建設機械の分解組立装置
【課題】分解組立作業を短時間で容易に行うことが可能となる建設機械の分解組立装置を提供する。
【解決手段】下部走行体1のセンターフレーム1aに第1のピン孔45を有する第1の円筒体34を設ける。上部旋回体2を旋回可能に支持する旋回装置3の下面に第1の円筒体34に着脱可能に内嵌される第2の円筒体38を設ける。第1の円筒体34に第2の円筒体38を内嵌する際に、位置決め手段により、第2の円筒体38に設けた第2のピン孔49と、第1のピン孔45との位置合わせを行なう。第1のピン孔45と第2のピン孔49に連結ピンを挿着して第1の円筒体34に第2の円筒体38を固定する。
【解決手段】下部走行体1のセンターフレーム1aに第1のピン孔45を有する第1の円筒体34を設ける。上部旋回体2を旋回可能に支持する旋回装置3の下面に第1の円筒体34に着脱可能に内嵌される第2の円筒体38を設ける。第1の円筒体34に第2の円筒体38を内嵌する際に、位置決め手段により、第2の円筒体38に設けた第2のピン孔49と、第1のピン孔45との位置合わせを行なう。第1のピン孔45と第2のピン孔49に連結ピンを挿着して第1の円筒体34に第2の円筒体38を固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の分解組立装置に係り、より詳しくは、下部走行体上に旋回装置を介して上部旋回体を設置し、上部旋回体に作業装置を取付けてなる建設機械において、下部走行体と上部旋回体との間を分解、組立てる装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルや杭打機等の建設機械は、運搬する際の高さ制限、重量制限および搬入する場所で使用可能なクレーンの能力による制限やスペースの制限等により、分解して現地まで輸送し、現地において組立を行なう必要が生じる場合がある。例えば特許文献1には、下部走行体のセンターフレームと左右の履帯付きサイドフレームとを互いに分解すると共に、センターフレームと上部旋回体付き旋回装置とを分解して輸送し、組立てる建設機械が示されている。この特許文献1に記載の建設機械においては、従来より一般的に採用されているように、センターフレームと旋回装置とを多数のボルトを用いて結合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−54052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、駅内で基礎工事、ホームの拡張またはエレベータの構築等の作業を行なうため、建設機械をホーム内に搬入する場合、狭隘なスペースに建設機械を搬入する必要がある。このため、建設機械を分解してトレーラトラック等により輸送し、比較的小型のクレーンを用いて、分解された構成部分をホーム上等に搬入し、ホーム上等で組立てる。作業後は再び建設機械を分解し、クレーンを用いてホーム外に搬出する。
【0005】
このように、建設機械を用いて駅のホームにて作業を行なう場合、分解された構成部分を輸送し、クレーンによりホームに搬入して組立て、ホームにおいて作業を行なった後、再び分解し、クレーンによりホーム外に搬出する必要がある。このようなホーム上での建設機械の稼働時間は、電車が走行しない終電から始発までの間に制限される。このため、建設機械の組立、分解は短時間で行なわなければならない。しかし、上述のように、従来の建設機械のトラックフレームと上部旋回体との結合は、多数のボルトにより行なわれており、ボルトを挿入する孔の位置を合わせやボルトの締め付け作業、あるいはボルトの取外し作業に多大の時間と労力を要する。このため、建設機械の稼働時間を短縮させてしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、分解組立作業を短時間で容易に行うことが可能となる建設機械の分解組立装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の建設機械の分解組立装置は、下部走行体と、前記下部走行体上に旋回装置を介して設置した上部旋回体と、前記上部旋回体に取付けた作業装置とを備えた建設機械の分解組立装置において、
前記下部走行体のセンターフレームに設けられた第1の円筒体と、
前記第1の円筒体の複数箇所に設けられた第1のピン孔と、
前記旋回装置の下面に設けられ、前記第1の円筒体に着脱可能に内嵌される第2の円筒体と、
前記第2の円筒体における前記第1のピン孔に対応する箇所に設けられた第2のピン孔と、
前記第1の円筒体に前記第2の円筒体を内嵌した際に前記第1のピン孔に前記第2のピン孔の位置を合致させる位置決め手段と、
位置決めされた前記第1のピン孔および前記第2のピン孔に挿着して前記第1の円筒体に前記第2の円筒体を固定する連結ピンとを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2の建設機械の分解組立装置は、請求項1に記載の建設機械の分解組立装置において、
前記位置決め手段として、
前記第1の円筒体の内周面における前記第1のピン孔の両側に設けた対をなす第1のガイド突起と、
前記第2の円筒体の外周面に設けられると共に、前記対をなす第1のガイド突起間に上下動可能に嵌まり、かつ前記第2のピン孔を設けた第2のガイド突起とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3の建設機械の分解組立装置は、請求項1または2に記載の建設機械の分解組立装置において、
前記連結ピンとして設けた直棒状のピンと、
前記第1の円筒体に固定され、少なくとも一部が前記第1の円筒体の外面より外向に突出して形成され、前記第1のピン孔を構成するボスと、
前記連結ピンに半径方向に貫通して設けた抜け止め用ピン孔と、
前記ボスにおける前記第1の円筒体から外方へ突出した部分に半径方向に設けた抜け止め用ピン孔と、
前記連結ピンと前記パイプにそれぞれ設けた前記各抜け止め用ピン孔に挿着する抜け止めピンと、
前記抜け止めピンの外れ止め手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4の建設機械の分解組立装置は、請求項3に記載の建設機械の分解組立装置において、
前記連結ピンに外端より軸心方向に設けたねじ孔と、
前記ボスを囲みかつ前記第1の円筒体の外側に先端を当接させて設けられ、前記ねじ孔に対応する箇所にボルト挿通孔を有するボルトホルダと、
前記ボルト挿通孔より大きな頭部を有し、前記ボルト挿通孔に挿通して前記連結ピンの前記ねじ孔に螺合し、回動により前記連結ピンを引き抜き方向に移動させる調整ボルトとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、第1の円筒体に第2の円筒体を嵌合させ、その後連結ピンを第1のピン孔と第2のピン孔に外側から殴打等によって挿着することにより、下部走行体のセンターフレームと上部旋回体の旋回装置との組立を行うことができる。このため、センターフレームに上部旋回体を組み付ける場合、ボルトを使用せずに労力少なく短時間で容易にこの組付けを行なうことが可能となり、建設機械の組立が短時間で容易に行なえる。また、センターフレームと上部旋回体との分解も、連結ピンを外すことにより行なえるので、分解も労力少なく短時間で容易に行なうことができる。このため、例えば駅のホームでの作業を行なう場合のように、短時間に組立、分解を行う必要がある場所で使用する場合に好適な建設機械を提供することが可能となり、建設機械の稼働時間を長くすることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、第1の円筒体に第2の円筒体を嵌合する際に、第1の円筒体に設けた対をなす第1のガイド突起間に第2の円筒体に設けた第2のガイド突起が嵌合されることにより、第2の円筒体が第1の円筒体に対して位置決めされ、第1のピン孔に第2のピン孔の位置を合致させることができる。このため、ピン孔の位置合わせが容易となる。
