説明

建物冷却装置

【課題】水を用いて建物を冷却する場合において建物を濡らすことを抑制することで、建物を濡らすことにより生じる不都合を抑制することができる建物冷却装置を提供する。
【解決手段】建物の二階部分には、建物本体から屋外側に張り出すようにバルコニー20が設けられている。バルコニー20は、バルコニー床21と、バルコニー床21を囲むように立設されるルーバパネル22とを備えている。ルーバパネル22は複数の支柱41と、上下に複数設けられたスラット42とを備えている。ルーバパネル22の噴霧スラット42aには、ルーバパネル22から外壁部側に霧状の水を噴霧する噴霧ノズル52が複数設けられている。各噴霧ノズル52には給水配管53が接続されている。給水配管53には給水ポンプ51が設けられ、給水ポンプ51により給水配管53を介して各噴霧ノズル52に水が供給されると、各噴霧ノズル52より外壁部側に水が噴霧される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、屋外側から建物に散水することによって建物を冷却する技術が知られている。例えば、特許文献1には、建物から離れた位置に上方に延びる給水配管を立設し、その給水配管の上端部に屋根の棟部の上方に向けて水を放出する噴射ノズルを設けた構成が開示されている。これによれば、噴射ノズルより放水された水が屋根の棟部から屋根面を流れ落ちる間に気化されるため、その気化熱により屋根を冷却することができ、ひいては建物を冷却することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−77410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、屋根に散水された水のうち屋根面を流れ落ちる間に気化されなかった水については屋根から下方に滴ることが考えられる。この場合、その滴った水によって居住者等が濡れるといった不都合を招くおそれがある。
【0005】
また、屋根面において気化されなかった水が屋根から外壁部(の外壁面)に伝わり外壁部を濡らすことも考えられる。この場合、外壁部が濡れることで水あかやゴミ等が付着したりするため好ましくない。しかも、この場合外壁部を伝う水が外壁部に設けられた窓部を通じて建物内に入り込み居室等を濡らすおそれもある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、水を用いて建物を冷却する場合において建物を濡らすことを抑制することで、建物を濡らすことにより生じる不都合を抑制することができる建物冷却装置を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、第1の発明の建物冷却装置は、外壁部から屋外側に離間して設けられ複数の通気開口部を有する空間仕切体を備え、前記通気開口部を通じて前記外壁部と前記空間仕切体との間の空間部に対する通気を可能とした建物に適用され、前記空間仕切体に設けられ、当該空間仕切体から霧状の水を噴出させる噴霧手段を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、空間仕切体から噴霧手段により霧状の水を噴出させることにより、建物の外壁部付近で霧状の水が気化して外気が冷却される。こうして建物の外壁部周辺での外気の冷却を図ることにより、建物の冷却が可能となる。また、外壁部から離間して設けられた空間仕切体から水を噴霧させる構成であるため、噴霧された水を外壁部に到達させる前に気化させることができる。したがって、この場合建物に直接水をかけることなく建物を冷却することができる。これにより、水を用いて建物を冷却する場合において建物を濡らすことを抑制することができ、その結果建物を濡らすことにより生じる不都合の抑制を図ることができる。
【0009】
また、この場合、空間仕切体から外壁部に向けて霧状の水を噴出する構成とすれば、外壁部により近い位置で外気を冷却することができ、建物の冷却効果を高めることができる。
【0010】
第2の発明の建物冷却装置は、第1の発明において、前記外壁部には、前記空間仕切体と対向して建物開口部が設けられており、前記噴霧手段は、前記外壁部に向けて水を噴霧することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、空間仕切体から外壁部に向けて霧状の水が噴出されるため、外壁部周辺の外気が冷却される。そして、外壁部には建物開口部が空間仕切体と対向して設けられているため、空間仕切体の通気開口部を通じて外壁部側に流れる風によりその冷やされた外気を建物開口部を通じて建物内に取り込むことができる。これにより、建物内を涼しくすることができる。
【0012】
また、建物の外壁部から離間した位置に設けられた空間仕切体から水が噴霧されるため、建物開口部に向かって水が噴霧された場合でも、噴霧された水が建物開口部を通じて建物内に入り込む前に水を気化させることができる。これにより、噴霧した水により建物内が濡れるといった不都合を抑制することができる。よって以上より、建物内が濡れる等の不都合を抑制しつつ建物内を涼しくすることができる。
【0013】
第3の発明の建物冷却装置は、第1又は第2の発明において、前記噴霧手段により噴霧される水の粒径を調整する粒径調整手段と、屋外の温度を検知する屋外温検知手段と、前記屋外温検知手段により検知された屋外の温度に基づいて、前記噴霧手段より噴霧される水の粒径を調整するよう前記粒径調整手段を制御する粒径制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
外壁部に向けて霧状の水を噴出させる場合において、外壁部を濡らさずかつ外壁部での冷却効率を高めるには、できるだけ外壁部近くで水の気化が完了する状態にするのが望ましい。この場合、霧状の水の気化に要する時間は、水の粒径と屋外の温度とに依存すると考えられる。この点、本発明によれば、屋外の温度に応じて噴霧手段より噴霧される水の粒径が調整されるため、例えば屋外の温度が比較的低く噴霧された水が気化しにくい場合には水の粒径を小さくすることで気化を促進させたり、屋外の温度が比較的高く噴霧された水が気化し易い場合には、水の粒径を大きくすることで気化を抑制したりすることができる。これにより、屋外の温度にかかわらず霧状の水の気化に要する時間を一定にすることができるため、外壁部近くで水の気化を完了させることができる。よって、この場合、屋外の温度にかかわらず外壁部を濡らさずに外壁部での冷却効率を高めることができる。
【0015】
第4の発明の建物冷却装置は、第3の発明において、前記空間仕切体の前記通気開口部を通じて前記外壁部側に向かって流れる風の風量を検知する風量検知手段を備え、前記粒径制御手段は、前記風量検知手段により検知された風の風量に基づいて、前記噴霧手段より噴霧される水の粒径を調整するよう前記粒径調整手段を制御することを特徴とする。
【0016】
