説明

弁棒カバー

【課題】バルブ弁棒を保護する固定長、または多段伸縮形のこれら弁棒カバーが、既存の弁棒には特別な加工改造、変更工事を行うことなく、強固に安定した取付けを行えるようにする。
【解決手段】弁棒カバー1の接続スカート部7をバルブ操作ハンドル102中心部の既存のハンドル固定ナット9に直接的に圧接して連結する。当該接続スカート部7の外周方向に略短冊状の外郭扁部16を形成して、当該スカート部7の内側寸法を当該ナット頂角の外形寸法に概略合わせ、当該ナットの外周辺表面部、あるいは頂角部に位置決めして取付ける。さらにこの接続スカート部7を外周から締付け固定するテーパーリングとねじ付きリング12、あるいは締付け具を備えて、弁棒カバーを当該ナットに連結し取付ける方法と構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用バルブ、とりわけ仕切弁において操作するバルブハンドル中心より出没自在に突設された弁棒を覆い保護する弁棒カバーに関するもので、この弁棒カバーが出没する弁棒の最大長さに合わせて長さを一定に固定した筒体からなる弁棒カバー、あるいは弁棒カバーが伸縮自在に長さ可変する形態の多段伸縮形弁棒カバーを、バルブの弁棒があるハンドル部へ取付ける方法と構造に関するものである。またこれらの取付けられる伸縮形弁棒カバーで、これが出没自在する弁棒に、常時追従して伸縮可変する方法と構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に産業用のバルブの仕切り弁などでは、バルブハンドル操作の回動によりバルブの開閉具合に応じて操作ハンドルの中心部に突設された弁棒が自在に出没する構造であることが知られている。これらによるバルブ設備の弁棒を、衝突などの物理的障害により破損してしまうことから保護し、また人身への安全面を確保する目的から、このバルブ弁棒全体を被覆して保護する形態で、出没する弁棒の最大伸張に合わせてあらかじめ長さが固定された筒体からなる弁棒カバーを用いたり、あるいはこの出没変化する弁棒の長さに合わせて長さが伸縮可変する形態の多段伸縮形の弁棒カバーが用いられている。
【0003】
これらの弁棒カバーを既存バルブ設備へ取付ける方法は、バルブ開閉操作ハンドル中央部にあるハンドル固定ナットを取外して弁棒スリーブ外周部の雄ねじに、弁棒カバー本体の基端部に設けた接続部内周の雌ねじを嵌合して取付けるもの、このスリーブ自体に弁棒カバー基端の接続部を止めねじで直接固定するもの、あるいはハンドルの既存の銘板上にマグネットで取付けるものなどがある。いずれも弁棒点検時には弁棒カバーの取外し取付けが行える構造としている。また弁棒カバーを装着するバルブハンドルのスポークフレームをボルトナットにより直接挟み込み取付ける構造からなるものもある。例えば、特許文献1には、スピンドル(弁棒)をカバーする大きさの透明の筒体からなるカバー本体を備え、カバーのハンドル接続部はバルブの操作ハンドルを固定するスリーブナットのスリーブに外嵌される。このスリーブにねじ孔を合致させた状態で、ハンドル接続部の外側からねじを螺合することによって固定する、あるいはハンドル接続部自体をナット形状とし、内周部にねじを刻設し、ハンドル接続部に直接的にねじ結合するように構成するスピンドルカバーが開示されている。
【0004】
従来の多段伸縮形の弁棒カバーは、複数の外形の異なる筒体が重なり組み合わされて弁棒の軸方向に摺動し伸縮することで出没自在する弁棒全体を覆い保護する形態のものである。そしてこの伸縮する動作は弁棒の先端部と弁棒カバーの先端部を機械的に連結することで行わせるもの、あるいは短縮操作は人手で随時行うものなどがある。しかしながら透明でない筒体でなる弁棒カバーは、内部に覆われた弁棒の位置を外側から視認することが困難であり、バルブ開閉状態が直接的に判別できない。そのためこれら伸縮形の弁棒カバーは弁棒の出没する長さに追従して、伸縮する弁棒カバーの突出する形状の長さを合わせられることで、この長さの状態を視認してバルブ開閉度の間接的な読み取り判別を行える指標となるような形態としている。また常時、出没する弁棒の長さに追従した長さの弁棒カバーであることから、設置場所での省スペースの効果と、通路側などで衝突の危険要因を最大限に失くせる本質安全対策となる弁棒カバーとしている。例えば、特許文献2には、保護カバーを複数の略ラッパ状の筒体片を組み合わせた構造とし、最小径の筒体片はその上端を蓋で閉塞するとともにスピンドル(弁棒)の外方先端に結合する。開閉操作に伴ってその高さが変化するので、容易確実に開閉状態を判別することができる開閉弁の保護カバーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−243554
【0006】
【特許文献2】特開平8−261353
【0007】
【特許文献3】特開2009−275890
【0008】
【特許文献4】特開平9−14477
【0009】
【特許文献5】特開平11−22858
