延長先無線制御装置、延長元無線制御装置、通信システムおよび無線制御方法
【課題】 メモリ容量を少なくするとともに、処理負荷を減らすことができる延長先無線制御装置、延長元無線制御装置、通信システムおよび無線制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 受信部201が周辺セル情報およびバージョン番号を含んだチャネル追加要求メッセージを受信する。受信された移行先セルにおけるバージョン番号と、メモリ204に記憶されているバージョン番号とが一致しているか否かを、バージョン管理部202が判断する。そして、バージョン番号が一致していないと判断した場合には、送信部203は、メモリ204に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージをRNC100に送信し、バージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージを、RNC100に送信する。
【解決手段】 受信部201が周辺セル情報およびバージョン番号を含んだチャネル追加要求メッセージを受信する。受信された移行先セルにおけるバージョン番号と、メモリ204に記憶されているバージョン番号とが一致しているか否かを、バージョン管理部202が判断する。そして、バージョン番号が一致していないと判断した場合には、送信部203は、メモリ204に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージをRNC100に送信し、バージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージを、RNC100に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を行う移動機に対して加入者線延長を行って通信制御を行う延長先無線制御装置、延長元無線制御装置、通信システムおよび無線制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラー移動通信システムは、複数セルでサービスエリアが構成され、それらのセルをまたがる際に、新たなセルとのチャネルを追加して(これらをハンドオーバと呼ぶ)通信を行う特徴を持っている。そのセルラー移動通信システムにおいて、ハンドオーバ時でも呼制御を行うRNC(Radio Network Controller)を変えない方式では、ハンドオーバ時に、異なるRNC配下のセルをまたがって通信を行う状態(以後、加入者線延長と呼ぶ)が生じることがある。加入者線延長元のRNCは、加入者線延長時において、移動機がチャネルを追加されたセルからさらに別セルにハンドオーバする時に必要な周辺セル情報(周辺セルのセル毎のIDや送信パワー等そのセルに関する複数の情報が含まれる)を持っている必要がある。加入者線延長については、下記特許文献1にその概要が記載されている。
【特許文献1】特開2001−25046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この周辺セル情報を各RNCが有する方法として以下の方法が考えられている。運用しているNW上の全RNCの全セルの周辺セル情報をメモリにストアしておく方式(以下方式(1)と呼ぶ)、または加入者線延長先のセルに移動機がチャネル追加するたびに、そのセルの周辺セル情報を取得する方式(以下方式(2)と呼ぶ)である。
【0004】
ところで、周辺セル情報は、移動機がそのセルからさらに移動する可能性のある全セルに関する情報を含んでいるため、非常に情報量が多い。
【0005】
方式(1)では運用しているNW上の全RNCの全セルのその周辺セル情報をメモリにストアするため、たったひとつのセルの情報や周辺セルの構成が変更になるだけで、運用しているNW上の全RNCの周辺セル内の情報を変更する必要があり、変更時に大変な手間となる。なおかつ、あるRNCから実際加入者線延長先のセルになることがないようなセルの周辺セル情報もストアする必要があるため(移動機がどのようなセルに移動しないかは予測ができないので全ての情報をもっている必要がる。)、不必要な分まで非常に多くのメモリ領域を持っていないといけない。
【0006】
一方、方式(2)では、方式(1)と比較し、あるセルの情報や周辺セルの構成が変更になった時の手間が必要最小限であり、また移動機が移動しえる最小限のセルの周辺情報のみをストアするだけでよいので、大幅にメモリ容量削減できる利点があるが、その反面、非常に情報量が多い周辺セル情報を、加入者線延長が生じるたびにRNC間で転送されるため、RNC区間の伝送容量を大量に利用されてしまうと共に、情報のやりとりに伴う処理負荷が大きい。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、メモリ容量を少なくするとともに、処理負荷を減らすことができる延長先無線制御装置、延長元無線制御装置、通信システムおよび無線制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本発明の延長先無線制御装置は、延長元無線制御装置からの呼制御を配下のセルに位置する移動機に対する呼制御として受け付け、移動機に対する呼制御を行う延長先無線制御装置において、周辺セル情報およびバージョン番号を記憶する記憶手段と、前記延長元無線制御装置から周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたバージョン番号と前記記憶手段に記憶されているバージョン番号とが一致しているか否かを判断するバージョン判断手段と、前記バージョン判断手段によりバージョン番号が一致していないと判断した場合には、前記記憶手段に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを前記延長元無線制御装置に送信し、前記バージョン判断手段によりバージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージを、前記延長元無線制御装置に送信する送信手段と、を備えている。
【0009】
この発明によれば、延長元無線制御装置から周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を受信し、受信されたバージョン番号と予め記憶されているバージョン番号とが一致しているか否かを判断する。そして、バージョン番号が一致していないと判断した場合には、記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを延長元無線制御装置に送信し、バージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージを、延長元無線制御装置に送信する。これにより、セルの情報や周辺セルの構成が変更になった時の手間が必要最小限であり、また通信中の移動機が移動しえる最小限のセルの周辺情報のみを記憶するだけでよいので、大幅にメモリ容量削減できる。また、無線制御装置区間の伝送容量および処理負荷を減らすことができ、伝送路のコスト減を実現することができる。さらに、伝送路のコスト減と処理負荷減に伴い設置RNC数を減らすことが可能となる。
【0010】
また、本発明の延長先無線制御装置は、前記記憶手段に記憶されている周辺セル情報に変更があったか否かを判断するセル情報判断手段と、前記セル情報判断手段により周辺セル情報に変更があったと判断された場合には、前記記憶手段に記憶されているバージョン番号を更新するバージョン更新手段と、を備えることが好ましい。
【0011】
この発明によれば、記憶手段に記憶されている周辺セル情報に変更があったか否かを判断し、周辺セル情報に変更があったと判断された場合には、記憶手段に記憶されているバージョン番号を更新する。これにより、バージョン番号に基づいた更新処理を迅速かつ確実に行うことができる。
【0012】
また、本発明の延長元無線制御装置は、上記延長先無線制御装置の配下のセルに位置する移動機に対して呼制御を行う延長元無線制御装置であって、前記延長先無線制御装置から送信される周辺セル情報およびバージョン番号を記憶する呼制御用記憶手段と、前記移動機から呼制御追加要求を受けると、呼制御追加要求を前記延長先無線制御装置に送信する呼制御追加要求手段と、前記呼制御追加要求手段により送信された呼制御追加要求に応じて前記延長先無線制御装置から応答メッセージを受信する応答受信手段と、前記応答受信手段により受信された応答メッセージに周辺セル情報およびバージョン番号が含まれている場合には、前記呼制御用記憶手段に記憶されているセル情報およびバージョン番号を更新し、前記応答受信手段により受信された応答メッセージが周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージである場合には、前記呼制御用記憶手段の記憶内容を更新しない制御を行う更新手段と、前記呼制御用記憶手段に記憶されている周辺セル情報を用いて前記延長先無線制御装置のセルに位置する移動機の呼制御を行う呼制御手段と、を備えている。
【0013】
この発明によれば、移動機から呼制御追加要求を受けると、呼制御追加要求を延長先無線制御装置に送信し、送信された呼制御追加要求に応じて延長先無線制御装置から応答メッセージを受信する。そして、受信された応答メッセージに周辺セル情報およびバージョン番号が含まれている場合には、記憶されているセル情報およびバージョン番号を更新し、受信された応答メッセージが周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージである場合には、記憶内容を更新しない制御を行う。よって、セルの情報や周辺セルの構成が変更になった時の手間が必要最小限であり、また通信中の移動機が移動しえる最小限のセルの周辺情報のみを記憶するだけでよいので、大幅にメモリ容量削減できる。また、無線制御装置区間の伝送容量および処理負荷を減らすことができ、伝送路のコスト減を実現することができる。そして、このような処理により記憶された周辺セル情報を用いて延長先無線制御装置のセルに位置する移動機の呼制御を行うことができる。さらに、伝送路のコスト減と処理負荷減に伴い設置RNC数を減らすことが可能となる。
【0014】
また、本発明の延長元無線制御装置は、前記延長先無線制御装置の配下の所定のセルに対する呼制御追加要求が初めてであるか否かを判断する呼制御要求判断手段と、前記呼制御要求判断手段により初めてであると判断された場合には、呼制御追加要求を送信し、前記呼制御要求判断手段により初めてでないと判断された場合には、周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を送信する呼制御要求手段と、を備え、前記更新手段は、前記応答受信手段が前記呼制御要求手段による呼制御追加要求の応答として周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを受信した場合には、前記呼制御用記憶手段に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を、前記受信した周辺セル情報およびバージョン番号に更新することが好ましい。
【0015】
この発明によれば、延長先無線制御装置の配下の所定のセルに対する呼制御追加要求が初めてであるか否かを判断し、初めてであると判断された場合には、呼制御追加要求を送信し、初めてでないと判断された場合には、周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を送信する。そして、呼制御追加要求の応答として周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを受信した場合には、予め記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を、受信した周辺セル情報およびバージョン番号に更新する。これにより、変更があったときまたは新たな周辺セル情報およびバージョン番号を取得し、取得された周辺セル情報を用いて延長先無線制御装置のセルに位置する移動機の呼制御を行うことができる。よって、無線制御装置区間の伝送容量および処理負荷を減らすことができ、伝送路のコスト減を実現することができる。
