説明

広告配信システム、広告配信方法及び広告配信プログラム

【課題】デジタルサイネージにおいて配信した広告のターゲット層に属する視聴者からのフィードバックをより適切に収集して利用することができる広告配信システムを提供する。
【解決手段】広告配信システムは、顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、広告を表示する広告表示手段と、前記広告を視聴する視聴者の会話を入力する音声入力手段と、前記入力された会話に対して音声認識を行う音声認識手段と、前記音声認識された音声認識結果を収集する収集手段と、前記収集した音声認識結果に基づいて前記顧客情報記憶手段に記憶されている顧客情報を更新する更新手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告配信システム、広告配信方法及び広告配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
音声認識技術を利用した広告配信サービスが知られている。例えば、下記特許文献1(特開2002−183579号公報)には、音声操作型広告配信方法において、表示された広告情報が有する文字情報を音声情報に変換して音声出力する構成や、利用者の音声による指示入力に応じて広告を表示させるようにした構成が記載されている。
【0003】
また、下記特許文献2(特開2004−271615号公報)には、テキストデータの言語情報を解析し、解析された言語情報に基づいて前記テキストデータを音声認識対象が有する特性に適したテキストデータに変換し、変換されたテキストデータに基づいて統計的言語モデルを作成する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−183579号公報
【特許文献2】特開2004−271615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、ネットワーク技術を利用してタイムリーに映像や情報をディスプレイに表示するデジタルサイネージ(電子看板)を広告媒体とした広告配信サービスが登場している。このようなデジタルサイネージは、設置場所を考慮したターゲット層の設定が予め可能であったり、表示コンテンツの切り替えが容易であったりすることから、ターゲット層に焦点を絞った広告配信を可能にし、これにより広告の費用対効果を高くすることができるものとして期待されている。
【0006】
ここで、広告の費用対効果を高くするためには、配信した広告に対する視聴者からのフィードバックを収集して利用することが考えられる。しかし、広告を実際に視聴する視聴者の中には、ターゲット層ではない視聴者が含まれる場合も少なくないところ、このような非ターゲット層の視聴者の反応を取り込んでしまうと、広告フィードバックの精度が低下してしまうという問題がある。
【0007】
したがって、配信した広告のターゲット層に属する視聴者からのフィードバックをより適切に収集して利用することができる新たな仕組みが望まれる。しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2のいずれも、デジタルサイネージを利用した広告配信におけるこのような課題については、何ら考慮されていない。
【0008】
そこで、本発明は、デジタルサイネージを利用した広告配信において、配信した広告のターゲット層に属する視聴者からのフィードバックをより適切に収集して利用することができる広告配信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の広告配信システムは、顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、広告を表示する広告表示手段と、前記広告を視聴する視聴者の会話を入力する音声入力手段と、前記入力された会話に対して音声認識を行う音声認識手段と、前記音声認識された音声認識結果を収集する収集手段と、前記収集した音声認識結果に基づいて前記顧客情報記憶手段に記憶されている顧客情報を更新する更新手段と、を備える。
【0010】
本発明は、デジタルサイネージ装置と広告管理装置とが通信可能に構成された広告配信システムであって、前記デジタルサイネージ装置は、前記広告管理装置から送信される広告を表示する広告表示手段と、前記広告を視聴する視聴者の会話を入力する音声入力手段と、前記入力された会話に対して音声認識を行う音声認識手段と、前記音声認識された音声認識結果を前記広告管理装置へ送信する送信手段と、を備え、前記広告管理装置は、前記広告を前記デジタルサイネージ装置へ送信する広告送信手段と、顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、前記送信された音声認識結果を受信する受信手段と、前記受信した音声認識結果に基づいて前記顧客情報記憶手段に記憶されている顧客情報を更新する更新手段と、を備える。
【0011】
本発明は、広告配信システムにおける広告配信方法であって、広告を表示する広告表示ステップと、前記広告を視聴する視聴者の会話を入力する音声入力ステップと、前記入力された会話に対して音声認識を行う音声認識ステップと、前記音声認識された音声認識結果を収集する収集ステップと、前記収集した音声認識結果に基づいて顧客情報データベースに記憶されている顧客情報を更新する更新ステップと、を備える。
【0012】
