説明

弁周囲逆流封鎖デバイスおよび方法

一定の長さ、遠位端および長手方向軸線を備える内側チューブと、内側チューブの遠位端から延び、長手方向軸線から離れるように付勢される複数のニードルと、内側チューブの長さおよびその拡張しているニードルの少なくとも一部分を取り囲むために、内側チューブに対して摺動可能に移動させることができる外側シースと、複数のニードルに電気的に接続された無線周波数エネルギー源とを含む切除カテーテル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年8月27日に出願された米国仮特許出願第61/237,363号に基づいて、米国特許法第119条(e)に規定する優先権を主張し、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は弁周囲逆流を治療するためのデバイスおよび方法に関する。詳細には、本発明は、無線周波数(RF)エネルギーを使用して、弁周囲逆流を治療するためのデバイスおよび方法に関係する。
【背景技術】
【0003】
多種多様なタイプの心臓弁手術を使用して、病変した心臓弁あるいは不完全心臓弁を治療する、または交換することができる。1つの一般的なタイプの心臓弁手術は、全身麻酔下で行われる心臓切開外科的処置に関し、その処置の間、心臓を停止させ、人工心肺バイパス装置が血流を制御する。このタイプの弁手術は、侵襲性が高く、たとえば、感染、脳卒中、腎不全、および人工心肺装置の使用に関連する副作用など、複数の潜在的なリスクに、患者がさらされる。心臓切開外科的処置の欠点に起因して、侵襲性を最小限に抑え、経皮的な方法で心臓弁を交換することに対する関心が高まってきた。そのような外科的技法は、患者の皮膚に比較的小さい開口を作製し、そこにバルブアセンブリを挿入し、カテーテルと同様の送達デバイスを介して、バルブアセンブリを心臓に送達させることに関する。この技法は、より侵襲性が高い形態の、上述した心臓切開外科的処置のような手術より好ましい場合が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
病変した天然のヒトの心臓弁を交換するための経皮的な弁処置では、様々なタイプおよび構成の人工心臓弁が使用される。任意の特定の人工心臓弁の実際の形状および構成は、交換される弁(すなわち、僧帽弁、三尖弁、大動脈弁または肺動脈弁)に、ある程度左右される。一般に、人工心臓弁の設計は、交換される弁の機能を再現しようとするものであり、したがって、生体心臓弁または機械的人工心臓弁とともに使用される弁の小葉構造を含む。生物材料グラフトを選択した場合、交換弁は、バルブ付きステントを作成するために拡張可能なステントフレーム内に何らかの方法で取り付けられたバルブ付き脈管セグメントを含むことができる。経皮的移植のためにそのような弁を準備するために、あるタイプのバルブ付きステントを、拡張させた、またはクリンプされていない状態で最初に提供し、次いで、カテーテルの直径にできるだけ近づくまで、カテーテルのバルーン部分の周りにそのステントをクリンプする、または圧縮することができる。他の経皮的移植システムでは、バルブ付きステントのステントを、自己拡張型材料で作製することができる。いずれの場合も、その拡張した状態のステントフレームの形状は、移植部位の形状とは少なくともわずかに異なるのが一般的であり、したがって、ステントフレームと移植部位との間にギャップまたは空間が生じる可能性が生じ、それにより、弁周囲逆流を許すことになる。1つの例では、非円形形状の大動脈環中に円形の大動脈ステントを配置することにより、ステントと大動脈壁との間にギャップが生じることがあり、それにより、弁周囲逆流が起こる可能性が生じる。
【0005】
経皮的または経カテーテル弁送達手法を使用して行われる弁交換の回数が増加しているので、弁周囲逆流を治療するための方法およびデバイス、特に経皮的方法で逆流を治療できるようにすることができる方法およびデバイスを提供することが望ましい。ただし、同じく、外科的に移植された弁の弁周囲逆流を治療するための方法およびデバイスを提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様では、RFエネルギーを使用して、ステント付きバルブの周囲の逆流を封鎖または治療するための経カテーテル方法およびデバイスが提供される。これらのデバイスおよび方法は、経カテーテル様式でバルブが送達された場合、使用することができ、あるいは外科的に移植されたバルブの周りの逆流を封鎖するために使用することもできる。
【0007】
本発明の一態様では、切除カテーテルは、ガイドワイヤを挿入するための中央管腔を有する内側チューブと、内側チューブの遠位端から延びる少なくとも1つのニードル電極とを備える。カテーテルは、内側チューブのニードルを、外側チューブによって少なくとも部分的に覆う、または取り囲むことができるように、内側チューブに対して移動可能な外側チューブまたはシースをさらに備える。カテーテルが弁周囲逆流の領域に達するまで、可視化技法を使用してカテーテルを患者に挿入することができる。ニードルが逆流開口部内の所望の位置になるまで、システムの様々な構成要素を互いに対して操作することができる。次いで、ステントおよび隣接する周囲組織を穿刺するために、ニードルを移動させるができ、次いで、組織およびステントを引き寄せて互いにより密接に近接するように、複数のニードルを互いに対して移動させることができる。次いで、1つまたは複数のニードル電極に無線周波数エネルギーを印加して、組織を1つに融合および/または組織を収縮させて、それにより、逆流開口部を封鎖する、逆流開口部のサイズおよび/または形状を変更する、またはそれらを最小限に抑えることができる。特に、逆流領域が比較的大きい適用例において、逆流領域の所望の封止を提供するために、同じまたは異なる切除カテーテルを用いて、この処置を複数回繰り返すことができる。
