座標入力装置
【課題】 着脱式のセンサユニットを備える座標入力装置において、ユーザーが座標入力領域周囲の任意の位置に装着したセンサユニットの位置情報を自動的に得ることを目的とする。
【解決手段】 第1センサユニットの発光部からの発光によって、第2センサユニットの受光部で検出される複数のピークを有する光量分布から算出されるピークの角度情報を用いて、第1センサユニットと第2センサユニットの位置情報を算出する。第1センサユニットと第2センサユニットの位置情報と、受光部で検出される座標入力領域への指示に伴う受光量分布の変化に基づき指示位置座標を算出する。ここで、複数のセンサユニットそれぞれの発光部は、受光部に対して相対的に既知の位置に配置されている。
【解決手段】 第1センサユニットの発光部からの発光によって、第2センサユニットの受光部で検出される複数のピークを有する光量分布から算出されるピークの角度情報を用いて、第1センサユニットと第2センサユニットの位置情報を算出する。第1センサユニットと第2センサユニットの位置情報と、受光部で検出される座標入力領域への指示に伴う受光量分布の変化に基づき指示位置座標を算出する。ここで、複数のセンサユニットそれぞれの発光部は、受光部に対して相対的に既知の位置に配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報の入力や選択をするために指等の指示具によって座標入力面に入力された座標位置を光学的に検出する座標入力装置に関するものである。特に、着脱可能で、可搬性を有する座標入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の座標入力装置として、各種方式の座標入力装置(タッチパネルやデジタイザ)が提案、または製品化されている。例えば、特殊な器具等を用いずに、指で画面上をタッチすることで、PC(パーソナルコンピュータ)等の操作を簡単に行うことがきるタッチパネル等が広く用いられている。
【0003】
その方式としては、抵抗膜を用いたもの、または、超音波を用いたもの等、種々のものがある。光を用いたものとして、座標入力面外側に再帰性反射部材を設け、発光部からの光を再帰反射部材で反射し、その光量分布を受光部により検出することにより、座標入力領域内の指等の指示具(遮蔽物)で遮光された遮光領域の方向を検出する。そして、遮光位置、つまり、座標入力位置の座標を決定する光学式遮光方式座標入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1の構成を一般化した例として、図14の構成を示す。図14は、座標入力面の両端に配置されたセンサユニット901と、座標を入力する際に使用する座標入力面902と、座標入力面902の三方を取り囲み、進入してきた光を進入してきた方向に再帰的に反射する再帰反射部材903とを有している。
【0005】
センサユニット901は、発光部及び受光部(不図示)を有している。発光部は、座標入力面902にほぼ平行に扇形に広がる光を照射し、受光部は、再帰反射部材903で反射され再帰的に戻ってきた光を受光する。座標入力装置は、2つのセンサユニット901でそれぞれ検知された光の遮蔽角度θL、θRとセンサユニット901間の距離に基づいて、座標入力面902に入力された座標の位置904を算出することができる。
【0006】
これらの光学式遮光方式座標入力装置において、正確な座標入力位置を算出するためには、受光部を備えるセンサユニット901が予め定められた位置に配置されていることが必要である。しかし、実際にこのセンサユニット901を正確に配置するためにも精度上の限界があり、また、取り付け後にずれることも考えられた。このセンサユニット901の位置ずれに対する補正方法として、特許文献2で示す様に、座標入力領域の予め定められた既定の複数の位置に入力を行う基準点設定、所謂、キャリブレーションを行う技術が開示されている。
【0007】
また、一旦既定の位置に配置されたセンサユニット間で、他方のセンサユニットの発光を一方のセンサユニットで受光し、それをもとに、受光側のセンサユニットのずれを検出する技術が特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許USP4507557号公報
【特許文献2】特開2007−265417号公報
【特許文献3】特登録3964079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の先行技術に於いては、基準点設定を行う方法は、ユーザーに複数点を指示させるという付加的な操作をさせる必要があり、操作性に問題がある。また、特許文献3の技術に於いては、最初に既定の位置に2つのセンサユニットを配置した場合のずれを検出することができるのみである。つまり、センサユニットをユーザーが任意の位置に配置する場合にはそのセンサユニットの位置を求めることはできない。
【0010】
一方、オフィスや教育現場では、移動先で大画面の電子ホワイトボードとして使用したり、既存の黒板やホワイトボードに装着したり、大画面ディスプレイに装着して座標入力を行う用途も考えられる。つまり、ユーザーはセンサユニット部とその付属部分のみを収納して運搬し、所定の使用領域の平面に対してそのセンサユニット等を装着する用途である。その際の装置形態は、可搬性、更に、着脱容易性を有する構成となる。その場合、ユーザーは、座標入力領域の周囲に一定以上の精度を持って正確にセンサユニットを配置することは困難である。つまり、従来型の予め定められた位置にセンサユニットを固定して配置する装置形態では生じない特有の課題が存在する。
【0011】
着脱性、可搬性、コンパクト性を有する座標入力装置においては、ユーザーが任意の位置に装着したセンサユニットの位置の座標情報を最初に取得することが必要となる。
【0012】
特許文献3の技術は、既知・規定の距離及び位置に、最初にセンサを配置しておくことが前提で、初期状態との差分を補正量として検知するものである。従って、その構成では、任意の位置にセンサユニットを配置した場合の位置、向きを算出することはできない。また、特許文献2の技術では、入力領域の基準マークといった、センサユニット以外の場所の構成要素が必要となり、更に、ユーザーによる付加的な操作が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するための本発明による座標入力装置は以下の構成を備える。即ち、
座標入力領域に向けて発光する発光部と、座標入力領域への指示に伴う受光量分布の変化を検出する受光部とにより構成されるセンサユニットを用いて、指示の位置の座標を算出する座標入力装置であって、
前記座標入力領域の周囲の任意の位置に複数配置された前記センサユニットの内、第1センサユニットの前記発光部からの発光によって、前記第1センサユニットとは異なる第2センサユニットの前記受光部で検出される複数のピークを有する光量分布から算出されるピークの角度情報を用いて、前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの位置情報を算出する算出手段と、
前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの位置情報と、前記受光部で検出される前記座標入力領域への指示に伴う受光量分布の変化に基づき指示位置座標を算出する演算手段とを備え、
前記複数のセンサユニットそれぞれの前記発光部は、前記受光部に対して相対的に既知の位置に配置されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、着脱式のセンサユニットを備える座標入力装置において、ユーザーが座標入力領域周囲の任意の位置に装着したセンサユニットの位置情報を自動的に得ることができるという優れた効果が得られるようになる。これにより、高精度の入力座標検出が可能となる。更に、これをユーザーの付加的な複数のマークの指示といった操作無しに速やかに実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態1のセンサユニットを装着した状態における全体構成図である。
【図2】実施形態1の座標算出可能領域の説明図である。
【図3】実施形態1のセンサユニットの発光部及び受光部の構成を示す図である。
【図4】実施形態1のセンサユニットの詳細構成を示す図である。
【図5】実施形態1のセンサユニット1Aの発光部から発光した際のセンサユニット1Dの受光部で検出した受光量分布を示す図である。
【図6】実施形態1のセンサユニット1Aとセンサユニット1D間の発光受光の位置関係を説明するための図である。
【図7】実施形態1のセンサユニット1Dとセンサユニット1A間の発光受光の位置関係を説明するための図である。
【図8】実施形態1のセンサユニット位置算出の説明図である。
【図9】実施形態1のセンサユニット位置算出の説明図である。
【図10】実施形態2のセンサユニットにおける詳細構成、及び受光分布を示す図である。
【図11】実施形態2のセンサユニットの装着状態における全体構成図である。
【図12】実施形態3のセンサユニットの詳細構成を示す図である。
【図13】実施形態5のセンサユニット位置算出の説明図である。
【図14】従来の光学遮光方式の座標入力装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
<実施形態1>
本発明の実施形態1の座標入力装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
【0018】
4は指示を行い座標を入力するための、例えば、矩形状の座標入力領域であり、後述のセンサユニット1A〜1Dにより検出される領域である。座標入力領域4は、座標入力領域4を含む平板(不図示)により構成される。
【0019】
1A〜1Dはそれぞれ対応する、発光部6A〜6D及び受光部7A〜7Dを有するセンサユニットであり、座標入力領域4の周囲の外側のおおよそ四隅近辺の任意の位置にユーザーにより装着される。
【0020】
座標入力領域4を含む平板が鋼板等の部材で構成されていれば、センサユニット1A〜1Dの座標入力領域4周囲への装着時の保持方法は、例えば、マグネットを用いる。しかしながら、保持方法はこれに限定されるものではない。センサユニット1A〜1Dは制御・演算を行う制御・演算ユニット2A、2Bに2箇所ずつそれぞれ接続され、制御信号をそれぞれ制御・演算ユニット2A、2Bから受信する。それと共に、検出した信号をそれぞれ制御・演算ユニット2A、2Bに送信する。
【0021】
発光部6A〜6Dは、図1に示した通り、センサユニット1A〜1Dそれぞれに3個ずつ投光方向に対して垂直且つ座標入力領域4に平行方向に等間隔に並んで配置されている。このセンサユニット1A〜1Dそれぞれの各3個の発光部は、後述するセンサユニットの位置情報取得モード(第1発光モード)において作動するが、通常の指示座標検出モード(第2発光モード)時には、3個の中心に配置された発光部のみ作動する。この2つの発光モード形態に関しての詳細は後述する。
【0022】
3A、3B及び5A〜5Dは、再帰反射部材であって、入射光を到来方向に反射する再帰反射面を有し、それぞれのセンサユニット1A〜1Dから投光された光を、センサユニット1A〜1Dに向けて再帰的に反射する。反射された光は、通常の指示座標検出モード時には、センサユニット1A〜1Dの受光部7A〜7D(集光光学系とラインCCD等によって構成される)によって1次元的に検出され、その光量分布が制御・演算ユニット2A、2Bに送信される。
【0023】
実施形態1において、再帰反射部材は、座標入力領域4の対向する2辺に構成されており、それぞれ3個の再帰反射部材3A、5A、5B及び再帰反射部材3B、5C、5Dに分割される。再帰反射部材が分割された分割部分である楕円点線領域8A〜8Dは対向するセンサユニット1A〜1Dから見て、再帰反射面の隙間が生じないように図示が如く重なる部分を示す。つまり、センサユニット1Cもしくは1Dから見て、再帰反射光が連続して得られるように、楕円点線領域8B、8Aで重なっている。楕円点線領域8D、8Cに関しても同様である。
【0024】
そして、再帰反射部材3A、3Bはセンサバー筐体10A、10Bに取り付けられ、近傍の第1の再帰反射部材5A〜5Dはセンサユニット1A〜1Dに搭載されている。通常の指示座標検出モード時には、センサユニット1A、1Bは、2辺における再帰反射部材のうち一方の再帰反射部材3B、5C及び5Dに対して投光した光を受光する。同様に、センサユニット1C、1Dは、もう一方である再帰反射部材3A、5A及び5Bに対して投光した光を受光する。
【0025】
このように、再帰反射部材は、座標入力領域の周囲の外側の四隅の任意の位置に配置された4個のセンサユニット1A〜1Dで形成される方形の2組の対向した辺、及びセンサユニット1A〜1Dの位置に配置される。
【0026】
