説明

弁構造

【課題】弁部材同士の固着の発生を抑制することができる弁構造を提供する。
【解決手段】弁構造物11は、ピストンロッド6と共にシリンダパイプ3内を往復する弁部材13と、シリンダパイプ3の内周面3aに密着すると共に、ピストンロッド6が吐出マニホールド4に近づくときには弁部材13と接触して弁を閉じ、ピストンロッド6が吐出マニホールド4から遠ざかるときには弁部材13と離間して弁を開く弁部材12と、を備える。弁部材12,13には、ピストンロッド6を囲み、軸心L1に沿う方向で互いに対向する環状の対向部16b,13aがそれぞれ設けられている。この対向部16bに、周方向の全体に亘って対向部13aに密着する密着面16eと、密着面16eの一部分で対向部13a側に開口し、周方向に沿って並ぶ複数の凹部16hと、を形成することで、対向部16b,13a同士の密着面積を小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば強制弁式ピストンポンプ等に適用される弁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野には、シリンダの内周面と、シリンダの軸線方向に沿ってシリンダ内を往復するピストン棒の外周面と、の間に設けられ、シリンダの一端側の空間と他端側の空間との間の連通/遮断を切り替えるための弁構造であって、ピストン棒の外周面に設けられ、当該ピストン棒と共にシリンダ内を往復する弁座(以下、第1の弁部材)と、シリンダの内周面に密着すると共に、ピストン棒が一方側へ移動するときには第1の弁部材と接触して弁を閉じ、第1の弁部材に押されてシリンダ内を移動し、ピストン棒が他方側へ移動するときには第1の弁部材と離間して弁を開く弁体(以下、第2の弁部材)と、を備えたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−50970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の弁構造では、一時的に、弁部材同士が接触により互いに固着してしまう場合がある。弁部材同士が固着してしまうと、例えば吸気時等に速やかに弁を開くことができなくなるため、ポンプ内の圧力が急激に変化し、ポンプの圧力振動や異音が生じてしまうおそれがある。特に、ポンプ内の圧力が急激に低下してキャビテーションが生じると、ポンプの振動や異音が著しくなる。
【0005】
そこで、本発明は、弁部材同士の固着の発生を抑制することができる弁構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る弁構造(11)は、シリンダ(3)の内周面(3a)と、シリンダ(3)の軸線(L1)方向に沿ってシリンダ(3)内を往復するピストンロッド(6)の外周面(6f)と、の間に設けられ、シリンダ(3)の一端側の空間と他端側の空間との間の連通/遮断を切り替えるための弁構造(11)であって、ピストンロッド(6)の外周面(6f)に設けられ、当該ピストンロッド(6)と共にシリンダ(3)内を往復する第1の弁部材(13)と、シリンダ(3)の内周面(3a)に密着すると共に、ピストンロッド(6)が一方側へ移動するときには第1の弁部材(13)と接触して弁を閉じ、第1の弁部材(13)に押されてシリンダ(3)内を移動し、ピストンロッド(6)が他方側へ移動するときには第1の弁部材(13)と離間して弁を開く第2の弁部材(12)と、を備え、第1及び第2の弁部材(13,12)には、ピストンロッド(6)を囲み、軸線(L1)方向で互いに対向する環状の対向部(13a,16b)がそれぞれ設けられ、弁部材(13,12)のいずれか一方の対向部(16b)には、弁部材(13,12)同士が接触するときに、周方向の全体に亘って他方の弁部材(13)の対向部(13a)に密着する密着面(16e)と、密着面(16e)の内周縁(16f)及び外周縁(16g)の間の一部分で他方の弁部材(13)の対向部(13a)側に開口し、周方向に沿って並ぶ複数の凹部(16h)と、が形成されていることを特徴とする。
【0007】