本発明は、デジタルサイネージ装置と広告管理装置とが通信可能に構成された広告配信システムにおける広告配信方法であって、前記広告管理装置において、前記広告を前記デジタルサイネージ装置へ送信する広告送信ステップと、前記デジタルサイネージ装置において、前記広告管理装置から送信される広告を表示する広告表示ステップと、前記広告を視聴する視聴者の会話を入力する音声入力ステップと、前記入力された会話に対して音声認識を行う音声認識ステップと、前記音声認識された音声認識結果を前記広告管理装置へ送信する送信ステップと、前記広告管理装置において、前記送信された音声認識結果を受信する受信ステップと、前記受信した音声認識結果に基づいて顧客情報データベースに記憶されている顧客情報を更新する更新ステップと、を備える。
【0013】
本発明は、広告配信方法に記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとしても成立する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、デジタルサイネージを利用した広告配信において、配信した広告のターゲット層に属する視聴者からのフィードバックをより適切に収集して利用することができる広告配信システムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る広告配信システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】広告配信システムの機能構成の一例を示す図である。
【図3】広告対応情報DBのデータ構成の一例を表す図である。
【図4】広告情報DBのデータ構成の一例を表す図である。
【図5】顧客情報DBのデータ構成の一例を表す図である。
【図6】広告配信処理の流れの一例を表す図である。
【図7】言語モデル及び音響モデルの選択処理の一例を表す図である。
【図8】第2実施形態に係る広告配信システムの機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
[第1実施形態]
図1を参照して、第1実施形態における広告配信システムの概略構成について説明する。広告配信システム1は、デジタルサイネージ装置11(11−1、11−2・・・11−n)と、広告データ入力装置41と、広告管理装置51と、音声認識管理装置61と、を有している。なお、デジタルサイネージ装置11は、例えば駅やショッピングセンターなど所定の設置場所に設置され、指向性マイク21(21−1、21−2・・・21−n)を有している。広告管理装置51は、広告情報データベース(広告情報DB)52及び顧客情報データベース(顧客情報DB)53を有し、音声認識管理装置61は、言語モデル・音響モデルデータベース(モデルDB)62を有している。なお、デジタルサイネージ装置11は、音声認識機能を備えた広告表示装置とも呼ばれる。
【0018】
ここで、広告配信システム1の動作の概略について説明する。まず、広告データ入力装置41は、広告主の操作入力に基づいて広告データを広告管理装置51へ送信する。広告データには、広告本体データと当該広告に関連する広告関連データが含まれる。広告関連データには、広告の内容(種類)を特定する内容特定データとターゲット層を特定するターゲット層データが含まれる。
【0019】
広告管理装置51は、受信した広告データを広告情報DB52に登録するとともに、広告データに含まれる広告関連データを音声認識管理装置61へ送信する。
【0020】
音声認識管理装置61は、広告関連データ受信し、これに対応する言語モデル・音響モデル(以下、「言語・音響モデル」という。)をモデルDBから選択する。例えば、広告内容には「家電向け」、ターゲット層には「20代女性・標準語」が設定されている場合は、「家電向け」に好適な言語モデルと「20代女性・標準語」に好適な音響モデルが選択される。広告配信システム1は、広告ごとに上記の処理を実行する。
【0021】
音声認識管理装置61は、広告ごとに選択した言語・音響モデルを該当するデジタルサイネージ装置11へ送信する。また、広告管理装置51は、広告本体データを該当するデジタルサイネージ装置11へ送信する。
【0022】
デジタルサイネージ装置11は、広告本体データを受信し、これに基づいてディスプレイに広告を表示する。指向性マイク21は、ディスプレイに表示された広告を視聴する視聴者の会話(音声情報)を音声入力する。
【0023】
デジタルサイネージ装置11は、音声認識管理装置61より送信された表示中の広告に対応する言語・音響モデルを利用して、音声入力された視聴者の会話に対する音声認識処理を実行し、音声認識結果を広告管理装置51へ送信する。広告管理装置51は、受信した音声認識結果に基づいて顧客情報DB53を更新する。
【0024】
このように、図1に示す広告配信システムによれば、広告内容やターゲット層に好適な言語・音響モデルを利用して音声認識処理が実行されるので、ターゲット層の視聴者による広告内容に関する会話は認識されやすい(認識率が高くなる)一方、非ターゲット層の視聴者の会話や広告内容に関係のない会話は認識されにくい(認識率が低くなる)。したがって、認識率が所定の閾値以上の音声認識結果のみを用いることにより、広告を視聴した視聴者の中からターゲット層の視聴者の反応を取り出して顧客情報DBに適切に反映させることができる。その結果、広告フィードバックの精度をより向上させることが可能になる。
【0025】
次に、図2を参照して、広告配信システム1の機能構成についてさらに説明する。広告配信システム1は、デジタルサイネージ装置100と、音声認識管理装置200と、広告管理装置300とを有する。なお、広告配信システム1は、ネットワークを介して広告提供者端末装置400と通信可能に構成されている。
【0026】