尚、以下の説明では、複数のセンサユニット1A〜1Dを総称する場合には、センサユニット1と示し、同様に、複数の発光部6A〜6D及び受光部7A〜7Dについても、それぞれ発光部6及び受光部7と示す場合がある。また、同様に、再帰反射部材3A、3B、及び再帰反射部材5A〜5Dについても、それぞれ再帰反射部材3及び再帰反射部材5と示す場合がある。更に、同様に、制御・演算ユニット2A、2Bについても、制御・演算ユニット2と示す場合がある。
【0027】
実施形態1において、センサユニット1A及び1Bはセンサバー筐体10Aに、センサユニット1C及び1Dはセンサバー筐体10Bにそれぞれ連結して装着されている。しかし、このセンサユニット1A〜1Dとセンサバー筐体10A及び10Bが、予め一体的に組みつけられている場合には、センサユニット1A、1B及びセンサユニット1C、1D間の位置関係は高精度で既定値の値となる。しかし、センサバー筐体10A及び10Bが長尺なため、例えば、折畳式、或いは、伸縮式にする場合には、センサユニット1A、1B及びセンサユニット1C、1D間の位置関係は低精度な概略値となり、更には未知の値となる可能性が高い。
【0028】
座標入力領域4を構成する座標入力面をPDPやリアプロジェクタ、LCDパネル等の表示装置の表示画面で構成したり、フロントプロジェクタで画像を投影したりすることで、インタラクティブな入力装置として、利用可能となっている。
【0029】
このような構成において、座標入力領域4に指等の指示具による入力指示がなされると、発光部6A〜6Dから投光された光が遮られ、再帰反射による反射光が得られなくなるため、入力指示位置のみ光量が得られなくなる。
【0030】
制御・演算ユニット2A、2Bは双方に通信する通信部を有し、制御・演算ユニット2A、2Bは、センサユニット1A〜1Dの光量変化から、入力指示された部分の遮光範囲を検出し、その遮光範囲内での検出点を特定してそれぞれに対応する角度を算出する。算出された角度及び、後述する算出されたセンサユニット1A〜1D間の距離、位置関係等から、座標入力領域4の座標位置を算出し、PC等の情報処理装置に、USB等の通信インタフェースを経由して座標値を出力する。
【0031】
また、制御・演算ユニット2A、2Bは双方に、後述するセンサユニット1A〜1D間の距離、位置関係等の位置情報を記憶する記憶ユニットを有し、制御・演算ユニット2A、2Bそれぞれの通信部を介して、互いに必要な位置情報を相互に送受信することが可能である。
【0032】
このようにして、指等の指示具によって、表示画面上に線を描画したり、アイコンの操作をする等、情報処理装置の操作が可能になる。
【0033】
図2は、センサユニット1A〜1Dの組み合わせで座標算出可能な座標入力領域4の座標検出範囲を示している。
【0034】
図2に示すように、センサユニット1A〜1Dの投光及び再帰反射光の受光範囲が重複する領域が座標算出可能な領域となる。従って、センサユニット1B及び1Dで座標算出可能な範囲は、図2(a)の斜線の範囲91である。同様に、センサユニット1C及び1Dで座標算出可能な範囲は、図2(b)の斜線の範囲92、センサユニット1A及び1Cで座標算出可能な範囲は、図2(c)の斜線の範囲93である。そして、センサユニット1A及び1Bで座標算出可能な範囲は、図2(d)の斜線の範囲94となる。
【0035】
センサユニット1A〜1Dはそれぞれ、発光部6A〜6Dと受光部7A〜7Dから構成される。
【0036】
図3(a)は、センサユニット1の発光部6を示している。図3(a)において、101は赤外光を発する赤外LEDであり、投光レンズ102によって、再帰反射部材3、5に向けて所定範囲に光を投光する。更に詳しくは、センサユニット1中の発光部6を構成する投光レンズ102はコリメータレンズとなっており、座標入力領域4の面に対して垂直方向には光線が広がらずに座標入力領域4の面に略平行に投光されるようになっている。
【0037】
そして、通常の指示座標検出モード時には、発光部6より投光された赤外光は、再帰反射部材3、5により到来方向に再帰的に反射され、センサユニット1A〜1D中の受光部7によって、その反射光を検出する。センサユニット1の位置情報取得モードの場合には、発光部6より投光された赤外光は、対向するセンサユニット1A〜1Dの受光部7によってその直接光を検出する。
【0038】
図3(b)において、受光部7は、1次元の主に赤外域に受光感度のあるラインCCD103、集光光学系の受光用レンズ104、入射光入射方向を概略制限する絞り105、及び可視光等の余分な光(外乱光)の入射を防止する赤外フィルター106からなる。通常の指示座標検出モード時には、再帰反射部材3、5によって反射された光が赤外フィルター106、絞り105を抜けて受光用レンズ104によって、ラインCCD103の検出素子面上に集光、結像される。一方、センサユニット1の位置情報取得モード時には、直接光が、赤外フィルター106、絞り105を抜けて受光用レンズ104によって、ラインCCD103の検出素子面上に集光、結像される。
【0039】
図4は実施形態1の発光部6と受光部7より構成されるセンサユニット1における詳細構成を示す図である。図4(a)がセンサユニット1の投受光光軸方向からの正面図であり、図4(b)がその断面図である。
【0040】
図4における符号で、図3の符号と一致する部品は同一部品であり、その他、107は上フード部材、108は下フード部材である。上フード部材107と下フード部材108により、赤外フィルター106、受光用レンズ104が位置決めされ、両者で形成される隙間より光束が入射する。
【0041】
ここで、実施形態1の場合、発光部6と受光部7は、座標入力面である座標入力領域4の垂直方向に重ねた配置構成となっている。第1の再帰反射部材5は、発光部6と受光部7との間に配置され、上フード部材107上部に取り付けられている。
【0042】
図4(a)及び(b)では、図1のセンサユニット1Aの構成を示しているが、センサユニット1B〜1Dも同様である。図4(b)からわかるように、発光部6A−1、6A−2、6A−3は、投光方向に対して垂直方向且つ座標入力面に対して平行方向に等間隔の距離aを隔てて並んで配置されている。中心に配置された発光部6A−2の発光部である赤外LED101の位置は、図4(a)の補助線S1及び図4(b)の補助線S2でわかる通り、受光部7Aの基準位置である絞り105の位置と座標入力領域4に平行な平面座標系において同一位置に配置される。
【0043】
通常の指示座標検出モード時の発光モード形態としては、中心に配置された発光部6A−2のみが発光し、その両脇に配置された発光部6A−1、6A−3は発光しないように制御される。この制御は、制御・演算ユニット2Aによりなされる。この発光部6A−2からの光は、投光レンズ102により、座標入力面に略平行に制限された光束として、再帰反射部材3及び5に対して光が投光されるように構成されている。
【0044】
また、発光部6により投光された座標入力面に略平行な光束であって、面内方向に所定角度方向に投光されている光は、再帰反射部材3により光の到来方向に再帰反射される。そして、赤外フィルター106、絞り105、受光用レンズ104を経て、ラインCCD103の検出素子面上に集光、結像することになる。
【0045】
ラインCCD103の出力信号は、反射光の入射角に応じた光量分布を出力することになるので、ラインCCD103を構成する各画素の画素番号が角度情報を示すことになる。
【0046】
尚、図4に示す発光部6と受光部7の距離は、発光部6から再帰反射部材3までの距離に比べて十分に小さな値であり、距離を有していても十分な再帰反射光を受光部7で検出することが可能な構成となっている。
【0047】
以上説明したように、センサユニット1A〜1Dは、発光部6A〜6Dと、各々の発光部6A〜6Dで投光された光を各々検出する受光部7A〜7Dを有する構成である。
【0048】
以上は、一部を除き通常の指示座標検出モードを中心とする説明であるが、以後は、センサユニット1の位置情報取得モードを中心とする説明を行う。
【0049】
センサユニット1の位置情報取得モードの場合には、対向しているセンサユニット1の一方の発光部6から発光し、対向しているセンサユニット1の受光部7でその発光部6からの直接光を受光する。
【0050】
例えば、センサユニット1A(第1センサユニット)の発光部6Aで発光した光は、対抗面に配置されたセンサユニット1D(第2センサユニット)の受光部7Dで検出する。ここで、対向位置のセンサユニットとは、座標入力領域4を挟んで略対角線上に配置されたセンサユニット1Dのみならず、センサユニット1Aの発光部6Aからの投光の受光範囲であるセンサユニット1C、及び、センサユニット1Bも含むものとする。
【0051】
実施形態1においては、センサユニット1Aの投光範囲がセンサユニット1Cとセンサユニット1Dの受光範囲となる場合に関して説明を行う。以下の説明では、センサユニット1Dでの受光に関して幾何学的な位置算出アルゴリズムに関する説明を行うが、センサユニット1Cに関しても同様である。また、実施形態1では説明を行わないが、センサユニット1Aの発光部6Aの投光範囲を広げ、更にセンサユニット1Bでセンサユニット1Aからの直接光を受光する構成としても良い。また、以下のセンサユニット1Aの投光に関する説明は、センサユニット1B〜1Dの投光に関しても同様である。
【0052】
センサユニット1の位置情報取得モードの場合の発光モード形態に関し説明を行う。
【0053】
センサユニット1Aの発光部6Aから投光する場合には、センサユニット1A自体の受光部7Aは、発光部6Aからの再帰反射光を検出しないように、シャッター等を閉じて非検出の制御を行う。また、再帰反射光の検出の場合と異なり、発光部6Aからの直接光を受光する際には、受光部7DのラインCCD103の受光飽和規格を超えないように、発光部6Aの投光量を十分に抑制制御する必要がある。具体的には、センサユニット1Aの位置情報取得モードの場合、発光部6Aの赤外LED101の駆動電流のピーク電流、或いは、電流パルス幅、或いは両方を制御して、投光量を抑制する。この制御は制御・演算ユニット2Aによりなされる。
【0054】
このセンサユニット1の位置情報取得モードの場合、センサユニット1Aの発光部6Aは、中心の発光部6A−2のみならず、その両脇に等間隔の距離aを隔てて並んで配置された発光部6A−1、6A−3を加えた3個の発光部6Aで同時発光を行う。この制御も制御・演算ユニット2Aによりなされる。
【0055】
センサユニット1Aの発光部6A−1、6A−2、6A−3から発光した際のセンサユニット1Dの受光部7DのラインCCD103による受光量分布を図5に示す。発光部6A−1、6A−2、6A−3それぞれの発光に対応した受光分布が得られ、制御・演算ユニット2で処理することによりそれぞれのピーク画素d1、d2、d3が検出される。更に、このピーク画素d1、d2、d3に対応するd1とd2間、d2とd3間の角度を算出することができる。
【0056】
図6にこのセンサユニット1Aとセンサユニット1D間の発光受光の位置関係を簡略化して示す。図中、A1〜A3は、発光部6A−1、6A−2、6A−3の配置された位置を示す。A1、A2間距離、A2、A3間距離をaとする。同様に、センサユニット1Dの受光部7Dの位置をD2で示す。前述の様に、センサユニット1Dの中央に配置された発光部6D−2と受光部7Dの位置は同位置である。もちろん、中央に配置された発光部6D−2と受光部7Dの位置関係が既知であれば、演算は若干複雑になるが、必ずしも同位置である必要は無い。
【0057】
ここで、センサユニット1Aとセンサユニット1D間の直接光受光により得られる情報によって、センサユニット1Aとセンサユニット1D間の距離を算出する方法について説明する。
【0058】
今、センサユニット1Dの受光部7Dで、図5のようなピーク画素d1、d2、d3に対応するd1とd2間、d2とd3間の角度が算出されたとする。ここで、その角度を∠A1D2A2=α、∠A3D2A2=βとすると、幾何学の余弦定理により以下の関係が成り立つ。
【0059】
cosα=(A1D22 + A2D22 ‐ A1A22 )/ 2・ A1D2 ・ A2D2 (式1)
cosβ=(A3D22 + A2D22 ‐ A2A32 )/ 2・ A3D2 ・ A2D2 (式2)
また、幾何学の中線定理より、
A1D22 + A3D22 = 2 ( A1A22 + A2D22 ) (式3)
が成り立つ。
【0060】
ここで、前述の通り
A1A2 = A2A3 = a(発光部等間隔配置)
であるから、式1〜式3とセンサユニット1Dの受光部7Dでの測定値α、βより、センサユニット1Aとセンサユニット1D間の距離、A1D2、A2D2、A3D2が算出される。これらの演算処理は、制御・演算ユニット2A及び2Bにより行う。ここでは、センサユニット1Aと1Dとの位置関係に係わる情報として、センサユニット1Aと1Dとの距離にかかわる情報A1D2、A2D2、A3D2を算出する方法を用いて説明している。
【0061】
しかし、この方法以外に、センサユニット1A〜1Dを含む座標系を設定し、算出しても良い。つまり、センサユニット1Aの発光部6A−1、6A−2、6A−3、センサユニット1Dの受光部7Dの位置をそれぞれ(XA1、YA1)、(XA2、YA2)、(XA3、YA3)、(XD2、YD2)として、それぞれの座標を算出しても良い。
