説明

座標検出装置及び座標検出プログラム

【課題】記憶領域の増大を抑制すると共に、座標位置を簡易に検出する座標検出装置を提供すること。
【解決手段】所定方向に対して並設された複数の電極(12、13)の静電容量をそれぞれ検出する検出部(14、15)と、検出された電極(12、13)の静電容量を記憶する記憶部(17)と、記憶された静電容量に基づいて演算処理を行う演算処理部(18)とを設け、検出部(14、15)は、複数の電極(12、13)の静電容量を所定方向の一端側から他端側へ向かって順に検出し、演算処理部(18)は、隣接する電極の静電容量変化量の比較値と、検出された電極の静電容量変化量の大きさとに基づいて、所定方向における検出対象の座標領域を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座標検出装置及び座標検出プログラムに関し、特に、画面上の操作に関する座標検出装置及び座標検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ、携帯電話端末又はPDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器において、指で接触した位置を特定することによって電子機器を操作する座標検出装置を備えるものが盛んに開発されている。
【0003】
例えば、座標検出装置を具備するデバイスとして、コンピュータに搭載されるパッド、タッチパッド或いはトラックパッドなどの名称で呼ばれるポインティングデバイス(座標入力装置)がある。このような座標入力装置は、携帯型のノート型パーソナルコンピュータに埋め込まれた形態や、デスクトップ型のコンピュータに外付けされた形態で使用される。この場合、マウスのように機器自体を移動させる必要がないことから、卓上などの限られたスペースであっても支障なく操作できるという特徴を有している。
【0004】
また、表示画面に座標検出装置が組み込まれた携帯電話端末やPDA等の携帯機器等では、表示画面(操作面)を指で直接タッチすることにより所望の操作を行うことができる。
【0005】
このような座標検出装置として、ユーザの指の接触により、電極とその周囲との間に形成される静電容量が変化することを利用したものがある。静電容量方式の座標検出装置は、一般的に、X軸方向とY軸方向に沿ってマトリクス状に配置された複数の電極と、各電極の静電容量の変化を検出する検出部を備え、複数の電極の中で静電容量の変化が大きいX軸とY軸の電極を検出することにより、ユーザが接触した位置を特定する。
【0006】
また、近年、ユーザがより直感的かつ簡単に操作をすることができるように、2本の指の接触を同時に検出し、その2本の指の位置や動作に応じて種々の操作を実行可能にする座標検出装置が提案されている。2本の指で操作面に触れる場合には、X軸方向とY軸方向それぞれにおいて静電容量の変化が大きいポイントが2箇所で発生するため、当該ポイントを検出してユーザが入力したジェスチャを判定する必要がある。この場合、ジェスチャを正確に判定するためには、複数の指が接触した領域を正確かつ簡易に検出する技術が必要となる。
【0007】
例えば、特許文献1では、複数の電極の中で静電容量の変化量の最大値と最小値を検出することによりマルチタッチを判別することが提案されている。具体的には、第1の指に対応する容量変化の最大値を検出し、次に検出された最大値に続く最小値を検出し、次に検出された最小値に続く第2の指に対応する第2の最大値を検出する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5825352号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1では、複数の電極の中から静電容量の変化量の最大値と最小値を判断するために全ての電極の全てのデータを記憶して比較する必要がある。この場合、記憶部の記憶領域を大きくしなければならなくなり、回路規模が増大するおそれがある。また、全ての電極の静電容量の変化量を記憶させて比較する場合には、複雑な演算処理が必要となる。特に、ノートパソコン、携帯端末装置等の電子機器に設けられる座標検出装置は、より一層の小型化等が求められている。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、記憶領域の増大を抑制すると共に、座標位置を簡易に検出できる座標検出装置及び座標検出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の座標検出装置は、所定方向に対して並設された複数の電極と、前記複数の電極の静電容量をそれぞれ検出する検出部と、前記検出された電極の静電容量を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された電極の静電容量に基づいて演算処理を行う演算処理部と、を備え、前記検出部は、前記複数の電極の静電容量を前記所定方向の一端側から他端側へ向かって順に検出し、前記演算処理部は、隣接する電極の静電容量変化量の比較値と、検出された電極の静電容量変化量の大きさとに基づいて、前記所定方向における検出対象の座標領域を決定することを特徴とする。この構成によれば、順に検出される電極について、隣接する電極の静電容量変化量の比較値と検出された電極の静電容量変化量を用いて検出対象が接触した座標領域を検出するため、全ての電極の静電容量を同時に記憶領域に記憶させて演算処理を行う必要がない。その結果、記憶領域の増大を抑制すると共に検出対象の座標領域を簡易に検出することが可能となる。