【0016】
ところで、本発明は、以下に示すとおり、通信システム、無線制御方法として捉えることもできる。これら発明は、カテゴリーが異なるだけであり、その作用効果において、上述延長先無線制御装置、延長元無線制御装置と実質的に同一である。
【0017】
すなわち、本発明の通信システムは、上記延長先無線制御装置と、上記延長元無線制御装置と、を備えている。
【0018】
また、本発明の無線制御方法は、延長元無線制御装置からの呼制御を配下のセルに位置する移動機に対する呼制御として受け付け、前記移動機に対する呼制御を行い、記憶手段に周辺セル情報およびバージョン番号を記憶する延長先無線制御装置における無線制御方法において、前記延長元無線制御装置から周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を受信する受信ステップと、前記受信ステップにより受信されたバージョン番号と前記記憶手段に記憶されているバージョン番号とが一致しているか否かを判断するバージョン判断ステップと、前記バージョン判断ステップによりバージョン番号が一致していないと判断した場合には、前記記憶手段に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを前記延長元無線制御装置に送信し、前記バージョン判断ステップによりバージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージを、前記延長元無線制御装置に送信する送信ステップと、を備えている。
【0019】
また、本発明の無線制御方法は、呼制御用記憶手段に前記延長先無線制御装置から送信される周辺セル情報およびバージョン番号を記憶し、請求項1に記載の延長先無線制御装置の配下のセルに位置する移動機に対して呼制御を行う延長元無線制御装置における無線制御方法であって、前記移動機から呼制御追加要求を受けると、呼制御追加要求を前記延長先無線制御装置に送信する呼制御追加要求ステップと、前記呼制御追加要求ステップにより送信された呼制御追加要求に応じて前記延長先無線制御装置から応答メッセージを受信する応答受信ステップと、前記応答受信ステップにより受信された応答メッセージに周辺セル情報およびバージョン番号が含まれている場合には、前記呼制御用記憶手段に記憶されているセル情報およびバージョン番号を更新し、前記応答受信ステップにより受信された応答メッセージが周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージである場合には、前記呼制御用記憶手段の記憶内容を更新しない制御を行う更新ステップと、前記呼制御用記憶手段に記憶されている周辺セル情報を用いて前記延長先無線制御装置のセルに位置する移動機の呼制御を行う呼制御ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、セルの情報や周辺セルの構成が変更になった時の手間が必要最小限であり、また通信中の移動機が移動しえる最小限のセルの周辺情報のみを記憶するだけでよいので、大幅にメモリ容量削減できる。また、無線制御装置区間の伝送容量および処理負荷を減らすことができ、伝送路のコスト減を実現することができる。さらに、伝送路のコスト減と処理負荷減に伴い設置RNC数を減らすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、一実施形態のために示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解することができる。引き続いて、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0022】
図1に、本発明の実施形態に係るセルラー移動通信システム1の概略構成図を示す。本実施形態に係るセルラー移動通信システム1は、移動機10と、所定の領域内で離間配置され移動機10との間で無線信号の送受信を行う無線基地局12、14と、無線基地局12と接続され、無線基地局12を制御すると共に、コアネットワーク24と接続されている無線制御装置(RNC)100と、無線基地局14と接続され、無線基地局14を制御すると共に、コアネットワーク24と接続されている無線制御装置(RNC)200と、を備えている。RNC100と、RNC100が制御する無線基地局12とでサブシステム26が構成され、RNC200と、RNC200が制御する無線基地局14とでサブシステム28が構成される。また、移動機10が無線基地局12と無線通信できる地理的範囲をセル30で、無線基地局14と無線通信できる地理的範囲をセル32で示す。なお、本実施形態では、RNC100、200が制御する無線基地局の数をそれぞれ1つにしているが、1つのRNCが複数の無線基地局を制御する構成であってもよい。
【0023】
図1を用いて、加入者線延長について説明する。セル30に位置する移動機10が無線基地局12と通信を開始したとする。移動機10はセル30におけるチャネルで通信を継続しながら移動し、セル32へ入るとする。この際に、移動機10はセル32におけるチャネルを追加して通信を行う。ここで、セル30とセル32とは異なるRNC配下のセルであるが、セル32における呼制御を、セル32を配下にもつRNC200を中継して、通信を開始したセル30を配下にもつRNC100で行う。このような呼制御を加入者線延長と呼ぶ。加入者線延長先のRNC(上記の例ではRNC200)をDRNC、加入者線延長元のRNC(上記の例ではRNC100)をSRNCと呼ぶ。
【0024】
加入者線延長が生じた際に、SRNCであるRNC100は、DRNCであるRNC200の配下のセル32から移動機10が他のセルへハンドオーバするときに必要な周辺セル情報をRNC200から転送してもらう。これを周辺セル情報転送制御と呼ぶ。
【0025】
つぎに、このような加入者線延長を実行することができるRNC100およびRNC200について説明する。図2は、加入者線延長元の延長元無線制御装置であるRNC100の構成を示すブロック図である。
【0026】
このRNC100は、呼制御部101(呼制御手段)、メモリ102(呼制御用記憶手段)、受信部103(応答受信手段)、更新部104(更新手段)、判断部105、要求部106(呼制御追加要求手段)および通知部107を含んで構成されている。以下各構成について説明する。
【0027】
呼制御部101は、メモリ102に記憶されている周辺セル情報を用いて、配下のセルに位置する移動機10または加入者線延長先のRNC200の配下のセルに位置する移動機10の呼制御を行う部分である。
【0028】
メモリ102は、移動機10が移動することが可能なセルにおける周辺セル情報およびバージョン番号をセルごとに区別して記憶する部分であり、呼制御部101は、当該メモリ102に記憶されている情報を用いて呼制御を行うことができる。
【0029】
受信部103は、RNC200から、要求部106によるチャネル追加要求メッセージに応じて送信された応答メッセージ(移動機10が移動しようとした移行先セルを示す情報、ならびにその移行先セルに対応した周辺セル情報およびバージョン番号を含む)を受信する部分である。受信部103は周辺セル情報およびバージョン番号を受信すると、RNC200から受信した移行先セルを示す情報、周辺セル情報およびバージョン番号を更新部104に出力する。
【0030】
また、受信部103は、上述応答メッセージの受信に先立って、移動機10が他のセルに移動しようとした場合に、その移動機10から送信される移行先セルに対するチャネル追加要求を受信する部分である。なお、このチャネル追加要求は、RNC200の配下のセルに移動機10が移動しようとした場合における当該セルに対するものであり、その移行先セルを示す情報が含まれている。受信部103は、このチャネル追加要求を受信すると、判断部105にその旨を出力する。
【0031】
更新部104は、判断部105において、受信部103が周辺セル情報とバージョン番号とを含んだ応答メッセージを受信したと判断した場合に、メモリ102に記憶されている移行先セルに対応する周辺セル情報およびバージョン番号を書き換えて更新する処理を行う。
【0032】
判断部105は、受信部103において移動機10からチャネル追加要求が受信されると、移行先セルに対する要求部106によるチャネル追加要求が初めてであるか否かを判断する部分である。なお、判断する方法としては2つあり、当該セルのバージョン番号がメモリ102に記憶されているかどうかで判断する方法と、当該セルにチャネル追加要求を行ったことを示す情報を記憶または移動機10からのチャネル追加要求内に設定しておき、その情報を判断する方法のどちらの方法を使用してもよい。また、判断部105は周辺セル情報とバージョン番号とを含んだ応答メッセージを受信したか否かを判断する部分である。
【0033】
要求部106は、判断部105によりRNC200によるチャネル追加要求が初めてであると判断した場合には、RNC200に、初めてのチャネル追加要求であることを示す通知情報および移行先セルを示す情報とともにチャネル追加要求メッセージ(呼制御追加要求に相当)を送信し、その応答を待つ部分である。初めてでないと判断した場合には、移行先セルを示す情報とともにチャネル追加要求メッセージとともに当該セルに関する周辺セル情報のバージョン番号をRNC200に送信する部分である。要求部106により送信されたチャネル追加要求メッセージに対する応答は、上述したとおり受信部103が受信することになる。
【0034】
通知部107は、更新部104による更新処理が行われると、移動機10に対して更新した周辺セル情報を通知する部分である。移動機10では、ここで通知された周辺セル情報を用いて呼制御処理を行うことができる。
【0035】
このようにして構成された加入者線延長処理における延長元無線制御装置であるRNC100は、加入者線延長先の無線制御装置であるRNC200に対して、周辺セル情報を取得することができるとともに、周辺セル情報に変更がない場合には、その旨を受信することで、メモリ102における周辺セル情報の更新処理を行わずにすむ。
【0036】
つぎに、加入者線延長先の延長先無線制御装置であるRNC200の構成について説明する。図3は、加入者線延長先の延長先無線制御装置であるRNC200の構成を示すブロック図である。このRNC200は、受信部201(受信手段)、バージョン管理部202(比較テーブル202aを含む)(バージョン判断部)、送信部203(送信手段)、メモリ204(記憶手段)、セル情報判断部205(セル情報判断手段)、およびバージョン更新部206(バージョン更新手段)を含んで構成されている。このRNC200は、RNC100からの呼制御を配下のセルに位置する移動機に対する呼制御として受け付け、当該移動機に対して呼制御を行うものである。
【0037】
受信部201は、RNC100からRNC200の配下のセル(移行先セル)に対するチャネル追加要求メッセージおよび周辺セル情報のバージョン番号を受信する部分である。
【0038】
