ゲーム機で使用する広告データを更新することができる。そして、更新する時期を、ゲーム機でプレイが行われる都度及び所定の時間間隔の後のうち少なくともいずれかのタイミングにすることで、プレイ時に用いる広告データを、広告主が広告データを書き換えた場合に、その広告データをゲーム機に反映できる。
【0013】
(5)本発明は、広告データに関連する情報を有し、ゲーム機でのプレイ進行時にプレイ画面の背景に付する背景広告データを、広告データと共にゲーム機に送信する。よって、広告データをキャラクタに付したプレイの背景に、その広告データに関連する背景広告データを付することができる。その結果として、同種の広告を表示するプレイ画面の領域やタイミングが増すので、より広告効果を高めることができる。
(6)本発明は、ゲーム機でのプレイ進行時にプレイ画面の背景に付する背景広告データと、時間帯及び場所の少なくともいずれかを特定する情報である付帯情報とを、ゲーム機に送信する。よって、ゲーム機では、広告データをキャラクタに付したプレイの背景に、付帯情報に合致する背景広告データを付することができる。例えば、遊戯施設に設置されたゲーム機の設置場所に関するご当地の広告や、プレイする時間帯のその施設へ来場した人の客層に合わせた広告を、プレイ画面の背景に表示することができるので、広告効果をより高めることができる。
【0014】
(7)本発明は、広告付キャラクタが、プレイ開始前及びプレイ終了後に少なくとも所定の時間表示されれば、広告課金データを送信する条件を満たすので、プレイヤに対して一律に広告効果を発揮する態様で表示して、広告主に課金することができる。よって、広告に対する課金条件を、広告主にとって分かりやすいものにできる。また、プレイ開始前及びプレイ終了後という、プレイヤがプレイに熱中していない時間に広告を表示するので、プレイヤに、広告を集中して見せることができる。
(8)本発明は、複数の広告データのうちの各々をキャラクタに付して表示するので、視覚的に分かりやすく表示することで、プレイヤに、広告データを選択させやすくできる。そして、プレイヤは、自身で選択した広告データを付したオリジナルのキャラクタを操作できるので、プレイ意欲を向上できる。また、各広告主は、プレイヤに広告データが選択されるように、他の広告主よりもプレイヤが興味を惹くように広告データを作成しなければならず、広告の活性化を図り、広告主の更新頻度を向上させる等の、広告主の広告に対するモチベーションを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る広告システムの全体構成並びに広告サーバ及びゲーム機の機能構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る広告システムのプレイ処理のフローチャートである。
【図3】第1実施形態に係る広告記憶部、有料ステッカ記憶部及びプレイヤ記憶部を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る表示部に表示される画面例を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る表示部に表示される画面例を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る表示部に表示される画面例を示す図である。
【図7】第1実施形態に係る広告サーバの課金処理のフローチャートである。
【図8】第1実施形態に係る課金記憶部及び加算記憶部を示す図である。
【図9】第2実施形態に係る広告システムの全体構成並びに広告サーバ及びゲーム機の機能構成を示す図である。
【図10】第2実施形態に係る広告記憶部及び背景広告記憶部を示す図である。
【図11】第2実施形態に係る広告システムのプレイ処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
図1は、第1実施形態に係る広告システム100の全体構成並びに広告サーバ1及びゲーム機3の機能構成を示す図である。
広告システム100は、広告サーバ1と、複数台のゲーム機3とが、通信ネットワーク5を介して接続されている。
【0017】
広告サーバ1は、ゲーム機3で表示した広告の広告主に対して課金する機能を有するコンピュータである。広告サーバ1は、制御部10と、記憶部20と、表示部16と、入力部17と、通信I/F部19(I/F:インタフェース)とを備える。
ここで、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御装置等を備えた情報処理装置をいい、広告サーバ1は、記憶部20、制御部10等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0018】
制御部10は、情報の演算、及び処理を行う中央演算処理装置(CPU)であり、当該広告サーバ1の全体を制御するものである。制御部10は、記憶部20に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、広告サーバ1のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
制御部10は、広告送信制御部11と、広告課金受信部12と、課金部13と、加算課金部14と、特典付与部15とを備える。
【0019】
広告送信制御部11は、広告データをゲーム機3に送信する制御部である。
広告課金受信部12は、ゲーム機3から広告課金データを受信する制御部である。
課金部13は、広告課金データに基づいて広告主に対して課金をする制御部である。
