説明

座布団

【課題】本発明は痔に苦しむ人などの患部を綿で柔らかく当てると共に略直接患部に遠赤外線とマイナスイオンを当て患部の痛みを和らげ且つ、座り心地が良好で、一般の座布団と同様にどこでも使用可能な座布団を提供することを目的とする。
【解決手段】片面或いは両面を凹凸面11に形成すると共に中央に8〜14cmの穴12を穿設した高硬度プロファイルウレタンフォームのクッション材1と、凹凸面11の表面全体に敷設すると共に遠赤外線発生材料とマイナスイオン発生材料を含有させて形成したパンチグシートの綿シート2と、クッション材1及び綿シート2を被覆する布カバー3とから成す構造とする。また前記クッション材1と綿シート2及び布カバー3を刺子縫いして一体化したものとしても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、痔に苦しむ人や妊婦などに最適な座布団に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の座布団は、綿やスポンジなどの内装物を布カバーなどで被覆したものが主流である。この座布団に座る際、特に痔の人が座ると、臀部と共に肛門部が圧迫されるので、患部に痛みを生じ易く、快適に座ることが出来ないのが現状である。このため、肛門部の圧迫を防ぐことが可能な座布団として、実開昭64−6923号が提案されている。この構造は、硬質弾性材料からなる本体の表面を凹凸面に形成し、この本体の裏面中央部に凹部を設けると共に、この凹部と表面とに亘って連通孔を設け、更に凹部の下部を外部に連通した構造のものであった。この目的は、臀部を支えて正しい姿勢で座れ、臀部に指圧作用を行うと共に、夏期には通気を確保し、冬期には、凹部の上部に熱源を入れると共に下部を閉塞させて加熱することが可能となるものであった。
【0003】
しかしながら、実開昭64−6923号は、表面の凹凸面によって臀部が接して指圧を受けた状態にすることからして、本体の表面には布などのカバーは設けない方が良く、中央部の凹部上面は開放されたままである。このため、中央部の凹部の役目は、肛門部の圧迫を防ぐことが可能になると共に通気性を確保するためのものであり、それ以上の効果は何もないものであった。また表面の凹凸面や凹部が外部から見えると共に材料が破砕ゴムや合成樹脂であるため、人工的で見栄えが悪く、儀式や接待或いは高級感を醸し出す必要がある場所などでの使用は不向きであった。
【0004】
他方、健康促進用座布団としては、特開平7−222653号「健康空気座ぶとん」がある。この構造は、気密布或いは軟質合成樹脂フィルム等から成るエアマット本体の中央部に外部から空気が注入されない部分を残して、該本体に空気を圧入した際に中央部が平坦でその周囲が円座状に膨らむように構成し、この膨体部の少なくとも片面の内側に、永久磁石の効能片と、セラミックス等の遠赤外線放射材の効能片とを貼着配在せしめて成るものであった。
【0005】
しかしながら、特開平7−222653号は、膨体部に固い物が落下或いは当接し、その内側に設けた効能片の外周や隅に当ると、気密布或いは軟質合成樹脂フィルムが剪断されてエア漏れし易くなる。また空気座ぶとんであるため、一般の座布団とは座り心地が異なり、実開昭64−6923号と同様に儀式や接待或いは高級感を醸し出す必要がある場所などでの使用は不向きであった。尚、座布団に座った際、痔の患部などに綿を柔らかく当てると共に略直接患部に遠赤外線とマイナスイオンを当て患部の痛みを和らげる方法や綿の品物或いはそのような発想は従来にはなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭64−6923号公報
【特許文献2】特開平7−222653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は痔に苦しむ人などの患部を綿で柔らかく当てると共に略直接患部に遠赤外線とマイナスイオンを当て患部の痛みを和らげ、且つ、座り心地が良好で、一般の座布団と同様にどこでも使用可能な座布団を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記現状に鑑みて本発明は成されたものであり、つまり、凹凸面を形成すると共に中央に8〜14cmの穴を穿設した高硬度プロファイルウレタンフォームのクッション材と、凹凸面の表面全体に敷設すると共に遠赤外線発生材料とマイナスイオン発生材料を含有させて形成した綿シートと、クッション材及び綿シートを被覆する布カバーとから構成する。また前記凹凸面をクッション材の片面或いは両面に形成しても良い。又、前記クッション材と綿シート及び布カバーを刺子縫いして一体化したものとしても良い。更に前記綿シートとしてパンチングシートを用いるのが好ましい。尚、本発明で言う「綿シート」とは、木綿わた,合繊わた,羊毛わた,混合わた等が厚手のシート状に広げられたものを指す。また本発明で言う「遠赤外線発生材料」とは、遠赤外線を効率良く発生する物質や混合物を指し、本発明で言う「マイナスイオン発生材料」とは、マイナスイオンを効率良く発生する物質や混合物を指すものとする。又、本発明で言う「材料を含有」とは、繊維に所望の材料を含浸,混合,練り込み,コーティング等の方法によって、繊維に所望材料が付加されたものを指す。更に本発明で言う「パンチングシート」とは、圧縮したフェルト状綿をシートにしたものを指す。
