説明

建設材料に機能性金属をコーティングする方法およびその方法によって製造された製品

合金製の建設材料を機能性金属でコーティングする方法。機能性金属を、導電性建設材料の表面に選択的に電解析出して、析出が建設材料の粒界および他の不連続点で発生する。また、本発明は、機能性金属で選択的にコーティングされた建設材料製品にも関するものである。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、鉄系合金製の建設材料に機能性金属を選択的にコーティングする方法に関するものである。コーティング方法は、電気化学的析出法による選択的コーティングを含む。機能性金属を基本的に鉄系合金の粒界に析出するのは、本方法に特有である。また、本発明は、機能性金属を選択的にコーティングした鉄系建設材料に関するものである。
【発明の背景】
【0002】
最近は、ステンレス鋼などの建設材料の表面にとってより付加価値の高い特徴、たとえば永続的な清潔性、引っかき耐性または抗菌性を達成しようとする試みがなされている。ステンレス鋼、または炭素鋼などの鉄系建設材料は、本来は抗菌性ではない。しかし、抗菌特性、すなわち細菌および病原菌を殺してその増殖を抑える特性は、食中毒の流行についての認識、および抗生物質に耐性のある新たな病院内細菌の出現によって、興味深い特質となっている。抗菌性は、ステンレス鋼では機能性金属によって生成される。たとえば、銀イオンおよび銅イオンは殺菌効果を有している。
【0003】
たとえばステンレス鋼を加工する場合、処理に関するより重要な問題には、製造における耐食性および永続性の特性、ならびに鋼の貴重な外観の維持が含まれる。
【0004】
ステンレス鋼または他の鉄系合金が処理されて抗菌性になると、保健管理、食品産業、建設業、公共建築物、および消費者向製品における適用例が見られる。病院内環境における抗菌製品には、家具および付属品が含まれ、食品産業においては壁面および物体表面を抗菌性とすることができる。空調配管および他の清掃が困難な製品は、抗菌材料の適用例に適している。消費者用製品については、抗菌材料は、製氷機および冷蔵庫などの食品に関連する製品において主に見られる。
【0005】
機能性金属はその抗菌特性の強さに従って次のように配列できる:
Hg > Ag > Cu > Ni > Zn > Fe など
水銀は重金属であり、また強毒であるため、その使用は避けられる。銀は優れた抗菌特性を有し、必要とされる銀量も非常に少ない。その上、銀は人体に害を及ぼさない。銅は良好な抗菌特性を有するもう一つの金属であり、さらに価格が銀よりも相当に安価である。ニッケルはアレルギー誘発性であり、その使用は相当に限定される。したがって、銀および銅が抗菌性表面を形成するため最も興味ある金属である。
【0006】
周知のように、ステンレス鋼は2つの方式、すなわちステンレス鋼を機能性金属と合金化するか、または合金を当該金属でコーティングすることによって抗菌性とすることができる。
【0007】
銀または銅による鋼の合金化は、従来技術、たとえば米国特許第6,391,253号および第6,312,533号において知られている。しかし、銅のステンレス鋼との合金化はそれだけでは十分でなく、なぜなら、一般にステンレス鋼の表面上に不動態皮膜が存在し、それが銅を細菌から隔てている。そのため、銅が不動態皮膜を富化する必要があり、それは熱処理または電気化学的ピックリングによって実現できる。その場合、時間と共に卑な物質が腐食されるにつれて銅が析出すると、不動態皮膜が不連続となり、それによってピッチングのリスクが増大することが問題となる。銀が鋼の合金要素として使用されるとき、必要なものはより少量であり、同等のピッチングのリスクは発生しない。しかしながら、銀は合金化において材料の厚さ方向に均一に配され、それを必要とする表面近傍を特別に富化しない。これは、銀の使用が効率的ではなく、また銀の価格を考慮に入れると最終製品の価格を上昇させることを意味している。
【0008】
従来技術において知られている別の解決策では、コーティングをステンレス鋼の上部で用いる。この種の解決策は、たとえば国際特許出願第2006/126823号および第03/056924号に記載されている。その後者の公報による製品における銀イオンは、ゼオライトマトリックス中に存在し、それはポリマーにおいて分散されている。ゼオライトの意義は、たとえば湿潤状態のような、細菌が急速に増殖するのに好都合な状態の場合に、銀イオンがより多く放出されることにある。抗菌効果が必要時にのみ作用するので、製品の寿命は大幅に延長される。この方法の欠点は、製品がもはやステンレス鋼のようには見えないことである。さらに、コーティングが成型時または溶接時に問題を生じる可能性がある。
【0009】