このような弁構造(11)によれば、弁部材(13,12)同士が互いに離間して弁が開くと、シリンダ(3)の一端側の空間と他端側の空間とが連通され、シリンダ(3)の一端側から他端側に流体を流すことが可能となる。このとき、流体は、第1の弁部材(13)の外周面とシリンダ(3)の内周面(3a)との間、第1及び第2の弁部材(13,12)の対向部(13a,16b)同士の間、及び第2の弁部材(12)の内周面とピストンロッド(6)の外周面(6f)との間を通る。弁部材(13,12)同士が互いに接触すると、弁部材(13,12)のいずれか一方の対向部(16b)に形成された密着面(16e)が、周方向の全体に亘って他方の弁部材(13)の対向部(13a)に密着することで弁が閉じる。このとき、複数の凹部(16h)は他方の弁部材(13)の対向部(13a)に密着しないため、複数の凹部(16h)が形成されない場合に比べ、弁部材(13,12)の対向部(13a,16b)同士の密着面積が小さくなる。従って、シリンダ(3)の一端側の空間と他端側の空間との遮断性能を確保しつつ、弁部材(13,12)同士の固着の発生を抑制することができる。
【0008】
ここで、密着面(16e)及び複数の凹部(16h)は、第2の弁部材(12)の対向部(16b)に形成され、複数の凹部(16h)のそれぞれは、密着面(16e)の内周縁(16f)側に位置し、ピストンロッド(6)の外周面(6f)側に更に開口する溝であることが好ましい。上述したように、弁が開いているときには、流体は第2の弁部材(12)の内周面とピストンロッド(6)の外周面(6f)との間を通る。そこで、第2の弁部材(12)の対向部(16b)に形成された凹部(16h)が、ピストンロッド(6)の外周面(6f)側に更に開口していると流体の流路が広くなる。従って、流体を流すときの抵抗を小さくすることができる。
【0009】
また、上記作用を効果的に奏する適用例として、上記弁構造(11)を備えた強制弁式ピストンポンプ(100)が挙げられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る弁構造によれば、弁部材同士の固着の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る弁構造を適用した強制弁式ピストンポンプの一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の強制弁式ピストンポンプの主要部の断面図である。
【図3】弁部材の斜視図である。
【図4】弁部材の対向部同士が接触した状態を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る弁構造を適用した強制弁式ピストンポンプの好適な実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係る弁構造を適用した強制弁式ピストンポンプの一実施形態を示す断面図、図2は、図1の強制弁式ピストンポンプの主要部の断面図、図3は、弁部材の斜視図、図4は、弁部材の対向部同士が接触した状態を示す拡大断面図である。
【0013】
強制弁式ピストンポンプ100は、洗浄機や動力噴霧機等に搭載されるポンプであり、図1に示すように、主要部をなすヘッド部1と、ヘッド部1を駆動する駆動部2と、を備えている。ヘッド部1は、シリンダパイプ3と、シリンダパイプ3の一端側に接続された吐出マニホールド4と、シリンダパイプ3の他端側に接続された吸入マニホールド5と、シリンダパイプ3の軸心L1に沿って往復するピストンロッド6と、を備えている。なお、図1の上半分は、ピストンロッド6の一端6aが最も吐出マニホールド4に近づいた状態を示し、下半分は、ピストンロッド6の一端6aが最も吐出マニホールド4から遠ざかった状態を示している。
【0014】
吐出マニホールド4は、シリンダパイプ3の一端部の外周に嵌合しており、嵌合部はOリング7によって密封されている。吐出マニホールド4の内部には、シリンダパイプ3の内部空間S3に連通される内部空間S4と、内部空間S4を軸心L1と略直交する方向に開放させる排出口H4と、が形成されている。吐出マニホールド4とシリンダパイプ3との間には、逆止弁8が配置されている。逆止弁8は、シリンダパイプ3の内部空間S3から吐出マニホールド4の内部空間S4には流体を通し、その逆方向には流体を通さないようにする弁である。