外壁部に向けて霧状の水を噴出させる場合において、外壁部を濡らさずかつ外壁部での冷却効率を高めるには、できるだけ外壁部近くで水の気化が完了する状態にするのが望ましい。ここで、噴霧手段より噴出された水が外壁部に到達するまでの所要時間は通気開口部を通じて外壁部側に向かって流れる風の風量(換言すれば風速)に依存して変化する。この場合、風量が大きいと上記所要時間が短くなるため、気化に要する時間を短くする必要がある。一方、風量が小さいと上記所要時間が長くなるため、気化に要する時間を長くする必要がある。その点、本発明では、外壁部側に向かって吹く風の風量に応じて水の粒径を調整する構成としたため、例えば風量が大きい場合には水の粒径を小さくすることで気化を促進させ気化時間を短くしたり、風量が小さい場合には水の粒径を大きくすることで気化を抑制し気化時間を長くしたりすることができる。これにより、風の風量にかかわらず噴霧した水の気化を外壁部の近くで完了させることができるため、風量にかかわらず外壁部を濡らさずに外壁部での冷却効率を高めることができる。
【0017】
第5の発明の建物冷却装置は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記噴霧手段による水の噴出方向を変更する変更手段を備えていることを特徴とする。
【0018】
水を噴霧する向きを変更する場合、その噴霧方向直線上における空間仕切体の噴霧位置と外壁部との距離に差ができる。つまり、噴霧の向きを変更することで、空間仕切体から噴出された水が外壁部に到達するまでの所要時間が変わり、換言すれば外壁部を濡らさない前提の上での気化の所要時間が変わることとなる。この場合、例えば噴霧方向直線上における空間仕切体の噴霧位置と外壁部との距離を大きくすれば、気化の所要時間が長くなってもよいこととなる。したがって、気化冷却の効率を高めるべく水の粒径を大きくしたとしても外壁部が濡れる等の不都合を防止することができる。
【0019】
第6の発明の建物冷却装置は、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記空間仕切体の前記通気開口部を通じて前記外壁部側に向かって流れる風の風量を検知する風量検知手段と、前記風量検知手段により検知された風量が所定以上になった場合に、前記噴霧手段による水の噴霧を実施する噴霧制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、空間仕切体の通気開口部を通じて外壁部側に向かって吹く風が所定以上である場合に水の噴霧が行われる。これにより、例えば空間仕切体から噴霧された水を外壁部側に流れる風により外壁部周辺に到達させ同外壁部周辺で気化させることが可能な場合に、つまりは建物側の冷却が可能な場合に水の噴霧が自動で行われるため、建物を冷却するにあたって利便性を高めることができる。
【0021】
第7の発明の建物冷却装置は、第1乃至第6のいずれかの発明において、前記外壁部には、前記空間仕切体と対向して建物開口部が設けられ、前記建物開口部に隣接する屋内空間の温度を検知する屋内温検知手段と、前記屋内温検知手段により検知された屋内空間の温度が所定温度以上になった場合に、前記噴霧手段による水の噴霧を実施する噴霧制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、建物開口部に隣接する屋内空間の温度が所定温度以上になった場合に、噴霧手段による水の噴霧が自動で行われるため、屋内空間を冷却するにあたって利便性を高めることができる。
【0023】
第8の発明の建物冷却装置は、第1乃至第7のいずれかの発明において、前記外壁部には、前記空間仕切体と対向して建物開口部が設けられ、前記建物開口部に設けられ当該建物開口部を開閉する開閉部材と、前記開閉部材を開閉駆動する開閉駆動手段と、前記建物開口部に隣接する屋内空間に人が存在することを検知する人検知手段と、前記屋内空間の温度を検知する屋内温検知手段と、前記人検知手段により人が検知され、かつ、前記屋内温検知手段により検知された屋内空間の温度が所定温度以上になった場合に、前記開閉部材を開くよう前記開閉駆動手段を制御するとともに前記噴霧手段による水の噴霧を実施するよう制御する噴霧制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、建物開口部に隣接する屋内空間に人(例えば居住者)がいる場合に屋内空間が所定温度以上になると、自動で開閉部材が開いて建物開口部が開放されるとともに噴霧手段による水の噴霧が開始される。そのため、屋内空間を冷却するに際し利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】建物の概略を示す縦断面図。
【図2】ルーバパネル周辺の構成を示す縦断面図。
【図3】ルーバパネルをバルコニー側から見た図。
【図4】噴霧ノズル周辺の構成を示す斜視図。
【図5】噴霧制御処理を示すフローチャート。
【図6】スラット角度が調整可能なルーバパネル周辺の構成を示す縦断面図。
【図7】別例におけるルーバパネル周辺の構成を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図1は建物の概略を示す縦断面図である。
【0027】
図1に示すように、建物10は、建物本体11と、その建物本体11の上方に形成された屋根12とを備えている。建物本体11は、一階部分13と二階部分14とを有してなる二階建て建物である。建物10の一階部分13には第一居室15等が形成され、同二階部分14には第二居室16等が形成されている。
【0028】
建物10の二階部分14には、建物本体11から屋外側に張り出すようにしてバルコニー20が設けられている。バルコニー20は、第二居室16と隣接して設けられており、外壁部17により第二居室16と仕切られている。外壁部17には、バルコニー20へ出入りするための窓部(例えば掃き出し窓)18が設けられ、窓部18には当該窓部18を開閉するガラス戸19が設けられている。
【0029】
バルコニー20は、床部を構成するバルコニー床21と、バルコニー床21を囲むように立設される腰壁としてのルーバパネル22とを備えている。バルコニー床21とルーバパネル22とにより囲まれる空間はバルコニー空間BSとなっている。
【0030】
次に、ルーバパネル22周辺の構成について図2及び図3に基づいて説明する。なお、図2は、ルーバパネル22周辺の構成を示す縦断面図であり、図3はルーバパネル22をバルコニー空間BS側から見た図である。また、図2及び図3では、外壁部17(窓部18)と対面して設けられたルーバパネル22を対象として図示している。
【0031】
図2に示すように、バルコニー床21の下方には、バルコニー床21(ひいてはバルコニー20)を下方から支持するバルコニー床梁25が複数設けられている。具体的には、バルコニー床梁25として、バルコニー床21の屋外側(外壁部17から離間した側の)端縁部に沿って延びるバルコニー床梁25aと、バルコニー床梁25aと外壁部17との間に掛け渡されたバルコニー床梁25bとが設けられており、それらバルコニー床梁25a,25b同士がブラケット29を介して溶接等により連結されている。バルコニー床梁25の上面には、ALC床等からなる床下地材26が設けられ、床下地材26上には発砲ポリスチレン樹脂等からなる断熱材27が敷設されている。また、断熱材27上には、耐水皮膜(例えば塩化ビニル膜)が施された鋼板からなる防水板28が敷設されている。
【0032】
バルコニー床梁25aには、一階部分13に設けられた下階外壁パネル31の上端部がL字状の固定金具32により固定されており、下階外壁パネル31の上方に設けられたバルコニー外壁パネル35が同様にL字状の固定金具39により固定されている。バルコニー外壁パネル35は、外壁面を形成する外壁板36と、バルコニー空間BS側面を形成するバルコニー内板37と、これら外壁板36及びバルコニー内板37の間に設けられ両部材36,37を支持するフレーム38とを備えている。フレーム38は、断面コ字状の軽量鉄骨材からなる複数のフレーム材が矩形枠状に連結されることで構成されている。
