説明

廃棄物分別回収装置および廃棄物分別方法およびプログラムおよび記録媒体

【課題】廃棄物種類別に確実に分別し、廃棄物の回収過程において、確実な分別状態を廃棄物の最終集積場まで維持すること。
【解決手段】廃棄物の分別過程では、廃棄物種類の認識情報を記録した識別情報付き廃棄物101から識別情報を読み取り、収容箱103毎に廃棄物集合体の各識別情報記録装置から識別情報を読み取り、各読み取られた識別情報に基づいて、廃棄物種別に合致する収容箱を特定して報知して廃棄物を分別し、廃棄物の回収過程では、前記廃棄物集合体の各識別情報記録装置から識別情報を読み取り、該読み取られた各識別情報に基づいて、前記廃棄物集合体の適正の有無を判定し、前記廃棄物集合体が不適正であると判定した場合には警告を発する構成を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物種類の認識情報を記録した識別情報付き廃棄物を分別回収するための廃棄物分別回収装置および廃棄物分別方法およびプログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭から生ずるゴミを仕分けし、リサイクル可能な廃棄物を再利用するシステムが定着しつつある。特に容器類は「容器リサイクル」という名称も生まれ、生産者、消費者、回収業者、再加工業者、廃棄物処理業者等で一連の流通経路が確立しつつある。雑多な廃棄物から有用な再利用可能な資源物の仕分けの最も効率の良い方法は、廃棄物発生の最初の場所である家庭で確実に分別してもらうことである。
【0003】
しかし、家庭では、廃棄物の分別は消費者の判断に任されているものであり、複雑な分別方法という条件下では、錯誤やいい加減な処理も生じ得る。
【0004】
また、消費者の社会的モラルに依存するものである限り、個人の錯誤やモラルの欠如による異物混入は避けられない。
【0005】
従来より、食料品等の梱包材や容器にRFIDを付着させ、この記録を利用して、廃棄物となった容器類を回収後仕分けして、有用物や再利用物を回収するようなシステムが特許文献1で提案されている。
【特許文献1】特開2003−267555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、RFIDは商品流通過程の情報管理にのみ利用するものであり、これらの記録を家庭や自治会等の廃棄物収集場で活用していない。商品流通の最終段階である回収過程において、廃棄物となった様々雑多な種類の容器類をRFIDの記録を識別して仕分けするに過ぎず、有用な廃棄物の回収を効率よく行うことはできないという問題点があった。
【0007】
現在の廃棄物回収制度と技術的方法を考慮すると、最初の発生場所である家庭において確実な廃棄物の分別をする必要がある。廃棄物は、種類に応じた分別袋に分別してまとめることが要求されている。
【0008】
しかし、廃棄物の種類は雑多であり、確実な分別は困難なケースが見受けられる。
【0009】
また、錯誤もあり、確実な分別のされていないままで回収されることが多い。従って、リサイクル可能な廃棄物を容易に確認でき、確実な分別によって専用の回収袋にまとめて入れられる装置や仕組みが望まれる。
【0010】
次に、廃棄物をまとめて入れた分別袋の回収が行われる。通常、自治会等で地域住民専用の廃棄物回収場を設けている。その場合、廃棄物の種類に応じた回収日があり、その日にのみ該当する種類の廃棄物が回収車により収集される。しかし、その規則を守らない住民もいることから、折角、家庭で分別しても種類の異なる廃棄物が混在することになり、その効果が失われる結果となる。
【0011】
回収車は、周辺の自治会等を巡回して廃棄物を回収するので、一部の自治会住民が確実な分別を行っても、そこでも効果が失われる要因が存在する。自治会回収と回収車による収集という廃棄物流通過程においても、分別照合の装置やシステムが望まれる。
【0012】
最後に、回収車が廃棄物集積場に分別袋を集める。多数の回収車が集まるのだから、分別を確実にしていない地域が存在すれば、同様に分別効果が損なわれる。また、廃棄物集積場では、再利用可能な廃棄物を仕分けする作業もある。有用な資源廃棄物、リサイクル可能なビン等が仕分けられるのであるが、異物混入状態であれば、仕分け手間が膨大になり、再利用のコストパフォーマンスは低下する。
【0013】
このように、従来の回収方法では、廃棄物回収における様々な問題点があった。
【0014】
また、回収時の分別状況を記録し、その情報を利用して、問題を明確にして改善措置がとられることが期待できるが、従来では、人手を煩わすことなくこれらを記録可能なシステムがなかった。
【0015】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、廃棄物の分別過程では、廃棄物種類の認識情報を記録したRFID付き廃棄物からRFID情報を読み取り、前記廃棄物を収容するための廃棄物種別の認識情報を記録したRFID付きの分別袋を取り付け可能な複数の収容手段毎に設置された前記分別袋及び前記分別袋に収容された各廃棄物から構成される廃棄物集合体の各RFIDからRFID情報を読み取り、各読み取られたRFID情報に基づいて、廃棄物種別に合致する収容箱を特定して報知し、廃棄物の回収過程で、廃棄物種類の認識情報を記録したRFID付き廃棄物を収容するための廃棄物種別の認識情報を記録したRFID付きの分別袋及び前記分別袋に収容された各廃棄物から構成される廃棄物集合体の各RFIDからRFID情報を読み取り、該読み取られた各RFID情報に基づいて、前記廃棄物集合体の適正の有無を判定し、前記廃棄物集合体が不適正であると判定した場合には警告を発することにより、廃棄物種類別に確実に分別して回収することができ、廃棄物の回収過程において、確実な分別状態を廃棄物の最終集積場まで維持することができる廃棄物分別回収装置および廃棄物分別方法およびプログラムおよび記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、廃棄物種類の認識情報を記録した識別情報付き廃棄物を分別回収するための廃棄物分別回収装置において、前記廃棄物を収容するための廃棄物種別の認識情報を記録した識別情報付きの分別袋を取り付け可能な複数の収容手段と、前記収容手段毎に設置された前記分別袋及び前記分別袋に収容された各廃棄物から構成される廃棄物集合体の各識別情報記録装置から識別情報を読み取る第2の読み取り手段と、前記第1の読み取り手段により読み取られた識別情報と前記第2の読み取り手段により読み取られた識別情報とに基づいて廃棄物種別に合致する収容箱を特定して報知手段により報知するように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0017】