【0015】
吸入マニホールド5は、シリンダパイプ3の他端部の外周に嵌合しており、嵌合部はOリング9によって密封されている。吸入マニホールド5の内部には、シリンダパイプ3の内部空間S3に連通される内部空間S5と、内部空間S5を軸心L1と略直交する方向に開放させる吸入口H5と、が形成されている。
【0016】
ピストンロッド6の一端6a側は、吸入マニホールド5を通してシリンダパイプ3内に挿入されており、ピストンロッド6の他端6b側は、吸入マニホールド5の外側に延在している。吸入マニホールド5とピストンロッド6との間は、シール部材10によって密封されている。
【0017】
駆動部2は、吸入マニホールド5から延在したピストンロッド6の他端6b側を収容しつつ、吸入マニホールド5側からヘッド部1に連結されている。駆動部2の内部には、エンジン等の回転運動を往復運動に変換するクランク機構2aが設けられており、クランク機構2aにピストンロッド6の他端6bが連結されている。これにより、エンジン等を動力源として、シリンダパイプ3内に挿入されたピストンロッド6の一端6aを往復させることが可能となっている。
【0018】
図2に示されるように、ピストンロッド6の一端6a側には、ピストンロッド6のロッド本体部6cよりも外径が細い細径部6dが形成されており、細径部6dの一端側には雄ネジ部6eが形成されている。細径部6dの外周面6f上には、弁構造物11が設けられている。弁構造物11は、細径部6dを囲むと共に、シリンダパイプ3の内周面3aに密着する円環状の弁部材12と、弁部材12よりも吸入マニホールド5側で細径部6dに装着された円環状の弁部材13と、弁部材12よりも吐出マニホールド4側で細径部6dに装着された円環状の弁部材14と、を有している。
【0019】
弁部材13は、内径が細径部6dの外径と略同等の鍔部材であり、細径部6dの他端側に装着されている。弁部材13の外径は、シリンダパイプ3の内径よりも小さくなっており、弁部材13の外周面13bとシリンダパイプ3の内周面3aとの間には隙間C1が形成されている。弁部材13の外周端部は、軸心L1に沿う方向で弁部材12と対向する対向部13aとなっている。
【0020】
弁部材14は、内径が細径部6dの外径と略同等の鍔部材であり、細径部6dの一端側に装着されている。弁部材14の外径は、シリンダパイプ3の内径よりも小さくなっており、弁部材14の外周面14bとシリンダパイプ3の内周面3aとの間には隙間C2が形成されている。弁部材14の外周端部は、軸心L1に沿う方向で弁部材12と対向する対向部14aとなっている。また、弁部材14には、一端側から他端側に貫通した開口14cが形成されている。
【0021】
弁部材13,14の間には、細径部6dを囲む円筒状のスペーサ15が配置されており、このスペーサ15によって、弁部材13,14同士の間に弁部材12を配置する間隔が形成されている。
【0022】
細径部6dの雄ネジ部6eの一端側には、ナット18が螺着されており、このナット18が、弁部材13、スペーサ15、及び弁部材14を細径部6dの他端側に締め付けている。これにより、弁部材13、スペーサ15、及び弁部材14が細径部6dに固定されている。
【0023】
弁部材12は、円筒状の弁本体部16と、弁本体部16の外周面16aに密着すると共に、シリンダパイプ3の内周面3aに密着する円環状のパッキン17と、を有している。弁本体部16は、スペーサ15を囲み、弁部材13,14の間に配置されている。弁本体部16の内径は、スペーサ15の外径よりも大きく、弁本体部16の内周面16dとスペーサ15の外周面15aとの間には隙間C3が形成されている。弁本体部16の弁部材13側には、外周側に突出し、軸心L1に沿う方向で弁部材13と対向する鍔状の対向部16bが形成されている。また、弁本体部16の弁部材14側には、外周側に膨出し、弁部材14と対向する円環状の対向部16cが形成されている。パッキン17は、対向部16b及び対向部16cの間に配置され、対向部16b及び対向部16cによって弁本体部16回りに保持されている。このように構成された弁部材12の長さは、スペーサ15の長さ、即ち弁部材13,14同士の間隔よりも短くなっている。このため、軸心L1に沿う方向で、弁部材12と弁部材13及び弁部材14とを離間/接触させることが可能となっている。