【0033】
図2及び図3に示すように、バルコニー外壁パネル35の上方には、同パネル35に沿って空間仕切体としてのルーバパネル22が設けられている。ルーバパネル22は、所定間隔で立設された複数の支柱41と、これら各支柱41に跨って上下に複数設けられたスラット42と、各支柱41の上端部に跨って設けられた手摺43とを備えている。支柱41は、バルコニー外壁パネル35のフレーム38(詳細には外壁板36の上端部に沿って設けられたフレーム材)上に設けられた平板状の柱脚プレート45と、柱脚プレート45から上方に延びる支柱本体46とを備えている。柱脚プレート45は、バルコニー外壁パネル35のフレーム38の上面にボルト等により固定されている。これにより、支柱41が、ひいてはルーバパネル22が建物10に対して固定されている。また、支柱本体46は、四角筒状の角形鋼よりなる。
【0034】
スラット42は、四角筒状をなす長尺部材により形成されており、支柱41に対して直交する方向に延びるように設けられている。各スラット42は、上下に所定間隔をおいて並べられており、支柱41と交差する部位で支柱41に対し溶接等により固定されている。隣り合う各スラット42の間には所定の隙間(以下、スラット間隙間47という)が形成されている。そのため、このスラット間隙間47を通じて通気が可能となっており、スラット間隙間47を通じてバルコニー空間BS側に風を取り込み、さらに窓部18を介して第二居室16にも取り込むことが可能となっている。なおここで、スラット間隙間47が通気開口部に相当する。
【0035】
ところで、本実施形態の建物10には、ルーバパネル22から霧状の水を噴霧するための建物冷却装置50が設けられている。本実施形態では、この建物冷却装置50によりバルコニー空間BS側に向かって水を噴霧することで、噴霧された水が気化する際の気化熱によりバルコニー20内の外気を冷やすこととしている。そして、その冷えた外気をルーバパネル22のスラット間隙間47を通じてバルコニー空間BS側に向かって吹く風により第二居室16内に取り込むようにしている。本実施形態はその点に特徴を有しており、以下その詳細を図2及び図3に加え図4を参照しつつ説明する。なお、図4は噴霧ノズル周辺の構成を示す斜視図である。
【0036】
図3に示すように、建物冷却装置50は、ダイアフラムポンプ等からなる給水ポンプ51と、ルーバパネル22に設けられ水を噴霧する複数の噴霧ノズル52とを備えている。本建物冷却装置50は、給水ポンプ51により給水配管53を介して各噴霧ノズル52に水を供給することで、各噴霧ノズル52より水を噴霧する構成となっている。
【0037】
給水ポンプ51は、例えばバルコニー20のバルコニー床21上に設置されており、その吸入側(上流側)には水道配管54が接続されている。給水ポンプ51の吐出側(下流側)には、給水配管53が接続されている。給水ポンプ51は、水道配管54から供給された水(水道水)を所定の給水圧で給水配管53を介して噴霧ノズル52に供給する。また、給水ポンプ51は、上記給水圧が調整可能となっている。
【0038】
給水配管53は、上流側端部が給水ポンプ51に接続された主配管53aと、主配管53aから分岐された複数の分岐配管53bとを有している。主配管53aには、分岐配管53bとの接続部位(詳細には最も上流側の接続部位)よりも上流側に開閉バルブ55が設けられている。開閉バルブ55は、主配管53a内を流れる水の流通を許可又は禁止するものであり、電気的な操作により開閉動作を行う。
【0039】
主配管53aは、ルーバパネル22の支柱41の下端部に設けられた孔部(図示略)より支柱本体46内に入るとともに、同支柱本体46内にて上方に向かって延びている。主配管53aから分岐された各分岐配管53bはそれぞれ、ルーバパネル22の各スラット42のうち所定のスラット42(以下、このスラット42を噴霧スラット42aという。)に沿って同じ側に延びている。詳細には、支柱41と噴霧スラット42aとの交差部には、支柱41の内部と噴霧スラット42aの内部とを連通する連通口(図示略)が設けられており、分岐配管53bはその連通口を通じて噴霧スラット42a内に入り込み、噴霧スラット42a内において同スラット42aに沿って延びている(図4参照)。
【0040】
なお、上下に複数並べられたスラット42群において噴霧スラット42aは所定個数おきに設けられており、例えば図3では3個おきに設けられている。
【0041】
噴霧ノズル52は、ルーバパネル22の各噴霧スラット42aにおいてそれぞれ複数ずつ設けられている。各噴霧スラット42aにおいてそれら複数の各噴霧ノズル52はそれぞれ各々の噴霧スラット42aの延びる方向に沿って所定間隔ごとに配置されている。また、各噴霧ノズル52は、バルコニー空間BSを挟んで窓部18と対面する位置に設けられている。
【0042】
噴霧ノズル52は、バルコニー空間BS側に向かって霧状の水を噴霧するものであり、例えば一流体ノズルにより構成されている。噴霧スラット42aに設けられた各噴霧ノズル52はそれぞれ、同噴霧スラット42aに設けられた分岐配管53bに接続されている。したがって、各噴霧ノズル52には、給水ポンプ51により給水配管53(つまり主配管53a及び分岐配管53b)を介して水が供給され、これにより各噴霧ノズル52より水が噴霧されるようになっている。
【0043】
噴霧ノズル52は、噴霧スラット42aにおいてその噴出口56をバルコニー空間BS側に向けて設けられている。具体的には、図4に示すように、噴霧スラット42aのバルコニー空間BS側面には、各噴霧ノズル52の噴出口56に合わせて開口部62が設けられており、その開口部62を通じて噴霧ノズル52より水がバルコニー空間BS側に噴霧されるようになっている。
【0044】
また、本実施形態では、給水ポンプ51による水の供給圧を調整することで、噴霧ノズル52より噴霧される水の粒径を調整できるようになっている。具体的には、水の供給圧が高いほど水の粒径が小さくなるように調整される。
【0045】
ここで、上記構成において、開閉バルブ55が開状態とされるとともに給水ポンプ51が駆動されると、各噴霧ノズル52には給水配管53を通じて水が供給される。これにより、各噴霧ノズル52より霧状の水がバルコニー空間BS側に噴霧され、噴霧された水がバルコニー空間BSにおいて気化される。この場合、水の気化熱によってバルコニー空間BSの外気が冷やされる。そして、その冷やされた外気がルーバパネル22のスラット間隙間47を通じてバルコニー空間BS側に流れる風とともに窓部18を介して第二居室16内に取り込まれる。これにより、第二居室16がその取り込まれた冷気によって冷やされる。
【0046】
一方、開閉バルブ55が閉状態とされるとともに給水ポンプ51の駆動が停止されると、各噴霧ノズル52への水の供給が停止される。これにより、噴霧ノズル52による水の噴霧が停止される。
【0047】
図1の説明に戻り、第二居室16には、屋内温検知手段としての居室温センサ57が設けられている。居室温センサ57は、第二居室16の温度を検知するセンサであり、例えば第二居室16の内壁面に設けられている。屋外には、屋外温検知手段としての屋外温センサ58が設けられている。屋外温センサ58は、屋外の温度を検知するセンサであり、例えば外壁部17の屋外面に設けられている。
【0048】