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の弁棒カバーの長さが一定で単一筒体からなる弁棒カバー、あるいは多段伸縮形の弁棒カバーを、弁棒があるハンドル中央部に装着する方法として、ハンドル固定用スリーブ外周部にある既存の雄ねじを利用して取付ける場合がある。しかし、これには既存のハンドル固定ナットを一旦緩めて取外さないと弁棒カバーの取付け作業が行えない構造上の制約があった。このため弁棒カバーの取外し取付けのたびにハンドル取付け部が緩み、ハンドルが外れることとなり、また現状の設備が一部分解変更されることによって操業時の安全性が確保されない状況が生じる懸念があった。このため弁棒カバー取付け、取外しが何時でも容易に行えないことによる弁棒カバー採用上の問題があった。
【0011】
前記の取付け方法によると、点検のため弁棒カバーを取外し取付ける時にも弁棒カバー取付ねじを緩めるために、通常の弁棒の点検作業が容易に行えなく、またバルブの漏れ、開閉の異常があった場合でも、緊急に弁棒の点検ができないなど保全上の問題があった。さらに弁棒カバー自体が長期に渡る使用中に自然に緩んで回転すると、ハンドルにも遊び、ガタが発生し、ついにはハンドルが外れて脱落する原因にもなった。
【0012】
また従来のハンドル固定用スリーブ外周部の雄ねじを利用して弁棒カバーの接続部に設けた雌ねじをねじ込み、取付ける施工を行う方法では、この弁棒カバーに衝突などによる外力が加わった場合に、バルブ側の当該スリーブの雄ねじを破損(ねじ山の変形に因るナットのかじり、焼付き固着)してしまうことの障害が生じることがある。
【0013】
従来の取付け方法で、ハンドル固定ナットに直接弁棒カバーの接続部を取付けて、側面より止めねじを用い締結する方法では、既存のハンドル固定ナットの多くが安価な鍛造品でありそのために外形寸法精度も正確でなく、また長期の使用によってナット外形の傷み変形腐蝕などもあり、弁棒カバーを締結して取付ける面として望ましい状態のものではない。そのため止めねじによる十分な締結力が得られずに使用中に弁棒カバーが外れ脱落することもあった。またハンドル面上に設置された金属製銘板上にマグネットで取付ける方法では、使用中の接合面の汚れ、ゴミの付着などで十分な取付け力が得られなくなり同様に外れてしまうことがあった。またこのマグネット取付け方法の場合、取付ける銘板の文字、回転操作方向の矢印表示が読み取りづらくなったり、非磁性体の金属製からなる銘板の場合にはマグネットによる磁力では弁棒カバーを取付けられないなどの制約があった。
【0014】
また従来の弁棒カバーの伸縮形のものでは、弁棒カバーを構成する複数の筒体が、先端部からラッパ状に広がって形成されている。これらは筒体が多段に重なり形成されることから段数が多くなるとハンドル取付け部の最基端部の弁棒カバーの筒体が構造的に大口径な形状となる。このためこれら大口径からなる筒体の集合部がハンドル中央部の既存の銘板上に重なり、銘板の文字、回転操作方向の矢印表示の読み取りが困難になるなどの支障が出ることがあった。あるいはバルブの既存のハンドルのスポークフレーム自体にボルトなどを用いて弁棒カバー本体を取付けるものもあるが、同様に既存のバルブ銘板に取付け部が重なって銘板の表示文字の読み取りができにくくなるなど、設備管理上でこれらの方法は望ましくない面があった。
【0015】
従来の多段伸縮形弁棒カバーで弁棒と先端部を連結していない構造で、弁棒カバーの伸長短縮を随時、手動で行うようにした弁棒カバーがあるが、万一、弁棒の長さに弁棒カバーを合わせておく操作をし忘れた場合に、弁棒長さの読み取りミスを起こしこれによりバルブ開閉度を誤認してしまい事故につながる要因となる懸念があった。さらに弁棒カバー突出部の短縮による省スペース効果を喪失し、常時最短の形態であることでこの突出による危険な要因を最大限に取り除いて衝突を未然に防ごうとする本質安全対策面でも、これらの人的な操作で短縮を行う方式の伸縮形弁棒カバーの安全効果には限界があった。
【0016】
従来の多段伸縮形弁棒カバー(蛇腹式弁棒伸縮カバーを含む)で、多段に重なり組合わされた筒体カバーが伸縮する動作を、弁棒の先端部と弁棒カバーの先端部を機械的に連結することで行わせるものは、これらを弁棒先端に締結するボルト箇所が腐蝕、経年劣化等により破損して外れたり、使用中に締結部のボルトが緩んだり、あるいは弁棒カバーを復元し取付ける時にボルトの取付け締結を忘れるなどの人為的ミスに因る場合などには、弁棒カバーの正確な伸縮の機能を損なうことにもなった。このため弁棒カバーの長さでバルブ開閉度を読み取る指標とならなくなることで、設備の運転面で重大な事故の要因となる懸念があった。
【0017】
また従来の弁棒に機械的に連結して行う多段伸縮形弁棒カバーでは、新規にこの弁棒カバーを取付ける場合、既存の弁棒の先端に弁棒カバーと連結するための雄ねじ加工を加えて弁棒カバー先端部を弁棒側にボルトで機械的に連結して取付ける必要があった。そのため既存のバルブ設備が操業中には取付け工事を行なえなかったり、操業運転の停止処置などの事前措置が必要であった。このため弁棒設備へ弁棒カバーを取付ける作業工数、改造工事費も多く要するなど取付ける上での障害となっていた。また取付けるためのボルトその他、機械的連結の部品の製作、これらの維持管理費等が多く必要となり多段伸縮形弁棒カバー導入設置コストの低廉化を妨げていた。
【0018】