【0013】
また、前記第1のガイド突起間に前記第2のガイド突起を嵌合させることにより、第1の円筒体に対して第2の円筒体の回動が阻まれるので、建設機械の旋回時における回動力が連結ピンに作用することを防ぐことができる。このため、連結ピンの折損事故の発生を回避することができる上、連結ピンは上下方向の抜け止めを防止する程度の強度のもので済むため、大径で重量の大きなものを用いる必要が無くなり、取り扱いが容易な小型のものですむ。
【0014】
請求項3の発明によれば、連結ピンとして直棒状のピンを用い、これを第1の円筒体の外周側で抜け止めする構造としたので、抜け止めピンを抜き、連結ピンを外側から内側に打抜くことによって連結ピンによる第1の円筒体と第2の円筒体との連結を解くことができる。このため、作業者は、旋回装置の下の狭いスペースに潜り込むことなく分解作業を行なうことができ、分解作業が容易となる。
【0015】
請求項4の発明によれば、連結ピンを外側から打ち込み過ぎた際に、ボルトホルダを第1の円筒体の外側に当て、ボルトホルダのボルト挿通孔から調整ボルトを挿通して連結ピンのねじ孔に螺合し、調整ボルトを回わすことにより連結ピンを引き抜き方向に移動することが可能となる。このため、連結ピンを外側から打ち込み過ぎた際にも作業者は旋回装置の下の狭いスペースに潜り込むことなく連結ピンを引き抜き方向に移動させることができ、連結ピンの挿着深さの調整作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用する建設機械の一例である杭打機を示す側面図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す側面図であり、この杭打機の分解組立の際にクレーンで上部旋回体を吊っている状態を示すものである。
【図3】図2の正面図である。
【図4】この杭打機の分解組立の際にクレーンで作業装置を吊っている状態を示す側面図である。
【図5】この実施の形態の下部走行体と上部旋回体との結合構造を分解状態で示す正面図である。
【図6】この実施の形態の下部走行体と上部旋回体との結合状態を示す正面図である。
【図7】この実施の形態の下部走行体と第2の円筒体との結合状態を示す平面断面図である。
【図8】この実施の形態の第1の円筒体と第2の円筒体との結合構造を分解状態で示す側面断面図である。
【図9】この実施の形態のピンの挿着構造をピン挿着前の状態で示す平面断面図である。
【図10】この実施の形態の第1の円筒体と第2の円筒体とのピンによる結合状態を示す側面断面図である。
【図11】この実施の形態の第1の円筒体と第2の円筒体とのピンによる結合状態を示す部分側面図である。
【図12】この実施の形態における連結ピンの引き抜き装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明を適用する建設機械の一例である杭打機を示す側面図である。図1において、1は下部走行体、2はこの下部走行体1上に旋回装置3を介して設置した上部旋回体、4,5はそれぞれこの上部旋回体2上に搭載した運転部および油圧パワーユニット、6はこの上部旋回体2に取付けられる杭打用作業装置である。
【0018】
図2は本発明の分解組立装置の一実施の形態を示しており、この杭打機の分解組立の際に、運転部4や油圧パワーユニット5等を搭載した上部旋回体2を吊っている状態を示す側面図である。図3は図2の正面図であり、図4はクレーンにより作業装置6を吊っている状態を示す側面図である。図1〜図4に示すように、前記下部走行体1は、センターフレーム1aの両側にサイドフレーム1bを取付け、このサイドフレーム1bの後端に走行用モータ(図示せず)により駆動される駆動輪1cを取付けると共に、前端に従動輪1dを取付け、駆動輪1cと従動輪1dに履帯1eを掛け回した構成を有する。
【0019】
図1、図4に示すように、作業装置6は、上部旋回体2にピン7,8により着脱可能に取付けられる下フレーム9と、この下フレーム9に油圧シリンダ(図示せず)により左右傾斜可能に取付けられた上フレーム10と、この上フレーム10にピン12により前後方向に傾斜可能に取付けられたリーダ13とを備える。リーダ13は、前記ピン12により傾斜可能に取付けられた下リーダ13aと、この下リーダ13aにピン14により傾斜可能に取付けられ、かつピン15により下リーダ13aに固定され、必要により複数本の分割リーダが継ぎ足されることによって長さが調整される上リーダ13bとからなる。16はこのリーダ13を垂直姿勢とし、かつ後方へ倒伏させる油圧シリンダである。この油圧シリンダ16はリーダ13と上フレーム10との間に取付けられる。
【0020】
リーダ13の前部には一対のガイド部材17を取付け、このガイド部材17に沿って上下動可能にオーガ駆動装置18を装着する。このオーガ駆動装置18は、油圧モータ18aによって回転駆動される回転盤(図示せず)を有し、その回転盤にスクリューオーガ(図示せず)を貫通してチャック装置(図示せず)に回転盤に固定し、回転駆動するものである。19はリーダ13の下端に取付けられた駆動スプロケットであり、油圧モータ20により回転駆動されるものである。21はリーダ13の上端部に取付けられた従動スプロケット、22はこの従動スプロケット21と駆動スプロケット19に掛け回されたスプロケットチェーンである。このスプロケットチェーン22にオーガ駆動装置18が接続される。したがって駆動スプロケット19を油圧モータ20によって回転駆動することにより、オーガ駆動装置18をガイド部材17に沿って上下動させることができる。
【0021】
24はリーダ13の頂部に旋回用アクチュエータ(図示せず)により水平旋回可能に取付けられたシーブ装置である。このシーブ装置24は、上部旋回体2に取付けられたウインチ25により巻取り繰出しされるワイヤロープ(図示せず)を掛ける複数のシーブ26〜28を有し、このワイヤロープによりスクリューオーガの吊り込みや既成杭の吊り込み等を行なうものである。
【0022】
この杭打機においては、オーガ駆動装置18の回転盤に装着したスクリューオーガを油圧モータ18aの作動により回転駆動しつつ、油圧モータ20の作動によりオーガ駆動装置18を降下させて竪穴の掘削を行なう。そして1本のスクリューオーガの長さ分掘進したら、ウインチ25によりリーダ13の頂部からシーブ26〜28を介して吊り下げられたワイヤロープ(図示せず)により継ぎ足し用のスクリューオーガを吊り、オーガ駆動装置18に貫挿している先行のスクリューオーガに継ぎ足して掘削を行なうという作業を必要回数繰り返す。そして掘削した竪穴に前記ワイヤロープにより吊り込む既成杭を埋め込むものである。
【0023】
図2〜図4に示すように、この実施の形態においては、杭打機を、下部走行体1と、旋回装置3を含みかつ運転部4や油圧パワーユニット5等を搭載した上部旋回体2と、作業装置6とにより分解し、輸送し、組立てるものである。図2〜図4において、30はクレーンのワイヤロープ31に吊り下げられたフック、32は上部旋回体2や作業装置6を吊り上げるためにこれらに掛け、かつフック30に接続したワイヤロープである。