【0008】
本発明の一態様では、一定の長さ、遠位端および長手方向軸線を有する内側チューブと、内側チューブの遠位端から延び、長手方向軸線から離れるように付勢される複数のニードルと、内側チューブの長さおよびその拡張しているニードルの少なくとも一部分を取り囲むために、内側チューブに対して摺動可能に移動させることができる外側シースと、複数のニードルに電気的に接続された無線周波数エネルギー源とを備える切除カテーテルが提供される。
【0009】
本発明の別の態様では、患者内において、移植デバイスと周辺組織との間の空間のサイズを低減する方法が提供される。本方法は、外側シースの遠位端がその空間に隣接して配置されるまで、外側シースを患者に挿入するステップと、外側シースの近位端に内側チューブを挿入するステップであって、内側チューブが、その遠位端から延びる複数のニードルを備える、挿入するステップと、ニードルが外側シースの遠位端から少なくとも部分的に延びるまで、外側シースを通して内側チューブを誘導するステップと、ニードルの先端を、周辺組織および移植デバイスに隣接して配置するステップと、ニードルが周辺組織を穿刺し、移植デバイスと接するまで、ニードルを前進させるステップと、周辺組織および移植デバイスを互いにより近くまで引き寄せ、空間のサイズを低減するために、ニードルを、シースに対して少なくとも部分的に後退させるステップと、少なくとも1つのニードルに無線周波数エネルギーを印加するステップと、周辺組織から、ニードルを後退させるステップと、患者から内側チューブおよび外側シースを取り外すステップとを含む。ただし、ニードルは、移植デバイスと接する必要はなく、その代わりに、組織と移植デバイスとの間のギャップのサイズが小さくなるように組織を収縮させるために、移植デバイスに隣接する組織にのみ接することが企図される。
【0010】
添付の図面を参照して、本発明をさらに説明するが、いくつかの図面において、同様の構造は、同様の参照符号によって示されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による切除カテーテルの端面断面図である。
【図2】切除カテーテルの遠位端部分の斜視図である。
【図3】ステントが大動脈環に対して配置された状態の大動脈のモデルの部分断面図である。
【図4】図3の大動脈内に配置されたステントのモデルの別の部分断面図であり、切除カテーテルのガイドワイヤがさらに示される。
【図5】図4の大動脈、ステントおよびガイドワイヤの軸方向の図であり、例示的な弁周囲逆流の場所も示される。
【図6】図5の大動脈モデルの部分断面図であり、弁周囲逆流の領域にある切除カテーテルの外側チューブおよび拡張器がさらに示される。
【図7】図6の大動脈モデルの部分断面図であり、切除カテーテルの外側チューブの遠位端から延びるニードル先端がさらに示される。
【図8】図7の大動脈モデルの部分断面図であり、ニードル先端に対して部分的に収縮させた位置にある外側チューブがさらに示される。
【図9】図8の大動脈モデルの部分的な断面図であり、逆流開口に対するニードル先端の配置がさらに示される。
【図10】図9において配置された状態の切除カテーテルとニードル先端との軸方向の図である。
【図11】図9の大動脈モデルの部分断面図であり、デバイスの中心長手方向軸線の方向にニードル先端をわずかに圧縮した位置にある外側チューブがさらに示される。
【図12】図11の大動脈、ステントおよび切除カテーテルの遠位端の部分的な軸方向の図である。
【図13】長方形で示された図12の一部分の拡大側面図である。
【図14】図11の大動脈モデルの部分断面図であり、切除カテーテルの外側チューブ中に後退したニードルがさらに示される。
【図15】大動脈から切除カテーテルを除去した後、移植ステントを大動脈環に対して配置した状態の、図14の大動脈モデルの部分断面図である。
【図16】本発明の切除カテーテルの遠位端部分の概略側断面図である。
【図17】ニードルが展開状態にある、図16の切除カテーテルの一部分の概略側断面図である。
【図18】本発明の切除カテーテルとともに使用するための円錐形部一部分の断面側図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、構成要素がいくつかの図全体にわたって同様の参照符号で標示されている図を、最初に図1を参照すると、切除カテーテル10の作動長さを通る断面の一実施形態が示されている。一般に、切除カテーテル10の作動長さは、外側チューブまたはシース12を含み、外側チューブまたはシース12は、ナイロン、PTFE、PEBAXなど、あるいはそのような材料の任意の組合せまたは混成物のような可撓性材料で作製することができる。さらに、シース12は、径方向の曲げ剛性を高めるために、ブレード、コイルまたは他の構造で補強することができる。外側チューブまたはシース12は、内側チューブ14を少なくとも部分的に取り囲むことができる。