本発明は、バルブ設備で弁棒カバーの長さが一定の筒体からなる弁棒カバーと多段伸縮形の弁棒カバーの新設、既設交換等が必要な場合で、既存のバルブの弁棒と弁棒カバー取付け部には一切の改造、加工による変更を行うことなくこれらの取付けを確実容易に行うもので、操業中の現行のバルブ設備の開閉条件を保全したままで取付け取外しが行える弁棒カバーの取付け方法と構造を提供する。また、バルブ弁棒の出没長さに応じて伸縮して弁棒を覆い保護するための多段伸縮形弁棒カバーであって、突出した形態の弁棒カバー本体部が既存のバルブ弁棒に連結のための特別な加工変更を行わずに装着ができ、また人手の操作によらず多段伸縮形弁棒カバーが自律して弁棒に伸縮追従する機能を有するようにするものである。これより弁棒の長さ位置が、確実に弁棒カバーの長さ、形態で提示でき、これによりバルブ開閉状態の読み取りが確実に行え、弁棒カバー取付け時のバルブ開閉状態をその状態で表示したままで取付けが行え、弁棒カバーを使用中も最大限の省スペース、本質安全対策の効果が得られる多段伸縮形弁棒カバーの方法と構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明では、固定長の筒体の弁棒カバーおよび弁棒の出没に追従して多段形で伸縮する弁棒カバーを、バルブのハンドル中心部に取付け固定するために、ハンドル中央部の既存のハンドル固定ナットの外周辺表面部を直接的に挟み込み、またこれを締付けて固定する機構で取付ける方法と、これらの構造を備えてなる弁棒カバーを形成して行う。弁棒カバーの最基端部の筒体にあるハンドル部への接続スカート部にスリット状の切り込みからなるスリ割りを一本あるいは複数本、所定長さに中心より放射状に設け、これらにより分割されて残された略短冊状に形成された接続スカート部の外郭扁部の先端部が、ハンドル固定ナットの外周辺表面部に接対して、これを挟み込むことで弁棒カバーを緊密に固定して取付ける接続部の構造を有する弁棒カバーとする。
【0020】
これら前記の構造からなる弁棒カバーを、直接バルブハンドルの既存のハンドル固定ナットに圧接し連結する方法で、弁棒カバー基端部のスカート部の内側寸法を六角、二辺面取り形などのいずれの多角ナットでも頂対角長よりやや小さく合わせて形成し、これら既存のナットの頂角部に、スリット状の切り込みからなるスリ割りの中心を概略一致するように合わせて押し込み嵌合するだけで、特に垂立して正置した形態のバルブに弁棒カバーを取付けられる。さらにこの締結力をより確実に継続して安定して取付けるために、弁棒カバーを取付けた後にスチールバンド、あるいは締付け用ベルトなどの締結具を用いた方法でこれを締付けることで、弁棒カバー接続スカート部を強固に圧着する締付け力をナット頂角部に局部的に生じしめ、接続スカート部の分割された略短冊状の薄肉状外郭扁部が圧縮変形された板ばね力効果を合わせて、当該ナット部への把持力を最大限にして取付け部の長期的な緩みの発生を抑え、弁棒カバーを安定継続して強固に装着する取付け方法で行う。
【0021】
このスリット状の切り込みによるスリ割りで分割された接続スカート部の外周面部にテーパー状の外形状部を形成して、これに外接するもう一方のリング部品には内周面部に同じくテーパー部が形成されて、これらを摺接して取付け、さらにこれらのテーパーリングを各圧接するために、テーパー部の上側に設けたねじ付きリングを回動させて締付ける。これによりスリット状のスリ割りで多分割された接続スカート部の略短冊状の外郭扁部がテーパー部の摺動により中心方向に移動変形されて、ハンドル固定ナット外周面に圧接して、略短冊状の薄肉状の外郭扁部が板ばね力効果で外周方向に移動拡張することでナット外周辺表面の把持点に緊密に接対する。これによって弁棒カバー接続スカート部が既存のハンドル固定ナットの外周辺表面部を直接的に把持連結する構造に形成され、あるいはこれらを容易に開放させる構造に形成することで弁棒カバーの取付け取外しを容易かつ確実に行わせる。
【0022】
また、弁棒カバー最基端部の接続スカート部の内側寸法をハンドル固定ナットの外形寸法と概略同じにし、この接続スカート部に前記の複数のスリット状のスリ割りを加工形成し、このスカート部を既存のハンドル固定ナットの外周辺表面部を挟むように取付けて、さらにこのスカート部の外周面部をスチールバンドあるいは締付けベルトで締付ける方法によっても、接続スカート部がスリ割りによって残された略短冊状の薄肉状外郭扁部を緊縮変形させて、ハンドル固定ナットに強固に把持させて弁棒カバーを既存のハンドル部に直接的に取付けられる。
【0023】
当該弁棒カバーのスカート部がスリット状の切り込みからなるスリ割りで分割されて残された略短冊状の外郭扁部に形成されて、既存のハンドル固定ナット外周面に圧接し連結する構造で、当該ナットの外周辺表面の中央部にさらにこれを確実に圧接し取付けるためには、弁棒カバー接続スカート部の略短冊状の外郭扁部の内周面側に中心方向に向かって突出した突起部、ピン、あるいは凸部を複数個設け、これを前記のスカート部の外周部を締付ける構造によっても、既存ナットに強固に圧接して取付けることができる。既存のハンドル固定ナットに主に多く用いられる六角形状ナットに取付けを行おうとする場合には、これらの圧接せしめる突起部を3箇所に割り付けて配置するのが最もバランス良くナット外周辺表面に均等に圧接して緊密な当たりとなり、弁棒カバーが固定され取付けが行える。