また、廃棄物種類の認識情報を記録した識別情報付き廃棄物を分別回収するための廃棄物分別回収装置において、前記廃棄物を収容するための廃棄物種別の認識情報を記録した識別情報付きの分別袋及び前記分別袋に収容された各廃棄物から構成される廃棄物集合体の各識別情報記録装置から識別情報を読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段により読み取られた各識別情報に基づいて、前記廃棄物集合体の適正の有無を判定し、前記廃棄物集合体が不適正であると判定した場合には警告手段により警告を発するように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、廃棄物種類の認識情報を記録した識別情報付き廃棄物から識別情報を読み取り、前記廃棄物を収容するための廃棄物種別の認識情報を記録した識別情報付きの分別袋を取り付け可能な複数の収容手段毎に設置された前記分別袋及び前記分別袋に収容された各廃棄物から構成される廃棄物集合体の各識別情報記録装置から識別情報を読み取り、各読み取られた識別情報に基づいて、廃棄物種別に合致する収容箱を特定して報知するので、廃棄物種類別に確実に分別することができる。
【0019】
また、廃棄物種類の認識情報を記録した識別情報付き廃棄物を収容するための廃棄物種別の認識情報を記録した識別情報付きの分別袋及び前記分別袋に収容された各廃棄物から構成される廃棄物集合体の各識別情報記録装置から識別情報を読み取り、該読み取られた各識別情報に基づいて、前記廃棄物集合体の適正の有無を判定し、前記廃棄物集合体が不適正であると判定した場合には警告を発するので、廃棄物の回収過程において、確実な分別状態を廃棄物の最終集積場まで維持することができる等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、RFIDを利用した有用廃棄物と分別袋を一致させるための効率的な分別装置と正しい分別状態を維持するシステムに関するものである。
【0021】
本実施形態は、次の(1)〜(6)の前提が用いられている。
【0022】
(1)ごみと資源物の分別収集が行われている地域を対象とし、次のような規則がある。
【0023】
(1−1)廃棄物に種類が定められ、分別して分別袋にまとめる
(1−1−1)燃やせるごみ(リサイクル不可)
(1−1−2)缶・ビン・ペットボトル(リサイクル可。回収後、メーカや専門回収業者へ回送)
(1−1−3)容器包装プラスチック(リサイクル可。ただし、再利用不可なので原料資源)
(1−1−4)不燃ごみ(リサイクル可/不可混在)
(1−2)廃棄物種別により収集日と時間帯が決まっている
(1−3)定められた廃棄物のみ一つの袋にまとめて回収される
(1−4)規則に違反した廃棄物は回収されない
(2)分別袋は、自治会定形のものが定期的に配布される。この分別袋には、RFIDが付着され、自治会コード等の必要な情報が予め記録されている。また、決められた項目はRFIDライタにより記録が可能である。
【0024】
(3)有用廃棄物には、標準仕様によるその商品及び容器等の情報がRFIDに記録されている。
【0025】
本実施形態では、「缶、ビン、ペットボトル」を実施例として採用する。
【0026】
(4)自治会の廃棄物回収場は、通常、扉が閉まっており、分別袋廃棄物集合体が正しい種別であり、決められた日時である場合のみ、開錠され、分別袋廃棄物集合体を持ち込むことができる。
【0027】
(5)廃棄物回収車も。決められた日時に決められた廃棄物のみを回収し、異なる廃棄物や異物が混入したり、定められた分別袋でないと回収しない。
【0028】
(6)回収後、廃棄物集積場から、回収結果が自治会に送付される。ここで問題があった場合は、自治会で改善措置を取らなくてはならない。
【0029】
以下、図面を参照して本実施形態の廃棄物分別回収システムについて説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態を示す廃棄物分別回収装置を適用可能な廃棄物分別回収システムの一例を示す図であり、特に、再利用可能な家庭廃棄物の分別システムを廃棄物の物流過程に沿って説明したものに対応する。
【0031】
図2は、図1に示した廃棄物分別回収システムにおける廃棄物回収の流れを示したフローチャートであり、図中、S301〜S304は各ステップを示す。
【0032】
〔家庭〕
まず、廃棄物は、家庭で最初に発生し、ここで分別される(廃棄物の家庭での分別照合;図2のS301)。
【0033】
詳細には、図1に示すように、消費者が容器等の廃棄物101付着のRFIDを携帯RFIDリーダ102で読み取ると、その情報が複数の分別箱103からなる分別装置の分別箱制御装置104に送信される。
【0034】
分別箱制御装置104は、廃棄物種別に分割された分別箱103から廃棄物種別に応じた所定の箱を選択する。
【0035】
なお、箱内に分別袋が内包されていて、分別箱RFIDリーダ105が分別袋106のRFIDを読みとり、分別箱制御装置104に報告する。そして、分別箱制御装置104は、所定の箱の正常ランプ107を点灯させ、消費者(利用者)に知らせる。
【0036】
これにより、消費者は、廃棄物の種別に応じた正しい分別袋を確認でき、確実に廃棄物を所定の分別袋106に格納できる。ただし、消費者が勝手に廃棄物を箱に入れた場合、分別箱制御装置104は、廃棄物の種類、分別袋等を照合し、一致性が無いと、エラーランプ108を点灯して、消費者に注意を喚起する。
【0037】
なお、分別袋106がない場合でも、携帯RFIDリーダ102の表示で廃棄物種別は確認可能である。
【0038】
また、分別箱制御装置104を自治会で共有設置し、住民が利用できるようにすれば、分別袋を間違えて廃棄した場合、分別箱制御装置104から、エラーの報告をするという代用手段を用いることも可能である。
【0039】
〔自治会ごみ回収場〕
次に、廃棄物分別袋集合体109は、自治会廃棄物回収場113に持ち込まれる(自治会廃棄物回収場での分別照合;図2のS302)。
【0040】