内側チューブ14は、可撓性の絶縁性材料で作製されるのが好ましいが、異なるタイプの材料で作製してもよい。内側チューブ14は、少なくとも1つのニードル開口または凹部16を含み、ニードル開口または凹部16はそれぞれ、ニードルまたはニードル電極などの切除エレメントの近位端と対合するようにサイズ設定される。図1には、そのようなニードル開口の4つが示されているが、設けられたニードルの個数に対応するために、それよりも多くの、またはそれよりも少ない開口16を設けることができることが理解されよう。内側チューブ14は、その長さの少なくとも一部分を通って延びる中央管腔18をさらに含むことができる。さらに以下に詳述するように、ガイドワイヤまたは他の構成要素を、この中央管腔18を通して移動させることができる。
【0013】
図2を参照すると、切除カテーテル10の遠位端の斜視図が示されている。図2では、切除エレメントまたはニードル20の先端部分は、ニードル開口16の各々から延びる。ニードル20は、たとえば、ニチノール、ステンレス鋼、サージカルスチール、プラチナ銅、または導電性ポリマーなどの導電性材料で作製することができる。ニードル20の1つまたは複数の部分は、可撓性材料、剛性材料、および/またはニチノールのような形状記憶材料で作成することができる。システムに特定の処理能力を提供するために、ニードル20の構造およびサイズは、特定の切除カテーテルについて互いに同一とすることができ、あるいは、ニードルの少なくともいくつかは、特定の切除カテーテルについて、互いに異なるようにサイズ設定し、成形し、および/または構成することができる。
【0014】
ニードル20は、図示のように、中実とすることができ、あるいは、切除プロセス中に、潅注流体、切除流体、生物学的薬剤などのために使用することができる流体経路を提供するために、1つまたは複数の開口を含む管状としたり、中空としたりすることができる。また、ニードル内の流体経路は、周辺組織の把持を補助する吸引力を伝えるために使用することもできる。ニードル内に1つまたは複数の流体経路を提供することは、流体を用いて切除部位に潅注することが望まれる適用例について望ましいことがある。この流体は、たとえば、生理的食塩水、導電性であるイオン流体、または別の導電性流体などの任意の好適な流体とすることができる。さらに、潅注流体は、潅注流体がそれを通って送達されるニードル電極を冷却するために使用することができる。一実施形態では、潅注流体として、塩水を使用することができる。代替的には、リンゲル液、イオン造影剤または血液など、他のエネルギー伝導性液体を使用してもよい。さらに、潅注流体の送達の前に、潅注流体の送達とともに、または、潅注流体の送達の後に、1つまたは複数の診断薬、治療薬、遺伝子治療剤、および/または生物学的薬剤を送達することができる。潅注流体は、無菌流体であることが望ましい。
【0015】
イオン流体を潅注流体として使用する状況では、この流体は、切除デバイス10の1つまたは複数の電極を、切除すべき組織に電気的に結合することができ、それにより、切除部位におけるインピーダンスを低下させる。さらに、イオン潅注流体は、有効電極表面をより大きくすることでき、また、切除される組織の表面を冷却するために使用することができる。
【0016】
潅注流体のような任意の流体の源は、手動ポンプまたは電気ポンプ、注入ポンプ、シリンジポンプ、シリンジなどを含むことができる。流体源または潅注源は、AC電流、DC電流で電力供給されても、バッテリーで電力供給されてもよく、たとえば、1つまたは複数のレギュレータ、バルブ、導管、チューブおよびホースを含むことができる。一実施形態では、流体源を、切除デバイス10に組み込むことができる。
【0017】
ニードル20の各々を、複数の異なる方法のいずれかで、内側チューブ14の開口16の1つの中に固定することができる。たとえば、ニードル20の外側表面と開口16の内側表面との間で、1つまたは複数の接着剤を使用して、各ニードル20の外側表面を、それぞれ対応するニードル開口16の内側表面に固定することができる。代替実施形態では、各ニードルの全体的な長さは、実質的なアンカリング部分を内側チューブ14内に配置することができる十分な長さであり、内側チューブ14の端部から、所望のニードル長が延びる。このような実施形態では、ニードル20を内側チューブ14に固定するために、接着剤または他の材料を必要としなくてもよい。むしろ、開口16内の各ニードル20の一部分を、カテーテル10(たとえば、保持カラー)内に、何らかの他の方法で固定してもよく、あるいは、任意の取付デバイスまたは材料を追加することなく、ニードルの長さ自体によってニードルを開口16内に固定し続けてもよい。内側チューブ14には、任意のニードル開口または凹部16が1つもなく、その代わりに、遠位端が比較的平坦な表面になっており、そこに、接着剤、溶接などを用いてニードルを取り付けることできることがさらに企図される。一実施形態では、ニードル20は、内側チューブ14に対して回転することができないような方法で、内側チューブ14に固定される。さらに、ニードル20を内側チューブ14に固定する方法は、互いに対して、カテーテル10の中心軸24に向かって、ニードルを圧縮するのが早すぎないように実装することができる。
【0018】
