説明

廃棄物処理機

【解決手段】焼却炉1内の焼却室2において、廃棄物が燃焼する加熱床3を設けるとともに、加熱床3の上方には、焼却室2に連通する排気管22と、廃棄物の燃焼により生じる熱風が上昇する熱風筒6と、熱風筒6の外側に隣接する廃棄物通路19とを設けている。熱風筒6には複数の熱風排出孔11を設けている。熱風筒6内には加熱床3から熱風が開口6aを経て上昇する螺旋通路10を設けて螺旋通路10に各熱風排出孔11を連通している。廃棄物投入口18から焼却室2に供給された廃棄物が廃棄物通路19を通過して加熱床3に至る際に、熱風筒6の各熱風排出孔11から廃棄物通路19に排出された熱風により、廃棄物通路19を通過する廃棄物を乾燥する。
【効果】熱風筒6の熱風排出孔11からの熱風により、廃棄物通路19を通過する廃棄物を予め乾燥して、水分率の高い廃棄物や高温でないと処理できないものを効率良く処理することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は焼却炉を備えた廃棄物処理機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の廃棄物処理機としては、廃棄物を高温で焼却して減量することができる一般的焼却炉(例えば特許文献1)や、酸化還元反応により廃棄物を低温で焼却して減量することができる低温焼却炉(例えば特許文献2)や、酵素や微生物を含有する処理剤を混合する廃棄物または混合しない廃棄物を羽根により攪拌するとともに乾燥して減量することができる生ゴミ処理機(例えば特許文献3)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−141914号公報
【特許文献2】特開2008−64324号公報
【特許文献3】特開2001−17946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の一般的焼却炉では、水分率の高い廃棄物を処理する際、ダイオキシンなどの化学物質の発生を抑えるように800℃以上で燃焼させるとともに水分を減少させるために、石油やガスや電気などによる膨大な熱エネルギーを要したり、処理面積を広げて大型化したり、水分率を低くする前処理を施したりする必要があり、水分率の高い廃棄物の処理に適していない。上記の低温焼却炉では、水分率が40%以上の廃棄物を大量に入れることにより火力が落ちて処理できなくなる欠点があるため、同じく水分率の高い廃棄物の処理に適していない。上記の生ゴミ処理機では、水分率の高い廃棄物でも処理できる反面、焼却炉であれば処理可能なビニールや木やペットボトルや発泡スチロールや布などの廃棄物を処理できないし、みそやチーズやご飯や汚泥などを処理しようとすると、餅状に固まって処理の継続が不可能となる。
【0005】
この発明は、水分率の高い廃棄物や高温でないと処理できないものを効率良く処理することができる焼却炉を備えた廃棄物処理機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
後記実施形態の図面(図1に示す実施形態)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明にかかる廃棄物処理機は、下記のように構成されている。
焼却炉1内の焼却室2において、廃棄物が燃焼する加熱床3を設けるとともに、その加熱床3の上方には、焼却室2に連通する排気管22と、その廃棄物の燃焼により生じる熱風が上昇する熱風筒6と、その熱風筒6の外側に隣接する廃棄物通路19とを設けている。この熱風筒6内には加熱床3から熱風が開口6aを経て上昇する渦流発生手段10を設けるとともに、この熱風筒6にはこの渦流発生手段10に連通する複数の熱風排出孔11を設けている。この熱風筒6の開口6aには磁気空気を供給する磁気空気導入管12を接続し、その磁気空気導入管12には磁気空気の供給及び停止を行って供給空気量を変更し得る開閉弁15を設けている。この加熱床3で廃棄物が一次燃焼して発生した熱風が開口6aを経て熱風筒6内の渦流発生手段10に上昇する際に、その熱風により廃棄物が一次燃焼より高温で二次燃焼する。焼却炉1に設けた廃棄物投入口18から焼却室2に供給された廃棄物がこの廃棄物通路19を通過して加熱床3に至る際に、熱風筒6の各熱風排出孔11から廃棄物通路19に排出された熱風により、廃棄物通路19を通過する廃棄物を乾燥する。例えば、前記熱風筒6は、加熱床3から熱風が上昇する開口6aの外周から上方へ延びる周壁7と、この開口6aに対し上下方向で対向する端壁8とを有し、前記廃棄物通路19はこの周壁7の全体に面している。また、例えば、前記熱風排出孔11は、この周壁7と端壁8とのうち、少なくとも周壁7に設けられている。
