説明

廃棄物溶融処理方法及び廃棄物溶融処理装置

【課題】廃棄物溶融装置の火格子部のクリンカ生成を防止する廃棄物溶融処理方法及びその装置を提供する。
【解決手段】廃棄物を乾燥する乾燥用シャフト部1の頂部から装入して形成した廃棄物充填層に、熱分解残渣を生成する火格子部2とコークスを熱源として熱分解残渣を溶融する、溶融炉6の熱分解残渣溶融部3とで発生したガスを通過させて廃棄物を乾燥させ、廃棄物充填層を通過したガスを乾燥用シャフト部1の排ガス排気口9から排出して排ガス処理設備で無害化処理して排ガス煙道24を経て放出し、乾燥用シャフト部1で乾燥した廃棄物を火格子部2で熱分解して熱分解残渣19を生成し、生成した熱分解残渣19を火格子部2から連続的に落下させて熱分解残渣溶融部3へ供給して溶融する廃棄物溶融処理方法において、排ガス煙道24から排ガスを取り出して火格子部2の下方に吹き込んで火格子部上部の温度をクリンカ生成温度未満に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥用シャフト部と熱分解残渣溶融部が火格子部を介して連設された廃棄物溶融装置による廃棄物溶融処理方法において、火格子部のクリンカ生成を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物を溶融処理するシャフト炉式廃棄物溶融炉では、廃棄物中に生ごみ等の高水分ごみや木等の揮発分が多いため、廃棄物の一部が十分に乾燥されることなくまた、揮発分のガス化が行われることなく炉下部に下降した場合、水分や揮発分はいずれも雰囲気温度を低下させることになる。そのため、雰囲気温度を高く維持し非燃焼物を完全溶融するためには、結果としてコークス使用量を増やす必要があった。
【0003】
そこで、廃棄物溶融処理において、乾燥・熱分解を、燃焼・溶融と分離して行うことによりごみ中の水分や揮発分を除去して廃棄物が乾燥や熱分解されない状態で炉下部に下降することを防止し、それによって炉最下部における雰囲気温度の低下による灰分の溶融に使用されるコークス消費量を抑制して熱分解残渣の持つ熱量と少量のコークスの熱量にて完全溶融を達成することができる廃棄物溶融処理技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
前記特許文献1に示す廃棄物溶融炉は、図3に示すように、装入された廃棄物を乾燥する乾燥用シャフト部1、乾燥用シャフト部1で乾燥された廃棄物を熱分解して熱分解残渣を生成する火格子部2、熱分解残渣を燃焼・溶融する熱分解残渣溶融部3を下部に備えた溶融炉6からなる。乾燥用シャフト部1が火格子部2の入側の上方に配置され、熱分解残渣溶融部3が火格子部2の出側の下方に配置されてクランク形状に連通して一体に連設されている。なお、火格子の間から落下した熱分解残渣等は灰搬送装置により排出される。
【0005】
乾燥用シャフト部1の頂部には、排ガス出口9と廃棄物装入口10が設けられ、廃棄物装入口10は、装入の際にガスが吹き出すのを防ぐシール用蓋11が設けられている。乾燥用シャフト部1の下部にはプッシャー等の廃棄物移送装置12が設けられている。
【0006】
排ガス出口9から排出される排ガスは、排ガス処理設備の燃焼室へ送って燃焼させ、燃焼により発生した燃焼排ガスは廃熱ボイラに送られて熱回収され、ボイラの排ガスは減温器で冷却してバグフィルターに導入して集じんする。集じん後の排ガスは、誘引送風機によって誘引され排ガス煙道24を通って煙突から排出される。
【0007】
火格子部2は、乾燥用シャフト部1から装入された廃棄物を熱分解させながら熱分解残渣溶融部3へ移動させる火格子13を備えている。なお、16は起動用のバーナ、17は乾燥用シャフト部に燃焼空気を吹き込むための空気吹込口である。
【0008】
溶融炉6の熱分解残渣溶融部3は下方の炉床部4、この炉床部4の上に連なる朝顔部5を備える。炉床部4には酸素源として空気と酸素を吹き込む下段羽口7を備えるとともに、朝顔部5に空気を吹き込む上段羽口8が配置されている。熱分解残渣溶融部3には、従来のシャフト炉式廃棄物溶融炉の炉底部と同じくコークスベット18が形成される。コークス、石灰石などの副資材は溶融炉6の頂部の副資材装入口15から投入する。