ニードル20の1つまたは複数の部分は、カテーテル10の中心長手方向軸線24に対して外向きに付勢(すなわち、バネ付勢)することができる。たとえば、外側チューブ12がカテーテル10の遠位端に向かって摺動するような場合、ニードル20の先端を外側チューブ12の内側表面に向かって付勢することができ、ニードル20が、外側チューブ12の内側表面に接触することになる。ただし、ニードル20の外向き付勢力は、外側チューブ12とともにデバイスの中心軸24に向かってニードル20を移動させることが困難なほど強くてはならない。
【0019】
図16〜図18は、切除カテーテルの遠位端部分のさらなる実施形態を示し、ニードルを、それぞれ対応する切除カテーテルの長手方向軸線に対して付勢する、または方向制御する代替的な方法が提供される。詳細には、図16は、外側チューブ52を備える切除カテーテル50の遠位端を示し、たとえば、上述した取付方法などを使用することによって、ノーズピース54は遠位端に結合され、複数のニードル56が内側チューブ55に取り付けられている。内側チューブ55は、その長さの少なくとも一部分を通って延びる中央管腔をさらに含むことができる。所望の場合、この中央管腔を通して、ガイドワイヤまたは他の構成要素を移動させることができる。この実施形態では2つのニードル56が示されているが、代わりに、3つ以上または2つ未満のニードル56を設けてもよい。ノーズピース54は、各々がニードル56の1つに対応する複数チャネル58を含み、内側チューブ55の中央管腔と全体的に整列し、ガイドワイヤを収容することができる中央管腔(図示せず)をさらに含むことができる。
【0020】
図16では、チャネル58中にほんのわずかに延びているものとしてニードル56が示されており、図17では、本明細書で説明する切除処置の際に使用するために、カテーテル50の遠位端の先まで延びたさらなる展開位置で示されている。ノーズピース54のチャネル58は、ニードル56を、切除カテーテル50の長手方向軸線に対して延ばすのに望ましい角度で設けることができる。つまり、チャネル58はすべて、展開されたニードルを方向制御するために、カテーテルの長手方向軸線に対して同じまたは異なる角度を有することができる。図18は、さらに別の代替的なノーズピース60を示し、そのノーズピース60は、端部形状が湾曲しており、複数のチャネル62を有している。図示されたノーズピースはすべて、複数のチャネルを含むが、ノーズピースは、その代わりに、チャネルを1つしか含まないことがあることを理解されたい。このような実施形態は、切除ニードルを1つしか含まない。
【0021】
切除カテーテル10は、ニードル構成を含むことができる。ニードル構成では、1つまたは複数のニードル20は、ヒンジ結合される、あるいは互いに対して移動可能である少なくとも2つの部品を含む。つまり、少なくとも1つのニードルは、チューブ14の中心長手方向軸線に全体的に平行となるように、内側チューブ14から比較的直線的な方法で延びる第1の部分を含むことができ、第1のニードル部分の遠位端に対して移動可能にニードルの第2の部分を取り付けることができる。このような構成では、解除構成または拡張構成にあるときに、ニードルの第2の部分を、内側チューブの中心長手方向軸線に対して全体的に外向きに付勢することができる。第2のセクションを作製する材料(たとえば、ニチノール)によって、および/またはアタッチメント継手の構成によって、外向きの付勢力を提供することができ、それにより、たとえば、2つのセクションに互いに対して機械的付勢を提供することができる。また、ニードルは、同じまたは異なる材料で作製することができる3つ以上の別個の部分を備えることができる。
【0022】
図2では、切除カテーテル10の外側チューブ12は、内側チューブ14の遠位端および延びているニードル20に対して部分的に収縮しているものとして示されている。外側チューブ12は、比較的滑らかな可撓性材料で作製することができるが、内側チューブ14の中心軸に向かってニードル20を圧縮し、この圧縮された状態に、一定の時間期間にわたってニードル20を維持することができるように十分に強くなければならない。外側チューブ12の内側表面および/または内側チューブ14の外側表面は、互いに対して、および/またはニードル20に対して、両チューブが容易に摺動できるようにするために、比較的滑らかである、および/またはスリップ塗料を備えることができる。外側チューブ12は、たとえば、マーカーバンド22のような1つまたは複数のマーカーを任意選択で含むことができ、それにより、切除カテーテルの他の部分および/または患者解剖学的構造に対して外側チューブ12のある特定の地点または場所の位置を特定するための基準エリアを提供することができる。それに加えて、またはそれに代えて、内側チューブ14および/またはニードル20の1つまたは複数の上に、そのようなマーカーを設けてもよい。一実施形態では、これらのマーカーは、画像検査法で使用するための画像マーカーとすることができる。
【0023】
本発明の切除カテーテルは、デバイスの例示された遠位端に近接して配置される作動メカニズムを含む、ハンドル、または他のメカニズム(図示せず)をさらに含むことができる。そのような作動メカニズムは、1つまたは複数のスライダ、ローラー、ノブ、あるいは、デバイスの外側チューブをデバイスの他の構成要素に対して前後に移動させるために使用することができるようなものを含むことができる。切除カテーテルは、ニードルに電力を供給する電気接続メカニズムをさらに含むことができる。たとえば、ニードルに接続するために、内側チューブの中にこの電気接続メカニズムを設けることができる。
