説明

座標位置検出装置

【課題】位置精度を維持した状態で、ループコイルの引き出し線の本数を削減することができる座標位置検出装置を提供する。
【解決手段】交番磁界を発生して座標位置を指示する座標指示手段からの信号を検出して座標位置を決定する座標位置検出装置において、所定の方向に所定間隔で形成された複数の部分コイルがそれぞれ直列に接続された直列ループコイルと、直列ループコイルを構成する部分コイル間に配置された独立ループコイルとから構成される少なくとも2つのループコイル群を、第1方向と該第1方向とは異なる第2方向とにそれぞれ沿うように重ねて配置した座標入力シートと、各独立ループコイルから出力される第1出力信号と各直列ループコイルから出力される第2出力信号とに基づいて座標位置を決定する座標位置決定手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座標指示器によって指示された座標位置を検出する座標位置検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、座標指示器によって指示された座標位置を検出する座標位置検出装置に関して種々提案されている。
例えば、下記特許文献1に記載されるように、折り返しループをなし一定間隔で敷設された複数のセンスラインを複数組に分割し、これら各組のセンスラインを一つの走査回路に接続すると共に、各組のセンスラインの共通接地線を選択的に接地するためのセンスライン群選択回路を設け、このセンスライン群選択回路を選択切り換えするように構成された座標読取装置のセンスライン走査装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−115120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された座標読取装置のセンスライン走査装置の構成では、同等の位置精度を維持した状態で、大型化した場合には、必然的にセンスラインを構成するループコイル数が増加する。このため、配線数の増加により、配線の引き回しのためのスペースの確保が必要になると共に、共通の走査回路へ接続するための引き回し線による検出用コイルへの悪影響によって検出精度が低下する虞があるという問題がある。また、位置精度を向上させるために、ループコイル数を増加させた場合にも、引き出し線の本数が必然的に増加し、走査回路等への接続コネクタのサイズが大型化するという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、位置精度を維持した状態で、ループコイルの引き出し線の本数を削減することができる座標位置検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係る座標位置検出装置は、交番磁界を発生して座標位置を指示する座標指示手段からの信号を検出して座標位置を決定する座標位置検出装置において、所定の方向に所定間隔で形成された複数の部分コイルがそれぞれ直列に接続された直列ループコイルと、前記直列ループコイルを構成する部分コイル間に配置された独立ループコイルとから構成される少なくとも2つのループコイル群を、所定の方向として第1方向と該第1方向とは異なる第2方向とにそれぞれ沿うように重ねて配置した座標入力シートと、各独立ループコイルから出力される第1出力信号と各直列ループコイルから出力される第2出力信号とを取得する信号取得手段と、前記信号取得手段を介して取得した前記第1出力信号と前記第2出力信号とに基づいて前記座標位置を決定する座標位置決定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る座標位置検出装置は、請求項1に記載の座標位置検出装置において、前記直列ループコイルを構成する部分コイルのコイル間隔は、該部分コイルが折り曲げられる1単位のコイル幅に基づいて決定されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る座標位置検出装置は、請求項1又は請求項2に記載の座標位置検出装置において、前記座標入力シートが含む前記ループコイル群は、前記直列ループコイルとして、前記複数の部分コイルがそれぞれ直列に接続された第1直列ループコイルと、前記複数の部分コイルがそれぞれ直列に接続され且つ前記第1直列ループコイルとは異なる第2直列ループコイルとを含み、前記第1直列ループコイルと、前記第2直列ループコイルと、複数の前記独立ループコイルと、を前記第1方向と前記第2方向とのそれぞれに沿って配置され、前記第1直列ループコイルが含む部分コイルと、前記第2直列ループコイルが含む部分コイルと、前記独立ループコイルとは、前記第1方向と前記第2方向とのそれぞれの方向に沿って前記第1直列ループコイル、前記第2直列ループコイル、前記独立ループコイルの順番に、それぞれ前記第1方向または前記第2方向に沿って所定の距離離れて配置され、前記第1直列ループコイルが含む部分コイルと、前記第2直列ループコイルが含む部分コイルと、前記独立ループコイルとが重なりあって配置されることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る座標位置検出装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の座標位置検出装置において、前記座標