説明

広色域ディスプレイシステム

液晶ディスプレイ、デジタルテレビジョン、プリンタ、または他の任意の適切なディスプレイなどのワイドガマットRGBデジタルディスプレイは、前記ワイドガマットRGBデジタルディスプレイがワイドガマットRGBカラーデータを受け取ることを通知するワイドガマットRGB通知情報およびワイドカラーガマットフォーマット定義情報を、画像ソースプロバイダに通知するように動作可能なワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理を備える。また、前記ワイドガマット構成メッセージ制御論理は、前記画像ソースプロバイダから受け取るワイドガマット確認情報に応答するようにも動作可能である。また、前記ワイドガマットRGBデジタルディスプレイは、前記ワイドガマットRGB通知情報および前記フォーマット定義情報に対して受け取った受信ワイドガマットRGBカラーデータを表示するように動作可能な論理も備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広色域(ワイドガマット:Wide Gamut)RGBデジタルディスプレイシステムおよびその方法の分野における装置および方法について記載する。
【背景技術】
【0002】
広色域RGBデジタルディスプレイが知られている。デジタルテレビジョンなどのビデオ用途に、YCbCr色空間が採用されており、ワイドガマット仕様のYCbCr色空間のサポートを追加するための高精細度マルチメディアインタフェース仕様が提案されている。しかし、この仕様はYCbCr色空間では機能するものの、RGB色空間では機能しない。
【0003】
一部のワイドガマットディスプレイは、RGB空間またはYCbCr空間のいずれかの標準的なガマット(Gamut)の入力データを受け取り、信号処理を行ってカラー値ガマットを拡張することができる。ディスプレイへの画像入力のガマットが標準的な範囲であるため、この処理により、画像の色が不自然となってしまう。例えば、他の公知のRGBディスプレイは、レンダリングされた(例えば、32ビットの浮動小数点空間または符号付き整数空間にレンダリングされた)グラフィック情報を受け取り、表示用にビデオフレームを8ビットRGBフォーマットに逆変換する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ホストデバイスがディスプレイにワイドガマットRGB情報を提供する別のシステムも知られており、例えば、ワイドガマットカラー値をディスプレイに指示するグラフィック/ビデオ処理コア(例えば、プロセッサ)を備えうる。しかし、ディスプレイは、ワイドガマットRGBデジタルディスプレイでなく、代りに、ワイドガマットRGBカラーデータに基づいて、広い輝度のダイナミックレンジを提供する。このようなディスプレイは、通常、8ビットのRGBカラースキームカラーガマットを使用する。しかし、ピクセルあたり14ビットまたは16ビットの輝度が使用される。画像システムに拡張輝度値を指示させるために、ユーザインタフェースが使用されうる。しかし、このようなシステムは、ワイドガマットRGBデジタルディスプレイを使用しておらず、このため、実際には画像品質が低下してしまう。
【0005】
このため、所定のタイプのワイドガマットRGBインタフェースを介して、フルワイドガマットRGBディスプレイ動作を使用するディスプレイシステムおよびその方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概説すると、液晶ディスプレイ、デジタルテレビジョン、プリンタ、または他の任意の適切なディスプレイなどのワイドガマットRGBデジタルディスプレイは、前記ワイドガマットRGBデジタルディスプレイがワイドガマットRGBカラーデータを受け取ることを通知するワイドガマットRGB通知情報(wide gamut RGB indication information)およびワイドカラーガマットフォーマット定義情報(wide color gamut format definition information)を、画像ソースプロバイダに通知するように動作可能なワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理(wide color gamut configuration message control logic)を備える。例えば、この情報は、ディスプレイインタフェースを介してリンク上で送信されるか、あるいは、ディスプレイの型番を示すディスプレイのローカルレジスタを読み出すか、他の任意の適切な方法によって取得されうる。また、前記ワイドガマット構成メッセージ制御論理は、前記画像ソースプロバイダから受け取るワイドガマット確認情報(wide gamut confirmation information)に応答するようにも動作可能である。また、前記ワイドガマットRGBデジタルディスプレイは、前記ワイドガマットRGB通知情報および前記フォーマット定義情報に対して受け取った受信ワイドガマットRGBカラーデータを表示するように動作可能な論理も備える。
【0007】