デジタルサイネージ装置100は、広告表示手段101と、音声入力手段102と、音声認識手段103とを有する。デジタルサイネージ装置100は、デジタルサイネージ装置100の処理及び動作を制御するCPU、ROMやRAM等のメモリ、各種の情報を格納する外部記憶装置、入出力装置、通信装置及びこれらを結ぶバスを備える汎用のコンピュータを適用することができ、例えば、CPUが、メモリなどに記憶された所定のプログラムを実行することにより、上記各種機能実現手段を実現する。
【0027】
広告表示手段101は、広告管理装置300から送信される広告データに基づく広告を表示する機能を有し、例えば、ディスプレイが該当する。
【0028】
音声入力手段102は、視聴者の音声(発話)を入力する機能を有し、例えば、指向性マイクが該当する。
【0029】
音声認識手段103は、音声入力手段102より入力された視聴者の会話に対して音声認識処理を行う機能を有する。具体的には、広告表示に先立ち音声認識管理装置200から送信される当該広告に対応する辞書(言語モデル・音響モデル)を受信し、所定の記憶領域に記憶する。そして、広告表示中(表示の前後所定時間を含んでもよい)に音声入力手段102より音声が入力されると、当該音声に対して上述の辞書を用いて音声認識処理を実行する。そして、音声認識結果を広告管理装置300へ送信する。
【0030】
音声認識管理装置200は、モデルデータ入力手段201と、言語モデルDB202と、音響モデルDB203と、広告対応情報DB204と、モデル選択手段205と、辞書送信手段206と、を有する。音声認識管理装置200は、音声認識管理装置200の処理及び動作を制御するCPU、ROMやRAM等のメモリ、各種の情報を格納する外部記憶装置、入出力装置、通信装置及びこれらを結ぶバスを備える汎用のサーバ・コンピュータを適用することができ、例えば、CPUが、メモリなどに記憶された所定のプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。
【0031】
モデルデータ入力手段201は、音声認識処理に用いる言語モデルや音響モデルを入力する。モデルの入力は、所定の入力装置を介して操作者が直接入力してもよいし、通信回線を介して他の装置から入力するようにしてもよい。
【0032】
言語モデルDB202は、音声認識処理に用いる言語モデルを格納するデータベース(記憶手段)である。言語モデルは、言語的な特徴に関するモデルであり、例えば、音素の並び方に関する制約を表したものであり、N−gram言語モデルや文脈自由文法などによって表すことができる。ここでは、各広告内容に対応可能な1つ以上の言語モデルが格納されている。
【0033】
音響モデルDB203は、音声認識処理に用いる音響モデルを格納するデータベース(記憶手段)である。音響モデルは、音響的な特徴に関するモデルであり、例えば、認識対象の音素がそれぞれどのような周波数特性を持っているかを表したものである。ここでは、認識対象となり得るターゲット層に対応可能な1つ以上の音響モデルが格納されている。
【0034】
広告対応情報DB204は、広告ごとに、広告内容と言語モデル、ターゲット層と音響モデルをそれぞれ対応付けて管理するデータベース(記憶手段)である。図3は、広告対応情報DB204のデータ構成の一例を示している。同図(A)に示す言語モデル対応テーブルは、データ構造の一例として、対象広告の内容を特定する広告内容特定情報項目(例:「家電向け」、「飲料向け」等)と、言語モデルが格納されている位置情報項目と、を含んでいる。また、同図(B)に示す音響モデル対応テーブルは、データ構造の一例として、対象広告のターゲット層を特定するターゲット層特定情報項目(例:「20代女性・標準語」、「20代女性・関西弁」等)と音響モデルが格納されている位置情報項目とを含んでいる。なお、データ構造は、同図に示すものに限られず、設計に応じて任意のデータ項目を設けることができる。
【0035】
モデル選択手段205は、広告対応情報DB204を参照することにより、対象広告の内容に合致する言語モデルを言語モデルDB202から選択し、ターゲット層に合致する音響モデルを音響モデルDB203から選択する。モデル選択手段205は、広告ごとに対応する言語モデル・音響モデルを動的に選択し、広告内容やターゲット層に変更があった場合は、変更後の内容に合致する言語モデル・音響モデルを新たに選択する。
【0036】
辞書送信手段206は、モデル選択手段205によって選択された言語モデルDB202及び音響モデル203を、対象広告の音声認識に使用する辞書として、デジタルサイネージ装置100へ送信する。具体的には、モデルデータ本体又は当該モデルデータを特定する情報(URL等)を送信する。
【0037】
広告管理装置300は、広告データ登録手段301と、広告情報DB302と、広告配信手段303と、顧客情報収集手段304と、顧客情報DB305と、を有する。広告管理装置300は、広告管理装置300の処理及び動作を制御するCPU、ROMやRAM等のメモリ、各種の情報を格納する外部記憶装置、入出力装置、通信装置及びこれらを結ぶバスを備える汎用のサーバ・コンピュータを適用することができ、例えば、CPUが、メモリなどに記憶された所定のプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。
【0038】
広告データ登録手段301は、広告提供者から提供される広告データを受け付けて広告情報DB302に登録する。広告データには、例えば、広告として視聴者に配信される情報(以下、「広告本体データ」という。)と、当該広告に関連する情報(以下、「広告関連データ」という。)と、が含まれる。広告本体データは、例えば、動画・静止画データ、映像音声データである。広告関連データは、広告内容を特定する情報や広告のターゲットに関する情報が該当し、例えば、広告を一意的に識別する広告ID、ターゲット層に関する情報(対象年齢、対象性別)、広告)、対象分野、キーワード、使用言語、配信地方、配信時間帯などが含まれる。