加算課金部14は、条件による加算額を広告主に対して課金する制御部である。
特典付与部15は、広告データを使用したゲーム機3のプレイヤに対して、例えば、ゲーム内で使用可能なゲーム内通貨の役割を果たすポイント(特典)を付与する制御部である。
【0020】
表示部16は、広告サーバ1の管理者が、広告主の課金額等を参照可能なモニタである。
入力部17は、広告サーバ1の管理者による操作を受け付ける入力装置である。
通信I/F部19は、通信ネットワーク5を介して接続された各ゲーム機3との間でデータを送受信するための、例えば、ネットワークアダプタである。
【0021】
記憶部20は、広告処理プログラム29等の各種プログラムや、各種のデータを記憶する。記憶部20は、制御部10と組み合わせてプログラムの実行に使用するメモリを含んでよい。
記憶部20を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。広告サーバ1と外部接続することができる磁気テープ、CD−ROMとCD−R/WとDVDとを含む光ディスクや、メモリカード等の補助記憶装置も含む概念である。
【0022】
記憶部20は、広告処理プログラム29の他、広告記憶部21と、課金記憶部22と、加算記憶部23と、プレイヤ記憶部25と、有料ステッカ記憶部26とを備える。
広告記憶部21は、ゲーム機3で表示する広告データを記憶する記憶領域である。
課金記憶部22は、広告主ごとに課金金額を記憶する記憶領域である。
加算記憶部23は、曜日及び時間帯情報と加算額とを対応付けて記憶する記憶領域である。加算記憶部23は、例えば、課金時に参照されて、その曜日及び時間帯情報に対応する加算額が抽出される。
プレイヤ記憶部25は、プレイヤごとにポイントの量を記憶する記憶領域である。
有料ステッカ記憶部26は、使用可能なポイントの量と、ステッカデータとを対応付けて記憶する記憶領域である。
広告処理プログラム29は、上述の制御部10の各処理を実現するためのプログラムである。
【0023】
なお、広告サーバ1を構成するハードウェアの数に制限はない。必要に応じて、1又は複数で構成してもよい。また、広告サーバ1のハードウェアは、必要に応じてデータベース(DB)サーバ、アプリケーションサーバ等の各種サーバを含んで構成してもよく、1台のサーバで構成しても、それぞれ別のサーバで構成してもよい。
【0024】
ゲーム機3は、プレイヤが実際に操作してプレイを行う装置である。ゲーム機3は、例えば、ゲームセンタ等の店舗に設置された大型の業務用ゲーム機である。ゲーム機3は、本実施形態では、プレイヤが自動車(キャラクタ)を操作してタイムや順位を競うカーレースゲームを行うゲーム機として説明する。その他、ゲーム機3は、プレイヤがキャラクタを操作するゲームであればいずれのゲームでもよい。例えば、ゲーム機3は、サッカー、野球、ゴルフ等のスポーツのゲームや、格闘ゲーム、ロールプレイングゲーム(RPG)であってもよい。
【0025】
ゲーム機3は、制御部30と、記憶部35と、表示部36(プレイ画面)と、入力部37と、通信I/F部39とを備える。
ここで、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御装置等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機3は、記憶部35、制御部30等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0026】
制御部30は、広告サーバ1の制御部10と同様に、情報の演算、及び処理を行うCPUであり、ゲーム機3の全体を制御するものである。
制御部30は、受信制御部31と、表示制御部32と、プレイ進行部33と、送信制御部34とを備える。
【0027】
受信制御部31は、広告サーバ1から広告データを受信する制御部である。
表示制御部32は、プレイヤが操作する自動車に広告データが付された広告ペイント車(広告付キャラクタ)を表示させる制御部である。
プレイ進行部33は、ゲーム機3でのプレイを進行する制御部である。
送信制御部34は、広告課金データを広告サーバ1に送信する制御部である。
【0028】
記憶部35は、制御部30での処理に使用するメモリを含んでよい。記憶部35を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、RAM、ROM等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。
記憶部35は、ゲームプログラム35a及びステッカデータ記憶部35bを備える。
ゲームプログラム35aは、上述の制御部30の各処理を実行するプログラムである。
ステッカデータ記憶部35bは、広告が付された無料のステッカである広告データや、有料のステッカであるステッカデータを記憶する記憶領域である。広告データは、広告サーバ1の広告記憶部21に記憶され、有料のステッカのデータは、広告サーバ1の有料ステッカ記憶部26に記憶され、いずれのデータも、広告サーバ1から受信する。
【0029】
表示部36は、プレイ画像を出力する液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置である。
入力部37は、プレイヤによる入力の受け付けを行う入力装置であり、例えば、ペダル、ハンドル、シフトレバー及びスタートボタン等を含んでよい。
通信I/F部39は、通信ネットワーク5を介して接続された広告サーバ1との間でデータを送受信するための、例えば、ネットワークアダプタである。