【0024】
さらに前記の方法で、当該弁棒カバー本体の分割された接続スカート部が既存ナット外周辺表面を直接把持して連結する構造であり、ナット外周辺の狭小面積部分により緊密に圧接し連結させるためには、この接続スカート部の当該ナットに接対する内周面側に段部、爪部を設けることも望ましく、ナットの外周辺部が腐蝕などで変形した場合でも、これによりさらに強固な締結が可能になる。
【0025】
前記のこれらの方法、構造による弁棒カバーの取付けで、スリ割り分割された接続スカート部を締付ける手段として、スチールバンド、あるいは締付け用ベルトを用いて締結する方法において、ハンドル中心部のハンドル固定ナット上部でこれら締付け具をハンドルに近接して締付けて固定する作業が、ハンドルフレームとの干渉により行いづらいことがあり作業性の改善が必要とされる場合がある。これを解決するためには、スチールバンドあるいは締付け用ベルトの取付け位置をハンドル面から上方に適宜、離隔した所定の位置に決めて行うことが望ましい。このために弁棒カバー本体のスリ割りにより分割されてなる略短冊状の接続スカート部の外周面上のハンドル面から上方に所定長を離隔した位置に、これら締結具が収まる段付き部または溝部を形成して、これら締付け具の取付け箇所があらかじめ位置決め規定されて行える接続スカート部の構造として、弁棒カバーを容易に締付けられて取付けを行えるようにする。
【0026】
バルブ操作ハンドルの中心部より出没自在に突出する弁棒を被覆保護するもので、弁棒カバー本体部が複数個の寸法の異なる大きさの概略筒体を組み合わせ重ねて形成されて、伸長、短縮する構造の多段伸縮形弁棒カバーにおいて、本発明では、これが自律して伸長短縮動作するためのスプリング機構を設ける。すなわちこの弁棒カバー本体部に、弁棒が没する動作に追従して短縮動作を行うための一個、あるいは複数個のスプリング機構を先端部筒体と最基端部間の弁棒カバー本体部またはハンドルとの接続部に、引張り方向に適宜係合され組み込み形成する。これらスプリングは一個あるいは複数個が弁棒カバーの内周面側に取付けられるか、あるいはこれらスプリングは弁棒カバー本体筒体の外周面側に付設され構成されてもよい。これらのスプリングはコイルばね状のものが望ましいがそれに特定されるものではない。さらにこれらの複数個のスプリングはそのいずれかが使用中に万一折損、脱落することがあっても、残るその他のスプリングでも十分に短縮の動作が行えるような引張力に設定されるものである。
【0027】
これら以外の解決する手段としては、前記のスプリングによる自律短縮機構だけでなく、既存の弁棒先端を直接に追加工、改造変更を与えずに弁棒カバー先端部を連結させて、追従して弁棒カバーを伸縮させる方法として、既存の弁棒の先端台形ねじ部を挟み込むようにした割り型の構造で弁棒カバーの最先端部を締結させる構造でもよい。あるいはこれらを弁棒先端部の台形ねじ谷部に止めねじを嵌合して取付ける連結方法、構造も可能である。
【0028】
垂立式に正置して設置される形態のバルブの多段伸縮形弁棒カバーの場合では、伸縮する弁棒カバー本体の各摺動抵抗を超える下降用のウエイトを最先端弁棒カバー部に組込むことによっても、低廉化な方法で常時短縮した位置に弁棒カバーを動作させられる。これらはいずれも現状の弁棒先端部には直接加工、形状の変更を与えることなく、弁棒と弁棒カバーを連結、あるいは圧接が行える方法、構造であり、現状の弁棒の出没に常時追従して動く多段伸縮形弁棒カバーとするものである。
【0029】
これらからなる弁棒カバー筒体部本体と先端の部材および前記のバルブハンドル部への締結部は、すべてが金属製、あるいはこれらの一部またはすべてが耐蝕性金属製によって形成される。
【発明の効果】
【0030】
本発明では弁棒カバー本体部をワンタッチで取り付ける前記の方法、構造により、既設のバルブハンドル固定ナットを緩めて外しねじ部に取り付けることなく、ナットの外周辺表面部に直接に容易に取付けが可能であり特別な工具も不要で作業が行える。このためバルブ操業中の取付け変更工事が不要であり、また装着後も容易に弁棒カバーの取外しが行え、弁棒の点検作業、設備の保全面に支障が出にくい弁棒カバーとすることができる。緊急時の弁棒カバー取外しもハンドルの緩みなどに影響することなく容易に行える。
【0031】
すなわち現状のバルブ部品の変更交換が無く、ハンドル取付けスリーブ、既存の雄ねじ部の破損等も防止できるものである。さらには弁棒カバー連結用のナット部品の製作管理が不必要であり製作コストの低廉化につながる。また本発明では、従来の固定長さの弁棒カバーおよび前記の伸縮形弁棒カバーにおいても、これらの既存のバルブ設備への装着にあたっても簡便でかつ確実な取付けを行うようにすることができ、多数台の仕切弁が配置された設置場所内での大幅な改造工費が削減される。
【0032】