【0039】
広告情報DB302は、広告データを格納するデータベース(記憶手段)である。図4に示す広告情報DB302は、データ構成の一例として、広告を一意的に識別する広告ID、ターゲット層に関する情報(対象年齢、対象性別)、広告提供者(広告主)、広告の対象分野、キーワード、使用言語、配信地方、配信時間帯、広告本体データが格納された位置情報などの各項目を含んでいる。
【0040】
広告配信手段303は、広告情報DB302に格納されている広告情報に含まれる広告本体データを、デジタルサイネージ装置100へ配信する。広告本体データは、例えば、広告関連データにおいて指定されている配信地方や配信時間に従って配信される。
【0041】
顧客情報収集手段304は、音声認識手段103の音声認識結果を顧客情報(視聴者フィードバック情報)として収集する。そして、収集した顧客情報を顧客情報DB305へ格納する。
【0042】
顧客情報DB305は、顧客情報収集手段304が収集した顧客情報(顧客フィードバック)を格納するデータベース(記憶手段)である。図5に示す顧客情報DB305は、データ構成の一例として、広告ID、収集した視聴者の予測年齢、予測性別、会話に使用された言語、収集時間、会話内容(会話1、会話2・・・会話N)などの項目を含んでいる。
【0043】
広告提供者端末装置400は、広告データ入力送信手段401を有する。広告データ入力送信手段401は、広告提供者より広告データの入力を受け付け、入力された広告データを広告情報DB302に登録するために広告管理装置300へ送信する。なお、広告提供者端末装置400は、広告提供者端末装置400の処理及び動作を制御するCPU、ROMやRAM等のメモリ、各種の情報を格納する外部記憶装置、入出力装置、通信装置及びこれらを結ぶバスを備える汎用のコンピュータを適用することができ、例えば、CPUが、メモリなどに記憶された所定のプログラムを実行することにより、上記機能実現手段を実現する。
【0044】
次に、広告配信システム1における処理の流れについて、図6及び7のフローチャートを参照しながら説明する。なお、後述するフローチャートに示す各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。また、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、便宜上1ステップとして記載されているステップは、複数ステップに分けて実行することができる一方、便宜上複数ステップに分けて記載されているものは、1ステップとして把握することができる。
【0045】
広告提供者の端末装置400は、広告提供者から広告データの入力を受け付ける(ステップS100)。そして、入力された広告データを広告管理装置300へ送信する(ステップS101)。広告データには、広告本体データと広告関連データとが含まれる。
【0046】
広告管理装置300は、広告データを受信し、広告データ登録手段301が、これを広告情報DB302に登録する。以下、広告配信の一例として、第1の広告と第2の広告をデジタルサイネージ装置100に配信し、顧客情報(フィードバック)を収集する場合について説明する。
【0047】
広告管理装置300は、第1の広告の広告関連データを音声認識管理装置200へ送信する(ステップS102)。
【0048】
音声認識管理装置200のモデル選択手段205は、受信した広告関連データに基づいて広告対応情報DB204を参照することにより、第1の広告に好適な言語・音響モデルを選択する(S103)。図3に示すように、例えば、第1の広告が広告ID「0001」である場合、対象分野には「家電」、ターゲット層には「20−35歳、女性(F)、日本語、東京地方」が設定されている。よって、図4に示すように、第1の広告の言語モデルには、「家電向け」に対応する言語モデル、「20代女性・標準語」に対応する音響モデルが選択される。
【0049】
辞書送信手段206は、選択した言語モデルを言語モデルDB202から読み出し、選択した音響モデルを音響モデルDB203から読み出して、読みだした言語モデル及び音響モデル(以下「辞書」という)を第1の広告の広告IDと関連づけてデジタルサイネージ装置100へ送信する(ステップS104)。
【0050】
辞書送信手段206は、辞書送信が完了すると、辞書送信が完了した旨を広告管理装置300へ送信する(ステップS105)。なお、言語モデル及び音響モデルの送信タイミングは、第1の広告の配信時間より前であれば良い。また、音声認識管理装置200は、言語モデル及び音響モデルの位置情報を予め送信しておき、デジタルサイネージ装置100が第1の広告の配信時間より前に言語モデル及び音響モデル(辞書)を音声認識管理装置200から取得してもよい。
【0051】
ここで、言語モデルの選択処理について図7を用いて詳細に説明する。
【0052】
広告管理装置300は、広告情報DBから対象広告(第1の広告)の広告データを読みこみ(ステップS201)、広告関連データに基づいて、言語モデルの配布指示(ステップS202)と音響モデルの配布指示(ステップS203)を、それぞれ音声認識管理装置200へ送信する。
【0053】