位置決定手段は、前記各ループコイル群を構成する前記直列ループコイルと前記複数の独立ループコイルとの前記座標入力シート上における配置位置情報を記憶する配置位置記憶手段と、前記第1方向と第2方向との各方向について、最大信号強度の独立ループコイルから出力された第1出力信号と前記配置位置情報とに基づいて当該第1出力信号に対応する独立ループコイル内の第1位置情報を取得する第1位置情報取得手段と、前記第1方向と第2方向との各方向について、前記直列ループコイルから出力された第2出力信号と前記配置位置情報とに基づいて当該第2出力信号に対応する各周期単位内の第2位置情報を取得する第2位置情報取得手段と、前記第1方向と第2方向との各方向について、前記第2位置情報と前記第1位置情報とから互いに最も近い位置情報を1個ずつ抽出する抽出手段と、を有し、該座標位置決定手段は、前記抽出手段によって抽出された第1方向と第2方向とのそれぞれの方向の各位置情報に基づいて前記座標位置を決定することを特徴とする。
【0010】
更に、請求項5に係る座標位置検出装置は、請求項4に記載の座標位置検出装置において、前記直列ループコイルが同一方向に複数配置されている場合には、前記第2位置情報取得手段は、各直列ループコイルについて前記第2位置情報を取得し、前記抽出手段は、前記各直列ループコイルについて前記第2位置情報と前記第1位置情報とから互いに最も近い位置情報を1個ずつ抽出し、前記座標位置決定手段は、該抽出手段によって抽出された第1方向と第2方向とのそれぞれの方向の各位置情報に基づいて前記座標位置を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る座標位置検出装置では、座標入力シートには、所定の方向に所定間隔で形成された複数の部分コイルがそれぞれ直列に接続された直列ループコイルと、直列ループコイルを構成する部分コイル間に配置された独立ループコイルとから構成される少なくとも2つのコイル群が第1方向と第2方向とにそれぞれ沿うように重ねて配置される。また、第1方向と第2方向に沿うように重ねて配置された各独立ループコイルから出力される第1出力信号と各直列ループコイルから出力される第2出力信号とに基づいて座標位置が決定される。
【0012】
これにより、座標入力シート上における座標位置の位置精度を維持した状態で、直列ループコイルの複数の部分コイルから1個分除いた個数に相当する独立ループコイルのコイル数を削減して、ループコイルの引き出し線の本数を大きく削減でき、接続コネクタ部を容易に小型化できる。また、引き出し線の本数を大きく削減できるため、走査回路への引き回し線による検出精度の低下を防止することができる。また、マルチプレクサで処理する信号線の数を削減することができるため、より小型で安価な部品を使用することができる。更には、回路もより簡略になるため、基板を小型化することができる。
【0013】
また、請求項2に係る座標位置検出装置では、直列ループコイルを構成する部分コイルのコイル間隔は、該部分コイルが折り曲げられる1単位のコイル幅に基づいて決定されている。このため、該部分コイルが折り曲げられる1単位のコイル幅を決定することによって、直列ループコイルのコイル間隔を決定できると共に、第2出力信号の出力電圧を大きくすることが可能となり、位置精度を容易に維持することができる。
【0014】
また、請求項3に係る座標位置検出装置では、複数の部分コイルがそれぞれ直列に接続された第1直列ループコイルと、複数の部分コイルがそれぞれ直列に接続され且つ前記第1直列ループコイルとは異なる第2直列ループコイルと、複数の独立ループコイルとは、第1方向と第2方向とのそれぞれの方向に沿って第1直列ループコイル、第2直列ループコイル、独立ループコイルの順番に、それぞれ所定の距離離れて配置され、第1直列ループコイルを構成する部分コイルと、第2直列ループコイルを構成する部分コイルと、独立ループコイルとが重なりあって配置される。これにより、位置精度を維持した状態で独立ループコイルの配線数を約1/3に削減することができ、接続コネクタ部の更なる小型化を図ることができる。
【0015】
また、請求項4に係る座標位置検出装置では、第1方向と第2方向との各方向について、最大信号強度の独立ループコイル内の第1位置情報と、第1直列ループコイルと第2直列ループコイルをそれぞれ構成するコイルが折り曲げられる各単位内の第2位置情報とから、互いに最も近い位置情報を1個ずつ抽出する。そして、この抽出された第1方向と第2方向とのそれぞれの方向の各位置情報に基づいて座標指示手段によって指示された座標位置を決定することができる。
【0016】
これにより、第1直列ループコイルと第2直列ループコイルと該各直列ループコイル間に配置された複数の独立ループコイルとから構成されるループコイル群を第1方向と第2方向に重ねて配置することによって、位置精度を維持した状態で、座標指示手段によって指示された座標位置を確実に検出することができる。
【0017】
更に、請求項5に係る座標位置検出装置では、直列ループコイルを同一方向に複数配置して、独立ループコイルを更に削減しても、最大信号強度の独立ループコイル内の第1位置情報と、各直列ループコイルを構成するコイルが折り曲げられる各単位内の第2位置情報とから、座標指示手段によって指示された座標位置を、位置精度を維持した状態で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係る座標位置検出装置の概略構成を示す回路ブロック図である。
