床構造の施工方法及び該施工方法に使用される施工部材
【解決手段】スラブS上に、脚部材1を配置した後、脚部材に、高さ調整工具2を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームLを一致させ、その後、高さ調整工具を、脚部材から外した後に、脚部材に受台3を嵌着し、その後、受台に.床下地パネルPを載置するようにしたものである。
【効果】床下地パネルの水平出し作業を、従来の床下地パネルの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルの上に乗るようなことがなく、スラブ上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができる。
【効果】床下地パネルの水平出し作業を、従来の床下地パネルの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルの上に乗るようなことがなく、スラブ上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、コンクリート製のスラブ上に施工される床構造の施工方法及び該施工方法に使用される施工部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、床下地パネルの水平出し作業は、スラブ上に、受台が取着された脚部材を設置した後、スラブの全体に亘たって、床下地パネルを載置し、その後、作業者が、床下地パネルの上に乗って、床下地パネル間に形成された間隙に、適当な工具を挿入して、脚部材を構成するナットを回転させて、気泡を利用した水準器を利用して、受台の高さ調整を行っていた。
【0003】
上述した脚部材は、ボルトと、該ボルトに螺合されたナットと、ボルトの下端に取着された防振ゴム部とから構成されている。このような脚部材を利用した床構造の施工方法は、一例として、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−81196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した床下地パネルの水平出し作業は、作業者が、敷き詰められた床下地パネルの上に乗って、床下地パネルの水平出しを行うために、脚部材の防振ゴム部が、圧縮変形し、作業者が、他の床下地パネルの水平出しを行うために移動すると、圧縮変形された脚部材の防振ゴム部が、その弾性復元力により戻ることになり、結局は、正確な水平出しを行うことができないという問題があった。
【0006】
また、作業者が、床下地パネルの上に乗ることにより、床下地パネルが湾曲する場合もあり、このように、床下地パネルが湾曲した状態で、水平出しを行っても、床下地パネルが湾曲しているので、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという問題があった。
【0007】
更に、上述したように、各床下地パネルについて、それぞれ、水準器による水平出しを行うことになるので、各床下地パネルの水平誤差が、基準床下地パネルから離れるほど大きくなり、床下地パネル全体として、正確な水平出しを行うことが困難であるという問題があり.また、正確な水平出しを行おうとすると、水平出し作業に多大の労力と時間がかかることになり、ひいては、床構造の施工コストが上昇するという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、上述した従来の床構造の施工方法及び該施工方法に使用される脚部材が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した目的を達成するために、床構造の施工方法において、第1には、スラブ上に、脚部材を配置した後、脚部材に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームを一致させ、その後、高さ調整工具を、脚部材から外した後に、脚部材に受台を嵌着し、その後、受台に.床下地パネルを載置するようにしたものであり、第2には、スラブ上に、予め、受台が嵌着された脚部材を配置した後に、脚部材に嵌着された受台に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームを一致させ、その後、高さ調整工具を、脚部材に嵌着された受台から外した後に、受台に.床下地パネルを載置するようにしたものであり、第3には、スラブ上に、ボルトの上端部に形成されたスリットに楔が挿着された脚部材を配置した後、脚部材に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービーム一致させ、その後、高さ調整工具に挿入された楔打ち込み部材を打撃することにより、脚部材のボルトとナットとを固定し、その後、高さ調整工具を、脚部材から外した後に、脚部材に嵌着された受台に.床下地パネルを載置するようにしたものである。
【0010】
本発明は、上述した目的を達成するために、施工方法に使用される施工部材において、第1には、施工部材を、脚部材と脚部材に接続される高さ調整工具とにより構成し、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させるようにしたものであり、第2には、施工部材を、受台が取着された脚部材と脚部材に接続される高さ調整工具とにより構成し、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させるようにしたものであり、第3には、施工部材を、ボルトの上端部に形成されたスリットに楔が挿着された脚部材と高さ調整工具と高さ調整工具に挿入された楔打ち込み部材とにより構成し、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させ後に、楔打ち込み部材により、楔を、ボルトの上端部に形成されたスリットに押し込み、脚部材のボルトとナットとを固定するように構成したものである。
【発明の効果】
【0011】
スラブ上に、脚部材を配置した後、脚部材に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームを一致させ、その後、高さ調整工具を、脚部材から外した後に、脚部材に受台を嵌着し、その後、受台に.床下地パネルを載置するようにしたので、床下地パネルの水平出し作業を、従来の床下地パネルの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルの上に乗るようなことがなく、スラブ上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができる。
【0012】
スラブ上に、予め、受台が嵌着された脚部材を配置した後に、脚部材に嵌着された受台に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームを一致させ、その後、高さ調整工具を、脚部材に嵌着された受台から外した後に、受台に.床下地パネルを載置するようにしたので、床下地パネルの水平出し作業を、従来の床下地パネルの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルの上に乗るようなことがなく、スラブ上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができるとともに、スラブ上に、受台が嵌着された脚部材を配置するように構成することにより、床構造の施工現場ではなく、工場等において、受台が嵌着された脚部材を用意しておくことができ、従って、床構造の施工現場における床下地パネルやフローリング材の施工作業の作業時間を短縮化することができ、ひいては、床構造の施工作業を効率的に行うことができる。
【0013】
スラブ上に、ボルトの上端部に形成されたスリットに楔が挿着された脚部材を配置した後、脚部材に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービーム一致させ、その後、高さ調整工具に挿入された楔打ち込み部材を打撃することにより、脚部材のボルトとナットとを固定し、その後、高さ調整工具を、脚部材から外した後に、脚部材に嵌着された受台に.床下地パネルを載置するようにしたので、床下地パネルの水平出し作業を、従来の床下地パネルの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルの上に乗るようなことがなく、スラブ上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができるとともに、脚部材を構成するボルトとナットとの固定を、接着剤により行う場合に比べて、接着剤が固まるまで待つ必要がないので、床構造の施工時間を短縮化することができる。