【0009】
前記構成の廃棄物溶融装置による処理方法について説明する。
【0010】
乾燥用シャフト部1の頂部の廃棄物装入口10から装入されて乾燥用シャフト部1内に形成された廃棄物充填層は、火格子部2および熱分解残渣溶融部3から発生したガスが通過し、効率的に熱交換されて乾燥が行われる。乾燥用シャフト部1で乾燥された廃棄物を火格子部2で移動させながら熱分解により熱分解残渣19を生成し、生成した熱分解残渣は熱分解残渣溶融部3内へ落下してコークスベット18の熱源により燃焼・溶融され、溶融物は炉床部4の出湯口14から出湯される。排ガスは、乾燥用シャフト部1の廃棄物中を通過して排ガス出口9から排気される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−255890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記引用文献1記載の溶融処理方法では、火格子部では、乾燥された廃棄物を熱分解して熱分解残渣を生成するために火格子の迭風には加熱空気を使用している。加熱空気を使用すると、火格子部での燃焼温度が高くなりすぎて、連続運転を続けていると火格子部に徐々にクリンカが生成していき、クリンカが熱分解残渣の搬送能力の低下等を招き安定運転の妨げとなる。
【0013】
そこで、本発明は、乾燥用シャフト部と熱分解残渣溶融部が火格子部を介して連設された廃棄物溶融装置による廃棄物溶融処理において、火格子部のクリンカ生成を防止する廃棄物溶融処理方法及びその装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の廃棄物溶融処理方法は、廃棄物を乾燥する乾燥用シャフト部の頂部から廃棄物を乾燥用シャフト部内に装入して形成した廃棄物充填層に、熱分解残渣を生成する火格子部とコークスを熱源として熱分解残渣を溶融する熱分解残渣溶融部とで発生したガスを通過させて廃棄物を乾燥させ、前記廃棄物充填層を通過したガスを前記乾燥用シャフト部の排ガス排気口から排出して排ガス処理設備で無害化処理して排ガス煙道を経て放出し、乾燥用シャフト部で乾燥した廃棄物を火格子部で熱分解して熱分解残渣を生成し、生成した前記熱分解残渣を前記火格子部から連続的に落下させて前記熱分解残渣溶融部へ供給して溶融する廃棄物溶融処理方法において、前記排ガス煙道から排ガスを取り出して前記火格子部の下方に吹き込んで前記火格子部上部の温度をクリンカ生成温度未満に制御することを特徴とする。
【0015】
前記廃棄物溶融処理方法において、前記火格子部上部の温度を検出し、検出温度に応じて前記排ガス煙道からの排ガスを火格子の下方に吹き込んで前記火格子部上部の温度を600℃〜800℃の範囲に維持することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の廃棄物溶融処理装置は、廃棄物装入口及び排ガス排気口が頂部に設けられ、前記廃棄物装入口から廃棄物が装入されて形成された廃棄物充填層に火格子部及び熱分解残渣溶融部で発生したガスを通過させて廃棄物を乾燥させるとともに、前記廃棄物充填層を通過したガスが前記排ガス排気口から排出される乾燥用シャフト部と、前記乾燥用シャフト部の前記排ガス排気口から排出された排ガスを無害化処理して排ガス煙道を経て放出する排ガス処理設備と、前記乾燥用シャフト部の下部に連設され、前記乾燥用シャフト部で乾燥した廃棄物を熱分解して熱分解残渣を生成する前記火格子部と、前記火格子部の前記熱分解残渣の出側に接続され、火格子部から落下して供給される熱分解残渣を、コークスを熱源として溶融処理する前記熱分解残渣溶融部とが順次配列された廃棄物処理装置において、前記排ガス煙道から排ガスを取り出し、前記火格子部内へ取り出した排ガスを吹き込む排ガス吹込口を接続する循環排ガス配管と、前記循環排ガス配管に設けられた、前記排ガス煙道から取り出された排ガス流量を調整する排ガス流量調整弁と、前記火格子部の上部に配置された温度計の温度検出信号により前記火格子部の上部の温度をクリンカ生成温度未満に維持するように前記排ガス流量調整弁の排ガス流量を制御する制御装置を配置したことを特徴とする。