さらに本発明の取付け方、構造によれば、既存のバルブハンドル固定ナットの外形表面だけを最大限に利用して取付けられることによる利便性に加え、長期に亘っても緩んだり、外れたりすることも無く安定した締結力が得られる。取付ける既存のハンドル固定ナットが長期の使用で外形状が老朽化腐蝕により変形したり、また元来鍛造品が多用されていることで外形状寸法の不揃い、あるいは様々な多角形状からなるものであっても、取付け前の弁棒カバー最基端部の先端形状に自由度が有る構造であるために、ナット頂角間の長さを計測して弁棒カバーの内側寸法を概略合わせるだけで容易に装着が可能で、さらにはスリ割りにより分割されたスカート部の略短冊状の薄肉状外郭扁部が板ばね状の構造により緩止めとなる作用効果を生かしたものであり、さらに締付ける操作により十分な把持締結力が発生し、そのために使用中の外力の影響にも打ち勝ち、長期的に継続して安定した取付けが行える。
【0033】
本発明の伸縮形弁棒カバーは、各産業分野で用いられるバルブのとりわけ仕切弁の突出する弁棒部の伸縮する保護用カバーとして使用されるもので、複数個の内外形寸法の異なる筒体を組み合わせ挿入した多段形の伸縮自在構造の弁棒カバー本体に付設されたスプリ
ング機構により、仕切弁等の大きなストロークで出没する弁棒の先端長さに追従して自律
して短縮動作することができるものである。これにより弁棒部の突出長さを常時,弁棒カバ
ーの長さで表すことができ、弁棒の開閉位置の正確な視認判別が可能になり、バルブの開
閉状態を読み取る精度が向上できる。
【0034】
さらには既存の弁棒先端に特別な加工改造、変更工事も一切行うことなく取付けて連結でき、取付け時のバルブ状態で既存の弁の機能をすべて生かして取付けられて、弁棒カバー取付け時のバルブ開閉状態を弁棒カバーの長さの状態でそのまま表示して多段伸縮形弁棒カバーの新設、取替えを容易に行うことができる。さらに取付け工事費の削減、既存の弁棒先端部への専用の連結する部品の製作、維持管理が不要となり、弁棒カバー導入の総コスト低廉化が行える。
【0035】
この自律して弁棒カバー長さの短縮が行える多段伸縮形の弁棒カバー構造であることによって、常時、最短長さの弁棒カバーとして使用されることにより、最大限の省スペース化が行え、設備側の本質安全対策とこれらによる環境改善の効果が得られる。
【0036】
また本発明により、従来の伸縮する式の弁棒カバーで、手動で短縮する操作を忘れた時のバルブ開閉状態の誤認を未然に防ぐことができる。さらには弁棒と弁棒カバー先端部の個別な連結作業が必要ないために、万一の連結作業忘れ、取付けミスが無くなり、これにより同様にバルブ開閉状態の見誤りによる誤認を未然に防ぐことができ設備の異常運転事故の防止に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による多段伸縮形弁棒カバーの全長伸張時の形態による全体構成を示す透視斜視図
【図2】本発明による多段伸縮形弁棒カバーがテーパリングで取付けられて、スプリングを付設した全長伸張時の形態による全体構成を示す透視斜視図
【図3】多段伸縮形弁棒カバーの一実施例で、バルブのハンドル中央部に取付けられて全長伸張時の形態の使用状態を示す透視斜視図
【図4】同弁棒カバーがハンドル固定ナット部にスチールバンドで締結され取付けられた全長伸張時の形態による使用状態の一実施例を示す透視斜視図
【図5】ハンドル固定ナットの頂角部に弁棒カバーを位置決めして取付ける一実施例を示す斜視図
【図6】弁棒カバー略短冊状の外郭扁部に突起部を設け取付ける実施例を示す斜視図
【図7】弁棒カバー略短冊状の外郭扁部に爪状部を設け取付ける実施例を示す斜視図
【図8】弁棒カバー接続スカート部の外周部に段付き部を設け締付けバンドを取付ける一実施例を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下産業用バルブとりわけ仕切弁における多段伸縮形の弁棒カバー1について本発明による好ましい実施の形態を図面を参照して詳述する。(図1)は多段伸縮形弁棒カバーの本発明による全体構成の概略を示し、(図2)は本発明による多段伸縮形弁棒カバーの望ましい取付け方法と構造の全体構成の概略と、スプリングを付設した弁棒カバー本体部の構成の概略を示す。(図3)はバルブのハンドル中央部に取付けた多段伸縮形弁棒カバーの本発明による伸張状態の具体的な形態の一実施例を示す。(図4)は本発明により同弁棒カバーがバルブのハンドル中央部に取付けられて、スチールバンドによってハンドル固定ナットに締結される一実施例の形態を示す。(図5)は同弁棒カバーの取付け使用状態であり、弁棒カバーの接続スカート部のスリ割りをハンドル固定ナット頂角部に位置決めして取付ける一実施例を示している。(図6)、(図7)、(図8)は弁棒カバーの接続スカート部をハンドル固定ナットに直接的に、より緊密に圧接して連結する本発明による弁棒カバー取付け方法と構造の一実施例を示している。
【実施例1】
【0039】