【0014】
施工部材を、脚部材と脚部材に接続される高さ調整工具とにより構成し、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させるようにしたので、床下地パネルの水平出し作業を、従来の床下地パネルの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルの上に乗るようなことがなく、スラブ上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができる。
【0015】
施工部材を、受台が取着された脚部材と脚部材に接続される高さ調整工具とにより構成し、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させるようにしたので、床下地パネルの水平出し作業を、従来の床下地パネルの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルの上に乗るようなことがなく、スラブ上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができるとともに、スラブ上に、受台が嵌着された脚部材を配置するように構成することにより、床構造の施工現場ではなく、工場等において、受台が嵌着された脚部材を用意しておくことができ、従って、床構造の施工現場における床下地パネルやフローリング材の施工作業の作業時間を短縮化することができ、ひいては、床構造の施工作業を効率的に行うことができる。
【0016】
施工部材を、ボルトの上端部に形成されたスリットに楔が挿着された脚部材と高さ調整工具と高さ調整工具に挿入された楔打ち込み部材とにより構成し、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させ後に、楔打ち込み部材により、楔を、ボルトの上端部に形成されたスリットに押し込み、脚部材のボルトとナットとを固定するように構成したので、床下地パネルの水平出し作業を、従来の床下地パネルの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルの上に乗るようなことがなく、スラブ上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができるとともに、脚部材を構成するボルトとナットとの固定を、接着剤により行う場合に比べて、接着剤が固まるまで待つ必要がないので、床構造の施工時間を短縮化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の床構造の施工方法に使用される脚部材及び受台の分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明の床構造の施工方法に使用される脚部材及び高さ調整工具の一部断面を含む正面図である。
【図3】図3は、本発明の床構造の施工方法に使用される脚部材に、高さ調整工具が接続された状態の一部断面を含む正面図である。
【図4】図4は、本発明の床構造の施工方法に使用される脚部材に、受台が取着された状態の一部断面を含む正面図である。
【図5】図5は、本発明の床構造の一部断面を含む拡大正面図である。
【図6】図6は、本発明の床構造の一部断面を含む正面図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施例に使用される脚部材及び受台の正面図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施例において使用される高さ調整工具の斜視図である。
【図9】図9は、本発明の別の実施例における脚部材、受台及び高さ調整工具の一部断面を含む正面図である。
【図10】図10、本発明の更に別の実施例に使用される脚部材の一部断面を含む正面図である。
【図11】図11は、本発明の更に別の実施例に使用される高さ調整工具と楔打ち込み部材の分解正面図である。
【図12】図12は、本発明の更に別の実施例に使用される高さ調整工具に、楔打ち込み部材が配設された状態の一部断面を含む正面図である。
【図13】図13は、本発明の更に別の実施例の脚部材、高さ調整工具及び楔打ち込み部材が配設された状態の一部断面を含む正面図である。
【図14】図14は、本発明の更に別の実施例の脚部材のの一部断面を含む正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の床構造について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら、本実施例に何ら限定されるものではない。
【0019】
先ず最初に、図1及び図2を用いて、本発明の床構造の施工方法に使用される施工部材について説明する。
【0020】
1は、脚部材であり、脚部材1は、棒状のボルト1aと、ボルト1aの下端に取着された防振ゴム部1bと、ボルト1aに螺合されるナット1cとから構成されている。ナット1cは、内周にネジ溝が刻設された円筒部1c1と、円筒部1c1の下端外周面に形成された鍔部1c2とを有しており、円筒部1c1の外周には、防滑用のローレット1c1’が形成されている。なお、円筒部1c1の外周には、必ずしも、ローレット1c1’を形成する必要はない。
【0021】
2は、高さ調整工具であり、高さ調整工具2は、パイプ状或いは棒状のロッド部2aと、ロッド部2aの下端に取着された筒状で、下端に開口を有する嵌合部2bとを有しており、ロッド部2aの外周には、その全体或いは上部に、垂直方向に延在する目盛2a1が形成されている。高さ調整工具2の嵌合部2bを、脚部材1を構成するナット1cの円筒部1c1に嵌合し、脚部材1のボルト1aに対して、ナット1cを上下動させるために、高さ調整工具2を回転させた際には、脚部材1の円筒部1c1の外周にローレット1c1’が形成されているので、回転される高さ調整工具2の嵌合部2bに対して、脚部材1のナット1cが、空転しないように構成されている。
【0022】
3は、受台であり、受台3の中心部には、嵌合孔3aが穿設されており、嵌合孔3aには、脚部材1を構成するナット1cのローレット1c1’が形成された円筒部1c1が嵌着されるように構成されている。なお、受台3の嵌合孔3aに、脚部材1を構成するナット1cが嵌着された際には、受台3の裏面3bは、脚部材1を構成するナット1cの鍔部1c2の上面に当接するとともに、脚部材1を構成するナット1cは、受台3の上面3cから突出しないように構成されている。換言すれば、脚部材1を構成するナット1cの円筒部1c1の高さD1は、受台3の厚さD2以下に形成されている。
【0023】
次に、上述した脚部材1、高さ調整工具2及び受台3を用いた、床構造の施工方法の一例をに説明する。
【0024】
図3に示されているように、先ず最初に、スラブS上の所定の箇所に、脚部材1を配置し、その後、所定の脚部材1を構成するナット1cの円筒部1c1に、高さ調整工具2の嵌合部2bを嵌合させる。また、スラブ1上の適当な箇所には、公知のレーザーレベル計が配置されており、レーザーレベル計からは、放射状に、基準レベルとなる水平レーザービームLが発射されている。
【0025】
次いで、高さ調整工具2のロッド部2aを、適当な把持部材により把持するとともに、把持部材を回転させることにより、高さ調整工具2を回転させて、高さ調整工具2の嵌合部2bに嵌合されている脚部材1のナット1cを回転させて、ナット1cを上下動させることにより、レーザーレベル計の水平レーザービームLに、高さ調整工具2を構成するロッド部2aの外周に形成された目盛2a1の所望の位置を合わせる。その後、高さ調整工具2を、脚部材1から取り外すとともに、脚部材1のボルト1aとナット1cとの間隙に、瞬間接着材等の接着材を挿入することにより、ナット1cが、ボルト1aに対して回転し、ナット1cの高さが変わらないように、脚部材1のボルト1aとナット1cとを固定する。このようにして、所定の脚部材1に接続された高さ調整工具2の目盛2a1の所望の位置とレーザーレベル計の水平レーザービームLとを一致させることにより、脚部材1が配置されているスラブSの上面s1から、脚部材1を構成するナット1cの所定の位置、例えば、ナット1cの鍔部1c2の上面までの高さが、所望の高さに調整されることになる。