バルコニー20には、風量検知手段としての風量センサ59が設けられている。風量センサ59は、ルーバパネル22のスラット間隙間47を通じてバルコニー空間BS(窓部18)側に向かって流れる風の風量を検知するセンサであり、例えばルーバパネル22(詳細にはスラット42)のバルコニー空間BS側面に設けられている。
【0049】
次に、本建物冷却装置50の電気的構成について図3に基づいて説明する。
【0050】
建物10には、制御手段としてのコントローラ60が設けられている。コントローラ60は、CPU等を有する周知のマイクロコンピュータを主体に構成されており、例えば第二居室16の内壁面に設けられている。
【0051】
コントローラ60の入力側には、居室温センサ57、屋外温センサ58及び風量センサ59が接続されている。コントローラ60には、これら各センサ57〜59から逐次検知結果が入力される。
【0052】
コントローラ60の出力側には、給水ポンプ51及び開閉バルブ55が接続されている。コントローラ60は、上記各センサ57〜59からの検知結果に基づいて、給水ポンプ51及び開閉バルブ55に指令信号を出力する。
【0053】
次に、コントローラ60によって実行される噴霧制御処理について図5に基づいて説明する。本処理は、窓部18が開放されたことをトリガとして開始される。具体的には、ガラス戸19には、当該ガラス戸19が開かれたことを検知する開戸検知センサが設けられ、コントローラ60がこの開戸検知センサから検知信号を受信したことをもって本処理が開始される。なお、本処理は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0054】
まずステップS11において、風量センサ59からの検知結果に基づいて、ルーバパネル22のスラット間隙間47を通じてバルコニー空間BS側に向かって流れる風の風量が所定量以上であるか否かを判定する。ここで、所定の風量は、例えばスラット間隙間47を通じて流れる風が窓部18を介して第二居室16内に取り込まれる程度の風量に設定されている。上記風量が所定量以上である場合には、ステップS12に進む。
【0055】
ステップS12では、居室温センサ57からの検知結果に基づいて、第二居室16内の温度が所定温度以上であるか否かを判定する。ここで、所定の温度は、夏場に第二居室16内にいる居住者が暑さを感じる温度(例えば32℃)に設定されている。第二居室16内の温度が所定温度以上である場合には、ステップS13に進む。
【0056】
ステップS13では、噴霧ノズル52より噴霧される水の粒径を設定する粒径設定処理を行う。この処理では、屋外温センサ58からの検知結果に基づいて噴霧ノズル52より噴霧される水の粒径を算出し、その算出した粒径を設定する。具体的には、屋外の温度が高いほど水の粒径が大きくなるように粒径を算出し設定する。
【0057】
ステップS14では、噴霧処理を実行する。この噴霧処理では、ステップS13にて設定した水の粒径に応じた駆動信号を給水ポンプ51に出力するとともに開閉バルブ55に開放信号を出力する。これにより、駆動信号に応じた供給圧で給水ポンプ51により各噴霧ノズル52に水が供給されるため、各噴霧ノズル52よりバルコニー空間BS側に設定された粒径の水が噴霧される。したがって、屋外の温度が低い場合には、つまり水が気化しにくい場合には噴霧ノズル52より小さい粒径の水が噴霧されるため、気化を促進させることができる。この場合、屋外が比較的涼しくても噴霧された水が気化されないまま第二居室16内に入り込むのを抑制できるため、第二居室16が濡れる等の不都合を抑制することができる。一方、屋外の温度が高い場合には、つまり水が気化し易い場合には噴霧ノズル52より大きい粒径の水が噴霧されるため、気化を抑制することができる。この場合、屋外が暑くても噴霧された水を窓部18の近くで気化させることができるため、第二居室16の冷却効率を高めることができる。なお、このときすでに噴霧処理が実行されている場合には、そのまま噴霧処理を継続する。その後、本処理を終了する。
【0058】
一方、先のステップS11においてスラット間隙間47を通じてバルコニー空間BS側に流れる風の風量が所定量以上でない場合、又は、先のステップS12において第二居室16の温度が所定温度以上でない場合には、ステップS15に進む。ステップS15では、給水ポンプ51への駆動信号の出力を停止するとともに、開閉バルブ55へ閉鎖信号を出力する。これにより、噴霧ノズル52への水の供給が停止されるため噴霧ノズル52からの水の噴霧が停止する。したがって、第二居室16内が比較的涼しい場合や第二居室16内へ風が吹き込まない場合には、水の噴霧が行われないようになっている。なお、このときすでに水の噴霧が停止している場合には、その停止状態を継続する。その後、本処理を終了する。
【0059】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0060】
建物10の外壁部17から屋外側に離間して設けられたルーバパネル22に、外壁部17(窓部18)側に水を噴霧する噴霧ノズル52を設けた。この場合、噴霧ノズル52より水が噴霧されると、噴霧された水がルーバパネル22と外壁部17との間で気化され、その気化熱により外気が冷やされる。これにより、外壁部17周辺で冷却された外気により建物10の冷却が可能となる。また、外壁部17から離間して設けられたルーバパネル22から水を噴霧させる構成であるため、噴霧された水を外壁部17に到達させる前に気化させることができる。したがって、この場合建物10に直接水をかけることなく建物10を冷却することができる。これにより、水を用いて建物10を冷却する場合において建物10を濡らすことを抑制することができ、その結果建物10を濡らすことにより生じる不都合の抑制を図ることができる。
【0061】
具体的には、水の噴霧によって外壁部17周辺で冷やされた外気はルーバパネル22のスラット間隙間47を通じてバルコニー空間BS側に流れる風により窓部18を通じて第二居室16内に取り込まれる。そのため、その冷気によって第二居室16内を涼しくすることができる。また、外壁部17から屋外側に離間して設けられたルーバパネル22より水が噴霧されるため、噴霧された水が窓部18を通じて第二居室16に入り込む前に水を気化させることができる。そのため、噴霧された水により第二居室16が濡れるといった不都合を抑制することができる。よって以上より、第二居室16が濡れる等の不都合を抑制しつつ第二居室16内を涼しくすることができる。
【0062】
また、噴霧ノズル52より噴霧した水が気化する際の気化熱を利用して外気を冷やし、その冷えた外気によって第二居室16を冷却する構成であるため、冷房装置等を用いることなく、つまりは省エネを図りつつ第二居室16内を涼しくすることができる。
【0063】
給水ポンプ51の給水圧を調整することで噴霧ノズル52より噴霧される水の粒径を調整可能とした。そして、屋外の温度を検知する屋外温センサ58を設け、同センサ58により検知された屋外の温度に基づいて噴霧ノズル52より噴霧される水の粒径を調整することとした。具体的には、屋外の温度が高いほど水の粒径が大きくなるように調整するようにした。したがって、屋外の温度が比較的低く噴霧された水が気化しにくい場合には、水の粒径を小さくすることで気化を促進させたり、屋外の温度が比較的高く噴霧された水が気化し易い場合には、水の粒径を大きくすることで気化を抑制したりすることができる。これにより、水が噴霧されてからその水の気化が完了するまでの時間を屋外の温度にかかわらず一定にすることができるため、噴霧した水が窓部18を通じて第二居室16に入り込む直前のタイミングで水の気化を完了させることできる。したがって、屋外の温度にかかわらず第二居室16内を濡らすことなく同居室16内の冷却効率を高めることができる。