(図1)は本発明による多段伸縮形弁棒カバー1が、最基端部の筒体3と、これに内接する外形寸法を有する筒体4が挿入され、先端部に筒体4に内接する外形寸法を有する筒体5が相互に挿入され形成されることで多段数に構成されて自在に伸縮する弁棒カバー本体部2と、この最先端筒体5の上面開口部に蓋状体6が設けられ、筒体3の基端部にバルブハンドル部に装着するための接続スカート部7を設けて構成されてなる弁棒カバー本体2の最基端部の接続スカート部7をバルブハンドル102の中心部に、既存のハンドル固定ナット9を取外すことなく、当該ナット9の外周辺表面を利用して取付ける方法の最良の実施形態を示す。既存のハンドル固定ナット9を外周表面部より挟み込み取付けるための弁棒カバー最基端の接続スカート部7にスリット状の切り込みによるスリ割り14を所定長さに一本あるいは複数本を中心より放射状に設け、略短冊状である外郭扁部16からなるスカート部7を形成し備える。このスリット状のスリ割りで分割された接続スカート部7は筒体の薄肉状外郭扁部16を形成しており、これがハンドル固定ナット9の取付ける外周辺表面に圧接して、締付け時の板ばね密着作用効果となり強固な把持連結力を生み、また取外して開放した時に元の略短冊状の外郭扁部16の形状となる復元力を有するものである。これよりこのスリ割り14で分割された接続スカート部7の略短冊状の外郭扁部16がハンドル固定ナット9の外周辺表面部に押しつけられることで変形し撓み、ハンドル固定ナット9を挟み込む部分としてなる接続部の構造を有する多段伸縮形弁棒カバー本体部2とする。
【実施例2】
【0040】
(図2)に本発明による多段伸縮形弁棒カバー1が、さらにこのスリット状に切り込まれたスリ割り14により分割された接続スカート部7の外周面側には、テーパー状の外形状部10を形成して、さらにこれに外接するもう一方のテーパーリング11にも同様のテーパー部がありこれらを摺接し取り付ける。そしてさらにこれらリング帯のテーパー部を各圧接するように設けた上部のもう一つのねじ付き締付けリング12を手動等で回動して締め合わせることでテーパー部が弁棒カバーの中心軸方向に摺動する構造を形成し、この構造により薄肉状外郭扁部16が中心に向かって変形し、当該ナット9の外周辺表面部を直接的に強固に挟み込み接合して取付けられる弁棒カバー本体の接続スカート部7とするものである。また本発明の(図2)ではこの本体弁棒カバー筒体に、弁棒カバーの短縮動作を行わせるスプリング8を一個ないし複数個、弁棒カバーの内周面側に内接して取付ける実施例を示す。当該スプリングは弁棒カバー外周面側に外接され付設することもよい。これら個々のスプリング上端は弁棒カバーの最先端部筒体の内面あるいは外面のいずれかに適宜係合され、スプリングの下端は弁棒カバー最基端部の内面あるいは外面のいずれかに適宜係合して取付けられ、各弁棒カバーの伸縮動作を妨げることが無いような位置関係を確保して付設できる形態のスプリングである。またこれらのスプリングは、ばね力の総和を弁棒カバーの伸縮時の摺動抵抗の総和を超える引張力とし、複数個のスプリングを用いるものは、そのスプリングのいずれかが折損破断したり、脱落したり、へたりなどで一部のばね力が機能しなくなった場合においても残るスプリングで弁棒に追従する短縮動作を十分に行えるものである。
【実施例3】
【0041】
(図3)は本発明による多段伸縮形弁棒カバーの一実施例で、バルブのハンドル中央部に取付けられて、スプリングを付設した方法と構造による多段伸縮形弁棒カバーの使用状態であり、全長伸張時の形態の透視斜視図による具体的な全体構成を示すものである。
【実施例4】
【0042】
(図4)は前記に同様にハンドル中心部に取付ける弁棒カバー最基端の接続スカート部7に一本あるいは複数本のスリ割り形状を加工形成し、これをハンドル固定ナットの外周辺表面部に被せて押し込み取付けた後、さらにこの接続スカート部の外郭外周面部をスチールバンド13または締付け用ベルトで締め付けることにもより、ハンドル固定ナット9の外周辺表面部に直接強固に弁棒カバーを取り付ける使用状態を示すものである。
【実施例5】
【0043】
(図5)はこれら弁棒カバーの接続スカート部7を直接バルブハンドル102の既存ナット9に接続する構造で、当該ナットへの締結力をより強固に行なえる方法を示す。これは、当該ナットに接続する弁棒カバー基端部のスカート部7の内側寸法を六角形、二辺面取り形などの当該多角ナット9の頂角対長よりやや小さく合わせて形成しておき、このスカート部にスリット状に切込まれた一本または複数本のスリ割り部14の中心をこれらの多角形状ナット9の頂角部15に一致するように合わせて押込むことで当該ナット9に緊密に嵌合させる。この方法により、垂立して正置した形態のバルブハンドル102の中央に弁棒カバーのスカート部7を取付ける。また同様にスリ割り溝14の中心を当該ナット頂角部15に合わせて位置決めして取付けた後に、さらにスチールバンド13あるいは前記いずれかの締付け具によりこれを締付け固定することで、略短冊状の外郭扁部16の板ばね力復元効果がより確実な締付け力をナット頂角部に集中して、局部的に強大な締結面圧力を生み出し、継続して安定した連結が行える方法と構造による弁棒カバーを装着保持ことも可能であり、これによる実施例を示す。
【実施例6】
【0044】
また(図6)には当該弁棒カバーの接続スカート部がスリ割りで分割されて形成され略短冊状の外郭扁部16が既存ナット9の外周辺表面に接続する構造で、この外郭扁部16の各扁中央の内周面側に中心方向に突出して突起部17、ピン、あるいは凸部をスカート部の内周方向に複数個設けて形成し、これらをナット9の外周辺表面の中央部に圧接させて、さらに前記の外周部を締付ける方法と構造により強固に締結する弁棒カバー取付けの実施例を示す。通常仕切弁に多く用いられる六角形状からなるハンドル固定ナットに取付ける場合は、圧接する締付け力を均等にして接続固定するために、これら圧接部をスカート部の内周方向の3箇所に割付けて配置するのが望ましい。