【0026】
上述したような、スラブSの上面s1から、脚部材1を構成するナット1cの所定の位置までの高さが、所望の高さになるように調整する床下地パネル高さ調整作業を、高さ調整工具2及びレーザーレベル計の水平レーザービームLを使用して、スラブS上に配置された全ての脚部材1について行う。
【0027】
その後、脚部材1を構成するナット1cに、全て同じ厚さD2を有する受台3の嵌合孔3aを、受台3の裏面3bが、脚部材1を構成するナット1cの鍔部1c2の上面に当接するように嵌着することにより、スラブSの上面s1から、脚部材1に配設される受台3の上面3cまでの高さが、全ての脚部材1において、同じとなる。その後、図5及び図6に示されているように、受台3に、床下地パネルPを載置するとともに、床下地パネルPに、フローリング材Fを敷き詰めることになる。
【0028】
上述したように構成することにより、受台3に載置される全ての床下地パネルについて、正確で、且つ、迅速な水平出し作業を行うことができることになる。なお、このように、脚部材1に、受台3が配設された際には、脚部材1を構成するナット1c及びボルト1aとが、受台3の上面3cから、上方に突出しないように構成されている。
【0029】
また、スラブSの上面s1から、脚部材1を構成するナット1cの所定の位置までの高さが、所望の高さになるように調整する床下地パネル高さ調整作業を、各脚部材1において行った後、直ぐに、各脚部材1を構成するナット1cに、受台3の嵌合孔3aに嵌着することもできる。
【0030】
更に、スラブSの上面s1から、脚部材1を構成するナット1cの所定の位置までの高さが、所望の高さになるように調整する床下地パネル高さ調整作業を、各脚部材1において行った後、上述したように、個々の脚部材1に、個々の受台3を取り付ける代わりに、複数の嵌合孔3aが穿設された細長い受台3を、複数の脚部材1に跨がるように配設することもできる。
【0031】
次に、図7〜図9を用いて、本発明の他の実施例について説明する。なお、共通の部材については、上述した実施例と同じ符号が使用されている。
【0032】
上述した実施例には、スラブ1上に脚部材1を配置した後、脚部材1に、高さ調整工具2を接続するとともに、脚部材1に接続された高さ調整工具2を回転させて、脚部材1を構成するナット1cを上下動させ、スラブSの上面s1から、脚部材1を構成するナット1cの所定の位置までの高さが、所望の高さになるように調整する床下地パネル高さ調整作業を行い、その後、脚部材1を構成するナット1cに、受台3の嵌合孔3aを嵌着して、脚部材1に、受台3を配設するようにした例が示されているが、本実施例においては、床下地パネル高さ調整作業を行う前に、予め、脚部材1を構成するナット1cに、受台3の嵌合孔3aを嵌着して、脚部材1に、受台3を配設しておくものである。
【0033】
図7に示されているように、予め、脚部材1を構成するナット1cに、受台3の裏面3bが、脚部材1を構成するナット1cの鍔部1c2の上面に当接するように、受台3の嵌合孔3aが嵌着されている脚部材1を、スラブS上の所定の箇所に配置する。次いで、上述した実施例と同様に、所定の脚部材1に、高さ調整工具2を接続することになるが、本実施例においては、脚部材1に、予め、受台3がセットされているので、上述した実施例における高さ調整工具2の筒状の嵌合部2bに変更が加えられている。
【0034】
上述した実施例における高さ調整工具2の筒状の嵌合部2bに代えて、本実施例においては、高さ調整工具2を構成するロッド部2aの下端には、水平天板20b1と、水平天板20b1の一方の相対する端辺から垂下された垂直板20b2とからなる嵌合部20bが取着されている。そして、床下地パネル高さ調整作業を行う際には、図9に示されているように、嵌合部20bの相対する垂直板20b2により、受台3が、一方の相対する側壁3dが挟持されるように構成されている。
【0035】
予め、脚部材1を構成するナット1cに、受台3の嵌合孔3aが嵌着されている脚部材1を、スラブS上の所定の箇所に配置した後に、受台3の一方の相対する側壁3dを、高さ調整工具2の嵌合部20bを構成する相対する垂直板20b2により挟持する。次いで、上述した実施例と同様に、高さ調整工具2を回転させることにより、脚部材1のナット1cを回転させて、ナット1cを上下動させることにより、レーザーレベル計の水平レーザービームLに、高さ調整工具2を構成するロッド部2aの外周に形成された目盛2a1の所望の位置を合わせる。その後、高さ調整工具2を、脚部材1から取り外すとともに、脚部材1のボルト1aとナット1cとの間隙に、瞬間接着材等の接着材を挿入することにより、ナット1cが、ボルト1aに対して回転し、ナット1cの高さが変わらないように、脚部材1のボルト1aとナット1cとを固定する。なお、高さ調整後の受台3が、平面的に見て、所定の位置からずれて位置している場合には、受台3を、脚部材1ごと持ち上げて、所定の角度に回転させた後、再度、受台3は取着された脚部材1を、スラブS上の置くようにする。このような調整を、スラブ1上に配置された全ての脚部材1について行い、その後、上述した実施例と同様に、受台3に、同じ厚さを有する床下地パネルPを載置する。
【0036】
なお、上述した脚部材1と高さ調整工具2の変更及び高さ調整工程の変更以外は、上述した実施例と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
【0037】
上述した本実施例においては、床構造の施工現場ではなく、工場等において、脚部材1に、予め、受台3をセットしておくことにより、床構造の施工現場における床下地パネルPやフローリング材Fの施工作業の作業時間を短縮化することができ、従って、床構造の施工作業を効率的に行うことができる。
【0038】
次に、図10〜図14を用いて、本発明の更に他の実施例について説明する。なお、共通の部材については、上述した実施例と同じ符号が使用されている。
【0039】
この実施例においては、脚部材1を構成するボルト1aの上端部に、上端から垂直延在するスリット1dが形成されており、スリット1dには、楔Wの上端部を残して、楔Wの下端部が挿着されている。それ以外の脚部材1の構成は、上述した実施例と同じである。
【0040】
Eは、楔打ち込み部材であり、楔打ち込み部材Eは、打ち込みロッドe1と、打ち込みロッドe1の上端に取着された鍔e2とから構成されている。
【0041】
楔打ち込み部材Eの打ち込みロッドe1は、高さ調整工具2のパイプとして形成されたロッド部2aの中に挿入されるように構成されているとともに、鍔e2は、ロッド部2aの上端2a2に載置されるように構成されている。また、鍔e2が、ロッド部2aの上端2a2に載置された際には、打ち込みロッドe1は、高さ調整工具2を構成する嵌合部2bの天部2b1に穿設された透孔2b1’を貫通して、打ち込みロッドe1の下端e1aは、嵌合部2b内に位置するが、或いは、嵌合部2bの下端2b2から、所定に長さ突出するように構成されている。
【0042】
上述した実施例と同じように、スラブS上の所定の箇所に、脚部材1を配置し、その後、所定の脚部材1を構成するナット1cの円筒部1c1に、高さ調整工具2の嵌合部2bを嵌合させる。このように、脚部材1と高さ調整工具2とを接続させると、高さ調整工具2に挿入された楔打ち込み部材Eの打ち込みロッドe1の下端e1aが、脚部材1を構成するボルト1aの上端部に形成されたスリット1dに挿着されている楔Wの上端に載置されるとともに、打ち込みロッドe1が上昇し、打ち込みロッドe1が、所定長さ、高さ調整工具2のパイプ状のロッド部2aの上端2a2から突出するように構成されている。
【0043】
その後、上述した実施例と同じように、高さ調整工具2のロッド部2aの上端部等を、適当な把持部材により把持するとともに、把持部材を回転させることにより、高さ調整工具2を回転させて、高さ調整工具2の嵌合部2bに嵌合されている脚部材1のナット1cを回転させて、ナット1cを上下動させることにより、レーザーレベル計の水平レーザービームLを、高さ調整工具2を構成するロッド部2aの外周に形成された目盛22a1の所望の位置に一致させる。その後、この状態を維持した状態で、楔打ち込み部材Eの打ち込みロッドe1の鍔e2を、金槌等で叩くことにより、脚部材1を構成するボルト1aの上端部に形成されたスリット1dに挿着されている楔Wを、スリット1d内に更に打ち込むことにより、ボルト1aの上端部を、外側に拡張させて、ボルト1aの上端部を、ナット1cの内周面に密着させ、ナット1cが、ボルト1aに対して回転し、ナット1cの高さが変わらないように、脚部材1のボルト1aとナット1cとを固定する。その後、高さ調整工具2を、脚部材1から取り外す。