【0017】
前記廃棄物溶融処理装置において、前記制御装置が火格子部の上部の温度を600℃〜800℃の範囲に維持すること特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、煙道の排ガスを火格子部の下方に吹き込むことにより火格子部上部の温度を下げてクリンカ生成温度未満に制御できるので、火格子部のクリンカ付着が防止でき、その結果、長期安定運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の廃棄物溶融炉の概略図である。
【図2】循環排ガス混合割合と火格子燃焼ガス温度の関係を示すグラフである。
【図3】従来の廃棄物溶融炉の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に示す本発明の廃棄物溶融装置は、図2に示した従来の廃棄物溶融炉と同一構成には同一符号を付している。
【0021】
図1において、本発明の廃棄物溶融処理装置は、装入された廃棄物を乾燥する乾燥用シャフト部1、乾燥用シャフト部1で乾燥された廃棄物を熱分解して熱分解残渣を生成する火格子部2、火格子部2で生成された熱分解残渣を燃焼・溶融する熱分解残渣溶融部3を備えた溶融炉6からなる。廃棄物溶融処理装置は、火格子部2の入側の上方に乾燥用シャフト部1が配置され、火格子部2の出側の下方に熱分解残渣溶融部3が配置されてクランク形状に連通して一体に連設される。
【0022】
乾燥用シャフト部1の頂部には、シール用蓋11を備えた廃棄物装入口10と、排ガス出口9が設けられる。乾燥用シャフト部1内に廃棄物装入口10から装入された廃棄物により廃棄物充填層が形成される。廃棄物充填層には火格子部2及び熱分解残渣溶融部3で発生した高温のガスが通過して熱交換により廃棄物を乾燥させ、廃棄物充填層を抜けたガスは頂部の排ガス出口9から排出される。
【0023】
排ガス出口9から排出される排ガスは、従来から使用されている廃棄物溶融装置の排ガス処理設備において処理する。すなわち、燃焼室で燃焼させ、燃焼により発生した燃焼排ガスをボイラに送って熱回収し、さらに、減温器で冷却してバグフィルターに導入して集じんする。集じん後の排ガスは、送風機によって誘引され排ガス煙道24を通って煙突から排出される。
【0024】
火格子部2は、乾燥用シャフト部1で乾燥された廃棄物を熱分解により熱分解残渣を生成させながら熱分解残渣溶融部3へ移動させる火格子13を備えている。火格子部2は、スト−カ炉と同様に、可動火格子13aと固定火格子13bとを交互に階段状又は傾斜状に組み合せることにより形成されており、各可動火格子13aを流体圧シリンダ等の駆動装置で前後方向へ一定のピッチで往復動させることによって、火格子上の廃棄物を撹拌しながら上流側から下流側へ前進させるようになっている。火格子部2へは下方から空気が送風される。火格子構造とすることによって、熱分解残渣溶融部3への熱分解残渣19の供給が連続的且つ安定的となって熱分解残渣溶融部3において熱分解残渣の安定的な溶融を確保することが可能となる。
【0025】
火格子部2は前段の火格子群2aと後段の火格子群2bの2段階に分かれ、前段の火格子群2aと後段火格子群2bがそれぞれ独立した駆動装置を有している。火格子部を前段の火格子群2aと後段の火格子群2bの2段とすることで、火格子部2における廃棄物の撹搾を強化することができ、より効率的に乾燥、熱分解を行うことが可能となる。
【0026】
また、火格子部2における廃棄物の熱分解状況によって、前段の火格子群2aと後段火格子群2bの独立した駆動装置により可動火格子13aの駆動速度、火格子からの送風量、送風温度等を個別に変化させて火格子部2における廃棄物の乾燥、熱分解状況を容易に制御することが可能となるので、廃棄物の乾燥、熱分解を適正化することが可能となる。例えば、廃棄物の乾燥・熱分解状態が不十分である場合は、前段の火格子群2aと比較して後段火格子群2bの火格子駆動速度を遅くすることによって熱分解状態を改善することが可能となる。