【実施例7】
【0045】
(図7)では、さらに前記の当該弁棒カバーの接続スカート部7のスリ割りで分割された外郭扁部16が既存ハンドル固定ナット9の外周辺表面に圧接して接続する構造で、ナット9の狭小面積部分をより強靱に挟み込み圧接し連結させるために、これら外郭扁部の内周面側の先端部に爪状部18、あるいは段付き凸部を設ける。これにより当該ナット9の外形面が腐蝕などで変形した状態で取付ける場合でも、より強固な締結力の伝達が可能になる実施例を示す。
【実施例8】
【0046】
(図8)では、前記の弁棒カバーの取り付けを行うためのスリ割り分割されたスカート部7を締付け固定するスチールバンド13、または締付け用ベルトで、ハンドル中心部のハンドル固定ナット上部を締付ける作業において、これら作業がハンドルの上面部と干渉することにより行いづらいため作業性の改善が必要とされる場合、これら締付け具を弁棒カバーのスカート部に取付ける位置をハンドルからやや上方に離隔した位置に定めて行う。このためにはスリ割り分割されたスカート部の外郭扁部16の外周面に、ハンドル上面から離隔した位置にあらかじめスチールバンド13等の取付け位置を規定するためのバンド位置決め用の段付き部19または溝形部を備えて構成する実施例を示す。
【実施例9】
【0047】
既存のバルブ本体弁棒の先端に一切の加工、変更の改造を行うことなく既存の弁棒先端部に弁棒カバーを連結或いは密着させて追従させ取付けるこれ以外の本発明による方法と構造は、既存の弁棒先端部に割りカラー締結具式の構造を設けて弁棒カバーの先端に連結させるもの、または弁棒の先端部の台形ねじ谷溝に止めねじを複数箇所に嵌合させて弁棒カバーの先端に締結し連結する構造、あるいは垂立式に正置して設置されるバルブの場合には、弁棒カバー最先端部に、伸縮する構造の弁棒カバー本体の摺動部の総摩擦抵抗を上回る重量ウエイト部を内蔵付設して、弁棒カバー最先端部のこれら自重により弁棒の短縮に追従して多段伸縮形弁棒カバーが弁棒先端部に常時密着して下降する構造を設けるものである。これらによっても既存のバルブ本体弁棒の先端に一切の加工、変更の改造を行うことなく弁棒に追従する多段伸縮形弁棒カバーの短縮動作が行える。
【符号の説明】
【0048】
1.弁棒カバー全体部
2.弁棒カバー本体部
3.弁棒カバー基端部
4.弁棒カバー中段部
5.弁棒カバー先端部
6.蓋状体
7.弁棒カバー基端部の接続スカート部
8.スプリング
9.ハンドル固定ナット
10.外周テーパー部
11.テーパーリング
12.締付けねじ付きリング
13.スチールバンド
14.スリ割り部
15.ナット頂角部
16.略短冊状外郭扁部
17.突起部
18.爪状部
19.バンド位置決め段付き部
101.弁棒
102.バルブハンドル
103.バルブ銘板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業用バルブのとりわけ仕切弁にあって、ハンドル中心部より出没自在に突設された形態の弁棒を被覆保護する弁棒カバーにおいて、この弁棒カバー本体が固定長さの筒体からなり、この筒体基端部にはハンドル中心部の既存ハンドル固定ナット部に取付けるための接続部が形成されてなるバルブ用弁棒カバーであって、本発明ではこの弁棒カバーの接続部が筒体下部のスカート部としてあり、このスカート部の内側寸法は弁棒カバーを取付ける当該ナットの頂角間の概略外形寸法に形成されて、さらにこの筒体スカート部にはスリット状からなる一本あるいは複数本の所定長さのスリ割りが設けられ、このスリ割りによって残された部分が薄肉状の略短冊状外郭扁部として形成され、このスカート部のスリ割り中心を、既存ハンドル固定ナットの外周辺表面、あるいは頂角部に概略合わせて接合し、これにより薄肉状の略短冊状外郭扁部が当該ナット外周面で変形し密着して、当該ナット外周辺表面を挟み込む部分としてなる弁棒カバーの接続部を形成して、既存のハンドル固定ナットに連結する方法と構造を備えたことを特徴とする固定長の筒体でなる弁棒カバー。
【請求項2】
産業用バルブのハンドル中心部に突設され出没する弁棒の長さに合わせて伸縮する構造
からなる弁棒カバーが、複数個の内外形寸法の異なる筒体が内外接して多段形に構成されて自在に伸縮する形態の弁棒カバー本体部と、先端の上面開口面には弁棒の頭頂部と接対する蓋状体と、弁棒カバー本体部の基端部にはハンドル中心部に接続するスカート部がある構造により形成されてなる多段伸縮形弁棒カバーであって、本発明ではこの接続スカート部に請求項1からなる一本あるいは複数本のスリット状のスリ割りで形成される略短冊状の薄肉状外郭扁部でなる接続スカート部と、これが既存ハンドル固定ナットの外周辺表面、あるいは当該ナットの頂角部に概略合わせられて、当該ナットに圧接されて変形密着して当該ナットに連結する方法と構造を備えたことを特徴とする多段伸縮形弁棒カバー。
【請求項3】