【0012】
また、本発明の座標検出装置において、前記演算処理部は、順に検出される前記複数の電極において、静電容量変化量の絶対値が第1の閾値より大きくなる電極、又は、該電極に対して一端側に隣接し、該電極との比較値の絶対値が第2の閾値以上となる電極を、前記座標領域における開始電極とすることができる。この構成によれば、単純な判断基準で開始電極を特定することができるため、演算処理に要する時間を短縮することができる。
【0013】
また、本発明の座標検出装置において、前記演算処理部は、前記開始電極より後に検出される電極において、検出方向に沿って順に隣接する比較元電極と比較先電極の比較値の絶対値が第2の閾値より大きく、且つ比較元電極の静電容量変化量の絶対値が比較先電極より大きくなるピーク通過電極を確認し、前記ピーク通過電極より後に検出される電極において、検出方向に沿って順に隣接する比較元電極と比較先電極の比較値の絶対値が第2の閾値より大きく、且つ比較元電極の静電容量変化量の絶対値が比較先電極より小さくなる場合の比較元電極、又は、静電容量変化量の絶対値が前記第1の閾値より小さくなる電極を、前記座標領域における終了電極とすることができる。この構成によれば、単純な判断基準で終了電極を特定することができるため、演算処理に要する時間を短縮することができる。
【0014】
また、本発明の座標検出装置において、前記検出部は、検出した電極が前記所定方向の他端の電極である場合に、検出を終了することが好ましい。
【0015】
また、本発明の座標検出装置において、前記所定方向に対して直交する直交方向に対して並設された複数の直交電極を有し、前記演算処理部は、直交方向における検出対象の座標領域を、前記所定方向における検出対象の座標領域の決定工程と同じ工程で決定し、前記所定方向における検出対象の座標領域の数と、前記直交方向における検出対象の座標領域の数とのうち、多い方の座標領域の数を検出対象が接触した領域数と判断することができる。この構成によれば、単純な判断基準で検出対象が接触した領域の数を特定することができるため、演算処理に要する時間を短縮することができる。
【0016】
また、本発明の座標検出装置において、前記演算処理部は、前記検出部で検出される電極の静電容量の値と、基準容量値とを比較して、前記電極の静電容量変化量を算出することができる。
【0017】
本発明の座標検出装置は、検出対象が接触した座標を用いて操作制御を行う座標入力装置に適用することができる。
【0018】
本発明の座標検出プログラムは、所定方向に沿って順に検出される複数の電極の静電容量変化量に基づいて、検出対象の座標領域を決定するための演算処理を実行させる座標検出プログラムであって、順に検出される前記複数の電極において、静電容量変化量の絶対値が第1の閾値より大きくなる電極、又は、該電極に対して検出方向反対側に隣接し、該電極との比較値の絶対値が第2の閾値以上となる電極を、前記座標領域における開始電極と判断する開始電極判断ルーチンと、前記開始電極より後に検出される電極において、検出方向に沿って順に隣接する比較元電極と比較先電極の比較値の絶対値が第2の閾値より大きく、且つ比較元電極の静電容量変化量の絶対値が比較先電極より大きくなるピーク通過電極を確認するピーク通過判断ルーチンと、前記ピーク通過電極より後に検出される電極において、検出方向に沿って順に隣接する比較元電極と比較先電極の比較値の絶対値が第2の閾値より大きく、且つ比較元電極の静電容量変化量の絶対値が比較先電極より小さくなる場合の比較元電極、又は、静電容量変化量の絶対値が前記第1の閾値より小さくなる電極を、前記座標領域における終了電極と判断する終了電極判断ルーチンと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、隣接する電極の静電容量変化量の比較値に基づいて、検出対象が接触した座標領域を決定するため、記憶領域の増大を抑制すると共に検出対象の座標領域を簡易に検出する座標検出装置及び座標検出プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態に係る座標検出装置のブロック図を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る座標検出装置の操作面と、操作面のX軸方向及びY軸方向の静電容量変化量を示す図である。