【0064】
第二居室16内の温度を検知する居室温センサ57を設け、同センサ57により検知された第二居室16内の温度が所定温度以上になった場合に、噴霧ノズル52による水の噴霧が実行されるようにした。これにより、第二居室16が暑くなった場合に水の噴霧を自動で開始させることができるため、第二居室16内を冷却するにあたって利便性を高めることができる。
【0065】
ルーバパネル22のスラット間隙間47を通じて外壁部17側に流れる風の風量を検知する風量センサ59を設け、同センサ59により検知された風量が所定以上になった場合に噴霧ノズル52による水の噴霧を実行するようにした。これにより、窓部18を通じて第二居室16内に風を取り込むことが可能な場合に、つまりは水の噴霧により冷やされた外気を窓部18を通じて第二居室16内に取り込むことができる場合に水の噴霧が自動で開始されるため、第二居室16内を冷却するにあたって利便性を高めることができる。
【0066】
ガラス戸19が開かれたことを検知する開戸検知センサを設け、コントローラ60が同センサから検知信号を受信したことをトリガとして噴霧制御処理(図5)を実行するようにした。これにより、窓部18が閉鎖されている場合に噴霧ノズル52より水が噴霧されるのを回避できるため、水が無駄に使用されるのを防止できる。
【0067】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)ルーバパネル22の各スラット42のスラット角度を調整可能とし、スラット角度を調整することで噴霧ノズル52より噴霧される水の向きを変更できるようにしてもよい。その具体例を図6に示す。図6に示すルーバパネル70は、各スラット71が水平方向に延びる軸線を中心として回転する構成となっており、当該軸線を中心に回転することでスラット角度が変えられるようになっている。ルーバパネル70には、各スラット71を回動させるスラット駆動部72が設けられている。スラット駆動部72は例えば周知の電動式モータからなる。コントローラ60は、屋外温センサ58からの検知結果に基づいてスラット駆動部72に対し駆動信号を出力し、各スラット71の角度調整を行う。具体的には、屋外の温度が高い場合には、図6(a)に示すように各スラット71の向きを水平方向に向ける。この場合、噴霧ノズル52よりバルコニー空間BS側に向かって水平方向に水が噴霧される。一方、屋外の温度が低い場合には、図6(b)に示すように、各スラット71の向きを屋外側からバルコニー空間BS側に向かって上り傾斜となるように調整する。この場合、噴霧ノズル52よりバルコニー空間BS側に向かって斜め上方に水が噴霧される。ここで、図6(a)の場合と図6(b)の場合とでは、噴霧された水が外壁部17に到達するまでに飛来する距離が異なる。具体的には、上記飛来距離が図6(b)の場合の方が長くなる。したがって、本例によればスラット71の向きを変更することで、噴霧された水が外壁部17に到達するまでの時間を変更することができ、換言すれば外壁部17を濡らさない前提における気化の所要時間を変更することができる。これにより、例えば図6(b)のようにスラット71向きを調整することで、上記所要時間を長く設定することができる。そのため、気化冷却の効率を高めるべく水の粒径を大きくしたとしても、噴霧された水が第二居室16に入って第二居室16内が濡れるといった不都合を回避することができる。
【0068】
また、上記構成において、風量センサ59により検知された風量が所定量以上になり、かつ、第二居室16の温度が所定温度以上になった場合に(つまりステップS11及びステップS12の双方でYES判定された場合に)、各スラット71を開放させるようスラット駆動部72を駆動制御するとともに、噴霧処理を実行するようにしてもよい。そうすれば、外部からの視線や太陽光等を遮るために各スラット71が閉状態(スラット間隙間47が閉鎖されている状態)となっている場合でも、噴霧処理を行う際には自動で各スラット71が開かれるため、水の噴霧を行うに際して利便性の向上を図ることができる。
【0069】
(2)上記(1)の構成において、風量センサ59により検知された風量に基づいて、各スラット71のスラット角度を調整するよう制御してもよい。具体的には、風量センサ59により検知された風量が所定の風量となるように、スラット角度を調整制御することが考えられる。この場合、スラット間隙間73を通じてバルコニー空間BS側に吹く風の量を管理することができるため、バルコニー20周辺に強風が吹いている場合でも噴霧ノズル52より噴霧された水が第二居室16内に入り込むのを抑制しつつ、第二居室16内に冷えた外気を取り込むことができる。
【0070】
(3)上記(1)の構成において、建物10に太陽高度(日射角度)を検知する太陽高度センサを設け、太陽高度センサにより検知された太陽高度に応じて各スラット71のスラット角度を調整するよう制御してもよい。この場合、時間帯に応じて変化する太陽光の角度に追従してスラット角度を調整できるため、太陽光が第二居室16に射し込むのをスラット71により遮りながら噴霧ノズル52による水の噴霧を行うことができる。これにより、水の噴霧による冷却効果を高めることができる。
【0071】
(4)上記実施形態では、建物10のバルコニー20に設けられたルーバパネル22から水を噴霧する構成としたが、これを変更して、建物10から離間した位置に建物10とは別体で設置されたルーバパネルから水を噴霧する構成としてもよい。その一例を図7に示す。
【0072】
図7に示す建物80は、一階部分81と二階部分82とを有する2階建ての建物であり、一階部分81には一階居室84が設けられ、二階部分82には二階居室85が設けられている。建物80には、一階居室84及び二階居室85を屋外と区画する外壁部87が設けられている。外壁部87には、一階居室84を屋外と連通する一階窓部88が設けられているとともに、二階居室85を屋外と連通する二階窓部89が設けられている。
【0073】
建物80の外壁部87から離間した位置には、複数のスラット91を有してなるルーバパネル90が設けられている。ルーバパネル90は、外壁部87に設けられた各窓部88,89と対向して設けられており、建物80の一階部分81と二階部分82とに跨る高さを有して形成されている。なお、以下の説明では、ルーバパネル90と建物80との間の空間をルーバ内空間RSという。
【0074】
ルーバパネル90には、複数の各スラット91のうち所定のスラット91に噴霧ノズル52が設けられている。噴霧ノズル52は、ルーバパネル90において一階部分81に対応する部分と二階部分82に対応する部分とに設けられている。したがって、本例では、建物80の一階部分81及び二階部分82に向けて噴霧ノズル52より水を噴霧できるようになっている。この場合、各噴霧ノズル52により噴霧された水が気化されることで、ルーバ内空間RSとにおける一階部分81と二階部分82との双方に対応する部分についてその外気を冷やすことができる。これにより、ルーバパネル90のスラット間隙間92を通じて窓部88,89側に流れる風によりその冷えた外気を各窓部88,89を通じて各居室84,85に取り込むことができる。よって、この場合、建物80の一階居室84と二階居室85との双方について温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0075】
