説明

弁蓋を有する自動閉鎖弁

本発明は、容積から流動性製品を吐出するための自動閉鎖弁(01)に関する。この弁は流出口(18)を有する弁蓋(04)と、弁蓋(04)の製品側で弁蓋から離間させて配置される案内皿体(09)と、弁蓋(04)と案内皿体(09)との間で保持されかつ案内口(03)を有する弁膜(02)と、弁蓋(04)と弁膜(02)との間の空洞(16)と、製品の容積から空洞(16)にかけて延びる少なくとも1つの貫流口(14)と、逆吸引位置のとき少なくとも流出口(18)と案内口(03)と弁膜(02)を案内皿体(09)から持ち上げたときに開口する空隙(23)とによって形成される空気逆吸引通路とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性製品を吐出するための弁蓋を有する自動閉鎖弁に関する。
【背景技術】
【0002】
自動閉鎖弁の代表的応用は、容器の圧搾によって流動性製品の吐出が行われる容器である。その1例はボディケア剤用のいわゆる押出し容器である。利用者によって押出し容器内部容積の減少が引き起こされることによって容器内で圧力が高まり、含有された製品、例えば液体ソープが弁を介して吐出される。容器が閉鎖キャップで閉鎖されていない場合でも、そして製品がその重力で弁の吐出領域を負荷する場合でも、この圧力上昇なしに内容物が意図することなく流出することは弁の自動閉鎖作用によって妨げられている。
【0003】
独国特許出願公開第10218363号明細書により液状またはペースト状製品を吐出するための自動閉鎖弁が公知である。この弁は、製品の方向で凸面状に形成された弁膜を含む。弁膜の縁側は押出コーティングによって成形された保持リングで形成されている。製品を正常に吐出するために弁膜が板部品で下から把持される。この板部品がやはりばね腕で保持され、そのことから弁の構造支出が高まる。この解決の他の欠点として、空気補償が特に板部品によって妨げられており、容器は大きな復帰力を持たねばならない。
【0004】
独国特許出願公開第19613130号明細書により、圧縮可能な容器内の流体充填物を吐出するための閉鎖膜を備えた自動閉鎖クロージャが公知である。未操作組込状態のとき閉鎖膜は下側保持縁と吐出方向で実質凹面状に延びる上側閉鎖蓋とを有する。通常の施与過程のとき閉鎖膜の開口条溝は特定圧力以降に確実にかつほぼ急激に開口する。施与過程が終了すると容器の戻り運動が生じ、閉鎖膜が凹面状出発状態に引き戻される。その際、開口条溝の開口が内方に起き、空気が逆吸引される。空気逆吸引を改善するために、閉鎖膜とその支持部との間に溝を設けておくことができる。この解決では限定された密封性と逆吸引に必要な大きな負圧が欠点である。強い逆吸引作用を達成するために容器は相応するばね作用付きで形成されていなければならない。そのことから容器用の材料投入が高まり、製造費が高騰する。
【0005】
欧州特許出願公開第0388828号明細書により皿状弁膜を備えた自動閉鎖弁が公知である。弁膜が中央施与口を有し、施与口は支持皿体に載置され、そのことによって密封される。この解決には空気逆吸引の可能性がない。
【0006】
独国特許発明第4329808号明細書により公知の容器またはチューブ用の自動閉鎖クロージャでは、閉鎖蓋の流出口が閉鎖栓によって閉鎖されている。圧力が高まると閉鎖栓が内方に押され、流出口が開放され、製品は流出口から流出できる。この解決では欠点として、閉鎖栓が流出口を開放するのにきわめて大きな圧力が必要である。さらにこの解決には空気逆吸引の可能性がなく、この解決は特定製品にのみ適している。比較的高い製造支出のゆえにこの解決は大量生産品の生産にはあまり適していない。
【0007】
独国特許発明第19580254号明細書により内方に湾曲した弁膜を有する自動閉鎖弁が公知である。弁膜がやはり中央施与口を有し、施与口は支持皿体に載置され、そのことによって密封される。上側で弁膜は保持フランジによって保持され、弁膜は半径方向外側当接領域で下からこの保持フランジに当接する。支持皿体に形成しておくことのできる栓は閉鎖位置のとき施与口に入り込み、こうして確実な密封を可能とする。弁膜の横方向当接領域は負圧のとき内方に変形するように実施しておくことができ、これにより逆吸引用の空気経路が解放される。しかしこのような変形は強い負圧を前提としており、容器の壁体が相応に強い復帰力を加えねばならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明の課題は、ごく簡単かつ安価に製造することができ、空気逆吸引に僅かな負圧を必要とするだけの流動性製品を吐出するための自動閉鎖弁を提供することである。さらに、僅かな量であっても流動性製品の望ましくない逃散を確実に防止するために弁の良好な密封作用が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、添付した請求項1による自動閉鎖弁によって解決される。製品を吐出するために弁膜が閉鎖位置から施与位置に切り換わる。閉鎖位置のとき弁蓋の流出口は弁膜によって閉鎖されている。施与位置のとき弁膜が弁蓋から持ち上げられており、製品は外に流出できる。逆吸引位置のとき空気は外から流出口と弁膜の案内口とを通して弁膜と案内皿体との間を流れ、貯蔵された容積に達する。