【0024】
上述のように、本発明の切除カテーテルは、この例示的な実施形態に示される4つの切除ニードルよりも多数のまたは少数の切除ニードルを含むことができ、ニードルの個数は、逆流封鎖プロセスについて最適な捕捉および封鎖を達成するように選択されるのが好ましい。いくつかの適用例では、たとえば、比較的少数の、長さおよび/または直径が大きいまたは小さいニードルを設けることが望ましいことがあるが、他の場合には、単一の切除デバイスの一部として、多数の、長さおよび/または直径が大きいまたは小さいニードルを設けることが望ましいこともある。切除カテーテルは、デバイスの遠位端に操舵性能を提供するために、外側チューブまたは内側チューブのいずれかに、1つまたは複数の追加の管腔をさらに含むことができる。また、1つまたは複数の追加の管腔を設けて、逆流場所に造影剤を注入することができる。さらに別の代替では、所望の場合、中央管腔18を使用して、造影剤を注入することができる。1つまたは複数の追加の管腔を設けて、潅注流体または切除流体などの1つまたは複数の流体を供給することができる。
【0025】
次に、図3〜図15を参照すると、たとえば、図1および図2に示されたタイプの切除カテーテルを使用する方法が示されている。詳細には、図3には、大動脈30のモデルが示され、本発明の方法が実行される領域がよりよく見えるように、大動脈の断面が切り取られている。大動脈30は、洞領域32と弁環34とを含む。例示的なステント36は、環34に対して比較的一般的な場所に示され、より詳細には、大動脈弁交換処置について例示的な位置に示されている。図を明快にするために、典型的にはステント36の中央領域内に取り付けられるタイプのバルブは示されていないが、大動脈弁を交換するためにステントが提供された場合、ステント36の中央開口領域内に、弁構造(たとえば、生体弁構造または機械的弁構造のいずれか)が提供される。
【0026】
前述のように、所望の場合、任意のタイプの侵襲性処置または侵襲性が最小限の処置を使用して、ステントまたはステント付きバルブを大動脈環34の領域に送達することができる。しかしながら、ステントの全体的に円形の外側形状は、典型的には、ステントが配置される環の内側開口部と同じでない(すなわち、環開口部の形状は、典型的には、いくらか不規則である)ので、ステント移植後、ステントと環との間にギャップまたは開口が生じることがあり、それによって、逆流の可能性がある領域が生じる。この説明のために、そのような逆流領域は、参照符号40によって示される領域に存在する(図5も参照)。この逆流領域40は、検出することができる。血管内超音波(IVUS)、経食道心エコー(TEE)、心臓内心エコー(ICE)または他の利用可能な技法など、複数の可視化技法のいずれかを使用して、逆流領域40の位置を特定することができる。本発明の切除カテーテルを用いて、この治療法を送達するために使用することができるいくつかの代替的な方法および手法が存在することを理解されたいが、本明細書は、具体的には、ガイドワイヤを利用する経大腿動脈的手法を対象とするものである。たとえば、経心尖手法、経心房手法、経中隔手法および経静脈手法などの他の手法を代替的に使用することができることを理解されたい。さらに、切除カテーテル10は、たとえば、開胸術または胸骨切開によって、経皮的に、経静脈的に、関節鏡的に、または内視鏡的に配置され、使用してもよい。また、この切除カテーテルを心臓切開外科的処置で使用することができることが企図される。
【0027】
弁周囲逆流40を治療するためのこの例示的な経大腿動脈的手法の場合、ガイドワイヤ42を、大腿動脈に挿入し、大動脈弓に沿って進め、特定された逆流領域40まで移動させる。1つの例示的な方法では、操縦可能なカテーテルと1つまたは複数の視覚的誘導技法とを使用して、ガイドワイヤ42を、逆流開口部40を通して誘導することができる。図4および図5は、逆流部40に対してガイドワイヤ42を配置した後の、ガイドワイヤ42の例示的な場所を示している。具体的には、図5では、ステント36の外側表面と環開口部の内側表面との間の逆流領域40に延びているガイドワイヤ42が示されている。
【0028】
ガイドワイヤ42をその所望の位置に配置すると、外側チューブ12を、ガイドワイヤ42に沿って逆流の場所まで移動させることができる。拡張器44の助けをかりて、ガイドワイヤをこのように移動させることができるが(図6参照)、拡張器を使用せずに、アセンブリ全体を定位置に誘導することもできる。次いで、(存在する場合には)拡張器44およびガイドワイヤ42を患者から取り外し、逆流領域40に外側チューブ12を残す。
【0029】