一例では、ワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理は、ワイドカラーフォーマット定義情報を表すデータを格納している1つ以上のレジスタを有する。RGB情報に関して説明するが、別の三刺激色空間または他の任意の適切な色空間などの、どのような多刺激色空間が使用されてもよい。例えば、正規化された0.0〜1.0の範囲外の広範囲のRGB値が、画像ソース生成ユニットからワイドガマットRGBデジタルディスプレイデバイスに送られる。このように、ワイドガマットRGBデジタルディスプレイは、画像ソースプロバイダに、自身がワイドガマットRGB画像データをサポートすることができる旨を通知する。ワイドガマットRGBデジタルディスプレイは、自身が表示可能なワイドカラー値の正確な数値フォーマットに関する詳細を提供または暗示する。画像ソースプロバイダは、いつ、ワイドガマットRGBデジタルディスプレイにワイドガマットRGBカラーデータが送信されるかを示し、これにより、ディスプレイはこの情報を適切に解釈できるようになる。一例では、ディスプレイ自身により、明示的な信号が送信される。別例では、この信号は、ディスプレイインタフェースの埋め込み信号またはサイドバンド信号に含まれる。
【0008】
別例では、ワイドガマットRGBデジタルディスプレイは、RGB色空間などのワイド多刺激色空間においてワイドガマットRGBカラーデータを受け取ることを通知するワイドガマットRGB通知情報を、画像ソースプロバイダに通知するように動作可能なワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理を有する。また、前記ディスプレイは、前記ワイドガマットRGB通知情報に対して受け取った受信ワイドガマットRGBカラーデータを表示する論理も有する。このため、本実施形態では、ワイドカラーガマットフォーマット定義情報は、ディスプレイから画像ソースプロバイダに伝達されず、例えば、必要に応じて事前定義されうる。また、ワイドガマットRGBデジタルディスプレイと、対応する画像ソースプロバイダとの両方を使用するシステムおよび方法も開示される。
【0009】
他の利点のなかでも、例えば、ワイドガマットRGB画像をレンダリングすることができる画像ソースプロバイダは、ワイドガマットRGBデジタルディスプレイにワイドガマットRGB画像を適切に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ワイドカラーガマットデジタルディスプレイに、ワイドカラーガマットまたは拡張ガマットRGBデータと確認情報とを提供する画像ソースプロバイダの一例を示すブロック図。
【図2】ワイドガマットRGBデジタルディスプレイを提供するための方法の例を示す図。
【図3】本開示に記載の一例による、ワイドガマットRGBデジタルディスプレイと画像ソースプロバイダの別例を示すブロック図。
【図4】本開示に記載の一例による、画像ソースプロバイダおよびワイドカラーガマットデジタルディスプレイ間でワイドガマットRGBカラーデータを提供するための方法の別例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、添付の図面を参照しつつ以下に記載する説明を読めば、より容易に理解できるであろう。図面において、同じの参照符号は同じ要素を参照している。
【0012】
図1は、デジタルテレビジョン、ラップトップコンピュータおよび対応するワイドカラーガマットデジタルディスプレイ、プリンタまたは他の任意の適切な画像ディスプレイシステムなどの画像ディスプレイシステム10の一例を示すが、これに限定されるものではない。画像ディスプレイシステム10は、画像ソースプロバイダ12を有し、画像ソースプロバイダ12は、無線リンク、ディスプレイインタフェースリンクまたは他の任意の適切な通信リンクなどの適切なリンク16を介して、ワイドガマットRGBデジタルディスプレイ14と通信している。ワイドカラーガマットデジタルディスプレイ14は、ワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理18を備え、例えば、液晶ディスプレイまたは他の任意の適切なディスプレイなどである。この例では、画像ソースプロバイダ12は、符号20で示し、ワイドカラーガマットフォーマット回路22を備えるビデオグラフィックプロセッサを使用するホスト画像処理システムとして説明される。このワイドカラーガマットフォーマット回路22は、例えば、マッピング操作によって、あるいは別のサブシステムまたは画像ソースプロバイダ12内の回路から受け取った拡張済みのデータを使用して、ワイドカラーガマットRGB情報をフォーマットまたは生成するように動作可能である。本明細書で使用する論理または回路は、メモリ、ディスクリートロジック、特定用途向け集積回路、あるいは適宜、ハードウェア、実行中のソフトウェアおよび/またはファームウェアの任意の適切な組み合せに記憶されているコンピュータ可読命令を実行する、適切にプログラムされたプロセッサを有しうる。ソースプロバイダが、ワイドガマットディスプレイが接続されていることを認識している場合、ワイドカラーガマットフォーマット回路22は、グラフィックレンダリングエンジンからのワイドカラーガマットRGBから、ワイドガマットRGBディスプレイ用のフォーマットに(例えば、レンダラからのRGBから表示用のscRGBに)再フォーマットしうる。