【0062】
次のタイミングで、このセンサユニット1Aとセンサユニット1D間の発光受光を図6の場合と逆にして行う。つまり、センサユニット1Dの発光部6D−1、6D−2、6D−3から発光した直接光をセンサユニット1Aの受光部7Aで受光する。これを図7に示す。図中、D1〜D3は、センサユニット1Dの発光部6D−1、6D−2、6D−3の配置された位置を示す。センサユニット1Aの場合と同様に、D1、D2間距離、D2、D3間距離はaで等間隔に配置されている。同様に、センサユニット1Aの受光部7Aの位置をA2で示す。これは、前述の様に、センサユニット1Aの中央に配置された発光部6A−2と受光部7Aの位置は同位置であることによる。ここで、図6の場合と同様に、センサユニット1Dからの発光に対する、センサユニット1Aの受光部7Aでの直接光受光により、1Aの受光部7Aで得られるピーク画素d1、d2、d3に対応するd1とd2間、d2とd3間の角度が算出される。その角度を∠D1A2D2=γ、∠D3A2D2=δとする。
【0063】
以下は、センサユニット1Aの場合と同様にして、センサユニット1D−センサユニット1A間距離D2A2、D1A2、D3A2が算出される。
【0064】
以上で、センサユニット中心間の距離は、図6で説明したA2D2と、図7のD2A2の2通り算出されるので、この平均値を採用することにより、より算出距離精度を高めることができる。
【0065】
更に、前述の様に、センサユニットの中心から一定距離a離れた両側の発光源(発光部6A−1及び6A−3)までの距離A1D2、A3D2、D1A2、D3A2が算出されている。この位置情報により、三角形の3辺既知により、各センサユニットのセンサユニット中心間を結ぶ線分に対する傾斜角度が算出される。
【0066】
以上と同様のセンサユニットの各受発光中心ポイント間の距離の算出を、センサユニット1Bと1C間、センサユニット1Aと1C間、センサユニット1Bと1D間において行う。これにより、まず、図8に示す様に、各センサユニットの中心点基準位置であるA2、B2、C2、D2間距離が襷がけ状態で得られ、各センサユニット間の位置関係が一意的に定まる。もちろん、更に、前述の様に、センサユニットの視野角を広げた構成とすれば、センサユニット1Aと1B間、1Cと1D間で投受光を行い、各受発光中心ポイント間の距離の算出を行ってもよい。その場合、更に、各センサユニット間の位置関係が高精度に算出される。
【0067】
更に、図9に示す様に、センサユニットの中心から一定距離a離れた両側の発光源との間の距離の算出を、センサユニット1Aと1D間の場合と同様に、センサユニット1Bと1C間、センサユニット1Aと1C間、センサユニット1Bと1D間において行う。この距離情報により、センサユニットの中心から一定距離離れた両側の発光源までの距離が算出されるので、各センサユニットのセンサユニット中心間を結ぶ線分に対する傾斜角度が算出される。
【0068】
再帰反射光と直接光とが混在することによる直接光に対応するピーク画素の検出精度低下を避けるために以上のセンサユニット1A〜1Dまでの発光及びそれに対応する受光のタイミングに関しては、センサ配置の組によりずらすように制御を行う。つまり、センサバー筐体10A及び10Bそれぞれに装着されるセンサユニット1A、1B及び1C、1Dの組ごとに交互に発光、及び、それに対応する受光を行う。
【0069】
つまり、図1のセンサユニット1及びセンサバー筐体10の組み合わせの場合には、センサユニット1Aと1Bが発光する場合には、センサユニット1Cと1Dは発光しない。センサユニット1Aと1Bの受光部7A及び7Bに対しては、前述の通り、再帰反射光を検出しないように、シャッター等を閉じて非検出の制御を行う。センサユニット1Aと1Bの受光部7A及び7Bに対しては、再帰反射光を受光しても、それに対するピーク画素の検出処理を行わないようにしてもよい。
【0070】
次のタイミングで、今度は、センサユニット1Cと1Dの発光を行い、そのタイミングでは、センサユニット1Aと1Bは発光しない。その後の処理は、同様であるので省略する。
【0071】
センサユニット1の位置情報取得モードで、各センサユニット1A〜1D間の受発光動作、及びその受光角度情報に基づく各センサユニット1A〜1D間の距離、傾斜角度の算出結果を基に、以後の通常の指示座標検出モードで指示位置の座標の算出を行う。この指示位置の座標の算出アルゴリズムに関しては、従来の技術における指示位置算出アルゴリズムによるものとする。
【0072】
以上説明したように、実施形態1によれば、ユーザーによって任意の位置に配置されたセンサユニット1A〜1Dの位置及び傾きを、特段のユーザー操作を伴わず算出できる。従って、各センサユニット1がセンサバー筐体10に装着された形態でも実質的に独立な座標入力面への着脱可能パーツとしてコンパクトな製品形態をとることが可能になる。
【0073】
つまり、センサユニット1の位置関係をセンサバー筐体10の取り付け精度に依存する必要性が無いため、センサバー筐体自体に折畳み等の収納機構を設ける自由度が増加する。センサユニット1をユーザーがセンサ間距離等の制限も無く未知の任意の位置に装着してもその後の本発明のセンサ位置自動検知により、その取得したセンサ位置情報に基づき正確な指示位置検出が可能となり、ユーザーの利便性が向上する。
【0074】
実施形態1では、光学遮光方式を前提として、かつ、2つのセンサユニット1がセンサバー筐体10により連結された構成に関して説明している。しかしながら、実施形態1は、このようなセンサバー筐体の形態に限定されるものではない。つまり、センサユニット1がそれぞれ完全に物理的に独立の形態として構成されても良い。センサユニット1を独立の形態とした場合、センサユニット1Aと1B間、センサユニット1Cと1D間に再帰反射部材3のユニットを再帰反射部材ユニットとして独立に配置してもよい。
【0075】
この再帰反射部材ユニットは、再帰反射部材3の光学特性により、多少の傾きに対しては、再帰反射特性は維持される。従って、センサユニット1に要求される設置の位置精度に比べて、再帰反射部材3のユニットの設置に位置精度は要求されない。この場合にも、実施形態1によれば、センサユニット1自体の位置は正確に算出されるので、それを基にしたその後の指示位置座標を高精度検出することができる。
【0076】
実施形態1においては、遮光光学方式を前提として説明を行っているが、例えば、センサユニット1の受光部7をカメラとすることにより、カメラ方式として再帰反射部材3を不要とする構成としてもよい。このカメラ方式の場合には、センサユニット1の独立形態によるコンパクト性、収納容易性の特徴がより生かされる。
【0077】
以上より、センサユニット1自体がユーザーにより任意の位置に配置された場合でも、そのセンサユニット1の位置関係を正確に把握できるので、その状況に基づく指示位置の高精度な座標検出が実現できる。従来、センサユニット位置の予め定められた位置に正確に装着された構成が前提の装置では、そのセンサユニットの高精度な配置のために大型化、重量化を招いていたが、本発明により、センサユニットのみの最小限での単位での装置構成が可能になる。従って、装置の軽量化、可搬性が向上するのみでなく、座標入力領域のサイズの柔軟性も同時に向上させることができ、用途の拡大に資することができる。
【0078】
<実施形態2>
実施形態1に於いては、センサユニット1の発光部6として、図4に示したような赤外LED101と、投光レンズ102により構成される点光源を複数(3個以上)用いる構成を示している。もちろん、この点光源を複数用いる構成は、前述の様に、センサユニットの位置情報取得モードのためのものとなっている。通常の指示座標検出モードの際には、中央に配置された一つの点光源のみを発光させることで、指示座標検出を達成できるものである。しかしながら、この構成では、再帰反射部材を挟んで発光部と受光部を配置するため、センサユニットの厚みがある程度必要とされる。
【0079】
そこで、実施形態2では、実施形態1の点光源(点発光)を複数用いる構成を通常の指示座標検出モードでも使用することにより、センサユニットでの再帰反射部材を不要とし、薄型を図る構成について説明する。実施形態2では、図10に示す面状発光部を用いる。
【0080】
図10(a)に示す様に、実施形態1に於いては再帰反射部材5が配置されている位置に面発光部11が設置される。この面発光部11は、実施形態1と同様に、赤外LED101と投光レンズ102に加え、投光側に光を拡散部としての拡散板201を配置する構成である。面発光部11の赤外LED101と投光レンズ102は、図10(b)に示す様に、発光部6A−1、6A−2、6A−3として、3個投光方向に対して垂直方向に等間隔の距離aを隔てて並んで配置されている。中心に配置された発光部6A−2の赤外LED101の位置は、図4(a)のS1及び図4(b)のS2で示されるように、受光部7Aの基準位置である絞り105の位置と座標入力領域4に平行な平面座標系において同一位置に配置されている。これは、実施形態1と同様である。
【0081】
拡散板201は、この赤外LED101と投光レンズ102からの座標入力面に対して水平方向の投光範囲をカバーする、つまり、直接光が出ないように十分に幅を持って配置される。あるいは、フード状に囲い込み投光開口部は拡散板201のみという構成としても良い。この拡散板201は、赤外LED101と投光レンズ102からの光線が十分に拡散され、且つ、投光量が十分となる様に曇価(ヘイズ)が設定される。同時に、点状発光部である赤外LED101と投光レンズ102からの光源の輪郭が光量分布的に十分に平準化され、拡散板201からの投光が十分に均一化されるような距離に、拡散板201を配置する。
【0082】
そして、拡散板201の拡散面において、その面が無数の点光源が連続的に座標入力面に平行方向に続いている面発光光源として機能するように、センサユニット1を構成する。このように拡散板201を配置して面発光を実現するセンサユニット1を構成する場合、対向するセンサユニット1の受光部7での受光分布は、図10(d)に示されるように、連続的で均一的な分布となる。また、この拡散板201を経て光量散乱により光量が減衰するので、モード切替により、その分発光量を増加する必要があり、赤外LED101に対する駆動電流の調整制御を制御・演算ユニット2で行う。
【0083】
この拡散板201を含むセンサユニットの面発光部11の投射範囲は、図11に示す様に、実施形態1の場合と同様に、楕円点線領域8で再帰反射部材3と対向するセンサユニット1の受光範囲で重なっている。図10(a)、(b)に示す実施形態2におけるセンサユニット1Aにおいて、絞り105の座標入力面法線方向の座標入力面寄りに赤外LED101と投光レンズ102よりなる発光部6A−4が配置される。これは、通常の指示座標検出モード時のみにこの発光部6A−4から投光し、図11の再帰反射部材3Bで再帰反射した反射光を、受光部7Aで受光するため構成である。つまり、従来の遮光方式と同様の作用を目的とする構成要素である。図11の再帰反射部材3Aに対して投光する発光部は、対向するセンサユニット1Dの発光部6D−4(不図示)である。この発光部6D−4も発光部6A−4と同様にセンサユニット1Dの絞り105の座標入力面法線方向の座標入力面寄りに配置されている。そして、図11の再帰反射部材3Aで再帰反射した反射光を、受光部7Dで受光することはセンサユニット1Aの場合と同様である。センサユニット1B、Cに関しても同様である。
【0084】
実施形態2におけるセンサユニットの構成は、センサユニットの位置情報取得モードの場合には、図10(c)に示す様に、拡散板201をスライド等して投光路から外し、実施形態1と同様にして、センサユニット1A〜1D間で相互に直接光の投受光を行う。今、拡散板201をスライド等と記載したのは、センサユニットの位置情報取得モードでは拡散板201を外す構成とする際の一つの例を示したに過ぎず、他の手段により拡散板201、更には、拡散効果を制御して良いことはいうまでも無い。そして、図10の受光分布(e)を基に角度検出を行い、前述の通りセンサ位置、傾きを算出する。
【0085】
一方、通常の指示座標検出モード時には、図10(c)に示す様に拡散板201をスライド等して投光路内に入るように設定して拡散光を面状に発光させる。この指示座標検出モードでは、センサユニット1の面発光部11の範囲では、受光分布が図10(d)の様に周囲方向に連続的な面発光分布となり、図11の楕円点線領域8A〜8Dの部分で光量分布的に連続となって再帰反射部材3の再帰反射光分布に繋がる。再帰反射部材3の再帰反射光に係わり投光を行うのは、前述の通り、センサユニット1の絞り105の座標入力面法線方向の座標入力面寄りに配置された発光部6A−4〜D−4である。
【0086】
以上は、センサユニット1Aに関して説明を行っているが、センサユニット1B〜1Dに関しても同様である。
【0087】
以上説明したように、実施形態2によれば、実施形態1で説明した効果に加えて、センサユニットの複数の光源の一部を再帰反射部材と同様の機能を果たすように面状発光する構成とする。これにより、光源としての機能と再帰反射の機能を兼ね備えることができ、結果的に、センサユニットを薄型にすることができる。