【0024】
次にこの実施の形態の分解組立装置の詳細について説明する。図5は下部走行体1と上部旋回体2との結合構造を分解状態で示す正面図、図6は結合状態で示す正面図、図7は同じく結合状態で示す平面断面図である。図5〜図7において、1aは下部走行体1のセンターフレームであり、34はこのセンターフレーム1aの中央に溶接により固定した第1の円筒体である。35は旋回装置3の内輪(固定輪)、36はこの内輪35に軸受37を介して回転自在に組み合わされた外輪(旋回輪)である。上部旋回体2はこの外輪36にボルト(図示せず)により固定される。38は旋回装置3の内輪35の下部に溶接あるいはボルト付けにより固定された第2の円筒体である。この第2の円筒体38は下記の構造により第1の円筒体34に着脱可能に内嵌され、ピン39により第1の円筒体34に固定されるものである。
【0025】
図8の側面断面図に示すように、第1の円筒体34の底面には、第2の円筒体38を載せるリング40を、その内周を第1の円筒体34の内周面より内側に突出させて溶接する。第2の円筒体38の底面には、前記リング40に載置されるリング状の底板41を溶接する。
【0026】
第1の円筒体34の内周面の下部に、第2の円筒体34の強度を高めると共に、第1の円筒体34に対する第2の円筒体38のガタツキを防止するための複数(本例では4枚)の弧状板42を溶接する。この複数枚の弧状板42の内周面の包絡円は、第2の円筒体38の外周面で形成される円よりわずかに大きな半径を有する。この弧状板42は、第2の円筒体38の半径方向の位置決め手段を構成する。
【0027】
43は第1の円筒体34の内周面における弧状板42の上部に設けたガイドである。このガイド43は、下部が次第に内側に突出するように傾斜させたガイド面43aを有し、ガイド43のガイド面43aの下端部は、弧状板42の内周面に一致する。このガイド43は第1の円筒体34の強度を高めるリブの役目も兼ねている。
【0028】
45は第1の円筒体34の複数箇所(本例では前後の2箇所)に設けられた第1のピン孔である。この第1のピン孔45は第1の円筒体34の外周面から外方に突出するように第1の円筒体34に貫通して設けたボス46により形成される。図5、図6、図9において、47は第1の円筒体34の内周面における第1のピン孔45の両側に設けた対をなす第1のガイド突起である。この対をなす第1のガイド突起47は、図5、図6に示すように、垂直にかつ平行に設ける。
【0029】
48はこの対をなす第1のガイド突起47,47間に上下動可能に嵌まるように第2の円筒体38の外周面に突出させて設けた第2のガイド突起である。この第2のガイド突起48は、図5に示すように、左右の側面が垂直にかつ平行をなすように形成してあり、この第2のガイド突起48の下面は、第1のガイド突起47,47間に容易に嵌入されるように弧状に形成してある。49はこの第2のガイド突起48の形成部分に内外方向に貫通して設けた第2のピン孔である。この第2のピン孔49は、第1の円筒体34に第2の円筒体38を嵌合した際に、第1のピン孔45に対応する位置に設ける。
【0030】
図9の平面断面図に示すように、この実施の形態の連結ピン39は、拡大された頭部を有しない直棒状のピンである。この連結ピン39には抜け止めピン51を挿着する抜け止め用ピン孔39aを半径方向に貫通して設ける。また、ボス46における第1の円筒体34の外周面から外方に突出した部分にもボス46の半径方向に抜け止めピン51を挿着するピン孔46aを貫通して設ける。また、ボス46の外周面の抜け止め用ピン孔46aを設けた部分には全周にわたり、抜け止めピン51を抜け止めするリング52を嵌める溝46bを設ける。このリング52は全周の一部が切開された弾性を有するものである。
【0031】
組立の際には、連結ピン39をピン孔45,49に挿着した後、図10、図11に示すように、ボス46に設けた抜け止め用ピン孔46aおよび連結ピン39の抜け止め用ピン孔39aに抜け止めピン51を挿着する。その後、リング52を溝46bに嵌めて抜け止めピン51を抜け止めする。なお、抜け止めピン51を抜け止めする手段としては、抜け止めピン51自体に弧状の抜け止め部を設けたもの(βピン)を用いてもよい。
【0032】
図12は連結ピン39を第1の円筒体34の外側から殴打してピン孔45,49に挿着する際に、誤って連結ピン39の抜け止め用ピン孔39aがボス46の抜け止め用ピン孔46aよりも深い位置となるまで押し込み過ぎた場合に、連結ピン39を引き抜き方向に戻すための装置を示す。この引き抜き装置は、連結ピン39に外端より軸心方向に設けたねじ孔39b(図11参照)と、ボルトホルダ54と、調整ボルト55とからなる。ボルトホルダ54は、ボス46を囲むような例えば門形や円筒形をなす。このボルトホルダ54は、連結ピン39のねじ孔39bに対応する箇所にボルト挿通孔54aを有する。調整ボルト55は、ボルトホルダ54のボルト挿通孔54aより大きな頭部55aを有する。
【0033】
この引き抜き装置は、組立時に連結ピン39を外側から殴打してピン孔45,49に挿着する際、連結ピン39を過度に挿入した場合に、ボルトホルダ54をボス46の周囲にこれを囲むように、かつボルトホルダ54の先端を第1の円筒体34に押し当ててセットし、調整ボルト55をボルトホルダ54のボルト挿通孔54aから挿通して連結ピン39のねじ孔39bに螺合し、調整ボルト55を回わすことより、連結ピン39を引き抜け方向に移動させるものである。このとき、連結ピン39は調整ボルト55より大径であり、連結ピン39はピン孔45,49との接触により回り止めされた状態で、調整ボルト55をねじ孔39bと螺合し回動させるので、調整ボルト55の回動力を、連結ピン39の引き抜き力として用いることができ、連結ピン39の引き抜きが可能となる。なお調整ボルト55は頭部55の代わりに作業員が手で把持して回動しうる例えば蝶ボルト等を用いてもよい。
【0034】
なお、旋回装置3の中心には、上部旋回体2上の油圧パワーユニット5の油圧ポンプから下部走行体1の走行モータ等へ作動油を供給するため回転継手であるセンタージョイント(図示せず)が設けられる。そして、このセンタージョイントに接続される油圧ホース(図示せず)を第1の円筒体34および第2の円筒体38から外部に引き出すため、第1の円筒体34および第2の円筒体38には、図5に示すように、油圧ホースを通すためのホース挿通孔34a、38aをこれらが互いに対向位置となるように設けている。また、図10に示すように、第2の円筒体38の底板41には、この底板内の開口部41aを塞ぐための蓋57をボルト58により着脱可能に取付ける。この蓋57は、第1の円筒体34に第2の円筒体38を組付けた後において、第2の円筒体38内からホース挿通孔34a、38aを通す油圧ホースが、第2の円筒体38内から下方に垂れ下がることを防止するものである。
【0035】
この実施の形態において、図2、図3に示すように、上部旋回体2をクレーンにより吊って下部走行体1に組付ける際には、第1の円筒体34内に第2の円筒体38を吊り込む。このとき、第2の円筒体38の第2のガイド突起48の位置が第1の円筒体34の第1の円筒体47,47間に位置するように操作して吊り込む。この吊り込み作業の際、第2の円筒体38の下辺が第1の円筒体34のガイド43のガイド面43aに当接して第2の円筒体38がガイドされるので、第2の円筒体38の中心を第1の円筒体34の中心に合わせることができる。また、第1の円筒体34の対をなす第1のガイド突起47,47により第2の円筒体38の第2のガイド突起48が挟持された状態でガイドされて下降する。この吊り込みにより第2の円筒体38の底板41が第1の円筒体34のリング40上に乗ると、第1のピン孔45の位置に第2のピン孔49の位置が合致する。
