説明

廃棄トナー回収装置及びこれを搭載した画像形成装置

【課題】横方向に長く伸びる構成も可能であり、トナー取り入れ口近傍での廃棄トナーの堆積を防止して、より多くの廃棄トナーを収容できる廃棄トナー回収装置を提供する。
【解決手段】廃棄トナー回収装置60は、トナー取り入れ口61aとトナー排出口61bとが設けられた筒状部材61と、この筒状部材61の内部に設けられ、略水平な回転軸線を有し、垂直断面が楕円形状をなすローラ62と、このローラ62のトナー排出口61b側に対して回転方向下流側の筒状部材61内壁に設けられ、先端部がローラ62に当接するスクレーパ63と、筒状部材61のトナー排出口61bに取り付けられた伸縮自在な廃棄トナー回収袋64とを備える。これにより、トナー取り入れ口61aから回収した廃棄トナーTを、垂直断面が楕円形状をなすローラ62によってさらに奥へと送り込むことが可能であって、スクレーパ63の作用により逆流を防止することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体や中間転写体の表面に残留するトナーを回収する廃棄トナー回収装置に関する。また、この廃棄トナー回収装置を搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、像担持体である感光体ドラムと転写部材である転写ローラとを接触、或いは近接させて転写領域を形成し、この箇所に用紙を挿通して、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を用紙に転写させる転写方法が広く用いられている。このような転写方法では、トナー像を用紙に転写させた後に、微量のトナーが用紙に転写されずに感光体ドラム表面に残留してしまうことがある。この感光体ドラム表面の残留トナーは、次の新たな画像形成の障害となるので、クリーニング装置によるクリーニングが必要となる。
【0003】
また、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を中間転写体に一次転写し、その後中間転写体表面に転写されたトナー像を用紙に二次転写する画像形成装置においては、中間転写体表面にも、微量のトナーが用紙に転写されずに残留してしまうことがある。この中間転写体表面の残留トナーも、クリーニング装置によるクリーニングが必要となる。
【0004】
クリーニング装置に回収された廃棄トナーは、スクリュー等の搬送部材により管の中を搬送され、廃棄トナー回収装置によって回収される。廃棄トナー回収装置は、廃棄トナーを取り入れ、収容する廃棄トナー回収容器と、この回収容器まで廃棄トナーを搬送する搬送機構とを備えている。このうち、廃棄トナー回収容器は、一般的に、ABS樹脂などの合成樹脂で構成されている。これにより、廃棄トナー回収容器は、狭い箇所に収めるのが困難であったり、容器内の隅々まで廃棄トナーを行き渡らせることが困難であったりするといった問題が発生した。
【0005】
そこで、上記のような問題を解決すべく提案された廃棄トナー回収装置の一例を、特許文献1に見ることができる。特許文献1に記載されたトナー回収装置は、廃棄トナー回収容器として、伸縮自在な回収袋を備えている。
【特許文献1】特開平10−161501号公報(第3頁、図1−2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されたトナー回収装置は、伸縮自在な回収袋を備えているので、僅かな空間を活用して袋が広がり、より多くの廃棄トナーを回収することができる。しかしながら、特許文献1に記載されたトナー回収装置も含めて通常、廃棄トナーは、上方から下方へと自由落下して回収袋や回収容器へと送り込まれるので、これら回収袋や回収容器のトナー取り入れ口の下方及びその近傍に堆積し易くなる。特に、特許文献1に記載されたような伸縮自在な回収袋を用いている場合、初期の袋の膨らまし方が不十分であったり、廃棄トナーの回収とともに袋が変形したりして、トナー取り入れ口近傍のトナー流路が狭くなる可能性がある。
【0007】
このようなトナー取り入れ口近傍の廃棄トナーの堆積が進行すると、回収袋内の奥側に廃棄トナーを回収するための空きスペースがまだ十分残っていたとしても、すぐにトナー取り入れ口の箇所で廃棄トナーが詰まってしまうといった不具合が発生する。したがって、廃棄トナー回収装置の交換率が悪化し、ランニングコストが非常に高価になる恐れがあるとともに、トナー取り入れ口から廃棄トナーが溢れてしまうといった問題が発生する可能性も考えられる。
【0008】