【図2】コイルシートに配置されたループコイル群の一例を示す図である。
【図3】直列ループコイルのコの字状に形成された部分コイルのコイル幅とコイル間隔を示す図である。
【図4】直列ループコイルのコイル幅20mmで一定としコイル間隔を変化させた場合の出力信号の一例を示す図である。
【図5】直列ループコイルの出力信号にサブピークが発生しないコイル幅と最大コイル間隔との相関を示す図である。
【図6】直列ループコイルと各独立ループコイルの出力信号の一例を示す図である。
【図7】座標位置検出装置のCPUによる座標指示器によって指示された座標位置を決定する座標位置決定処理を示すフローチャートである。
【図8】独立ループコイルによる位置情報の説明図である。
【図9】第1直列ループコイルと独立ループコイルによる位置情報の説明図である。
【図10】第2直列ループコイルによる位置情報の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る座標位置検出装置について具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る座標位置検出装置1の概略構成について図1に基づいて説明する。
【0020】
[座標位置検出装置の概略構成]
図1に示すように、座標位置検出装置1は、後述のように各ループコイル群26、27(図2参照)がX方向(第1方向)と該X方向に直交するY方向(第2方向)とにそれぞれ配設されたコイルシート3(図2参照)と、マルチプレクサ(MUX)4と、増幅回路5と、整流回路6と、制御回路部7と、フラッシュメモリ8と、電池等で構成されて制御回路部7等へ電源を供給する電源部9とから構成されている。
【0021】
また、コイルシート3に配設された各ループコイルは、マルチプレクサ4に接続されている。そして、マルチプレクサ4は、各ループコイルを制御回路部7から入力されたコイル選択信号に従って順番に選択して、この選択したループコイルの出力信号を増幅回路5へ出力する。増幅回路5は、マルチプレクサ4から入力された信号を増幅して整流回路6へ出力する。整流回路6は、不図示のバンドパスフィルタや振幅検波回路等を備え、増幅回路5から入力された所定帯域の信号を検波して整流した後、制御回路部7へ検出信号として出力する。
【0022】
制御回路部7は、整流回路6の出力である検出信号をデジタル信号に変換するAD変換回路(不図示)と座標位置検出装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU11と、CPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM12と、制御用のプログラム等が記憶されたROM13等を備えている。また、ROM13には、後述の座標指示器21によって指示された座標位置を検出する座標位置検出処理のプログラム(図7参照)等が記憶されている。そして、CPU11は、検出した座標位置をフラッシュメモリ8に順次記憶して、連続した座標データを保存する。
【0023】
また、コイルシート3上の座標位置を指示するペン型の座標指示器21は、ペン先に取り付けられた先端スイッチ(SW)22と、LC発振回路23と、LC発振回路23へ電源を供給する電池24とを内蔵している。先端スイッチ22は、通常時はOFF信号を出力し、ペン先をコイルシート3上に押し付けるとON信号を出力する。LC発振回路23は、先端スイッチ22からON信号が入力されると不図示のコイルを介して所定周波数の交番磁界を発生させる。従って、座標指示器21のペン先をコイルシート3上に押し付けているときに交番磁界が発生する。
【0024】
次に、コイルシート3に配設されたループコイル群の構成について図2に基づいて説明する。図2に示すように、コイルシート3のX方向とY方向には、各ループコイル群26、27が配設されている。尚、本実施形態の図2では、直列ループコイルのコイル幅と、独立ループコイルとのコイル幅とが、略同一の長さとなっているが、これに限定されるものではない。
【0025】
コイルシート3のX方向に配設されたループコイル群26は、後述のように、コイル幅に基づいて決定されたコイル間隔(図5参照、詳細は後述する。)で、X方向とY方向にそれぞれ繰り返し5回折り曲げられてコの字状に形成された一対の直列ループコイルX31、32(第1直列ループコイルと第2直列ループコイル)が、X方向に所定距離離間し、且つ、各折り曲げ周期が重なるように配置されている。また、各独立ループコイルX33〜X36が、一対の直列ループコイルX31、X32の隣り合う1周期に跨るように1個ずつ配置されている。また、一対の直列ループコイルX31、32と各独立ループコイルX33〜X36は、マルチプレクサ4に接続されている。言い換えれば、直列ループコイルは、コの字状のコイルが複数接続されることにより構成されている。コの字状のコイルが複数接続されて、X方向とY方向とに沿って配置されている。本実施形態の直列ループコイルを構成するコの字状のコイルは、本発明の部分コイルの一例である。
【0026】