【発明の効果】
【0009】
請求項1のようにクッション材(1)に凹凸面(11)を形成することにより、体重が分散されて臀部に加わると共に、クッション材(1)の中央に8〜14cmの穴(12)を穿設することにより、安定して座れ、且つ、肛門部が圧迫されずその患部は開放された状態となるため、患部の痛みが殆どないものとなり、更に通気性の良いものとなる。また遠赤外線発生材料とマイナスイオン発生材料を含有させて形成した綿シート(2)を凹凸面(11)の表面全体に敷設することにより、患部に綿シート(2)が柔らかく当った状態になると共にその綿シート(2)による遠赤外線効果で略直接患部が温まって痛みが和らぎ、且つ、その綿シート(2)によるマイナスイオン効果によって患部の消臭や殺菌及び座布団の周囲を爽やかにすることが可能となる。またクッション材(1)が高硬度プロファイルウレタンフォームであるため、特に体圧分散効果が優れた座布団となり、安定して座れるものとなるため、妊婦が安心して座れるものとなる。更にクッション材(1)と綿シート(2)は布カバー(3)で被覆されて一般の座布団と略同一であるため、上記従来の座布団と異なり、儀式や接待或いは高級感を醸し出す必要がある場所などで使用しても何の問題も生じない。
【0010】
請求項2のように凹凸面(11)をクッション材(1)の片面に形成させると、綿シート(2)が一面だけで済むため、製作費が安価となる。また凹凸面(11)をクッション材(1)の両面に形成させると、表裏の区別なく使用できるため、管理が容易な座布団となる。
【0011】
請求項3に示すようにクッション材(1)と綿シート(2)及び布カバー(3)を刺子縫いして一体化することにより、綿シート(2)のズレがなくなり、刺子縫い部(4)が線状に凹むため、座布団のふかふか感が何時までも保たれるものとなる。
【0012】
請求項4に示すように綿シート(2)としてパンチングシート(圧縮固綿)を用いることにより、穴(12)の上に載せた状態でも綿シート(2)が破損しにくくなり、一般の綿と異なり、その一部が切れて穴(12)の中に垂れることが殆どないため、長期間に渡って使用でき、患部の痛みを座る毎に和らげることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の別実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明の斜視図である。
【図5】本発明の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は特に痔に苦しむ人の患部を綿で柔らかく当てると共に略直接患部に遠赤外線とマイナスイオンを当て患部の痛みを和らげ、座り心地を良好にするという目的を、片面或いは両面に凹凸面(11)を形成すると共に中央に8〜14cmの穴(12)を穿設した高硬度プロファイルウレタンフォームのクッション材(1)と、凹凸面(11)の表面全体に敷設すると共に遠赤外線発生材料とマイナスイオン発生材料とを含有させて形成した綿シート(2)と、クッション材(1)及び綿シート(2)を被覆する布カバー(3)とから構成することによって実現した。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明の実施形態を示す図であり、これに基づき説明する。(1)は表面を凹凸面(11)に形成すると共に中央に約12cm前後の穴(12)を穿設した高硬度プロファイルウレタンフォームのクッション材であり、該クッション材(1)としては、圧縮率の高い硬度200ニュートン以上の高硬度プロファイルウレタンフォームを用いるのが好ましいが、前記ウレタンフォーム以外で同機能を有した合成樹脂製品で代用することも可能である。前記穴(12)の大きさとしては8〜14cmの範囲とするのが良いが、10〜13cmとするのが好まし。またクッション材(1)の外形としては、四角形や円形などにするのが良い。尚、前記穴(12)の大きさを8cm以上にすることにより、臀部の収まりが良くなって座り良いものとなり、14cm以下にすることにより臀部が沈み過ぎることを防止出来るものとなる。
【0016】
(2)は凹凸面(11)の表面全体に敷設すると共に遠赤外線発生材料とマイナスイオン発生材料とを粉末状にさせ且つそれを含有させて形成したパンチングシートの綿シートであり、該綿シート(2)の材料としては、合成樹脂繊維材料が良いが、特許第3165682号「帯電性繊維」で提案する材料を用いたパンチングシートと成すのが好ましい。また前記綿シート(2)に含有される一般的な遠赤外線発生材料としては、トルマリン,天照石,ブラックストレート,シルバーバーク等の天然鉱石を用いると良い。また一般的なマイナスイオン発生材料としては、酸化チタン,シリカ(珪石),ジルコニア,医王石などを用いると良い。尚、前記遠赤外線発生材料として、トルマリンや天照石などを繊維に含有させた際は、マイナスイオン発生材料としても兼用するので、1種類の材料だけを含有するものとしても良い。また遠赤外線発生材料とマイナスイオン発生材料とを各1種類ずつ含有するだけでなく、数種類のものを含有したものとしても良い。