【0088】
<実施形態3>
実施形態2においては、面発光部11の拡散板201を、発光モードに応じて着脱する構成を示しているが、実施形態3として、拡散板201の着脱を行わない構成を図12に示す。ここでは、実施形態2のセンサユニットの構成の発光部6A−1、6A−2、6A−3に加え、更にその間に発光部6A−5、6A−6を配置する構成としている。発光部6A−1、6A−2、6A−3として、3個投光方向に対して垂直方向に等間隔の距離aを隔てて並んで配置されているのは、実施形態2と同様である。また、発光部6A−2の受光部7Aとの位置関係も同様である。
【0089】
拡散板201は、発光部6A−1〜3、6A−5〜6全ての投光範囲をカバーする、つまり、直接光が出ない様に十分に幅をもって配置される。拡散板201の拡散度も実施形態2と同様である。通常の指示座標検出モード時には、発光部6A−1〜3、6A−5〜6全てを点灯させる。この制御は制御・演算ユニット2によりなされる。発光部6A−1〜3、6A−5〜6全点灯の場合、受光分布が、図10(d)の様に周囲方向に連続的な面発光分布となる様に、発光部6A−1〜3、6A−5〜6それぞれの配置、拡散板201の拡散度、発光部6と拡散板201との距離が設定される。以下の通常の指示座標検出モード時の作用は、実施形態2と同様である。
【0090】
センサユニット1Aの位置情報取得モードの場合には、発光部6A−1〜3、6A−5〜6の内、発光部6A−5、6A−6は非点灯となり、発光部6A−1〜3のみ点灯なるように赤外LED101の駆動電流の制御を行う。この制御も制御・演算ユニット2によりなされる。この際、発光部6A−1〜3の間隔は、発光部6A−1〜3、6A−5〜6全点灯の場合と比べて間隔が開くので、発光部6の光軸サイド方向の投光量低下の影響が現れる。
【0091】
従って、この投光を受光する受光部7での受光量分布は横軸の画素数の間隔は増えるが、光量分布の状況としてはやはり前述の図10(e)の様にピークが出現した状態となる。この受光量分布のピークからそれに対応する角度を検出し、センサユニット1の位置検出情報を算出するアルゴリズムは、実施形態2と同様である。
【0092】
以上説明したように、実施形態3によれば、拡散板201に対して特段の物理的着脱作用を伴うことなく、電気的な制御のみでセンサユニットの位置情報取得モードと通常の指示座標検出モードで面発光部11からの投光分布を変化させることができる。従って、着脱式のセンサユニットをユーザーが任意の位置に配置した場合に、速やかにセンサユニットの位置算出とそれに引き続き通常の指示位置座標検出を行うことができる。
【0093】
尚、実施形態3では、発光部6を各センサユニット1A〜1Dに5個配置する構成を示しているが、発光部6の個数はこれに限定されることなく、これ以上の個数で構成し、発光モードによる点灯/非点灯の制御を実現しても良い。
【0094】
<実施形態4>
上述の各実施形態では、センサユニット1の位置情報取得モードと通常の指示座標検出モードに関してそれぞれの発光モード形態に係わる本発明の構成要素の意味、及び、その作用に関する説明している。この発光モードの切替は、センサユニット1に、モード切替選択部を設け、ユーザーが必要に応じて任意に切り替えても良いし、状況に応じて自動的に切り替わるモード自動切替部を設けても良い。
【0095】
また、センサユニット1を座標入力領域4の属する平面へ装着した後に電源投入した際に、センサユニット1の位置情報取得モードになるように予め設定されていてもよい。その際、センサユニット1の位置情報を取得したタイミングで自動的に通常の指示座標検出モードに切り替わっても良いし、その旨を報知する構成を設けても良い。
【0096】
上記各実施形態において、センサユニット1の位置情報取得を可能とする条件として、センサユニット1内の発光部6は、受光部7に対して相対的に既知の位置に配置されることが必須構成であると説明している。同時に、通常の指示座標検出において、より精度の良い座標検出を行うために、センサユニット1の少なくとも一つの発光部は受光部と平面座標上の位置が一致していることが求められる。
【0097】
従って、センサユニット1の少なくとも一つの発光部は受光部と平面座標上の位置が一致していれば、センサユニット1の位置情報取得のためのセンサユニットの構成条件を満たしていることになる。つまり、センサユニット1の少なくとも一つの発光部は受光部と平面座標上の位置が一致する構成にすることにより、センサユニット1の位置情報取得モードと通常の指示座標検出モードいずれでもそれぞれの発光モードに於いて十分の機能を果たすことができる。
【0098】
センサユニット1の位置情報取得には、誤検出を避けるため、座標指示が行われていない状態であることが条件となる。従って、センサユニット1の位置情報取得モードの状態に於いては、指示を行わないよう警告表示を行う表示部を設けても良い。更には、使用後一定時間後には、何らかの不可抗力によりセンサユニット1の装着位置がずれてしまうことも想定される。その場合にも、再度、本発明のセンサユニット1の位置情報取得を行えば、センサユニットのずれによる問題は解決される。従って、一定時間指示が行われていないことを検出する検出部を設け、一定時間指示が行われていないことを検出した場合、自動的にセンサユニット1の位置情報取得モードに移行する構成としても良い。
【0099】
以上説明したように、実施形態4によれば、装着後のセンサ位置のずれに対しても速やかに補正をすることができる。
【0100】
<実施形態5>
上述の各実施形態では、センサユニット1の位置情報取得のための構成として発光部を複数配置する構成を示している。実施形態5として、発光部6は単数(1個)とし、受光部7を複数(2個以上)設ける構成としても良い。この構成を、図6の場合と同様に簡略化して図13に示す。実施形態1の図6の場合と投光側と受光側が異なるが基本的な考え方は同様である。但し、受光部を複数設ける場合には、受光部7は各センサユニット1A〜1Dに最低2つ設ければ足りる。これは、以下の幾何学的な理論による。
【0101】
もちろん、この受光部7は、発光部6との位置関係が既知である必要があるが、更に望ましくは、2つの受光部7の中点に平面上の位置関係で発光部6が配置されることが、算出式が簡略化され望ましい。今、図13に示されるように、センサユニット1Aにおいて、受光部7Aが距離2aを隔てて配置され、その位置をそれぞれA1、A3とする。さらに、2つの受光部7Aの中間位置に発光部6Aが配置されその位置をA2とする。更に、投光側の対向するセンサユニット1Dも1Aと同様な位置関係で構成されており、対応する発光部6Dの位置をD2とする。
【0102】
不図示であるが、センサユニット1Dの発光部6Dからの投光に対し、対向するセンサユニット1Aの2つの受光部7Aで検出される受光分布でピーク画素を検出する。そして、それをもとに以下の角度がそれぞれ算出される。そのA1とA3の位置に配置された受光部7Aのそれぞれの受光分布から算出される角度は、それぞれ∠A3A1D2=α、∠A1A3D2=βである。幾何学の定理により以下の関係が成り立つ。
【0103】
正弦定理より
A1D2/sinβ = A3D2/sinα = 2a/sin (π−α−β)
実測値α、β及び既知aより
上記関係式を算出することにより、A1D2、A3D2が算出され、更に、この二つの値と既知の値からセンサユニット1A、1D間の距離A2D2が算出される。
【0104】
更に、実施形態1と同様に、このセンサユニット1Aとセンサユニット1D間の発光受光に於いて、図13の場合と逆に、次のタイミングで、センサユニット1AのA2に位置する発光部6A−2から発光し、センサユニット1Dの2つの受光部7で検出を行う。図13の場合と同様に、センサユニット1A、1D間の距離が算出され、ここで得られる複数の値を平均することにより、センサユニット1A、1D間の距離精度がより高まる。
【0105】
更に、センサユニット1Bと1C間、センサユニット1Aと1C間、センサユニット1Bと1D間において行い、各センサユニット間距離が襷がけ状態で得られ、更に傾きが算出される原理は、実施形態1と同様である。
【0106】
このセンサユニット1に受光部7を2つ設ける構成は、指示座標検出用の発光部6を更に2つの受光部7の真上に設ける(不図示)必要はあるが、複数座標同時入力を実現するための先行技術における複眼センサユニット構成と組み合わせることができる。更には、この複眼センサユニット構成に実施形態5と実施形態1の算出アルゴリズムを組み合わせることにより、一つのセンサユニット間距離算出に於いて、常に複数の算出値が得られ、それを平均することにより、より距離の精度を高めることができる。
【0107】
以上説明したように、実施形態5によれば、発光部と受光部との数の関係が、実施形態1と逆の場合であっても、実施形態1と同等の効果を得ることができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報の入力や選択をするために指等の指示具によって座標入力面に入力された座標位置を光学的に検出する座標入力装置に関するものである。特に、着脱可能で、可搬性を有する座標入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の座標入力装置として、各種方式の座標入力装置(タッチパネルやデジタイザ)が提案、または製品化されている。例えば、特殊な器具等を用いずに、指で画面上をタッチすることで、PC(パーソナルコンピュータ)等の操作を簡単に行うことがきるタッチパネル等が広く用いられている。
【0003】
その方式としては、抵抗膜を用いたもの、または、超音波を用いたもの等、種々のものがある。光を用いたものとして、座標入力面外側に再帰性反射部材を設け、発光部からの光を再帰反射部材で反射し、その光量分布を受光部により検出することにより、座標入力領域内の指等の指示具(遮蔽物)で遮光された遮光領域の方向を検出する。そして、遮光位置、つまり、座標入力位置の座標を決定する光学式遮光方式座標入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1の構成を一般化した例として、図14の構成を示す。図14は、座標入力面の両端に配置されたセンサユニット901と、座標を入力する際に使用する座標入力面902と、座標入力面902の三方を取り囲み、進入してきた光を進入してきた方向に再帰的に反射する再帰反射部材903とを有している。
【0005】
センサユニット901は、発光部及び受光部(不図示)を有している。発光部は、座標入力面902にほぼ平行に扇形に広がる光を照射し、受光部は、再帰反射部材903で反射され再帰的に戻ってきた光を受光する。座標入力装置は、2つのセンサユニット901でそれぞれ検知された光の遮蔽角度θL、θRとセンサユニット901間の距離に基づいて、座標入力面902に入力された座標の位置904を算出することができる。
【0006】
これらの光学式遮光方式座標入力装置において、正確な座標入力位置を算出するためには、受光部を備えるセンサユニット901が予め定められた位置に配置されていることが必要である。しかし、実際にこのセンサユニット901を正確に配置するためにも精度上の限界があり、また、取り付け後にずれることも考えられた。このセンサユニット901の位置ずれに対する補正方法として、特許文献2で示す様に、座標入力領域の予め定められた既定の複数の位置に入力を行う基準点設定、所謂、キャリブレーションを行う技術が開示されている。
【0007】
また、一旦既定の位置に配置されたセンサユニット間で、他方のセンサユニットの発光を一方のセンサユニットで受光し、それをもとに、受光側のセンサユニットのずれを検出する技術が特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許USP4507557号公報
【特許文献2】特開2007−265417号公報
【特許文献3】特登録3964079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の先行技術に於いては、基準点設定を行う方法は、ユーザーに複数点を指示させるという付加的な操作をさせる必要があり、操作性に問題がある。また、特許文献3の技術に於いては、最初に既定の位置に2つのセンサユニットを配置した場合のずれを検出することができるのみである。つまり、センサユニットをユーザーが任意の位置に配置する場合にはそのセンサユニットの位置を求めることはできない。
【0010】
一方、オフィスや教育現場では、移動先で大画面の電子ホワイトボードとして使用したり、既存の黒板やホワイトボードに装着したり、大画面ディスプレイに装着して座標入力を行う用途も考えられる。つまり、ユーザーはセンサユニット部とその付属部分のみを収納して運搬し、所定の使用領域の平面に対してそのセンサユニット等を装着する用途である。その際の装置形態は、可搬性、更に、着脱容易性を有する構成となる。その場合、ユーザーは、座標入力領域の周囲に一定以上の精度を持って正確にセンサユニットを配置することは困難である。つまり、従来型の予め定められた位置にセンサユニットを固定して配置する装置形態では生じない特有の課題が存在する。