【0013】
ワイドカラーガマットデジタルディスプレイインタフェース25は、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイ14とワイドカラーガマットフォーマット回路22との間のインタフェースである。
【0014】
ワイドカラーガマットフォーマット回路22は、適切な形態であればどのような形態でもよく、メモリ、ディスクリートロジック、特定用途向け集積回路、あるいはハードウェア、適宜、ソフトウェアおよびファームウェアの任意の適切な組み合せに記憶されているコンピュータ可読命令を実行するように適切にプログラムされたプロセッサを備えうる。この例では、ワイドカラーガマットフォーマット回路22は、正規化が行われた後に、RGB値のカラーガマットをより広い範囲のRGB値に拡張する。このことは、例えば、RGB値の固定小数点数値に、符号ビットと暗黙の小数点を追加するか、符号なしの固定小数点値に対して暗黙のDCオフセットを使用する、または浮動小数点値を使用するか、あるいは適宜、任意の適切な組み合せを使用することによって行うことができる。RGB成分ごとのカラー値当たり8ビット超のワイドガマットRGBカラーデータを有することが望ましく、そうでない場合、正規化された0.0〜1.0の色範囲内の精度低下となり、画面上の画像アーチファクトの原因となりうる。このように、例えば、ルックアップテーブルまたは演算アルゴリズムを使用するマッピング操作が使用されても、あるいは、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイ14が送信する情報で指定される、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイ14が認識する適切なフォーマットのワイドカラーガマット情報を生成するための任意の適切な機構が使用されてもよい。例えば、ワイドガマットRGBデジタルディスプレイ14はワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理18を備え、このワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理18は、ワイドガマットRGB通知情報およびワイドガマットカラーフォーマット定義情報24を画像ソースプロバイダ12に通知するように可能であり、この情報を使用して、画像ソースプロバイダ12が、多刺激色空間において提供されるワイドガマットRGBカラーデータ26を提供する。ワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理18は、ワイドカラーガマット確認情報に応答し、この情報は、ワイドガマットRGBデータ26と共に埋め込まれるか、または、必要に応じて別の情報として送信され、送信するワイドガマットRGBカラーデータ26が表示に適したフォーマットであることを、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイ14に確認する。ワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理18は、ディスクリートロジック、最適にプログラムされたプロセッサ、ASIC、あるいは実行中のハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェアの任意の適切な組み合せでもよい。
【0015】
また、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイ14は表示論理28も備え、表示論理28は、ワイドガマットRGBデータ26として送られ、必要に応じて更に処理される、最適に処理されたワイドガマットRGBカラーデータ30を受け取り、ワイドガマットRGB通知情報24およびフォーマット定義情報に対して受け取ったワイドガマットRGBカラーデータ26を表示する。ワイドガマットRGB通知情報24は、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイ14が標準的な色範囲のRGBデータだけでなく、ワイドカラーガマットRGBカラーデータも表示することができる旨の通知を表すデータなどである。
【0016】
フォーマット定義情報は、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイ14が表示可能なワイドガマットRGBデータ26のフォーマットを表すデータである。例えば、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイ14は、適切なフォーマットを提供するための特定のビット数と情報の順序を要求し、これにより、画像ソースプロバイダ12が、ワイドカラーガマットフォーマット回路22を使用して、ワイドカラーガマットデータを、例えば、符号ビットと暗黙小数点の形式から浮動小数点値形式に最適にフォーマットできるようになる。また、フォーマット定義情報は、ワイドガマットカラーの範囲を表すために使用する値の所望の範囲も指示しうる。