【0044】
なお、上述した脚部材1と高さ調整工具2の変更及び高さ調整工程の変更以外は、上述した実施例と同じである。
【0045】
上述したように、高さ調整後の脚部材1を構成するボルト1aとナット1cとの固定に、楔Wを使用することにより、ボルト1aとナット1cとの固定に、上述した実施例のように、接着剤を使用する場合に比べて、ボルト1aとナット1cとの固定時間を短縮化することができる。
【0046】
なお、上述した実施例のように、この実施例においても、予め、脚部材1を構成するナット1cに受台3を嵌着しておくこともできる。
【0047】
更に、上述した実施例においては、受台3が配設された脚部材1において、脚部材1の防振ゴム部1bを、スラブSの上に載置した例が示されているが、脚部材1の上下を逆にして、換言すれば、スラブSの上に、受台3を載置し、防振ゴム部1bを上にした配置し、その後、防振ゴム部1bに、高さ調整工具2を接続し、高さ調整を行った後、脚部材1を元の位置に戻すように構成することもできる。脚部材1の防振ゴム部1bを、スラブSの上に載置した場合には、防振ゴム部1bに比べて、受台3が大きく、且つ、重いので、スラブSの上に載置された脚部材1が不安定になるので、大きく、且つ、重い受台3を、スラブSの上に載置することにより、受台3が配設された脚部材1が倒れるようなことを防止することができる。
【0048】
本発明は、スラブS上に、脚部材1を配置した後、脚部材1のナット1cに、高さ調整工具2の嵌合部2bを嵌合させ、次いで、高さ調整工具2を回転させることにより、高さ調整工具2のロッド部2aの所定の目盛2a1位置に、スラブS上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームLを一致させ、その後、高さ調整工具2を、脚部材1から外した後に、脚部材1のナット1cに受台3を嵌着し、その後、受台3に.床下地パネルSを載置するようにしたので、床下地パネルPの水平出し作業を、従来の床下地パネルPの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルPの上に乗るようなことがなく、スラブS上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルPの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができる。
【0049】
また、本発明は、スラブS上に、脚部材1のナット1cに、予め、受台3が嵌着された脚部材1を配置した後に、脚部材1に嵌着された受台3に、高さ調整工具2の嵌合部20bを嵌合させ、次いで、高さ調整工具2を回転させることにより、高さ調整工具2のロッド部2aの所定の目盛2a1位置に、スラブS上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームLを一致させ、その後、高さ調整工具2を、脚部材1に嵌着された受台3から外した後に、受台3に.床下地パネルPを載置するようにしたので、床下地パネルPの水平出し作業を、従来の床下地パネルPの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルPの上に乗るようなことがなく、スラブS上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルPの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができる。
【0050】
スラブS上に、脚部材1のナット1cに、予め、受台3が嵌着された脚部材1を配置するように構成することにより、床構造の施工現場ではなく、工場等において、受台3が嵌着された脚部材1を用意しておくことができ、従って、床構造の施工現場における床下地パネルPやフローリング材Fの施工作業の作業時間を短縮化することができ、ひいては、床構造の施工作業を効率的に行うことができる。
【0051】
更に、本発明は、スラブS上に、ボルト1aの上端部に形成されたスリット1dに楔Wが挿着された脚部材1を配置した後、脚部材1のナット1cに、高さ調整工具2の嵌合部2bを嵌合させ、次いで、高さ調整工具2を回転させることにより、高さ調整工具2のロッド部2aの所定の目盛2a1位置に、スラブS上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームLを一致させ、その後、高さ調整工具2のパイプ状のロッド部2aに挿入された楔打ち込み部材Eを打撃することにより、脚部材1のボルト1aとナット1cとを固定し、その後、高さ調整工具2を、脚部材1から外した後に、脚部材1のナット1cに受台3を嵌着し、次いで、受台3に.床下地パネルSを載置するようにしたので、床下地パネルPの水平出し作業を、従来の床下地パネルPの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルPの上に乗るようなことがなく、スラブS上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルPの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができる。
【0052】
上述したように、楔打ち込み部材Eを用いて、脚部材1のボルト1aの上端部に形成されたスリット1dに挿着された楔Wにより、脚部材1を構成するボルト1aとナット1cとの固定を行うようにしたので、脚部材1を構成するボルト1aとナット1cとの固定を、接着剤により行う場合に比べて、接着剤が固まるまで待つ必要がないので、床構造の施工時間を短縮化することができる。
【符号の説明】
【0053】
L・・・・・・・・・・・水平レーザービーム
P・・・・・・・・・・・床下地パネル
S・・・・・・・・・・・スラブ
W・・・・・・・・・・・楔
1・・・・・・・・・・・脚部材
2・・・・・・・・・・・高さ調整工具
3・・・・・・・・・・・受台
【技術分野】
【0001】
本願発明は、コンクリート製のスラブ上に施工される床構造の施工方法及び該施工方法に使用される施工部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、床下地パネルの水平出し作業は、スラブ上に、受台が取着された脚部材を設置した後、スラブの全体に亘たって、床下地パネルを載置し、その後、作業者が、床下地パネルの上に乗って、床下地パネル間に形成された間隙に、適当な工具を挿入して、脚部材を構成するナットを回転させて、気泡を利用した水準器を利用して、受台の高さ調整を行っていた。
【0003】
上述した脚部材は、ボルトと、該ボルトに螺合されたナットと、ボルトの下端に取着された防振ゴム部とから構成されている。このような脚部材を利用した床構造の施工方法は、一例として、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−81196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した床下地パネルの水平出し作業は、作業者が、敷き詰められた床下地パネルの上に乗って、床下地パネルの水平出しを行うために、脚部材の防振ゴム部が、圧縮変形し、作業者が、他の床下地パネルの水平出しを行うために移動すると、圧縮変形された脚部材の防振ゴム部が、その弾性復元力により戻ることになり、結局は、正確な水平出しを行うことができないという問題があった。
【0006】
また、作業者が、床下地パネルの上に乗ることにより、床下地パネルが湾曲する場合もあり、このように、床下地パネルが湾曲した状態で、水平出しを行っても、床下地パネルが湾曲しているので、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという問題があった。
【0007】