まず、音響モデルの配布について説明する。ステップS204にて、音声認識管理装置200のモデル選択手段205は、ターゲット層情報に基づいて音響モデルDB203に問い合わせを行い、該当する音響モデルを検索する(ステップS205)。そして、該当する音響モデルが音響モデルDB203にある場合は(ステップS206:YES)、辞書送信手段206は、音響モデルの位置情報を読み込み(ステップS207)、音響モデルの配布準備を行い(ステップS208)、音響モデルの位置情報(URI)を含むメッセージを送信することにより音響モデルを配布する(ステップS209)。なお、該当する音響モデルが音響モデルDB203にない場合は(ステップS206:NO)、対象ターゲット層の音声認識を行うことが困難であると判定し(ステップ210)、対象広告については音声認識の対象外として設定する(Sステップ211)。
【0054】
次に、言語モデルの配布について説明する。ステップS212にて、音声認識管理装置200のモデル選択手段205は、広告内容(キーワードなど)に基づいて言語モデルDB202に問い合わせを行い、該当する言語モデルを検索する(ステップS213)。そして、該当する言語モデルが言語モデルDB202にある場合は(ステップS214:YES)、辞書送信手段206は、言語モデルの位置情報を読み込み(ステップS215)、言語モデルの配布準備を行い(ステップS216)、言語モデルの位置情報(URI)を含むメッセージを送信することにより言語モデルを配布する(ステップS217)。なお、該当する言語モデルが言語モデルDB202にない場合は(ステップS214:NO)、対象ターゲット層の音声認識を行うことが困難であると判定し(ステップ218)、対象広告については音声認識の対象外として設定する(Sステップ219)。
【0055】
音声認識管理装置200は、辞書(モデル)の選択及び配布が完了したことを広告管理装置300へ送信し(ステップ218)、これにより、広告配信の前準備が終了する(ステップS219)。
【0056】
図6に戻り、説明を続ける。広告管理装置300は、辞書送信完了通知を受信すると、広告配信開始をデジタルサイネージ装置100へ通知する(ステップS106)。
【0057】
デジタルサイネージ装置100の音声認識手段103は、これより音声認識を開始する(ステップS107)。
【0058】
広告管理装置300の広告配信手段303は、第1の広告の広告本体データを配信時間に合わせてデジタルサイネージ装置100へ送信する(ステップS108)。
【0059】
デジタルサイネージ装置100の広告表示手段101は、受信した広告本体データに基づいて第1の広告をディスプレイに表示する(ステップS109)。
【0060】
そして、例えばデジタルサイネージ装置100の周辺を通りかかった女性Aと女性Bが第1の広告を視聴しながら会話をすると、当該会話は音声入力手段102により入力される(ステップS110)。
【0061】
音声認識手段103は、第1の広告に対応する辞書を利用して、入力された会話に対する音声認識処理を実行する(ステップS111)。なお、辞書(言語モデル・音響モデル)を利用した音声認識処理は、既知の技術を用いて実行することができる。
【0062】
音声認識手段103は、第1の広告の表示が終了すると音声認識を終了し(ステップS112)、音声認識結果を広告管理装置300へ送信する(ステップS113)。なお、音声認識結果は、認識率が予め設定された所定の閾値以上のもののみを採用し送信することができる。
【0063】
広告管理装置300の顧客情報収集手段304は、第1の広告についての音声認識結果を受信すると、これに基づいて顧客情報DB305を更新する(ステップS115)。また、音声認識結果を広告提供者端末装置400へ送信する(ステップS114)。例えば、第1の広告(広告ID=0001)について、対象分野には「家電」、ターゲット層には「20−35歳、女性(F)、日本語、東京地方」が設定されている(図4参照)ところ、図5に示す顧客情報DB305には、年齢「20−30」又は「30−40」と推測される複数の視聴者による会話の内容が登録されていることがわかる。
【0064】
次の第2の広告について処理が行われる。具体的には、広告管理装置300は、第2の広告の広告関連データを音声認識管理装置200へ送信する(ステップS116)。
【0065】
音声認識管理装置200のモデル選択手段205は、受信した第2の広告の広告関連データに基づいて広告対応情報DB204を参照することにより、第2の広告に好適な言語・音響モデルを選択する(S117)。図3に示すように、例えば、第2の広告が広告ID「0002」である場合、広告の対象分野には「飲料」、ターゲット層には「10−25歳、男性(M)、日本語、京都地方」が設定されている。よって、図4に示すように、「飲料向け」に対応する言語モデル、「20代男性・関西弁」に対応する音響モデルが選択される。
【0066】
辞書送信手段206は、選択した言語モデルを言語モデルDB202から読み出し、選択した音響モデルを音響モデルDB203から読み出して、読みだした言語モデル及び音響モデル(辞書)を第2の広告の広告IDと関連づけてデジタルサイネージ装置100へ送信する(ステップS118)。
【0067】
辞書送信手段206は、辞書送信が完了すると、辞書送信が完了した旨を広告管理装置300へ送信する(ステップS119)。なお、第2の広告の言語モデル及び音響モデルの選択及び送信処理は、広告の配信時間より前であれば良く、例えば第1の広告の配信処理を並行に実行してもよい。
【0068】
広告管理装置300の広告配信手段303は、第2の広告の配信時間になると、広告本体データをデジタルサイネージ装置100へ送信する(ステップS120)。
【0069】
デジタルサイネージ装置100の広告表示手段101は、受信した広告本体データに基づいて広告をディスプレイに表示する(ステップS121)。
【0070】
また、音声入力手段102は、音声入力を開始する。例えばデジタルサイネージ装置100の周辺を通りかかった男性Aと男性Bが広告を視聴しながら会話をすると、音声入力手段102は、当該会話を入力する(ステップS123)。