【0011】
着脱性、可搬性、コンパクト性を有する座標入力装置においては、ユーザーが任意の位置に装着したセンサユニットの位置の座標情報を最初に取得することが必要となる。
【0012】
特許文献3の技術は、既知・規定の距離及び位置に、最初にセンサを配置しておくことが前提で、初期状態との差分を補正量として検知するものである。従って、その構成では、任意の位置にセンサユニットを配置した場合の位置、向きを算出することはできない。また、特許文献2の技術では、入力領域の基準マークといった、センサユニット以外の場所の構成要素が必要となり、更に、ユーザーによる付加的な操作が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するための本発明による座標入力装置は以下の構成を備える。即ち、
座標入力領域に向けて発光する発光部と、座標入力領域への指示に伴う受光量分布の変化を検出する受光部とにより構成されるセンサユニットを用いて、指示の位置の座標を算出する座標入力装置であって、
前記座標入力領域の周囲の任意の位置に複数配置された前記センサユニットの内、第1センサユニットの前記発光部からの発光によって、前記第1センサユニットとは異なる第2センサユニットの前記受光部で検出される複数のピークを有する光量分布から算出されるピークの角度情報を用いて、前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの位置情報を算出する算出手段と、
前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの位置情報と、前記受光部で検出される前記座標入力領域への指示に伴う受光量分布の変化に基づき指示位置座標を算出する演算手段とを備え、
前記複数のセンサユニットそれぞれの前記発光部は、前記受光部に対して相対的に既知の位置に配置されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、着脱式のセンサユニットを備える座標入力装置において、ユーザーが座標入力領域周囲の任意の位置に装着したセンサユニットの位置情報を自動的に得ることができるという優れた効果が得られるようになる。これにより、高精度の入力座標検出が可能となる。更に、これをユーザーの付加的な複数のマークの指示といった操作無しに速やかに実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態1のセンサユニットを装着した状態における全体構成図である。
【図2】実施形態1の座標算出可能領域の説明図である。
【図3】実施形態1のセンサユニットの発光部及び受光部の構成を示す図である。
【図4】実施形態1のセンサユニットの詳細構成を示す図である。
【図5】実施形態1のセンサユニット1Aの発光部から発光した際のセンサユニット1Dの受光部で検出した受光量分布を示す図である。
【図6】実施形態1のセンサユニット1Aとセンサユニット1D間の発光受光の位置関係を説明するための図である。
【図7】実施形態1のセンサユニット1Dとセンサユニット1A間の発光受光の位置関係を説明するための図である。
【図8】実施形態1のセンサユニット位置算出の説明図である。
【図9】実施形態1のセンサユニット位置算出の説明図である。
【図10】実施形態2のセンサユニットにおける詳細構成、及び受光分布を示す図である。
【図11】実施形態2のセンサユニットの装着状態における全体構成図である。
【図12】実施形態3のセンサユニットの詳細構成を示す図である。
【図13】実施形態5のセンサユニット位置算出の説明図である。
【図14】従来の光学遮光方式の座標入力装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
<実施形態1>
本発明の実施形態1の座標入力装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
【0018】
4は指示を行い座標を入力するための、例えば、矩形状の座標入力領域であり、後述のセンサユニット1A〜1Dにより検出される領域である。座標入力領域4は、座標入力領域4を含む平板(不図示)により構成される。
【0019】
1A〜1Dはそれぞれ対応する、発光部6A〜6D及び受光部7A〜7Dを有するセンサユニットであり、座標入力領域4の周囲の外側のおおよそ四隅近辺の任意の位置にユーザーにより装着される。
【0020】
座標入力領域4を含む平板が鋼板等の部材で構成されていれば、センサユニット1A〜1Dの座標入力領域4周囲への装着時の保持方法は、例えば、マグネットを用いる。しかしながら、保持方法はこれに限定されるものではない。センサユニット1A〜1Dは制御・演算を行う制御・演算ユニット2A、2Bに2箇所ずつそれぞれ接続され、制御信号をそれぞれ制御・演算ユニット2A、2Bから受信する。それと共に、検出した信号をそれぞれ制御・演算ユニット2A、2Bに送信する。
【0021】
発光部6A〜6Dは、図1に示した通り、センサユニット1A〜1Dそれぞれに3個ずつ投光方向に対して垂直且つ座標入力領域4に平行方向に等間隔に並んで配置されている。このセンサユニット1A〜1Dそれぞれの各3個の発光部は、後述するセンサユニットの位置情報取得モード(第1発光モード)において作動するが、通常の指示座標検出モード(第2発光モード)時には、3個の中心に配置された発光部のみ作動する。この2つの発光モード形態に関しての詳細は後述する。
【0022】
3A、3B及び5A〜5Dは、再帰反射部材であって、入射光を到来方向に反射する再帰反射面を有し、それぞれのセンサユニット1A〜1Dから投光された光を、センサユニット1A〜1Dに向けて再帰的に反射する。反射された光は、通常の指示座標検出モード時には、センサユニット1A〜1Dの受光部7A〜7D(集光光学系とラインCCD等によって構成される)によって1次元的に検出され、その光量分布が制御・演算ユニット2A、2Bに送信される。
【0023】
実施形態1において、再帰反射部材は、座標入力領域4の対向する2辺に構成されており、それぞれ3個の再帰反射部材3A、5A、5B及び再帰反射部材3B、5C、5Dに分割される。再帰反射部材が分割された分割部分である楕円点線領域8A〜8Dは対向するセンサユニット1A〜1Dから見て、再帰反射面の隙間が生じないように図示が如く重なる部分を示す。つまり、センサユニット1Cもしくは1Dから見て、再帰反射光が連続して得られるように、楕円点線領域8B、8Aで重なっている。楕円点線領域8D、8Cに関しても同様である。
【0024】
そして、再帰反射部材3A、3Bはセンサバー筐体10A、10Bに取り付けられ、近傍の第1の再帰反射部材5A〜5Dはセンサユニット1A〜1Dに搭載されている。通常の指示座標検出モード時には、センサユニット1A、1Bは、2辺における再帰反射部材のうち一方の再帰反射部材3B、5C及び5Dに対して投光した光を受光する。同様に、センサユニット1C、1Dは、もう一方である再帰反射部材3A、5A及び5Bに対して投光した光を受光する。
【0025】
このように、再帰反射部材は、座標入力領域の周囲の外側の四隅の任意の位置に配置された4個のセンサユニット1A〜1Dで形成される方形の2組の対向した辺、及びセンサユニット1A〜1Dの位置に配置される。
【0026】
尚、以下の説明では、複数のセンサユニット1A〜1Dを総称する場合には、センサユニット1と示し、同様に、複数の発光部6A〜6D及び受光部7A〜7Dについても、それぞれ発光部6及び受光部7と示す場合がある。また、同様に、再帰反射部材3A、3B、及び再帰反射部材5A〜5Dについても、それぞれ再帰反射部材3及び再帰反射部材5と示す場合がある。更に、同様に、制御・演算ユニット2A、2Bについても、制御・演算ユニット2と示す場合がある。
【0027】
実施形態1において、センサユニット1A及び1Bはセンサバー筐体10Aに、センサユニット1C及び1Dはセンサバー筐体10Bにそれぞれ連結して装着されている。しかし、このセンサユニット1A〜1Dとセンサバー筐体10A及び10Bが、予め一体的に組みつけられている場合には、センサユニット1A、1B及びセンサユニット1C、1D間の位置関係は高精度で既定値の値となる。しかし、センサバー筐体10A及び10Bが長尺なため、例えば、折畳式、或いは、伸縮式にする場合には、センサユニット1A、1B及びセンサユニット1C、1D間の位置関係は低精度な概略値となり、更には未知の値となる可能性が高い。
【0028】
座標入力領域4を構成する座標入力面をPDPやリアプロジェクタ、LCDパネル等の表示装置の表示画面で構成したり、フロントプロジェクタで画像を投影したりすることで、インタラクティブな入力装置として、利用可能となっている。
【0029】
このような構成において、座標入力領域4に指等の指示具による入力指示がなされると、発光部6A〜6Dから投光された光が遮られ、再帰反射による反射光が得られなくなるため、入力指示位置のみ光量が得られなくなる。
【0030】
制御・演算ユニット2A、2Bは双方に通信する通信部を有し、制御・演算ユニット2A、2Bは、センサユニット1A〜1Dの光量変化から、入力指示された部分の遮光範囲を検出し、その遮光範囲内での検出点を特定してそれぞれに対応する角度を算出する。算出された角度及び、後述する算出されたセンサユニット1A〜1D間の距離、位置関係等から、座標入力領域4の座標位置を算出し、PC等の情報処理装置に、USB等の通信インタフェースを経由して座標値を出力する。
【0031】
また、制御・演算ユニット2A、2Bは双方に、後述するセンサユニット1A〜1D間の距離、位置関係等の位置情報を記憶する記憶ユニットを有し、制御・演算ユニット2A、2Bそれぞれの通信部を介して、互いに必要な位置情報を相互に送受信することが可能である。
【0032】
このようにして、指等の指示具によって、表示画面上に線を描画したり、アイコンの操作をする等、情報処理装置の操作が可能になる。
【0033】
図2は、センサユニット1A〜1Dの組み合わせで座標算出可能な座標入力領域4の座標検出範囲を示している。
【0034】
図2に示すように、センサユニット1A〜1Dの投光及び再帰反射光の受光範囲が重複する領域が座標算出可能な領域となる。従って、センサユニット1B及び1Dで座標算出可能な範囲は、図2(a)の斜線の範囲91である。同様に、センサユニット1C及び1Dで座標算出可能な範囲は、図2(b)の斜線の範囲92、センサユニット1A及び1Cで座標算出可能な範囲は、図2(c)の斜線の範囲93である。そして、センサユニット1A及び1Bで座標算出可能な範囲は、図2(d)の斜線の範囲94となる。
【0035】
センサユニット1A〜1Dはそれぞれ、発光部6A〜6Dと受光部7A〜7Dから構成される。
【0036】
図3(a)は、センサユニット1の発光部6を示している。図3(a)において、101は赤外光を発する赤外LEDであり、投光レンズ102によって、再帰反射部材3、5に向けて所定範囲に光を投光する。更に詳しくは、センサユニット1中の発光部6を構成する投光レンズ102はコリメータレンズとなっており、座標入力領域4の面に対して垂直方向には光線が広がらずに座標入力領域4の面に略平行に投光されるようになっている。
【0037】
そして、通常の指示座標検出モード時には、発光部6より投光された赤外光は、再帰反射部材3、5により到来方向に再帰的に反射され、センサユニット1A〜1D中の受光部7によって、その反射光を検出する。センサユニット1の位置情報取得モードの場合には、発光部6より投光された赤外光は、対向するセンサユニット1A〜1Dの受光部7によってその直接光を検出する。
【0038】
図3(b)において、受光部7は、1次元の主に赤外域に受光感度のあるラインCCD103、集光光学系の受光用レンズ104、入射光入射方向を概略制限する絞り105、及び可視光等の余分な光(外乱光)の入射を防止する赤外フィルター106からなる。通常の指示座標検出モード時には、再帰反射部材3、5によって反射された光が赤外フィルター106、絞り105を抜けて受光用レンズ104によって、ラインCCD103の検出素子面上に集光、結像される。一方、センサユニット1の位置情報取得モード時には、直接光が、赤外フィルター106、絞り105を抜けて受光用レンズ104によって、ラインCCD103の検出素子面上に集光、結像される。
【0039】
図4は実施形態1の発光部6と受光部7より構成されるセンサユニット1における詳細構成を示す図である。図4(a)がセンサユニット1の投受光光軸方向からの正面図であり、図4(b)がその断面図である。
【0040】
図4における符号で、図3の符号と一致する部品は同一部品であり、その他、107は上フード部材、108は下フード部材である。上フード部材107と下フード部材108により、赤外フィルター106、受光用レンズ104が位置決めされ、両者で形成される隙間より光束が入射する。
【0041】