【0036】
このように、ピン孔45,49の位置が合致した後、連結ピン39をボス46内のピン孔45からピン孔49に外側から殴打等によって挿着することにより、下部走行体1のセンターフレーム1aと上部旋回体2の旋回装置3との組立を行うことができる。このため、ボルトを使用せずに短時間で労力少なく容易に組立を行なうことが可能となる。また、センターフレーム1aと旋回装置3との分解も、連結ピン39を外すことにより行なえるので、ボルトの取外しを行なうことなく、短時間で容易に行なうことができる。このため、例えば駅のホームでの作業を行なう場合のように、短時間に組立、分解を行う必要がある場所で使用する場合に好適な建設機械を提供することが可能となり、建設機械の稼働時間を長くすることができる。
【0037】
またこの実施の形態においては、第1の円筒体34に第2の円筒体38を嵌合する際に、第1の円筒体34に設けた対をなす第1のガイド突起47,47間に第2の円筒体38に設けた第2のガイド突起48が嵌合されることにより、第2の円筒体38が第1の円筒体34に対して位置決めされ、第1のピン孔45に第2のピン孔49の位置を合致させることができる。このため、ピン孔の位置合わせが容易となる。
【0038】
また、第1のガイド突起47,47間に第2のガイド突起48が嵌合させることにより、第1の円筒体34に対して第2の円筒体38の回動が阻まれるので、建設機械の旋回時における回動力が連結ピン39に作用することを防ぐことができる。このため、連結ピン39の折損事故の発生を回避することができる上、連結ピン39は上下方向の抜け止めを防止する程度の強度のもので済むため、大径で重量の大きなものを用いる必要が無くなり、取り扱いが容易な小型のものですむ。
【0039】
また、この実施の形態においては、連結ピン39として直棒状のピンを用い、これを第1の円筒体34の外周側で抜け止めピン51により抜け止めする構造としたので、第1の円筒体34に第2の円筒体38を連結ピン39によって連結した状態から抜け止めピン51を抜き、連結ピン39を外側から内側に打抜くことによって連結ピン39による第1の円筒体34と第2の円筒体38との連結を解くことができる。このため、作業者は、旋回装置3の下の狭いスペースに潜り込むことなく連結ピン39の殴打による外側への打ち抜き作業を行なうことができ、分解作業が容易となる。なお、この連結ピン39を打ち抜く際には、図10に示したカバー58は外しておき、内側に打ち抜いた連結ピン39は地面に落下させる。
【0040】
図12に示したように、この実施の形態においては、連結ピン39を外側から打ち込み過ぎた際に、これを好適な位置まで引き抜くことを可能とした引き抜き装置を設けたので、連結ピン39を外側から打ち込み過ぎた際にも作業者は旋回装置3の下の狭いスペースに潜り込むことなく連結ピン39の引き抜き方向への移動を行なうことができ、調整作業が容易となる。
【0041】
なお、上記実施の形態では、連結ピン39をセンターフレーム1aの前後にそれぞれ1本ずつ合計2本用いた例を示したが、この連結ピン39は3本以上用いる構造としてもよい。また、上記実施の形態においては、下部走行体1におけるセンターフレーム1aにサイドフレーム1bを取付けたままで輸送する例について示したが、本発明は、履帯1eを付けたセンターフレーム1aからサイドフレーム1bを分解して輸送し、現地にて組立てる場合にも適用できる。また、本発明は、下部走行体がホイール式走行体である場合にも適用できる。また、上記実施の形態においては、建設機械がオーガ駆動装置を有する掘削機である場合について説明したが、本発明は、下部走行体上に上部旋回体を設置する他の各種の建設機械に適用可能である。
【符号の説明】
【0042】
1:下部走行体、1a:センターフレーム、1b:サイドフレーム、1c:駆動輪、1d:従動輪、1e:履帯、2:上部旋回体、3:旋回装置、4:油圧パワーユニット、5:運転部、6:作業装置、7,8:ピン、9:下フレーム、10:上フレーム、12:ピン、13:リーダ、14,15:ピン、16:油圧シリンダ、17:ガイド部材、18:オーガ駆動装置、18a:油圧モータ、19:駆動スプロケット、20:油圧モータ、21:従動スプロケット、22:スプロケットチェーン、24:シーブ装置、25:ウインチ、26〜28:シーブ、30:フック、31,32:ワイヤロープ、34:第1の円筒体、34a:ホース挿通孔、35:内輪、36:外輪、37:軸受、38:第2の円筒体、38a:ホース挿通孔、39:連結ピン、39a:抜け止め用ピン孔、39b:ねじ孔、40:リング、41:底板、42:弧状板、43:ガイド、45:第1のピン孔、46:ボス、46a:抜け止め用ピン孔、46b:溝、47:第1のガイド突起、48:第2のガイド突起、49:第2のピン孔、51:抜け止めピン、52:リング、54:ボルトホルダ、54a:ボルト挿通孔、55:調整ボルト、55a:頭部、57:蓋、58:ボルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の分解組立装置に係り、より詳しくは、下部走行体上に旋回装置を介して上部旋回体を設置し、上部旋回体に作業装置を取付けてなる建設機械において、下部走行体と上部旋回体との間を分解、組立てる装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルや杭打機等の建設機械は、運搬する際の高さ制限、重量制限および搬入する場所で使用可能なクレーンの能力による制限やスペースの制限等により、分解して現地まで輸送し、現地において組立を行なう必要が生じる場合がある。例えば特許文献1には、下部走行体のセンターフレームと左右の履帯付きサイドフレームとを互いに分解すると共に、センターフレームと上部旋回体付き旋回装置とを分解して輸送し、組立てる建設機械が示されている。この特許文献1に記載の建設機械においては、従来より一般的に採用されているように、センターフレームと旋回装置とを多数のボルトを用いて結合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−54052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、駅内で基礎工事、ホームの拡張またはエレベータの構築等の作業を行なうため、建設機械をホーム内に搬入する場合、狭隘なスペースに建設機械を搬入する必要がある。このため、建設機械を分解してトレーラトラック等により輸送し、比較的小型のクレーンを用いて、分解された構成部分をホーム上等に搬入し、ホーム上等で組立てる。作業後は再び建設機械を分解し、クレーンを用いてホーム外に搬出する。
【0005】