また、このようにして、廃棄トナーを上方から下方へと自由落下させて回収袋に送り込む廃棄トナー回収装置は、必ず、トナー搬送機構の下方に回収袋が広がる構成にしなければならない。したがって、廃棄トナー回収装置を配置するに当たって、廃棄トナーを落下させ、そしてより多くのトナーを貯留するための空間を、上下方向に確保しなければならない。その結果、廃棄トナー回収装置全体の構成や、これを搭載する画像形成装置の内部構成に、設計上の大きな制約を受ける恐れがある。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、装置の構成に設計上の制約を設けることなく、例えば横方向に長く伸びる構成も可能であるとともに、トナー取り入れ口近傍に廃棄トナーが堆積するのを防止して、より多くの廃棄トナーを確実に収容することが可能な廃棄トナー回収装置を提供することを目的とする。また、このような廃棄トナー回収装置を搭載した高性能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明は、トナー取り入れ口とトナー排出口とが設けられた筒状部材と、この筒状部材の内部であってトナー排出口のトナー搬送方向上流に設けられ、略水平な回転軸線を有し、垂直断面が楕円形状をなすローラと、このローラのトナー排出口側に対して回転方向下流側の筒状部材内壁に設けられ、先端部がローラに当接するスクレーパと、筒状部材のトナー排出口に取り付けられた伸縮自在な廃棄トナー回収袋とを備えることとした。
【0011】
また、上記構成の廃棄トナー回収装置において、前記廃棄トナー回収袋が、横方向に延びる形で配置されることとした。
【0012】
また、上記構成の廃棄トナー回収装置において、前記廃棄トナー回収袋に接触する形で駆動する、廃棄トナーの凝集防止機構を備えることとした。
【0013】
また、上記構成の廃棄トナー回収装置において、前記凝集防止機構は、前記廃棄トナー回収袋に接触しながら、廃棄トナー回収袋が延びる方向に往復移動する棒状部材を備えることとした。
【0014】
また、上記構成の廃棄トナー回収装置において、前記凝集防止機構は、前記廃棄トナー回収袋に接触しながら、廃棄トナー回収袋が延びる方向に回転移動する無端状ベルト部材を備えることとした。
【0015】
また、上記構成の廃棄トナー回収装置において、前記凝集防止機構は、所定のサイクルに基づいて動作を開始することとした。
【0016】
また本発明では、上記廃棄トナー回収装置を画像形成装置に搭載することとした。
【発明の効果】
【0017】
本発明の構成によれば、トナー取り入れ口とトナー排出口とが設けられた筒状部材と、この筒状部材の内部であってトナー排出口のトナー搬送方向上流に設けられ、略水平な回転軸線を有し、垂直断面が楕円形状をなすローラと、このローラのトナー排出口側に対して回転方向下流側の筒状部材内壁に設けられ、先端部がローラに当接するスクレーパと、筒状部材のトナー排出口に取り付けられた伸縮自在な廃棄トナー回収袋とを備えることとしたので、トナー取り入れ口から回収した廃棄トナーを、垂直断面が楕円形状をなすローラによってさらに奥へと送り込むことが可能であって、スクレーパの作用により逆流を防止することもできる。これにより、廃棄トナー回収袋が初期状態からあまり膨らんでいなくても、また廃棄トナーの回収とともに袋が変形しても、廃棄トナーを袋の奥へと押し込むことができる。したがって、トナー取り入れ口近傍で廃棄トナーが堆積するという不具合を防止することが可能である。そして、ローラを利用して廃棄トナーを回収袋の奥へと送り込むので、廃棄トナー回収袋を上下方向に延びる形にして配置する必要もない。その結果、装置の構成に設計上の制約を設けることなく、トナー取り入れ口近傍に廃棄トナーが堆積するのを防止して、より多くの廃棄トナーを確実に収容することが可能な廃棄トナー回収装置を得ることができる。
【0018】
また、前記廃棄トナー回収袋が、横方向に延びる形で配置されることとしたので、廃棄トナー回収袋を配置するスペースを上下方向には確保することができないものの、横方向には十分なスペースを確保できる構成において、非常に有効である。このようにして、装置の構成に設計上の制約を設けることなく、横方向に長く伸びる構成も可能であって、トナー取り入れ口近傍に廃棄トナーが堆積するのを防止して、より多くの廃棄トナーを確実に収容することができる廃棄トナー回収装置の利用可能性を大きく広げることができる。
【0019】
また、前記廃棄トナー回収袋に接触する形で駆動する、廃棄トナーの凝集防止機構を備えることとしたので、回収袋の奥へと廃棄トナーを送り込む作用を向上させることができる。これにより、廃棄トナー回収袋内に、廃棄トナーを効率よく送り込むことが可能である。したがって、トナー取り入れ口近傍における廃棄トナーの堆積防止の効果が向上するとともに、より多くの廃棄トナーを収容することについての効果も高めることができる。
【0020】