図1に示すように、自治会廃棄物回収場113では、通常、回収場は扉112は閉まっており、正しい日時に正しい廃棄物分別袋集合体109(分別袋106+廃棄物101)を扉のRFIDリーダ111にかざさなければ開かない。
【0041】
消費者は、廃棄物分別袋集合体109を扉のRFIDリーダ111で読ませると、読み取った情報は、ごみ回収場制御装置110に送られ照合される。正しければ、ごみ回収場制御装置110は、正常ランプ114を点灯して扉112を開く。一方、間違っていたら、ごみ回収場制御装置110は、エラーランプ115を点灯して、扉は開かないように制御する。
【0042】
〔ごみ回収車〕
廃棄物分別袋集合体109は、廃棄物回収車116により収集される(廃棄物回収者での分別照合;図2のS303)。
【0043】
図1に示すように、廃棄物分別袋集合体109は、ごみ回収車116の回収車RFIDリーダ119に読み込まれ、該RFIDリーダ119に読み込まれた情報は、ごみ回収車制御装置117に送信され、照合される。
【0044】
照合結果が正しければ、ごみ回収車制御装置117は、正常ランプ120、間違っていたらエラーランプ121を点灯するように制御して、回収作業員に照合結果を知らせる。
【0045】
なお、廃棄物分別袋集合体109が正しく回収された場合、ごみ回収車制御装置117は、回収車RFIDライタ118により、廃棄物分別袋集合体109のRFIDに回収日時,回収者等の回収関連情報を書き込むように制御する。
【0046】
この回収関連情報は、無線で、廃棄物集積場(122)に送るように構成してもよい。この構成の場合、廃棄物分別袋集合体109のRFIDへの書き込みは無くなるが、当該情報を当該集積場以外に持ち込まれた場合に情報が収集出来ない恐れがある。
【0047】
〔廃棄物集積場〕
廃棄物分別袋集合体109は、廃棄物回収車116により、廃棄物集積場122に持ち込まれ、仕分け管理される(図2のS304)。
【0048】
図1に示すように、廃棄物分別袋集合体109は、廃棄物集積場122の受入用RFIDリーダ124に読まれ、該受入用RFIDリーダ124に読まれた情報は、廃棄物集積場制御装置123に送信され、回収状況がチェックされる。
【0049】
正しく回収された廃棄物分別袋集合体109は、ベルトコンベア等に載せられ、仕分け場に送ってもよい。仕分け時に、分別袋106や廃棄物101のRFID情報が仕分けRFIDリーダ125に読まれ、自動仕分けに供されるように構成してもよい。
【0050】
なお、仕分けRFIDリーダ125に読まれた情報や受入用RFIDリーダ124がチェックした情報は、廃棄物集積場制御装置123が、統計情報として回収DB126に記録し、回収報告書を印刷物127又は電子ファイルとして形成する。
【0051】
これらの情報は、今後の自治会や回収業者(車)に回収改善を促す資料としてフィードバックされる。
【0052】
図3は、図1に示した廃棄物分別回収システムを構成する各装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0053】
図3において、1000は制御装置で、図1に示した分別箱制御装置104,ごみ回収場制御装置110,ごみ回収車制御装置117,廃棄物集積場制御装置123のハードウエア構成に対応する。
【0054】
ただし、制御装置1000の外部メモリに構築されるDB1105と印刷装置1110は、廃棄物集積場制御装置123にのみ、廃棄物回収情報DB126,回収統計報告書の印刷装置として構成されている。
【0055】
制御装置1000において、1101はCPUで、ROM1103又は外部メモリ(例えば、ハードディスク,フレキシブルディスク,CD−ROM,DVD−ROM等どのような記憶装置であってもよい)1104に格納されたプログラムをRAM1102上にロードして実行することにより、制御装置全体を制御する。RAM1102は、CPU1101の作業領域として使用される。
【0056】
1109は通信インタフェースで、RFIDリーダ1200と通信を行うことを主とした役割とする。1108は外部インタフェースで、ランプ300の点灯や扉301の開閉を制御するためのインタフェースである。
【0057】
ランプ300は、全ての制御装置から点灯させることができる。扉301は、自治会のごみ回収場制御装置110にのみ接続される。
【0058】
次に、1200はRFIDリーダ/ライタで、図1に示した消費者が携帯する携帯RFIDリーダ102,分別箱RFIDリーダ105,自治会回収場の扉RFIDリーダ111,回収車RFIDリーダ119及び回収車RFIDライタ118、集積場の廃棄物受入用RFIDリーダ124及び仕分けRFIDリーダ(125のハードウエア構成に対応する。
【0059】
RFIDリーダ/ライタ1200において、1205はCPUで、ROM1207又は外部メモリ(例えば、ハードディスク,フレキシブルディスク,CD−ROM,DVD−ROM等どのような記憶装置であってもよい)1208に格納されたプログラムをRAM1206上にロードして実行することにより、RFIDリーダ/ライタ1200全体を制御する。RAM1206は、CPU1205の作業領域として使用される。
【0060】
1202はRFIDライタで、回収車RFIDライタ118のみに接続、一方、それ以外はRFIDリーダ1201のみが接続されている。
【0061】
以下、図4,図5を参照して、RFID付き廃棄物,廃棄物の処理袋の構成について説明する。
【0062】
図4は、本実施形態で扱う廃棄物の事例としての「缶」の構成と、その付着RFIDの記録情報の一例を示した図である。
【0063】
図4に示すように、缶401の底には商品と容器である缶の情報を記録した廃棄物付RFID(識別情報記憶装置)402が付着している。この廃棄物付RFID402への書き込み例を表403に示している。
【0064】
流通過程において、RFIDへの書き込みはあり得るが、本発明では、標準仕様に基づく項目構成を採用する。
【0065】
図5は、本実施形態で扱う自治会配布の分別袋の構成と、その付着RFIDの記録情報を一例を示す図である。
【0066】
図5に示すように、袋501の帯502には廃棄物種別や自治会情報を記録した分別袋付RFID(識別情報記憶装置)503が付着している。この分別袋付RFID503への書き込み例を表504に示している。
【0067】
なお、表504のフォームは、当システム独自のものであるが、流通過程において社会で使用する場合は、当該システムに従うことができる。回収車へ廃棄物分別袋集合体を持ち込むとき、分別袋のRFIDには、回収状況として、回収業者情報、回収責任者、回収日時等が記録される。なお、帯は引っ張れば、入り口を絞ることができる機能がある。