また、コイルシート3のY方向に配設されたループコイル群27は、コイル幅に基づいて決定されたコイル間隔(図5参照)で、X方向とY方向にそれぞれ繰り返し8回折り曲げられてコの字状に形成された直列ループコイルY41(第1直列ループコイル)と、X方向とY方向にそれぞれ繰り返し7回折り曲げられてコの字状に形成された直列ループコイルY42(第2直列ループコイル)とが、Y方向に所定距離離間し、且つ、各折り曲げ周期が重なるように配置されている。また、各独立ループコイルY43〜Y49が、一対の直列ループコイルY41、Y42の隣り合う1周期に跨るように1個ずつ配置されている。また、一対の直列ループコイルY41、Y42と各独立ループコイルY43〜Y49は、マルチプレクサ4に接続されている。
【0027】
従って、一対の直列ループコイルX31、32は、それぞれ5個の独立ループコイルをつないだ状態になり、それぞれ4個ずつの独立ループコイルに対応する引き出し線の本数を削減することができる。また、直列ループコイルY41は、8個の独立ループコイルをつないだ状態になり、7個の独立ループコイルに対応する引き出し線の本数を削減することができる。また、直列ループコイルY42は、7個の独立ループコイルをつないだ状態になり、6個の独立ループコイルに対応する引き出し線の本数を削減することができる。
【0028】
次に、各直列ループコイルX31、X32、Y41、Y42の1周期単位のコイル幅とコイル間隔との関係について図3乃至図5に基づいて説明する。尚、各直列ループコイルX31、X32、Y41、Y42は同じ構成のため、直列ループコイルX31について説明する。
【0029】
図3に示すように、直列ループコイルX31の1周期単位のX方向のコイル幅をCWとし、コイル間隔をSPとする。そして、コイル幅CWを一定とし、コイル間隔SPを変更した場合に、座標指示器21による交番磁界によって直列ループコイルX31に発生する電圧と、座標指示器21のX方向の位置との関係を発明者が測定した結果を図4に示す。
【0030】
尚、図4は、コイル幅CWは20mmで一定とし、座標指示器21をX方向に移動させた場合の直列ループコイルX31に発生する出力信号波形を示している。出力信号波形51は、コイル間隔SPが5mmの場合である。また、出力信号波形52は、コイル間隔SPが10mmの場合である。また、出力信号波形53は、コイル間隔SPが15mmの場合である。また、出力信号波形54は、コイル間隔SPが20mmの場合である。また、出力信号波形55は、コイル間隔SPが40mmの場合である。
【0031】
図4に示すように、直列ループコイルX31の各出力信号波形51〜55は、1周期単位のコイル幅CWの幅方向中心位置A1において最大電圧となり、長手方向の端部A2に近づくにつれて小さくなっている。また、各出力信号波形51〜53は、コイル間隔SPの各幅方向中心位置C1、C2、C3において最小電圧となる谷を形成している。一方、各出力信号波形54、55は、コイル間隔SPの各幅方向中心位置C4、C5において、該中心位置C4、C5の幅方向左右の信号電圧よりも高くなって電圧が極大となるサブピークが発生している。
【0032】
つまり、直列ループコイルX31は、コイル幅CWを20mmで一定とした場合には、コイル間隔SPが15mm付近の場合に、コイル間隔SPの幅方向中心位置C3における出力電圧が最小になり、コイル間隔SPの幅方向中心位置C3においてサブピークも発生しないと考えられる。つまり、直列ループコイルX31は、コイル幅CWが20mmの場合には、コイル間隔SPが15mm付近の場合に、コイル間隔SPの幅方向中心位置C3における信号電圧が極小になると考えられる。
【0033】
ここで、直列ループコイルX31の1周期単位のコイル幅CWを12mm〜40mmで一定として、座標指示器21をX方向に移動させた場合に、コイル間隔SPの幅方向中心位置における出力電圧が最小になったコイル幅CWとコイル間隔SPとの関係を発明者が測定した結果を図5に示す。
【0034】
図5に示すように、コイル幅CWが12mm、15mm、18mm、20mm、22mm、25mm、28mm、30mm、40mmの場合には、コイル間隔SPが約19.7mm、約19mm、約16mm、約17.5mm、約13.7mm、約16.6mm、約13、5mm、約14.4mm、約10mmのときにコイル間隔SPの幅方向中心位置における出力電圧が最小になり、サブピークも発生しなかった。
【0035】
従って、コイル幅CWが12mm〜40mmの場合には、コイル間隔SPの幅方向中心位置における出力電圧が最小になり、サブピークも発生しないコイル幅CWと最大コイル間隔SPとは、コイル幅CWの寸法をX(mm)、最大コイル間隔SPの寸法をY(mm)とした場合に、Y=−0.3262X+23.223の回帰直線61によって表される直線的な相関関係を有していると考えられる。言い換えれば、コイル幅CWが12mm〜40mmの場合、コイル幅CWの寸法がX(mm)長くなると、最大コイル間隔SPの寸法Y(mm)がX(mm)に対応して所定長さだけ短くなる、つまり、0.3262X(mm)だけ短くなるという関係がある。
【0036】
次に、座標指示器21を移動させた場合に、各直列ループコイルX31、X32、Y41、Y42と、各独立ループコイルX33〜X36、Y43〜Y49によって出力される出力信号の一例について図6に基づいて説明する。
【0037】