【0071】
そして、音声認識手段103は、第2の広告に対応する辞書を利用して、入力された会話に対する音声認識処理を実行する(ステップS124)。辞書(言語モデル・音響モデル)を利用した音声認識処理は、既知の技術を用いて実行することができる。
【0072】
音声認識手段103は、例えば第2の広告の表示が終了すると音声認識を終了し(ステップS125)、音声認識結果を広告管理装置300へ送信する(ステップS126)。なお、音声認識結果は、認識率が予め設定された所定の閾値以上のもののみを採用し送信することができる。
【0073】
広告管理装置300の顧客情報収集手段304は、第2の広告の音声認識結果を受信すると、これに基づいて顧客情報DB305を更新する(ステップS127)。また、第2の広告の音声認識結果を広告提供者端末装置400へ送信する(ステップS128)。
【0074】
所定のタイミングで、広告管理装置300は、広告の配信を終了する(ステップS129)。
【0075】
以上、第1の実施形態によれば、広告内容やターゲット層に好適な言語モデル・音響モデルを予め選択し、この選択された言語モデル・音響モデルを用いて、広告ごとに音声認識を実行しているので、当該広告を視聴した視聴者の中からターゲット層に属する視聴者の反応(フィードバック)を適切に自動収集することが可能になる。
【0076】
また、第1の実施形態では、認識率に応じて収集結果を選択しているので、認識率が下がりやすい非ターゲット層の視聴者による反応は切り捨てられやすくなる。その結果、設置場所に応じてセグメント化される所定のターゲット層が設定された広告をデジタルサイネージに配信する構成において、より精度の高い広告フィードバックをリアルタイムに広告主に提供することができるようになる。
【0077】
また、第1の実施形態では、広告を実際に視聴した視聴者の感想をリアルタイムで収集し、視聴者フィードバックとして顧客情報DBへ自動更新しているので、例えばウェブページやメールなどを介して情報を収集する場合に比べて、フィードバック情報の収集作業及び更新作業を簡略化することができるようになる。また、視聴者間の会話を視聴者フィードバックとすることにより、広告や製品に対する視聴者の飾らない意見を入手することができるようになる。
【0078】
また、第1の実施形態によれば、デジタルサイネージ装置100は、広告毎に該当する言語モデル・音響モデルを利用して音声認識を実行すればよく、膨大な言語モデル・音響モデルを参照する必要がないので、例えばターゲット層の細部化に応じて語彙集が増加するような場合でも、認識速度や認識率を低下させることなく音声認識を実行することができるようになる。
【0079】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、音声認識手段による音声認識結果が予め設定された所定のイベント条件に合致する場合に、所定のイベント処理を実行する点に特徴がある。図8は、第2の実施形態に係る広告配信システム1の概略構成を示す図である。第2の実施形態に係る広告配信システム1は、認識イベント判定手段306を備える点で、第1の実施形態に係る広告配信システム1と異なっている。よって、ここでは、第1の実施形態に係る広告配信システム1と異なる点についてのみ説明する。
【0080】
認識イベント判定手段306は、顧客情報収集手段304が収集した音声認識結果が、予め設定された所定のイベント条件に合致する場合に、所定のイベント処理を実行する。所定のイベント処理は、仕様や設計に応じて適宜設定することができるが、例えば、音声認識結果を顧客情報DB305へ格納することが該当する。すなわち、認識イベント判定手段306は、音声認識結果が所定のイベント条件に合致するか否かを判定し、判定結果が是である場合は、当該音声認識結果を顧客情報DB305へ格納する。他方、判定結果が否である場合は、当該音声認識結果を顧客情報DB305へ格納しない。
【0081】
所定のイベント条件の内容は、仕様や設計に応じて適宜設定することができるが、例えば、広告製品に関するキーワードを視聴者が発話した場合という条件を設定することができる。図3の広告情報DB302には、一例として、対象分野が「家電」の広告について、「パーソナルコンピュータ、インターネット・・・」がキーワードとして設定されている。
【0082】
認識イベント判定手段306は、顧客情報収集手段304が収集した音声認識結果の中に、「パーソナルコンピュータ」又は「インターネット」という発話が含まれている場合は、当該発話を含む会話を顧客情報DB305へ格納する。他方、「パーソナルコンピュータ」又は「インターネット」という発話が含まれていない場合は、当該音声認識結果を顧客情報DB305へ格納しない。
【0083】
なお、所定のイベント条件は、上記したものに限られず、例えば、複数個のキーワードを発話したこと、会話時間が所定時間以上であること、また、会話をしている視聴者が複数人以上であることなどを設定してもよい。
【0084】
また、所定のイベント処理は、上記したものに限られず、例えば、配信中の広告内容を変更したり、配信中の広告に所定のメッセージを重畳表示したりしてもよい。
【0085】
以上、第2の実施形態によれば、音声認識結果が所定のイベント条件に合致する場合に、当該音声認識結果に基づいて顧客情報を更新することとしたので、広告提供者のマーケティング戦略などに合わせた、より適切な視聴者フィードバックを得ることができるようになる。
【0086】
[その他の実施形態]
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【0087】