【0027】
また、後段の火格子群2bの傾斜角度は前段の火格子群2aの傾斜角度より小さくすることが望ましい。図1では、後段の火格子群2bを水平にすることにより、後段の火格子群2b側に向かって下方向に傾斜している前段の火格子群2aの傾斜角度より小さくしている。傾斜角度を変えることで、ごみの撹拌を強化することが可能となる。さらに後段の火格子2bの傾斜角度を前段の火格子2aよりも緩やかにすることで、火格子部2から熱分解が不十分な熱分解残渣が熱分解残渣溶融部3に供給されることを抑制することが容易となる。そうすることによって、熱分解残渣溶融部3におけるコークス等の外部燃焼使用量を適正化することが可能となる。なお、乾燥用シャフト部1から火格子部2へ廃棄物を確実に供給するため、前段の火格子群2aは、図1に示すように、水平階段状に設置されていることが望ましい。なお、火格子部2から落下した熱分解残渣等はコンベア20で排出される。
【0028】
熱分解残渣溶融部3は、炉床部4には酸素源として空気と酸素を吹き込む下段羽口7を備えるとともに、朝顔部5に空気を吹き込む上段羽口8が配置されている。炉床部4には、従来のシャフト炉式廃棄物溶融炉と同じくコークスベット18が形成され、溶融物を出湯する出湯口14が設けられる。コークス、石灰石などの副資材は、溶融炉6の頂部に設けられ、装入の際にガスが吹き出すのを防ぐシール用蓋を備えた副資材装入口15から投入する。
【0029】
排ガス煙道24と火格子部2は循環排ガス配管25で接続され、排ガス煙道24から取り出した排ガスは循環排ガス配管25を通って火格子部2の排ガス吹込口21から火格子部2内の下方へ供給可能になっている。循環排ガス配管25からの排ガス吹込量は排ガス流量調整弁22により調整される。
【0030】
火格子部2の温度は火格子部の上部に配置された温度計T1により検出される。温度計T1の温度検出信号は制御装置23に入力され、制御装置23では、検出温度が設定温度と比較され、その結果に応じて排ガス吹込量が演算され、排ガス流量調整弁22を制御して排ガス吹込量が調整される。
【0031】
前記構成を有する廃棄物処理装置において、乾燥用シャフト部1の頂部の廃棄物装入口10から廃棄物が乾燥用シャフト部1内に装入されて廃棄物充填層が形成され、この廃棄物充填層に火格子部2および熱分解残渣溶融部3で発生した排ガスが通過することによって熱交換され、廃棄物が効率的に乾燥される。乾燥用シャフト部1の廃棄物充填層を通過した熱交換後のガスは、排ガス出口9から排気される。乾燥用シャフト部1で乾燥された廃棄物は火格子部2に移動し、ここで熱分解させて熱分解残渣19を生成する。
【0032】
火格子部2の火格子13には廃棄物の自己燃焼に必要な空気が供給される。空気比は0.1〜0.8が好ましい。火格子部2の温度は温度計T1で検出されており、検出温度に応じて制御装置23により排ガス流量調整弁22を制御して排ガス煙道からの排ガスの吹込量を調節して、火格子部2の温度が600℃〜800℃に収まるように調整して、クリンカ生成温度にならないように運転される。
【0033】
生成された熱分解残渣19は火格子部2の出側の残渣落とし口から熱分解残渣溶融部3内へ落下し、コークスベット18の熱源により燃焼、溶融される。溶融物は炉床部4の出湯口14から排出される。
【実施例1】
【0034】
以下、本発明を適用した実施例について説明する。
【0035】
従来、通常は火格子部には空気比が設定値(例えば0.3)になるように制御して送風(100%空気)している。
【0036】
一方、本発明では、火格子部ガス温度T1が設定温度(例えば600℃)となるように、循環排ガス量を加える。なお、循環排ガス混合割合の目標範囲は、火格子燃焼ガス温度が600℃〜800℃に収まるように制御する。
【0037】