このように、建設機械を用いて駅のホームにて作業を行なう場合、分解された構成部分を輸送し、クレーンによりホームに搬入して組立て、ホームにおいて作業を行なった後、再び分解し、クレーンによりホーム外に搬出する必要がある。このようなホーム上での建設機械の稼働時間は、電車が走行しない終電から始発までの間に制限される。このため、建設機械の組立、分解は短時間で行なわなければならない。しかし、上述のように、従来の建設機械のトラックフレームと上部旋回体との結合は、多数のボルトにより行なわれており、ボルトを挿入する孔の位置を合わせやボルトの締め付け作業、あるいはボルトの取外し作業に多大の時間と労力を要する。このため、建設機械の稼働時間を短縮させてしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、分解組立作業を短時間で容易に行うことが可能となる建設機械の分解組立装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の建設機械の分解組立装置は、下部走行体と、前記下部走行体上に旋回装置を介して設置した上部旋回体と、前記上部旋回体に取付けた作業装置とを備えた建設機械の分解組立装置において、
前記下部走行体のセンターフレームに設けられた第1の円筒体と、
前記第1の円筒体の複数箇所に設けられた第1のピン孔と、
前記旋回装置の下面に設けられ、前記第1の円筒体に着脱可能に内嵌される第2の円筒体と、
前記第2の円筒体における前記第1のピン孔に対応する箇所に設けられた第2のピン孔と、
前記第1の円筒体に前記第2の円筒体を内嵌した際に前記第1のピン孔に前記第2のピン孔の位置を合致させる位置決め手段と、
位置決めされた前記第1のピン孔および前記第2のピン孔に挿着して前記第1の円筒体に前記第2の円筒体を固定する連結ピンとを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2の建設機械の分解組立装置は、請求項1に記載の建設機械の分解組立装置において、
前記位置決め手段として、
前記第1の円筒体の内周面における前記第1のピン孔の両側に設けた対をなす第1のガイド突起と、
前記第2の円筒体の外周面に設けられると共に、前記対をなす第1のガイド突起間に上下動可能に嵌まり、かつ前記第2のピン孔を設けた第2のガイド突起とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3の建設機械の分解組立装置は、請求項1または2に記載の建設機械の分解組立装置において、
前記連結ピンとして設けた直棒状のピンと、
前記第1の円筒体に固定され、少なくとも一部が前記第1の円筒体の外面より外向に突出して形成され、前記第1のピン孔を構成するボスと、
前記連結ピンに半径方向に貫通して設けた抜け止め用ピン孔と、
前記ボスにおける前記第1の円筒体から外方へ突出した部分に半径方向に設けた抜け止め用ピン孔と、
前記連結ピンと前記パイプにそれぞれ設けた前記各抜け止め用ピン孔に挿着する抜け止めピンと、
前記抜け止めピンの外れ止め手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4の建設機械の分解組立装置は、請求項3に記載の建設機械の分解組立装置において、
前記連結ピンに外端より軸心方向に設けたねじ孔と、
前記ボスを囲みかつ前記第1の円筒体の外側に先端を当接させて設けられ、前記ねじ孔に対応する箇所にボルト挿通孔を有するボルトホルダと、
前記ボルト挿通孔より大きな頭部を有し、前記ボルト挿通孔に挿通して前記連結ピンの前記ねじ孔に螺合し、回動により前記連結ピンを引き抜き方向に移動させる調整ボルトとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、第1の円筒体に第2の円筒体を嵌合させ、その後連結ピンを第1のピン孔と第2のピン孔に外側から殴打等によって挿着することにより、下部走行体のセンターフレームと上部旋回体の旋回装置との組立を行うことができる。このため、センターフレームに上部旋回体を組み付ける場合、ボルトを使用せずに労力少なく短時間で容易にこの組付けを行なうことが可能となり、建設機械の組立が短時間で容易に行なえる。また、センターフレームと上部旋回体との分解も、連結ピンを外すことにより行なえるので、分解も労力少なく短時間で容易に行なうことができる。このため、例えば駅のホームでの作業を行なう場合のように、短時間に組立、分解を行う必要がある場所で使用する場合に好適な建設機械を提供することが可能となり、建設機械の稼働時間を長くすることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、第1の円筒体に第2の円筒体を嵌合する際に、第1の円筒体に設けた対をなす第1のガイド突起間に第2の円筒体に設けた第2のガイド突起が嵌合されることにより、第2の円筒体が第1の円筒体に対して位置決めされ、第1のピン孔に第2のピン孔の位置を合致させることができる。このため、ピン孔の位置合わせが容易となる。
【0013】
また、前記第1のガイド突起間に前記第2のガイド突起を嵌合させることにより、第1の円筒体に対して第2の円筒体の回動が阻まれるので、建設機械の旋回時における回動力が連結ピンに作用することを防ぐことができる。このため、連結ピンの折損事故の発生を回避することができる上、連結ピンは上下方向の抜け止めを防止する程度の強度のもので済むため、大径で重量の大きなものを用いる必要が無くなり、取り扱いが容易な小型のものですむ。
【0014】
請求項3の発明によれば、連結ピンとして直棒状のピンを用い、これを第1の円筒体の外周側で抜け止めする構造としたので、抜け止めピンを抜き、連結ピンを外側から内側に打抜くことによって連結ピンによる第1の円筒体と第2の円筒体との連結を解くことができる。このため、作業者は、旋回装置の下の狭いスペースに潜り込むことなく分解作業を行なうことができ、分解作業が容易となる。
【0015】
請求項4の発明によれば、連結ピンを外側から打ち込み過ぎた際に、ボルトホルダを第1の円筒体の外側に当て、ボルトホルダのボルト挿通孔から調整ボルトを挿通して連結ピンのねじ孔に螺合し、調整ボルトを回わすことにより連結ピンを引き抜き方向に移動することが可能となる。このため、連結ピンを外側から打ち込み過ぎた際にも作業者は旋回装置の下の狭いスペースに潜り込むことなく連結ピンを引き抜き方向に移動させることができ、連結ピンの挿着深さの調整作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用する建設機械の一例である杭打機を示す側面図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す側面図であり、この杭打機の分解組立の際にクレーンで上部旋回体を吊っている状態を示すものである。
【図3】図2の正面図である。
【図4】この杭打機の分解組立の際にクレーンで作業装置を吊っている状態を示す側面図である。
【図5】この実施の形態の下部走行体と上部旋回体との結合構造を分解状態で示す正面図である。
【図6】この実施の形態の下部走行体と上部旋回体との結合状態を示す正面図である。
【図7】この実施の形態の下部走行体と第2の円筒体との結合状態を示す平面断面図である。
【図8】この実施の形態の第1の円筒体と第2の円筒体との結合構造を分解状態で示す側面断面図である。
【図9】この実施の形態のピンの挿着構造をピン挿着前の状態で示す平面断面図である。
【図10】この実施の形態の第1の円筒体と第2の円筒体とのピンによる結合状態を示す側面断面図である。
【図11】この実施の形態の第1の円筒体と第2の円筒体とのピンによる結合状態を示す部分側面図である。
【図12】この実施の形態における連結ピンの引き抜き装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明を適用する建設機械の一例である杭打機を示す側面図である。図1において、1は下部走行体、2はこの下部走行体1上に旋回装置3を介して設置した上部旋回体、4,5はそれぞれこの上部旋回体2上に搭載した運転部および油圧パワーユニット、6はこの上部旋回体2に取付けられる杭打用作業装置である。