また、本発明のプログラムは、CD−ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0088】
また、本明細書等において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されてもよい。
【0089】
(1)上記実施形態では、デジタルサイネージ装置100が音声認識手段103を備える場合について説明したが、広告管理装置300が音声認識手段103を備えるようにしてもよい。この場合、音声認識管理装置200は、選択した辞書を広告管理装置300へ送信し、デジタルサイネージ装置100は、音声入力手段102より入力された会話(音声情報)を広告管理装置300へ送信する。広告管理装置300は受信した会話に対して辞書を用いて音声認識を行う。
【0090】
(2)デジタルサイネージ装置100は、視聴者を撮影する撮影手段を備え、撮像された視聴者の顔を認識し、画像認識結果を顧客情報としてフィードバックするようにしてもよい。音声認識管理装置200は、音声認識のモデルに加えて画像認識のための各種モデルを記憶し、広告内容及びターゲット層に対応する画像認識用のモデルを選択する。デジタルサイネージ装置100は、選択された画像認識用のモデルを用いて撮像画像から視聴者の顔や表情などを認識し、画像認識結果を広告管理装置300へ送信する。これによれば、会話とは異なる観点から広告や製品に対する視聴者のフィードバックを得ることができるようになる。
【0091】
(3)上記実施形態では、デジタルサイネージ装置、広告管理装置及び音声認識管理装置を別々の装置として説明しているが、各装置のうちの2つ以上を1つの装置で実施することもできる。この場合には、上述した実施形態におけるデジタルサイネージ装置、広告管理装置及び音声認識管理装置が有する各機能のうちの該当する機能を1つの装置が含むように構成し、当該装置を上述した実施形態におけるデジタルサイネージ装置、広告管理装置及び音声認識管理装置のうちの該当する装置と同様に機能させればよい。
【0092】
(4)上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0093】
(付記1)
顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、広告を表示する広告表示手段と、前記広告を視聴する視聴者の会話を入力する音声入力手段と、前記入力された会話に対して音声認識を行う音声認識手段と、前記音声認識された音声認識結果を収集する収集手段と、前記収集した音声認識結果に基づいて前記顧客情報記憶手段に記憶されている顧客情報を更新する更新手段と、を備えることを特徴とする広告配信システム。
【0094】
(付記2)
複数の音響モデルと複数の言語モデルをそれぞれ記憶するモデル記憶手段と、前記広告のターゲット層に合致した音響モデルと当該対象広告の広告内容に合致した言語モデルを選択する選択手段と、を備え、前記音声認識手段は、前記選択された音響モデルと言語モデルを用いて前記入力された会話に対して音声認識を行うことを特徴とする付記1に記載の広告配信システム。
【0095】
(付記3)
前記更新手段は、前記収集した音声認識結果が所定のイベント条件に合致するか否かを判定し、判定結果が是である場合に、当該収集した音声認識結果に基づいて前記顧客情報記憶手段に記憶されている顧客情報を更新することを特徴とする付記1または2に記載の広告配信システム。
【0096】
(付記4)
前記更新手段は、前記収集した音声認識結果に含まれる会話内容が予め設定されたキーワードを含む場合には、前記イベント条件を満たすと判定し、当該キーワードを含む会話内容を前記顧客情報記憶手段に格納することを特徴とする付記3に記載の広告配信システム。
【0097】
(付記5)
デジタルサイネージ装置と広告管理装置とが通信可能に構成された広告配信システムであって、前記デジタルサイネージ装置は、前記広告管理装置から送信される広告を表示する広告表示手段と、前記広告を視聴する視聴者の会話を入力する音声入力手段と、前記入力された会話に対して音声認識を行う音声認識手段と、前記音声認識された音声認識結果を前記広告管理装置へ送信する送信手段と、を備え、前記広告管理装置は、前記広告を前記デジタルサイネージ装置へ送信する広告送信手段と、顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、前記送信された音声認識結果を受信する受信手段と、前記受信した音声認識結果に基づいて前記顧客情報記憶手段に記憶されている顧客情報を更新する更新手段と、を備えることを特徴とする広告配信システム。
【0098】
(付記6)
広告配信システムにおける広告配信方法であって、広告を表示する広告表示ステップと、前記広告を視聴する視聴者の会話を入力する音声入力ステップと、前記入力された会話に対して音声認識を行う音声認識ステップと、前記音声認識された音声認識結果を収集する収集ステップと、前記収集した音声認識結果に基づいて顧客情報データベースに記憶されている顧客情報を更新する更新ステップと、を備えることを特徴とする広告配信方法。
【0099】
(付記7)
デジタルサイネージ装置と広告管理装置とが通信可能に構成された広告配信システムにおける広告配信方法であって、前記広告管理装置において、前記広告を前記デジタルサイネージ装置へ送信する広告送信ステップと、前記デジタルサイネージ装置において、前記広告管理装置から送信される広告を表示する広告表示ステップと、前記広告を視聴する視聴者の会話を入力する音声入力ステップと、前記入力された会話に対して音声認識を行う音声認識ステップと、前記音声認識された音声認識結果を前記広告管理装置へ送信する送信ステップと、前記広告管理装置において、記送信された音声認識結果を受信する受信ステップと、前記受信した音声認識結果に基づいて顧客情報データベースに記憶されている顧客情報を更新する更新ステップと、を備えることを特徴とする広告配信方法。