【0068】
次に、図6を参照して、本発明の中核となる制御装置、RFIDリーダ、RFID付き廃棄物とRFID付き分別袋の集合体である家庭における廃棄物分別袋集合体109を処理する機能について説明する。
【0069】
図6は、図1に示した携帯RFIDリーダ,廃棄物分別箱103の機能構成の一例を示す図である。
【0070】
図6に示すように、RFID付き廃棄物101のRFID情報を、携帯RFIDリーダ102が読み、該読み取った情報をRFID読込み解析部601が解読する。そして、解読した情報をデータ表示するため、データ表示部602へ送る。
【0071】
また、分別袋106を指定してもらいたい場合は、リーダにある所定のボタンを押すと、指示部603が起動し、上記解読した情報を通信制御部604経由で分別箱制御装置に送る。
【0072】
RFIDリーダの制御部605は、RFIDリーダのソフトウェアについて一連のコントロールを行うものである。
【0073】
分別箱制御装置104の通信制御部606は、携帯RFIDリーダ102からRFID付き廃棄物のRFID情報を受け、制御部609に送る。
【0074】
制御部609は、通信制御部606経由で分別箱RFIDリーダ105に読み込みを指示する。
【0075】
分別箱RFIDリーダ105は、分別袋廃棄物集合体109のRFID情報を読み、分別箱制御装置104に送る。
【0076】
分別箱制御装置104のRFID読み込み解析部608は、当情報を解析する。正しければ、RFID付き廃棄物の廃棄物種別に該当する分別箱のランプをランプ制御部607を通じて点灯させる(該当ランプが無ければ点灯はない)。
【0077】
また、同時に携帯RFIDリーダに実施結果を連絡する。なお、分別袋廃棄物集合体に誤ったRFID付き廃棄物が混入している場合はエラーランプを点灯させる。
【0078】
以上示したように、消費者は、廃棄物101を格納する分別袋を知ることができる。
【0079】
以下、図7〜図10を参照して、本発明の廃棄物分別回収装置を適用可能な廃棄物分別回収システムにおける廃棄物分別処理について詳細に説明する。
【0080】
〔家庭〕
図7は、本発明の廃棄物分別回収装置を適用可能な廃棄物分別回収システムにおける第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、家庭における分別処理に対応する。なお、図中、S701〜S704は廃棄行為者による行為に対応するステップである。また、S710〜S715は携帯RFIDリーダ102の処理に対応するステップであり、携帯RFIDリーダ102のCPUがROM又は外部メモリに格納されるプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。さらに、S720〜S727は分別箱制御装置104の処理に対応するステップであり、分別箱制御装置104のCPUがROM又は外部メモリに格納されるプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0081】
まず、ステップS701において、廃棄行為者(消費者)は、空容器等のRFID付き廃棄物の分別袋を知りたいものとして、携帯RFIDリーダ102を用いて、廃棄物のRFIDを読み、分別箱を指示させる。
【0082】
携帯RFIDリーダ102は、ステップS710において、廃棄物のRFID情報を読み、ステップS711において、廃棄物RFID情報を解析し、種別を表示する。
【0083】
そして、携帯RFIDリーダ102は、ステップS711で解析した情報を分別箱制御装置104に送信する。
【0084】
そして、ステップS720において、分別箱制御装置104は、携帯RFIDリーダ102からの情報を受信し、ステップS721において、該受信した情報が分別箱106に該当する廃棄物種類かを判断する。
【0085】
ステップS721で、分別箱制御装置104は、該受信した情報が分別袋106の該当廃棄物でないと判断した場合には、図示しないステップにおいて、「分別箱該当無し」の情報を携帯RFIDリーダ102に送信する。
【0086】
そして、「分別箱該当無し」の情報を受けた携帯RFIDリーダ102は、ステップS713において、「分別箱該当無し」の表示を行う。
【0087】
そして、ステップS702において、消費者は、「分別箱該当無し」の表示を確認し、分別箱以外の廃棄物であると認知し、分別箱103以外の袋に廃棄する等の処置を行う。
【0088】
一方、ステップS721で、分別箱制御装置104が、ステップS720で受信した情報が分別箱103の該当廃棄物であると判断した場合には、「分別箱該当有り」の情報を携帯RFIDリーダ102に送信し、ステップS723において、該当する分別箱の正常ランプ107を点灯する。
【0089】
そして、「分別箱該当有り」の情報を受けた携帯RFIDリーダ102は、ステップS714において、「分別箱該当有り」の表示を行う。
【0090】
そして、消費者は、ステップS703において、分別箱103の正常ランプ107の点灯を確認し、該正常ランプ107が点灯した分別箱103に廃棄物を廃棄する。
【0091】
また、ステップS724において、分別箱制御装置104は、分別箱内格納の分別袋とその中身の集められたRFID付き廃棄物が全て一致するかを分別箱RFIDリーダ105で読み取り照合する。
【0092】
そして、ステップS725で、分別箱制御装置104が、分別箱内格納の分別袋とその中身の集められたRFID付き廃棄物が全て一致すると判断した場合には、図示しないステップにおいて、「分別箱内一致」の旨を示す情報を携帯RFIDリーダ102に送信し、携帯RFIDリーダ102に表示させ、消費者に確認させる。これにより、分別回収は終了する。
【0093】
一方、ステップS725で、分別箱制御装置104が、分別箱内格納の分別袋とその中身の集められたRFID付き廃棄物に一致しないものが含まれている又は、分別袋と廃棄物が一致しないと判断した場合には、ステップS726において、「分別箱内不一致」の旨を示す情報を携帯RFIDリーダ102に送信し、ステップS727において、該当する分別箱のエラーランプ108を点灯させ、消費者に整理を促す。
【0094】
そして、「分別箱該当有り」の情報を受けた携帯RFIDリーダ102は、ステップS714において、「分別箱該当有り」の表示を行い、消費者に整理を促す。