更に、上述したように、各床下地パネルについて、それぞれ、水準器による水平出しを行うことになるので、各床下地パネルの水平誤差が、基準床下地パネルから離れるほど大きくなり、床下地パネル全体として、正確な水平出しを行うことが困難であるという問題があり.また、正確な水平出しを行おうとすると、水平出し作業に多大の労力と時間がかかることになり、ひいては、床構造の施工コストが上昇するという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、上述した従来の床構造の施工方法及び該施工方法に使用される脚部材が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した目的を達成するために、床構造の施工方法において、第1には、スラブ上に、脚部材を配置した後、脚部材に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームを一致させ、その後、高さ調整工具を、脚部材から外した後に、脚部材に受台を嵌着し、その後、受台に.床下地パネルを載置するようにしたものであり、第2には、スラブ上に、予め、受台が嵌着された脚部材を配置した後に、脚部材に嵌着された受台に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームを一致させ、その後、高さ調整工具を、脚部材に嵌着された受台から外した後に、受台に.床下地パネルを載置するようにしたものであり、第3には、スラブ上に、ボルトの上端部に形成されたスリットに楔が挿着された脚部材を配置した後、脚部材に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービーム一致させ、その後、高さ調整工具に挿入された楔打ち込み部材を打撃することにより、脚部材のボルトとナットとを固定し、その後、高さ調整工具を、脚部材から外した後に、脚部材に嵌着された受台に.床下地パネルを載置するようにしたものである。
【0010】
本発明は、上述した目的を達成するために、施工方法に使用される施工部材において、第1には、施工部材を、脚部材と脚部材に接続される高さ調整工具とにより構成し、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させるようにしたものであり、第2には、施工部材を、受台が取着された脚部材と脚部材に接続される高さ調整工具とにより構成し、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させるようにしたものであり、第3には、施工部材を、ボルトの上端部に形成されたスリットに楔が挿着された脚部材と高さ調整工具と高さ調整工具に挿入された楔打ち込み部材とにより構成し、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させ後に、楔打ち込み部材により、楔を、ボルトの上端部に形成されたスリットに押し込み、脚部材のボルトとナットとを固定するように構成したものである。
【発明の効果】
【0011】
スラブ上に、脚部材を配置した後、脚部材に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームを一致させ、その後、高さ調整工具を、脚部材から外した後に、脚部材に受台を嵌着し、その後、受台に.床下地パネルを載置するようにしたので、床下地パネルの水平出し作業を、従来の床下地パネルの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルの上に乗るようなことがなく、スラブ上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができる。
【0012】
スラブ上に、予め、受台が嵌着された脚部材を配置した後に、脚部材に嵌着された受台に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームを一致させ、その後、高さ調整工具を、脚部材に嵌着された受台から外した後に、受台に.床下地パネルを載置するようにしたので、床下地パネルの水平出し作業を、従来の床下地パネルの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルの上に乗るようなことがなく、スラブ上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができるとともに、スラブ上に、受台が嵌着された脚部材を配置するように構成することにより、床構造の施工現場ではなく、工場等において、受台が嵌着された脚部材を用意しておくことができ、従って、床構造の施工現場における床下地パネルやフローリング材の施工作業の作業時間を短縮化することができ、ひいては、床構造の施工作業を効率的に行うことができる。
【0013】
スラブ上に、ボルトの上端部に形成されたスリットに楔が挿着された脚部材を配置した後、脚部材に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービーム一致させ、その後、高さ調整工具に挿入された楔打ち込み部材を打撃することにより、脚部材のボルトとナットとを固定し、その後、高さ調整工具を、脚部材から外した後に、脚部材に嵌着された受台に.床下地パネルを載置するようにしたので、床下地パネルの水平出し作業を、従来の床下地パネルの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルの上に乗るようなことがなく、スラブ上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができるとともに、脚部材を構成するボルトとナットとの固定を、接着剤により行う場合に比べて、接着剤が固まるまで待つ必要がないので、床構造の施工時間を短縮化することができる。
【0014】
施工部材を、脚部材と脚部材に接続される高さ調整工具とにより構成し、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させるようにしたので、床下地パネルの水平出し作業を、従来の床下地パネルの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルの上に乗るようなことがなく、スラブ上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができる。
【0015】
施工部材を、受台が取着された脚部材と脚部材に接続される高さ調整工具とにより構成し、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させるようにしたので、床下地パネルの水平出し作業を、従来の床下地パネルの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルの上に乗るようなことがなく、スラブ上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができるとともに、スラブ上に、受台が嵌着された脚部材を配置するように構成することにより、床構造の施工現場ではなく、工場等において、受台が嵌着された脚部材を用意しておくことができ、従って、床構造の施工現場における床下地パネルやフローリング材の施工作業の作業時間を短縮化することができ、ひいては、床構造の施工作業を効率的に行うことができる。
【0016】
施工部材を、ボルトの上端部に形成されたスリットに楔が挿着された脚部材と高さ調整工具と高さ調整工具に挿入された楔打ち込み部材とにより構成し、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させ後に、楔打ち込み部材により、楔を、ボルトの上端部に形成されたスリットに押し込み、脚部材のボルトとナットとを固定するように構成したので、床下地パネルの水平出し作業を、従来の床下地パネルの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルの上に乗るようなことがなく、スラブ上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができるとともに、脚部材を構成するボルトとナットとの固定を、接着剤により行う場合に比べて、接着剤が固まるまで待つ必要がないので、床構造の施工時間を短縮化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の床構造の施工方法に使用される脚部材及び受台の分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明の床構造の施工方法に使用される脚部材及び高さ調整工具の一部断面を含む正面図である。
【図3】図3は、本発明の床構造の施工方法に使用される脚部材に、高さ調整工具が接続された状態の一部断面を含む正面図である。
【図4】図4は、本発明の床構造の施工方法に使用される脚部材に、受台が取着された状態の一部断面を含む正面図である。