【0018】
図2は本発明の分解組立装置の一実施の形態を示しており、この杭打機の分解組立の際に、運転部4や油圧パワーユニット5等を搭載した上部旋回体2を吊っている状態を示す側面図である。図3は図2の正面図であり、図4はクレーンにより作業装置6を吊っている状態を示す側面図である。図1〜図4に示すように、前記下部走行体1は、センターフレーム1aの両側にサイドフレーム1bを取付け、このサイドフレーム1bの後端に走行用モータ(図示せず)により駆動される駆動輪1cを取付けると共に、前端に従動輪1dを取付け、駆動輪1cと従動輪1dに履帯1eを掛け回した構成を有する。
【0019】
図1、図4に示すように、作業装置6は、上部旋回体2にピン7,8により着脱可能に取付けられる下フレーム9と、この下フレーム9に油圧シリンダ(図示せず)により左右傾斜可能に取付けられた上フレーム10と、この上フレーム10にピン12により前後方向に傾斜可能に取付けられたリーダ13とを備える。リーダ13は、前記ピン12により傾斜可能に取付けられた下リーダ13aと、この下リーダ13aにピン14により傾斜可能に取付けられ、かつピン15により下リーダ13aに固定され、必要により複数本の分割リーダが継ぎ足されることによって長さが調整される上リーダ13bとからなる。16はこのリーダ13を垂直姿勢とし、かつ後方へ倒伏させる油圧シリンダである。この油圧シリンダ16はリーダ13と上フレーム10との間に取付けられる。
【0020】
リーダ13の前部には一対のガイド部材17を取付け、このガイド部材17に沿って上下動可能にオーガ駆動装置18を装着する。このオーガ駆動装置18は、油圧モータ18aによって回転駆動される回転盤(図示せず)を有し、その回転盤にスクリューオーガ(図示せず)を貫通してチャック装置(図示せず)に回転盤に固定し、回転駆動するものである。19はリーダ13の下端に取付けられた駆動スプロケットであり、油圧モータ20により回転駆動されるものである。21はリーダ13の上端部に取付けられた従動スプロケット、22はこの従動スプロケット21と駆動スプロケット19に掛け回されたスプロケットチェーンである。このスプロケットチェーン22にオーガ駆動装置18が接続される。したがって駆動スプロケット19を油圧モータ20によって回転駆動することにより、オーガ駆動装置18をガイド部材17に沿って上下動させることができる。
【0021】
24はリーダ13の頂部に旋回用アクチュエータ(図示せず)により水平旋回可能に取付けられたシーブ装置である。このシーブ装置24は、上部旋回体2に取付けられたウインチ25により巻取り繰出しされるワイヤロープ(図示せず)を掛ける複数のシーブ26〜28を有し、このワイヤロープによりスクリューオーガの吊り込みや既成杭の吊り込み等を行なうものである。
【0022】
この杭打機においては、オーガ駆動装置18の回転盤に装着したスクリューオーガを油圧モータ18aの作動により回転駆動しつつ、油圧モータ20の作動によりオーガ駆動装置18を降下させて竪穴の掘削を行なう。そして1本のスクリューオーガの長さ分掘進したら、ウインチ25によりリーダ13の頂部からシーブ26〜28を介して吊り下げられたワイヤロープ(図示せず)により継ぎ足し用のスクリューオーガを吊り、オーガ駆動装置18に貫挿している先行のスクリューオーガに継ぎ足して掘削を行なうという作業を必要回数繰り返す。そして掘削した竪穴に前記ワイヤロープにより吊り込む既成杭を埋め込むものである。
【0023】
図2〜図4に示すように、この実施の形態においては、杭打機を、下部走行体1と、旋回装置3を含みかつ運転部4や油圧パワーユニット5等を搭載した上部旋回体2と、作業装置6とにより分解し、輸送し、組立てるものである。図2〜図4において、30はクレーンのワイヤロープ31に吊り下げられたフック、32は上部旋回体2や作業装置6を吊り上げるためにこれらに掛け、かつフック30に接続したワイヤロープである。
【0024】
次にこの実施の形態の分解組立装置の詳細について説明する。図5は下部走行体1と上部旋回体2との結合構造を分解状態で示す正面図、図6は結合状態で示す正面図、図7は同じく結合状態で示す平面断面図である。図5〜図7において、1aは下部走行体1のセンターフレームであり、34はこのセンターフレーム1aの中央に溶接により固定した第1の円筒体である。35は旋回装置3の内輪(固定輪)、36はこの内輪35に軸受37を介して回転自在に組み合わされた外輪(旋回輪)である。上部旋回体2はこの外輪36にボルト(図示せず)により固定される。38は旋回装置3の内輪35の下部に溶接あるいはボルト付けにより固定された第2の円筒体である。この第2の円筒体38は下記の構造により第1の円筒体34に着脱可能に内嵌され、ピン39により第1の円筒体34に固定されるものである。
【0025】
図8の側面断面図に示すように、第1の円筒体34の底面には、第2の円筒体38を載せるリング40を、その内周を第1の円筒体34の内周面より内側に突出させて溶接する。第2の円筒体38の底面には、前記リング40に載置されるリング状の底板41を溶接する。
【0026】
第1の円筒体34の内周面の下部に、第2の円筒体34の強度を高めると共に、第1の円筒体34に対する第2の円筒体38のガタツキを防止するための複数(本例では4枚)の弧状板42を溶接する。この複数枚の弧状板42の内周面の包絡円は、第2の円筒体38の外周面で形成される円よりわずかに大きな半径を有する。この弧状板42は、第2の円筒体38の半径方向の位置決め手段を構成する。
【0027】
43は第1の円筒体34の内周面における弧状板42の上部に設けたガイドである。このガイド43は、下部が次第に内側に突出するように傾斜させたガイド面43aを有し、ガイド43のガイド面43aの下端部は、弧状板42の内周面に一致する。このガイド43は第1の円筒体34の強度を高めるリブの役目も兼ねている。
【0028】
45は第1の円筒体34の複数箇所(本例では前後の2箇所)に設けられた第1のピン孔である。この第1のピン孔45は第1の円筒体34の外周面から外方に突出するように第1の円筒体34に貫通して設けたボス46により形成される。図5、図6、図9において、47は第1の円筒体34の内周面における第1のピン孔45の両側に設けた対をなす第1のガイド突起である。この対をなす第1のガイド突起47は、図5、図6に示すように、垂直にかつ平行に設ける。
【0029】
48はこの対をなす第1のガイド突起47,47間に上下動可能に嵌まるように第2の円筒体38の外周面に突出させて設けた第2のガイド突起である。この第2のガイド突起48は、図5に示すように、左右の側面が垂直にかつ平行をなすように形成してあり、この第2のガイド突起48の下面は、第1のガイド突起47,47間に容易に嵌入されるように弧状に形成してある。49はこの第2のガイド突起48の形成部分に内外方向に貫通して設けた第2のピン孔である。この第2のピン孔49は、第1の円筒体34に第2の円筒体38を嵌合した際に、第1のピン孔45に対応する位置に設ける。
【0030】