【図3】X軸方向における各X軸電極の静電容量変化量の一例を示す図である。
【図4】座標領域を決定するための手順を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明者は、静電容量式の座標検出装置において、全ての電極の静電容量に関する情報を同時に記憶領域に記憶させて演算処理を行うのでなく、順に検出される複数の電極において、検出された電極の静電容量変化量の大きさと隣接する電極の静電容量変化量の比較値に基づいて、検出対象が操作面に接触した領域数と座標領域を特定することを着想した。つまり、本発明の座標検出装置では、記憶領域に記憶された全ての電極の静電容量に基づいて特定の座標を検出するのでなく、隣接する電極の比較値等に基づいて、接触領域数及びピーク座標を含む座標領域を特定する。これにより、記憶領域の増大を抑制すると共に検出対象が接触する領域数と座標領域を簡易に特定するものである。
【0022】
なお、本発明の座標検出装置は、検出対象が接触した座標領域を決定した後に、必要に応じて、当該座標領域の中から静電容量変化量が最大となるピーク座標を詳細に決定することができる。この場合、ピーク座標の決定方法として様々な手法を用いた演算処理が適用できるが、演算処理を行う範囲を座標領域に限定できるため、演算処理を簡略化することができる。以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は、本実施の形態に係る座標検出装置の主要な構成を示すブロック図である。図1に示す座標検出装置10は、センサ基板11と、センサ基板11に設けられた電極(X軸電極12、Y軸電極13)と、各電極の静電容量を検出する検出部(X軸側検出部14、Y軸側検出部15)と、検出した静電容量等を記憶する記憶部17と、検出した各電極の静電容量の変化量等を用いて演算処理を行う演算処理部18とを有している。
【0024】
センサ基板11には、X軸方向(図1の横方向)の静電容量を検出するための複数のX軸電極12と、Y軸方向(図1の縦方向)の静電容量を検出するための複数のY軸電極13とがマトリクス状に並設されている。
【0025】
本実施の形態の座標検出装置10は、操作面にユーザの指等の検出対象が接触した際に変化する静電容量の変化量に基づいて接触位置を特定する方式(静電容量方式)を採用している。つまり、座標検出装置10は、検出対象が接触していない状態の電極の静電容量の値を基準として、検出対象が接触した際に変化する量(静電容量変化量)に基づいて座標領域を決定する。静電容量方式として、電極とグランド(GND)間に形成される自己容量を検出対象とする自己容量検出方式、2つの電極間に形成される相互容量を検出対象とする相互容量検出方式、基準電極と2つのセンサ電極の間に形成される相互容量の差として定義される容量を検出対象とする差動型相互容量検出方式があるが、座標検出装置10はいずれの方式を適用してもよい。なお、自己容量検出方式では、接触部分の静電容量が増加(プラス方向に変化)し、相互容量検出方式では、接触部分の静電容量が減少(マイナス方向に変化)する。図2は相互容量検出方式により検出した場合を示している。
【0026】
なお、本実施の形態の座標検出装置では、X軸電極12とY軸電極13が互いに直交して並設される場合を示しているが、電極の配置や数等は図1、図2に示した構成に限られない。また、座標検出装置の構造は、静電容量の変化を利用して座標を検出する構造であれば特定の構造に限られない。
【0027】
X軸側検出部14は、X軸方向に対して並設されたX軸電極12の静電容量を検出し、Y軸側検出部15は、Y軸方向に対して並設されたY軸電極13の静電容量を検出する。また、X軸側検出部14、Y軸側検出部15は、それぞれX軸方向、Y軸方向に沿ってX軸電極12、Y軸電極13の静電容量を順に検出することが好ましい。なお、本実施の形態の座標検出装置10では、X軸側検出部14、Y軸側検出部15において、各電極の静電容量変化量を直接検出する構成とすることができる。この場合、X軸側検出部14、Y軸側検出部15において、各電極の静電容量の値と、検出対象が接触していない状態の電極の静電容量の値(基準容量値)とを比較することにより静電容量の変化量が得られる。また、本実施の形態はこれに限られず、X軸側検出部14、Y軸検出部15で各電極の静電容量の値を検出し、得られた静電容量の値を演算処理部18等の他の回路において基準容量値と比較することにより、検出される電極の静電容量変化量を算出する構成とすることもできる。
【0028】
X軸側検出部14は、X軸方向において、一端側(図2におけるX側)から他端側(図2におけるX14側)に向かって、各X軸電極12の静電容量を順に検出することができる。なお、X軸側検出部14は、X軸電極12の静電容量を順に検出すればよく、検出順序はXからX14の方向に限定されない。また、Y軸側検出部15についても、X軸側検出部14と同様の手順で、複数のY軸電極13の静電容量を検出することができる。