多段形に構成されて自在に伸縮する形態の弁棒カバー本体部と、先端の上面開口面には弁棒の頭頂部と接対する蓋状体と、弁棒カバー本体部の基端部にはハンドル中心部に接続するスカート部が、この内周面部にハンドル中央部の弁棒スリーブ外周部の既存の雄ねじにねじ込むことで嵌合する雌ねじを刻設したものとして形成してなる構造による多段伸縮形弁棒カバーであって、この多段に構成されてなる弁棒カバー本体の先端部筒体と弁棒カバー本体の基端部の筒体を直接的に連結する形態に引張り式のスプリングを一個あるいは複数個、これら弁棒カバー本体筒体の内面部の内周方向に適宜、配置係合させて形成し、あるいはスプリングがカバー本体筒体の外面部の外周方向において付設されて、自律して短縮することを特徴とする多段伸縮形弁棒カバー。
【請求項4】
請求項2からなる多段形に構成されて自在に伸縮する形態でなる多段伸縮形弁棒カバーであって、弁棒カバー接続部には一本あるいは複数本のスリット状のスリ割りで形成される略短冊状の薄肉状外郭扁部でなる接続スカート部と、これを既存ハンドル固定ナットの外周辺表面、あるいは当該ナットの頂角部に概略合わせてこれが当該ナットに圧接されて変形密着して、当該ナットに直接的に連結する弁棒カバーの接続部が備えられてなり、この多段に構成されてなる弁棒カバー本体の先端部筒体と弁棒カバー本体の基端部の筒体を、直接的に連結する形態に、引張り式のスプリングを一個あるいは複数個、これら弁棒カバー本体筒体の内面部の内周方向に適宜配置、係合させて形成し、あるいはこれらスプリングがカバー本体筒体の外面部の外周方向においても、付設されて短縮する構造を備えたことを特徴とする多段伸縮形弁棒カバー。
【請求項5】
請求項1,2または4からなる取付け方法、構造からなる弁棒カバーであって、これらの分割された接続スカート部の略短冊状の外郭扁部の先端部がハンドル固定ナットの外周辺表面部に変形密着して緊密に連結する方法と構造において、本発明はこのスリット状に切り込まれたスリ割りによる分割された略短冊状のスカート部の外周面側にテーパー状の外形状部を付与して、これに外接するもう一方のテーパーリングにはこの内周面側に前記と同形状のテーパー部を備えたものとし、これら各テーパーリングを摺接し取付けて構成して、これら両テーパーリングの上部にはこれらに摺接するさらにもう一つのねじ付きリングを設け、これを回動させて締め合わせることでテーパー部が弁棒カバーの中心軸方向に摺動する構造を形成し、この構造により接続スカート部の略短冊状の薄肉状の外郭扁部先端が中心方向に向かって変形し、ハンドル固定ナットの外周辺表面部を直接的に把持して弁棒カバーを取付ける方法と構造で構成されてなる接続部を備えたことを特徴とする固定長あるいは多段伸縮形でなる弁棒カバー。
【請求項6】
請求項1、2または4からなる弁棒カバーで、これをバルブのハンドル固定ナットに直接的に圧接し連結して取付ける方法と構造からなる特徴の弁棒カバー接続部と、自律して短縮するスプリングを弁棒カバー本体部に付設した形態からなる多段伸縮形弁棒カバーにおいて、弁棒カバー本体の最基端のスリ割りで分割された略短冊状の接続スカート部の外郭扁部外周面を締付け用のスチールバンド、または締付け用のベルトを周設してこれらを締付けることにより、既存のハンドル固定ナット外周面部に、直接的に弁棒カバーを圧接して連結する方法と、これらの構造を特徴とする弁棒カバー。
【請求項7】
請求項1、2または4からなる弁棒カバーで、これら弁棒カバーの基端部の接続スカート部をバルブの既存のハンドル固定ナット外周辺表面に直接的に圧接して連結する方法と構造で、とりわけ垂立して正置して設置されるバルブとこれに設けられる弁棒カバーにおいて、これら弁棒カバーのスリ割りで分割された略短冊状の接続スカート部の内側寸法を、取付ける既存ハンドル固定ナットの頂角間の外形寸法よりやや小さいものに形成して、接続スカート部の略短冊状の薄肉状外郭扁部のスリ割り中心を当該ナット頂角部に概略合わせて当該ナット外面に押込み、これに変形密着させて、当該ナット外周辺表面部に、直接的に弁棒カバーの接続部を圧接して連結することを行う方法と、これらの構造を備えたことを特徴とする弁棒カバー。
【請求項8】
請求項1、2、4、5、6または7からなる当該弁棒カバーの接続スカート部がスリット状の切り込みによるスリ割りで分割された略短冊状の外郭扁部に形成され、既存ハンドル固定ナット外周辺表面に直接的に圧接し連結する構造であり、さらにこれら略短冊状の外郭扁部の内側に弁棒カバー中心方向に突出した突起部、ピン、凸部、段付き部のいずれかになる形状を複数個設けこれを前記のスカート部外周部を締付ける方法と構造により弁棒カバーをハンドル固定ナットの外周辺表面部に圧接して連結する方法と構造を備えてなることを特徴とする弁棒カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−231804(P2011−231804A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100204(P2010−100204)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(710003528)
【Fターム(参考)】