また、ベースカラー色度も、フォーマット定義情報によって定義されうる。ディスプレイインタフェースを介して、画像ソースプロバイダ(例えば、画像ソースプロバイダに含まれる論理)がワイドガマットRGB情報を送る方法の2つの例としては、ワイドガマットRGB情報を、非ワイドガマット範囲に定義された範囲に変更したカラークロマシティ(chromacity)値を含むフォーマットで生成する方法と、「フルスケール」の正規化された色(1.0)と「無色」(0.0)との定義を保持しつつ、デジタル符号化フォーマットを再定義する方法がある。前者の例は、非ワイドガマット情報に対して既存のデジタル符号化フォーマットを使用する方法であるが、R,G,Bの各色度(chromaticity)の「意味」が再定義されうる。例えば、システムが、0〜(2)−1の範囲の8、10または12ビットの符号なし整数を使用し、0が「無色」に正規化され、(2)−1が「フルカラー」に正規化される場合、順序付けフォーマットは保持されるが、色の色度を変更することにより「フルカラー」の定義が変更されうる。この方法は、HDMI1.3でヒントを与えられるが、RGB色空間では完全には有効に表示されない。
【0017】
正規化された「フルスケール」色(1.0)と「無色」(0.0)との定義を保持しつつ、デジタル符号化フォーマットを再定義する別の方法を使用することもできる。デジタルカラー値がこの正規化された範囲から外れる場合、この標準的なガマットの範囲から外れた色を示す。例えば浮動小数点符号化体系、または、符号および/または暗黙の小数点を備える整数体系を使用することも、負数の必要性を避けるために、固定DCオフセットを有する符号化体系(すなわち、0.0から0を超えるコード値への正規化へのシフト)を使用することができる。一実施形態では、ワイドカラーガマット確認メッセージ制御論理は、レジスタおよび対応する論理を有し、レジスタは、使用するワイドカラーフォーマット定義情報を表すデータを含む。また、上記の組み合せが使用されてもよい点に留意されたい。
【0018】
ワイドカラーガマットフォーマット回路22とワイドカラーガマットデジタルディスプレイインタフェース25は、ワイドガマットRGB通知情報およびワイドガマットカラーフォーマット情報24を受け取り、フォーマット定義情報が指定するフォーマットでワイドガマット確認情報26を提供する論理である。ワイドカラーガマットフォーマット論理は、非ワイドカラーデータをワイドガマットカラー情報にフォーマットするか、フォーマット済みのワイドガマットカラー情報を出力するかのいずれかによって、ワイドガマットRGBデータをフォーマットしうる。
【0019】
レジスタは、適宜同じリンク16または他の任意の適切なリンクを介して、画像ソースプロバイダによってアクセスされうる。別の実施形態では、レジスタは、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイの製造業者によって生成され、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイが対応可能なフォーマットを示しうる。レジスタは、アドレス指定可能、アドレス指定不可能を問わず、適切なメモリであればどのようなものであってもよく、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイが異なるフォーマットのワイドカラーガマットRGBデータに対応可能な場合、複数のフォーマットを含んでもよい。
【0020】
他の公知のシステムとは異なり、システム10は、例えば、単に送られたワイドガマットRGBデータに基づいて輝度レベルを変更するだけではなく、画像ソースプロバイダから受け取ったワイドガマットRGBデータ26を実際に表示する。また、このシステムは、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイ14を使用して、RGB色空間または他の任意の適切な色空間などの多刺激色空間において受け取るカラーデータに対するワイドガマットRGB通知情報およびフォーマット定義情報を通知する。
【0021】
図2は、例えば、システム10によって実行されうる方法の例を示す。この方法は、ブロック200において開始し、システムに電力が供給される。ブロック202に示すように、本方法は、多刺激色空間(multi stimulus color space)におけるカラーデータに対するワイドガマットRGB通知情報およびフォーマット定義情報24を、画像ソースプロバイダ内のワイドカラーガマットデジタルディスプレイインタフェース25に通知する。これは、例えば、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイ14または他の任意の適切なデバイスによって行われうる。ブロック204に示すように、本方法は、送られたワイドガマットRGB通知情報およびフォーマット定義情報24に対して、画像ソースプロバイダ12によって、ワイドガマットRGBデータおよび確認情報26を返信する。確認情報は、必要に応じてフレームごとに送信され、システムが、別のワイドガマット表示モードまたは非ワイドガマットモードに変更されるたびに変更されうる。これが行われると、次に、ブロック206に示すように、表示論理28によってワイドガマットRGBデータが表示されうる。換言すると、ワイドガマットRGB画像情報を提供する方法は、ワイドガマットRGB通知情報24およびワイドガマットカラーフォーマット定義情報を画像ソースプロバイダ12に通知し、これに対して、画像ソースプロバイダ12からワイドガマット確認情報を受け取る。また、本方法は、ワイドガマットRGB通知情報およびフォーマット定義情報に対して受け取った受信ワイドガマットRGBカラーデータを表示する。