【0095】
そして、ステップS704において、消費者は、分別箱103のエラーランプ108の点灯を確認すると、エラーランプ点灯の分別箱内の分別袋を取り出し整理し直すこととなる。
【0096】
以上により、家庭内において、不適切な組み合わせで廃棄物が袋つめされることを確実に防止することができる。
【0097】
〔自治会ごみ回収場〕
図8は、本発明の廃棄物分別回収装置を適用可能な廃棄物分別回収システムにおける第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、自治会廃棄物回収場に分別袋廃棄物集合体が持ち込まれた際の処理に対応する。なお、図中、S801〜S804は廃棄行為者による行為に対応するステップである。また、S810〜S811は自治会廃棄物回収場113の扉のRFIDリーダ111の処理に対応するステップであり、扉のRFIDリーダ111のCPUがROM又は外部メモリに格納されるプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。さらに、S820〜S825はごみ回収場制御装置110の処理に対応するステップであり、ごみ回収場制御装置110のCPUがROM又は外部メモリに格納されるプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0098】
まず、ステップS801において、回収日に自治会住民(廃棄行為者)が自治会廃棄物回収場113の扉口に分別袋廃棄物集合体109を持ち込む。回収場の扉は通常は閉まっており、分別袋廃棄物集合体109内の廃棄別種別が一致しており、かつ、該一致した廃棄物種別が回収日に対応する廃棄別種別に合致している場合にのみ開錠されるようになっている。
【0099】
住民により扉口に分別袋廃棄物集合体109が置かれると、ステップS810において、扉のRFIDリーダ111が、分別袋廃棄物集合体109内のRFIDの情報を読み取る。
【0100】
そして、ステップS811において、扉のRFIDリーダ111は、ステップS810で読み取った情報をごみ回収場制御装置110に送信する。
【0101】
すると、ステップS820において、ごみ回収場制御装置110は、扉のRFIDリーダ111から情報(即ち、分別袋廃棄物集合体109の廃棄別種別に関する情報)を受信し、ステップS821において、受信した情報について、分別袋廃棄物集合体109の一致性と日時が正しいか(適正日時)を照合する。
【0102】
ステップS821において、ごみ回収場制御装置110が、ステップS820で受信した情報(分別袋廃棄物集合体109の廃棄別種別に関する情報)について、廃棄別種別が一致していない、又は、廃棄物種別が回収日に対応する廃棄別種別に合致していない(不適正)と判断した場合には、ステップS823において、ごみ回収場制御装置110は、扉のエラーランプ115を点灯して、扉112は開かないように制御し、不適切な分別袋廃棄物集合体109の持ち帰りを促す。これにより、住民は、分別袋廃棄物集合体109を自治会廃棄物回収場113の内部に持ち込むことができない。
【0103】
そして、ステップS802において、住民は、扉のエラーランプ点灯を確認すると、不適切な分別袋廃棄物集合体109を持ち帰らねばならない。
【0104】
一方、ステップS821で、ごみ回収場制御装置110が、ステップS820で受信した情報(分別袋廃棄物集合体109の廃棄別種別に関する情報)について、廃棄別種別が全て一致している、且つ、廃棄物種別が回収日に対応する廃棄別種別に合致している(適正)と判断した場合には、ステップS824において、ごみ回収場制御装置110は、扉の正常ランプ114を点灯し、ステップS824において、扉112を開錠するように制御し、適切な分別袋廃棄物集合体109の自治会廃棄物回収場113の内部への持ち込みを促す。即ち、住民は、分別袋廃棄物集合体109を自治会廃棄物回収場113の内部に持ち込むことができる。
【0105】
そして、ステップS803において、住民は、扉の正常ランプ点灯を確認すると、分別袋廃棄物集合体109を自治会廃棄物回収場113の内部に持ち込み、ステップS804において、住民が、扉112を閉める。
【0106】
すると、ステップS824において、ごみ回収場制御装置110は、扉112を閉められたことを検知し、扉112を施錠し扉112が開く前の状態に戻す(扉112を閉める状態にセットする)。
【0107】
以上により、住民による自治会廃棄物回収場113への分別袋廃棄物集合体109の持ち込みが終了する。
【0108】
これにより、自治会廃棄物回収場113において、不適切な廃棄物が混入することを確実に防止することができる。
【0109】
〔ごみ回収車〕
図9は、本発明の廃棄物分別回収装置を適用可能な廃棄物分別回収システムにおける第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、回収車が自治会回収場にて行う分別袋廃棄物集合体の回収処理に対応する。なお、図中、S901〜S904は回収作業員による行為に対応するステップである。また、S910〜S912は回収車RFIDリーダ119及び回収車RFIDライタ118の処理に対応するステップであり、回収車RFIDリーダ119又は回収車RFIDライタ118のCPUがROM又は外部メモリに格納されるプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。さらに、S920〜S924はごみ回収車制御装置117の処理に対応するステップであり、ごみ回収車制御装置117のCPUがROM又は外部メモリに格納されるプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0110】
回収作業員は、自治会廃棄物回収場113に置かれている全ての分別袋廃棄物集合体109に対して、以下に示すステップS902〜S904の作業を行い、自治会廃棄物回収場113に置かれている全ての分別袋廃棄物集合体109に対して作業が終了すると、ごみ回収車116での回収作業が終了することとなる。
【0111】
まず、ステップS902において、回収作業員は、回収作業員が自治会廃棄物回収場113から分別袋廃棄物集合体109を運び出し、ごみ回収車116の回収口付近に分別袋廃棄物集合体109を運ぶ。
【0112】
すると、ステップS910において、回収車RFIDリーダ119が、分別袋廃棄物集合体109内のRFIDの情報を読み取る。