バージョン管理部202は、RNC100から初めてチャネル追加要求を受けたか否かを、RNC100から送信される通知情報に基づいて判断する部分である。また、バージョン管理部202は、その内部に比較テーブル202aを備えており、その比較テーブル202aに受信部201により受信されたバージョン番号を移行先セルを示す情報に対応付けて一時的に記憶させる。そして、バージョン管理部202は、RNC100から初めてのチャネル追加要求ではないと判断した場合には、移行先セルにおける周辺セル情報のバージョン番号(比較テーブル202aに記憶されているバージョン番号)と、この移行先セルに対応するメモリ204に記憶しているバージョン番号とを比較する。そして、バージョン管理部202が、受信したバージョン番号と記憶しているバージョン番号との比較結果を送信部203に出力する。
【0039】
送信部203は、バージョン管理部202により2つのバージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報およびバージョン番号を含まない応答メッセージをRNC100に送信し、バージョン番号が一致していないと判断した場合には、メモリ204に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージならびに移行先セルを示した情報を送信する部分である。
【0040】
メモリ204は、RNC200の配下のセルの周辺セルの周辺セル情報およびバージョン番号を記憶する部分であり、移動機10が移動することが可能なセルにおける周辺セル情報およびバージョン番号をセルごとに区別して記憶する部分である。例えば、図8に示されるように、各セルごとの周辺セル情報およびバージョン番号が記憶されている。
【0041】
セル情報判断部205は、周辺セルにおける周辺セル情報に変更があったか否かを判断する部分である。周辺のセル(RNC)においては、作業者による作業によりセル情報に変更が加えられる場合があり、そのセル情報に変更が加えられた場合、その変更に合わせて作業者は周辺セル情報を変更する作業を行う。セル情報判断部205では、その作業者によりメモリ204に変更が加えられたか否かにより周辺セル情報の変更の有無を判断することができる。
【0042】
バージョン更新部206は、セル情報判断部205により周辺セル情報に変更があったと判断した場合には、メモリ204に記憶されている周辺セル情報を書き換える処理を行うとともに、バージョン番号のバージョン番号の更新処理(バージョン番号を1加算する処理)を行う部分である。
【0043】
以降、図4〜図6におけるフローを用いて、本発明における周辺セル情報転送制御の方法を説明する。なお、図4〜図6のフローにおいては、RNC100を第1のRNC、RNC200を第2のRNCと称して説明する。
【0044】
図4に、加入者線延長元のRNC(SRNC)100における周辺セル情報転送制御処理を示すフローチャートを示す。本フローが開始されると、RNC100の受信部103は、移動機10からRNC200配下のセル(移行先セル)へチャネル追加要求があるか否かを監視する(S12)。受信部103がRNC200配下のセルへチャネル追加要求を受信すると(S12:YES)、判断部105は当該セルへのチャネル追加要求が初めてか否かを判断する。判断する方法としては2つあり、当該セルのバージョン番号がメモリ102に記憶されているかどうかで判断する方法と、当該セルにチャネル追加要求を行ったことを示す情報を設け、その情報を判断する方法のどちらの方法を使用してもよい(S14)。
【0045】
当該セル(移行先セル)へのチャネル追加要求が初めてである場合(S14:YES)、要求部106はRNC200へチャネル追加要求メッセージと初めてのチャネル追加要求である旨を示す通知情報を送信する。なお、初めてするチャネル追加要求である旨を示す通知情報を送信せずバージョン番号も送信しないようにしても良い。(S16)。
【0046】
その後、受信部103はRNC200から当該セルに関する周辺セル情報とそのバージョン番号とを含んだ応答メッセージを受信するのを待つ(S18)。受信部103が当該セルに関する周辺セル情報とそのバージョン番号とを含んだ応答メッセージを受信すると(S18:YES)、更新部104による処理により、メモリ102は当該セルに対応する周辺セル情報とバージョン番号とを保持(または更新)する(S26)。その後、通知部107は、メモリ102に保持している当該セルに関する周辺セル情報を移動機10に通知する(S28)。
【0047】
一方、RNC200配下のセルへのチャネル追加要求が初めてでない場合(S14:NO)、要求部106はRNC200へ当該セルに関する周辺セル情報のバージョン番号を含んだチャネル追加要求メッセージ送信する(S20)。その後、受信部103はRNC200からの応答メッセージを待つ(S22)。受信部103はRNC200からの応答メッセージを受信すると(S22:YES)、判断部105はその応答メッセージと一緒に周辺セル情報とバージョン番号とを受信したか否かを判断する(S24)。
【0048】
周辺セル情報とバージョン番号を含んだ応答メッセージを受信した場合(S24:YES)、更新部104により、メモリ102は受信した周辺セル情報とバージョン番号を保持し(S26)、更新部104は保持している当該セルに関する周辺セル情報を移動機10に通知する(S28)。応答メッセージに周辺セル情報とバージョン番号とが含まれない場合(S24:NO)、更新部104は以前にRNC200から受信して保持している当該セルに関する周辺セル情報を移動機に通知する(S28)。以降、移動機10が他のセルに入ったときに、本フローが動作することになる。
【0049】
つぎに、図5において、加入者線延長先のRNC(DRNC)であるRNC200における周辺セル情報転送制御処理であるフローチャートを示す。受信部201は、RNC100からRNC200配下のセルへのチャネル追加要求メッセージを受信したか否かを監視する(S42)。受信部201が当該セルへのチャネル追加要求メッセージを受信すると(S42:YES)、RNC100から当該セルへのチャネル追加要求が初めてか否かをバージョン管理部202が判断する(S44)。初めてであるかどうかの判断方法として2つ存在し、RNC100からバージョン番号が送られてこないことを利用する方法や、初めてである旨を示す通知情報を利用する場合どちらを利用してもよい。但し、RNC100の方法とあわせる必要がある。本実施形態では、初めてである旨を示す通知情報を利用する方法を記載している。
【0050】
当該セルへのチャネル追加要求が初めてである場合(S44:YES)、送信部203はRNC100へ当該セルに関する周辺セル情報とそのバージョン番号とともに応答メッセージを送信する(S46)。当該セルへのチャネル追加要求が初めてでない場合(S44:NO)、バージョン管理部202はRNC100から受信したチャネル追加要求メッセージに含まれる当該セルに関する周辺セル情報のバージョン番号と、メモリ204で保持する当該セルに関する周辺セル情報のバージョン番号とを比較する(S48)。この比較により、バージョン番号が同一であるとの結果を得た場合(S50:YES)、送信部203はRNC100へ当該セルに関する周辺セル情報とそのバージョン情報とを送信することなく応答メッセージを送信する(S52)。また、比較により、バージョン番号が同一でないとの結果を得た場合(S50:NO)、送信部203はRNC100へ当該セルに関する周辺セル情報とそのバージョン番号とともに応答メッセージを送信する(S46)。S46またはS52による処理の終了後、本処理フローは終了となる。
【0051】
つぎに、図6に、RNC200におけるバージョン番号管理処理を示すフローチャートを示す。本処理フローが開始されると、セル情報判断部205は、RNC自配下のいずれかのセルの周辺セル情報が変更されたか否かを監視し(S60)、作業者により周辺セル情報が変更された場合(S60:YES)、バージョン更新部206は当該周辺セル情報のバージョン番号に1または2以上を足し(S62)、本処理フローは終了となる。
【0052】
以下図7〜図13において、本実施形態におけるセルラー移動通信システム1の状態遷移図を示す。
【0053】
図7に示すように、RNC100は、メモリ102、更新部104を具備し、RNC200は比較テーブル202a、メモリ204を具備する。これは図2および3の構成を簡略化したものである。
【0054】
図8において、RNC200は、自配下の各セルに対する周辺セル情報を、RNC200内の自配下セル情報用のメモリ204の周辺セル情報領域204aに持っている。すなわち、メモリ204は、セルごとに周辺セル情報とバージョン番号とを記憶している。そして、このメモリ204において、バージョン更新部206により、各セルの周辺セル情報に対し、それぞれバージョン番号が更新され、更新されたバージョン番号をバージョン番号領域204bに保持される。バージョン更新部206は、図6に示す処理を実行する部分であり、あるセルに関する周辺セルの情報に対し、メモリ204に記入されたかどうか監視し、1箇所でも記入されると、図9のように、バージョン番号領域204bに記述されているバージョン番号をひとつまたはふたつ以上大きくする。図10〜図13において、このバージョン番号を利用し、周辺セル情報を必要な時だけ転送する時の動作を示す。
【0055】
図10において、加入者線延長元の無線制御装置(SRNC)をRNC100とし、加入者線延長先の無線制御装置(DRNC)をRNC200とする。RNC100は、移動機10の通信対象セルに対するチャネル追加要求に応じて、RNC200から送信された応答メッセージに周辺セル情報とそのバージョン番号とが含まれていると、それを図4のフローS22、S24、S26に従いメモリ204は保持する。
【0056】
図11において、移動機10が再び同じセルを追加要求する時の動作について説明する。なお、この時移動機10は前にセル追加要求した時と別の移動機であってもよい。
【0057】
図11において、RNC100が、移動機10からの通信対象セルのチャネル追加要求を再び受信すると、図4の処理S14、S20に従いRNC100が保持しているバージョン番号を含んだ通信対象セルのチャネル追加要求メッセージをRNC200に送信する。RNC200は、送信されたバージョン番号を、比較テーブル202aに保持する(前にデータが存在した場合は上書きする)。
【0058】
図12において、RNC200は、図5の処理S48、50に従い比較テーブル202aで保持しているバージョン番号と、自配下セル情報用のメモリ204で保持しているバージョン番号(図8におけるバージョン番号領域204bに記憶されているバージョン番号)とを比較し、同じ場合は、図5の処理S52に従い、周辺セル情報とバージョン番号とをRNC100に送信しない。すなわち、周辺セル情報とバージョン番号とを含まない応答メッセージを送信する。
【0059】
図13において、RNC100は、周辺セル情報が送信されなかった場合、すなわち図4の処理S24でNoとなる場合、通知部107はメモリ204に保持している周辺セル情報を移動機10に通知する。
【0060】
すなわち、RNC200のセルの周辺セル情報がバージョンアップされない限り、セルの追加時に加入者線延長が生じても、サイズの大きい周辺セル情報がRNC間で転送されず、必要なときだけ転送される。なお、メモリ204にストアされたあるセルに関する周辺セル情報は、別移動機が該当セルに移動した時にも参照可能とする。
【0061】
つぎに、本実施形態のRNC100およびRNC200の作用効果について説明する。RNC200において、受信部201がRNC100から、RNC200の配下のセルへの、周辺セル情報およびバージョン番号を含んだチャネル追加要求メッセージを受信する。このセルはRNC100において移動機10が移行しようとする移行先セルを示すものである。この受信部201により受信された当該移行先セルにおける周辺セル情報のバージョン番号と、メモリ204に記憶されている当該移行先セルに対応する周辺セル情報のバージョン番号とが一致しているか否かを、バージョン管理部202が判断する。
【0062】