【0022】
図3は、図1の画像処理システム10と同様の画像処理システム300の別例を示すが、フォーマット定義情報の送信が不要であるか、または画像ソースプロバイダから確認情報が返されない点が異なる。この例では、ワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理302は、RGB色空間等のワイド多刺激色空間においてワイドガマットRGBカラーデータを受け取ることを通知するワイドガマットRGB通知情報を、画像ソースプロバイダ12に通知するように動作可能である。この通知情報は、情報304として図示されている。これに対して、画像ソースプロバイダは、ワイドカラーガマットフォーマット回路が確実にワイドガマットRGB通知情報を提供するようにする。しかし、この例では、ワイドカラーガマットフォーマット回路306は、デフォルトのフォーマットを有し、フォーマット定義情報を解釈する必要がない。ワイドカラーガマットフォーマット回路306は、受け取ったワイドガマットRGB通知情報304に対して、ワイドガマットRGBカラーデータ308を提供する。次に、ワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理は、情報(すなわち、所望のワイドガマットRGBデータ308)を最適に処理またはデコードし、これを表示論理28に出力し、表示論理28は、ワイドガマットRGB通知情報304に対して受け取った受信ワイドガマットRGBカラーデータを表示する。
【0023】
図4は、図3のシステム300によって実行されうる方法の一例を示す。例えば、ブロック400に示すように、本方法は、例えば、電源投入状態、または他の適切なタイミングで開始しうる。ブロック402に示すように、本方法は、カラーデータおよび多刺激色空間に対するワイドガマットRGB通知情報304を、画像ソースプロバイダ12のワイドカラーガマットデジタルディスプレイインタフェース25に通知する。ブロック404に示すように、画像ソースプロバイダ12は、送られたワイドガマットRGB通知情報304に対して、ワイドガマットRGBデータ308を返信する。図1と同様に、ワイドガマットRGB通知情報は、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイ14がワイドガマットRGBカラーデータ等のワイドガマット多刺激色情報に対応可能であることを通知する。次に、本方法は、ブロック406に示すように、システム300によって必要とされるように続行されうる。
【0024】
この例では、図3のワイドカラーガマットディスプレイ14は、ワイドガマットRGBカラーデータを、画像ソースプロバイダが送ること、あるいはワイドガマットRGBデジタルディスプレイがワイド多刺激色空間において受け取ることを通知するワイドガマットRGB通知情報304を、画像ソースプロバイダ12に通知する。次に、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイは、ワイドガマットRGB通知情報に対して受け取った受信ワイドガマットRGBカラーデータ308を、ワイドガマットディスプレイによって表示する。
【0025】
他の利点のなかでも、ワイドカラーガマットデジタルディスプレイが、画像ソースプロバイダに少なくともワイドガマットRGB通知情報を通知することに基づいて、ワイドガマットカラー情報を表示する複数の実施形態を説明した。また、符号化フォーマット定義情報または他の情報等の追加情報が、必要に応じてワイドカラーガマットデジタルディスプレイから伝達されうる。ワイドカラーガマットデジタルディスプレイインタフェースは、画像ソース生成ユニットからワイドガマット表示デバイスに、正規化された0.0〜1.0の範囲外の広範囲のRGB値を送信できる、例えば、DisplayPort、UDI、HDMI、LVDSまたはDVIを使用して、デジタルディスプレイインタフェースの一部として一体化されうる。ディスプレイは、複数の符号化フォーマットまたはワイドガマット表示モードをサポートし、プラグアンドプレイ型の動作を使用して、ソースプロバイダにこれを通知しうる。上記以外の利点は、通常の知識を有する当業者であれば理解できるであろう。
【0026】