【0010】
本発明の特別な利点は、ごく簡素な構造態様と著しく改善された空気逆吸引が同時に達成可能であることにある。弁膜は、ごく安価に製造することのできる単純なプラスチックディスクによって形成しておくことができる。本発明に係る弁を備えた容器は強い復帰力を持つ必要がない。従って容器の壁体は薄く実施しておくことができ、本発明に係る弁を使用することによって材料を節約して安価な容器生産が可能となる。
【0011】
本発明のその他の利点、詳細、諸構成は図面を参考に複数の実施形態についての以下の説明から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明に係る自動閉鎖弁01の第1実施形態を閉鎖位置で示す横断面図である。図を理解するために全体的に付記しておくなら、弁01は(図示しない)容器に、例えば押出し容器のネックに嵌挿して組み立てるように構成されている。
【0013】
弁01は円形中央案内口03を備えた円形弁膜02を含む。弁膜02は実質的に皿ばねの態様であり、相応するばね特性も示す。図1において弁膜02は弁01が閉鎖されているときの位置で示してある。この閉鎖位置のとき弁膜02はその案内口03の周面で弁蓋04に押付けられる。これにより形成される円形載置面06が弁膜02を弁蓋04に対して密封する。載置面06とは反対の弁膜02の側で案内口03は周方向保持鍔部07を有する。保持鍔部07が遊隙をもって4つの案内栓08に当接し、これにより弁膜02は横方向で案内されている。4つの案内栓08は案内皿体09上に配置されている。弁膜02の外周面は周方向エッジ11によって形成されている。図示閉鎖位置のとき周方向エッジ11は案内皿体09の傾斜した周方向載置面12に載置されている。案内皿体09と弁蓋04は弁01の円形取付枠13と強固に結合されている。
【0014】
閉鎖位置のとき弁膜02の形状は吐出方向で湾曲しており、保持鍔部07を除き円錐台側面の形状である。弁膜02は弾性変形可能であり、円錐台形状と保持鍔部07とによって、変形性を決定する予荷重が加えられている。弁膜02の横方向動きは4つの案内栓08によって妨げられている。弁膜02は一方で弁蓋04の載置面06に載置されることによって、他方で周方向エッジ11が案内皿体09に載置されることによって保持される。従って、弁膜02は弁蓋04と案内皿体09との間で締付けて保持される。弁膜02を組み立てるのに他の固着手段は必要でない。図示実施において案内栓08と案内皿体09はその傾斜載置面12も含めて互いに一体に移行しており、これにより簡単な製造が可能となっている。しかしこれらの構成要素は複数の部材で実施しておくこともできる。図示実施において弁膜02の横方向摺動は4つの案内栓08で防止される。別の数の案内栓08も当然選択することができ、または案内栓08は弁蓋04に配置することができる。弁膜02の横方向摺動は別の案内手段で防止することもできる。例えば、孔付きのディスクを案内口03内に配置することができる。
【0015】
弁膜02に保持鍔部07を形成することによって弁膜02は載置面06の領域で補強されている。これにより、閉鎖位置のとき形成される載置面06が弁蓋04と弁膜02との間に残る空洞16を密封閉鎖することが保証されている。
【0016】
案内皿体09がその周面領域に貫流孔14を有し、これらの貫流孔を通して製品または空気は容器から弁膜02と弁蓋04との間の空洞16に流入できる。容器容積から方向17に流れる製品は、またはそこに存在する空気も、図示閉鎖位置では流出できない。というのも、載置面06の領域で製品も空気も弁膜02と弁蓋04との間に達し得ないからである。弁膜02が弁蓋04に対して弾力的に押付けられるので、容器内部で圧力が僅かに上昇しても、製品または空気が弁膜02と弁蓋04との間を通して空洞16から流出できることにはまだならない。例えば、閉鎖キャップ付きの押出し容器の開口中および閉鎖中押出し容器はしっかり把持することができる。その際、容器内の内部圧力が僅かに高まるが、しかし製品の吐出は望ましくなく、そのことが本発明に係る弁01によって保証されている。
【0017】