通信ネットワーク5は、広告サーバ1とゲーム機3との間で通信を行うための、例えばインターネット等の通信網である。
【0030】
次に、広告システム100におけるゲーム機3のプレイについて説明する。
図2は、第1実施形態に係る広告システム100のプレイ処理のフローチャートである。
図3は、第1実施形態に係る広告記憶部21、有料ステッカ記憶部26及びプレイヤ記憶部25を示す図である。
図4から図6までは、第1実施形態に係る表示部36に表示される画面例を示す図である。
【0031】
まず、図2のステップS1では、ゲーム機3の制御部30は、例えば、プレイ料金を受け付けてプレイヤを認証することで、ゲーム機3の処理を開始する。プレイ料金の受付は、例えば、ゲーム機3の図示しないコイン投入口にプレイヤがコインを投入することで、コイン投入口の内部に設けられたコインを検出する光学センサ(図示せず)が、コインを検出して制御部30に検出信号を出力し、制御部30が検出信号を受信することによって行われる。また、プレイヤの認証は、例えば、ゲーム機3の図示しないカードリーダにプレイヤID(ID:identifier)を含むプレイカードをプレイヤが読み取らせることで、制御部30が広告サーバ1の制御部10にプレイヤIDが送信して、制御部10がプレイヤIDを識別して認証することによって行われる。
【0032】
ステップS2では、制御部30(表示制御部32)は、プレイヤが操作する自動車を選択・決定する。具体的には、制御部30は、表示部36に車体設定画面(図示せず)を表示する。車体設定画面には、複数の自動車が表示される。制御部30は、入力部37の操作によって選択された自動車を、プレイヤが操作する自動車に決定する。
ステップS3では、広告サーバ1の制御部10(広告送信制御部11)は、広告記憶部21に記憶された広告データを抽出して、通信I/F部19を介してゲーム機3に送信する。また、制御部10は、広告データに対応付けて広告記憶部21に記憶された背景広告データを抽出して送信する。さらに、制御部10は、有料ステッカ記憶部26に記憶されたステッカデータのうち、認証されたプレイヤIDに基づいてプレイヤ記憶部25を参照して、そのプレイヤのポイントで購入可能なステッカデータを、有料ステッカ記憶部26から抽出して送信する。
【0033】
ここで、広告記憶部21、有料ステッカ記憶部26及びプレイヤ記憶部25について、図3に基づき説明する。
図3(a)に示す広告記憶部21は、広告ごとに広告データを記憶しており、広告主ID21aと、広告データID21bと、広告データ21cと背景広告データ21dとを有する。
広告主ID21aには、広告主を識別する記号(広告主情報)を格納する。
広告データID21bには、広告を識別する記号を格納する。ある広告主(企業)の広告が複数の商品等にわたる場合には、1つの広告主IDに対して、複数の広告データIDが存在することになる。
広告データ21cには、広告データを格納する。広告データは、自動車を装飾するためのステッカの画像データである。ステッカは、自動車の側面や前面、上面等に貼られるため、広告データ21cには、貼り付け位置に応じて複数の広告データを格納する。
背景広告データ21dには、後述するように、プレイ中のプレイ進行画面の背景に広告を表示するための背景広告データを格納する。また、背景広告データ21dには、後述する固定広告部62,72(図5,図6参照)に表示する背景広告データを格納する。背景広告データ21dには、広告を表示する場所に応じて複数のデータを格納してよい。
【0034】
図3(b)に示す有料ステッカ記憶部26は、ステッカの種類ごとにステッカデータを記憶しており、ステッカID26aと、ステッカデータ26bと、使用ポイント26cとを有する。
ステッカID26aには、ステッカの装飾を一意に定める記号を格納する。
ステッカデータ26bには、ステッカデータを格納する。ステッカデータ26bも、広告データと同様に複数のステッカデータを格納する。
使用ポイント26cには、ステッカデータを購入するために使用されるポイントを格納する。
【0035】
図3(c)に示すプレイヤ記憶部25は、プレイヤIDとそのプレイヤの保有ポイントとを対応付けて記憶しており、プレイヤID25aと、保有ポイント25bとを有する。
図3(b)及び(c)から、例えば、プレイヤIDが「U001」のプレイヤは、所有ポイントが「23」ポイントであり、有料ステッカ記憶部26のステッカIDが「A018」の使用ポイント「15」より大きいので、ステッカIDが「A018」のステッカを購入可能である。しかし、プレイヤIDが「U002」のプレイヤは、所有ポイントが「11」ポイントで、ステッカIDが「A018」の使用ポイント「15」より小さいので、ステッカIDが「A018」のステッカを購入できない。よって、制御部10は、ステッカIDが「A018」に対応するステッカデータを、プレイヤIDが「U001」のプレイヤには送信するが、プレイヤIDが「U002」のプレイヤには送信しない。
【0036】
図2に戻って、ステップS4では、ゲーム機3の制御部30(受信制御部31)は、広告サーバ1が送信した広告データを通信I/F部39を介して受信する。そして、制御部30は、受信した広告データを、記憶部35のステッカデータ記憶部35bに記憶させる。また、制御部30は、広告サーバ1が送信した背景広告データを受信して記憶部35に記憶させる。さらに、制御部30は、広告サーバ1が送信したデータにステッカデータが含まれる場合には、それを受信して、ステッカデータ記憶部35bに記憶させる。
【0037】