1990年代には、スーパーフィリングコーティングが電子産業における必要性のために開発され、銅プリント基板の表面の不ぞろいを均等にし、それによって電気伝導度を改善している。銅シード層が基板において用いられ、その上部にスーパーフィリングコーティングがなされる。この方法において、銅は基板のくぼみにより強く析出され、それらを満たす一方で、表面領域ではほとんど析出しない。銅の析出はコーティング浴で用いられる添加剤によって調整される。コーティング速度は添加剤と局所的変動の組み合わせによって影響を受けることがある。コーティング方法は、たとえばThe Electrochemical Society Interface, Winter 2004の46〜52ページに掲載されているMoffat, T.P.らの「Superfilling and the Curvature Enhanced Accelerator Coverage Mechanism」に記載されている。
【発明の目的】
【0010】
本発明の目的は、鉄系合金製の建設材料を機能性金属で選択的にコーティングして、機能性金属の必要量を通常の合金化より少なくすることであり、また同時にステンレス鋼などの建設材料の典型的な外観を維持することである。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、鉄系合金製の建設材料を機能性金属でコーティングする方法に関するものであり、それによれば機能性金属を導電性建設材料の表面に選択的に電解析出して、析出が建設材料の粒界および他の不連続点で生じる。
【0012】
本発明による方法によってコーティングされる建設材料は、鉄系合金である。本発明の一実施例によれば、建設材料はステンレス鋼である。本発明の他の実施例によれば、建設材料は炭素鋼である。
【0013】
建設材料の表面に析出させる機能性金属は、抗菌性金属である。機能性金属は銀および/または銅である。
【0014】
本発明の一実施例によれば、ピックリングを、機能性金属の電解析出の前に、鉄系合金で形成された建設材料において行う。
【0015】
好ましくは、機能性金属の電解析出において用いる添加剤は、サプレッサー、触媒、インヒビターおよび錯化剤のうち少なくとも一つである。
【0016】
本発明の一実施例によれば、機能性金属に加えて、薄いプラスチック/ポリマーのコーティングを機能性金属の下部または上部に形成して、機能性金属の接着強度を改善し、その結果、化学的に活性なコーティングが作られる。ポリマーコーティング材はシランであるのが好ましい。
【0017】
本発明の一実施例によれば、表面に機能性金属を析出させた建設材料に圧延を行って、粒界を閉じ、所望の硬度および品質を達成する。
【0018】
処理される建設材料がストリップ状またはワイヤ状である場合、建設材料の処理をリールツーリールの方式で行うのが好ましい。ストリップ状材料のコーティングを、一方または両方の表面において実行する。処理される建設材料が完成品の形である場合、コーティング処理を、好ましくは垂直姿勢で行う。
【0019】
また、本関係は、機能性金属でコーティングされた、鉄系合金製の建設材料製品にも関するものであり、機能性金属は、粒界および他の不連続点において導電性建設材料の表面で析出されている。
【0020】
本発明の建設材料は鉄系合金であるのが好ましい。本発明の一実施例によれば、建設材料はステンレス鋼である。本発明の他の実施例によれば、建設材料は炭素鋼である。
【0021】
本発明による建設材料は、ストリップ形状もしくはワイヤ形状、または完成品である。ストリップ状材料のコーティングは、どちらか一方または両方の表面について行われている。完成品のコーティングは、少なくとも一方の表面について行われている。
【0022】
本発明による建設材料のコーティング材として用いられる機能性金属は、抗菌性金属である。機能性金属は典型的には銀および/または銅である。
【0023】
本発明の一実施例によれば、機能性金属に加えて、薄いプラスチック/ポリマーのコーティングがその下部または上部に形成されて、機能性金属の接着強度を改善し、その結果、化学的に活性なコーティングが作られている。ポリマーコーティング材はシランであるのが好ましい。
【0024】
本発明の本質的な特徴は、添付の特許請求の範囲において明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡を用いて検査した銅コーティングを施した試料である。
【図2】EDS分析装置によって測定した、選択した箇所の化学組成である。
【図3】ないし
【図5】光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡を用いて検査した銀コーティングを施した試料である。
【発明の詳細な説明】
【0026】
本方法によって実現される選択的コーティング法および鉄系合金製の建設材料で作られるコーティングの目的は、機能性金属を、制御された手法で、マクロスケールにおいて十分均一に、鋼帯などの建設材料の表面に配し、付することである。それによって、同時に機能性金属は、材料構造中に「蓄えられ」、所望の機能すなわち抗菌特性が基本的に製品の全ライフサイクルを通して維持される。
【0027】