次いで、ニードル20が内側チューブ14の遠位端から延びた状態で、内側チューブ14を、外側チューブ12の近位端に挿入し、チューブ12の長さを通して内側チューブ14の遠位端まで誘導することができる。この位置では、ニードル20の先端を外側チューブ14の遠位端の近くに配置されるはずであり、これが、ニードル挿入の一般的な場所となる(図7参照)。外側チューブ12が、内側チューブ14およびニードル20の挿入より前に、バルブを通り越して心室まで挿入されている場合、ニードル端部がチューブ12の遠位端に近づいた後で、外側チューブ12をバルブおよび逆流開口部に対して定位置まで後退させることができる。代替的には、弁および逆流開口部に対して最初に配置している間に、外側チューブ12を停止し、所望の展開場所に保持した場合、チューブ12を定位置まで後退させる必要はなくなる。ニードル先端に組織を穿刺させることが所望される場合など、逆流の開口部の一端に、ニードル20の先端が置かれた場合(図8参照)、ニードルのバネ付勢屈曲部を越えた地点まで、外側チューブ12を後退させる。このようにすると、ニードルは、内側チューブ14の長手方向軸線に対して外向きに付勢される。バルブ付きステントの任意の弁尖と干渉しない位置にニードルを配置することがさらに望ましい。いずれの場合も、ニードル20の少なくともいくつかのニードル20の先端は、逆流領域40の組織に隣接することになる。
【0030】
次いで、図9および図10に示すように、延びているニードル20を備える内側チューブ14を、前方に押すことができ、それにより、ニードル20を、内側チューブ14の長手方向軸線に対して外向きに延ばすことができるようなる。そうすることによって、ニードル20のいくつかは組織を穿刺し、他のニードルは、ステント36のフレームのワイヤ同士の間にある空間に延びる。画像形成技法または触覚フィードバックのいずれかにより、切除カテーテル10およびその対応するニードル20が、逆流領域内に、ならびにステントおよび/または周囲組織に適切に配置されていないと判断された場合、最適な配置を達成するために、ニードル20を1回または複数回再配置することができる。この再配置を達成するために、新しい場所まで移動させることができるようにニードル20が十分に自由になるまで、ニードル20を、外側チューブ12および開口40に対して移動させることができる。
【0031】
代替的な適用例では、ステントの隣の組織にだけニードルを挿入する(すなわち、ステントのワイヤ同士の間にある空間にもニードルが延びないように、ニードルを挿入する)ことができる。次いで、既存のギャップを封鎖する、または最小限に抑えるのに十分な量でステントを取り囲んでいる組織を縮小することによって、逆流領域の封鎖が達成される。
【0032】
ニードル20が逆流領域内に適切に配置されていると判断した後、図11および図12に示すように、ニードル20を、互いに向かって、かつ内側チューブ14の長手方向軸線に向かって内向きに圧縮する、または移動させるために、外側チューブ12を前方に前進させることができる。このとき、ニードル20は、組織ともステントとも係合しているので、このニードルの移動は、組織およびステントを互いに対してより近くまで引き寄せて、それにより、ギャップまたは逆流領域を封鎖する、または最小限に抑えることができる。隣接する表面同士が、互いに、デバイスを効率的に使用するのに十分に近いと判断されると、無線周波数(RF)エネルギーを送達して、周囲組織を融合または収縮させて、それにより、ギャップを最小限に抑える、または封鎖することができる。一実施形態では、各ニードルを入れ替えた様々な組合せに、RFエネルギーを送達することができる。代替的には、RFエネルギーを、選択されたニードル間の単一の適用例で(すなわち、バイポーラ送達結合で)提供することができる。さらに、接地パッドを使用してもよく、および/または、様々なモノポーラ送達結合を採用してもよい。一般に、RFエネルギーの送達は、様々な多くのパラメータを使用して達成することができる。たとえば、一定レベルでRFエネルギーを印加してもよく、短い持続時間にわたって、または長い持続時間にわたって、潅注とともに、または潅注をせずに、レベルを上下に調節してもよい。また、組織の状態および/またはエネルギー源へのフィードバックに基づいて、エネルギーの送達を調整してもよい。一つの例では、十分な接着を達成するために、組織上でのクランプ圧が約20g/cm2のときに、組織温度が約85〜95℃まで上昇するように、電力および時間を設定することができる。ただし、温度がより低く、圧力がより高いときにも、組織接着が可能となることがある。さらに、電力を間断化して、組織の過熱を回避することができ、あるいは、ほぼ連続して電力印加してもよい。
【0033】
切除カテーテル10は、デバイスおよび周囲組織の温度を監視する少なくとも1つの熱感知エレメントをさらに含むことができる。温度監視のために、たとえば、1つまたは複数の熱電対ワイヤ、サーミスタまたはサーモクロマティックインクを使用することができる。
【0034】
図13は、長方形で示される図12の一部分の拡大側面図であり、ニードル20が逆流の領域において互いに向かって引き寄せられた(すなわち、逆流開口部が閉じられた後)状態をよりよく示している。参照符号50は、逆流開口部を閉じる前のステントに対する組織の1つの例示的な配置を指す。図13に示されるように、1つのニードル20が、ステント36のフレームの中に少なくとも部分的に配置され、他の3つのニードル20は、周辺組織を少なくとも部分的に穿刺している。ニードルの配置の他の組合せも可能であるが、ニードルを互いに向かって、かつ、内側チューブ14の長手方向軸線に向かって折りたたむ、引き寄せる、または押すことにより、逆流を封止する、または逆流のサイズを少なくとも低減する結果となることが好ましい。逆流が完全には封止されない場合であっても、RFエネルギーによって生成される治癒応答は、少なくとも部分的に封鎖された、または最小限に抑えられた逆流を最終的に封止するのに十分となり得ることを留意されたい。
【0035】