【0113】
そして、ステップS911において、回収車RFIDリーダ119は、ステップS910で読み取った情報をごみ回収車制御装置117に送信する。
【0114】
すると、ステップS920において、ごみ回収車制御装置117は、回収車RFIDリーダ119から情報(即ち、分別袋廃棄物集合体109の廃棄別種別に関する情報)を受信し、ステップS921において、受信した情報について、分別袋廃棄物集合体109の一致性と日時が正しいか(適正日時)を照合する。
【0115】
ステップS922において、こみ回収車制御装置117が、ステップS920で受信した情報(分別袋廃棄物集合体109の廃棄別種別に関する情報)について、廃棄別種別が一致していない、又は、廃棄物種別が回収日に対応する廃棄別種別に合致していない(不適正)と判断した場合には、ステップS923において、ごみ回収車制御装置110は、エラーランプ121を点灯し、不適切な分別袋廃棄物集合体109をごみ回収車116で回収しないように警告を行う。
【0116】
そして、ステップS903において、回収作業員は、エラーランプ121の点灯を確認すると、不適切な分別袋廃棄物集合体109を除き(ごみ回収場113に残すようにし)、ステップS901に戻り、次の分別袋廃棄物集合体109の作業に移る。
【0117】
一方、ステップS922で、ごみ回収車制御装置117が、ステップS920で受信した情報(分別袋廃棄物集合体109の廃棄別種別に関する情報)について、廃棄別種別が全て一致している、且つ、廃棄物種別が回収日に対応する廃棄別種別に合致している(適正)と判断した場合には、ステップS824において、ごみ回収車制御装置117は、正常ランプ120を点灯し、図示しないステップにおいて、回収車RFIDリーダ118に、分別袋,自治会,回収業者,回収日時等の回収状況情報の書き込みを指示する。
【0118】
すると、ステップS912において、回収車RFIDリーダ118は、分別袋,自治会,回収業者,回収日時等の回収状況情報を、分別袋廃棄物集合体109の分別袋106のRFIDに書き込む。
【0119】
そして、ステップS904において、回収作業員は、分別袋廃棄物集合体109をごみ回収車116に回収させる(ごみ回収口に放り込む)。そして、ステップS901に戻り、次の分別袋廃棄物集合体109の作業に移る。
【0120】
以上により、ごみ回収車116による回収作業時、不適切な廃棄物が混入することを確実に防止することができる。
【0121】
なお、上記ステップS912では、適正な分別袋廃棄物集合体109の分別袋106のRFIDに回収状況情報を書き込む構成について示したが、RFIDに書き込む方法の他に、回収情報をごみ回収車116から廃棄物集積場制御装置123に送信するように構成してもよい。
【0122】
〔廃棄物集積場〕
図10は、本発明の廃棄物分別回収装置を適用可能な廃棄物分別回収システムにおける第4の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、廃棄物集積場に回収車により運び込まれる分別袋廃棄物集合体の回収処理に対応する。なお、図中、S1001〜S1004は回収作業員による行為に対応するステップである。また、S1010〜S1011は廃棄物集積場122の受入用RFIDリーダ124の処理に対応するステップであり、受入用RFIDリーダ124のCPUがROM又は外部メモリに格納されるプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。さらに、S1020〜S1024は廃棄物集積場制御装置123の処理に対応するステップであり廃棄物集積場制御装置123のCPUがROM又は外部メモリに格納されるプログラムをRAMにロードして実行することにより実現される。
【0123】
回収作業員は、ごみ回収車116で回収された全ての分別袋廃棄物集合体109に対して、以下に示すステップS1002〜S1004の作業を行い、ごみ回収車116で回収した全ての分別袋廃棄物集合体109に対して作業が終了すると(S100)、廃棄物集積場での回収作業が終了し、ステップS1004の終了処理を行う。
【0124】
まず、ステップS1002において、回収作業員は、回収作業員がごみ回収車116から分別袋廃棄物集合体109を運び出し、廃棄物集積場122の受入場所に分別袋廃棄物集合体109を運ぶ。
【0125】
すると、ステップS1010において、受入用RFIDリーダ124が、分別袋廃棄物集合体109内のRFIDの情報を読み取る。
【0126】
そして、ステップS1011において、受入用RFIDリーダ124は、ステップS1010で読み取った情報を廃棄物集積場制御装置123に送信する。
【0127】
すると、ステップS1020において、廃棄物集積場制御装置123は、受入用RFIDリーダ124から情報(即ち、分別袋廃棄物集合体109の廃棄別種別に関する情報)を受信し、ステップS1021において、受信した情報について、分別袋廃棄物集合体109の一致性と日時が正しいか(適正日時)を照合する。
【0128】
次に、ステップS1022において、廃棄物集積場制御装置123は、回収改善情報の取得のため、ステップS1020で受信した情報(分別袋廃棄物集合体109のRFID情報)を回収状況情報DB126に記録する。
【0129】
そして、ステップS1023において、廃棄物集積場制御装置123が、ステップS1020で受信した情報(分別袋廃棄物集合体109の廃棄別種別に関する情報)について、廃棄別種別が一致していない、又は、廃棄物種別が回収日に対応する廃棄別種別に合致していない(不適正)と判断した場合には、図示しないステップにおいて、廃棄物集積場制御装置123は、図示しないエラーランプ等を点灯したりブザーを鳴らしたりして、不適切な分別袋廃棄物集合体109を廃棄物集積場122に受け入れなように警告を行う。
【0130】
そして、ステップS1003において、回収作業員は、警告を確認すると、不適切な分別袋廃棄物集合体109を除き(所定の場所に移し)、ステップS1001に戻り、次の分別袋廃棄物集合体109の作業に移る。
【0131】
一方、ステップS1023で、廃棄物集積場制御装置123が、ステップS1020で受信した情報(分別袋廃棄物集合体109の廃棄別種別に関する情報)について、廃棄別種別が全て一致している、且つ、廃棄物種別が回収日に対応する廃棄別種別に合致している(適正)と判断した場合には、図示しない正常ランプを点灯したり正常であることを示す音を鳴らしたりする。そして、ステップS1024において、廃棄物集積場制御装置123は、回収結果情報(ステップS1020で受信した分別袋廃棄物集合体109のRFID情報と適正であった旨の情報)を回収状況情報DB126に記録する。