このように、広告サーバ1は、広告データをゲーム機3に送信するので、ゲーム機3で使用する広告データを更新することができる。そして、広告サーバ1が送信するタイミングを、ゲーム機3でプレイが行われる都度にすることで、広告サーバ1は、広告主が広告データを書き換えた場合に、その広告データをゲーム機3に送信して、ゲーム機3では、その広告データを即時に反映できる。
ステップS5では、制御部30(表示制御部32)は、表示部36にステッカセレクト画面50を表示する。
【0038】
ここで、ステッカセレクト画面50の例を、図4に示す。ステッカセレクト画面50は、ゲーム機3の表示部36に表示され、プレイヤによって、自動車に施す装飾であるステッカの種類を決定する画面である。ステッカセレクト画面50は、車体51と、ステッカ選択部52と、操作説明部57とを有する。
車体51は、上述のステップS2で決定したプレイヤが操作する自動車のボディであって、ステッカセレクト画面50の中央部に表示される。
【0039】
ステッカ選択部52は、ステッカセレクト画面50の上部に表示され、ステッカ候補53〜55により構成される。ステッカ候補53〜55は、ステッカの候補を表示する表示枠である。ゲーム機3には、有料のステッカと無料のステッカとが、上述の図2のステップS4によって予め用意されている。そして、有料のステッカは、広告を含まず、ステッカデータを受信した場合に表示される。無料のステッカは、広告が掲載されたステッカであり、このステッカは、ステッカデータ記憶部35bに記憶された広告データにより生成され、ステッカ候補53〜55に表示される。制御部30(表示制御部32)は、ステッカ選択部52の中央に位置するステッカ候補53に示されたステッカを車体51に施して、ステッカセレクト画面50を表示する。
【0040】
操作説明部57は、ステッカセレクト画面50の右下部に表示され、選択操作説明部58と、決定操作説明部59とを有する。選択操作説明部58には、ハンドルの図を表示する。プレイヤは、入力部37であるハンドルを操作して、ステッカ候補53〜55に表示されたステッカの候補を変更して、車体51に施すステッカを変更する。ハンドルを右に回転させることで、制御部30は、ステッカ候補53〜55に表示するステッカを右方向にずらして、新たなステッカの候補をステッカ候補53〜55に表示する。同様に、ハンドルを左方向に回転させることで、制御部30は、ステッカ候補53〜55に表示するステッカを左方向に変更する。決定操作説明部59には、スタートボタンを表示する。プレイヤは、入力部37であるスタートボタンを操作して、ステッカ候補53に表示されたステッカを、プレイで使用するステッカに決定する。
【0041】
このように、複数の広告データのうちの各々を車体51に付して表示するので、視覚的に分かりやすく表示することで、プレイヤに、広告データを選択させやすくできる。そして、プレイヤは、自身で選択した広告データを付したオリジナルの車体51を操作できるので、プレイ意欲を向上できる。また、広告主は、プレイヤに選択されるように広告データを工夫して作成しなければならず、広告に対するモチベーションを向上できる。
また、プレイヤは、選択操作説明部58に従いハンドルである入力部37を操作して、制御部30は、複数の広告データのうちの各々を順番に車体51に付して、ステッカセレクト画面50を表示するといった、操作方法を視覚的に分かりやすく表示できる。
【0042】
そして、制御部30(表示制御部32)は、決定したステッカが付された車体51であるペイント車を、プレイヤに視認可能なように、例えば、左右方向に1回転させる。以下、広告入りのステッカが付されたペイント車を、広告ペイント車という。制御部30は、広告ペイント車をこのように左右方向に1回転させることで、ゲーム機3は、広告ペイント車をプレイヤに見せることができる。なお、このステッカセレクト画面50で広告ペイント車を表示する時間は、プレイヤが選択した広告を見た時間として、広告課金のための条件の対象になる。
【0043】
図2に戻って、ステップS6では、制御部30(プレイ進行部33)は、ステップS5で決定されたステッカが付されたペイント車によるプレイの進行を開始する。そして、プレイヤは、自身で選択した広告データを付したオリジナルの広告ペイント車を操作できるので、広告システム100は、プレイヤのプレイ意欲を向上させることができる。
ステップS7では、制御部30(プレイ進行部33)は、プレイヤが広告入りのステッカを選択した場合には、それと同じ広告を背景にするように、背景画像を生成する。背景画像は、ステッカデータ記憶部35bの広告データに対応付けて記憶した背景広告データを使用して生成される。そして、制御部30(表示制御部32、プレイ進行部33)は、生成された背景画像を表示して、プレイを進行する。
【0044】
図5は、広告ペイント車でプレイする場合の、プレイ進行画面60を示す図である。プレイ進行画面60は、車体61と、固定広告部62と、背景広告63と、他の自動車64とを表示する。
車体61は、プレイヤの操作によって進行する。車体61は、広告入りのステッカによる装飾が施された広告ペイント車である。
固定広告部62は、プレイ進行画面60の右上方に設けられ、広告を表示する枠である。ここには、車体61と同様の広告が表示される。
背景広告63は、コース上に複数設けられ、車体61と同様の広告が表示される。
他の自動車64は、同じプレイをする競争相手のプレイヤ(仮想のプレイヤを含む)であり、各々のプレイヤが選択したステッカが付されている。
【0045】