また、前記凝集防止機構は、廃棄トナー回収袋に接触しながら、廃棄トナー回収袋が延びる方向に往復移動する棒状部材を備えることとしたので、より簡便な構成で、回収袋内の廃棄トナーを揺動させて凝集を防止することができ、回収袋の奥へと廃棄トナーを送り込む作用を向上させることができる。これにより、コストアップを抑制しながら、トナー取り入れ口近傍に廃棄トナーが堆積するのを防止して、より多くの廃棄トナーを確実に収容することが可能な廃棄トナー回収装置を得ることができる。
【0021】
また、前記凝集防止機構は、廃棄トナー回収袋に接触しながら、廃棄トナー回収袋が延びる方向に回転移動する無端状ベルト部材を備えることとしたので、廃棄トナーを、トナー取り入れ口付近に滞留させたり、トナー取り入れ口に向かって逆流させたりすることなく、確実に回収袋の奥へと送り込むことが可能である。これにより、トナー取り入れ口近傍における廃棄トナーの堆積防止作用をさらに高め、より一層多くの廃棄トナーを収容することが可能な廃棄トナー回収装置を得ることができる。
【0022】
また、前記凝集防止機構は、所定のサイクルに基づいて動作を開始することとしたので、例えば廃棄トナー回収装置の累積駆動時間や、画像形成装置における累積印刷枚数などに基づいて、断続的に凝集防止機構を駆動させることができる。これにより、廃棄トナー回収装置のランニングコストを低減させることが可能である。したがって、その利用に掛かるコストアップをできるだけ抑制しながら、廃棄トナー回収装置を作動させ、より多くの廃棄トナーを回収することができる。
【0023】
また本発明では、上記廃棄トナー回収装置を画像形成装置に搭載することとしたので、廃棄トナー回収装置の構成に設計上の制約を設けることなく、例えば横方向に長く伸びる構成も可能であるとともに、トナー取り入れ口近傍に廃棄トナーが堆積するのを防止して、より多くの廃棄トナーを確実に収容することが可能な高性能な画像形成装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図1〜図8に基づき説明する。
【0025】
最初に、本発明の第1の実施形態に係る廃棄トナー回収装置を搭載した画像形成装置について、図1及び図2を用いてその構造の概略を説明しつつ、画像出力動作を説明する。図1は画像形成装置の模型的垂直断面正面図、図2は図1に示す画像形成部周辺の垂直断面部分拡大図である。この画像形成装置は、中間転写ベルトを用いてトナー像を用紙に転写するカラー印刷タイプのものである。
【0026】
図1に示すように、画像形成装置1の本体2の内部下方には、給紙カセット3が配置されている。給紙カセット3は、その内部に、印刷前のカットペーパー等の用紙Pを積載して収容している。そして、この用紙Pは、図1において給紙カセット3の左上方に向けて、1枚ずつ分離されて送り出される。給紙カセット3は、本体2の前面側から水平に引き出すことが可能である。
【0027】
本体2の内部であって、給紙カセット3の左方には、第1用紙搬送部4が備えられている。第1用紙搬送部4は、本体2の左側面に沿って略垂直に形設されている。そして、第1用紙搬送部4は、給紙カセット3から送り出された用紙Pを受け取り、本体2の左側面に沿って垂直上方に二次転写部40まで搬送する。
【0028】
給紙カセット3の上方であって、第1用紙搬送部4が形設された本体2の左側面とは反対側の側面である右側面の箇所には、手差し給紙部5が備えられている。手差し給紙部5には、給紙カセット3に入っていないサイズの用紙Pや、厚紙、OHPシートのように1枚ずつ送り込みたいものが載置される。
【0029】
手差し給紙部5の左方には、第2用紙搬送部6が備えられている。第2用紙搬送部6は、給紙カセット3のすぐ上方にあって、手差し給紙部5から第1用紙搬送部4まで略水平に延び、第1用紙搬送部4に合流している。そして、第2用紙搬送部6は、手差し給紙部5から送り出された用紙P等を受け取り、略水平に第1用紙搬送部4まで搬送する。
【0030】
一方、画像形成装置1は、外部コンピュータ(図示せず)から原稿画像データを受信する。この画像データの情報は、第2用紙搬送部6の上方に配置された露光手段であるレーザ照射部7に送られる。レーザ照射部7により、画像データに基づいて制御されたレーザ光Lが、画像形成部20に向かって照射される。
【0031】
図1及び図2に示すように、レーザ照射部7の上方には計4台の画像形成部20が、さらにそれら各画像形成部20の上方には中間転写体を無端ベルトの形で用いた中間転写ベルト8が備えられている。中間転写ベルト8は、複数のローラに巻き掛けられて支持され、図示しない駆動装置により図2において時計方向に回転する。
【0032】