【0024】
以上説明した強制弁式ピストンポンプ100では、ピストンロッド6の一端6aが吐出マニホールド4から遠ざかるときには、弁本体部16の対向部16bが弁部材13の対向部13aと離間し、対向部16cが弁部材14の対向部14aと接触する。そして、弁本体部16は、弁部材14に押されて吸入マニホールド5側に移動する(図示L1の下側参照)。このとき、弁部材13の外周面13bとシリンダパイプ3の内周面3aとの隙間C1、及び対向部16bと対向部13aとの隙間C4によって、弁本体部16の内周面16dとスペーサ15の外周面15aとの隙間C3と、弁部材13よりも吸入マニホールド5側の空間とが連通される。さらに、弁部材14の開口14cによって、隙間C3と、弁部材14よりも吐出マニホールド4側の空間とが連通される。即ち、弁が開かれ、弁構造物11よりも吐出マニホールド4側の空間と、弁構造物11よりも吸入マニホールド5側の空間とが連通される。これにより、弁構造物11よりも吸入マニホールド5側の流体が、隙間C1,C4,C3、及び開口14cを通って、弁構造物11よりも吐出マニホールド4側に取り込まれる。
【0025】
一方、ピストンロッド6の一端6aが吐出マニホールド4に近づくときには、弁本体部16の対向部16bが弁部材13の対向部13aと接触し、対向部16cが弁部材14の対向部14aと離間する。そして、弁本体部16は、弁部材13に押されてピストンロッド6と共に吐出マニホールド4側に移動する。対向部16bと対向部13aとが接触すると、隙間C1と隙間C3との間が遮断される。即ち、弁が閉じられ、弁構造物11よりも吐出マニホールド4側の空間と、弁構造物11よりも吸入マニホールド5側の空間とが遮断される。この状態で、ピストンロッド6の一端6aが吐出マニホールド4に近づくと、弁構造物11よりも吐出マニホールド4側の流体が、吐出マニホールド4の排出口H4から排出される。また、弁構造物11よりも吸入マニホールド5側の空間は負圧となり、吸入マニホールド5の吸入口H5から流体が吸入される。
【0026】
このようにして、ピストンロッド6の細径部6dと共に弁構造物11がシリンダパイプ3内を往復することで、流体の吸入と排出が繰り返され、流体が圧送される。
【0027】
ここで、図3に示されるように、弁本体部16の対向部16bには、弁部材13の対向部13aと接触するときに、周方向の全体に亘って対向部13aに密着する密着面16eが内周側に形成されている。また、対向部16bには、密着面16eの内周縁16f及び外周縁16gの間の一部分で、対向部13a側に開口し、周方向に沿って並ぶ複数の凹部16hが形成されている。複数の凹部16hは、対向部13aに密着しないため(図4参照)、凹部16hが形成されない場合に比べ、対向部16bと対向部13aとの密着面積が小さくなる。従って、吐出マニホールド4側の空間と吸入マニホールド5側の空間との遮断性能を確保しつつ、弁本体部16と弁部材13との固着の発生を抑制することができる。なお、弁本体部16と弁部材13とは、衝突のくり返しにより、互いの対向部16b,13aを磨耗させ合う場合がある。凹部16hは、周方向に沿って並ぶことから、回転方向へは凹部16hと密着面eとが交互に並ぶことになる。弁本体部16は弁部材13に対しピストンロッド6回りに相対回転できるため、同じ箇所の衝突のくり返しにより凹部16hの形状が対向部13aに転写されることはない。こうして、対向部16b,13a同士の密着面積の増加は抑制される。従って、弁本体部16と弁部材13との固着の発生を確実に抑制することができる。
【0028】
また、各凹部16hは、ここでは、スペーサ15の外周面15a側、即ちピストンロッド6の細径部6dの外周面6f側に更に開口する溝となっている。上述したように、弁が開いているときに、流体は弁本体部16の内周面16d及びスペーサ15の外周面15aの隙間C3を通る。そこで、凹部16hがスペーサ15の外周面15a側に更に開口していると流体の流路が広くなる。従って、吸入マニホールド5側の流体を吐出マニホールド4側に取り込むときの流体の抵抗を小さくすることができる。
【0029】