【図5】図5は、本発明の床構造の一部断面を含む拡大正面図である。
【図6】図6は、本発明の床構造の一部断面を含む正面図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施例に使用される脚部材及び受台の正面図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施例において使用される高さ調整工具の斜視図である。
【図9】図9は、本発明の別の実施例における脚部材、受台及び高さ調整工具の一部断面を含む正面図である。
【図10】図10、本発明の更に別の実施例に使用される脚部材の一部断面を含む正面図である。
【図11】図11は、本発明の更に別の実施例に使用される高さ調整工具と楔打ち込み部材の分解正面図である。
【図12】図12は、本発明の更に別の実施例に使用される高さ調整工具に、楔打ち込み部材が配設された状態の一部断面を含む正面図である。
【図13】図13は、本発明の更に別の実施例の脚部材、高さ調整工具及び楔打ち込み部材が配設された状態の一部断面を含む正面図である。
【図14】図14は、本発明の更に別の実施例の脚部材のの一部断面を含む正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の床構造について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら、本実施例に何ら限定されるものではない。
【0019】
先ず最初に、図1及び図2を用いて、本発明の床構造の施工方法に使用される施工部材について説明する。
【0020】
1は、脚部材であり、脚部材1は、棒状のボルト1aと、ボルト1aの下端に取着された防振ゴム部1bと、ボルト1aに螺合されるナット1cとから構成されている。ナット1cは、内周にネジ溝が刻設された円筒部1c1と、円筒部1c1の下端外周面に形成された鍔部1c2とを有しており、円筒部1c1の外周には、防滑用のローレット1c1’が形成されている。なお、円筒部1c1の外周には、必ずしも、ローレット1c1’を形成する必要はない。
【0021】
2は、高さ調整工具であり、高さ調整工具2は、パイプ状或いは棒状のロッド部2aと、ロッド部2aの下端に取着された筒状で、下端に開口を有する嵌合部2bとを有しており、ロッド部2aの外周には、その全体或いは上部に、垂直方向に延在する目盛2a1が形成されている。高さ調整工具2の嵌合部2bを、脚部材1を構成するナット1cの円筒部1c1に嵌合し、脚部材1のボルト1aに対して、ナット1cを上下動させるために、高さ調整工具2を回転させた際には、脚部材1の円筒部1c1の外周にローレット1c1’が形成されているので、回転される高さ調整工具2の嵌合部2bに対して、脚部材1のナット1cが、空転しないように構成されている。
【0022】
3は、受台であり、受台3の中心部には、嵌合孔3aが穿設されており、嵌合孔3aには、脚部材1を構成するナット1cのローレット1c1’が形成された円筒部1c1が嵌着されるように構成されている。なお、受台3の嵌合孔3aに、脚部材1を構成するナット1cが嵌着された際には、受台3の裏面3bは、脚部材1を構成するナット1cの鍔部1c2の上面に当接するとともに、脚部材1を構成するナット1cは、受台3の上面3cから突出しないように構成されている。換言すれば、脚部材1を構成するナット1cの円筒部1c1の高さD1は、受台3の厚さD2以下に形成されている。
【0023】
次に、上述した脚部材1、高さ調整工具2及び受台3を用いた、床構造の施工方法の一例をに説明する。
【0024】
図3に示されているように、先ず最初に、スラブS上の所定の箇所に、脚部材1を配置し、その後、所定の脚部材1を構成するナット1cの円筒部1c1に、高さ調整工具2の嵌合部2bを嵌合させる。また、スラブ1上の適当な箇所には、公知のレーザーレベル計が配置されており、レーザーレベル計からは、放射状に、基準レベルとなる水平レーザービームLが発射されている。
【0025】
次いで、高さ調整工具2のロッド部2aを、適当な把持部材により把持するとともに、把持部材を回転させることにより、高さ調整工具2を回転させて、高さ調整工具2の嵌合部2bに嵌合されている脚部材1のナット1cを回転させて、ナット1cを上下動させることにより、レーザーレベル計の水平レーザービームLに、高さ調整工具2を構成するロッド部2aの外周に形成された目盛2a1の所望の位置を合わせる。その後、高さ調整工具2を、脚部材1から取り外すとともに、脚部材1のボルト1aとナット1cとの間隙に、瞬間接着材等の接着材を挿入することにより、ナット1cが、ボルト1aに対して回転し、ナット1cの高さが変わらないように、脚部材1のボルト1aとナット1cとを固定する。このようにして、所定の脚部材1に接続された高さ調整工具2の目盛2a1の所望の位置とレーザーレベル計の水平レーザービームLとを一致させることにより、脚部材1が配置されているスラブSの上面s1から、脚部材1を構成するナット1cの所定の位置、例えば、ナット1cの鍔部1c2の上面までの高さが、所望の高さに調整されることになる。
【0026】
上述したような、スラブSの上面s1から、脚部材1を構成するナット1cの所定の位置までの高さが、所望の高さになるように調整する床下地パネル高さ調整作業を、高さ調整工具2及びレーザーレベル計の水平レーザービームLを使用して、スラブS上に配置された全ての脚部材1について行う。
【0027】
その後、脚部材1を構成するナット1cに、全て同じ厚さD2を有する受台3の嵌合孔3aを、受台3の裏面3bが、脚部材1を構成するナット1cの鍔部1c2の上面に当接するように嵌着することにより、スラブSの上面s1から、脚部材1に配設される受台3の上面3cまでの高さが、全ての脚部材1において、同じとなる。その後、図5及び図6に示されているように、受台3に、床下地パネルPを載置するとともに、床下地パネルPに、フローリング材Fを敷き詰めることになる。
【0028】
上述したように構成することにより、受台3に載置される全ての床下地パネルについて、正確で、且つ、迅速な水平出し作業を行うことができることになる。なお、このように、脚部材1に、受台3が配設された際には、脚部材1を構成するナット1c及びボルト1aとが、受台3の上面3cから、上方に突出しないように構成されている。
【0029】
また、スラブSの上面s1から、脚部材1を構成するナット1cの所定の位置までの高さが、所望の高さになるように調整する床下地パネル高さ調整作業を、各脚部材1において行った後、直ぐに、各脚部材1を構成するナット1cに、受台3の嵌合孔3aに嵌着することもできる。
【0030】
更に、スラブSの上面s1から、脚部材1を構成するナット1cの所定の位置までの高さが、所望の高さになるように調整する床下地パネル高さ調整作業を、各脚部材1において行った後、上述したように、個々の脚部材1に、個々の受台3を取り付ける代わりに、複数の嵌合孔3aが穿設された細長い受台3を、複数の脚部材1に跨がるように配設することもできる。
【0031】
次に、図7〜図9を用いて、本発明の他の実施例について説明する。なお、共通の部材については、上述した実施例と同じ符号が使用されている。
【0032】
上述した実施例には、スラブ1上に脚部材1を配置した後、脚部材1に、高さ調整工具2を接続するとともに、脚部材1に接続された高さ調整工具2を回転させて、脚部材1を構成するナット1cを上下動させ、スラブSの上面s1から、脚部材1を構成するナット1cの所定の位置までの高さが、所望の高さになるように調整する床下地パネル高さ調整作業を行い、その後、脚部材1を構成するナット1cに、受台3の嵌合孔3aを嵌着して、脚部材1に、受台3を配設するようにした例が示されているが、本実施例においては、床下地パネル高さ調整作業を行う前に、予め、脚部材1を構成するナット1cに、受台3の嵌合孔3aを嵌着して、脚部材1に、受台3を配設しておくものである。
【0033】
図7に示されているように、予め、脚部材1を構成するナット1cに、受台3の裏面3bが、脚部材1を構成するナット1cの鍔部1c2の上面に当接するように、受台3の嵌合孔3aが嵌着されている脚部材1を、スラブS上の所定の箇所に配置する。次いで、上述した実施例と同様に、所定の脚部材1に、高さ調整工具2を接続することになるが、本実施例においては、脚部材1に、予め、受台3がセットされているので、上述した実施例における高さ調整工具2の筒状の嵌合部2bに変更が加えられている。
【0034】