4台の画像形成部20は、図1及び図2に示すように、中間転写ベルト8の回転方向に沿って、回転方向上流側から下流側に向けて一列にして配置された所謂タンデム方式である。4台の画像形成部20とは、上流側から順に、マゼンタ用の画像形成部20M、シアン用の画像形成部20C、イエロー用の画像形成部20Y、及びブラック用の画像形成部20Bである。これらの画像形成部20には、各色に対応する現像剤供給容器及び搬送手段(図示せず)により、現像剤(トナー)が補給される。なお、以下の説明において、特に限定する必要がある場合を除き、「M」「C」「Y」「B」の識別記号は省略するものとする。
【0033】
各画像形成部20では、それぞれの感光体ドラム21表面に対して、露光手段であるレーザ照射部7によって照射されたレーザ光Lにより原稿画像の静電潜像が形成され、この静電潜像からトナー像が現像される。トナー像は、各画像形成部20の上方に備えられた一次転写部30で、中間転写ベルト8表面に一次転写される。そして、中間転写ベルト8の回転とともに、所定のタイミングで各画像形成部20のトナー像が中間転写ベルト8に転写されることにより、中間転写ベルト8表面にはマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。
【0034】
一次転写後、各画像形成部20の各感光体ドラム21表面に残留するトナーなどの付着物は、各画像形成部20に設けられた感光体ドラム21用のクリーニング装置22によってクリーニングされ、収容される。クリーニング装置22に一旦収容された廃棄トナーは、トナー排出スクリュー23により、クリーニング装置22の外部の、後述する廃棄トナー回収装置に向かって排出される。
【0035】
また、中間転写ベルト8が用紙搬送路に懸かる箇所には、二次転写ローラ41を備えた二次転写部40が配置されている。中間転写ベルト8表面に一旦担持されたカラートナー像は、第1用紙搬送部4によって同期をとって送られてきた用紙Pに、中間転写ベルト8と二次転写ローラ41とが圧接して形成される二次転写ニップ部にて転写される。
【0036】
二次転写後、中間転写ベルト8表面に残留するトナーなどの付着物は、中間転写ベルト8に対してマゼンタ用の画像形成部20Mの回転方向上流側に設けられた中間転写ベルト8用のクリーニング装置9によってクリーニングされ、収容される。
【0037】
二次転写部40の上方には、定着部10が備えられている。二次転写部40にて未定着トナー像を担持した用紙Pは、定着部10へと送られ、熱ローラと加圧ローラとによりトナー像が加熱、加圧されて定着される。
【0038】
定着部10の上方には、分岐部11が備えられている。定着部10から排出された用紙Pは、両面印刷を行わない場合、分岐部11から画像形成装置1の上部に設けられた用紙排出部12に排出される。
【0039】
分岐部11から用紙排出部12に向かって用紙Pが排出されるその排出口部分は、スイッチバック部13としての機能を果たす。両面印刷を行う場合には、このスイッチバック部13において、定着部10から排出された用紙Pの搬送方向が切り替えられる。そして、用紙Pは、分岐部11、定着部10の左方、及び二次転写部40の左方を通って下方に送られ、再度第1用紙搬送部4を経て二次転写部40へと送られる。
【0040】
次に、各画像形成部20のクリーニング装置22に収容された廃棄トナーをまとめて回収する廃棄トナー回収装置について、図2に加えて、図3を用いてその構造の詳細を説明する。図3は、廃棄トナー回収装置周辺の垂直断面正面図である。なお、図3を含めた以下の図面も同様に、白抜き矢印はトナーの搬送方向を示している。
【0041】
前述のように、図2に示す各クリーニング装置22に一旦収容された廃棄トナーは、トナー排出スクリュー23により、クリーニング装置22の外部に向かって排出される。この廃棄トナーは、図3に示すように、廃棄トナー収集機構50によって集められる。廃棄トナー収集機構50は、各クリーニング装置22と、廃棄トナー回収装置60との間に設けられている。なお、廃棄トナー収集機構50及び廃棄トナー回収装置60は、画像形成装置1の本体2の、正面側に配置されている。
【0042】
廃棄トナー収集機構50は、4本の収集管51と、連通管52と、搬送スパイラル53と、モータ54と、吐出管55とを備えている。
【0043】
4本の収集管51は4箇所の各クリーニング装置22に接続し、この中を通して廃棄トナーが集められる。なお、収集管51の内部には、トナー排出スクリュー23が配置されている。そして、4本の収集管51は、トナー搬送方向下流端で1本の連通管52に連結している。これにより、各クリーニング装置22から排出された廃棄トナーは、連通管52に集められる。
【0044】