具体的には、受信した移行先セルの周辺セル情報のバージョン番号と、メモリ204に移行先セルに対応して記憶されている周辺セル情報のバージョン番号との一致を判断する。受信部201では、周辺セル情報およびバージョン番号とともに移行先セル(チャネル追加要求の対象セル)を示す情報をも受信することになる。
【0063】
そして、バージョン番号が一致していないと判断した場合には、送信部203は、メモリ204に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージをRNC100に送信し、バージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージを、RNC100に送信する。
【0064】
これにより、セルの情報や周辺セルの構成が変更になった時の手間が必要最小限であり、また通信中の移動機10が移動しえる最小限のセルの周辺情報のみを記憶するだけでよいので、大幅にメモリ容量削減できる。また、RNC区間の伝送容量および処理負荷を減らすことができ、伝送路のコスト減を実現することができる。
【0065】
また、RNC200においては、セル情報判断部205がメモリ204に記憶されている周辺セル情報に変更があったか否かを判断し、周辺セル情報に変更があったと判断された場合には、バージョン更新部206はメモリ204に記憶されているバージョン番号を更新する。これにより、バージョン番号に基づいた更新処理を迅速かつ確実に行うことができる。
【0066】
また、RNC100において、要求部106は、受信部103により移動機10から移行先セルに対するチャネル追加要求を受けると、チャネル追加要求(移行先セルを示す情報を含む)をRNC200に送信し、受信部103は、RNC200からチャネル追加要求に応じてRNC200から応答メッセージを受信する。そして、受信部103により、移行先セルに対するチャネル追加要求に応じて受信された応答メッセージに周辺セル情報およびバージョン番号が含まれていると、判断部105が判断した場合には、更新部104は、メモリ102に記憶されている移行先セルに対応する周辺セル情報およびバージョン番号を、受信した周辺セル情報およびバージョン番号に書き換えて更新する。
【0067】
また、受信された応答メッセージが周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージであると、判断部105が判断した場合には、更新部104はメモリ102の記憶内容を更新しない制御を行う。よって、セルの情報や周辺セルの構成が変更になった時の手間が必要最小限であり、また通信中の移動機10が移動しえる最小限のセルの周辺情報のみを記憶するだけでよいので、大幅にメモリ容量削減できる。また、RNC区間の伝送容量および処理負荷を減らすことができ、伝送路のコスト減を実現することができる。そして、このような処理により記憶された周辺セル情報を用いてRNC200のセルに位置する移動機の呼制御を行うことができる。
【0068】
また、RNC100において、判断部105がRNC200に対するチャネル追加要求が初めてであるか否かを判断し、初めてであると判断された場合には、要求部106はチャネル追加要求を送信し、初めてでないと判断された場合には、周辺セル情報およびバージョン番号を含んだチャネル追加要求を送信する。そして、受信部103がチャネル追加要求の応答として周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを受信した場合には、更新部104はメモリ102に記憶されている、RNC200のセルに対応する周辺セル情報およびバージョン番号を、受信した周辺セル情報およびバージョン番号に書き換えて更新する。これにより、変更があったときまたは新たな周辺セル情報およびバージョン番号を取得し、取得された周辺セル情報を用いてRNC200のセルに位置する移動機の呼制御を行うことができる。よって、RNC区間の伝送容量および処理負荷を減らすことができ、伝送路のコスト減を実現することができる。さらに、伝送路のコスト減と処理負荷減に伴い設置RNC数を減らすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態に係るセルラー移動通信システム1の概略構成図である。
【図2】加入者線延長元の延長元無線制御装置であるRNC100の構成を示すブロック図である。
【図3】加入者線延長先の延長先無線制御装置であるRNC200の構成を示すブロック図である。
【図4】加入者線延長元のRNC(SRNC)100における周辺セル情報転送制御処理を示すフローチャートである。
【図5】加入者線延長先のRNC(DRNC)であるRNC200における周辺セル情報転送制御処理であるフローチャートを示す。
【図6】RNC200におけるバージョン番号管理処理を示すフローチャートを示す。
【図7】RNC100およびRNC200の概略構成を示す説明図である。
【図8】RNC200のメモリ204の記憶内容を示す説明図である。
【図9】RNC200のメモリ204に対する概略動作を示す説明図である。
【図10】RNC100およびRNC200のチャネル追加要求応答を行うときの概略動作を示す説明図である。
【図11】RNC100およびRNC200のバージョン番号を抽出するときの概略動作を示す説明図である。
【図12】RNC100およびRNC200のバージョン番号の比較を行うときの概略動作を示す説明図である。
【図13】RNC100およびRNC200の周辺セル情報を移動機10に通知するときの概略動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0070】
1…セルラー移動通信システム、10…移動機、12…無線基地局、14…無線基地局、24…コアネットワーク、26…サブシステム、28…サブシステム、30…セル、32…セル、100、200…RNC、101…呼制御部、102…メモリ、103…受信部、104…更新部、105…判断部、106…要求部、107…通知部、201…受信部、202…バージョン管理部、202a…比較テーブル、203…送信部、204…メモリ、205…セル情報判断部、206…バージョン更新部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を行う移動機に対して加入者線延長を行って通信制御を行う延長先無線制御装置、延長元無線制御装置、通信システムおよび無線制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラー移動通信システムは、複数セルでサービスエリアが構成され、それらのセルをまたがる際に、新たなセルとのチャネルを追加して(これらをハンドオーバと呼ぶ)通信を行う特徴を持っている。そのセルラー移動通信システムにおいて、ハンドオーバ時でも呼制御を行うRNC(Radio Network Controller)を変えない方式では、ハンドオーバ時に、異なるRNC配下のセルをまたがって通信を行う状態(以後、加入者線延長と呼ぶ)が生じることがある。加入者線延長元のRNCは、加入者線延長時において、移動機がチャネルを追加されたセルからさらに別セルにハンドオーバする時に必要な周辺セル情報(周辺セルのセル毎のIDや送信パワー等そのセルに関する複数の情報が含まれる)を持っている必要がある。加入者線延長については、下記特許文献1にその概要が記載されている。
【特許文献1】特開2001−25046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この周辺セル情報を各RNCが有する方法として以下の方法が考えられている。運用しているNW上の全RNCの全セルの周辺セル情報をメモリにストアしておく方式(以下方式(1)と呼ぶ)、または加入者線延長先のセルに移動機がチャネル追加するたびに、そのセルの周辺セル情報を取得する方式(以下方式(2)と呼ぶ)である。
【0004】
ところで、周辺セル情報は、移動機がそのセルからさらに移動する可能性のある全セルに関する情報を含んでいるため、非常に情報量が多い。
【0005】
方式(1)では運用しているNW上の全RNCの全セルのその周辺セル情報をメモリにストアするため、たったひとつのセルの情報や周辺セルの構成が変更になるだけで、運用しているNW上の全RNCの周辺セル内の情報を変更する必要があり、変更時に大変な手間となる。なおかつ、あるRNCから実際加入者線延長先のセルになることがないようなセルの周辺セル情報もストアする必要があるため(移動機がどのようなセルに移動しないかは予測ができないので全ての情報をもっている必要がる。)、不必要な分まで非常に多くのメモリ領域を持っていないといけない。
【0006】
一方、方式(2)では、方式(1)と比較し、あるセルの情報や周辺セルの構成が変更になった時の手間が必要最小限であり、また移動機が移動しえる最小限のセルの周辺情報のみをストアするだけでよいので、大幅にメモリ容量削減できる利点があるが、その反面、非常に情報量が多い周辺セル情報を、加入者線延長が生じるたびにRNC間で転送されるため、RNC区間の伝送容量を大量に利用されてしまうと共に、情報のやりとりに伴う処理負荷が大きい。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、メモリ容量を少なくするとともに、処理負荷を減らすことができる延長先無線制御装置、延長元無線制御装置、通信システムおよび無線制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本発明の延長先無線制御装置は、延長元無線制御装置からの呼制御を配下のセルに位置する移動機に対する呼制御として受け付け、移動機に対する呼制御を行う延長先無線制御装置において、周辺セル情報およびバージョン番号を記憶する記憶手段と、前記延長元無線制御装置から周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたバージョン番号と前記記憶手段に記憶されているバージョン番号とが一致しているか否かを判断するバージョン判断手段と、前記バージョン判断手段によりバージョン番号が一致していないと判断した場合には、前記記憶手段に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを前記延長元無線制御装置に送信し、前記バージョン判断手段によりバージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージを、前記延長元無線制御装置に送信する送信手段と、を備えている。
【0009】
この発明によれば、延長元無線制御装置から周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を受信し、受信されたバージョン番号と予め記憶されているバージョン番号とが一致しているか否かを判断する。そして、バージョン番号が一致していないと判断した場合には、記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを延長元無線制御装置に送信し、バージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージを、延長元無線制御装置に送信する。これにより、セルの情報や周辺セルの構成が変更になった時の手間が必要最小限であり、また通信中の移動機が移動しえる最小限のセルの周辺情報のみを記憶するだけでよいので、大幅にメモリ容量削減できる。また、無線制御装置区間の伝送容量および処理負荷を減らすことができ、伝送路のコスト減を実現することができる。さらに、伝送路のコスト減と処理負荷減に伴い設置RNC数を減らすことが可能となる。
【0010】