RF融合プロセスの完了後、図14に示すように、ニードル20を後退させて、外側チューブ12中に戻すことができる。ニードルが組織に穿刺することによって、ほぼニードルの直径のサイズである組織の小さい穴が残るが、これらの穴は、治癒過程に閉じることになる。このため、逆流領域を封止するのに必要な所望量のRFエネルギーを送達する、直径が最も小さいニードルを使用することが望ましいことがある。
【0036】
処置の完了後、図15に示すように、デバイスを取り外すことができる。適切に実行された場合、本発明のRF封止プロセスを完了させることにより、ステントと、ステントが移植された構造の壁との間に、より緊密な封止が提供される。次いで、逆流が封鎖または低減されたかどうかを確かめるために、弁をテストすることができる。このプロセスにより、ステントを取り囲む領域におけるすべてまたは大部分の弁周囲逆流がなくなることが望ましいが、逆流領域のサイズが低減されるだけでも、移植された大動脈弁の性能を改善することができる。
【0037】
上記で説明した処置を実行した後に、逆流領域のサイズが依然として非常に大きいと判断した場合、同じまたは異なる切除カテーテルを使用して、処置全体を再び実行してもよい。たとえば、逆流領域の第1のセクションまたは部分を封止するために、多くのニードルを備える比較的大きいデバイスを第1の処置で使用することができ、次いで、逆流領域のギャップをさらに封鎖するために、第1の封止領域に隣接して、1つまたは複数のより小さいデバイスを使用することができることが企図される。単一および複数の切除処置のために、様々なサイズおよび構成のデバイスを提供することができ、様々なサイズおよび特徴を有する逆流開口部を封鎖するために、様々なサイズ、長さおよび材料のニードルを提供することができる。
【0038】
いくつかの実施形態を参照しながら、本発明について説明してきた。本明細書で特定される任意の特許または特許出願の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。上記の詳細な説明および例は、単に理解を明快にするために提供されたものである。それらから不必要な限定が理解されるべきではない。当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態において多くの変更をなし得ることが明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載された構造に制限されるものではなく、特許請求の範囲の表現によって説明される構造およびそれらの構造の等価物によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の長さ、遠位端および長手方向軸線を備える内側チューブと、
前記内側チューブの前記遠位端から延び、前記長手方向軸線から離れるように付勢される複数のニードルと、
前記内側チューブの前記長さおよびその拡張しているニードルの少なくとも一部分を取り囲むために、前記内側チューブに対して摺動可能に移動させることができる外側シースと、
前記複数のニードルに電気的に接続された無線周波数エネルギー源と
を備えている、
ことを特徴とする切除カテーテル。
【請求項2】
前記外側シースの内側開口部内において、前記内側チューブの前記長手方向軸線に向かって前記複数のニードルを圧縮することができる、
請求項1に記載の切除カテーテル。
【請求項3】
前記内側チューブが、絶縁材料を備える、
請求項1に記載の切除カテーテル。
【請求項4】
前記内側チューブを通って延びる管腔と、前記内側チューブの前記管腔内で摺動可能に受けることができるガイドワイヤとをさらに備える、
請求項1に記載の切除カテーテル。
【請求項5】
少なくとも1つの前記ニードルが、導電性材料を備える、
請求項1に記載の切除カテーテル。
【請求項6】
少なくとも1つの前記ニードルが、形状記憶材料を備える、
請求項1に記載の切除カテーテル。
【請求項7】
少なくとも1つの前記ニードルが、テーパ状の遠位先端を有する中実の細長部材を備える、
請求項1に記載の切除カテーテル。
【請求項8】
少なくとも1つの前記ニードルが、テーパ状の遠位先端を有する中空の管状部材を備える、
請求項1に記載の切除カテーテル。
【請求項9】
前記内側チューブの前記遠位端が、複数の開口部を備え、各ニードルが、前記複数の開口の1つから延びる、
請求項1に記載の切除カテーテル。
【請求項10】
少なくとも1つの前記ニードルが、接着剤を用いて、それぞれ対応する開口部内に固定される、
請求項9に記載の切除カテーテル。
【請求項11】
少なくとも1つの前記ニードルが、遠位部分、近位部分、および前記遠位部分と前記近位部分の間のヒンジを備え、前記ニードルの前記遠位部分が、前記ニードルの前記近位部分および前記長手方向軸線に対して外向きに付勢される、
請求項1に記載の切除デバイス。
【請求項12】
前記内側チューブが、造影剤注入材料をそれを通して挿入することができる少なくとも1つの管腔をさらに備える、
請求項1に記載の切除デバイス。
【請求項13】
前記外側シース、前記内側チューブ、および1つの前記ニードルの少なくとも1つが、検出可能マーカーをさらに備える、
請求項1に記載の切除デバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つのマーカーが、画像形成技法によって検出可能なイメージングマーカーを含む、