図9の平面断面図に示すように、この実施の形態の連結ピン39は、拡大された頭部を有しない直棒状のピンである。この連結ピン39には抜け止めピン51を挿着する抜け止め用ピン孔39aを半径方向に貫通して設ける。また、ボス46における第1の円筒体34の外周面から外方に突出した部分にもボス46の半径方向に抜け止めピン51を挿着するピン孔46aを貫通して設ける。また、ボス46の外周面の抜け止め用ピン孔46aを設けた部分には全周にわたり、抜け止めピン51を抜け止めするリング52を嵌める溝46bを設ける。このリング52は全周の一部が切開された弾性を有するものである。
【0031】
組立の際には、連結ピン39をピン孔45,49に挿着した後、図10、図11に示すように、ボス46に設けた抜け止め用ピン孔46aおよび連結ピン39の抜け止め用ピン孔39aに抜け止めピン51を挿着する。その後、リング52を溝46bに嵌めて抜け止めピン51を抜け止めする。なお、抜け止めピン51を抜け止めする手段としては、抜け止めピン51自体に弧状の抜け止め部を設けたもの(βピン)を用いてもよい。
【0032】
図12は連結ピン39を第1の円筒体34の外側から殴打してピン孔45,49に挿着する際に、誤って連結ピン39の抜け止め用ピン孔39aがボス46の抜け止め用ピン孔46aよりも深い位置となるまで押し込み過ぎた場合に、連結ピン39を引き抜き方向に戻すための装置を示す。この引き抜き装置は、連結ピン39に外端より軸心方向に設けたねじ孔39b(図11参照)と、ボルトホルダ54と、調整ボルト55とからなる。ボルトホルダ54は、ボス46を囲むような例えば門形や円筒形をなす。このボルトホルダ54は、連結ピン39のねじ孔39bに対応する箇所にボルト挿通孔54aを有する。調整ボルト55は、ボルトホルダ54のボルト挿通孔54aより大きな頭部55aを有する。
【0033】
この引き抜き装置は、組立時に連結ピン39を外側から殴打してピン孔45,49に挿着する際、連結ピン39を過度に挿入した場合に、ボルトホルダ54をボス46の周囲にこれを囲むように、かつボルトホルダ54の先端を第1の円筒体34に押し当ててセットし、調整ボルト55をボルトホルダ54のボルト挿通孔54aから挿通して連結ピン39のねじ孔39bに螺合し、調整ボルト55を回わすことより、連結ピン39を引き抜け方向に移動させるものである。このとき、連結ピン39は調整ボルト55より大径であり、連結ピン39はピン孔45,49との接触により回り止めされた状態で、調整ボルト55をねじ孔39bと螺合し回動させるので、調整ボルト55の回動力を、連結ピン39の引き抜き力として用いることができ、連結ピン39の引き抜きが可能となる。なお調整ボルト55は頭部55の代わりに作業員が手で把持して回動しうる例えば蝶ボルト等を用いてもよい。
【0034】
なお、旋回装置3の中心には、上部旋回体2上の油圧パワーユニット5の油圧ポンプから下部走行体1の走行モータ等へ作動油を供給するため回転継手であるセンタージョイント(図示せず)が設けられる。そして、このセンタージョイントに接続される油圧ホース(図示せず)を第1の円筒体34および第2の円筒体38から外部に引き出すため、第1の円筒体34および第2の円筒体38には、図5に示すように、油圧ホースを通すためのホース挿通孔34a、38aをこれらが互いに対向位置となるように設けている。また、図10に示すように、第2の円筒体38の底板41には、この底板内の開口部41aを塞ぐための蓋57をボルト58により着脱可能に取付ける。この蓋57は、第1の円筒体34に第2の円筒体38を組付けた後において、第2の円筒体38内からホース挿通孔34a、38aを通す油圧ホースが、第2の円筒体38内から下方に垂れ下がることを防止するものである。
【0035】
この実施の形態において、図2、図3に示すように、上部旋回体2をクレーンにより吊って下部走行体1に組付ける際には、第1の円筒体34内に第2の円筒体38を吊り込む。このとき、第2の円筒体38の第2のガイド突起48の位置が第1の円筒体34の第1の円筒体47,47間に位置するように操作して吊り込む。この吊り込み作業の際、第2の円筒体38の下辺が第1の円筒体34のガイド43のガイド面43aに当接して第2の円筒体38がガイドされるので、第2の円筒体38の中心を第1の円筒体34の中心に合わせることができる。また、第1の円筒体34の対をなす第1のガイド突起47,47により第2の円筒体38の第2のガイド突起48が挟持された状態でガイドされて下降する。この吊り込みにより第2の円筒体38の底板41が第1の円筒体34のリング40上に乗ると、第1のピン孔45の位置に第2のピン孔49の位置が合致する。
【0036】
このように、ピン孔45,49の位置が合致した後、連結ピン39をボス46内のピン孔45からピン孔49に外側から殴打等によって挿着することにより、下部走行体1のセンターフレーム1aと上部旋回体2の旋回装置3との組立を行うことができる。このため、ボルトを使用せずに短時間で労力少なく容易に組立を行なうことが可能となる。また、センターフレーム1aと旋回装置3との分解も、連結ピン39を外すことにより行なえるので、ボルトの取外しを行なうことなく、短時間で容易に行なうことができる。このため、例えば駅のホームでの作業を行なう場合のように、短時間に組立、分解を行う必要がある場所で使用する場合に好適な建設機械を提供することが可能となり、建設機械の稼働時間を長くすることができる。
【0037】
またこの実施の形態においては、第1の円筒体34に第2の円筒体38を嵌合する際に、第1の円筒体34に設けた対をなす第1のガイド突起47,47間に第2の円筒体38に設けた第2のガイド突起48が嵌合されることにより、第2の円筒体38が第1の円筒体34に対して位置決めされ、第1のピン孔45に第2のピン孔49の位置を合致させることができる。このため、ピン孔の位置合わせが容易となる。
【0038】
また、第1のガイド突起47,47間に第2のガイド突起48が嵌合させることにより、第1の円筒体34に対して第2の円筒体38の回動が阻まれるので、建設機械の旋回時における回動力が連結ピン39に作用することを防ぐことができる。このため、連結ピン39の折損事故の発生を回避することができる上、連結ピン39は上下方向の抜け止めを防止する程度の強度のもので済むため、大径で重量の大きなものを用いる必要が無くなり、取り扱いが容易な小型のものですむ。
【0039】
また、この実施の形態においては、連結ピン39として直棒状のピンを用い、これを第1の円筒体34の外周側で抜け止めピン51により抜け止めする構造としたので、第1の円筒体34に第2の円筒体38を連結ピン39によって連結した状態から抜け止めピン51を抜き、連結ピン39を外側から内側に打抜くことによって連結ピン39による第1の円筒体34と第2の円筒体38との連結を解くことができる。このため、作業者は、旋回装置3の下の狭いスペースに潜り込むことなく連結ピン39の殴打による外側への打ち抜き作業を行なうことができ、分解作業が容易となる。なお、この連結ピン39を打ち抜く際には、図10に示したカバー58は外しておき、内側に打ち抜いた連結ピン39は地面に落下させる。
【0040】
図12に示したように、この実施の形態においては、連結ピン39を外側から打ち込み過ぎた際に、これを好適な位置まで引き抜くことを可能とした引き抜き装置を設けたので、連結ピン39を外側から打ち込み過ぎた際にも作業者は旋回装置3の下の狭いスペースに潜り込むことなく連結ピン39の引き抜き方向への移動を行なうことができ、調整作業が容易となる。
【0041】