また、本発明の延長先無線制御装置は、前記記憶手段に記憶されている周辺セル情報に変更があったか否かを判断するセル情報判断手段と、前記セル情報判断手段により周辺セル情報に変更があったと判断された場合には、前記記憶手段に記憶されているバージョン番号を更新するバージョン更新手段と、を備えることが好ましい。
【0011】
この発明によれば、記憶手段に記憶されている周辺セル情報に変更があったか否かを判断し、周辺セル情報に変更があったと判断された場合には、記憶手段に記憶されているバージョン番号を更新する。これにより、バージョン番号に基づいた更新処理を迅速かつ確実に行うことができる。
【0012】
また、本発明の延長元無線制御装置は、上記延長先無線制御装置の配下のセルに位置する移動機に対して呼制御を行う延長元無線制御装置であって、前記延長先無線制御装置から送信される周辺セル情報およびバージョン番号を記憶する呼制御用記憶手段と、前記移動機から呼制御追加要求を受けると、呼制御追加要求を前記延長先無線制御装置に送信する呼制御追加要求手段と、前記呼制御追加要求手段により送信された呼制御追加要求に応じて前記延長先無線制御装置から応答メッセージを受信する応答受信手段と、前記応答受信手段により受信された応答メッセージに周辺セル情報およびバージョン番号が含まれている場合には、前記呼制御用記憶手段に記憶されているセル情報およびバージョン番号を更新し、前記応答受信手段により受信された応答メッセージが周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージである場合には、前記呼制御用記憶手段の記憶内容を更新しない制御を行う更新手段と、前記呼制御用記憶手段に記憶されている周辺セル情報を用いて前記延長先無線制御装置のセルに位置する移動機の呼制御を行う呼制御手段と、を備えている。
【0013】
この発明によれば、移動機から呼制御追加要求を受けると、呼制御追加要求を延長先無線制御装置に送信し、送信された呼制御追加要求に応じて延長先無線制御装置から応答メッセージを受信する。そして、受信された応答メッセージに周辺セル情報およびバージョン番号が含まれている場合には、記憶されているセル情報およびバージョン番号を更新し、受信された応答メッセージが周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージである場合には、記憶内容を更新しない制御を行う。よって、セルの情報や周辺セルの構成が変更になった時の手間が必要最小限であり、また通信中の移動機が移動しえる最小限のセルの周辺情報のみを記憶するだけでよいので、大幅にメモリ容量削減できる。また、無線制御装置区間の伝送容量および処理負荷を減らすことができ、伝送路のコスト減を実現することができる。そして、このような処理により記憶された周辺セル情報を用いて延長先無線制御装置のセルに位置する移動機の呼制御を行うことができる。さらに、伝送路のコスト減と処理負荷減に伴い設置RNC数を減らすことが可能となる。
【0014】
また、本発明の延長元無線制御装置は、前記延長先無線制御装置の配下の所定のセルに対する呼制御追加要求が初めてであるか否かを判断する呼制御要求判断手段と、前記呼制御要求判断手段により初めてであると判断された場合には、呼制御追加要求を送信し、前記呼制御要求判断手段により初めてでないと判断された場合には、周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を送信する呼制御要求手段と、を備え、前記更新手段は、前記応答受信手段が前記呼制御要求手段による呼制御追加要求の応答として周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを受信した場合には、前記呼制御用記憶手段に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を、前記受信した周辺セル情報およびバージョン番号に更新することが好ましい。
【0015】
この発明によれば、延長先無線制御装置の配下の所定のセルに対する呼制御追加要求が初めてであるか否かを判断し、初めてであると判断された場合には、呼制御追加要求を送信し、初めてでないと判断された場合には、周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を送信する。そして、呼制御追加要求の応答として周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを受信した場合には、予め記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を、受信した周辺セル情報およびバージョン番号に更新する。これにより、変更があったときまたは新たな周辺セル情報およびバージョン番号を取得し、取得された周辺セル情報を用いて延長先無線制御装置のセルに位置する移動機の呼制御を行うことができる。よって、無線制御装置区間の伝送容量および処理負荷を減らすことができ、伝送路のコスト減を実現することができる。
【0016】
ところで、本発明は、以下に示すとおり、通信システム、無線制御方法として捉えることもできる。これら発明は、カテゴリーが異なるだけであり、その作用効果において、上述延長先無線制御装置、延長元無線制御装置と実質的に同一である。
【0017】
すなわち、本発明の通信システムは、上記延長先無線制御装置と、上記延長元無線制御装置と、を備えている。
【0018】
また、本発明の無線制御方法は、延長元無線制御装置からの呼制御を配下のセルに位置する移動機に対する呼制御として受け付け、前記移動機に対する呼制御を行い、記憶手段に周辺セル情報およびバージョン番号を記憶する延長先無線制御装置における無線制御方法において、前記延長元無線制御装置から周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を受信する受信ステップと、前記受信ステップにより受信されたバージョン番号と前記記憶手段に記憶されているバージョン番号とが一致しているか否かを判断するバージョン判断ステップと、前記バージョン判断ステップによりバージョン番号が一致していないと判断した場合には、前記記憶手段に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを前記延長元無線制御装置に送信し、前記バージョン判断ステップによりバージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージを、前記延長元無線制御装置に送信する送信ステップと、を備えている。
【0019】
また、本発明の無線制御方法は、呼制御用記憶手段に前記延長先無線制御装置から送信される周辺セル情報およびバージョン番号を記憶し、請求項1に記載の延長先無線制御装置の配下のセルに位置する移動機に対して呼制御を行う延長元無線制御装置における無線制御方法であって、前記移動機から呼制御追加要求を受けると、呼制御追加要求を前記延長先無線制御装置に送信する呼制御追加要求ステップと、前記呼制御追加要求ステップにより送信された呼制御追加要求に応じて前記延長先無線制御装置から応答メッセージを受信する応答受信ステップと、前記応答受信ステップにより受信された応答メッセージに周辺セル情報およびバージョン番号が含まれている場合には、前記呼制御用記憶手段に記憶されているセル情報およびバージョン番号を更新し、前記応答受信ステップにより受信された応答メッセージが周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージである場合には、前記呼制御用記憶手段の記憶内容を更新しない制御を行う更新ステップと、前記呼制御用記憶手段に記憶されている周辺セル情報を用いて前記延長先無線制御装置のセルに位置する移動機の呼制御を行う呼制御ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、セルの情報や周辺セルの構成が変更になった時の手間が必要最小限であり、また通信中の移動機が移動しえる最小限のセルの周辺情報のみを記憶するだけでよいので、大幅にメモリ容量削減できる。また、無線制御装置区間の伝送容量および処理負荷を減らすことができ、伝送路のコスト減を実現することができる。さらに、伝送路のコスト減と処理負荷減に伴い設置RNC数を減らすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、一実施形態のために示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解することができる。引き続いて、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0022】
図1に、本発明の実施形態に係るセルラー移動通信システム1の概略構成図を示す。本実施形態に係るセルラー移動通信システム1は、移動機10と、所定の領域内で離間配置され移動機10との間で無線信号の送受信を行う無線基地局12、14と、無線基地局12と接続され、無線基地局12を制御すると共に、コアネットワーク24と接続されている無線制御装置(RNC)100と、無線基地局14と接続され、無線基地局14を制御すると共に、コアネットワーク24と接続されている無線制御装置(RNC)200と、を備えている。RNC100と、RNC100が制御する無線基地局12とでサブシステム26が構成され、RNC200と、RNC200が制御する無線基地局14とでサブシステム28が構成される。また、移動機10が無線基地局12と無線通信できる地理的範囲をセル30で、無線基地局14と無線通信できる地理的範囲をセル32で示す。なお、本実施形態では、RNC100、200が制御する無線基地局の数をそれぞれ1つにしているが、1つのRNCが複数の無線基地局を制御する構成であってもよい。
【0023】
図1を用いて、加入者線延長について説明する。セル30に位置する移動機10が無線基地局12と通信を開始したとする。移動機10はセル30におけるチャネルで通信を継続しながら移動し、セル32へ入るとする。この際に、移動機10はセル32におけるチャネルを追加して通信を行う。ここで、セル30とセル32とは異なるRNC配下のセルであるが、セル32における呼制御を、セル32を配下にもつRNC200を中継して、通信を開始したセル30を配下にもつRNC100で行う。このような呼制御を加入者線延長と呼ぶ。加入者線延長先のRNC(上記の例ではRNC200)をDRNC、加入者線延長元のRNC(上記の例ではRNC100)をSRNCと呼ぶ。
【0024】
加入者線延長が生じた際に、SRNCであるRNC100は、DRNCであるRNC200の配下のセル32から移動機10が他のセルへハンドオーバするときに必要な周辺セル情報をRNC200から転送してもらう。これを周辺セル情報転送制御と呼ぶ。
【0025】
つぎに、このような加入者線延長を実行することができるRNC100およびRNC200について説明する。図2は、加入者線延長元の延長元無線制御装置であるRNC100の構成を示すブロック図である。
【0026】
このRNC100は、呼制御部101(呼制御手段)、メモリ102(呼制御用記憶手段)、受信部103(応答受信手段)、更新部104(更新手段)、判断部105、要求部106(呼制御追加要求手段)および通知部107を含んで構成されている。以下各構成について説明する。
【0027】
呼制御部101は、メモリ102に記憶されている周辺セル情報を用いて、配下のセルに位置する移動機10または加入者線延長先のRNC200の配下のセルに位置する移動機10の呼制御を行う部分である。
【0028】
メモリ102は、移動機10が移動することが可能なセルにおける周辺セル情報およびバージョン番号をセルごとに区別して記憶する部分であり、呼制御部101は、当該メモリ102に記憶されている情報を用いて呼制御を行うことができる。
【0029】