連通管52は画像形成装置1の横方向に向かって延び、その内部には、連通管52が延びる方向に沿って、モータ54に連結された搬送スパイラル53が配置されている。モータ54を駆動して搬送スパイラル53を回転させると、連通管52内部の廃棄トナーを、連通管52の一端、すなわち図3において左方に搬送することができる。連通管52の左端近傍には、吐出管55が連結されている。吐出管55は、連通管52の下側から下方に向かって延び、連通管52内部を搬送された廃棄トナーは、この箇所において下方に自由落下し、吐出される。
【0045】
廃棄トナー回収装置60は、上記構成の廃棄トナー収集機構50の吐出管55に接続され、この吐出管55から廃棄トナーを取り入れる。廃棄トナー回収装置60は、筒状部材61と、ローラ62と、スクレーパ63と、廃棄トナー回収袋64とを備えている。
【0046】
筒状部材61は、正面から見た垂直断面がL字形をなす角型筒である。筒状部材61の、そのL字形に湾曲した部分の下部内壁は、後述するローラ62の周面に沿うように滑らかな曲面になっている。このような形状の筒状部材61は、上部に上方を向く形のトナー取り入れ口61aを備え、下部に横方向、すなわち図3において右方を向く形のトナー排出口61bを備えている。画像形成装置1のクリーニング装置22で回収された廃棄トナーTは、筒状部材61のトナー取り入れ口61aに投入され、トナー排出口61bから排出される。
【0047】
ローラ62は、筒状部材61の内部であって、トナー排出口61bのトナー搬送方向上流に設けられている。ローラ62は、略水平であってトナー搬送方向と直角をなす回転軸線を有し、すなわち図3の紙面奥行き方向に延び、軸線方向から見た垂直断面が楕円形状をなしている。この垂直断面が楕円形状のローラ62は、筒状部材61の内部において、その軸線を中心として回転可能な大きさをなしている。そして、ローラ62は、図示しないモータにより、図3において反時計方向に回転せしめられる。
【0048】
スクレーパ63は、ローラ62の、トナー排出口61b側に対して回転方向下流側の筒状部材61内壁、すなわち図3においてローラ62の上方の筒状部材61内壁に設けられている。スクレーパ63は、フィルム状の部材であって、ローラ62と略同じ軸線方向長さを有し、下方のローラ62に向かって延びている。スクレーパ63は、その先端部が、ローラ62のトナー搬送方向下流側に位置し、やや湾曲した形態となって圧接状態でローラ62に当接している。
【0049】
廃棄トナー回収袋64は、筒状部材61のトナー排出口61bに取り付けられている。廃棄トナー回収袋64は、合成樹脂、若しくはアルミ蒸着の伸縮自在な袋であって、廃棄トナーTが収容され、一杯になると直方体形状になり得る。そして、廃棄トナー回収袋64は、図示しないフレームなどの上に載置され、横方向に延びる形で配置されている。
【0050】
続いて、廃棄トナー回収装置60による廃棄トナーTの回収動作について、図3に加えて、図4及び図5を用いて説明する。図4は図3と同様の廃棄トナー回収装置の垂直断面正面図にして、図3の状態からさらにローラを回転させた状態を示すもの、図5は図4と同様の廃棄トナー回収装置の垂直断面正面図にして、図4の状態からさらにローラを回転させた状態を示すものである。
【0051】
廃棄トナーTは、図3に示すように、上方から筒状部材61のトナー取り入れ口61aに投入される。そして、この筒状部材61に投入された廃棄トナーTは、ローラ62の周面を伝って落下し、ローラ62と筒状部材61内壁との間に、特にローラ62の短軸の部分に、その多くが貯留される。
【0052】
ここで、垂直断面が楕円形状のローラ62は、前述のように、筒状部材61の内部において、その軸線を中心として回転可能な大きさをなしている。これにより、ローラ62が回転するとき、図3〜図5に示すように筒状部材61の下部において、ローラ62の長軸における周面の箇所が、筒状部材61内壁の滑らかに湾曲した曲面の箇所に最も接近しながら回転移動する。
【0053】
このようなローラ62の長軸の部分は、ローラ62を図3の状態から図4、さらに図5の状態にまで回転させると、そのトナー排出口61b側であって短軸の部分に貯留された廃棄トナーTを掻くようにして廃棄トナー回収袋64のほうへと移動させる。
【0054】
引き続きローラ62が回転すると、ローラ62の長軸の部分が、短軸の部分に貯留された廃棄トナーTを掻くようにして廃棄トナー回収袋64のほうへと移動させる動作が繰り返し実行される。
【0055】
一方、ローラ62の上方には、前述のように、スクレーパ63が設けられている。スクレーパ63は、その先端部がローラ62に圧接状態で当接しているので、ローラ62表面に付着した廃棄トナーTを掻き取ることができる。さらに、スクレーパ63は、ローラ62の上部にまで廃棄トナーTが充満してきた場合、ローラ62の回転に従ってその先端が揺動することにより、廃棄トナーTを廃棄トナー回収袋64のほうへと押し込むことができる。