なお、上記実施の形態では、連結ピン39をセンターフレーム1aの前後にそれぞれ1本ずつ合計2本用いた例を示したが、この連結ピン39は3本以上用いる構造としてもよい。また、上記実施の形態においては、下部走行体1におけるセンターフレーム1aにサイドフレーム1bを取付けたままで輸送する例について示したが、本発明は、履帯1eを付けたセンターフレーム1aからサイドフレーム1bを分解して輸送し、現地にて組立てる場合にも適用できる。また、本発明は、下部走行体がホイール式走行体である場合にも適用できる。また、上記実施の形態においては、建設機械がオーガ駆動装置を有する掘削機である場合について説明したが、本発明は、下部走行体上に上部旋回体を設置する他の各種の建設機械に適用可能である。
【符号の説明】
【0042】
1:下部走行体、1a:センターフレーム、1b:サイドフレーム、1c:駆動輪、1d:従動輪、1e:履帯、2:上部旋回体、3:旋回装置、4:油圧パワーユニット、5:運転部、6:作業装置、7,8:ピン、9:下フレーム、10:上フレーム、12:ピン、13:リーダ、14,15:ピン、16:油圧シリンダ、17:ガイド部材、18:オーガ駆動装置、18a:油圧モータ、19:駆動スプロケット、20:油圧モータ、21:従動スプロケット、22:スプロケットチェーン、24:シーブ装置、25:ウインチ、26〜28:シーブ、30:フック、31,32:ワイヤロープ、34:第1の円筒体、34a:ホース挿通孔、35:内輪、36:外輪、37:軸受、38:第2の円筒体、38a:ホース挿通孔、39:連結ピン、39a:抜け止め用ピン孔、39b:ねじ孔、40:リング、41:底板、42:弧状板、43:ガイド、45:第1のピン孔、46:ボス、46a:抜け止め用ピン孔、46b:溝、47:第1のガイド突起、48:第2のガイド突起、49:第2のピン孔、51:抜け止めピン、52:リング、54:ボルトホルダ、54a:ボルト挿通孔、55:調整ボルト、55a:頭部、57:蓋、58:ボルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、前記下部走行体上に旋回装置を介して設置した上部旋回体と、前記上部旋回体に取付けた作業装置とを備えた建設機械の分解組立装置において、
前記下部走行体のセンターフレームに設けられた第1の円筒体と、
前記第1の円筒体の複数箇所に設けられた第1のピン孔と、
前記旋回装置の下面に設けられ、前記第1の円筒体に着脱可能に内嵌される第2の円筒体と、
前記第2の円筒体における前記第1のピン孔に対応する箇所に設けられた第2のピン孔と、
前記第1の円筒体に前記第2の円筒体を内嵌した際に前記第1のピン孔に前記第2のピン孔の位置を合致させる位置決め手段と、
位置決めされた前記第1のピン孔および前記第2のピン孔に挿着して前記第1の円筒体に前記第2の円筒体を固定する連結ピンとを備えたことを特徴とする建設機械の分解組立装置。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械の分解組立装置において、
前記位置決め手段として、
前記第1の円筒体の内周面における前記第1のピン孔の両側に設けた対をなす第1のガイド突起と、
前記第2の円筒体の外周面に設けられると共に、前記対をなす第1のガイド突起間に上下動可能に嵌まり、かつ前記第2のピン孔を設けた第2のガイド突起とを備えたことを特徴とする建設機械の分解組立装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建設機械の分解組立装置において、
前記連結ピンとして設けた直棒状のピンと、
前記第1の円筒体に固定され、少なくとも一部が前記第1の円筒体の外面より外向に突出して形成され、前記第1のピン孔を構成するボスと、
前記連結ピンに半径方向に貫通して設けた抜け止め用ピン孔と、
前記ボスにおける前記第1の円筒体から外方へ突出した部分に半径方向に設けた抜け止め用ピン孔と、
前記連結ピンと前記パイプにそれぞれ設けた前記各抜け止め用ピン孔に挿着する抜け止めピンと、
前記抜け止めピンの外れ止め手段とを備えたことを特徴とする建設機械の分解組立装置。
【請求項4】
請求項3に記載の建設機械の分解組立装置において、
前記連結ピンに外端より軸心方向に設けたねじ孔と、
前記ボスを囲みかつ前記第1の円筒体の外側に先端を当接させて設けられ、前記ねじ孔に対応する箇所にボルト挿通孔を有するボルトホルダと、
前記ボルト挿通孔より大きな頭部を有し、前記ボルト挿通孔に挿通して前記連結ピンの前記ねじ孔に螺合し、回動により前記連結ピンを抜き差し方向に移動させる調整ボルトとを備えたことを特徴とする建設機械の分解組立装置。
【請求項1】
下部走行体と、前記下部走行体上に旋回装置を介して設置した上部旋回体と、前記上部旋回体に取付けた作業装置とを備えた建設機械の分解組立装置において、
前記下部走行体のセンターフレームに設けられた第1の円筒体と、
前記第1の円筒体の複数箇所に設けられた第1のピン孔と、
前記旋回装置の下面に設けられ、前記第1の円筒体に着脱可能に内嵌される第2の円筒体と、
前記第2の円筒体における前記第1のピン孔に対応する箇所に設けられた第2のピン孔と、
前記第1の円筒体に前記第2の円筒体を内嵌した際に前記第1のピン孔に前記第2のピン孔の位置を合致させる位置決め手段と、
位置決めされた前記第1のピン孔および前記第2のピン孔に挿着して前記第1の円筒体に前記第2の円筒体を固定する連結ピンとを備えたことを特徴とする建設機械の分解組立装置。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械の分解組立装置において、
前記位置決め手段として、
前記第1の円筒体の内周面における前記第1のピン孔の両側に設けた対をなす第1のガイド突起と、
前記第2の円筒体の外周面に設けられると共に、前記対をなす第1のガイド突起間に上下動可能に嵌まり、かつ前記第2のピン孔を設けた第2のガイド突起とを備えたことを特徴とする建設機械の分解組立装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建設機械の分解組立装置において、
前記連結ピンとして設けた直棒状のピンと、
前記第1の円筒体に固定され、少なくとも一部が前記第1の円筒体の外面より外向に突出して形成され、前記第1のピン孔を構成するボスと、
前記連結ピンに半径方向に貫通して設けた抜け止め用ピン孔と、
前記ボスにおける前記第1の円筒体から外方へ突出した部分に半径方向に設けた抜け止め用ピン孔と、
前記連結ピンと前記パイプにそれぞれ設けた前記各抜け止め用ピン孔に挿着する抜け止めピンと、
前記抜け止めピンの外れ止め手段とを備えたことを特徴とする建設機械の分解組立装置。
【請求項4】
請求項3に記載の建設機械の分解組立装置において、
前記連結ピンに外端より軸心方向に設けたねじ孔と、
前記ボスを囲みかつ前記第1の円筒体の外側に先端を当接させて設けられ、前記ねじ孔に対応する箇所にボルト挿通孔を有するボルトホルダと、
前記ボルト挿通孔より大きな頭部を有し、前記ボルト挿通孔に挿通して前記連結ピンの前記ねじ孔に螺合し、回動により前記連結ピンを抜き差し方向に移動させる調整ボルトとを備えたことを特徴とする建設機械の分解組立装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−17166(P2011−17166A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161780(P2009−161780)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
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