ここで、実施形態1の場合、発光部6と受光部7は、座標入力面である座標入力領域4の垂直方向に重ねた配置構成となっている。第1の再帰反射部材5は、発光部6と受光部7との間に配置され、上フード部材107上部に取り付けられている。
【0042】
図4(a)及び(b)では、図1のセンサユニット1Aの構成を示しているが、センサユニット1B〜1Dも同様である。図4(b)からわかるように、発光部6A−1、6A−2、6A−3は、投光方向に対して垂直方向且つ座標入力面に対して平行方向に等間隔の距離aを隔てて並んで配置されている。中心に配置された発光部6A−2の発光部である赤外LED101の位置は、図4(a)の補助線S1及び図4(b)の補助線S2でわかる通り、受光部7Aの基準位置である絞り105の位置と座標入力領域4に平行な平面座標系において同一位置に配置される。
【0043】
通常の指示座標検出モード時の発光モード形態としては、中心に配置された発光部6A−2のみが発光し、その両脇に配置された発光部6A−1、6A−3は発光しないように制御される。この制御は、制御・演算ユニット2Aによりなされる。この発光部6A−2からの光は、投光レンズ102により、座標入力面に略平行に制限された光束として、再帰反射部材3及び5に対して光が投光されるように構成されている。
【0044】
また、発光部6により投光された座標入力面に略平行な光束であって、面内方向に所定角度方向に投光されている光は、再帰反射部材3により光の到来方向に再帰反射される。そして、赤外フィルター106、絞り105、受光用レンズ104を経て、ラインCCD103の検出素子面上に集光、結像することになる。
【0045】
ラインCCD103の出力信号は、反射光の入射角に応じた光量分布を出力することになるので、ラインCCD103を構成する各画素の画素番号が角度情報を示すことになる。
【0046】
尚、図4に示す発光部6と受光部7の距離は、発光部6から再帰反射部材3までの距離に比べて十分に小さな値であり、距離を有していても十分な再帰反射光を受光部7で検出することが可能な構成となっている。
【0047】
以上説明したように、センサユニット1A〜1Dは、発光部6A〜6Dと、各々の発光部6A〜6Dで投光された光を各々検出する受光部7A〜7Dを有する構成である。
【0048】
以上は、一部を除き通常の指示座標検出モードを中心とする説明であるが、以後は、センサユニット1の位置情報取得モードを中心とする説明を行う。
【0049】
センサユニット1の位置情報取得モードの場合には、対向しているセンサユニット1の一方の発光部6から発光し、対向しているセンサユニット1の受光部7でその発光部6からの直接光を受光する。
【0050】
例えば、センサユニット1A(第1センサユニット)の発光部6Aで発光した光は、対抗面に配置されたセンサユニット1D(第2センサユニット)の受光部7Dで検出する。ここで、対向位置のセンサユニットとは、座標入力領域4を挟んで略対角線上に配置されたセンサユニット1Dのみならず、センサユニット1Aの発光部6Aからの投光の受光範囲であるセンサユニット1C、及び、センサユニット1Bも含むものとする。
【0051】
実施形態1においては、センサユニット1Aの投光範囲がセンサユニット1Cとセンサユニット1Dの受光範囲となる場合に関して説明を行う。以下の説明では、センサユニット1Dでの受光に関して幾何学的な位置算出アルゴリズムに関する説明を行うが、センサユニット1Cに関しても同様である。また、実施形態1では説明を行わないが、センサユニット1Aの発光部6Aの投光範囲を広げ、更にセンサユニット1Bでセンサユニット1Aからの直接光を受光する構成としても良い。また、以下のセンサユニット1Aの投光に関する説明は、センサユニット1B〜1Dの投光に関しても同様である。
【0052】
センサユニット1の位置情報取得モードの場合の発光モード形態に関し説明を行う。
【0053】
センサユニット1Aの発光部6Aから投光する場合には、センサユニット1A自体の受光部7Aは、発光部6Aからの再帰反射光を検出しないように、シャッター等を閉じて非検出の制御を行う。また、再帰反射光の検出の場合と異なり、発光部6Aからの直接光を受光する際には、受光部7DのラインCCD103の受光飽和規格を超えないように、発光部6Aの投光量を十分に抑制制御する必要がある。具体的には、センサユニット1Aの位置情報取得モードの場合、発光部6Aの赤外LED101の駆動電流のピーク電流、或いは、電流パルス幅、或いは両方を制御して、投光量を抑制する。この制御は制御・演算ユニット2Aによりなされる。
【0054】
このセンサユニット1の位置情報取得モードの場合、センサユニット1Aの発光部6Aは、中心の発光部6A−2のみならず、その両脇に等間隔の距離aを隔てて並んで配置された発光部6A−1、6A−3を加えた3個の発光部6Aで同時発光を行う。この制御も制御・演算ユニット2Aによりなされる。
【0055】
センサユニット1Aの発光部6A−1、6A−2、6A−3から発光した際のセンサユニット1Dの受光部7DのラインCCD103による受光量分布を図5に示す。発光部6A−1、6A−2、6A−3それぞれの発光に対応した受光分布が得られ、制御・演算ユニット2で処理することによりそれぞれのピーク画素d1、d2、d3が検出される。更に、このピーク画素d1、d2、d3に対応するd1とd2間、d2とd3間の角度を算出することができる。
【0056】
図6にこのセンサユニット1Aとセンサユニット1D間の発光受光の位置関係を簡略化して示す。図中、A1〜A3は、発光部6A−1、6A−2、6A−3の配置された位置を示す。A1、A2間距離、A2、A3間距離をaとする。同様に、センサユニット1Dの受光部7Dの位置をD2で示す。前述の様に、センサユニット1Dの中央に配置された発光部6D−2と受光部7Dの位置は同位置である。もちろん、中央に配置された発光部6D−2と受光部7Dの位置関係が既知であれば、演算は若干複雑になるが、必ずしも同位置である必要は無い。
【0057】
ここで、センサユニット1Aとセンサユニット1D間の直接光受光により得られる情報によって、センサユニット1Aとセンサユニット1D間の距離を算出する方法について説明する。
【0058】
今、センサユニット1Dの受光部7Dで、図5のようなピーク画素d1、d2、d3に対応するd1とd2間、d2とd3間の角度が算出されたとする。ここで、その角度を∠A1D2A2=α、∠A3D2A2=βとすると、幾何学の余弦定理により以下の関係が成り立つ。
【0059】
cosα=(A1D22 + A2D22 ‐ A1A22 )/ 2・ A1D2 ・ A2D2 (式1)
cosβ=(A3D22 + A2D22 ‐ A2A32 )/ 2・ A3D2 ・ A2D2 (式2)
また、幾何学の中線定理より、
A1D22 + A3D22 = 2 ( A1A22 + A2D22 ) (式3)
が成り立つ。
【0060】
ここで、前述の通り
A1A2 = A2A3 = a(発光部等間隔配置)
であるから、式1〜式3とセンサユニット1Dの受光部7Dでの測定値α、βより、センサユニット1Aとセンサユニット1D間の距離、A1D2、A2D2、A3D2が算出される。これらの演算処理は、制御・演算ユニット2A及び2Bにより行う。ここでは、センサユニット1Aと1Dとの位置関係に係わる情報として、センサユニット1Aと1Dとの距離にかかわる情報A1D2、A2D2、A3D2を算出する方法を用いて説明している。
【0061】
しかし、この方法以外に、センサユニット1A〜1Dを含む座標系を設定し、算出しても良い。つまり、センサユニット1Aの発光部6A−1、6A−2、6A−3、センサユニット1Dの受光部7Dの位置をそれぞれ(XA1、YA1)、(XA2、YA2)、(XA3、YA3)、(XD2、YD2)として、それぞれの座標を算出しても良い。
【0062】
次のタイミングで、このセンサユニット1Aとセンサユニット1D間の発光受光を図6の場合と逆にして行う。つまり、センサユニット1Dの発光部6D−1、6D−2、6D−3から発光した直接光をセンサユニット1Aの受光部7Aで受光する。これを図7に示す。図中、D1〜D3は、センサユニット1Dの発光部6D−1、6D−2、6D−3の配置された位置を示す。センサユニット1Aの場合と同様に、D1、D2間距離、D2、D3間距離はaで等間隔に配置されている。同様に、センサユニット1Aの受光部7Aの位置をA2で示す。これは、前述の様に、センサユニット1Aの中央に配置された発光部6A−2と受光部7Aの位置は同位置であることによる。ここで、図6の場合と同様に、センサユニット1Dからの発光に対する、センサユニット1Aの受光部7Aでの直接光受光により、1Aの受光部7Aで得られるピーク画素d1、d2、d3に対応するd1とd2間、d2とd3間の角度が算出される。その角度を∠D1A2D2=γ、∠D3A2D2=δとする。
【0063】
以下は、センサユニット1Aの場合と同様にして、センサユニット1D−センサユニット1A間距離D2A2、D1A2、D3A2が算出される。
【0064】
以上で、センサユニット中心間の距離は、図6で説明したA2D2と、図7のD2A2の2通り算出されるので、この平均値を採用することにより、より算出距離精度を高めることができる。
【0065】
更に、前述の様に、センサユニットの中心から一定距離a離れた両側の発光源(発光部6A−1及び6A−3)までの距離A1D2、A3D2、D1A2、D3A2が算出されている。この位置情報により、三角形の3辺既知により、各センサユニットのセンサユニット中心間を結ぶ線分に対する傾斜角度が算出される。
【0066】
以上と同様のセンサユニットの各受発光中心ポイント間の距離の算出を、センサユニット1Bと1C間、センサユニット1Aと1C間、センサユニット1Bと1D間において行う。これにより、まず、図8に示す様に、各センサユニットの中心点基準位置であるA2、B2、C2、D2間距離が襷がけ状態で得られ、各センサユニット間の位置関係が一意的に定まる。もちろん、更に、前述の様に、センサユニットの視野角を広げた構成とすれば、センサユニット1Aと1B間、1Cと1D間で投受光を行い、各受発光中心ポイント間の距離の算出を行ってもよい。その場合、更に、各センサユニット間の位置関係が高精度に算出される。
【0067】
更に、図9に示す様に、センサユニットの中心から一定距離a離れた両側の発光源との間の距離の算出を、センサユニット1Aと1D間の場合と同様に、センサユニット1Bと1C間、センサユニット1Aと1C間、センサユニット1Bと1D間において行う。この距離情報により、センサユニットの中心から一定距離離れた両側の発光源までの距離が算出されるので、各センサユニットのセンサユニット中心間を結ぶ線分に対する傾斜角度が算出される。
【0068】
再帰反射光と直接光とが混在することによる直接光に対応するピーク画素の検出精度低下を避けるために以上のセンサユニット1A〜1Dまでの発光及びそれに対応する受光のタイミングに関しては、センサ配置の組によりずらすように制御を行う。つまり、センサバー筐体10A及び10Bそれぞれに装着されるセンサユニット1A、1B及び1C、1Dの組ごとに交互に発光、及び、それに対応する受光を行う。
【0069】
つまり、図1のセンサユニット1及びセンサバー筐体10の組み合わせの場合には、センサユニット1Aと1Bが発光する場合には、センサユニット1Cと1Dは発光しない。センサユニット1Aと1Bの受光部7A及び7Bに対しては、前述の通り、再帰反射光を検出しないように、シャッター等を閉じて非検出の制御を行う。センサユニット1Aと1Bの受光部7A及び7Bに対しては、再帰反射光を受光しても、それに対するピーク画素の検出処理を行わないようにしてもよい。
【0070】
次のタイミングで、今度は、センサユニット1Cと1Dの発光を行い、そのタイミングでは、センサユニット1Aと1Bは発光しない。その後の処理は、同様であるので省略する。
【0071】
センサユニット1の位置情報取得モードで、各センサユニット1A〜1D間の受発光動作、及びその受光角度情報に基づく各センサユニット1A〜1D間の距離、傾斜角度の算出結果を基に、以後の通常の指示座標検出モードで指示位置の座標の算出を行う。この指示位置の座標の算出アルゴリズムに関しては、従来の技術における指示位置算出アルゴリズムによるものとする。
【0072】
以上説明したように、実施形態1によれば、ユーザーによって任意の位置に配置されたセンサユニット1A〜1Dの位置及び傾きを、特段のユーザー操作を伴わず算出できる。従って、各センサユニット1がセンサバー筐体10に装着された形態でも実質的に独立な座標入力面への着脱可能パーツとしてコンパクトな製品形態をとることが可能になる。
【0073】
つまり、センサユニット1の位置関係をセンサバー筐体10の取り付け精度に依存する必要性が無いため、センサバー筐体自体に折畳み等の収納機構を設ける自由度が増加する。センサユニット1をユーザーがセンサ間距離等の制限も無く未知の任意の位置に装着してもその後の本発明のセンサ位置自動検知により、その取得したセンサ位置情報に基づき正確な指示位置検出が可能となり、ユーザーの利便性が向上する。
【0074】