このように、プレイ時には、プレイヤは、自分の広告ペイント車を後部からしか見ることができない。しかし、広告サーバ1は、広告データに関連する情報を有する背景広告データを、広告データと共にゲーム機3に送信して、背景画像をプレイヤの操作する広告ペイント車と同じ広告にする。よって、プレイヤに、背景画像によって広告を見せる領域やタイミングを増やすことができ、広告システム100は、より広告効果を高めることができる。また、自身の操作する広告ペイント車と、固定広告部62と、背景広告とが同じ広告であるため、プレイヤは、プレイをしながら一体感を味わうことができる。
【0046】
図2に戻り、ステップS8では、制御部30(プレイ進行部33)は、プレイが終了したか否かを判断する。例えば、タイムオーバにより、プレイが終了した場合(ステップS8:YES)には、制御部30は、処理をステップS9に移す。他方、プレイが終了していない場合(ステップS8:NO)には、制御部30は、処理をステップS7に移し、引き続きプレイを行う。
ステップS9では、制御部30(表示制御部32)は、表示部36にプレイ後のプレイ結果画面70を表示する。
【0047】
図6は、プレイ結果画面70を示す図である。プレイ結果画面70は、図6(1)と図6(2)とが相互に切り替わり、所定の時間(例えば、8秒間程度)、表示部36に表示される。
図6のプレイ結果画面70は、車体71と固定広告部72とを有し、いずれもプレイヤが選択した広告が表示される。
【0048】
このように、プレイ結果画面70をゲーム機3に表示することで、プレイヤは、広告ペイント車を視認するので、広告による宣伝効果を発揮できる。そして、課金に必要な広告の表示条件が、例えば、「累積表示10秒、表示面積10%、表示角度55度」であった場合に、プレイ開始前のステッカセレクト画面50での表示時間及びプレイ終了後のプレイ結果画面70での表示時間をあわせた時間によって、プレイの操作条件やプレイ結果に関係なく、常に上述の条件を満たすようにして課金できる。よって、広告に対する課金条件を、広告主にとって分かりやすいものにできる。
また、プレイ開始前及びプレイ終了後という、プレイヤがプレイに熱中していない時間に広告を表示するので、プレイヤに、広告を集中して見せることができる。
【0049】
さらに、例えば、プレイ開始前のステッカセレクト画面50等の設定時及びプレイ終了後のプレイ結果画面70等のリザルト画面で、ゲーム機3に広告を表示することで、例えば、広告のための画面を特別に設けることなく、プレイを円滑に進めつつ、広告をプレイヤに見せることができる。よって、一秒でも早くプレイを進めて、ゲーム機3でのプレイ時間を短縮してゲーム機3の回転率を高めることにより収益を上げる業務用のゲーム機3において、より利点のある広告システム100を提供できる。
【0050】
図2に戻り、ステップS10では、制御部30は、プレイヤが操作した自動車が広告ペイント車であったか否かを判断する。広告ペイント車であった場合(ステップS10:YES)には、制御部30は、処理をステップS11に移す。他方、広告ペイント車ではなかった場合(ステップS10:NO)には、制御部30は、本処理を終了する。
ステップS11では、制御部30(送信制御部34)は、広告課金データを広告サーバ1に送信する。広告課金データとは、広告主に対して課金するためのデータであり、広告主IDを含む。また、制御部30は、プレイヤID(プレイヤ識別データ)を広告サーバ1に送信する。その後、制御部30は、本処理を終了する。
ステップS12では、広告サーバ1の制御部10は、次に説明する課金処理を行い、本処理を終了する。
【0051】
このように、ゲーム機3の表示部36に、広告データが付されプレイヤが操作する広告ペイント車を所定の時間表示したことを条件として、ゲーム機3が広告サーバ1に対して広告課金データを送信する。そして、広告サーバ1は、その広告課金データを受信することで、広告主に対して課金する。よって、プレイヤにとって広告効果が生ずる態様で広告をゲーム機3の表示部36に表示して、課金を発生させることができる。そして、広告料と広告効果との関連が広告主にとって明確な広告システム100を提供できる。
【0052】
次に、広告サーバ1の課金処理について説明する。
図7は、第1実施形態に係る広告サーバ1の課金処理のフローチャートである。
図8は、第1実施形態に係る課金記憶部22及び加算記憶部23を示す図である。
先ず、図7のステップS20では、制御部10(広告課金受信部12)は、ゲーム機3から広告課金データを受信したか否かを判断する。広告課金データを受信した場合(ステップS20:YES)には、制御部10は、処理をステップS21に移す。他方、広告課金データを受信しない場合(ステップS20:NO)には、制御部10は、本処理を終了する。広告課金データを受信しない場合とは、ゲーム機3が広告課金データを送信しない場合である。つまり、ゲーム機3で広告ペイント車ではない自動車でプレイされた場合であり、例えば、有料ステッカを使用したペイント車によるプレイや、自動車にペイントを施さずにプレイされた場合等である。
【0053】
ステップS21では、制御部10(課金部13)は、課金実行処理を行う。具体的には、制御部10は、広告課金データに含む広告主IDを読み取り、課金記憶部22の該当の広告主IDに対応する課金金額に、一律の金額(例えば、5円)を加算する。課金記憶部22は、図8(a)に示すように、広告主IDと課金金額とを対応させた記憶領域である。そして、制御部10は、広告主IDで特定する広告主が支払う金額を課金金額として、課金記憶部22に記憶する。
このように、ゲーム機3で広告ペイント車を選択してプレイをしたことで、制御部10は、広告ペイント車の広告に対応する広告主に、一律に課金することができる。つまり、制御部10は、プレイ回数に応じた課金をすることができる。