【0100】
(付記8)
付記6または7に記載の広告配信方法に記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0101】
1・・・広告配信システム、11・・・デジタルサイネージ装置、21・・・指向性マイク、41・・・広告データ入力装置、51・・・広告管理装置、52・・・広告情報DB、53・・・顧客情報DB、61・・・音声認識管理装置、62・・・モデルDB、100・・・デジタルサイネージ装置、101・・・広告表示手段、102・・・音声入力手段、103・・・音声認識手段、200・・・音声認識管理装置、201・・・モデルデータ入力手段、203・・・音響モデル、205・・・モデル選択手段、206・・辞書送信手段、300・・・広告管理装置、301・・・広告データ登録手段、303・・・広告配信手段、304・・・顧客情報収集手段、306・・・認識イベント判定手段、400・・・広告提供者端末装置、401・・・広告データ入力送信手段、202・・・言語モデルDB、203・・・音響モデルDB、204・・・広告対応情報DB、302・・・広告情報DB、305・・・顧客情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、
広告を表示する広告表示手段と、
前記広告を視聴する視聴者の会話を入力する音声入力手段と、
前記入力された会話に対して音声認識を行う音声認識手段と、
前記音声認識された音声認識結果を収集する収集手段と、
前記収集した音声認識結果に基づいて前記顧客情報記憶手段に記憶されている顧客情報を更新する更新手段と、
を備えることを特徴とする広告配信システム。
【請求項2】
複数の音響モデルと複数の言語モデルをそれぞれ記憶するモデル記憶手段と、
前記広告のターゲット層に合致した音響モデルと当該対象広告の広告内容に合致した言語モデルを選択する選択手段と、を備え、
前記音声認識手段は、
前記選択された音響モデルと言語モデルを用いて前記入力された会話に対して音声認識を行うことを特徴とする請求項1に記載の広告配信システム。
【請求項3】
前記更新手段は、
前記収集した音声認識結果が所定のイベント条件に合致するか否かを判定し、判定結果が是である場合に、当該収集した音声認識結果に基づいて前記顧客情報記憶手段に記憶されている顧客情報を更新することを特徴とする請求項1または2に記載の広告配信システム。
【請求項4】
前記更新手段は、
前記収集した音声認識結果に含まれる会話内容が予め設定されたキーワードを含む場合には、前記イベント条件を満たすと判定し、当該キーワードを含む会話内容を前記顧客情報記憶手段に格納することを特徴とする請求項3に記載の広告配信システム。
【請求項5】
デジタルサイネージ装置と広告管理装置とが通信可能に構成された広告配信システムであって、
前記デジタルサイネージ装置は、
前記広告管理装置から送信される広告を表示する広告表示手段と、
前記広告を視聴する視聴者の会話を入力する音声入力手段と、
前記入力された会話に対して音声認識を行う音声認識手段と、
前記音声認識された音声認識結果を前記広告管理装置へ送信する送信手段と、を備え、
前記広告管理装置は、
前記広告を前記デジタルサイネージ装置へ送信する広告送信手段と、
顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、
前記送信された音声認識結果を受信する受信手段と、
前記受信した音声認識結果に基づいて前記顧客情報記憶手段に記憶されている顧客情報を更新する更新手段と、を備える
ことを特徴とする広告配信システム。
【請求項6】
広告配信システムにおける広告配信方法であって、
広告を表示する広告表示ステップと、
前記広告を視聴する視聴者の会話を入力する音声入力ステップと、
前記入力された会話に対して音声認識を行う音声認識ステップと、
前記音声認識された音声認識結果を収集する収集ステップと、
前記収集した音声認識結果に基づいて顧客情報データベースに記憶されている顧客情報を更新する更新ステップと、
を備えることを特徴とする広告配信方法。
【請求項7】
デジタルサイネージ装置と広告管理装置とが通信可能に構成された広告配信システムにおける広告配信方法であって、
前記広告管理装置において、
前記広告を前記デジタルサイネージ装置へ送信する広告送信ステップと、
前記デジタルサイネージ装置において、
前記広告管理装置から送信される広告を表示する広告表示ステップと、
前記広告を視聴する視聴者の会話を入力する音声入力ステップと、
前記入力された会話に対して音声認識を行う音声認識ステップと、
前記音声認識された音声認識結果を前記広告管理装置へ送信する送信ステップと、
前記広告管理装置において、
前記送信された音声認識結果を受信する受信ステップと、
前記受信した音声認識結果に基づいて顧客情報データベースに記憶されている顧客情報を更新する更新ステップと、
を備えることを特徴とする広告配信方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の広告配信方法に記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−118623(P2012−118623A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265567(P2010−265567)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】