実施形態1では、光学遮光方式を前提として、かつ、2つのセンサユニット1がセンサバー筐体10により連結された構成に関して説明している。しかしながら、実施形態1は、このようなセンサバー筐体の形態に限定されるものではない。つまり、センサユニット1がそれぞれ完全に物理的に独立の形態として構成されても良い。センサユニット1を独立の形態とした場合、センサユニット1Aと1B間、センサユニット1Cと1D間に再帰反射部材3のユニットを再帰反射部材ユニットとして独立に配置してもよい。
【0075】
この再帰反射部材ユニットは、再帰反射部材3の光学特性により、多少の傾きに対しては、再帰反射特性は維持される。従って、センサユニット1に要求される設置の位置精度に比べて、再帰反射部材3のユニットの設置に位置精度は要求されない。この場合にも、実施形態1によれば、センサユニット1自体の位置は正確に算出されるので、それを基にしたその後の指示位置座標を高精度検出することができる。
【0076】
実施形態1においては、遮光光学方式を前提として説明を行っているが、例えば、センサユニット1の受光部7をカメラとすることにより、カメラ方式として再帰反射部材3を不要とする構成としてもよい。このカメラ方式の場合には、センサユニット1の独立形態によるコンパクト性、収納容易性の特徴がより生かされる。
【0077】
以上より、センサユニット1自体がユーザーにより任意の位置に配置された場合でも、そのセンサユニット1の位置関係を正確に把握できるので、その状況に基づく指示位置の高精度な座標検出が実現できる。従来、センサユニット位置の予め定められた位置に正確に装着された構成が前提の装置では、そのセンサユニットの高精度な配置のために大型化、重量化を招いていたが、本発明により、センサユニットのみの最小限での単位での装置構成が可能になる。従って、装置の軽量化、可搬性が向上するのみでなく、座標入力領域のサイズの柔軟性も同時に向上させることができ、用途の拡大に資することができる。
【0078】
<実施形態2>
実施形態1に於いては、センサユニット1の発光部6として、図4に示したような赤外LED101と、投光レンズ102により構成される点光源を複数(3個以上)用いる構成を示している。もちろん、この点光源を複数用いる構成は、前述の様に、センサユニットの位置情報取得モードのためのものとなっている。通常の指示座標検出モードの際には、中央に配置された一つの点光源のみを発光させることで、指示座標検出を達成できるものである。しかしながら、この構成では、再帰反射部材を挟んで発光部と受光部を配置するため、センサユニットの厚みがある程度必要とされる。
【0079】
そこで、実施形態2では、実施形態1の点光源(点発光)を複数用いる構成を通常の指示座標検出モードでも使用することにより、センサユニットでの再帰反射部材を不要とし、薄型を図る構成について説明する。実施形態2では、図10に示す面状発光部を用いる。
【0080】
図10(a)に示す様に、実施形態1に於いては再帰反射部材5が配置されている位置に面発光部11が設置される。この面発光部11は、実施形態1と同様に、赤外LED101と投光レンズ102に加え、投光側に光を拡散部としての拡散板201を配置する構成である。面発光部11の赤外LED101と投光レンズ102は、図10(b)に示す様に、発光部6A−1、6A−2、6A−3として、3個投光方向に対して垂直方向に等間隔の距離aを隔てて並んで配置されている。中心に配置された発光部6A−2の赤外LED101の位置は、図4(a)のS1及び図4(b)のS2で示されるように、受光部7Aの基準位置である絞り105の位置と座標入力領域4に平行な平面座標系において同一位置に配置されている。これは、実施形態1と同様である。
【0081】
拡散板201は、この赤外LED101と投光レンズ102からの座標入力面に対して水平方向の投光範囲をカバーする、つまり、直接光が出ないように十分に幅を持って配置される。あるいは、フード状に囲い込み投光開口部は拡散板201のみという構成としても良い。この拡散板201は、赤外LED101と投光レンズ102からの光線が十分に拡散され、且つ、投光量が十分となる様に曇価(ヘイズ)が設定される。同時に、点状発光部である赤外LED101と投光レンズ102からの光源の輪郭が光量分布的に十分に平準化され、拡散板201からの投光が十分に均一化されるような距離に、拡散板201を配置する。
【0082】
そして、拡散板201の拡散面において、その面が無数の点光源が連続的に座標入力面に平行方向に続いている面発光光源として機能するように、センサユニット1を構成する。このように拡散板201を配置して面発光を実現するセンサユニット1を構成する場合、対向するセンサユニット1の受光部7での受光分布は、図10(d)に示されるように、連続的で均一的な分布となる。また、この拡散板201を経て光量散乱により光量が減衰するので、モード切替により、その分発光量を増加する必要があり、赤外LED101に対する駆動電流の調整制御を制御・演算ユニット2で行う。
【0083】
この拡散板201を含むセンサユニットの面発光部11の投射範囲は、図11に示す様に、実施形態1の場合と同様に、楕円点線領域8で再帰反射部材3と対向するセンサユニット1の受光範囲で重なっている。図10(a)、(b)に示す実施形態2におけるセンサユニット1Aにおいて、絞り105の座標入力面法線方向の座標入力面寄りに赤外LED101と投光レンズ102よりなる発光部6A−4が配置される。これは、通常の指示座標検出モード時のみにこの発光部6A−4から投光し、図11の再帰反射部材3Bで再帰反射した反射光を、受光部7Aで受光するため構成である。つまり、従来の遮光方式と同様の作用を目的とする構成要素である。図11の再帰反射部材3Aに対して投光する発光部は、対向するセンサユニット1Dの発光部6D−4(不図示)である。この発光部6D−4も発光部6A−4と同様にセンサユニット1Dの絞り105の座標入力面法線方向の座標入力面寄りに配置されている。そして、図11の再帰反射部材3Aで再帰反射した反射光を、受光部7Dで受光することはセンサユニット1Aの場合と同様である。センサユニット1B、Cに関しても同様である。
【0084】
実施形態2におけるセンサユニットの構成は、センサユニットの位置情報取得モードの場合には、図10(c)に示す様に、拡散板201をスライド等して投光路から外し、実施形態1と同様にして、センサユニット1A〜1D間で相互に直接光の投受光を行う。今、拡散板201をスライド等と記載したのは、センサユニットの位置情報取得モードでは拡散板201を外す構成とする際の一つの例を示したに過ぎず、他の手段により拡散板201、更には、拡散効果を制御して良いことはいうまでも無い。そして、図10の受光分布(e)を基に角度検出を行い、前述の通りセンサ位置、傾きを算出する。
【0085】
一方、通常の指示座標検出モード時には、図10(c)に示す様に拡散板201をスライド等して投光路内に入るように設定して拡散光を面状に発光させる。この指示座標検出モードでは、センサユニット1の面発光部11の範囲では、受光分布が図10(d)の様に周囲方向に連続的な面発光分布となり、図11の楕円点線領域8A〜8Dの部分で光量分布的に連続となって再帰反射部材3の再帰反射光分布に繋がる。再帰反射部材3の再帰反射光に係わり投光を行うのは、前述の通り、センサユニット1の絞り105の座標入力面法線方向の座標入力面寄りに配置された発光部6A−4〜D−4である。
【0086】
以上は、センサユニット1Aに関して説明を行っているが、センサユニット1B〜1Dに関しても同様である。
【0087】
以上説明したように、実施形態2によれば、実施形態1で説明した効果に加えて、センサユニットの複数の光源の一部を再帰反射部材と同様の機能を果たすように面状発光する構成とする。これにより、光源としての機能と再帰反射の機能を兼ね備えることができ、結果的に、センサユニットを薄型にすることができる。
【0088】
<実施形態3>
実施形態2においては、面発光部11の拡散板201を、発光モードに応じて着脱する構成を示しているが、実施形態3として、拡散板201の着脱を行わない構成を図12に示す。ここでは、実施形態2のセンサユニットの構成の発光部6A−1、6A−2、6A−3に加え、更にその間に発光部6A−5、6A−6を配置する構成としている。発光部6A−1、6A−2、6A−3として、3個投光方向に対して垂直方向に等間隔の距離aを隔てて並んで配置されているのは、実施形態2と同様である。また、発光部6A−2の受光部7Aとの位置関係も同様である。
【0089】
拡散板201は、発光部6A−1〜3、6A−5〜6全ての投光範囲をカバーする、つまり、直接光が出ない様に十分に幅をもって配置される。拡散板201の拡散度も実施形態2と同様である。通常の指示座標検出モード時には、発光部6A−1〜3、6A−5〜6全てを点灯させる。この制御は制御・演算ユニット2によりなされる。発光部6A−1〜3、6A−5〜6全点灯の場合、受光分布が、図10(d)の様に周囲方向に連続的な面発光分布となる様に、発光部6A−1〜3、6A−5〜6それぞれの配置、拡散板201の拡散度、発光部6と拡散板201との距離が設定される。以下の通常の指示座標検出モード時の作用は、実施形態2と同様である。
【0090】
センサユニット1Aの位置情報取得モードの場合には、発光部6A−1〜3、6A−5〜6の内、発光部6A−5、6A−6は非点灯となり、発光部6A−1〜3のみ点灯なるように赤外LED101の駆動電流の制御を行う。この制御も制御・演算ユニット2によりなされる。この際、発光部6A−1〜3の間隔は、発光部6A−1〜3、6A−5〜6全点灯の場合と比べて間隔が開くので、発光部6の光軸サイド方向の投光量低下の影響が現れる。
【0091】
従って、この投光を受光する受光部7での受光量分布は横軸の画素数の間隔は増えるが、光量分布の状況としてはやはり前述の図10(e)の様にピークが出現した状態となる。この受光量分布のピークからそれに対応する角度を検出し、センサユニット1の位置検出情報を算出するアルゴリズムは、実施形態2と同様である。
【0092】
以上説明したように、実施形態3によれば、拡散板201に対して特段の物理的着脱作用を伴うことなく、電気的な制御のみでセンサユニットの位置情報取得モードと通常の指示座標検出モードで面発光部11からの投光分布を変化させることができる。従って、着脱式のセンサユニットをユーザーが任意の位置に配置した場合に、速やかにセンサユニットの位置算出とそれに引き続き通常の指示位置座標検出を行うことができる。
【0093】
尚、実施形態3では、発光部6を各センサユニット1A〜1Dに5個配置する構成を示しているが、発光部6の個数はこれに限定されることなく、これ以上の個数で構成し、発光モードによる点灯/非点灯の制御を実現しても良い。
【0094】
<実施形態4>
上述の各実施形態では、センサユニット1の位置情報取得モードと通常の指示座標検出モードに関してそれぞれの発光モード形態に係わる本発明の構成要素の意味、及び、その作用に関する説明している。この発光モードの切替は、センサユニット1に、モード切替選択部を設け、ユーザーが必要に応じて任意に切り替えても良いし、状況に応じて自動的に切り替わるモード自動切替部を設けても良い。
【0095】
また、センサユニット1を座標入力領域4の属する平面へ装着した後に電源投入した際に、センサユニット1の位置情報取得モードになるように予め設定されていてもよい。その際、センサユニット1の位置情報を取得したタイミングで自動的に通常の指示座標検出モードに切り替わっても良いし、その旨を報知する構成を設けても良い。
【0096】
上記各実施形態において、センサユニット1の位置情報取得を可能とする条件として、センサユニット1内の発光部6は、受光部7に対して相対的に既知の位置に配置されることが必須構成であると説明している。同時に、通常の指示座標検出において、より精度の良い座標検出を行うために、センサユニット1の少なくとも一つの発光部は受光部と平面座標上の位置が一致していることが求められる。
【0097】
従って、センサユニット1の少なくとも一つの発光部は受光部と平面座標上の位置が一致していれば、センサユニット1の位置情報取得のためのセンサユニットの構成条件を満たしていることになる。つまり、センサユニット1の少なくとも一つの発光部は受光部と平面座標上の位置が一致する構成にすることにより、センサユニット1の位置情報取得モードと通常の指示座標検出モードいずれでもそれぞれの発光モードに於いて十分の機能を果たすことができる。
【0098】
センサユニット1の位置情報取得には、誤検出を避けるため、座標指示が行われていない状態であることが条件となる。従って、センサユニット1の位置情報取得モードの状態に於いては、指示を行わないよう警告表示を行う表示部を設けても良い。更には、使用後一定時間後には、何らかの不可抗力によりセンサユニット1の装着位置がずれてしまうことも想定される。その場合にも、再度、本発明のセンサユニット1の位置情報取得を行えば、センサユニットのずれによる問題は解決される。従って、一定時間指示が行われていないことを検出する検出部を設け、一定時間指示が行われていないことを検出した場合、自動的にセンサユニット1の位置情報取得モードに移行する構成としても良い。