【0007】
請求項1の発明では、熱風筒6の熱風排出孔11からの熱風により、廃棄物通路19を通過する廃棄物を予め乾燥して、水分率の高い廃棄物を効率良く処理することができる。また、渦流発生手段10により強い空気の流れを生じさせて熱風筒6内で400〜1000℃の熱風を発生させ、700℃以上で焼却し易くなり、高温でないと処理できないものも処理することができる。さらに、磁気空気導入管12からの磁気空気の供給及び停止を行って供給空気量を変更し得る開閉弁15を操作して燃焼効率を高めることができる。
【0008】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明において、前記渦流発生手段は螺旋通路10である。請求項2の発明では、螺旋通路10により渦流を容易に発生させることができる。
【0009】
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項3の発明において、前記加熱床3には磁気空気を供給する磁気空気導入管13を接続し、その磁気空気導入管13には磁気空気の供給及び停止を行って供給空気量を変更し得る開閉弁15を設けている。請求項3の発明では、熱風筒6の開口6aに磁気空気を供給する磁気空気導入管12及び開閉弁15と、加熱床3に磁気空気を供給する磁気空気導入管13及び開閉弁15とを、処理する廃棄物に応じて互いに使い分けて燃焼効率を高めることができる。
【0010】
請求項1または請求項2または請求項3の発明を前提とする請求項4の発明にかかる焼却炉1において、焼却室2に対し連通する水分導入路21aを有する水分除去室21を設け、この水分除去室21に設けた水分導出路20aから水分を排出する。例えば、この水分除去室21には空気導入路21bを設けている。請求項4の発明では、水分率の高い廃棄物をより一層効率良く処理することができる。
【0011】
次に、請求項以外の技術的思想について実施形態の図面の符号を援用して説明する。
請求項1から請求項4のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする第5の発明においては、浄化触媒材を含んで、通路断面積が互いに異なる多数の気孔により三次元網目構造をなす気孔群を有し、その気孔群における各気孔を表面に露出させて開放した浄化触媒塊25aを、多数収容して、各浄化触媒塊25a間に多数の通路を生じさせた消臭消煙体25を、前記排気管22に設置し、その排気管22にはこの消臭消煙体25に対する入口側で磁気空気供給管26を接続している。第5の発明では、炭化水素を主成分とするコールタールや木タールや石油タールなどの油状物質を除去することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる廃棄物処理機の焼却炉1は、水分率の高い廃棄物や高温でないと処理できないものを効率良く処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態にかかる廃棄物処理機の焼却炉を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態にかかる廃棄物処理機について図1を参照して説明する。
焼却炉1は、底壁1aと周壁1bと天壁1cとにより円筒や角筒などの筒状をなし、それらの壁1a,1b,1cで囲まれた焼却室2を有している。この焼却炉1内の焼却室2の底部においては、廃棄物が燃焼するすり鉢状の加熱床3が設けられ、この加熱床3の底棚3aの下方でその底棚3aから落下した灰を回収する灰箱4とこの灰箱4から灰を取り出す灰排出口5とが設けられている。
【0015】
前記加熱床3の上方で焼却室2には加熱床3で燃焼した廃棄物から生じる熱風が上昇する熱風筒6が設けられている。この熱風筒6は、加熱床3から熱風が上昇する開口6aの外周から上方へ延びる円筒や角筒などの筒状の周壁7と、この開口6aに対し上下方向で対向する円錐や角錐などの錐状の端壁8とを有している。なお、この熱風筒6の周壁7の外径は前記焼却炉1の周壁1bの内径よりも狭くなっている。この開口6aと加熱床3との間の加熱空間は外周へ開放されている。この熱風筒6の周壁7の内周には誘導板9が開口6aから端壁8に向けて上下方向へ螺旋状に設けられ、熱風が開口6aを経て端壁8まで案内される螺旋通路10(渦流発生手段)がこの誘導板9により設けられている。なお、この螺旋通路10の断面積はこの周壁7の断面積よりも狭くなっている。この熱風筒6の周壁7にはこの螺旋通路10に連通する多数の熱風排出孔11が開口6aから端壁8にわたり周方向全体に配設されている。この端壁8にもこの螺旋通路10に連通する多数の熱風排出孔11が配設されている。ちなみに、熱風筒6の開口6aにおける廃棄物の二次燃焼温度(400〜1000℃)は、加熱床3における廃棄物の一次燃焼温度(300〜400℃)より高くなる。