【0132】
また、ステップS1004において、回収作業員が回収作業の終了操作を廃棄物集積場制御装置123に対して行うと、廃棄物集積場制御装置123は、ステップS1025において、回収状況情報DB126内の回収状況情報を統計処理し、ステップS1026において、前記統計処理結果に基づいて回収状況報告書127を作成し、印刷処理する。
【0133】
以上により、ごみ回収車116からごみ集積場122に運び込まれる廃棄物に、不適切な廃棄物が混入することを確実に防止することができる。
【0134】
なお、図10に示したフローチャートでは、ごみ集積場122での受入チェックをステップS1023の判定結果に基づいて回収作業員が行って、不適正な廃棄物を分ける場合について説明したが、作業員は適正、不適正を意識することなくベルトコンベア等の上に順次運んでいき、仕分けRFIDリーダ125により順次RFID情報を読み取らせ、ステップS1023の判定結果に基づいて、廃棄物集積場制御装置123の制御により、ベルトコンベア等が適正な廃棄物と不適正な廃棄物を仕分けするように構成してもよい。
【0135】
また、記録された回収状況の種々のデータは、「回収状況報告書」として、回収地点の責任者に配布され、以後の改善に役立たせる。
【0136】
なお、統計情報としては、自治会別優良/不良分別袋廃棄物集合体比率、回収業者別優良/不良分別袋廃棄物集合体比率、地域別優良/不良分別袋廃棄物集合体比率について、廃棄物種別,回収日時別にそれぞれ統計をとり、分布図を作成する。これにより、問題を洗い出し、要因を推測し、回収の改善策について、ピンポイントで調査及び改善指導が可能になる。
【0137】
以上説明したように、有用な廃棄物にRFIDを付け、発生時点で同様にRFID付分別袋や分別箱に入れるようにし、廃棄物種類別に、分別・回収を確実にできる効果を奏する。
【0138】
また、以後の回収過程においても、同様の照合を行うシステムにより、確実な分別状態を廃棄物の最終集積場まで維持することができる効果を奏する。
【0139】
さらに、回収時の状況を記録し、その情報をフィードバックして以後のシステム改善に役立たせる効果を奏する。
【0140】
従って、ビン・缶・ペットボトル等の容器類は、再利用可能な廃棄物として回収される社会システムに対して、そのような有用な廃棄物を発生時点から確実に回収し、以後の回収過程において、確実な分別状態を廃棄物の最終集積場まで維持することができる。
【0141】
また、回収時の状況を記録し、以後のシステム改善に役立たせる情報も提供することができる。
【0142】
よって、廃棄物となる最初の時点及び場所である家庭等において、廃棄物の分別を簡単且つ確実なものとすることができる。
【0143】
また、第2の回収場所である自治会廃棄物回収場等において、正しい廃棄物を正しい分別袋にまとめた廃棄物集合体のみを、正しい日時に受け付けることができる。
【0144】
さらに、第3の回収場所である回収車において同様の照合を行い、異物混入を避けることができる。また、回収状況等の今後のシステム改善に役立てるための情報を取得することができる。
【0145】
最終地点である廃棄物集積場においても、同様の照合を行い、異物混入の分別袋を除くことができる。
【0146】
以上の各回収場所をつなぐ効率のよい廃棄物回収システムを提供することができる。
【0147】
上述した実施形態の変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0148】
また、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0149】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0150】
以下、図11に示すメモリマップを参照して本発明に係る廃棄物分別回収システムを構成する各装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0151】
図11は、本発明に係る廃棄物分別回収システムを構成する各装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【0152】
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0153】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0154】
本実施形態における図7,図8,図9,図10に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0155】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0156】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0157】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0158】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0159】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0160】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0161】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0162】
上述した廃棄物を他の物品に置きかえることにより、不特定多数の人から集められる各種物品の分別の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0163】
【図1】本発明の一実施形態を示す廃棄物分別回収システムの一例を示す図である。
【図2】図1に示した廃棄物分別回収システムにおける廃棄物回収の流れを示したフローチャートである。
【図3】図1に示した廃棄物分別回収システムを構成する各装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本実施形態で扱う廃棄物の事例としての「缶」の構成と、その付着RFIDの記録情報の一例を示す図である。