【0054】
なお、広告主から課金金額が支払われた場合、つまり、広告費が支払われた場合には、例えば、広告サーバ1の運営者が入力部17から支払額を入力して、対応する課金金額から支払額を減額する。
そして、広告主から支払われた広告費は、広告サーバ1の運営者、つまり、この広告システム100の運営者の収入になる。
【0055】
図7に戻って、ステップS22では、制御部10は、ステップS20で広告課金データを受信した日時及び曜日の条件が、加算記憶部23に記憶された加算条件に合致するか否かを判断する。合致した場合(ステップS22:YES)には、制御部10は、処理をステップS23に移す。他方、合致しない場合(ステップS22:NO)には、制御部10は、処理をステップS24に移す。
ステップS23では、制御部10(加算課金部14)は、加算条件に対応する額を、課金記憶部22の該当の広告主IDに対応する課金金額に加算する。
ここで、図8(b)に示す加算記憶部23は、横(行)方向に時間帯を、縦(列)方向に曜日を示し、数値は、該当の曜日及び時間帯における加算額(円)である。例えば、土曜日の17時にプレイをした場合には、図中(1)に該当するので、そのプレイにおいて、「+2」円が加算額として加算される。
【0056】
このように、広告サーバ1は、広告課金データを受信した日時が、加算記憶部23に記憶された曜日及び時間帯に合致する場合に、その曜日及び時間帯に対応する加算額を広告主に対して課金する。よって、店舗に設置されているゲーム機3の表示部36を目にする人の多い時期等を勘案して、広告効果に応じた広告料にすることができる。
【0057】
図7に戻って、ステップS24では、制御部10(特典付与部)は、プレイヤに対して、例えば、1ポイントを付与する。付与されたポイントは、上述の図3(c)に示すように、プレイヤ記憶部25のそのプレイヤのプレイヤID25aに対応した保有ポイント25bの値に1を加算して格納される。
制御部10は、プレイヤが広告ペイント車を用いたプレイをするたびに、一律1ポイントを、そのプレイヤのプレイヤIDに対応するポイントに加算する。そのことにより、制御部10は、広告データ送信時(図2のステップS3)に、併せてプレイヤのポイントで装飾可能なペイントデータを送信することができる。そして、プレイヤは、ステッカセレクト時(図2のステップS5)に、ポイントで購入できる有料のステッカを選択することで、自身の自動車に、そのステッカを施すことができる。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0058】
このように、広告サーバ1は、受信したプレイヤ識別データによって特定されるプレイヤにポイントを付与する。よって、広告ペイント車をプレイヤが操作してゲーム機3でプレイを行うことで、そのプレイヤにポイントが付与されるので、プレイヤに、広告データを車体に付したプレイを促すことができる。結果として、プレイヤと、広告主との双方にとって有益な広告システム100を提供できる。
また、広告サーバ1に、例えば、ポイントに応じてレアなステッカを用意することで、プレイヤは、レアなステッカを得ようとする。そのため、広告サーバ1は、プレイヤに広告ペイント車を選択させて操作させることができる。
【0059】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。
この第2実施形態は、ゲーム機のプレイ進行画面の背景画像として、ゲーム機の設置場所及びプレイ時間帯を考慮した広告を表示するものである。
なお、以下の説明及び図面において、上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図9は、第2実施形態に係る広告システム200の全体構成並びに広告サーバ201及びゲーム機203の機能構成を示す図である。
図10は、第2実施形態に係る広告記憶部221及び背景広告記憶部224を示す図である。
【0060】
図9に示す広告サーバ201の制御部210が備える広告送信制御部211は、広告記憶部221に記憶された広告データの他、背景広告記憶部224に記憶された背景広告データを付帯情報に対応付けて送信する。
また、広告サーバ201の記憶部220は、背景広告記憶部224を新たに備える。
ここで、図10(a)は、広告記憶部221を、図10(b)は、背景広告記憶部224を、それぞれ一例として示す。
広告記憶部221は、広告主ID221aと、広告データID221bと、広告データ221cとを備える。これらは、図3(a)に示す、背景広告データ21dを除く広告記憶部21と同様である。
背景広告記憶部224は、背景広告データ224aと、付帯情報224bとを対応付けて記憶する。付帯情報224bには、この例では、「東日本」、「西日本」等のゲーム機203を設置した場所に関する情報と、「昼」、「夜」等の時間帯を表す情報とを格納する。
【0061】
ゲーム機203の制御部230が備える受信制御部231は、広告サーバ201から広告データと、背景広告データ及び対応する付帯情報とを受信する制御部である。
表示制御部232は、背景広告データにより生成された背景画像を表示部36に表示する制御部である。
プレイ進行部233は、プレイ開始時刻及びゲーム機203の設置場所に合致する付帯情報を抽出し、抽出した付帯情報に対応する背景広告データを決定して背景画像を生成する制御部である。
【0062】
次に、プレイ処理について説明する。