鉄系合金から形成される建設材料とは、主にステンレス鋼および炭素鋼を示す。機能性金属とは、建設材料の上部における細菌の成長またはバイオフィルムの形成を防止または抑制する金属を示す。典型的な機能性金属は、銀および銅である。選択的コーティングとは、建設材料表面の少量のみが機能性金属でコーティングされる事実を示す。
【0028】
本発明による方法の目的は、建設材料の表面上で、粒界において、または表面に存在するかあるいは意図的に形成された不連続点において、機能性金属を析出させることである。粒界は材料における不連続点であり、そこではコーティングの核生成が粒体の中心よりも容易である。不連続点は、たとえば表面をブラシシングすることによって形成される。簡単化するため、以降の文では粒界という用語を用いるが、それは建設材料における他の不連続点をも示す。
【0029】
機能性金属の粒界への析出によって、本方法および本方法によって製造された製品に多くの利点がもたらされる。第一に、機能性金属が主に表面のくぼみに存在するので、粒界は機能性金属にとってある種の貯蔵庫として作用し、表面の高所が摩滅したときも抗菌性は依然として失われない。第二に、粒界の相対的比率は小さく、それにより機能性金属の必要量が少ない。第三の利点は、機能性金属の必要量が少ないので、製品の外観またはさらなる加工に対するその特性を決定的に変化させることがない。その目的は、機能性金属を建設材料の表面に単一の結晶としてのみ析出させることであり、スーパーフィリング法のように成長する固体構造において重ねることではない。
【0030】
機能性金属による建設材料の選択的コーティングプロセスは、いくつかのサブプロセスで構成されている。実際の生産ラインは、研究および生産の点から見ると副構成要素に分割可能な、相互接続された連続した段階を含む。
【0031】
まず、所望の表面テクスチャが建設材料の表面に形成され、その上に機能性金属が主に接着される。表面テクスチャは、コーティングされる粒界材料をピックリングによって「開放する」か、またはたとえばブラッシングによって製品に構造上の表面欠陥を作ることによって形成される。ピックリングは、コーティングに関連して単独で行うことができ、またはたとえば通常の鋼製造プロセスの一部とすることもできる。電気化学的析出における建設材料表面への機能性金属の核生成は、所望の表面テクスチャによって制御することができる。
【0032】
表面テクスチャに加えて、コーティング電解液に添加されるものとして知られる界面活性添加剤が、核生成の制御に用いられる。使用される添加剤は次のうち少なくとも一つである:BTA(ベンゾトリアゾール)などのサプレッサー、SPS(ビス(3-ナトリウムスルホプロピルジスルフィド、Na2[SO3(CH2)3S2]2))などの触媒、PEG(ポリエチレングリコール)などのインヒビター、またはクエン酸、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)もしくは酒石酸などの錯化剤。硫酸塩系および硝酸塩系溶液などの、通常のガルバノ技術のコーティング電解の塩溶解水は、コーティング電解液として使用できる。また、アンモニアまたはカリウムなどの多少のアルカリが、硝酸塩系溶液において存在することがあり、電解液には、たとえば、硝酸銀に加えて、硝酸アンモニウムあるいは硝酸カリウムおよびアンモニア、または硝酸銀および錯化剤として酒石酸を有する硝酸が存在する。
【0033】
コーティングされた材料を光学顕微鏡で検査する場合、コーティングされていないものおよび粒界に核生成された球状粒子に相当する材料は、走査型電子顕微鏡でしか見ることができない。
【0034】
電気化学的測定によって、添加剤に拘らず、機能性金属、とくに銅は、溶液から主に鋼などの建設材料の表面に対して、鋼の上部ではなく、既に析出している銅の上部に析出しようとすることがわかっている。このため、コーティングは非常に迅速に行なう必要があるので、銅核の成長段階、すなわちそれらが重なる凝集はまだ発生しない。また、この手法によってコーティングが迅速に発生するので、これは、本方法の利点でもある。また、テストにおいて、核生成における一つの重要な要素が電流密度であることもわかっている。十分大きな電流密度においては、核生成は、建設材料の反応の良い箇所のみ、すなわち粒界を対象とすることができる。選択されるコーティング電流が非常に小さいので、銅は、欠陥の無い材料、すなわち粒体の中心ではなく、高エネルギー欠陥にのみ核生成できる。
【0035】
建設材料のコーティングは、通常の電気化学的析出法を用いて実現され、それによってストリップ状またはワイヤ状の材料は平坦な形状においてピックリングを経て進む。コーティングされる建設材料は陰極として作用し、選択された機能性金属は好適な塩溶液から建設材料表面へと電解的に還元される。一般的に、使用される陽極は不溶性陽極である。コーティングは、典型的にはストリップ状の建設材料の表面の一つで行われるが、必要であればコーティングはストリップの両面に行うことができる。建設材料がワイヤ状である場合、当然ながらコーティングはワイヤの外側表面に行われる。また、コーティングされる対象は最終製品でもよく、その場合コーティングは少なくともその表面の一つに行われる。もし必要であれば、他の表面を処理してその表面に機能性金属が付着するのを防ぐことができる。