尚、各直列ループコイルX31、X32、Y41、Y42は、上記のようにコイル間隔SPの幅方向中心位置における出力電圧が最小になり、サブピークも発生しないコイル幅CWと最大コイル間隔SPに設定されている。例えば、コイル幅CWが20mmで、最大コイル間隔SPが約17.5mmである。また、各直列ループコイルX31、X32、Y41、Y42のコイル幅CWと最大コイル間隔SPは同一に設定する。また、各直列ループコイルX31、X32、Y41、Y42のコイル幅CWと各独立ループコイルX33〜36、Y43〜Y49のコイル幅CWは、ほぼ同じに設定されている。
【0038】
従って、各直列ループコイルX31、X32と各直列ループコイルY41、Y42から出力される出力信号は、ほぼ同じであり、各独立ループコイルX33〜X36と各独立ループコイルY43〜Y49から出力される出力信号も、ほぼ同じであるため、X方向に配設されたループコイル群26について説明する。
【0039】
図6に示すように、座標指示器21をX方向に移動させた場合には、X方向に配設されたループコイル群26を構成する直列ループコイルX31は、座標指示器21による交番磁界によって、1周期単位の各コイル幅CWの幅方向中心位置A1(図4参照)において最大電圧となり、長手方向の端部A2(図4参照)に近づくにつれて小さくなる出力信号E31を出力する。また、直列ループコイルX32は、座標指示器21による交番磁界によって、1周期単位の各コイル幅CWの幅方向中心位置A1(図4参照)において最大電圧となり、長手方向の端部A2(図4参照)に近づくにつれて小さくなる出力信号E32を出力する。
【0040】
また、X方向に配設されたループコイル群26を構成する各独立ループコイルX33〜X36は、座標指示器21がそれぞれのコイル幅CW内をX方向へ移動している際に、各コイル幅CWの幅方向中心位置A1(図4参照)において最大電圧となり、長手方向の端部A2(図4参照)に近づくにつれて小さくなる各出力信号E33〜E36を順次出力する。
【0041】
次に、上記のように構成された座標位置検出装置1のCPU11が実行する処理であって、座標指示器21によって指示された座標位置、つまり、ペン先が押し付けられた座標位置を決定する座標位置決定処理について図7乃至図10に基づいて説明する。尚、コイルシート3上のXY方向の原点位置は、図2中、コイルシート3の左下角部とする。
【0042】
図7に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU11は、マルチプレクサ4に対して、X方向の各独立ループコイルX33〜X36と、Y方向の各独立ループコイルY43〜Y49の出力信号を順次出力するように指示する選択信号を出力する。つまり、CPU11は、X方向とY方向に配設された独立ループコイルのみの出力信号の走査を行う。
【0043】
そして、S12において、CPU11は、X方向の各独立ループコイルX33〜X36の出力信号の電圧から、最大電圧のX方向の独立ループコイルを特定し、この独立ループコイル内の当該出力信号の電圧に対応するX方向の位置情報を取得してRAM12に記憶する。また、CPU11は、Y方向の各独立ループコイルY43〜Y49の出力信号の電圧から、最大電圧のY方向の独立ループコイルを特定し、この独立ループコイル内の当該出力信号の電圧に対応するY方向の位置情報を取得してRAM12に記憶する。つまり、CPU11は、座標指示器21のペン先が位置するX方向及びY方向の独立ループコイルを特定し、各独立ループコイル内の出力信号の電圧に対応するX方向及びY方向の各位置を算出して、RAM12に記憶する。
【0044】
具体的には、図8に示すように、X方向の各独立ループコイルX33〜36のうち、独立ループコイルX33から最大電圧の出力信号が出力された場合には、CPU11は、座標指示器21のペン先は、独立ループコイルX33のコイル幅CW内に位置すると判定する。そして、CPU11は、コイルシート3上の独立ループコイルX33の位置情報と、座標指示器21のペン先がコイル幅CW内をX方向へ移動した際に出力される出力信号E33(図6参照)から、独立ループコイルX33の出力信号の電圧に対応するX方向の各位置P1、P2を算出し、RAM12に記憶する。
【0045】
また例えば、Y方向の各独立ループコイルY43〜Y49についても同様にして、CPU11は、各独立ループコイルY43〜Y49のうち、最大電圧の出力信号が出力された独立ループコイルを特定し、出力信号の電圧に対応するY方向の各位置Q1、Q2(不図示)を算出し、RAM12に記憶する。
【0046】
続いて、S13において、CPU11は、マルチプレクサ4に対して、X方向の各直列ループコイルX31、X32と、Y方向の各直列ループコイルY41、42の出力信号を順次出力するように指示する選択信号を出力する。つまり、CPU11は、X方向とY方向に配設された各直列ループコイルのみの出力信号の走査を行う。
【0047】
そして、S14において、CPU11は、X方向の各直列ループコイルX31、X32のうち、出力信号の電圧が大きい方、つまり、最大信号強度の直列ループコイルを抽出し、出力信号の電圧と共にコイル番号(例えば、出力信号E31に対応する直列ループコイルX31の識別コイル番号である。)等を記憶する。また、CPU11は、Y方向の各直列ループコイルY41、Y42のうち、出力信号の電圧が大きい方、つまり、最大信号強度の直列ループコイルを抽出し、出力信号の電圧と共にコイル番号(例えば、Y41である。)等を記憶する。
【0048】