【0099】
以上説明したように、実施形態4によれば、装着後のセンサ位置のずれに対しても速やかに補正をすることができる。
【0100】
<実施形態5>
上述の各実施形態では、センサユニット1の位置情報取得のための構成として発光部を複数配置する構成を示している。実施形態5として、発光部6は単数(1個)とし、受光部7を複数(2個以上)設ける構成としても良い。この構成を、図6の場合と同様に簡略化して図13に示す。実施形態1の図6の場合と投光側と受光側が異なるが基本的な考え方は同様である。但し、受光部を複数設ける場合には、受光部7は各センサユニット1A〜1Dに最低2つ設ければ足りる。これは、以下の幾何学的な理論による。
【0101】
もちろん、この受光部7は、発光部6との位置関係が既知である必要があるが、更に望ましくは、2つの受光部7の中点に平面上の位置関係で発光部6が配置されることが、算出式が簡略化され望ましい。今、図13に示されるように、センサユニット1Aにおいて、受光部7Aが距離2aを隔てて配置され、その位置をそれぞれA1、A3とする。さらに、2つの受光部7Aの中間位置に発光部6Aが配置されその位置をA2とする。更に、投光側の対向するセンサユニット1Dも1Aと同様な位置関係で構成されており、対応する発光部6Dの位置をD2とする。
【0102】
不図示であるが、センサユニット1Dの発光部6Dからの投光に対し、対向するセンサユニット1Aの2つの受光部7Aで検出される受光分布でピーク画素を検出する。そして、それをもとに以下の角度がそれぞれ算出される。そのA1とA3の位置に配置された受光部7Aのそれぞれの受光分布から算出される角度は、それぞれ∠A3A1D2=α、∠A1A3D2=βである。幾何学の定理により以下の関係が成り立つ。
【0103】
正弦定理より
A1D2/sinβ = A3D2/sinα = 2a/sin (π−α−β)
実測値α、β及び既知aより
上記関係式を算出することにより、A1D2、A3D2が算出され、更に、この二つの値と既知の値からセンサユニット1A、1D間の距離A2D2が算出される。
【0104】
更に、実施形態1と同様に、このセンサユニット1Aとセンサユニット1D間の発光受光に於いて、図13の場合と逆に、次のタイミングで、センサユニット1AのA2に位置する発光部6A−2から発光し、センサユニット1Dの2つの受光部7で検出を行う。図13の場合と同様に、センサユニット1A、1D間の距離が算出され、ここで得られる複数の値を平均することにより、センサユニット1A、1D間の距離精度がより高まる。
【0105】
更に、センサユニット1Bと1C間、センサユニット1Aと1C間、センサユニット1Bと1D間において行い、各センサユニット間距離が襷がけ状態で得られ、更に傾きが算出される原理は、実施形態1と同様である。
【0106】
このセンサユニット1に受光部7を2つ設ける構成は、指示座標検出用の発光部6を更に2つの受光部7の真上に設ける(不図示)必要はあるが、複数座標同時入力を実現するための先行技術における複眼センサユニット構成と組み合わせることができる。更には、この複眼センサユニット構成に実施形態5と実施形態1の算出アルゴリズムを組み合わせることにより、一つのセンサユニット間距離算出に於いて、常に複数の算出値が得られ、それを平均することにより、より距離の精度を高めることができる。
【0107】
以上説明したように、実施形態5によれば、発光部と受光部との数の関係が、実施形態1と逆の場合であっても、実施形態1と同等の効果を得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座標入力領域に向けて発光する発光部と、座標入力領域への指示に伴う受光量分布の変化を検出する受光部とにより構成されるセンサユニットを用いて、指示の位置の座標を算出する座標入力装置であって、
前記座標入力領域の周囲の任意の位置に複数配置された前記センサユニットの内、第1センサユニットの前記発光部からの発光によって、前記第1センサユニットとは異なる第2センサユニットの前記受光部で検出される複数のピークを有する光量分布から算出されるピークの角度情報を用いて、前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの位置情報を算出する算出手段と、
前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの位置情報と、前記受光部で検出される前記座標入力領域への指示に伴う受光量分布の変化に基づき指示位置座標を算出する演算手段とを備え、
前記複数のセンサユニットそれぞれの前記発光部は、前記受光部に対して相対的に既知の位置に配置されている
ことを特徴とする座標入力装置。
【請求項2】
前記複数のセンサユニットそれぞれにおいて、投光方向に対して垂直方向且つ前記座標入力領域に対して平行方向に等間隔で3個以上の前記発光部が配置され、
前記算出手段は、前記第1センサユニットの3個以上の前記発光部からの発光によって、前記第2センサユニットの少なくとも1つの前記受光部で検出される複数のピークを有する光量分布から算出されるピークに対応する角度情報を用いて、前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの位置情報を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項3】
前記複数のセンサユニットそれぞれにおいて、2個以上の前記受光部が配置され、
前記算出手段は、前記第1センサユニットの1個の前記発光部からの発光によって、前記第2センサユニットの2個以上の前記受光部で検出される複数のピークを有する光量分布から算出されるピークに対応する角度情報を用いて、前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの位置情報を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項4】
前記センサユニットの少なくとも1つの前記発光部は、前記受光部と平面座標上の位置が一致し、
前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの前記位置情報を取得するための第1発光モードと、前記座標入力領域に対する前記指示位置座標を検出するための第2発光モードの2つの発光モードを有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の座標入力装置。
【請求項5】
座標入力領域の周囲の外側の四隅の任意の位置に配置された4個の前記センサユニットで形成される方形の2組の対向した辺、及び、前記4個のセンサユニットそれぞれに再帰反射部材が配置される場合、前記演算手段は、前記受光部で検出される前記座標入力領域への指示に伴う受光量分布の変化として、前記再帰反射部材による再帰反射光における遮光範囲を用いて指示位置を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項6】
前記センサユニットの複数の発光部の投光方向で、且つ投光路に光を拡散する拡散部が配置され、
前記発光部の点発光と面発光を切り替える切替手段を更に備え、
前記切替手段は、前記第1発光モードで前記点発光に切り替え、前記第2発光モードで前記面発光に切り替える
ことを特徴とする請求項4に記載の座標入力装置。
【請求項7】
座標入力領域への一定時間指示が行われていないことを検出する検出手段と、
前記検出手段が一定時間指示が行われていないことを検出したタイミングで、前記第2発光モードから前記第1発光モードへ切り替える切替手段を更に備え、
前記切替手段による切り替え後の前記第1発光モードにおいて、前記演算手段は、前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの位置情報と、前記受光部で検出される前記座標入力領域への指示に伴う受光量分布の変化に基づき指示位置座標を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の座標入力装置。
【請求項1】
座標入力領域に向けて発光する発光部と、座標入力領域への指示に伴う受光量分布の変化を検出する受光部とにより構成されるセンサユニットを用いて、指示の位置の座標を算出する座標入力装置であって、
前記座標入力領域の周囲の任意の位置に複数配置された前記センサユニットの内、第1センサユニットの前記発光部からの発光によって、前記第1センサユニットとは異なる第2センサユニットの前記受光部で検出される複数のピークを有する光量分布から算出されるピークの角度情報を用いて、前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの位置情報を算出する算出手段と、
前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの位置情報と、前記受光部で検出される前記座標入力領域への指示に伴う受光量分布の変化に基づき指示位置座標を算出する演算手段とを備え、
前記複数のセンサユニットそれぞれの前記発光部は、前記受光部に対して相対的に既知の位置に配置されている
ことを特徴とする座標入力装置。
【請求項2】
前記複数のセンサユニットそれぞれにおいて、投光方向に対して垂直方向且つ前記座標入力領域に対して平行方向に等間隔で3個以上の前記発光部が配置され、
前記算出手段は、前記第1センサユニットの3個以上の前記発光部からの発光によって、前記第2センサユニットの少なくとも1つの前記受光部で検出される複数のピークを有する光量分布から算出されるピークに対応する角度情報を用いて、前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの位置情報を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項3】
前記複数のセンサユニットそれぞれにおいて、2個以上の前記受光部が配置され、
前記算出手段は、前記第1センサユニットの1個の前記発光部からの発光によって、前記第2センサユニットの2個以上の前記受光部で検出される複数のピークを有する光量分布から算出されるピークに対応する角度情報を用いて、前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの位置情報を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項4】
前記センサユニットの少なくとも1つの前記発光部は、前記受光部と平面座標上の位置が一致し、
前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの前記位置情報を取得するための第1発光モードと、前記座標入力領域に対する前記指示位置座標を検出するための第2発光モードの2つの発光モードを有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の座標入力装置。
【請求項5】
座標入力領域の周囲の外側の四隅の任意の位置に配置された4個の前記センサユニットで形成される方形の2組の対向した辺、及び、前記4個のセンサユニットそれぞれに再帰反射部材が配置される場合、前記演算手段は、前記受光部で検出される前記座標入力領域への指示に伴う受光量分布の変化として、前記再帰反射部材による再帰反射光における遮光範囲を用いて指示位置を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項6】
前記センサユニットの複数の発光部の投光方向で、且つ投光路に光を拡散する拡散部が配置され、
前記発光部の点発光と面発光を切り替える切替手段を更に備え、
前記切替手段は、前記第1発光モードで前記点発光に切り替え、前記第2発光モードで前記面発光に切り替える
ことを特徴とする請求項4に記載の座標入力装置。
【請求項7】
座標入力領域への一定時間指示が行われていないことを検出する検出手段と、
前記検出手段が一定時間指示が行われていないことを検出したタイミングで、前記第2発光モードから前記第1発光モードへ切り替える切替手段を更に備え、
前記切替手段による切り替え後の前記第1発光モードにおいて、前記演算手段は、前記第1センサユニットと前記第2センサユニットの位置情報と、前記受光部で検出される前記座標入力領域への指示に伴う受光量分布の変化に基づき指示位置座標を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の座標入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−59228(P2012−59228A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204865(P2010−204865)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]