このとき、総酸素流量は変化しないよう、火格子送風空気量の方を絞る必要がある。具体的には、循環排ガス量と、循環排ガスO濃度(=煙突O分析計指示値)から、循環排ガス中のO量を演算し、そのO量に見合う分の空気量(=O量/0.21)を、火格子送風空気量から減らすような流量制御を行う。
【0038】
図2に循環排ガス混合割合と火格子燃焼ガス温度の関係を示す。循環排ガス混合により、総酸素量を変えることなく(空気比を変えることなく)、ごみを燃焼させ、燃焼温度は所定の設定温度に下げることができる。
【符号の説明】
【0039】
1:乾燥用シャフト部 2:火格子部
3:熱分解残渣溶融部 4:炉床部
5:朝顔部 6:溶融炉
7:下段羽口 8:上段羽口
9:排ガス排気口 10:廃棄物装入口
11:シール用蓋 12:廃棄物供給装置
13:火格子 14:出湯口
15:副資材装入口 16:バーナ
17:乾燥用シャフト部羽口 18:コークスベット
19:熱分解残渣 20:コンベア
21:排ガス吹込口 22:排ガス流量調整弁
23:制御装置 24:排ガス煙道
25:循環排ガス配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を乾燥する乾燥用シャフト部の頂部から廃棄物を乾燥用シャフト部内に装入して形成した廃棄物充填層に、熱分解残渣を生成する火格子部とコークスを熱源として熱分解残渣を溶融する熱分解残渣溶融部とで発生したガスを通過させて廃棄物を乾燥させ、
前記廃棄物充填層を通過したガスを前記乾燥用シャフト部の排ガス排気口から排出して排ガス処理設備で無害化処理して排ガス煙道を経て放出し、
乾燥用シャフト部で乾燥した廃棄物を火格子部で熱分解して熱分解残渣を生成し、
生成した前記熱分解残渣を前記火格子部から連続的に落下させて前記熱分解残渣溶融部へ供給して溶融する廃棄物溶融処理方法において、
前記排ガス煙道から排ガスを取り出して前記火格子部の下方に吹き込んで前記火格子部上部の温度をクリンカ生成温度未満に制御することを特徴とする廃棄物溶融処理方法。
【請求項2】
前記火格子部上部の温度を検出し、検出温度に応じて前記排ガス煙道からの排ガスを火格子の下方に吹き込んで前記火格子部上部の温度を600℃〜800℃の範囲に維持することを特徴とする請求項1に記載の廃棄物溶融処理方法。
【請求項3】
廃棄物装入口及び排ガス排気口が頂部に設けられ、前記廃棄物装入口から廃棄物が装入されて形成された廃棄物充填層に火格子部及び熱分解残渣溶融部で発生したガスを通過させて廃棄物を乾燥させるとともに、前記廃棄物充填層を通過したガスが前記排ガス排気口から排出される乾燥用シャフト部と、
前記乾燥用シャフト部の前記排ガス排気口から排出された排ガスを無害化処理して排ガス煙道を経て放出する排ガス処理設備と、
前記乾燥用シャフト部の下部に連設され、前記乾燥用シャフト部で乾燥した廃棄物を熱分解して熱分解残渣を生成する前記火格子部と、
前記火格子部の前記熱分解残渣の出側に接続され、火格子部から落下して供給される熱分解残渣を、コークスを熱源として溶融処理する前記熱分解残渣溶融部とが順次配列された廃棄物処理装置において、
前記排ガス煙道から排ガスを取り出し、前記火格子部内へ取り出した排ガスを吹き込む排ガス吹込口を接続する循環排ガス配管と、
前記循環排ガス配管に設けられた、前記排ガス煙道から取り出された排ガス流量を調整する排ガス流量調整弁と、
前記火格子部の上部に配置された温度計の温度検出信号により前記火格子部の上部の温度をクリンカ生成温度未満に維持するように前記排ガス流量調整弁の排ガス流量を制御する制御装置を配置したことを特徴とする廃棄物溶融処理装置。
【請求項4】
前記制御装置が火格子部の上部の温度を600℃〜800℃の範囲に維持すること特徴とする請求項3に記載の廃棄物溶融処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−159264(P2012−159264A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20739(P2011−20739)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】