【0029】
A/D(アナログ/デジタル)変換部16は、X軸側検出部14の検出信号(X軸電極12の静電容量に関するデータ))及びY軸側検出部15の検出信号(Y軸電極13の静電容量に関するデータ)をデジタル信号に変換し、演算処理部18、記憶部17に供給する。
【0030】
記憶部17は、検出された電極の静電容量を記憶するための記憶領域を有している。本実施の形態の座標検出装置10の記憶部17は、X軸電極12の静電容量の検出時に、全てのX軸電極12(ここでは、電極X〜電極X14)の静電容量を同時に記憶領域に記憶するのでなく、一部のX軸電極12(少なくとも隣接する2つのX軸電極)の静電容量を選択的に記憶する構成とすることができる。より具体的には、X軸側検出部14で順に検出されるX軸電極の静電容量と、検出される電極に隣接する電極の静電容量を保持すると共に、演算処理部18で演算処理が終了した電極の静電容量を記憶領域から順に消去していく構成とすることができる。これにより、検出された電極の静電容量を記憶するための記憶領域を小さくすることが可能となる。Y軸電極13の静電容量の記憶についても同様である。
【0031】
なお、静電容量として、上述したように各電極の静電容量の変化量を演算処理部18で算出する場合には、X軸側検出部14で検出した各電極の静電容量の値を記憶部17に記憶させる。また、X軸側検出部14で各電極の静電容量の変化量を検出する場合には、検出された静電容量の変化量を記憶部17に記憶させることができる。
【0032】
また、X軸側検出部14で検出した各電極の静電容量の値を記憶部17に記憶させる場合には、記憶領域の第1の記憶領域部に検出対象が接触していない場合の静電容量の値(基準容量値(例えば、「0」とする))を記憶させ、第2の記憶領域部に検出した電極の静電容量の値を記憶させことができる。この場合、演算処理部18において、それぞれのデータを比較することにより、検出対象の接触の有無を判断し、静電容量の変化量を算出することができる。
【0033】
なお、ここでは、X軸側検出部14、Y軸側検出部15で検出された静電容量に関する情報が、演算処理部18を介して記憶部17に供給される構成を示しているが、X軸側検出部14、Y軸側検出部15からA/D変換部16を介して記憶部17に直接情報が供給される構成としてもよい。
【0034】
演算処理部18は、記憶部17に記憶された電極の静電容量に基づく静電容量変化量を用いて演算処理を行うことにより、検出対象が接触した領域数や座標領域を決定する。具体的には、演算処理部18は、所定のX軸電極の静電容量変化量と、当該所定のX軸電極と隣接するX軸電極の静電容量変化量を比較し(差分をとり)、当該比較値及びX軸電極の静電容量変化量の大きさに基づいて、検出対象の座標領域を規定する開始電極及び終了電極等を決定する。
【0035】
また、演算処理部18は、記憶部17又は別途設けられるメモリに記憶された座標検出プログラムを利用して、座標領域の決定手順を実行する。座標検出プログラムには、準備ルーチン、開始電極判断ルーチン、ピーク通過判断ルーチン、終了電極判断ルーチン等が含まれており、演算処理部18は、座標検出プログラムにしたがって一連の手順を行うことにより、開始電極と終了電極を特定し、座標領域を決定する。
【0036】
また、演算処理部18は、X軸方向、Y軸方向において、検出対象が接触する領域数が異なって検出される場合には、多い方の検出数を検出対象が接触した領域数と判断する。例えば、操作面に対して指が2箇所で接触する際に、接触部分の2箇所がX軸方向又はY軸方向に平行に配置される場合には、X軸方向とY軸方向のうち、一方で2つの座標領域が検出され、他方で1つの座標領域しか検出されないためである。このように、単純な判断基準で検出対象が接触した領域数を特定することにより、演算処理に要する時間を短縮することができる。
【0037】
インターフェイス部19は、座標検出装置10と、他の構成を有する回路又は機器等との間でデータの授受を行うための回路である。例えば、本実施の形態の座標検出装置10が、パーソナルコンピュータのタッチパッド等のポインティングデバイス(入力装置)に適用される場合には、インターフェイス部19を介してパーソナルコンピュータの表示部に座標を出力する機器に接続することができる。また、本実施の形態の座標検出装置が、携帯電話端末やPDA等の携帯機器等の表示画面に組み込まれる場合には、インターフェイス部19を介して演算処理部18で特定された座標に応じた処理・操作を行う回路に接続することができる。このように、本実施の形態で示す座標検出装置は、種々の座標入力装置に組み込むことが可能である。
【0038】
次に、本実施の形態の座標検出装置における座標領域の決定手順について詳細に説明する。以下の説明では、図2、図3に示すように、15本のX軸電極(X〜X14)及びY軸電極(Y〜Y14)がマトリクス状に設けられた操作面に対して、2本の指が同時に接触する場合の座標領域の決定手順について説明するが、X軸電極12及びY軸電極13の数、検出可能な指の数はこれに限られない。