その後、S15において、CPU11は、X方向の最大信号強度の直列ループコイルの各周期単位について、それぞれの出力信号の電圧に対応するX方向の位置情報を取得してRAM12に記憶する。また、CPU11は、Y方向の最大信号強度の直列ループコイルの各周期単位について、それぞれの出力信号の電圧に対応するY方向の位置情報を取得してRAM12に記憶する。
【0049】
例えば、図9に示すように、X方向の直列ループコイルX31の信号強度が最大の場合には、CPU11は、コイルシート3上の直列ループコイルX31の各周期の位置情報と、座標指示器21のペン先がコイル幅CW内をX方向へ移動した際に出力される出力信号E31(図6参照)とから、直列ループコイルX31の各周期単位について、それぞれの出力信号の電圧に対応するX方向の各位置P11、P12、P13、P14、・・・を算出し、RAM12に記憶する。
【0050】
また例えば、Y方向の直列ループコイルY41の信号強度が最大の場合には、CPU11は、同様にして、直列ループコイルY41の各周期単位について、それぞれの出力信号の電圧に対応するY方向の各位置Q11、Q12、Q13、Q14、・・・(不図示)を算出し、RAM12に記憶する。
【0051】
そして、S16において、CPU11は、RAM12から上記S12で記憶したX方向の独立ループコイル内の出力信号に対応するX方向の位置情報を読み出す。そして、CPU11は、S15で取得したX方向の最大信号強度の直列ループコイルの各周期単位内の出力信号の電圧に対応する各位置情報のうち、当該X方向の独立ループコイル内の位置情報とほぼ一致するもの、つまり、最も近い組み合わせを抽出する。そして、CPU11は、この互いにほぼ一致したX方向の独立ループコイル内の位置情報と、当該X方向の最大信号強度の直列ループコイルの位置情報とを、座標指示器21のペン先が位置するX方向の位置情報としてRAM12に記憶する。
【0052】
また、CPU11は、RAM12から上記S12で記憶したY方向の独立ループコイル内の出力信号に対応するY方向の位置情報を読み出す。そして、CPU11は、S15で取得したY方向の最大信号強度の直列ループコイルの各周期単位内の出力信号の電圧に対応する各位置情報のうち、当該Y方向の独立ループコイル内の位置情報とほぼ一致するもの、つまり、最も近いものを抽出する。そして、CPU11は、この互いにほぼ一致したY方向の独立ループコイル内の位置情報と、当該Y方向の最大信号強度の直列ループコイルの位置情報とを、座標指示器21のペン先が位置するY方向の位置情報としてRAM12に記憶する。
【0053】
例えば、図9に示すように、独立ループコイルX33の出力信号の電圧に対応するX方向の各位置P1、P2と、直列ループコイルX31の各周期内のそれぞれの出力信号の電圧に対応するX方向の各位置P11、P12、P13、P14、・・・とのうち、X方向の各位置P2、P13がほぼ一致する場合には、CPU11は、X方向の各位置P2、P13を、座標指示器21のペン先が位置するX方向の位置情報としてRAM12に記憶する。
【0054】
また同様に、Y方向の最大電圧の出力信号が出力された独立ループコイルのY方向の各位置Q1、Q2(不図示)とY方向の最大信号強度の直列ループコイル各周期内のそれぞれの出力信号の電圧に対応するY方向の各位置Q11、Q12、Q13、Q14、・・・(不図示)とのうち、互いにほぼ一致する各位置を抽出し、座標指示器21のペン先が位置するY方向の位置情報としてRAM12に記憶する。
【0055】
続いて、S17において、CPU11は、上記S13で走査したX方向とY方向に配設された各直列ループコイルのうち、X方向とY方向において、それぞれ次に信号強度の大きい直列ループコイルがあるか否かを判定する判定処理を実行する。つまり、信号強度の大きい直列ループコイルから順番にS15乃至S16の処理を実行して、位置情報を取得する。
そして、X方向とY方向において、それぞれ次に信号強度の大きい直列ループコイルがあると判定した場合には(S17:YES)、CPU11は、X方向とY方向の次に信号強度の大きい直列ループコイルについて、再度S15以降の処理を実行する。
【0056】
例えば、図10に示すように、次に信号強度の大きい直列ループコイルX32がある場合には、直列ループコイルX32の各周期単位について、それぞれの出力信号の電圧に対応するX方向の各位置P21、P22、P23、P24、・・・を算出し、RAM12に記憶する(S15)。
【0057】
そして、独立ループコイルX33の出力信号の電圧に対応するX方向の各位置P1、P2と、直列ループコイルX32の各周期内のそれぞれの出力信号の電圧に対応するX方向の各位置P21、P22、P23、P24、・・・とのうち、X方向の各位置P2、P24がほぼ一致する場合には、CPU11は、X方向の位置P2は既に記憶しているため、X方向の位置P24を、座標指示器21のペン先が位置するX方向の位置情報としてRAM12に記憶する。
【0058】
一方、X方向とY方向において、それぞれ次に信号強度の大きい直列ループコイルが無いと判定した場合、つまり、全ての直列ループコイルについて座標指示器21のペン先が位置する位置情報を取得したと判定した場合には(S17:NO)、CPU11は、S18の処理に移行する。つまり、信号強度の大きい直列ループコイルから順番にS15乃至S16の処理を実行して、位置情報を取得し、次に信号強度の大きい直列ループコイルがない場合には、即ち、全ての直列ループコイルについて位置情報を取得した場合には、CPU11は、S18の処理に移行する。
【0059】