【0016】
前記熱風筒6の開口6aと加熱床3の底棚3aの下方とには、それぞれ、複数の磁気空気導入管12,13が挿入されて焼却炉1の周壁1bの周方向へ並設されている。これらの磁気空気導入管12,13においては、ファン14や開閉弁15を介して開口6aや底棚3aに供給される空気に永久磁石16により強力な磁気を発生させることができ、ファン14や開閉弁15などの調節により供給空気量を変更することができる。また、加熱床3の底棚3aの下方には底棚3a上の廃棄物にバーナなどにより点火する火口管17が挿入されている。
【0017】
前記焼却炉1の天壁1cには熱風筒6の上方で廃棄物投入口18が設けられている。この廃棄物投入口18は、煙や臭いの漏れを防止するために、開閉可能な外蓋18aと内蓋18bとによる二重構造をなし、その外蓋18aと内蓋18bとの間にはビニールなどの張り付きを防止するためにテフロン(登録商標)により処理された収容室18cを有している。この熱風筒6の端壁8と天壁1c及び廃棄物投入口18との間と、この熱風筒6の周壁7の外周全体と焼却炉1の周壁1bの内周全体との間には、廃棄物投入口18から焼却室2に供給された廃棄物が通過して加熱床3に至る廃棄物通路19が熱風筒6の外側に隣接して設けられている。前記熱風筒6の各熱風排出孔11はこの廃棄物通路19にも連通している。前記熱風筒6の螺旋通路10を通って各熱風排出孔11から廃棄物通路19に排出された熱風は、廃棄物通路19を通過する廃棄物を乾燥する。
【0018】
前記焼却炉1の天壁1cの下方においては、前記熱風筒6及び廃棄物通路19の上方で、外周に樋20aを有する屋根20が設けられているとともに、この屋根20の上方に天壁1cとの間で水分除去室21が設けられ、焼却室2に連通して水分除去室21に水分含有排気を導入する複数の導入路21aと、水分除去室21に空気を導入する複数の空気導入路21bとが設けられている。また、この焼却炉1の天壁1cには水分除去室21で排気管22が接続され、この排気管22の終端部には消臭消煙装置23が接続されている。前記廃棄物投入口18の収容室18cに残った煙や臭いは図示しない排出管によりこの消臭消煙装置23に送られて処理される。この排気管22の途中には結露水を集める水槽24が接続され、この水槽24には屋根20の樋20a(水分導出路)に集まった水分も図示しない排水管により回収することができる。なお、この焼却炉1の天壁1cには焼却室2の酸素濃度の上昇時に開いて水分除去室21の圧力を逃がす弁21cが設けられている。
【0019】
前記排気管22には触媒により浄化を行うセラッミクを有する複数の消臭消煙体25が着脱可能に取り付けられて排気管22の長手方向に沿って並設されている。これらの消臭消煙体25には5〜20mmの砂利状に形成されて大小種々の外形状をなす浄化触媒塊25a(セラミック塊)が多数収容され、各浄化触媒塊25a間に多数の通路を生じさせている。この浄化触媒塊25aは、浄化触媒材を含んで、通路断面積が互いに異なる多数の気孔により三次元網目構造をなす気孔群を有し、その気孔群における各気孔を表面に露出させて開放したものである。この排気管22にはこの消臭消煙体25に対する入口側で磁気空気供給管26が接続されている。この磁気空気供給管26においては、ファン27や開閉弁28を介して排気管22に供給される空気に永久磁石29により強力な磁気を発生させることができ、ファン27や開閉弁28などの調節により供給空気量を変更することができる。
【0020】
さて、廃棄物投入口18から焼却室2に供給された廃棄物は、廃棄物通路19を通過して加熱床3に至り、加熱床3で火口管17により点火されて300〜400℃で一次燃焼するとともに、螺旋通路10により強い空気の流れを生じる熱風筒6の開口6aで400〜1000℃で二次燃焼する。熱風筒6内で発生した400〜1000℃の熱風は、廃棄物通路19を通過する廃棄物を加熱床3への落下前に予め乾燥する。各磁気空気導入管12,13におけるファン14と開閉弁15と永久磁石16とのうちいずれか一つまたは二以上の組み合わせの使用により、各種廃棄物に応じて効率良く燃焼させることができる。焼却室2の排気は導入路21a及び水分除去室21を通って排気管22から消臭消煙装置23に排出される。その際、排気管22や水分除去室21から排気の水分が水槽24に除去される。