上述した実施例における高さ調整工具2の筒状の嵌合部2bに代えて、本実施例においては、高さ調整工具2を構成するロッド部2aの下端には、水平天板20b1と、水平天板20b1の一方の相対する端辺から垂下された垂直板20b2とからなる嵌合部20bが取着されている。そして、床下地パネル高さ調整作業を行う際には、図9に示されているように、嵌合部20bの相対する垂直板20b2により、受台3が、一方の相対する側壁3dが挟持されるように構成されている。
【0035】
予め、脚部材1を構成するナット1cに、受台3の嵌合孔3aが嵌着されている脚部材1を、スラブS上の所定の箇所に配置した後に、受台3の一方の相対する側壁3dを、高さ調整工具2の嵌合部20bを構成する相対する垂直板20b2により挟持する。次いで、上述した実施例と同様に、高さ調整工具2を回転させることにより、脚部材1のナット1cを回転させて、ナット1cを上下動させることにより、レーザーレベル計の水平レーザービームLに、高さ調整工具2を構成するロッド部2aの外周に形成された目盛2a1の所望の位置を合わせる。その後、高さ調整工具2を、脚部材1から取り外すとともに、脚部材1のボルト1aとナット1cとの間隙に、瞬間接着材等の接着材を挿入することにより、ナット1cが、ボルト1aに対して回転し、ナット1cの高さが変わらないように、脚部材1のボルト1aとナット1cとを固定する。なお、高さ調整後の受台3が、平面的に見て、所定の位置からずれて位置している場合には、受台3を、脚部材1ごと持ち上げて、所定の角度に回転させた後、再度、受台3は取着された脚部材1を、スラブS上の置くようにする。このような調整を、スラブ1上に配置された全ての脚部材1について行い、その後、上述した実施例と同様に、受台3に、同じ厚さを有する床下地パネルPを載置する。
【0036】
なお、上述した脚部材1と高さ調整工具2の変更及び高さ調整工程の変更以外は、上述した実施例と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
【0037】
上述した本実施例においては、床構造の施工現場ではなく、工場等において、脚部材1に、予め、受台3をセットしておくことにより、床構造の施工現場における床下地パネルPやフローリング材Fの施工作業の作業時間を短縮化することができ、従って、床構造の施工作業を効率的に行うことができる。
【0038】
次に、図10〜図14を用いて、本発明の更に他の実施例について説明する。なお、共通の部材については、上述した実施例と同じ符号が使用されている。
【0039】
この実施例においては、脚部材1を構成するボルト1aの上端部に、上端から垂直延在するスリット1dが形成されており、スリット1dには、楔Wの上端部を残して、楔Wの下端部が挿着されている。それ以外の脚部材1の構成は、上述した実施例と同じである。
【0040】
Eは、楔打ち込み部材であり、楔打ち込み部材Eは、打ち込みロッドe1と、打ち込みロッドe1の上端に取着された鍔e2とから構成されている。
【0041】
楔打ち込み部材Eの打ち込みロッドe1は、高さ調整工具2のパイプとして形成されたロッド部2aの中に挿入されるように構成されているとともに、鍔e2は、ロッド部2aの上端2a2に載置されるように構成されている。また、鍔e2が、ロッド部2aの上端2a2に載置された際には、打ち込みロッドe1は、高さ調整工具2を構成する嵌合部2bの天部2b1に穿設された透孔2b1’を貫通して、打ち込みロッドe1の下端e1aは、嵌合部2b内に位置するが、或いは、嵌合部2bの下端2b2から、所定に長さ突出するように構成されている。
【0042】
上述した実施例と同じように、スラブS上の所定の箇所に、脚部材1を配置し、その後、所定の脚部材1を構成するナット1cの円筒部1c1に、高さ調整工具2の嵌合部2bを嵌合させる。このように、脚部材1と高さ調整工具2とを接続させると、高さ調整工具2に挿入された楔打ち込み部材Eの打ち込みロッドe1の下端e1aが、脚部材1を構成するボルト1aの上端部に形成されたスリット1dに挿着されている楔Wの上端に載置されるとともに、打ち込みロッドe1が上昇し、打ち込みロッドe1が、所定長さ、高さ調整工具2のパイプ状のロッド部2aの上端2a2から突出するように構成されている。
【0043】
その後、上述した実施例と同じように、高さ調整工具2のロッド部2aの上端部等を、適当な把持部材により把持するとともに、把持部材を回転させることにより、高さ調整工具2を回転させて、高さ調整工具2の嵌合部2bに嵌合されている脚部材1のナット1cを回転させて、ナット1cを上下動させることにより、レーザーレベル計の水平レーザービームLを、高さ調整工具2を構成するロッド部2aの外周に形成された目盛22a1の所望の位置に一致させる。その後、この状態を維持した状態で、楔打ち込み部材Eの打ち込みロッドe1の鍔e2を、金槌等で叩くことにより、脚部材1を構成するボルト1aの上端部に形成されたスリット1dに挿着されている楔Wを、スリット1d内に更に打ち込むことにより、ボルト1aの上端部を、外側に拡張させて、ボルト1aの上端部を、ナット1cの内周面に密着させ、ナット1cが、ボルト1aに対して回転し、ナット1cの高さが変わらないように、脚部材1のボルト1aとナット1cとを固定する。その後、高さ調整工具2を、脚部材1から取り外す。
【0044】
なお、上述した脚部材1と高さ調整工具2の変更及び高さ調整工程の変更以外は、上述した実施例と同じである。
【0045】
上述したように、高さ調整後の脚部材1を構成するボルト1aとナット1cとの固定に、楔Wを使用することにより、ボルト1aとナット1cとの固定に、上述した実施例のように、接着剤を使用する場合に比べて、ボルト1aとナット1cとの固定時間を短縮化することができる。
【0046】
なお、上述した実施例のように、この実施例においても、予め、脚部材1を構成するナット1cに受台3を嵌着しておくこともできる。
【0047】
更に、上述した実施例においては、受台3が配設された脚部材1において、脚部材1の防振ゴム部1bを、スラブSの上に載置した例が示されているが、脚部材1の上下を逆にして、換言すれば、スラブSの上に、受台3を載置し、防振ゴム部1bを上にした配置し、その後、防振ゴム部1bに、高さ調整工具2を接続し、高さ調整を行った後、脚部材1を元の位置に戻すように構成することもできる。脚部材1の防振ゴム部1bを、スラブSの上に載置した場合には、防振ゴム部1bに比べて、受台3が大きく、且つ、重いので、スラブSの上に載置された脚部材1が不安定になるので、大きく、且つ、重い受台3を、スラブSの上に載置することにより、受台3が配設された脚部材1が倒れるようなことを防止することができる。
【0048】
本発明は、スラブS上に、脚部材1を配置した後、脚部材1のナット1cに、高さ調整工具2の嵌合部2bを嵌合させ、次いで、高さ調整工具2を回転させることにより、高さ調整工具2のロッド部2aの所定の目盛2a1位置に、スラブS上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームLを一致させ、その後、高さ調整工具2を、脚部材1から外した後に、脚部材1のナット1cに受台3を嵌着し、その後、受台3に.床下地パネルSを載置するようにしたので、床下地パネルPの水平出し作業を、従来の床下地パネルPの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルPの上に乗るようなことがなく、スラブS上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルPの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができる。
【0049】
また、本発明は、スラブS上に、脚部材1のナット1cに、予め、受台3が嵌着された脚部材1を配置した後に、脚部材1に嵌着された受台3に、高さ調整工具2の嵌合部20bを嵌合させ、次いで、高さ調整工具2を回転させることにより、高さ調整工具2のロッド部2aの所定の目盛2a1位置に、スラブS上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームLを一致させ、その後、高さ調整工具2を、脚部材1に嵌着された受台3から外した後に、受台3に.床下地パネルPを載置するようにしたので、床下地パネルPの水平出し作業を、従来の床下地パネルPの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルPの上に乗るようなことがなく、スラブS上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルPの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができる。