(5)上記(4)の構成において、一階部分81の噴霧処理と二階部分82の噴霧処理とを個別に制御するようにしてもよい。例えば、各階部81,82の噴霧処理をそれぞれ各々の階部81,82(又は階部81,82に対応する部分)における温度や風量等に基づいて行うことが考えられる。以下、その具体例を図7を参照しつつ説明する。
【0076】
図7に示すように、建物80の一階居室84には、一階居室84の温度を検知する一階居室温センサ94が設けられ、二階居室85には、二階居室85の温度を検知する二階居室温センサ95が設けられている。建物80の外壁部87の屋外側面には、ルーバ内空間RSの温度を検知するルーバ温センサ96,97が設けられている。このうち一階ルーバ温センサ96は、ルーバ内空間RSにおける一階部分81の温度を検知するセンサであり、二階ルーバ温センサ97はルーバ内空間RSにおける二階部分82の温度を検知するセンサである。また、ルーバパネル90には、同パネル90のスラット間隙間92を通じて建物80側に流れる風の風量を検知する風量センサ98,99が設けられている。一階風量センサ98は、ルーバパネル90の各スラット間隙間92のうち一階部分81に対応する部位を通じて流れる風の風量を検知するセンサであり、二階風量センサ99は、二階部分82に対応する部位を通じて流れる風の風量を検知するセンサである。
【0077】
一階部分81に対応して設けられた噴霧ノズル52(一階噴霧ノズル52a)には一階給水配管101が接続されており、二階部分82に対応して設けられた噴霧ノズル52(二階噴霧ノズル52b)には二階給水配管102が接続されている。これら各給水配管101,102はその上流側端部で合流し、水道配管110と接続されている。一階給水配管101には、同配管101を介して一階噴霧ノズル52aへ水を供給する一階給水ポンプ103と、同配管101における水の流通を許可又は禁止する一階開閉バルブ104とが設けられている。二階給水配管102には、同配管102を介して二階噴霧ノズル52bへ水を供給する二階給水ポンプ105と、同配管102における水の流通を許可又は禁止する二階開閉バルブ106とが設けられている。
【0078】
上記構成において、コントローラ60は、一階居室温センサ94により検知された一階居室84の温度が所定温度以上になり、かつ、一階風量センサ98により検知された風量が所定以上となった場合に、一階給水ポンプ103に駆動信号を出力するとともに一階開閉バルブ104に開放信号を出力する。この場合、一階給水ポンプ103により一階噴霧ノズル52aに一階給水配管101を介して水が供給されるため、同ノズル52aより建物80の一階部分81に向けて水が噴霧される。また、コントローラ60は、二階居室温センサ95により検知された二階居室85の温度が所定温度以上になり、かつ、二階風量センサ99により検知された風量が所定以上となった場合に、二階給水ポンプ105に駆動信号を出力するとともに二階開閉バルブ106に開放信号を出力する。この場合、二階給水ポンプ105により二階噴霧ノズル52bに二階給水配管102を介して水が供給されるため、同ノズル52bより建物80の二階部分82に向けて水が噴霧される。これにより、各階部81,82における水の噴霧処理が各々の階部82における温度や風量に応じて個別に制御されるため、例えば二階居室85だけが暑い場合(つまり一階居室84は涼しい場合)に一階部分81に向けて水が噴霧されるのを回避できる等、上記(4)の構成において各居室94,95の温度上昇を抑制するに際し利便性を高めることができる。
【0079】
また、この場合、コントローラ60が、一階ルーバ温センサ96により検知されたルーバ内空間RSの一階部分81の温度に基づいて、一階噴霧ノズル52aより噴霧される水の粒径を調整するとともに、二階ルーバ温センサ97により検知された二階部分82のルーバ内空間RSの温度に基づいて、二階噴霧ノズル52bより噴霧される水の粒径を調整するようにしてもよい。この場合、各階部81,82の噴霧ノズル52a,52bより噴霧される水の粒径をそれぞれ各々の階部81,82におけるルーバ内空間RSの温度に応じて個別に調整することができる。したがって、例えば夏場において比較的温度が高くなり易い二階部分82のルーバ内空間RSに対しては噴霧される水の粒径を大きくすることで、水の気化量を増大させ冷却効果を高める一方、比較的温度が低い一階部分81のルーバ内空間RSに対しては噴霧される水の粒径を小さくすることで、気化を促進させ一階居室84に水が気化しないまま入り込むのを抑制したりすることができる。よって、この場合各階部81,82におけるルーバ内空間RSの温度に応じて、各階部81,82にそれぞれ適切な粒径の水を噴霧することで、各居室84,85の温度上昇を好適に抑制することができる。
【0080】
(6)上記実施形態では、屋外温センサ58により検知された屋外の温度に基づいて、噴霧ノズル52より噴霧される水の粒径を調整するようにしたが、これに代えて又は加えて、屋外温センサ58により検知された屋外の温度に基づいて噴霧ノズル52より噴霧される水の噴霧量を調整してもよい。例えば、給水配管53に、同給水配管53(詳細には主配管53aにおける分岐配管53bとの接続部よりも上流側)を流れる水の流量を調整することが可能な調整バルブを設け、その調整バルブにより噴霧ノズル52に供給する水の流量を調整することで、同ノズル52より噴霧される水の噴霧量を調整することが考えられる。具体的には、屋外の温度が高いほど水の噴霧量が増大するよう調整バルブを制御するのがよい。そうすれば、屋外の温度が高い場合には水の噴霧量を多くすることができるため、水の気化量を増大させることができる。この場合、気化熱により外気を冷却する効果を高めることができるため、屋外が暑い場合でも第二居室16内に冷気を取り込むことが可能となる。
【0081】
(7)上記実施形態では、屋外温センサ58により検知された屋外の温度に基づいて、噴霧ノズル52より噴霧される水の粒径を調整するようにしたが、これに加えて、風量センサ59により検知された風量に基づいて水の粒径を調整するようにしてもよい。具体的には、外壁部17側に吹く風の風量が大きくなるほど水の粒径を小さくすることが考えられる。
【0082】
噴霧ノズル52より噴出された水が外壁部17(窓部18)に到達するまでの所要時間はルーバパネル22のスラット間隙間47を通じて外壁部17側に流れる風の風量に依存して変化する。そのため、例えば、風量が大きく上記所要時間が短くなる場合には、噴霧した水が気化しないまま窓部18から第二居室16に入り、それによって同居室16内が濡れるおそれがある。また、風量が小さく上記所要時間が長くなる場合には、噴霧した水が外壁部17(窓部18)近くに到達する前に気化が完了し、それによって第二居室16を効果的に冷却することができないおそれがある。その点、上記の構成によれば、外壁部17側に吹く風の風量が小さい場合には水の粒径を大きくすることで気化を抑制し気化時間を長くしたり、風量が大きい場合には水の粒径を小さくすることで気化を促進させ気化時間を短くしたりすることができる。これにより、風の風量にかかわらず噴霧した水の気化を第二居室16に入る直前のタイミングで完了させることが可能となるため、風量にかかわらず第二居室16内を濡らさずに同居室16の冷却効率を高めることができる。