図11は、第2実施形態に係る広告システム200のプレイ処理のフローチャートである。ステップS1,S2、ステップS5,S6、ステップS8〜S12は、図2と同様である。
ステップS203において、広告サーバ201の制御部210(広告送信制御部211)は、広告記憶部221に記憶された広告データを抽出して、通信I/F部19を介してゲーム機203に送信する。また、制御部210は、背景広告記憶部224に記憶された背景広告データと対応する付帯情報とを抽出して、ゲーム機203に送信する。
【0063】
ステップS204において、ゲーム機203の制御部230(受信制御部231)は、広告サーバ201が送信した広告データを、通信I/F部39を介して受信する。そして、制御部230は、受信した広告データを、記憶部35のステッカデータ記憶部35bに記憶させる。また、制御部230は、広告サーバ201が送信した背景広告データと対応する付帯情報とを受信して、記憶部35に記憶させる。
ステップS207において、制御部230(プレイ進行部233)は、記憶部35に記憶した付帯情報のうち、ゲーム機203の設置位置及びプレイ時間帯に合致するものを抽出し、対応する背景広告データから背景画像を生成する。そして、制御部230(表示制御部232、プレイ進行部233)は、生成された背景画像を表示して、プレイを進行する。
【0064】
このように、広告サーバ201は、ゲーム機203でのプレイ進行時に表示部36の背景に付する背景広告データと、時間帯及び場所の少なくともいずれかを特定する情報である付帯情報とを、ゲーム機203に送信する。よって、ゲーム機203では、広告ペイント車によるプレイの背景に、付帯情報に合致する背景広告データを用いることができる。例えば、ゲーム機3が設置された場所に関するご当地の広告や、プレイする時間帯の客層に合わせた広告を、表示部36の背景に表示することができるので、広告効果をより高めることができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0066】
(変形形態)
(1)実施形態において、加算記憶部に時間帯及び曜日に対応して加算額を記憶した例を示したが、これに限定されない。例えば、1回のプレイにより課金される額に対する加算率を記憶してもよい。プレイヤの他に、遊戯施設にいる人が目にする必然性の高い時間帯等を考慮して課金金額を変更できるものであれば、どのような方法であってもよい。
【0067】
(2)実施形態において、広告サーバからゲーム機への広告データの送信タイミングが、プレイの都度である例を示したが、これに限定されない。例えば、定期的に広告サーバからゲーム機に広告データを送信してもよい。このようにすることで、広告サーバは、プレイ時に用いる広告データを、定期的に変更することができる。
【0068】
(3)第2実施形態において、広告サーバは、背景画像データをゲーム機に送信し、ゲーム機が背景画像データの抽出を行う例を示したが、これに限定されない。例えば、ゲーム機の設置場所の情報を広告サーバ1が有して、広告サーバが、ゲーム機の設置場所を判定してゲーム機の設置場所に合致した背景広告データのみを送信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1,201…広告サーバ、 3,203…ゲーム機、 5…通信ネットワーク、 10,30,210,230…制御部、 11,211…広告送信制御部、 12…広告課金受信部、 13…課金部、 14…加算課金部、 15…特典付与部、 20,35,220…記憶部、 21,221…広告記憶部、 23…加算記憶部、 25…プレイヤ記憶部、 31,231…受信制御部、 32,232…表示制御部、 33,233…プレイ進行部、 34…送信制御部、 36…表示部、 37…入力部、 50…ステッカセレクト画面、 51,61,71…車体、 52…ステッカ選択部、 62,72…固定広告部、 63…背景広告、 100,200…広告システム、 224…背景広告記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイ画面を有するゲーム機に対して通信ネットワークを介して接続された広告サーバであって、
広告主を識別する広告主情報を含む広告データが付された、前記ゲーム機のプレイヤが操作するキャラクタである広告付キャラクタを、前記プレイ画面に所定の時間表示させたことを条件に、前記ゲーム機が送信した、前記広告主情報を含む広告課金データを受信する広告課金受信部と、
前記広告課金受信部から前記広告課金データを受信したことを条件に、前記広告課金データによって特定される前記広告主に対して課金する課金部と、
を備えること、
を特徴とする広告サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の広告サーバにおいて、
時期に関する情報である時期情報と加算額とを対応付けて記憶する加算記憶部と、
前記加算記憶部を参照して、前記広告課金受信部により前記広告課金データを受信した日時の条件が前記時期情報に合致した場合に、その時期情報に対応する前記加算額を、前記広告主に対して課金する加算課金部と、
を備えること、
を特徴とする広告サーバ。
【請求項3】
請求項2に記載の広告サーバにおいて、
前記時期情報が、時間帯の情報であること、
を特徴とする広告サーバ。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の広告サーバにおいて、
前記広告課金受信部は、前記広告課金データと共に前記プレイヤを識別するプレイヤ識別データを受信し、
前記広告課金受信部により受信した前記プレイヤ識別データによって特定される前記プレイヤに特典を付与する特典付与部を備えること、