【0039】
また、ここでは、X軸側検出部14が、X軸方向の一端側の電極(X)から他端側の電極(X14)に向かって、各電極の静電容量を順に検出する場合を示す。なお、X軸方向とY軸方向は同様の手順を用いて座標領域を決定することができるため、以下の説明ではX軸方向の座標領域の決定について中心に説明するが、Y軸方向の座標領域の決定方法についてもX軸方向と同様に行うことができる。
【0040】
また、以下の説明では、隣接する電極同士の静電容量変化量の比較値の算出方法として、隣接する電極のうち、左側(検出方向と反対側)の電極を「比較元電極」、右側(検出方向側)の電極を「比較先電極」と定義し、比較元電極の静電容量変化量を「REF」、比較先電極の静電容量変化量を「TGT」とする。隣接する電極の比較値(Δdata)は、比較先電極の静電容量変化量と比較元電極の静電容量変化量の差分をとった値とする(Δdata=TGT−REF)。なお、REF、TGTは、電極の静電容量変化量そのものの値であってもよいし、静電容量の変化量を電流に変換して検出する場合には、静電容量の変化量に対応する電流値となる。
【0041】
また、座標領域の決定において電極の静電容量変化量が有効であることを判断するための第1の閾値をONTH、Δdataの値が指の接触であることを判断するための第2の閾値をSLOPETHと定義する。以下に、図2〜4を参照して、演算処理部18の座標領域の決定手順の一例について説明する。なお、図4は、座標領域を決定するための手順の一例を示すフローチャート図である。
【0042】
<準備ルーチン>
準備ルーチンでは、まず、比較元電極の静電容量変化量(REF)、比較先電極の静電容量変化量(TGT)、第1の閾値(ONTH)、第2の閾値(SLOPETH)等を保持するための記憶領域を記憶部17に準備する(図4のステップST11)。そして、第1の閾値(ONTH)と、第2の閾値(SLOPETH)として定数を定める(ステップST12)。ここでは、第1の閾値(ONTH)=50、第2の閾値(SLOPETH)=20と設定する場合を示す。
【0043】
なお、第1の閾値(ONTH)と、第2の閾値(SLOPETH)として所定の定数があらかじめ記憶部17に設定されており、比較元電極の静電容量変化量(REF)、比較先電極の静電容量変化量(TGT)等を保持する記憶領域があらかじめ確保されている場合には、準備ルーチンを省略してもよい。
【0044】
<開始電極判断ルーチン>
開始電極判断ルーチンでは、複数のX軸電極12の中から座標領域の開始電極を決定する。開始電極判断ルーチンにおいて、演算処理部18は、X軸側検出部14で順に検出される各X軸電極12について、隣接する電極との比較値(Δdata)を算出し、Δdataと、各電極の静電容量変化量の大きさとに基づいて、開始電極を決定する。
【0045】
例えば、演算処理部18は、順に検出される複数のX軸電極において、静電容量変化量の絶対値が第1の閾値(ONTH)より大きくなるX軸電極を開始電極として決定することができる。又は、当該第1の閾値(ONTH)より大きくなるX軸電極に対して一端側(左側)に隣接し、当該電極との比較値の絶対値が第2の閾値(SLOPETH)以上となる電極を開始電極とすることができる。
【0046】
具体的には、順に検出される複数のX軸電極において、以下の2つの条件(A)、(B)のいずれかをはじめに満たした比較元電極を座標領域の開始電極とすることができる。
【0047】
条件(A):比較元電極の静電容量変化量(REF)の絶対値が第1の閾値(ONTH)より大きくなる場合(|REF|>ONTH
条件(B):比較先電極の静電容量変化量(TGT)の絶対値が第1の閾値(ONTH)より大きくなり、且つ、比較値(Δdata)の絶対値が第2の閾値(SLOPETH)より大きくなる場合(|REF|<ONTH<|TGT|、|Δdata|>SLOPETH
【0048】
このように、順に検出される複数のX軸電極において、静電容量変化量の絶対値が第1の閾値より大きくなりはじめるX軸電極より前に検出されるX軸電極を開始電極とする(条件(B))を設けることにより、上記演算処理において仮に比較先電極がピーク電極となる場合であっても、ピーク電極の隣の電極を開始電極にできる。なお、条件(A)のみを適用する場合には、Δdataに関係なく開始電極を決定できるという効果を奏する。
【0049】
なお、条件(B)において、比較先電極のTGTの絶対値が第1の閾値(ONTH)より大きくなり、且つ、それまでに順に検出されたいずれかの電極において比較値(Δdata)の絶対値が第2の閾値(SLOPETH)より大きくなる電極があった場合には、第1の閾値(ONTH)より大きくなる場合の比較先電極と比較元電極のΔdataが第2の閾値(SLOPETH)より小さくても、当該比較元電極を座標領域の開始電極としてもよい。