また、各凹部16hは、軸心L1から外周縁16gに向かう放射方向に沿って延びるように形成されている。これにより、対向部16bと対向部13aとの隙間C4から隙間C3への流体の流れが円滑化される。各凹部16hは、放射方向に対して傾斜していてもよい。
【0030】
また、各凹部16hは、外周側の端部16jが、密着面16eの内周縁16fと外周縁16gとの間の中心線L2に達するように形成されている。これにより、対向部16bと対向部13aとの密着面積がより小さくなるため、弁本体部16と弁部材13との固着の発生をより確実に抑制することができる。また、流体の流路がより広くなるため、流体を流すときの抵抗をより小さくすることができる。
【0031】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、本実施形態では、凹部16hを弁本体部16の対向部16bに形成しているが、これに限られず、弁部材13の対向部13aに凹部を形成してもよい。この場合、凹部をシリンダパイプ3の内周面3a側に更に開口する溝にすると、流体の流路を広くすることができる。更に、対向部16b及び対向部13aの双方に凹部を形成してもよい。また、弁構造物11を構成する各部材の形状は円形上に限られず、シリンダパイプ3の内面形状に合わせて適宜変更してよい。
【符号の説明】
【0032】
3…シリンダパイプ、3a…内周面、6…ピストンロッド、6f…外周面、11…弁構造物、12…弁部材、13…弁部材、13a…対向部、16b…対向部、16e…密着面、16f…内周縁、16g…外周縁、16h…凹部、16j…端部、100…強制弁式ピストンポンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ(3)の内周面(3a)と、前記シリンダ(3)の軸線(L1)方向に沿って前記シリンダ(3)内を往復するピストンロッド(6)の外周面(6f)と、の間に設けられ、前記シリンダ(3)の一端側の空間と他端側の空間との間の連通/遮断を切り替えるための弁構造(11)であって、
前記ピストンロッド(6)の外周面(6f)に設けられ、当該ピストンロッド(6)と共に前記シリンダ(3)内を往復する第1の弁部材(13)と、
前記シリンダ(3)の内周面(3a)に密着すると共に、前記ピストンロッド(6)が一方側へ移動するときには前記第1の弁部材(13)と接触して弁を閉じ、前記第1の弁部材(13)に押されて前記シリンダ(3)内を移動し、前記ピストンロッド(6)が他方側へ移動するときには前記第1の弁部材(13)と離間して弁を開く第2の弁部材(12)と、を備え、
前記第1及び第2の弁部材(13,12)には、前記ピストンロッド(6)を囲み、前記軸線(L1)方向で互いに対向する環状の対向部(13a,16b)がそれぞれ設けられ、
前記弁部材(13,12)のいずれか一方の前記対向部(16b)には、前記弁部材(13,12)同士が接触するときに、周方向の全体に亘って他方の前記弁部材(13)の前記対向部(13a)に密着する密着面(16e)と、前記密着面(16e)の内周縁(16f)及び外周縁(16g)の間の一部分で前記他方の前記弁部材(13)の前記対向部(13a)側に開口し、前記周方向に沿って並ぶ複数の凹部(16h)と、が形成されていることを特徴とする弁構造(11)。
【請求項2】
前記密着面(16e)及び前記複数の凹部(16h)は、前記第2の弁部材(12)の前記対向部(16b)に形成され、
前記複数の凹部(16h)のそれぞれは、前記密着面(16e)の前記内周縁(16f)側に位置し、前記ピストンロッド(6)の外周面(6f)側に更に開口する溝であることを特徴とする請求項1記載の弁構造(11)。
【請求項3】
請求項1〜2のいずれか一項記載の弁構造(11)を備えた強制弁式ピストンポンプ(100)。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−50145(P2013−50145A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187643(P2011−187643)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000141174)株式会社丸山製作所 (134)
【Fターム(参考)】