【0036】
本発明による本方法の利点として、コーティングされた材料がさらに圧延されると、その処理が粒界を閉じて、同時に表面に所望の品質および硬度が与えられる。また、圧延は、好ましくは建設材料の通常の処理工程の一部となり得る。コーティングされる材料がストリップ状またはワイヤ状である場合、本方法の特性として、それはリールツーリールの方式を用いて有利に実現できる。本方法は、適度な生産速度においておよそ1〜10
m/minのストリップ速度で稼動する。本方法は、それ自体は従来技術において知られているサブプロセス/サブステージで構成され、その稼動の信頼性は以前にテストされているが、それにもかかわらずサブプロセスを相互に組み合わせる手法が新しい。コーティングが最終製品に施されるとき、製品は電解浴に沈められ、電解析出は少なくともその部品の一つの表面において行われる。もし必要であれば、他の表面を処理して、それに対して機能性金属が析出しないようにすることができる。
【0037】
上記に加えて、コーティングは、機能性金属のほかに、その下部または上部に基層または表層を含んでもよく、それは薄いプラスチック/ポリマーのコーティングによって作られるもので、機能性金属の接着強度を改善することを目的とし、それによって化学的に活性なコーティングが作られる。プラスチック/ポリマー層は、機能性金属の作用を妨げたり、材料の外観に影響を及ぼしたりすることのない、多孔性のシランであるのが好ましい。
【0038】
本発明の一実施例は、機能性金属として銅および銀の両方を用いて建設材料に抗菌性表面を形成するものである。この場合、まず銅の核が先に述べた手法で建設材料に析出され、次にそれらの上部に銀層が析出される。銅が最下層となる場合、ごく小さな銀層のみが析出されることがあるが、それにもかかわらず建設材料の抗菌性は依然として改善される。
【0039】
また、本発明は、機能性金属層が鉄系合金製の建設材料の表面に選択的に形成される製品にも関するものであり、前記層は、建設材料、とくにその粒界または表面における他の不連続点に拘束される。
【0040】
本発明による製品の使用/適用例に含まれるものは:
・清潔性に対して莫大で連続的な必要条件があり、高度な衛生レベルが要求される、食品産業および病院などの、殺菌特性を必要とする適用例であり;この場合、機能性添加剤は典型的には銀である、
・加工産業、典型的には木材加工業における、または海水中における「生物付着」であり、ここでは、機能性添加剤は典型的には銅である。
【実施例】
【0041】
実施例1
ステンレス鋼の表面への銅の核生成は、所定の添加剤または添加剤の組み合わせを用いたコーティングにおいて使用された電流密度によって主に影響を受けた。十分大きな電流密度では、核生成を、表面の最も反応の良い箇所、すなわち主に粒界で発生させることができる。核の成長および銅含有量をコーティング時間によって調整することを可能とした。コーティング時間は非常に短く(数秒)、実際の生産プロセスにおける短いスループット時間を可能とした。実験室規模において、選択的析出で所望の種類の微細構造を再現可能に生成することを可能とした。図1は、コーティングによって作られた微細構造、および走査型電子顕微鏡で測定された元素内容を示し、銅が所望の場所−粒界に出現することを立証している。AMF(原子間力顕微鏡)の測定値は、銅が主に粒界に配置されているという結論を裏付けている。
EDS(エネルギー分散型分光計)アナライザによって測定した選択箇所の化学組成を、図2におけるそれらの分析とともに示す:
【0042】
【表1】

【0043】
実施例2
多数のさまざまなタイプのコーティング浴および添加剤を、銀コーティングにおいてテストした。添加剤は銀の核生成の仕方に決定的な影響を有し、それを図3〜図5に示す。銀は、コーティング浴において使用される錯化剤の強さに応じて、粒界上および粒界周辺で、球形状にて、または糸状体もしくは微細粒子として核生成した。使用される錯化剤が強力であるほど、核生成された銀粒子は巨大であった。左側の画像は光学顕微鏡で撮られたもので、右側のものは走査型電子顕微鏡(SEM)で撮られたものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