【0021】
本実施形態は下記の効果を有する。
(1) 磁気空気で低温処理すると、酸素濃度が低くても燃焼を維持することができるとともに、ダイオキシンなどの化学物質の発生も抑えることができる。しかし、300〜400℃で燃焼するため、水分率の高い廃棄物や、500℃以上の高温でないと処理できない吸着剤を含む紙おむつなどを処理することができない。螺旋通路10により強い空気の流れを生じさせることができる熱風筒6内で発生した400〜1000℃の熱風は、廃棄物通路19を通過する廃棄物に各熱風排出孔11から供給されるため、その廃棄物が加熱床3に落下される前に予め乾燥された後、加熱床3で廃棄物を300〜400℃で一次燃焼するとともに、熱風筒6の開口6aで廃棄物を400〜1000℃で二次燃焼する。従って、化石燃料を使用しないで、水分率の高い廃棄物を効率良く処理することができるとともに、500℃以上の高温でないと処理できない吸着剤を含む紙おむつなども高温処理することができる。また、800℃以上で廃棄物を高温処理することができるため、化学燃料を使用せずに、ダイオキシンなどの化学物質の灰や排出ガスの発生も軽減することができる。さらに、磁気空気で低温処理した場合に溜まり易い廃棄物のタールを高温処理により焼却することができる。
【0022】
(2) 加熱床3では廃棄物を300〜400℃で一次燃焼するため、部分的にガスが発生するが、螺旋通路10により強い空気の流れを生じさせることができる熱風筒6内ではそのガスを400〜1000℃で焼却することができる。
【0023】
(3) 熱風筒6により焼却炉1が二重構造となって廃棄物通路19にある廃棄物及び空気が断熱機能を果たし、焼却室2において熱風筒6の外周で屋根20に近い上部側で40〜120℃、熱風筒6の開口6aに近い加熱床3の底棚3aの付近で300〜400℃となり、焼却炉1の外側において上部側で40〜120℃、下部側で50〜100℃となる。従って、焼却炉1を長持ちさせることができる。
【0024】
(4) 熱風筒6の開口6aにある各磁気空気導入管12と、加熱床3の底棚3aにある各空気導入管13とにより、燃焼効率を高めることができる。それらのうち、各磁気空気導入管12を停止させれば、廃プラなどの乾燥物のみを時間をかけてゆっくりと処理することができる。一般的に、各磁気空気導入管12,13の使用の有無や、各磁気空気導入管12,13のうち一方または両方の使用や、各磁気空気導入管12,13におけるファン14と開閉弁15と永久磁石16とのうちいずれか一つまたは二以上の組み合わせの使用について、適宜選択することができる。例えば、廃棄物としてビニールや発泡スチロールなどの石油製品を大量に含む場合、熱風筒6内の温度上昇を抑制して400〜700℃に調節することができる。
【0025】
(5) 各空気導入路21bから新鮮な空気を取り入れることができる水分除去室21において、結露を生じ易くし、焼却室2から各導入路21aを経て導入された水分を屋根20の樋20aから排出することができるので、特に水分率の高い廃棄物を効率良く処理することができる。
【0026】
(6) 磁気空気処理した灰は10分の1〜3000分の1まで減量することができ、ダイオキシンなどは日本の基準値の60分の1ぐらいとなる。また、有機物は処理できるが、無機物は処理できないため、携帯電話やパソコンなどからレアメタルなどの金属類を取り出すことができ、その際は300〜400℃で一次燃焼するため、その金属類の変質のおそれもない。
【0027】
(7) 消臭消煙体25の浄化触媒塊25aは5〜20mmの砂利状に形成されているため、浄化触媒塊25aの集合体間の複雑な通路を化学物質が流れるとともに、浄化触媒塊25a内で通路断面積が互いに異なる気孔にも化学物質が入り、化学物質との接触面積が広がって処理能力を高めることができる。また、消臭消煙体25では、各浄化触媒塊25a間の通路と浄化触媒塊25a内の気孔との通路断面積の差により、その通路、その気孔のうち通路断面積の大きいもの、同じく通路断面積の小さいものの順で、排気が通り、その通路と気孔とによる処理に時間的差が生じて、それらの相乗効果により目詰まりすることなく処理することができる。浄化触媒塊25aを製造する場合、パラジウム、白金、ロジウム、アルミナ−セリア、ジルコニアなどをそれぞれ単一でまたは互いに組み合わせて付着して乾燥及び焼成させる。また、黒曜石を焼いたものや、Mo、Li、Zn、Cu、Ni、Co、Mn、MgO、Fe203、TiO、CaO、Na20、KO、Al203、SiOなど自然に含み、1000℃で燃焼した焼却パーライトのみの使用でも、臭いや煙などを除去することができる。