を特徴とする広告サーバ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の広告サーバにおいて、
前記広告データを記憶する広告記憶部と、
前記広告記憶部に記憶された前記広告データを、前記ゲーム機でプレイが行われる都度及び所定の時間間隔のうち少なくともいずれかのタイミングで、前記ゲーム機に送信する広告送信制御部と、
を備えること、
を特徴とする広告サーバ。
【請求項6】
請求項5に記載の広告サーバにおいて、
前記広告記憶部は、前記ゲーム機でのプレイ進行時に前記プレイ画面の背景に付し、前記広告データに関連する情報を有する背景広告データを、前記広告データに対応付けて記憶し、
前記広告送信制御部は、前記広告記憶部に記憶された前記背景広告データを、前記広告データと共に前記ゲーム機に送信すること、
を特徴とする広告サーバ。
【請求項7】
請求項5に記載の広告サーバにおいて、
前記ゲーム機でのプレイ進行時に前記プレイ画面の背景に付する背景広告データと、時間帯及び場所の少なくともいずれかを特定する情報である付帯情報とを対応付けて記憶する背景広告記憶部を備え、
前記広告送信制御部は、前記背景広告記憶部に記憶され、前記ゲーム機でのプレイ開始時刻及び前記ゲーム機の設置場所の少なくともいずれかに合致する背景を生成する前記背景広告データを、前記付帯情報に対応付けて送信すること、
を特徴とする広告サーバ。
【請求項8】
広告サーバに対して通信ネットワークを介して接続されたゲーム機であって、
プレイ画面と、
プレイヤが操作する入力部と、
広告主を識別する広告主情報を含む広告データを前記入力部によって操作されるキャラクタに付した広告付キャラクタを、前記プレイ画面に表示する表示制御部と、
前記広告付キャラクタによるプレイを進行するプレイ進行部と、
前記表示制御部が前記広告付キャラクタを所定の時間表示したことを条件に、前記広告主情報を含み前記広告主に対して課金する広告課金データを、前記広告サーバに送信する送信制御部と、
を備えること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項9】
請求項8に記載のゲーム機において、
前記表示制御部が表示する前記広告付キャラクタは、プレイ開始前及びプレイ終了後に少なくとも前記所定の時間表示されて、前記送信制御部が前記広告課金データを送信する条件を満たすこと、
を特徴とするゲーム機。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載のゲーム機において、
複数の前記広告データを、前記広告サーバから受信する受信制御部を備え、
前記表示制御部は、受信した前記複数の広告データのうちの各々を前記キャラクタに付した前記広告付キャラクタを表示させ、
前記プレイ進行部は、前記入力部からの前記プレイヤの操作によって、前記表示制御部により表示された複数の前記広告付キャラクタの中から1つが選択されたことを条件に、選択された前記広告付キャラクタによるプレイを進行すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項11】
請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載のゲーム機において、
前記広告付キャラクタの背景に付する背景広告データと、前記背景広告データに対応する時間帯及び場所の少なくともいずれかを特定する情報である付帯情報とを受信する受信制御部を備え、
前記プレイ進行部は、プレイ開始時刻及び前記ゲーム機の設置場所のうち少なくともいずれかに基づいて、前記付帯情報に対応する前記背景広告データを決定して背景画像を生成し、
前記表示制御部は、前記プレイ進行部によって生成された前記背景画像を、前記プレイ画面に表示すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項12】
プレイ画面を有するゲーム機と、広告サーバとが通信ネットワークを介して接続された広告システムであって、
前記広告サーバは、
広告主を識別する広告主情報を含み、前記ゲーム機のプレイヤが操作するキャラクタに付する広告データを記憶する広告記憶部と、
前記広告記憶部に記憶された前記広告データを、前記ゲーム機に送信する広告送信制御部と、
前記広告主情報を含む広告課金データを、前記ゲーム機から受信する広告課金受信部と、
前記広告課金受信部から前記広告課金データを受信したことを条件に、前記広告課金データによって特定される前記広告主に対して課金する課金部と、
を備え、
前記ゲーム機は、
前記広告データを、前記広告サーバから受信する受信制御部と、
前記受信制御部が受信した前記広告データを前記キャラクタに付した広告付キャラクタを、前記プレイ画面に表示する表示制御部と、
前記プレイヤが入力部を操作することで、前記広告付キャラクタによるプレイを進行するプレイ進行部と、
前記表示制御部が前記広告付キャラクタを所定の時間表示したことを条件に、前記広告課金データを前記広告サーバに送信する送信制御部と、
を備えること、
を特徴とする広告システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−87624(P2011−87624A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−241402(P2009−241402)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】