【0056】
上記のようにして、廃棄トナー回収装置60が、トナー取り入れ口61aとトナー排出口61bとが設けられた筒状部材61と、この筒状部材61の内部であってトナー排出口61bのトナー搬送方向上流に設けられ、略水平な回転軸線を有し、垂直断面が楕円形状をなすローラ62と、このローラ62のトナー排出口61b側に対して回転方向下流側の筒状部材61内壁に設けられ、先端部がローラ62に当接するスクレーパ63と、筒状部材61のトナー排出口61bに取り付けられた伸縮自在な廃棄トナー回収袋64とを備えているので、トナー取り入れ口61aから回収した廃棄トナーTを、垂直断面が楕円形状をなすローラ62によってさらに奥へと送り込むことが可能であって、スクレーパ63の作用により逆流を防止することもできる。これにより、廃棄トナー回収袋64が初期状態からあまり膨らんでいなくても、また廃棄トナーTの回収とともに袋が変形しても、廃棄トナーTを袋の奥へと押し込むことができる。したがって、トナー取り入れ口61a近傍で廃棄トナーTが堆積するという不具合を防止することが可能である。そして、ローラ62を利用して廃棄トナーTを廃棄トナー回収袋64の奥へと送り込むので、回収袋を上下方向に延びる形にして配置する必要もない。その結果、装置の構成に設計上の制約を設けることなく、トナー取り入れ口61a近傍に廃棄トナーTが堆積するのを防止して、より多くの廃棄トナーTを確実に収容することが可能な高性能な廃棄トナー回収装置60を得ることができる。
【0057】
また、廃棄トナー回収袋64が、横方向に延びる形で配置されているので、廃棄トナー回収袋64を配置するスペースを上下方向には確保することができないものの、横方向には十分なスペースを確保できる構成において、非常に有効である。このようにして、装置の構成に設計上の制約を設けることなく、横方向に長く伸びる構成も可能であって、トナー取り入れ口61a近傍に廃棄トナーTが堆積するのを防止して、より多くの廃棄トナーTを確実に収容することができる廃棄トナー回収装置60の利用可能性を大きく広げることができる。
【0058】
そして、廃棄トナー回収装置60を画像形成装置1に搭載したので、廃棄トナー回収装置60の構成に設計上の制約を設けることなく、例えば横方向に長く伸びる構成も可能であるとともに、トナー取り入れ口61a近傍に廃棄トナーが堆積するのを防止して、より多くの廃棄トナーを確実に収容することが可能な高性能な画像形成装置1を得ることができる。
【0059】
次に、本発明の第2の実施形態に係る廃棄トナー回収装置について、図6及び図7を用いてその構造を説明する。図6は廃棄トナー回収装置の垂直断面正面図、図7は図6と同様の廃棄トナー回収装置の垂直断面正面図にして、廃棄トナーの凝集防止機構を作動させた状態を示すものである。なお、この実施形態の基本的な構成は、図1〜図5を用いて説明した前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、説明は省略するものとする。
【0060】
第2の実施形態に係る廃棄トナー回収装置60は、図6に示すように、筒状部材61及び廃棄トナー回収袋64の下方に、廃棄トナーTの凝集防止機構70を備えている。この凝集防止機構70は、棒状部材71と、ワイヤ72と、2本の駆動ローラ73とを備えている。
【0061】
棒状部材71は、略水平であってトナー搬送方向と直角をなす回転軸線を有し、図6の紙面奥行き方向に延びている。そして、棒状部材71は、廃棄トナー回収袋64に下方から接触する形で配置されている。なお、棒状部材71は、図示しないスライド機構により、廃棄トナー回収袋64が延びる方向、すなわち図6において左右方向にのみ移動できるようになっている。
【0062】
ワイヤ72は、棒状部材71の両端に1本ずつ備えられている。そして、ワイヤ72は、少なくとも1周、棒状部材71の周面に巻き掛けられ、その両端が棒状部材71の上部から廃棄トナー回収袋64が延びる方向、すなわち図6の左右方向に延びている。
【0063】
駆動ローラ73は、筒状部材61の下方、及び廃棄トナー回収袋64の先端部下方の2箇所に配置されている。駆動ローラ73も棒状部材71と同様に、略水平であってトナー搬送方向と直角をなす回転軸線を有し、図6の紙面奥行き方向に延びている。そして、駆動ローラ73には、各々、ワイヤ72の端部が接続されている。さらに、2本の駆動ローラ73は、図示しないモータと駆動機構に連結され、同時に同じ方向に同じ速さで回転駆動するようになっている。
【0064】
上記構成の凝集防止機構70について、図6において、2本の駆動ローラ73を時計方向に回転させ、左方の駆動ローラ73からワイヤ72を繰り出し、右方の駆動ローラ73がワイヤ72を巻き取るように駆動させると、棒状部材71が、これに巻き掛けられたワイヤ72の移動に従って時計方向に回転しながら、トナー搬送方向、すなわち右方に移動する。