【0050】
スラブS上に、脚部材1のナット1cに、予め、受台3が嵌着された脚部材1を配置するように構成することにより、床構造の施工現場ではなく、工場等において、受台3が嵌着された脚部材1を用意しておくことができ、従って、床構造の施工現場における床下地パネルPやフローリング材Fの施工作業の作業時間を短縮化することができ、ひいては、床構造の施工作業を効率的に行うことができる。
【0051】
更に、本発明は、スラブS上に、ボルト1aの上端部に形成されたスリット1dに楔Wが挿着された脚部材1を配置した後、脚部材1のナット1cに、高さ調整工具2の嵌合部2bを嵌合させ、次いで、高さ調整工具2を回転させることにより、高さ調整工具2のロッド部2aの所定の目盛2a1位置に、スラブS上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームLを一致させ、その後、高さ調整工具2のパイプ状のロッド部2aに挿入された楔打ち込み部材Eを打撃することにより、脚部材1のボルト1aとナット1cとを固定し、その後、高さ調整工具2を、脚部材1から外した後に、脚部材1のナット1cに受台3を嵌着し、次いで、受台3に.床下地パネルSを載置するようにしたので、床下地パネルPの水平出し作業を、従来の床下地パネルPの水平出し作業のように、作業者が、床下地パネルPの上に乗るようなことがなく、スラブS上に乗って行うことができ、従って、脚部材を構成する防振ゴム部の弾性変形により、正確な、床下地パネルPの水平出しを行うことができないという従来の床構造の施工方法が有する課題を確実に解決することができる。
【0052】
上述したように、楔打ち込み部材Eを用いて、脚部材1のボルト1aの上端部に形成されたスリット1dに挿着された楔Wにより、脚部材1を構成するボルト1aとナット1cとの固定を行うようにしたので、脚部材1を構成するボルト1aとナット1cとの固定を、接着剤により行う場合に比べて、接着剤が固まるまで待つ必要がないので、床構造の施工時間を短縮化することができる。
【符号の説明】
【0053】
L・・・・・・・・・・・水平レーザービーム
P・・・・・・・・・・・床下地パネル
S・・・・・・・・・・・スラブ
W・・・・・・・・・・・楔
1・・・・・・・・・・・脚部材
2・・・・・・・・・・・高さ調整工具
3・・・・・・・・・・・受台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラブ上に、脚部材を配置した後、脚部材に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームを一致させ、その後、高さ調整工具を、脚部材から外した後に、脚部材に受台を嵌着し、その後、受台に.床下地パネルを載置するようにしたことを特徴とする床構造の施工方法。
【請求項2】
スラブ上に、予め、受台が嵌着された脚部材を配置した後に、脚部材に嵌着された受台に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームを一致させ、その後、高さ調整工具を、脚部材に嵌着された受台から外した後に、受台に.床下地パネルを載置するようにしたことを特徴とする床構造の施工方法。
【請求項3】
スラブ上に、ボルトの上端部に形成されたスリットに楔が挿着された脚部材を配置した後、脚部材に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービーム一致させ、その後、高さ調整工具に挿入された楔打ち込み部材を打撃することにより、脚部材のボルトとナットとを固定し、その後、高さ調整工具を、脚部材から外した後に、脚部材に嵌着された受台に.床下地パネルを載置するようにしたことを特徴とする床構造の施工方法。
【請求項4】
施工部材を、脚部材と脚部材に接続される高さ調整工具とにより構成し、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させるように構成したことを特徴とする施工方法に使用される施工部材。
【請求項5】
施工部材を、受台が取着された脚部材と脚部材に接続される高さ調整工具とにより構成し、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させるように構成したことを特徴とする施工方法に使用される施工部材。
【請求項6】
施工部材を、ボルトの上端部に形成されたスリットに楔が挿着された脚部材と高さ調整工具と高さ調整工具に挿入された楔打ち込み部材とにより構成し、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させ後に、楔打ち込み部材により、楔を、ボルトの上端部に形成されたスリットに押し込み、脚部材のボルトとナットとを固定するように構成したことを特徴とする施工方法に使用される施工部材。
【請求項1】
スラブ上に、脚部材を配置した後、脚部材に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームを一致させ、その後、高さ調整工具を、脚部材から外した後に、脚部材に受台を嵌着し、その後、受台に.床下地パネルを載置するようにしたことを特徴とする床構造の施工方法。
【請求項2】
スラブ上に、予め、受台が嵌着された脚部材を配置した後に、脚部材に嵌着された受台に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービームを一致させ、その後、高さ調整工具を、脚部材に嵌着された受台から外した後に、受台に.床下地パネルを載置するようにしたことを特徴とする床構造の施工方法。
【請求項3】
スラブ上に、ボルトの上端部に形成されたスリットに楔が挿着された脚部材を配置した後、脚部材に、高さ調整工具を接続させ、次いで、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置に、スラブ上に載置されたレーザーレベル計の水平レーザービーム一致させ、その後、高さ調整工具に挿入された楔打ち込み部材を打撃することにより、脚部材のボルトとナットとを固定し、その後、高さ調整工具を、脚部材から外した後に、脚部材に嵌着された受台に.床下地パネルを載置するようにしたことを特徴とする床構造の施工方法。
【請求項4】
施工部材を、脚部材と脚部材に接続される高さ調整工具とにより構成し、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させるように構成したことを特徴とする施工方法に使用される施工部材。
【請求項5】
施工部材を、受台が取着された脚部材と脚部材に接続される高さ調整工具とにより構成し、高さ調整工具を回転させることにより、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させるように構成したことを特徴とする施工方法に使用される施工部材。
【請求項6】
施工部材を、ボルトの上端部に形成されたスリットに楔が挿着された脚部材と高さ調整工具と高さ調整工具に挿入された楔打ち込み部材とにより構成し、高さ調整工具の所定位置を、レーザーレベル計の水平レーザービームに一致させ後に、楔打ち込み部材により、楔を、ボルトの上端部に形成されたスリットに押し込み、脚部材のボルトとナットとを固定するように構成したことを特徴とする施工方法に使用される施工部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−159542(P2010−159542A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−638(P2009−638)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(000235543)飛島建設株式会社 (132)
【出願人】(594209072)竹村工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(000235543)飛島建設株式会社 (132)
【出願人】(594209072)竹村工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
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