【0050】
次に、X軸電極の静電容量変化量が図3に示すように検出される場合の開始電極の決定方法について具体的に説明する。
【0051】
まず、演算処理部18は、開始電極判断中であるか判断し(ステップST21)、開始電極判断中である場合には、順に検出されるX軸電極について、隣接する電極との比較値(Δdata)を算出すると共に、上記条件(A)又は(B)に該当するか判断する(ステップST22〜ST24)。
【0052】
はじめに、演算処理部18は、X(比較元電極)とX(比較先電極)の比較値(Δdata)を算出すると共に、比較先電極と比較元電極の静電容量変化量の大きさに基づいて、条件(A)、(B)に該当するか判断する。
【0053】
ここでは、REF(X)=−3、TGT(X)=−10であるため、|REF(X)|<ONTH、|TGT(X)|<ONTH、Δdata=(−10)−(−3)=−7となり、条件(A)、(B)のいずれにも該当しない。そのため、演算処理部18は、比較元電極とするX軸電極の番号I(I=0〜14)を1つ繰り上げる(X→X)(ステップST51)。そして、X(比較元電極)と、続いて検出されるXに隣接するX(比較先電極)の比較値(Δdata)を算出し、TGT、REFに基づいて、上記条件(A)又は(B)に該当するか判断する。条件(A)、(B)のいずれにも該当しない場合には、さらに比較元電極とするX軸電極の番号Iを1つ繰り上げて、比較値を算出すると共に、上記条件(A)又は(B)に該当するか判断する。
【0054】
図3Aでは、比較元電極がX、比較先電極がXの場合に、REF(X)=−40、TGT(X)=−80であるため、|REF(X)|<ONTH、|TGT(X)|>ONTH、Δdata=(−80)−(−40)=−40、つまり、|Δdata|>SLOPETHとなる。この場合、上記条件(B)を満たすため、演算処理部18は、比較元電極であるXを開始電極と判断し(ステップST25)、対応する座標を座標領域の開始座標とする。
【0055】
演算処理部18は、開始電極を判断した後、開始電極判断ルーチンを終了し(ステップST26)、続いてピーク通過判断ルーチンを行う。
【0056】
<ピーク通過判断ルーチン>
演算処理部18は、開始電極判断ルーチンで開始電極を決定した後、終了電極を判断するために、ピーク通過判断ルーチン(ステップST31〜ST33))を行う。ピーク通過判断ルーチンにおいて、演算処理部18は、開始電極と判断したX軸電極(ここでは、X)以降のX軸電極の静電容量変化量に基づいて、静電容量変化量がピーク(最大)となるX軸電極の通過を判断する。つまり、ピーク通過判断ルーチンでは、静電容量変化量がピークとなるX軸電極そのものを求めるのでなく、少なくとも静電容量変化量がピークとなるX軸電極以降のピーク通過電極を判断する。
【0057】
具体的には、隣接する電極の比較値(Δdata)が第2の閾値(SLOPETH)より大きくなる電極(Δdata>SLOPETH)、つまり、比較先電極の静電容量変化量(TGT)の絶対値が比較元電極の静電容量変化量(REF)の絶対値より小さくなり、且つ比較値(Δdata)の絶対値が第2の閾値(SLOPETH)より大きくなる電極の存在を確認する。
【0058】
図3Aでは、X(比較元電極)とX(比較先電極)の比較値(Δdata)が、Δdata=(−70)−(−95)=25となり、比較値の絶対値が第2の閾値(SLOPETH)より大きくなるため(ステップST32のYes)、Xより後に検出されるX軸電極は静電容量変化量のピークを通過していると判断する。
【0059】
演算処理部18は、ピーク通過を判断した後、ピーク通過判断ルーチンを終了し(ステップST33)、続いて終了電極判断ルーチンを行う。
【0060】
<終了電極判断ルーチン>
終了電極判断ルーチンでは、ピーク通過後に検出されるX軸電極の中から座標領域の終了電極を決定する(ステップST41〜ST45)。終了電極判断ルーチンにおいて、演算処理部18は、順に検出されるX軸電極について、隣接する電極の比較値(Δdata)を算出し、比較値と検出電極の静電容量変化量の大きさとに基づいて、終了電極を決定する。
【0061】
例えば、順に検出される複数のX軸電極において、静電容量変化量の絶対値が第1の閾値(ONTH)より小さくなるX軸電極を終了電極として決定することができる(ステップST42のYes)。又は、比較元電極と比較先電極の比較値(Δdata)が第2の閾値(SLOPETH)の負より小さくなる場合(Δdata<−SLOPETH)、つまり、比較先電極の静電容量変化量(TGT)の絶対値が比較元電極の静電容量変化量(REF)の絶対値より大きくなり、且つ比較値(Δdata)の絶対値が第2の閾値(SLOPETH)より大きくなる場合に、比較元電極を終了電極とする(ステップST43のYes)。
【0062】