S18において、CPU11は、先ず、上記S16で記憶したX方向の独立ループコイルの座標指示器21のペン先が位置する位置情報と、X方向の各直列ループコイルX31、X32の座標指示器21のペン先が位置する位置情報とをRAM12から読み出す。そして、CPU11は、X方向の差が最も小さい独立ループコイル、直列ループコイルの組み合わせの各位置情報の平均値を算出して、座標指示器21のペン先が位置するX方向の位置情報としてRAM12に記憶する。
【0060】
また、CPU11は、上記S16で記憶したY方向の独立ループコイルの座標指示器21のペン先が位置する位置情報と、Y方向の各直列ループコイルY41、Y42の座標指示器21のペン先が位置する位置情報とをRAM12から読み出す。そして、CPU11は、Y方向の各位置情報の平均値を算出して、座標指示器21のペン先が位置するY方向の位置情報としてRAM12に記憶する。
【0061】
そして、S19において、CPU11は、RAM12から上記S18で記憶した座標指示器21のペン先が位置するX方向及びY方向の各位置情報を読み出し、座標指示器21のペン先が位置するコイルシート3上の座標位置としてフラッシュメモリ8に記憶する。尚、この座標位置を時間情報と関連付けて記憶するようにしてもよい。
【0062】
続いて、S20において、CPU11は、電源がOFFになったか否かを判定する判定処理を実行する。そして、電源がOFFになっていないと判定した場合には(S20:NO)、CPU11は、再度S11以降の処理を実行する。一方、電源がOFFになったと判定した場合には(S20:YES)、CPU11は、当該処理を終了する。
【0063】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る座標位置検出装置1では、コイルシート3のX方向とY方向には、各ループコイル群26、27が配設されている。また、ループコイル群26は、繰り返し5回折り曲げ形成された一対の直列ループコイルX31、X32と、各独立ループコイルX33〜X36とから構成されている。また、ループコイル群27は、繰り返し8回折り曲げ形成された直列ループコイルX41と、繰り返し7回折り曲げ形成された直列ループコイルX42と、各独立ループコイルY43〜Y49とから構成されている。
【0064】
これにより、コイルシート3上における座標位置の位置精度を維持した状態で、各直列ループコイルX31、X32、Y41、Y42の折り曲げ周期数から1周期分除いた個数に相当する独立ループコイルのコイル数を削減して、ループコイルの引き出し線の本数を約1/3に削減でき、マルチプレクサ4に接続する接続コネクタ部を容易に小型化できる。また、引き出し線の本数を大きく削減できるため、マルチプレクサ4への引き回し線による各ループコイルの検出精度の低下を防止することができる。また、マルチプレクサ4で処理する信号線の数を削減することができるため、より小型で安価な部品を使用することができる。更には、回路もより簡略になるため、基板を小型化することができる。
【0065】
また、各直列ループコイルX31、X32、Y41、Y42のコイル間隔SPを、1周期単位のコイル幅CWに基づいてサブピークが発生しない最大幅に決定することによって、各直列ループコイルX31、X32、Y41、Y42の出力信号を大きくすることができると共に、位置精度を容易に維持することができる。
【0066】
また、CPU11は、最大電圧のX方向の独立ループコイルとY方向の独立ループコイルとを特定し、座標指示器21のペン先が位置するX方向及びY方向の独立ループコイルを特定する。そして、CPU11は、各独立ループコイル内の出力信号の電圧に対応するX方向及びY方向の各位置を算出して、RAM12に記憶する。また、CPU11は、各直列ループコイルX31、X32の各周期単位について、それぞれの出力信号の電圧に対応するX方向の位置を算出する。そして、X方向の最大電圧の独立ループコイルの出力信号の電圧に対応する位置と、各直列ループコイルX31、X32の各周期単位の出力信号の電圧に対応する位置からほぼ一致するものをそれぞれ抽出し、平均値をX座標とする。
【0067】
また、CPU11は、各直列ループコイルY41、Y42の各周期単位について、それぞれの出力信号の電圧に対応するY方向の位置を算出する。そして、Y方向の最大電圧の独立ループコイルの出力信号の電圧に対応する位置と、各直列ループコイルY41、Y42の各周期単位の出力信号の電圧に対応する位置からほぼ一致するものをそれぞれ抽出し、平均値をY座標とする。そして、CPU11は、当該X座標とY座標とを座標指示器21のペン先が位置するコイルシート3上の座標位置としてフラッシュメモリ8に記憶する。
【0068】
これにより、一対の直列ループコイルX31、X32と、各独立ループコイルX33〜X36とから構成されたループコイル群26と、一対の直列ループコイルY41、Y42と、各独立ループコイルY43〜Y49とから構成されたループコイル群27とを、X方向とY方向に配置することによって、位置精度を維持した状態で、座標指示器21のペン先が位置するコイルシート3上の座標位置を確実に検出することができる。
【0069】
尚、本発明は前記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0070】