受信部103は、RNC200から、要求部106によるチャネル追加要求メッセージに応じて送信された応答メッセージ(移動機10が移動しようとした移行先セルを示す情報、ならびにその移行先セルに対応した周辺セル情報およびバージョン番号を含む)を受信する部分である。受信部103は周辺セル情報およびバージョン番号を受信すると、RNC200から受信した移行先セルを示す情報、周辺セル情報およびバージョン番号を更新部104に出力する。
【0030】
また、受信部103は、上述応答メッセージの受信に先立って、移動機10が他のセルに移動しようとした場合に、その移動機10から送信される移行先セルに対するチャネル追加要求を受信する部分である。なお、このチャネル追加要求は、RNC200の配下のセルに移動機10が移動しようとした場合における当該セルに対するものであり、その移行先セルを示す情報が含まれている。受信部103は、このチャネル追加要求を受信すると、判断部105にその旨を出力する。
【0031】
更新部104は、判断部105において、受信部103が周辺セル情報とバージョン番号とを含んだ応答メッセージを受信したと判断した場合に、メモリ102に記憶されている移行先セルに対応する周辺セル情報およびバージョン番号を書き換えて更新する処理を行う。
【0032】
判断部105は、受信部103において移動機10からチャネル追加要求が受信されると、移行先セルに対する要求部106によるチャネル追加要求が初めてであるか否かを判断する部分である。なお、判断する方法としては2つあり、当該セルのバージョン番号がメモリ102に記憶されているかどうかで判断する方法と、当該セルにチャネル追加要求を行ったことを示す情報を記憶または移動機10からのチャネル追加要求内に設定しておき、その情報を判断する方法のどちらの方法を使用してもよい。また、判断部105は周辺セル情報とバージョン番号とを含んだ応答メッセージを受信したか否かを判断する部分である。
【0033】
要求部106は、判断部105によりRNC200によるチャネル追加要求が初めてであると判断した場合には、RNC200に、初めてのチャネル追加要求であることを示す通知情報および移行先セルを示す情報とともにチャネル追加要求メッセージ(呼制御追加要求に相当)を送信し、その応答を待つ部分である。初めてでないと判断した場合には、移行先セルを示す情報とともにチャネル追加要求メッセージとともに当該セルに関する周辺セル情報のバージョン番号をRNC200に送信する部分である。要求部106により送信されたチャネル追加要求メッセージに対する応答は、上述したとおり受信部103が受信することになる。
【0034】
通知部107は、更新部104による更新処理が行われると、移動機10に対して更新した周辺セル情報を通知する部分である。移動機10では、ここで通知された周辺セル情報を用いて呼制御処理を行うことができる。
【0035】
このようにして構成された加入者線延長処理における延長元無線制御装置であるRNC100は、加入者線延長先の無線制御装置であるRNC200に対して、周辺セル情報を取得することができるとともに、周辺セル情報に変更がない場合には、その旨を受信することで、メモリ102における周辺セル情報の更新処理を行わずにすむ。
【0036】
つぎに、加入者線延長先の延長先無線制御装置であるRNC200の構成について説明する。図3は、加入者線延長先の延長先無線制御装置であるRNC200の構成を示すブロック図である。このRNC200は、受信部201(受信手段)、バージョン管理部202(比較テーブル202aを含む)(バージョン判断部)、送信部203(送信手段)、メモリ204(記憶手段)、セル情報判断部205(セル情報判断手段)、およびバージョン更新部206(バージョン更新手段)を含んで構成されている。このRNC200は、RNC100からの呼制御を配下のセルに位置する移動機に対する呼制御として受け付け、当該移動機に対して呼制御を行うものである。
【0037】
受信部201は、RNC100からRNC200の配下のセル(移行先セル)に対するチャネル追加要求メッセージおよび周辺セル情報のバージョン番号を受信する部分である。
【0038】
バージョン管理部202は、RNC100から初めてチャネル追加要求を受けたか否かを、RNC100から送信される通知情報に基づいて判断する部分である。また、バージョン管理部202は、その内部に比較テーブル202aを備えており、その比較テーブル202aに受信部201により受信されたバージョン番号を移行先セルを示す情報に対応付けて一時的に記憶させる。そして、バージョン管理部202は、RNC100から初めてのチャネル追加要求ではないと判断した場合には、移行先セルにおける周辺セル情報のバージョン番号(比較テーブル202aに記憶されているバージョン番号)と、この移行先セルに対応するメモリ204に記憶しているバージョン番号とを比較する。そして、バージョン管理部202が、受信したバージョン番号と記憶しているバージョン番号との比較結果を送信部203に出力する。
【0039】
送信部203は、バージョン管理部202により2つのバージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報およびバージョン番号を含まない応答メッセージをRNC100に送信し、バージョン番号が一致していないと判断した場合には、メモリ204に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージならびに移行先セルを示した情報を送信する部分である。
【0040】
メモリ204は、RNC200の配下のセルの周辺セルの周辺セル情報およびバージョン番号を記憶する部分であり、移動機10が移動することが可能なセルにおける周辺セル情報およびバージョン番号をセルごとに区別して記憶する部分である。例えば、図8に示されるように、各セルごとの周辺セル情報およびバージョン番号が記憶されている。
【0041】
セル情報判断部205は、周辺セルにおける周辺セル情報に変更があったか否かを判断する部分である。周辺のセル(RNC)においては、作業者による作業によりセル情報に変更が加えられる場合があり、そのセル情報に変更が加えられた場合、その変更に合わせて作業者は周辺セル情報を変更する作業を行う。セル情報判断部205では、その作業者によりメモリ204に変更が加えられたか否かにより周辺セル情報の変更の有無を判断することができる。
【0042】
バージョン更新部206は、セル情報判断部205により周辺セル情報に変更があったと判断した場合には、メモリ204に記憶されている周辺セル情報を書き換える処理を行うとともに、バージョン番号のバージョン番号の更新処理(バージョン番号を1加算する処理)を行う部分である。
【0043】
以降、図4〜図6におけるフローを用いて、本発明における周辺セル情報転送制御の方法を説明する。なお、図4〜図6のフローにおいては、RNC100を第1のRNC、RNC200を第2のRNCと称して説明する。
【0044】
図4に、加入者線延長元のRNC(SRNC)100における周辺セル情報転送制御処理を示すフローチャートを示す。本フローが開始されると、RNC100の受信部103は、移動機10からRNC200配下のセル(移行先セル)へチャネル追加要求があるか否かを監視する(S12)。受信部103がRNC200配下のセルへチャネル追加要求を受信すると(S12:YES)、判断部105は当該セルへのチャネル追加要求が初めてか否かを判断する。判断する方法としては2つあり、当該セルのバージョン番号がメモリ102に記憶されているかどうかで判断する方法と、当該セルにチャネル追加要求を行ったことを示す情報を設け、その情報を判断する方法のどちらの方法を使用してもよい(S14)。
【0045】
当該セル(移行先セル)へのチャネル追加要求が初めてである場合(S14:YES)、要求部106はRNC200へチャネル追加要求メッセージと初めてのチャネル追加要求である旨を示す通知情報を送信する。なお、初めてするチャネル追加要求である旨を示す通知情報を送信せずバージョン番号も送信しないようにしても良い。(S16)。
【0046】
その後、受信部103はRNC200から当該セルに関する周辺セル情報とそのバージョン番号とを含んだ応答メッセージを受信するのを待つ(S18)。受信部103が当該セルに関する周辺セル情報とそのバージョン番号とを含んだ応答メッセージを受信すると(S18:YES)、更新部104による処理により、メモリ102は当該セルに対応する周辺セル情報とバージョン番号とを保持(または更新)する(S26)。その後、通知部107は、メモリ102に保持している当該セルに関する周辺セル情報を移動機10に通知する(S28)。
【0047】
一方、RNC200配下のセルへのチャネル追加要求が初めてでない場合(S14:NO)、要求部106はRNC200へ当該セルに関する周辺セル情報のバージョン番号を含んだチャネル追加要求メッセージ送信する(S20)。その後、受信部103はRNC200からの応答メッセージを待つ(S22)。受信部103はRNC200からの応答メッセージを受信すると(S22:YES)、判断部105はその応答メッセージと一緒に周辺セル情報とバージョン番号とを受信したか否かを判断する(S24)。
【0048】
周辺セル情報とバージョン番号を含んだ応答メッセージを受信した場合(S24:YES)、更新部104により、メモリ102は受信した周辺セル情報とバージョン番号を保持し(S26)、更新部104は保持している当該セルに関する周辺セル情報を移動機10に通知する(S28)。応答メッセージに周辺セル情報とバージョン番号とが含まれない場合(S24:NO)、更新部104は以前にRNC200から受信して保持している当該セルに関する周辺セル情報を移動機に通知する(S28)。以降、移動機10が他のセルに入ったときに、本フローが動作することになる。
【0049】
つぎに、図5において、加入者線延長先のRNC(DRNC)であるRNC200における周辺セル情報転送制御処理であるフローチャートを示す。受信部201は、RNC100からRNC200配下のセルへのチャネル追加要求メッセージを受信したか否かを監視する(S42)。受信部201が当該セルへのチャネル追加要求メッセージを受信すると(S42:YES)、RNC100から当該セルへのチャネル追加要求が初めてか否かをバージョン管理部202が判断する(S44)。初めてであるかどうかの判断方法として2つ存在し、RNC100からバージョン番号が送られてこないことを利用する方法や、初めてである旨を示す通知情報を利用する場合どちらを利用してもよい。但し、RNC100の方法とあわせる必要がある。本実施形態では、初めてである旨を示す通知情報を利用する方法を記載している。
【0050】
当該セルへのチャネル追加要求が初めてである場合(S44:YES)、送信部203はRNC100へ当該セルに関する周辺セル情報とそのバージョン番号とともに応答メッセージを送信する(S46)。当該セルへのチャネル追加要求が初めてでない場合(S44:NO)、バージョン管理部202はRNC100から受信したチャネル追加要求メッセージに含まれる当該セルに関する周辺セル情報のバージョン番号と、メモリ204で保持する当該セルに関する周辺セル情報のバージョン番号とを比較する(S48)。この比較により、バージョン番号が同一であるとの結果を得た場合(S50:YES)、送信部203はRNC100へ当該セルに関する周辺セル情報とそのバージョン情報とを送信することなく応答メッセージを送信する(S52)。また、比較により、バージョン番号が同一でないとの結果を得た場合(S50:NO)、送信部203はRNC100へ当該セルに関する周辺セル情報とそのバージョン番号とともに応答メッセージを送信する(S46)。S46またはS52による処理の終了後、本処理フローは終了となる。
【0051】