【0065】
これにより、廃棄トナー回収袋64内の廃棄トナーTを上下に揺動させ、凝集を防止することができ、図7に示すように、回収袋の奥へと送り込み易くなる。
【0066】
なお、図6及び図7において、2本の駆動ローラ73を反時計方向に回転させると、棒状部材71は左方に移動する。このときも、下方から廃棄トナー回収袋64内の廃棄トナーTを上下に揺動させるので、その凝集を防止することができる。
【0067】
このようにして、廃棄トナー回収袋64に接触する形で駆動する、廃棄トナーTの凝集防止機構70を備えているので、回収袋の奥へと廃棄トナーを送り込む作用を向上させることができる。これにより、廃棄トナー回収袋64内に、廃棄トナーTを効率よく送り込むことが可能である。したがって、トナー取り入れ口61a近傍における廃棄トナーTの堆積防止の効果が向上するとともに、より多くの廃棄トナーTを収容することについての効果も高めることができる。
【0068】
また、凝集防止機構70は、廃棄トナー回収袋64に接触しながら、廃棄トナー回収袋64が延びる方向に往復移動する棒状部材71を備えているので、より簡便な構成で、回収袋内の廃棄トナーTを揺動させて凝集を防止することができ、回収袋の奥へと廃棄トナーTを送り込む作用を向上させることができる。これにより、コストアップを抑制しながら、トナー取り入れ口61a近傍に廃棄トナーTが堆積するのを防止して、より多くの廃棄トナーTを確実に収容することが可能な廃棄トナー回収装置60を得ることができる。
【0069】
次に、本発明の第3の実施形態に係る廃棄トナー回収装置について、図8を用いてその構造を説明する。図8は、廃棄トナー回収装置の垂直断面正面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は、図1〜図5を用いて説明した前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、説明は省略するものとする。
【0070】
第3の実施形態に係る廃棄トナー回収装置60は、図8に示すように、筒状部材61及び廃棄トナー回収袋64の下方に、廃棄トナーTの凝集防止機構70を備えている。この凝集防止機構70は、ベルト74と、駆動ローラ75と、従動ローラ76とを備えている。
【0071】
ベルト74は、無端状のベルト部材であって、廃棄トナー回収袋64が延びる方向、すなわち図8の左右方向に延び、略水平にして設けられている。そして、ベルト74は、廃棄トナー回収袋64に下方から接触する形で配置されている。ベルト74の表面には、外側に向かって突出する突起74aが複数設けられている。
【0072】
また、ベルト74は、駆動ローラ75及び従動ローラ76に巻き掛けられている。駆動ローラ75が図示しないモータに連結され、ベルト74は、駆動ローラ75を介して、図8において時計方向に回転せしめられる。
【0073】
上記構成の凝集防止機構70を駆動させると、ベルト74の上面が、廃棄トナー回収袋64の下部に接触しながら回転する。このとき、ベルト74の回転に従って、その表面に設けられた突起74aも、廃棄トナー回収袋64の下部に接触しながらトナー搬送方向、すなわち図8において右方に移動する。
【0074】
これにより、廃棄トナー回収袋64内の廃棄トナーTを上下に揺動させ、凝集を防止することができ、さらにこれに加えて回収袋の奥へと送り込み易くすることが可能である。
【0075】
このようにして、凝集防止機構70は、廃棄トナー回収袋64に接触しながら、廃棄トナー回収袋64が延びる方向に回転移動する無端状ベルト部材であるベルト74を備えているので、廃棄トナーTを、トナー取り入れ口61a付近に滞留させたり、トナー取り入れ口61aに向かって逆流させたりすることなく、確実に回収袋の奥へと送り込むことが可能である。これにより、トナー取り入れ口61a近傍における廃棄トナーTの堆積防止作用をさらに高め、より一層多くの廃棄トナーTを収容することが可能な廃棄トナー回収装置60を得ることができる。
【0076】
なお、上記第2の実施形態、及び第3の実施形態で説明した廃棄トナー回収装置60の廃棄トナーTの凝集防止機構70は、所定のサイクルに基づいて動作を開始する。これにより、例えば廃棄トナー回収装置60の累積駆動時間や、画像形成装置1における累積印刷枚数などに基づいて、断続的に凝集防止機構70を駆動させることができる。その結果、廃棄トナー回収装置60のランニングコストを低減させることが可能である。したがって、その利用に掛かるコストアップをできるだけ抑制しながら、廃棄トナー回収装置60を作動させ、より多くの廃棄トナーTを回収することができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0078】