【0028】
(8) しかも、消臭消煙体25に対する入口側で磁気空気供給管26から排気管22に供給される磁気空気や、ファン27や開閉弁28などの調節による供給空気量の変更により、炭化水素を主成分とするコールタールや木タールや石油タールなどの油状物質を除去することができる。
【0029】
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ 前記実施形態の熱風筒6において、端壁8を省略し、周壁7の上方も開口6aと同様に開放して排気管22から前記消臭消煙装置(図示せず)に接続する。
【0030】
・ 前記実施形態では渦流発生手段としての螺旋通路10により渦流を発生させたが、その他例えば、熱風筒の開口で熱風筒の内周面に沿って熱風の噴流を発生させて渦流を発生させるようにしてもよい。
【0031】
・ 前記実施形態の螺旋通路10については一条螺旋構造以外に二条螺旋構造にしてもよい。
・ 前記実施形態において磁気空気導入管12と磁気空気導入管13とのうち一方を省略する。
【符号の説明】
【0032】
1…焼却炉、2…焼却室、3…加熱床、6…熱風筒、6a…熱風筒の開口、7…熱風筒の周壁、8…熱風筒の端壁、10…螺旋通路(渦流発生手段)、11…熱風排出孔、12,13…空気導入管、15…開閉弁、18…廃棄物投入口、19…廃棄物通路、20a…樋(水分導出路)、21…水分除去室、21a…導入路(水分導入路)、21b…空気導入路、22…排気管、25…消臭消煙体、25a…浄化触媒塊、26…磁気空気供給管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼却炉内の焼却室において、廃棄物が燃焼する加熱床を設けるとともに、その加熱床の上方には、焼却室に連通する排気管と、その廃棄物の燃焼により生じる熱風が上昇する熱風筒と、その熱風筒の外側に隣接する廃棄物通路とを設け、
この熱風筒内には加熱床から熱風が開口を経て上昇する渦流発生手段を設けるとともに、この熱風筒にはこの渦流発生手段に連通する複数の熱風排出孔を設け、
この熱風筒の開口には磁気空気を供給する磁気空気導入管を接続し、その磁気空気導入管には磁気空気の供給及び停止を行って供給空気量を変更し得る開閉弁を設け、
この加熱床で廃棄物が一次燃焼して発生した熱風が開口を経て熱風筒内の渦流発生手段に上昇する際に、その熱風により廃棄物が一次燃焼より高温で二次燃焼し、
焼却炉に設けた廃棄物投入口から焼却室に供給された廃棄物が廃棄物通路を通過して加熱床に至る際に、熱風筒の各熱風排出孔から廃棄物通路に排出された熱風により、廃棄物通路を通過する廃棄物を乾燥する
ことを特徴とする廃棄物処理機。
【請求項2】
前記渦流発生手段は螺旋通路であることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理機。
【請求項3】
前記加熱床には磁気空気を供給する磁気空気導入管を接続し、その磁気空気導入管には磁気空気の供給及び停止を行って供給空気量を変更し得る開閉弁を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の廃棄物処理機。
【請求項4】
前記焼却炉において焼却室に対し連通する水分導入路を有する水分除去室を設け、この水分除去室に設けた水分導出路から水分を排出することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載の廃棄物処理機。

【図1】
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【公開番号】特開2012−13369(P2012−13369A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151880(P2010−151880)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(591085684)株式会社岩本 (15)
【Fターム(参考)】