合金製の建設材料を機能性金属でコーティングする方法において、前記機能性金属を鉄系合金製の建設材料の表面に選択的に電解析出して、前記析出が前記建設材料の粒界および他の不連続点に発生することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記建設材料はステンレス鋼であることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記建設材料は炭素鋼であることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記機能性金属は抗菌性金属であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、前記機能性金属は銀および/または銅であることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記機能性金属の前記電解析出の前に、ピックリングを導電性の前記建設材料に対して行うことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、次のグループ:サプレッサー、触媒、インヒビターおよび錯化剤のうち少なくとも一つを前記電解析出の添加剤として使用することを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、前記機能性金属に加えて、薄いプラスチック/ポリマーのコーティングをその下部または上部に形成して、前記機能性金属の接着強度を改善し、それによって化学的に活性なコーティングが作られることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記ポリマーコーティングはシランであることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、前記建設材料は、その表面に機能性金属を析出させるもので、圧延を行って前記粒界を閉じ、所望の強度および品質を達成することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、前記建設材料のコーティングをリールツーリールの方式で行うことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記建設材料はストリップ状またはワイヤ状であることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1および12に記載の方法において、前記ストリップ状の建設材料のコーティングを該ストリップの一つの面または両面について実行することを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法において、前記建設材料のコーティングを最終製品の少なくとも一つの表面について実行することを特徴とする方法。
【請求項15】
機能性金属でコーティングされた合金製の建設材料製品において、前記機能性金属は、鉄系合金製の前記建設材料の表面で粒界および他の不連続点に析出されていることを特徴とする製品。
【請求項16】
請求項15に記載の製品において、前記建設材料はステンレス鋼であることを特徴とする製品。
【請求項17】
請求項15に記載の製品において、前記建設材料は炭素鋼であることを特徴とする製品。
【請求項18】
請求項15に記載の製品において、前記機能性金属は抗菌性金属であることを特徴とする製品。
【請求項19】
請求項18に記載の製品において、前記機能性金属は銀および/または銅であることを特徴とする製品。
【請求項20】
請求項15に記載の製品において、前記建設材料はストリップ形状またはワイヤ形状であることを特徴とする製品。
【請求項21】
請求項15および20に記載の製品において、ストリップ状の建設材料のコーティングは該ストリップの一つの面または両面についてなされていることを特徴とする製品。
【請求項22】
請求項15に記載の製品において、前記コーティングは最終製品の少なくとも一つの表面についてなされていることを特徴とする製品。
【請求項23】
請求項15に記載の製品において、前記機能性金属に加えて、薄いプラスチック/ポリマーのコーティングが、その上部または下部に形成されて、前記機能性金属の接着強度を改善し、それによって化学的に活性なコーティングが作られていることを特徴とする製品。
【請求項24】
請求項23に記載の製品において、前記ポリマーコーティングはシランであることを特徴とする製品。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2010−530476(P2010−530476A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512727(P2010−512727)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【国際出願番号】PCT/FI2008/050373
【国際公開番号】WO2008/155465
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(507221324)オウトテック オサケイティオ ユルキネン (33)
【氏名又は名称原語表記】OUTOTEC OYJ
【Fターム(参考)】