【図5】本実施形態で扱う自治会配布の分別袋の構成と、その付着RFIDの記録情報を一例を示す図である。
【図6】図1に示した携帯RFIDリーダ,廃棄物分別箱103の機能構成の一例を示す図である。
【図7】本発明の廃棄物分別回収装置を適用可能な廃棄物分別回収システムにおける第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の廃棄物分別回収装置を適用可能な廃棄物分別回収システムにおける第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の廃棄物分別回収装置を適用可能な廃棄物分別回収システムにおける第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の廃棄物分別回収装置を適用可能な廃棄物分別回収システムにおける第4の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る廃棄物分別回収システムを構成する各装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0164】
102 携帯RFIDリーダ
104 分別箱制御装置
110 ごみ回収場制御装置
111 ごみ回収場扉RFIDリーダ
117 ごみ回収車制御装置
118 回収車RFIDライタ
119 回収車RFIDリーダ
124 受入用RFIDリーダ
123 廃棄物集積場制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物種類の認識情報を記録した識別情報付き廃棄物を分別回収するための廃棄物分別回収装置において、
前記廃棄物種類の認識情報を記録した識別情報付き廃棄物の識別情報を読み取る第1の読み取り手段と、
前記廃棄物を収容するための廃棄物種別の認識情報を記録した識別情報付きの分別袋を取り付け可能な複数の収容手段と、
前記収容手段毎に設置された前記分別袋及び前記分別袋に収容された各廃棄物から構成される廃棄物集合体の各識別情報記録装置から識別情報を読み取る第2の読み取り手段と、
前記第1の読み取り手段により読み取られた識別情報と前記第2の読み取り手段により読み取られた識別情報とに基づいて廃棄物種別に合致する収容箱を特定して報知手段により報知するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする廃棄物分別回収装置。
【請求項2】
前記廃棄物から識別情報を読み取る第1の読み取り手段と、前記第1の読み取り手段が読み取った情報を表示する表示手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の廃棄物分別回収装置。
【請求項3】
廃棄物種類の認識情報を記録した識別情報付き廃棄物を分別回収するための廃棄物分別回収装置において、
前記廃棄物を収容するための廃棄物種別の認識情報を記録した識別情報付きの分別袋及び前記分別袋に収容された各廃棄物から構成される廃棄物集合体の各識別情報記録装置から識別情報を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取られた各識別情報に基づいて、前記廃棄物集合体の適正の有無を判定し、前記廃棄物集合体が不適正であると判定した場合には警告手段により警告を発するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする廃棄物分別回収装置。
【請求項4】
前記廃棄物集合体を集積する廃棄物回収場に設置される施錠可能な扉を設け、
前記制御手段は、前記判定結果が適正な場合にのみ、前記扉を開錠制御することを特徴とする請求項3記載の廃棄物分別回収装置。
【請求項5】
前記制御手段により適正であると判定された前記廃棄物集合体の分別袋に取り付けられた識別情報記録装置に、所定の回収情報を記録する書き込み手段を設けたことを特徴とする請求項4記載の廃棄物分別回収装置。
【請求項6】
前記識別情報はRFID情報であることを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の廃棄物分別回収装置。
【請求項7】
廃棄物種類の認識情報を記録した識別情報付き廃棄物を分別回収するための廃棄物分別回収装置における廃棄物分別方法において、
廃棄物種類の認識情報を記録した識別情報付き廃棄物の識別情報を読み取る第1の読み取りステップと、
前記廃棄物を収容するための廃棄物種別の認識情報を記録した識別情報付きの分別袋を取り付け可能な複数の収容手段毎に設置された前記分別袋及び前記分別袋に収容された各廃棄物から構成される廃棄物集合体の各識別情報記録装置から識別情報を読み取る第2の読み取りステップと、
前記第1の読み取りステップで読み取られた情報と前記第2の読み取りステップで読み取られた情報とに基づいて、廃棄物種別に合致する収容箱を特定して報知する報知ステップと、
を有することを特徴とする廃棄物分別方法。
【請求項8】
廃棄物種類の認識情報を記録した識別情報付き廃棄物を収容するための廃棄物種別の認識情報を記録した識別情報付きの分別袋及び前記分別袋に収容された各廃棄物から構成される廃棄物集合体の各識別情報記録装置から識別情報を読み取る読み取りステップと、
該読み取られた各識別情報に基づいて、前記廃棄物集合体の適正の有無を判定し、前記廃棄物集合体が不適正であると判定した場合には警告を発する警告ステップと、
を有することを特徴とする廃棄物分別方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載された廃棄物分別方法をコンピュータで実行するためのプログラム。
【請求項10】
請求項7又は8に記載された廃棄物分別方法をコンピュータで実行するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能に記憶した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−182557(P2006−182557A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−381463(P2004−381463)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】