また、コンピュータ可読メモリ(限定されるものではないが、例えば、CD-ROM、RAM、他の形態のROM、ハードディスクドライブ、分散メモリなど)に記憶されている実行可能命令に基づいて、集積回路を作製する集積回路設計システム(例えばワークステーション)が公知となっている。この命令は、限定的ではないが、ハードウェア記述言語または他の適切な言語などの任意の適切な言語によって表されうる。このように、ここに説明した論理(例えば、回路)は、このようなシステムによって集積回路として作製されうる。例えば、集積回路が、コンピュータ可読媒体に記憶された命令を使用して、ディスプレイで使用するために作製されうる。この命令は、実行されると、集積回路設計システムに、多刺激色空間において受け取るワイドガマットRGBカラーデータに対するワイドガマットRGB通知情報およびワイドガマットカラーフォーマット定義情報を、画像ソースプロバイダに通知し、画像ソースプロバイダからワイドガマット確認情報を受信し、ワイドガマットRGB通知情報およびフォーマット定義情報に対して受け取った受信ワイドガマットRGBカラーデータを表示するように動作可能な集積回路を作製させる。また、ここに記載の動作のうちの他の動作を実行する論理を有する集積回路が適宜作製されてもよい。
【0027】
上記の本発明の詳細な説明および例は、限定するものでなく、例示および説明のために提示したものである。このため、本発明は、上記に開示し、ここにクレームする基本的な基礎をなす原理の趣旨ならびに範囲に含まれるすべての変更、変形物または均等物をカバーすることが考察される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け取るワイドガマットRGBカラーデータに対するワイドガマットRGB通知情報およびワイドカラーガマットフォーマット定義情報を、画像ソースプロバイダに通知するように動作可能であり、かつ前記画像ソースプロバイダからのワイドガマット確認情報に応答するように動作可能なワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理と、
前記ワイドガマットRGB通知情報および前記フォーマット定義情報に対して受け取った受信ワイドガマットRGBカラーデータを表示するように動作可能な論理とを備える、ワイドガマットRGBデジタルディスプレイ。
【請求項2】
前記ワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理は前記ワイドカラーフォーマット定義情報を表すデータを格納しているレジスタを有する、請求項1に記載のワイドガマットRGBデジタルディスプレイ。
【請求項3】
ワイド多刺激色空間においてワイドガマットRGBカラーデータを受け取ることを通知するワイドガマットRGB通知情報を画像ソースプロバイダに通知するように動作可能なワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理と、
前記ワイドガマットRGB通知情報に対して受け取った受信ワイドガマットRGBカラーデータを表示するように動作可能な論理と備える、ワイドガマットRGBデジタルディスプレイ。
【請求項4】
ワイドガマットRGBデジタルディスプレイと画像ソースプロバイダとを備え、
前記ワイドガマットRGBデジタルディスプレイは、
多刺激色空間において受け取るワイドガマットRGBカラーデータに対するワイドガマットRGB通知情報およびワイドガマットカラーフォーマット定義情報を前記画像ソースプロバイダに通知するように動作可能であり、かつ前記画像ソースプロバイダからのワイドガマット確認情報に応答するように動作可能なワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理と、
前記ワイドガマットRGB通知情報および前記フォーマット定義情報に対して受け取った受信ワイドガマットRGBカラーデータを表示するように動作可能な論理とを有し、
前記画像ソースプロバイダは、
前記ワイドガマットRGB通知情報および前記ワイドガマットカラーフォーマット定義情報を受信し、前記フォーマット定義情報が指定するフォーマットで前記ワイドガマット確認情報を提供するように動作可能な論理を有する、システム。
【請求項5】
前記ワイドガマットRGB通知情報および前記ワイドガマットカラーフォーマット定義情報を受信し、前記フォーマット定義情報が指定するフォーマットで前記ワイドガマット情報を提供するように動作可能な前記論理は、
ワイドカラーガマットデジタルディスプレイインタフェース論理と、
非ワイドカラーデータをワイドガマットカラー情報にフォーマットするか、またはフォーマット済みのワイドガマットカラー情報を出力することによって、前記フォーマット定義情報が指定するフォーマットで前記ワイドガマット確認情報を提供するように動作可能なワイドカラーガマットフォーマット論理とを有する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
ワイドガマットRGBデジタルディスプレイと画像ソースプロバイダとを備え、
前記ワイドガマットRGBデジタルディスプレイは、
ワイド多刺激色空間においてワイドガマットRGBカラーデータを受け取ることを通知するワイドガマットRGB通知情報を、画像ソースプロバイダに通知するように動作可能なワイドカラーガマット構成メッセージ制御論理と、
前記ワイドガマットRGB通知情報に対して受け取った受信ワイドガマットRGBカラーデータを表示するように動作可能な論理とを有し、