例えば、本発明の実施形態においては、画像形成装置1を、中間転写ベルト8を用いて複数色のトナー像を用紙Pに転写するカラー印刷タイプのものとしたが、画像形成装置の種類はこれに限定されるものではなく、中間転写ベルトを用いない機種や、モノクロ印刷用の機種であっても構わない。
【0079】
また、上記実施形態において廃棄トナー回収装置60は、廃棄トナー収集機構50を介して、感光体ドラム21用の4箇所のクリーニング装置22から廃棄トナーを回収することとしているが、さらに中間転写ベルト8用のクリーニング装置9から廃棄トナーを回収することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、廃棄トナー回収装置全般において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る廃棄トナー回収装置を搭載した画像形成装置の模型的垂直断面正面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の画像形成部周辺の垂直断面部分拡大図である。
【図3】廃棄トナー回収装置周辺の垂直断面正面図である。
【図4】図3と同様の廃棄トナー回収装置の垂直断面正面図にして、図3の状態からさらにローラを回転させた状態を示すものである。
【図5】図4と同様の廃棄トナー回収装置の垂直断面正面図にして、図4の状態からさらにローラを回転させた状態を示すものである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る廃棄トナー回収装置の垂直断面正面図である。
【図7】図6と同様の廃棄トナー回収装置の垂直断面正面図にして、廃棄トナーの凝集防止機構を作動させた状態を示すものである。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る廃棄トナー回収装置の垂直断面正面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 画像形成装置
20 画像形成部
21 感光体ドラム
22 クリーニング装置
60 廃棄トナー回収装置
61 筒状部材
61a トナー取り入れ口
61b トナー排出口
62 ローラ
63 スクレーパ
64 廃棄トナー回収袋
70 凝集防止機構
71 棒状部材
74 ベルト(無端状ベルト部材)
T 廃棄トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー取り入れ口とトナー排出口とが設けられた筒状部材と、この筒状部材の内部であってトナー排出口のトナー搬送方向上流に設けられ、略水平な回転軸線を有し、垂直断面が楕円形状をなすローラと、このローラのトナー排出口側に対して回転方向下流側の筒状部材内壁に設けられ、先端部がローラに当接するスクレーパと、筒状部材のトナー排出口に取り付けられた伸縮自在な廃棄トナー回収袋とを備えることを特徴とする廃棄トナー回収装置。
【請求項2】
前記廃棄トナー回収袋が、横方向に延びる形で配置されることを特徴とする請求項1に記載の廃棄トナー回収装置。
【請求項3】
前記廃棄トナー回収袋に接触する形で駆動する、廃棄トナーの凝集防止機構を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の廃棄トナー回収装置。
【請求項4】
前記凝集防止機構は、前記廃棄トナー回収袋に接触しながら、廃棄トナー回収袋が延びる方向に往復移動する棒状部材を備えることを特徴とする請求項3に記載の廃棄トナー回収装置。
【請求項5】
前記凝集防止機構は、前記廃棄トナー回収袋に接触しながら、廃棄トナー回収袋が延びる方向に回転移動する無端状ベルト部材を備えることを特徴とする請求項3に記載の廃棄トナー回収装置。
【請求項6】
前記凝集防止機構は、所定のサイクルに基づいて動作を開始することを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の廃棄トナー回収装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の廃棄トナー回収装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−3181(P2009−3181A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−164110(P2007−164110)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】