つぎに、図6に、RNC200におけるバージョン番号管理処理を示すフローチャートを示す。本処理フローが開始されると、セル情報判断部205は、RNC自配下のいずれかのセルの周辺セル情報が変更されたか否かを監視し(S60)、作業者により周辺セル情報が変更された場合(S60:YES)、バージョン更新部206は当該周辺セル情報のバージョン番号に1または2以上を足し(S62)、本処理フローは終了となる。
【0052】
以下図7〜図13において、本実施形態におけるセルラー移動通信システム1の状態遷移図を示す。
【0053】
図7に示すように、RNC100は、メモリ102、更新部104を具備し、RNC200は比較テーブル202a、メモリ204を具備する。これは図2および3の構成を簡略化したものである。
【0054】
図8において、RNC200は、自配下の各セルに対する周辺セル情報を、RNC200内の自配下セル情報用のメモリ204の周辺セル情報領域204aに持っている。すなわち、メモリ204は、セルごとに周辺セル情報とバージョン番号とを記憶している。そして、このメモリ204において、バージョン更新部206により、各セルの周辺セル情報に対し、それぞれバージョン番号が更新され、更新されたバージョン番号をバージョン番号領域204bに保持される。バージョン更新部206は、図6に示す処理を実行する部分であり、あるセルに関する周辺セルの情報に対し、メモリ204に記入されたかどうか監視し、1箇所でも記入されると、図9のように、バージョン番号領域204bに記述されているバージョン番号をひとつまたはふたつ以上大きくする。図10〜図13において、このバージョン番号を利用し、周辺セル情報を必要な時だけ転送する時の動作を示す。
【0055】
図10において、加入者線延長元の無線制御装置(SRNC)をRNC100とし、加入者線延長先の無線制御装置(DRNC)をRNC200とする。RNC100は、移動機10の通信対象セルに対するチャネル追加要求に応じて、RNC200から送信された応答メッセージに周辺セル情報とそのバージョン番号とが含まれていると、それを図4のフローS22、S24、S26に従いメモリ204は保持する。
【0056】
図11において、移動機10が再び同じセルを追加要求する時の動作について説明する。なお、この時移動機10は前にセル追加要求した時と別の移動機であってもよい。
【0057】
図11において、RNC100が、移動機10からの通信対象セルのチャネル追加要求を再び受信すると、図4の処理S14、S20に従いRNC100が保持しているバージョン番号を含んだ通信対象セルのチャネル追加要求メッセージをRNC200に送信する。RNC200は、送信されたバージョン番号を、比較テーブル202aに保持する(前にデータが存在した場合は上書きする)。
【0058】
図12において、RNC200は、図5の処理S48、50に従い比較テーブル202aで保持しているバージョン番号と、自配下セル情報用のメモリ204で保持しているバージョン番号(図8におけるバージョン番号領域204bに記憶されているバージョン番号)とを比較し、同じ場合は、図5の処理S52に従い、周辺セル情報とバージョン番号とをRNC100に送信しない。すなわち、周辺セル情報とバージョン番号とを含まない応答メッセージを送信する。
【0059】
図13において、RNC100は、周辺セル情報が送信されなかった場合、すなわち図4の処理S24でNoとなる場合、通知部107はメモリ204に保持している周辺セル情報を移動機10に通知する。
【0060】
すなわち、RNC200のセルの周辺セル情報がバージョンアップされない限り、セルの追加時に加入者線延長が生じても、サイズの大きい周辺セル情報がRNC間で転送されず、必要なときだけ転送される。なお、メモリ204にストアされたあるセルに関する周辺セル情報は、別移動機が該当セルに移動した時にも参照可能とする。
【0061】
つぎに、本実施形態のRNC100およびRNC200の作用効果について説明する。RNC200において、受信部201がRNC100から、RNC200の配下のセルへの、周辺セル情報およびバージョン番号を含んだチャネル追加要求メッセージを受信する。このセルはRNC100において移動機10が移行しようとする移行先セルを示すものである。この受信部201により受信された当該移行先セルにおける周辺セル情報のバージョン番号と、メモリ204に記憶されている当該移行先セルに対応する周辺セル情報のバージョン番号とが一致しているか否かを、バージョン管理部202が判断する。
【0062】
具体的には、受信した移行先セルの周辺セル情報のバージョン番号と、メモリ204に移行先セルに対応して記憶されている周辺セル情報のバージョン番号との一致を判断する。受信部201では、周辺セル情報およびバージョン番号とともに移行先セル(チャネル追加要求の対象セル)を示す情報をも受信することになる。
【0063】
そして、バージョン番号が一致していないと判断した場合には、送信部203は、メモリ204に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージをRNC100に送信し、バージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージを、RNC100に送信する。
【0064】
これにより、セルの情報や周辺セルの構成が変更になった時の手間が必要最小限であり、また通信中の移動機10が移動しえる最小限のセルの周辺情報のみを記憶するだけでよいので、大幅にメモリ容量削減できる。また、RNC区間の伝送容量および処理負荷を減らすことができ、伝送路のコスト減を実現することができる。
【0065】
また、RNC200においては、セル情報判断部205がメモリ204に記憶されている周辺セル情報に変更があったか否かを判断し、周辺セル情報に変更があったと判断された場合には、バージョン更新部206はメモリ204に記憶されているバージョン番号を更新する。これにより、バージョン番号に基づいた更新処理を迅速かつ確実に行うことができる。
【0066】
また、RNC100において、要求部106は、受信部103により移動機10から移行先セルに対するチャネル追加要求を受けると、チャネル追加要求(移行先セルを示す情報を含む)をRNC200に送信し、受信部103は、RNC200からチャネル追加要求に応じてRNC200から応答メッセージを受信する。そして、受信部103により、移行先セルに対するチャネル追加要求に応じて受信された応答メッセージに周辺セル情報およびバージョン番号が含まれていると、判断部105が判断した場合には、更新部104は、メモリ102に記憶されている移行先セルに対応する周辺セル情報およびバージョン番号を、受信した周辺セル情報およびバージョン番号に書き換えて更新する。
【0067】
また、受信された応答メッセージが周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージであると、判断部105が判断した場合には、更新部104はメモリ102の記憶内容を更新しない制御を行う。よって、セルの情報や周辺セルの構成が変更になった時の手間が必要最小限であり、また通信中の移動機10が移動しえる最小限のセルの周辺情報のみを記憶するだけでよいので、大幅にメモリ容量削減できる。また、RNC区間の伝送容量および処理負荷を減らすことができ、伝送路のコスト減を実現することができる。そして、このような処理により記憶された周辺セル情報を用いてRNC200のセルに位置する移動機の呼制御を行うことができる。
【0068】
また、RNC100において、判断部105がRNC200に対するチャネル追加要求が初めてであるか否かを判断し、初めてであると判断された場合には、要求部106はチャネル追加要求を送信し、初めてでないと判断された場合には、周辺セル情報およびバージョン番号を含んだチャネル追加要求を送信する。そして、受信部103がチャネル追加要求の応答として周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを受信した場合には、更新部104はメモリ102に記憶されている、RNC200のセルに対応する周辺セル情報およびバージョン番号を、受信した周辺セル情報およびバージョン番号に書き換えて更新する。これにより、変更があったときまたは新たな周辺セル情報およびバージョン番号を取得し、取得された周辺セル情報を用いてRNC200のセルに位置する移動機の呼制御を行うことができる。よって、RNC区間の伝送容量および処理負荷を減らすことができ、伝送路のコスト減を実現することができる。さらに、伝送路のコスト減と処理負荷減に伴い設置RNC数を減らすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態に係るセルラー移動通信システム1の概略構成図である。
【図2】加入者線延長元の延長元無線制御装置であるRNC100の構成を示すブロック図である。
【図3】加入者線延長先の延長先無線制御装置であるRNC200の構成を示すブロック図である。
【図4】加入者線延長元のRNC(SRNC)100における周辺セル情報転送制御処理を示すフローチャートである。
【図5】加入者線延長先のRNC(DRNC)であるRNC200における周辺セル情報転送制御処理であるフローチャートを示す。
【図6】RNC200におけるバージョン番号管理処理を示すフローチャートを示す。
【図7】RNC100およびRNC200の概略構成を示す説明図である。
【図8】RNC200のメモリ204の記憶内容を示す説明図である。
【図9】RNC200のメモリ204に対する概略動作を示す説明図である。
【図10】RNC100およびRNC200のチャネル追加要求応答を行うときの概略動作を示す説明図である。
【図11】RNC100およびRNC200のバージョン番号を抽出するときの概略動作を示す説明図である。
【図12】RNC100およびRNC200のバージョン番号の比較を行うときの概略動作を示す説明図である。
【図13】RNC100およびRNC200の周辺セル情報を移動機10に通知するときの概略動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0070】
1…セルラー移動通信システム、10…移動機、12…無線基地局、14…無線基地局、24…コアネットワーク、26…サブシステム、28…サブシステム、30…セル、32…セル、100、200…RNC、101…呼制御部、102…メモリ、103…受信部、104…更新部、105…判断部、106…要求部、107…通知部、201…受信部、202…バージョン管理部、202a…比較テーブル、203…送信部、204…メモリ、205…セル情報判断部、206…バージョン更新部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
延長元無線制御装置からの呼制御を配下のセルに位置する移動機に対する呼制御として受け付け、移動機に対する呼制御を行う延長先無線制御装置において、
周辺セル情報およびバージョン番号を記憶する記憶手段と、
前記延長元無線制御装置から周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたバージョン番号と前記記憶手段に記憶されているバージョン番号とが一致しているか否かを判断するバージョン判断手段と、
前記バージョン判断手段によりバージョン番号が一致していないと判断した場合には、前記記憶手段に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを前記延長元無線制御装置に送信し、前記バージョン判断手段によりバージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージを、前記延長元無線制御装置に送信する送信手段と、