前記画像ソースプロバイダは、前記ワイドガマットRGB通知情報を受信し、前記ワイドガマットRGB通知情報に応答してワイドガマット確認情報を提供するように動作可能な論理を有する、システム。
【請求項7】
多刺激色空間において受け取るワイドガマットRGBカラーデータに対するワイドガマットRGB通知情報およびワイドガマットカラーフォーマット定義情報を画像ソースプロバイダに通知するステップと、
前記画像ソースプロバイダからワイドガマット確認情報を受け取るステップと、
前記ワイドガマットRGB通知情報および前記フォーマット定義情報に対して受け取った受信ワイドガマットRGBカラーデータを表示するステップとを含む、方法。
【請求項8】
前記画像ソースプロバイダに前記ワイドガマットカラーフォーマット定義情報を提供するために前記ワイドカラーフォーマット定義情報を表す記憶済みのデータにアクセスするステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ワイドガマットRGB通知情報および前記ワイドガマットカラーフォーマット定義情報を受信するステップと、
前記フォーマット定義情報が指定するフォーマットで前記ワイドガマット確認情報を提供するステップとを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
ワイドガマットRGBカラーデータをワイド多刺激色空間においてワイドガマットRGBデジタルディスプレイが受け取ることを通知するワイドガマットRGB通知情報を画像ソースプロバイダに通知するステップと、
前記ワイドガマットRGB通知情報に対して受け取った受信ワイドガマットRGBカラーデータを前記ワイドガマットRGBデジタルディスプレイによって表示するステップとを含む、方法。
【請求項11】
前記ワイドガマットRGB通知情報を受信するステップと、
前記ワイドガマットRGB通知情報に応答して前記ワイドガマット確認情報を提供するステップとを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
ワイドガマットRGB通知情報およびワイドガマットカラーフォーマット定義情報を受信し、ディスプレイに、前記フォーマット定義情報が指定するフォーマットでワイドガマット確認情報を提供するように動作可能な論理を有する、画像ソースプロバイダ。
【請求項13】
前記論理は、非ワイドガマット範囲に対して定義された範囲に対して変更されたカラークロマシティ値を含むフォーマットで前記ワイドガマットRGB情報を生成するように動作可能である、請求項12に記載の画像ソースプロバイダ。
【請求項14】
前記論理は、デジタルカラー値が正規化された範囲を外れている場合に、非ワイドガマット範囲外の色を示すようなフォーマットで前記ワイドガマットRGB情報を生成するように動作可能である、請求項12に記載の画像ソースプロバイダ。
【請求項15】
実行可能命令が記憶されたコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、実行されると、集積回路設計システムに、
多刺激色空間において受け取るワイドガマットRGBカラーデータに対するワイドガマットRGB通知情報およびワイドガマットカラーフォーマット定義情報を画像ソースプロバイダに通知し、
前記画像ソースプロバイダからワイドガマット確認情報を受信し、
前記ワイドガマットRGB通知情報および前記フォーマット定義情報に対して受け取った受信ワイドガマットRGBカラーデータを表示するように動作可能な集積回路を作製させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
コンピュータ可読媒体に記憶された実行可能命令を集積回路設計システムに実行させるプロセスで作製される集積回路であって、
多刺激色空間において受け取るワイドガマットRGBカラーデータに対するワイドガマットRGB通知情報およびワイドガマットカラーフォーマット定義情報を画像ソースプロバイダに通知し、
前記画像ソースプロバイダからワイドガマット確認情報を受信し、
前記ワイドガマットRGB通知情報および前記フォーマット定義情報に対して受け取った受信ワイドガマットRGBカラーデータを表示するように動作可能な集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−508245(P2011−508245A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536292(P2010−536292)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【国際出願番号】PCT/CA2008/001891
【国際公開番号】WO2009/070864
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(508301087)エーティーアイ・テクノロジーズ・ユーエルシー (68)
【氏名又は名称原語表記】ATI TECHNOLOGIES ULC
【住所又は居所原語表記】One Commerce Valley Drive East, Markham, Ontario, L3T 7X6 Canada
【Fターム(参考)】