(A)例えば、一対の直列コイルX31、X32のうち一方を削除し、各周期単位に対応する位置に独立ループコイルを配置するようにしてもよい。また、一対の直列コイルY41、Y42のうち一方を削除し、各周期単位に対応する位置に独立ループコイルを配置するようにしてもよい。
【0071】
(B)また例えば、コイルシート3上のX方向とY方向に直列ループコイルを3個以上配置するようにしてもよい。これにより、コイルシート3が大型化しても、独立ループコイルのコイル数を削減して、ループコイルの引き出し線の本数の削減化を図ることができる。
【符号の説明】
【0072】
1 座標位置検出装置
3 コイルシート
4 マルチプレクサ(MUX)
7 制御回路部
8 フラッシュメモリ
11 CPU
12 RAM
13 ROM
21 座標指示器
26、27 ループコイル群
E31〜E35 出力信号
X31、X32、Y41、Y42 直列ループコイル
X33〜X36、Y43〜Y49 独立ループコイル
CW コイル幅
SP コイル間隔
51〜55 出力信号波形
61 回帰直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交番磁界を発生して座標位置を指示する座標指示手段からの信号を検出して座標位置を決定する座標位置検出装置において、
所定の方向に所定間隔で形成された複数の部分コイルがそれぞれ直列に接続された直列ループコイルと、前記直列ループコイルを構成する部分コイル間に配置された独立ループコイルとから構成される少なくとも2つのループコイル群を、所定の方向として第1方向と該第1方向とは異なる第2方向とにそれぞれ沿うように重ねて配置した座標入力シートと、
各独立ループコイルから出力される第1出力信号と各直列ループコイルから出力される第2出力信号とを取得する信号取得手段と、
前記信号取得手段を介して取得した前記第1出力信号と前記第2出力信号とに基づいて前記座標位置を決定する座標位置決定手段と、
を備えたことを特徴とする座標位置検出装置。
【請求項2】
前記直列ループコイルを構成する部分コイルのコイル間隔は、該部分コイルが折り曲げられる1単位のコイル幅に基づいて決定されていることを特徴とする請求項1に記載の座標位置検出装置。
【請求項3】
前記座標入力シートが含む前記ループコイル群は、前記直列ループコイルとして、前記複数の部分コイルがそれぞれ直列に接続された第1直列ループコイルと、前記複数の部分コイルがそれぞれ直列に接続され且つ前記第1直列ループコイルとは異なる第2直列ループコイルとを含み、前記第1直列ループコイルと、前記第2直列ループコイルと、複数の前記独立ループコイルと、を前記第1方向と前記第2方向とのそれぞれに沿って配置され、
前記第1直列ループコイルが含む部分コイルと、前記第2直列ループコイルが含む部分コイルと、前記独立ループコイルとは、前記第1方向と前記第2方向とのそれぞれの方向に沿って前記第1直列ループコイル、前記第2直列ループコイル、前記独立ループコイルの順番に、それぞれ前記第1方向または前記第2方向に沿って所定の距離離れて配置され、前記第1直列ループコイルが含む部分コイルと、前記第2直列ループコイルが含む部分コイルと、前記独立ループコイルとが重なりあって配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の座標位置検出装置。
【請求項4】
前記座標位置決定手段は、
前記各ループコイル群を構成する前記直列ループコイルと前記複数の独立ループコイルとの前記座標入力シート上における配置位置情報を記憶する配置位置記憶手段と、
前記第1方向と第2方向との各方向について、最大信号強度の独立ループコイルから出力された第1出力信号と前記配置位置情報とに基づいて当該第1出力信号に対応する独立ループコイル内の第1位置情報を取得する第1位置情報取得手段と、
前記第1方向と第2方向との各方向について、前記直列ループコイルから出力された第2出力信号と前記配置位置情報とに基づいて当該第2出力信号に対応する各周期単位内の第2位置情報を取得する第2位置情報取得手段と、
前記第1方向と第2方向との各方向について、前記第2位置情報と前記第1位置情報とから互いに最も近い位置情報を1個ずつ抽出する抽出手段と、
を有し、
該座標位置決定手段は、前記抽出手段によって抽出された第1方向と第2方向とのそれぞれの方向の各位置情報に基づいて前記座標位置を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の座標位置検出装置。
【請求項5】
前記直列ループコイルが同一方向に複数配置されている場合には、前記第2位置情報取得手段は、各直列ループコイルについて前記第2位置情報を取得し、
前記抽出手段は、前記各直列ループコイルについて前記第2位置情報と前記第1位置情報とから互いに最も近い位置情報を1個ずつ抽出し、
前記座標位置決定手段は、該抽出手段によって抽出された第1方向と第2方向とのそれぞれの方向の各位置情報に基づいて前記座標位置を決定することを特徴とする請求項4に記載の座標位置検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−215961(P2011−215961A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84479(P2010−84479)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】