を備える延長先無線制御装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶されている周辺セル情報に変更があったか否かを判断するセル情報判断手段と、
前記セル情報判断手段により周辺セル情報に変更があったと判断された場合には、前記記憶手段に記憶されているバージョン番号を更新するバージョン更新手段と、
を備える請求項1に記載の延長先無線制御装置。
【請求項3】
請求項1の延長先無線制御装置の配下のセルに位置する移動機に対して呼制御を行う延長元無線制御装置であって、
前記延長先無線制御装置から送信される周辺セル情報およびバージョン番号を記憶する呼制御用記憶手段と、
前記移動機から呼制御追加要求を受けると、呼制御追加要求を前記延長先無線制御装置に送信する呼制御追加要求手段と、
前記呼制御追加要求手段により送信された呼制御追加要求に応じて前記延長先無線制御装置から応答メッセージを受信する応答受信手段と、
前記応答受信手段により受信された応答メッセージに周辺セル情報およびバージョン番号が含まれている場合には、前記呼制御用記憶手段に記憶されているセル情報およびバージョン番号を更新し、前記応答受信手段により受信された応答メッセージが周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージである場合には、前記呼制御用記憶手段の記憶内容を更新しない制御を行う更新手段と、
前記呼制御用記憶手段に記憶されている周辺セル情報を用いて前記延長先無線制御装置のセルに位置する移動機の呼制御を行う呼制御手段と、
を備える延長元無線制御装置。
【請求項4】
前記延長先無線制御装置の配下の所定のセルに対する呼制御追加要求が初めてであるか否かを判断する呼制御要求判断手段と、
前記呼制御要求判断手段により初めてであると判断された場合には、呼制御追加要求を送信し、前記呼制御要求判断手段により初めてでないと判断された場合には、周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を送信する呼制御要求手段と、を備え、
前記更新手段は、前記応答受信手段が前記呼制御要求手段による呼制御追加要求の応答として周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを受信した場合には、前記呼制御用記憶手段に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を、前記受信した周辺セル情報およびバージョン番号に更新することを特徴とする請求項3に記載の延長元無線制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の延長先無線制御装置と、請求項3に記載の延長元無線制御装置と、を備えた通信システム。
【請求項6】
延長元無線制御装置からの呼制御を配下のセルに位置する移動機に対する呼制御として受け付け、前記移動機に対する呼制御を行い、記憶手段に周辺セル情報およびバージョン番号を記憶する延長先無線制御装置における無線制御方法において、
前記延長元無線制御装置から周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信されたバージョン番号と前記記憶手段に記憶されているバージョン番号とが一致しているか否かを判断するバージョン判断ステップと、
前記バージョン判断ステップによりバージョン番号が一致していないと判断した場合には、前記記憶手段に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを前記延長元無線制御装置に送信し、前記バージョン判断ステップによりバージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージを、前記延長元無線制御装置に送信する送信ステップと、
を備える延長先無線制御方法。
【請求項7】
呼制御用記憶手段に前記延長先無線制御装置から送信される周辺セル情報およびバージョン番号を記憶し、請求項1に記載の延長先無線制御装置の配下のセルに位置する移動機に対して呼制御を行う延長元無線制御装置における無線制御方法であって、
前記移動機から呼制御追加要求を受けると、呼制御追加要求を前記延長先無線制御装置に送信する呼制御追加要求ステップと、
前記呼制御追加要求ステップにより送信された呼制御追加要求に応じて前記延長先無線制御装置から応答メッセージを受信する応答受信ステップと、
前記応答受信ステップにより受信された応答メッセージに周辺セル情報およびバージョン番号が含まれている場合には、前記呼制御用記憶手段に記憶されているセル情報およびバージョン番号を更新し、前記応答受信ステップにより受信された応答メッセージが周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージである場合には、前記呼制御用記憶手段の記憶内容を更新しない制御を行う更新ステップと、
前記呼制御用記憶手段に記憶されている周辺セル情報を用いて前記延長先無線制御装置のセルに位置する移動機の呼制御を行う呼制御ステップと、
を備える無線制御方法。
【請求項1】
延長元無線制御装置からの呼制御を配下のセルに位置する移動機に対する呼制御として受け付け、移動機に対する呼制御を行う延長先無線制御装置において、
周辺セル情報およびバージョン番号を記憶する記憶手段と、
前記延長元無線制御装置から周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたバージョン番号と前記記憶手段に記憶されているバージョン番号とが一致しているか否かを判断するバージョン判断手段と、
前記バージョン判断手段によりバージョン番号が一致していないと判断した場合には、前記記憶手段に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを前記延長元無線制御装置に送信し、前記バージョン判断手段によりバージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージを、前記延長元無線制御装置に送信する送信手段と、
を備える延長先無線制御装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶されている周辺セル情報に変更があったか否かを判断するセル情報判断手段と、
前記セル情報判断手段により周辺セル情報に変更があったと判断された場合には、前記記憶手段に記憶されているバージョン番号を更新するバージョン更新手段と、
を備える請求項1に記載の延長先無線制御装置。
【請求項3】
請求項1の延長先無線制御装置の配下のセルに位置する移動機に対して呼制御を行う延長元無線制御装置であって、
前記延長先無線制御装置から送信される周辺セル情報およびバージョン番号を記憶する呼制御用記憶手段と、
前記移動機から呼制御追加要求を受けると、呼制御追加要求を前記延長先無線制御装置に送信する呼制御追加要求手段と、
前記呼制御追加要求手段により送信された呼制御追加要求に応じて前記延長先無線制御装置から応答メッセージを受信する応答受信手段と、
前記応答受信手段により受信された応答メッセージに周辺セル情報およびバージョン番号が含まれている場合には、前記呼制御用記憶手段に記憶されているセル情報およびバージョン番号を更新し、前記応答受信手段により受信された応答メッセージが周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージである場合には、前記呼制御用記憶手段の記憶内容を更新しない制御を行う更新手段と、
前記呼制御用記憶手段に記憶されている周辺セル情報を用いて前記延長先無線制御装置のセルに位置する移動機の呼制御を行う呼制御手段と、
を備える延長元無線制御装置。
【請求項4】
前記延長先無線制御装置の配下の所定のセルに対する呼制御追加要求が初めてであるか否かを判断する呼制御要求判断手段と、
前記呼制御要求判断手段により初めてであると判断された場合には、呼制御追加要求を送信し、前記呼制御要求判断手段により初めてでないと判断された場合には、周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を送信する呼制御要求手段と、を備え、
前記更新手段は、前記応答受信手段が前記呼制御要求手段による呼制御追加要求の応答として周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを受信した場合には、前記呼制御用記憶手段に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を、前記受信した周辺セル情報およびバージョン番号に更新することを特徴とする請求項3に記載の延長元無線制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の延長先無線制御装置と、請求項3に記載の延長元無線制御装置と、を備えた通信システム。
【請求項6】
延長元無線制御装置からの呼制御を配下のセルに位置する移動機に対する呼制御として受け付け、前記移動機に対する呼制御を行い、記憶手段に周辺セル情報およびバージョン番号を記憶する延長先無線制御装置における無線制御方法において、
前記延長元無線制御装置から周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ呼制御追加要求を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信されたバージョン番号と前記記憶手段に記憶されているバージョン番号とが一致しているか否かを判断するバージョン判断ステップと、
前記バージョン判断ステップによりバージョン番号が一致していないと判断した場合には、前記記憶手段に記憶されている周辺セル情報およびバージョン番号を含んだ応答メッセージを前記延長元無線制御装置に送信し、前記バージョン判断ステップによりバージョン番号が一致していると判断した場合には、周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージを、前記延長元無線制御装置に送信する送信ステップと、
を備える延長先無線制御方法。
【請求項7】
呼制御用記憶手段に前記延長先無線制御装置から送信される周辺セル情報およびバージョン番号を記憶し、請求項1に記載の延長先無線制御装置の配下のセルに位置する移動機に対して呼制御を行う延長元無線制御装置における無線制御方法であって、
前記移動機から呼制御追加要求を受けると、呼制御追加要求を前記延長先無線制御装置に送信する呼制御追加要求ステップと、
前記呼制御追加要求ステップにより送信された呼制御追加要求に応じて前記延長先無線制御装置から応答メッセージを受信する応答受信ステップと、
前記応答受信ステップにより受信された応答メッセージに周辺セル情報およびバージョン番号が含まれている場合には、前記呼制御用記憶手段に記憶されているセル情報およびバージョン番号を更新し、前記応答受信ステップにより受信された応答メッセージが周辺セル情報に変更が無い旨の応答メッセージである場合には、前記呼制御用記憶手段の記憶内容を更新しない制御を行う更新ステップと、
前記呼制御用記憶手段に記憶されている周辺セル情報を用いて前記延長先無線制御装置のセルに位置する移動機の呼制御を行う呼制御ステップと、
を備える無線制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−294568(P2008−294568A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135724(P2007−135724)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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