【0017】
(3)はクッション材(1)と綿シート(2)を被覆する布カバーであり、該布カバー(3)としては天然繊維や人工繊維のものも含むものとする。(4)はクッション材(1)と綿シート(2)及び布カバー(3)を刺子縫いして一体化した刺子縫い部であり、該刺子縫い部(4)は別名キルティング波縫いとも言われる(図4参照)。尚、前記布カバー(3)に洗濯可能な図示しない表カバーを更に被覆しても良い。この時は、表裏が判別し易いように、表側に図柄や目立つきれいな色などを使用したり、或いは別の材質のものを使用したりすると良い。
【0018】
図5は本発明品に人が座った状態を示す図であり、この図を参照にして本発明の作用について説明する。先ず人が座布団の中央に座ると、肛門部が穴(12)の上部になった状態で座るので、肛門部が殆ど圧迫されず安定して座ることができ、且つ、身体の体重は穴(12)の周囲の凹凸面(11)によって分散して支持されると共に、患部は綿シート(2)によって柔らかく当り、尚且つ、遠赤外線効果によって患部の痛みが和らぎ、しかも綿シート(2)の表面からマイナスイオンが発生するため、座布団の周囲が爽やかになる。更に適宜大きさの穴(12)の上に臀部が乗るため、背筋が伸びた良い姿勢で座ることが出来るものとなるのである。このため、座布団に長時間座っていても疲れにくいものとなる。
【実施例2】
【0019】
図2は本発明の別実施形態を示す図であり、これは上記実施形態と比べ、綿シート(2)が、スプレー糊などによってクッション材(1)の凹凸面(11)の表面全体に固着して敷設されており、他は同じである。尚、前記刺子縫いをする必要がないため、刺子縫い部(4)は形成されない。
【0020】
次に実施例2の作用について説明すると、上記実施形態と略同じであるが、穴(12)の上部の綿シート(2)部分が、押圧されても外側へずれずに保持されるため、穴(12)の上部から出される遠赤外線やマイナスイオンは、穴(12)の周囲の綿シート(2)が固定されないものよりも多く発生し、肛門部の患部に遠赤外線やマイナスイオンがより多く当り、その相乗効果によって患部の痛みがより和らぐものとなる。
【実施例3】
【0021】
図3は本発明の他の実施形態を示す図であり、これは上記実施例2と比べ、凹凸面(11)がクッション材(1)の両面に形成され、綿シート(2)が、スプレー糊などによって凹凸面(11)の表面全体に固着して敷設されたものである。尚、前記綿シート(2)をスプレー糊などによって凹凸面(11)に固着せず、実施例1と同様に刺子縫いを行い、刺子縫い部(4)が形成されたものとしても良い。
【0022】
次に実施例3の作用について説明すると、凹凸面(11)がクッション材(1)の両面に形成されているため、本発明品に表カバーを被覆した際、表裏を気にしないで使用でき、座布団の取扱いが極めて簡単であると共に綿シート(2)部分が患部に確実にソフトタッチされ、且つ、穴(12)の上部から遠赤外線やマイナスイオンが出され、肛門部の患部に遠赤外線やマイナスイオンがより有効に当り、その相乗効果によって患部の痛みがより和らぐものとなる。しかも実施例1と略同様の作用効果も得られるものとなる。
【符号の説明】
【0023】
1 クッション材
11 凹凸面
12 穴
2 綿シート
3 布カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹凸面(11)を形成すると共に中央に8〜14cmの穴(12)を穿設した高硬度プロファイルウレタンフォームのクッション材(1)と、前記凹凸面(11)の表面全体に敷設すると共に遠赤外線発生材料とマイナスイオン発生材料を含有させて形成した綿シート(2)と、前記クッション材(1)及び前記綿シート(2)を被覆する布カバー(3)とから構成したことを特徴とする座布団。
【請求項2】
前記凹凸面(11)が、前記クッション材(1)の片面或いは両面に形成された請求項1記載の座布団。
【請求項3】
前記クッション材(1)と前記綿シート(2)及び前記布カバー(3)が刺子縫いされて一体化した請求項1又は2記載の座布団。
【請求項4】
前記綿シート(2)がパンチグシートである請求項1記載の座布団。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−72524(P2011−72524A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226605(P2009−226605)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(309031972)有限会社桜道ふとん店 (1)
【Fターム(参考)】