請求項13に記載の切除デバイス。
【請求項15】
患者内において、移植デバイスと周辺組織との間の空間のサイズを低減する方法であって、前記方法が、
外側シースの遠位端が前記空間に隣接して配置されるまで、前記外側シースを前記患者に挿入するステップと、
前記外側シースの近位端に内側チューブを挿入するステップであって、前記内側チューブが、その遠位端から延びる複数のニードルを備える、挿入するステップと、
前記ニードルが前記外側シースの前記遠位端から少なくとも部分的に延びるまで、前記外側シースを通して前記内側チューブを誘導するステップと、
前記ニードルの前記先端を、前記組織および前記移植デバイスに隣接して配置するステップと、
前記ニードルが前記組織を穿刺し、前記移植デバイスと接するまで、前記ニードルを前進させるステップと、
前記組織および前記移植デバイスを互いにより近くまで引き寄せ、前記空間の前記サイズを低減するために、前記ニードルを、前記シースに対して少なくとも部分的に後退させるステップと、
少なくとも1つの前記ニードルに無線周波数エネルギーを印加するステップと、
前記組織から、前記ニードルを後退させるステップと、
前記患者から、前記内側チューブおよび前記外側シースを取り外すステップと
を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記外側シースを挿入する前記ステップの前に、ガイドワイヤを前記患者に挿入し、前記内側チューブを挿入する前記ステップ後に、前記ガイドワイヤを取り外すステップをさらに備える、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記外側シースを前記患者に挿入する前記ステップが、可視化技法を使用することを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ニードルを後退させる前記ステップが、前記内側チューブの前記長手方向軸線に向かって前記ニードルを圧縮させるために、前記ニードルの前記遠位端に向かって前記外側シースを前進させることを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項19】
無線周波数エネルギーを印加する前記ステップが、前記無線周波数エネルギーを、少なくとも2回連続して印加することにより、少なくとも1つの前記ニードルに印加することを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記移植デバイスが、ステント付きバルブを備え、前記ステント付きバルブに隣接する前記組織が、大動脈環に隣接する大動脈組織を含み、前記空間が、弁周囲逆流場所を含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記外側シースを挿入する前記ステップおよび前記内側チューブを前記患者に挿入する前記ステップが、前記患者の大動脈を介した経皮的挿入を含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項22】
患者内において、移植デバイスと周辺組織との間の空間のサイズを低減する方法であって、前記方法が、
切除カテーテルを提供するステップであって、前記切除カテーテルが、
遠位端および長手方向軸線を備える内側チューブ、
前記内側チューブの前記遠位端から延び、前記長手方向軸線から離れるように付勢される複数のニードル、
前記内側チューブの長さと、その延びているニードルの少なくとも一部分とを取り囲むために、前記内側チューブに対して摺動可能に移動させることができる外側シース、および
前記複数のニードルに電気的に接続された無線周波数エネルギー源
を備える、切除カテーテルを提供するステップと、
前記外側シースの遠位端が前記空間に隣接して配置されるまで、前記外側シースを前記患者に挿入するステップと、
前記外側シースの近位端中に拡張しているニードルを備える前記内側チューブを挿入し、前記ニードルが前記外側シースの前記遠位端から少なくとも部分的に延びるまで、前記外側シースを通して前記内側チューブを誘導するステップと、
前記ニードルの前記先端を、前記組織および前記移植デバイスに隣接して配置するステップと、
前記ニードルが前記組織を穿刺するまで、前記ニードルを前進させるステップと、
前記組織および前記移植デバイスを互いにより近くまで引き寄せ、前記空間の前記サイズを低減するために、前記ニードルを、前記シースに対して少なくとも部分的に後退させるステップと、
少なくとも1つの前記ニードルに無線周波数エネルギーを印加するステップと、
前記組織から、前記ニードルを後退させるステップと、
前記患者から、前記カテーテルを取り外すステップと
を含む、
ことを特徴とする方法。

【公表番号】特表2013−503011(P2013−503011A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527028(P2012−527028)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/046985
【国際公開番号】WO2011/031552
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(507020152)メドトロニック,インコーポレイテッド (20)
【Fターム(参考)】