【0083】
なお、風量センサ59に代えて、風速センサを用い、風速センサにより検知された風の風速に基づいて水の粒径を調整してもよい。
【0084】
(8)上記実施形態では、風量センサ59により検知された風量が所定量(以下、第一所定量W1という)以上となった場合に水の噴霧が実行されるようにしたが、これに代えて又は加えて、風量センサ59により検知された風量が第一所定量W1よりも大きい第二所定量W2以上となった場合に水の噴霧が停止されるようにしてもよい。そうすれば、ルーバパネル22のスラット間隙間47を通じて窓部18側に強い風が吹いた場合には水の噴霧が停止されるため、強風により噴霧された水が気化されないまま第二居室16に入り込み同居室16が濡れる等の事態が生ずるのを防止できる。
【0085】
(9)上記実施形態では、屋外の温度に基づいて噴霧ノズル52より噴霧される水の粒径を調整する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、建物10に外気の湿度を検知する湿度検知センサを設け、湿度検知センサにより検知された湿度に基づいて噴霧ノズル52より噴霧される水の粒径を調整する構成としてもよい。具体的には、湿度検知センサにより検知された湿度が高いほど水の粒径を小さくするよう水の粒径を調整することが考えられる。一般に湿度が高い状況下では水が気化しにくいため、噴霧した水の粒径が大きいと水が気化されないまま窓部18を通じて第二居室16に入り込むことが想定され、その場合第二居室16内が濡れるといった不都合が招来するおそれがある。その点、上記のように制御すれば、湿度が高い場合でも噴霧される水の粒子を小さくすることで水を気化し易くすることができるため、上記不都合を回避しつつ第二居室16に冷気を取り込むことができる。
【0086】
(10)上記実施形態では、窓部18が設けられた外壁部17に向けて水を噴霧することで、水の気化熱により冷やされた外気を窓部18を通じて取り込み、これにより第二居室16内を冷却する構成としたが、水の噴霧によって冷却する対象は必ずしも建物10内空間である必要はなく建物10自体であってもよい。例えば、窓部18が設けられていない外壁部に向けて水を噴霧することで、外壁部周辺の外気を冷やしそれによって外壁部を冷却してもよい。かかる冷却においても、外壁部を濡らすのを抑制することができるため、その結果外壁部を濡らすことにより生じる不都合の抑制を図ることができる。
【0087】
また、この場合、外壁部17の温度を検知する外壁温検知センサを設け、同センサにより検知された外壁部17の温度が所定温度以上になった場合に噴霧ノズル52による噴霧処理を実行するようにしてもよい。そうすれば、外壁部17を冷却するにあたって利便性を高めることができる。
【0088】
(11)第二居室16内に人が存在することを検知する人検知センサを設け、人検知センサにより人が検知されていることを条件として、噴霧処理を行うようにしてもよい。そうすれば、第二居室16内に人が不在である場合には水の噴霧が行われるのを回避することができるため、水が無駄に使用されるのを防止することができる。
【0089】
また、ガラス戸19を開閉駆動する開閉駆動部を設け、人検知センサにより第二居室16内に人が存在することが検知され、かつ、居室温センサ57により検知された第二居室16内の温度が所定温度以上となった場合に、窓部18を開放するよう開閉駆動部を駆動させるとともに噴霧処理を実行するようにしてもよい。そうすれば、第二居室16内にいる居住者が暑さを感じた場合に自動で窓部18が開放され水の噴霧が開始されるため、第二居室16内を冷却するに際して利便性を高めることができる。
【0090】
また、上記の制御を図7に示した構成に適用してもよい。例えば建物80の各居室84,85にそれぞれ人検知センサを設け、人検知センサによる人の検知があった居室84,85に対して上記の制御を実施してもよい。具体的には、一階居室84の人検知センサにより人が検知され、かつ、一階居室温センサ94により検知された一階居室84の温度が所定温度以上になった場合に、一階窓部88に設けられたガラス戸を開放すべく一階開閉駆動部を駆動させるとともに一階噴霧ノズル52aによる噴霧処理を実行する。また、二階居室85の人検知センサにより人が検知され、かつ、二階居室温センサ95により検知された二階居室85の温度が所定温度以上になった場合に、二階窓部89に設けられたガラス戸を開放すべく二階開閉駆動部を駆動させるとともに二階噴霧ノズル52bによる噴霧処理を実行する。そうすれば、居住者がいる居室84,85が暑くなった場合に、その居室84,85に設けられた窓部88,89が自動で開放されるとともに水の噴霧が自動で開始されるため、建物80の各居室84,85を冷却するに際して利便性を高めることができる。
【0091】
(12)建物10に、居住者により操作される操作部を設け、操作部の操作に基づいて噴霧処理を実行するようにしてもよい。そうすれば、居住者の必要に応じて水の噴霧を行うことができるため、例えばバルコニー20に置かれた植木鉢に必要な時に水やりを行う等することができる。
【0092】
(13)所定の日時になった場合に、噴霧処理を実行するようにしてもよい。例えば、日時情報を取得する日時情報取得手段(タイマ等)を設け、同取得手段により取得した日時情報が所定日時の情報である場合に噴霧処理を行うことが考えられる。この場合、例えば夏場において気温が上昇する昼間の時間帯に水の噴霧を自動で行ったり、居住者が外出する時間帯に水の噴霧を自動で停止したりすることができる。これにより、水の噴霧を行うに際して利便性を高めることができる。
【0093】
また、上記(10)における操作部に、制御モードを通常モード(上記実施形態の制御)とタイマモードとに切り替えるための切替スイッチを設け、同切替スイッチにより制御モードがタイマモードに切り替えられた場合にかかる噴霧制御を行うようにしてもよい。さらに、この場合、制御モードとして、噴霧処理が停止される休止モードを設けてもよい。そうすれば、居住者の不在時に水の噴霧が自動で行われるのを回避できるため、水が無駄に使われるのを防止できる。
【0094】
(14)上記実施形態では、空間仕切体としてのルーバパネル22に噴霧ノズル52を設け、同ルーバパネル22から水を噴霧する構成としたが、ルーバパネル22以外の空間仕切体に噴霧ノズル52を設けてもよい。例えば格子状の柵等に噴霧ノズル52を設けてもよい。ここで、格子状の柵は、縦桟と横桟とから構成されているものでもよいし、縦桟のみ又は横桟のみから構成されているものでもよい。また、板金等の板状部材に多数の貫通孔(例えばパンチング孔)を設けたものに噴霧ノズル52を設置してもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、建物10のバルコニー20に設けられたルーバパネル22に噴霧ノズル52を設けたが、これを変更し、ベランダやテラス等に設けられ外壁部から離間した位置に配置された空間仕切体に噴霧ノズル52を設けてもよい。さらには、建物10から離れた位置に設置されたフェンス等に噴霧ノズル52を設け、同噴霧ノズル52により建物10外から水を噴霧するようにしてもよい。
【0096】