図3Aでは、比較元電極がX、比較先電極がXの場合に、REF(X)=−70、TGT(X)=−91であるため、|REF(X)|>ONTH、|TGT(X)|>ONTH、Δdata=(−91)−(−70)=−21、つまり、|Δdata|>SLOPETHとなる。この場合、演算処理部18は、比較元電極であるXを終了電極と判断し(ステップST44)、対応する座標を座標領域の終了座標とする。
【0063】
以上の演算処理により、X軸電極のX〜XがX軸方向における1本目の指が接触する座標領域として決定される(図3A参照)。続いて、演算処理部18は、終了電極判断ルーチンを終了し(ステップST45)、検出する電極が残っている場合に(ステップST52のNo)、再び開始電極判断ルーチンを行う。ここでは、終了電極のXより後に検出される電極(X〜X14)について、上記と同様に、開始電極判断ルーチン、ピーク通過判断ルーチン、終了電極判断ルーチンが行われ、2本目の指が接触する座標領域が決定される(図3B参照)。
【0064】
図3Bでは、X〜X14に対する開始電極判断ルーチンにおいて、比較元電極がX、比較先電極がX10の場合に、Xの静電容量変化量(REF)の絶対値が第1の閾値(ONTH)より大きくなっており、上記条件(A)を満たす。そのため、演算処理部18は、Xを開始電極と判断する。
【0065】
次に、演算処理部18は、開始電極判断ルーチンを終了して、ピーク通過判断ルーチンを行う。ピーク通過判断ルーチンにおいて、比較元電極がX11、比較先電極がX12の場合に、比較値(Δdata)が、Δdata=(−69)−(−90)=21となり、第2の閾値(SLOPETH)より大きくなる。そのため、演算処理部18は、X11より後に検出されるX軸電極は静電容量変化量のピークを通過していると判断する。
【0066】
次に、演算処理部18は、ピーク通過判断ルーチンを終了して、終了電極判断ルーチンを行う。終了電極判断ルーチンにおいて、比較元電極がX13の場合に、REF(X13)=−35であるため、|REF(X13)|<ONTHとなる。この場合、演算処理部18は、比較元電極であるX13を終了電極と判断し、対応する座標を座標領域の終了座標とする。
【0067】
以上の演算処理により、X軸電極のX〜X13がX軸方向における2本目の指が接触する座標領域として決定される(図3B参照)。その後、演算処理部18は、終了電極判断ルーチンを終了して(ステップST45)、検出する電極が残っている場合に(ステップST52のNo)、再び開始電極判断ルーチンを行う。なお、X軸側検出部14は、検出した電極がX軸方向の他端の電極(X14)である場合に検出を終了し、演算処理部18は、比較元電極番号の総数が検出する電極数より大きくなった場合に演算を終了し、最後の電極を終了電極とする。
【0068】
以上の工程により、演算処理部18は、X軸方向において、検出対象が接触した領域数が2であり、1本目の指がX〜X、2本目の指がX〜X13の座標領域にあることを特定することができる。また、Y軸方向についても、X軸方向と同様の演算処理を行うことにより、Y軸方向における1本目の指と2本目の指の座標領域を決定する。これにより、操作面において、指が接触した位置をX軸とY軸の座標領域で特定することができる。
【0069】
本実施の形態の座標検出装置は、上記工程(開始電極判断ルーチン、ピーク通過判断ルーチン、終了電極判断ルーチン)において、順に検出される全てのX軸電極12(電極X〜電極X14)の静電容量に関する情報を同時に記憶部17の記憶領域に記憶させるのでなく、一部のX軸電極12(少なくとも、比較元電極と比較先電極の2つのX軸電極)の静電容量に関する情報を選択的に記憶すればよい。例えば、開始電極判断ルーチンにおいて、順に検出されるX軸電極の中で、開始電極と判断されなかったX軸電極の静電容量に関する情報について、演算処理部18における演算が終了した後に記憶領域から順に消去し、新たに得られるX軸電極の静電容量に関する情報を記憶させること(書き換え)ができる。
【0070】
このように、本実施の形態の座標検出装置は、各工程(開始電極判断ルーチン、ピーク通過判断ルーチン、終了電極判断ルーチン)において、単純な演算方法を用いて開始電極及び終了電極を決定することができるため、複雑な演算処理を必要とせず簡易な演算処理により座標領域を決定できる。
【0071】
なお、本実施の形態の座標検出装置は、上述した手順で座標領域を決定した後に、必要に応じて検出した座標領域の中から検出対象の接触により静電容量変化量が最大となる座標(ピーク座標)を特定してもよい。例えば、演算処理部18は、得られた座標領域に対して、重心計算法や2次曲線近似式計算法等を用いて、ピーク座標を求めることにより操作面における検出対象が接触した領域をより詳細に特定することができる。なお、この場合には、座標領域に限定して演算処理を適用することにより、ピーク座標を求めるための演算処理を簡略化することができる。
【0072】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 座標検出装置
11 センサ基板
12 X軸電極
13 Y軸電極
14 X軸側検出部
15 Y軸側検出部
16 A/D変換部
17 記憶部
18 演算処理部
19 インターフェイス部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に対して並設された複数の電極と、
前記複数の電極の静電容量をそれぞれ検出する検出部と、
前記検出された電極の静電容量を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された電極の静電容量に基づいて演算処理を行う演算処理部と、を備え、
前記検出部は、前記複数の電極の静電容量を前記所定方向の一端側から他端側へ向かって順に検出し、
前記演算処理部は、隣接する電極の静電容量変化量の比較値と、検出された電極の静電容量変化量の大きさとに基づいて、前記所定方向における検出対象の座標領域を決定することを特徴とする座標検出装置。
【請求項2】
前記演算処理部は、順に検出される前記複数の電極において、静電容量変化量の絶対値が第1の閾値より大きくなる電極、又は、該電極に対して一端側に隣接し、該電極との比較値の絶対値が第2の閾値以上となる電極を、前記座標領域における開始電極とすることを特徴とする請求項1に記載の座標検出装置。
【請求項3】
前記演算処理部は、前記開始電極より後に検出される電極において、検出方向に沿って順に隣接する比較元電極と比較先電極の比較値の絶対値が第2の閾値より大きく、且つ比較元電極の静電容量変化量の絶対値が比較先電極より大きくなるピーク通過電極を確認し、
前記ピーク通過電極より後に検出される電極において、検出方向に沿って順に隣接する比較元電極と比較先電極の比較値の絶対値が第2の閾値より大きく、且つ比較元電極の静電容量変化量の絶対値が比較先電極より小さくなる場合の比較元電極、又は、静電容量変化量の絶対値が前記第1の閾値より小さくなる電極を、前記座標領域における終了電極とすることを特徴とする請求項2に記載の座標検出装置。
【請求項4】
前記検出部は、検出した電極が前記所定方向の他端の電極である場合に、検出を終了することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の座標検出装置。
【請求項5】
前記所定方向に対して直交する直交方向に対して並設された複数の直交電極を有し、
前記演算処理部は、直交方向における検出対象の座標領域を、前記所定方向における検出対象の座標領域の決定工程と同じ工程で決定し、
前記所定方向における検出対象の座標領域の数と、前記直交方向における検出対象の座標領域の数とのうち、多い方の座標領域の数を検出対象が接触した領域数と判断することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の座標検出装置。
【請求項6】
前記演算処理部は、前記検出部で検出される電極の静電容量の値と、基準容量値とを比較して、前記電極の静電容量変化量を算出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の座標検出装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の座標検出装置を用いて座標の入力を制御する座標入力装置。
【請求項8】
所定方向に沿って順に検出される複数の電極の静電容量変化量に基づいて、検出対象の座標領域を決定するための演算処理を実行させる座標検出プログラムであって、
順に検出される前記複数の電極において、静電容量変化量の絶対値が第1の閾値より大きくなる電極、又は、該電極に対して検出方向反対側に隣接し、該電極との比較値の絶対値が第2の閾値以上となる電極を、前記座標領域における開始電極と判断する開始電極判断ルーチンと、
前記開始電極より後に検出される電極において、検出方向に沿って順に隣接する比較元電極と比較先電極の比較値の絶対値が第2の閾値より大きく、且つ比較元電極の静電容量変化量の絶対値が比較先電極より大きくなるピーク通過電極を確認するピーク通過判断ルーチンと、
前記ピーク通過電極より後に検出される電極において、検出方向に沿って順に隣接する比較元電極と比較先電極の比較値の絶対値が第2の閾値より大きく、且つ比較元電極の静電容量変化量の絶対値が比較先電極より小さくなる場合の比較元電極、又は、静電容量変化量の絶対値が前記第1の閾値より小さくなる電極を、前記座標領域における終了電極と判断する終了電極判断ルーチンと、を有することを特徴とする座標検出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−3977(P2013−3977A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136628(P2011−136628)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】