(15)例えば、図7の構成において、一階噴霧ノズル52aより建物80の外壁部87とは反対側に向けて水を噴霧するようにしてもよい。そうすれば、ルーバパネル90の外側(建物80側とは反対側)に隣接して設けられた庭等でバーベキューをしたりする際に快適に過ごすことができる。また、屋外の温度を検知する屋外温検知センサを設け、同センサにより検知された屋外の温度が所定温度以上になった場合に、一階噴霧ノズル52aにより外壁部87とは反対側に向けて水の噴霧を行うようにしてもよい。そうすれば、庭等が暑くなった場合に自動で水の噴霧が開始されるため、庭等を快適な空間とするに際して利便性を高めることができる。
【0097】
(16)屋上を有する建物の場合、屋上に設けられた柵に噴霧ノズル52を設けてもよい。そうすれば、噴霧ノズル52より水を噴霧することで屋上空間を冷やすことができるため、夏場に屋上でくつろいだり運動したりする際に快適に過ごすことができる。
【0098】
また、この場合、噴霧ノズル52より湯を噴霧できるようにしてもよい。例えば、給水配管53の途中に水を加熱するボイラを設け、ボイラにより加熱された水(つまり湯)を噴霧ノズル52に供給することが考えられる。そうすれば、湯を噴霧することで屋上空間を暖かくすることができるため、冬場に屋上でくつろいだりする際に快適に過ごすことができる。
【0099】
さらに、噴霧ノズル52による水(冷水)の噴霧と湯の噴霧とを季節に応じて切り替えられるようにしてもよい。例えば、日時を計時する計時手段と、計時手段により計時された日時に基づいて季節を判断する季節判断手段とを備え、季節判断手段により夏季であると判断された場合には水を噴霧し、冬季であると判断された場合にはボイラを運転させて湯を噴霧することが考えられる。この場合、水と湯との切り替えが季節に応じて自動で行われるため利便性を図ることができる。
【0100】
(17)上記実施形態では、噴霧ノズル52をルーバパネル22のスラット42に設けたが、これを変更してルーバパネル22の支柱41に設けてもよい。例えば、支柱41に噴霧ノズル52を上下に所定間隔で複数設けるとともに、それら各噴霧ノズル52が接続される給水配管を支柱41に沿って延びるように設けることが考えられる。また、ルーバパネル22の手摺43に噴霧ノズル52を設けてもよい。
【0101】
(18)上記実施形態では、噴霧ノズル52から噴霧する水として水道水を用いたが、必ずしも水道水を用いる必要はない。例えば屋根12上等に雨水を蓄えるタンクを設置しておき、タンクに蓄えられた雨水を給水ポンプ51により噴霧ノズル52に供給する構成としてもよい。この場合、水道水を節約することができるため経済的である。
【0102】
(19)上記実施形態では、噴霧ノズル52として一流体ノズルを採用したが、これを変更して二流体ノズルを採用してもよい。この場合、各噴霧ノズルには、給水配管53の他にエア供給配管を接続するとともに、エア供給配管には同配管を介して各噴霧ノズルに圧縮空気を供給するためのコンプレッサを設ける必要がある。かかる構成において、各噴霧ノズルには給水ポンプ51により水が供給されるとともに、コンプレッサにより圧縮空気が供給される。そして、噴霧ノズルに供給された水と圧縮空気とが噴霧ノズル内において混合されて霧状の水が生成し同ノズルより噴霧される。よって、二流体ノズルを用いた場合でも、霧状の水を噴霧させることができる。また、霧状の水を噴霧させるために必ずしも噴霧ノズルを用いる必要はなく、噴霧ノズル以外のものを用いてもよい。例えば、微細な孔が多数形成された多孔質板を用い、同多孔質板の各孔から水を噴霧させるようにしてもよい。要は、霧状の水を噴霧することができれば如何なる構成でもよい。
【符号の説明】
【0103】
10…建物、16…屋内空間としての第二居室、17…外壁部、18…建物開口部としての窓部、19…開閉部材としてのガラス戸、20…バルコニー、22…空間仕切体としてのルーバパネル、42…スラット、47…通気開口部としてのスラット間隙間、51…粒径調整手段としての給水ポンプ、52…噴霧手段としての噴霧ノズル、57…屋内温検知手段としての居室温センサ、58…屋外温検知手段としての屋外温センサ、59…風量検知手段としての風量センサ、60…噴霧制御手段及び粒径制御手段としてのコントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁部から屋外側に離間して設けられ複数の通気開口部を有する空間仕切体を備え、前記通気開口部を通じて前記外壁部と前記空間仕切体との間の空間部に対する通気を可能とした建物に適用され、
前記空間仕切体に設けられ、当該空間仕切体から霧状の水を噴出させる噴霧手段を備えることを特徴とする建物冷却装置。
【請求項2】
前記外壁部には、前記空間仕切体と対向して建物開口部が設けられており、
前記噴霧手段は、前記外壁部に向けて水を噴霧することを特徴とする請求項1に記載の建物冷却装置。
【請求項3】
前記噴霧手段により噴霧される水の粒径を調整する粒径調整手段と、
屋外の温度を検知する屋外温検知手段と、
前記屋外温検知手段により検知された屋外の温度に基づいて、前記噴霧手段より噴霧される水の粒径を調整するよう前記粒径調整手段を制御する粒径制御手段と、
を備えること特徴とする請求項1又は2に記載の建物冷却装置。
【請求項4】
前記空間仕切体の前記通気開口部を通じて前記外壁部側に向かって流れる風の風量を検知する風量検知手段を備え、
前記粒径制御手段は、前記風量検知手段により検知された風の風量に基づいて、前記噴霧手段より噴霧される水の粒径を調整するよう前記粒径調整手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の建物冷却装置。
【請求項5】
前記噴霧手段による水の噴出方向を変更する変更手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の建物冷却装置。
【請求項6】
前記空間仕切体の前記通気開口部を通じて前記外壁部側に流れる風の風量を検知する風量検知手段と、
前記風量検知手段により検知された風量が所定以上になった場合に、前記噴霧手段による水の噴霧を実施する噴霧制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の建物冷却装置。
【請求項7】
前記外壁部には、前記空間仕切体と対向して建物開口部が設けられ、
前記建物開口部に隣接する屋内空間の温度を検知する屋内温検知手段と、
前記屋内温検知手段により検知された屋内空間の温度が所定温度以上になった場合に、前記噴霧手段による水の噴霧を実施する噴霧制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の建物冷却装置。
【請求項8】
前記外壁部には、前記空間仕切体と対向して建物開口部が設けられ、
前記建物開口部に設けられ当該建物開口部を開閉する開閉部材と、
前記開閉部材を開閉駆動する開閉駆動手段と、
前記建物開口部に隣接する屋内空間に人が存在することを検知する人検知手段と、
前記屋内空間の温度を検知する屋内温検知手段と、
前記人検知手段により人が検知され、かつ、前記屋内温検知手段により検知された屋内空間の温度が所定温度以上になった場合に、前記開閉部材を開くよう前記開閉駆動手段を制御するとともに前記噴霧手段による水の噴霧を実施するよう制御する噴霧制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の建物冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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