容器の外側に存在する空気は、弁蓋04の流出口18と弁膜02の案内口03と離間した案内栓08と弁膜02、案内皿体09間の領域とによって形成される通路内に達することができる。しかし、弁膜02がその周方向エッジ11で案内皿体09に載置されるので、方向19に流れる空気は容器の内部に達することができない。容器の内部と外部との間に顕著な圧力差がないので、空気は弁膜02と案内皿体09との間を通って空洞16内に達することができない。
【0018】
自動閉鎖弁01は、容器を手で圧搾することによって流動性製品が吐出されるいわゆる押出し容器用に特別適している。弁01はこのため吐出用に設けられる容器開口部内に配置される。図1に示す実施形態の本発明に係る弁はこのためその円形取付枠13でもって容器開口部に嵌挿される。しかし本発明に係る弁は容器の一体な構成要素として実施しておくこともできる。
【0019】
図2は図1に示す弁01を施与位置で示す横断面図である。図2は同じ符号を用いて図1と同じ構成要素を示す。施与位置は容器から製品を吐出するのに役立つ。押出し容器の場合施与位置は容器を圧搾することによって達成される。このため押出し容器はふつう、弁付きの開口部を下向きにして保持される。施与位置を弁01が占めるのは、容器内部の圧力が大きくなり、空洞16内で弁膜02に作用する圧力が案内皿体09の方向で弁膜02の変形を引き起こしたときである。弁膜02の円錐台形状はこの変形によって僅かに扁平となる。すると弁膜02はもはや弁蓋04に当接せず、貫流隙間21が形成されている。空洞16内にある製品は、またはそこに存在する空気も、いまや貫流隙間21と流出口18とを通して外に達することができる。方向矢印22は製品の流れ方向を示す。貫流隙間21は案内口03の周りに周方向で形成されているので、貫流隙間21は製品流通用に十分大きな横断面を有する。この実施形態において案内口03の寸法は貫流隙間21の寸法を決定し、従って流出口18の寸法と一緒に製品の流通量および流通速度を決定する。
【0020】
閉鎖位置から施与位置に切り換わるには、弁膜02を弁蓋04に押付ける力を克服しなければならない。それゆえに、製品吐出のために押出し容器に対する力は弁01が施与位置に切り換わるまで強めねばならない。その結果、押出し容器はこの過程の間、圧搾によって加えられる超過圧力が減退したなら急激に減圧する。この瞬間に特定量の製品が吐出される。弁01と押出し容器は、急激に吐出される製品量が製品の代表的使用量に一致するように寸法設計することができる。こうして利用者は直感的に代表的使用量の製品を吐出することができる。比較的多くの吐出量を希望する場合、弁01を施与位置に切換後、容器をさらに圧搾することができる。施与位置に切り換えるための力が既に克服されているので、大量の製品を吐出するのに僅かな努力が必要であるにすぎない。施与位置に切り換わるための力極大を上まわることは利用者にとって感知可能であり、また製品または空気の流出によって聴取可能でもある。そのことで操作特性が改善され、特に、本発明に係る弁を装備した押出し容器の触感的ハンドリングが改善される。
【0021】
容器に加えられる力が特定閾値以下に低下すると、弁膜02が再び弁蓋04に当接し、弁01が閉鎖位置に戻る。円形同心に実施された弁膜02と弁膜02に加えられる応力とによって閉鎖位置への復帰はやはり急激に起きる。こうして、搾り出された液体噴流をきれいに断ち切る規定された閉鎖局面が与えられており、後滴下は十分に避けられる。
【0022】
製品の吐出実行後に弁01が閉鎖位置に切り換わったなら、高まった内部圧力は製品の吐出によって減退している。弁膜02はこの時点に再びその出発形状および出発位置となっている。これは例えば、利用者が容器圧搾のための力を弱めたときに与えられており、製品はもはや吐出されないが、しかし力はいまなお強く、容器の変形がなお維持されるほどである。この状態のとき容器の容積は未変形容器の容積よりも小さい。容器を変形させるための力が完全に弱まると、壁体の弾性逆変形力が作用する。容器の容積はこの局面の間に縮小するので、容器内に負圧が発生し、弁01は逆吸引位置に切り換わる。
【0023】
図3は図2に示す弁01を逆吸引位置で示す横断面図である。図3は同じ符号を用いて図1と同じ構成要素を示す。図示した逆吸引位置のとき容器内の負圧によって、弁膜02と案内皿体09との間の領域において空気の外側超過圧力が弁膜02を変形させることになる。この変形のゆえに弁膜02は案内皿体09に対して周方向エッジ11の領域で持ち上がっており、これにより周方向空隙23が形成されている。弁膜02の円錐台形状は閉鎖位置に対してやはり僅かに扁平になっている。弁膜02の周方向縁領域は周方向エッジ11の領域で支えられておらず、補剛または類似の構成によって補強されてもいないので、周方向空隙23を形成するのにごく小さな力が必要であるにすぎない。従って、本発明に係る弁01によって空気逆吸引はごく小さな負圧において既に可能である。流出口18と案内口03と離間した案内栓08と弁膜02、案内皿体09間の領域と周方向空隙23とによって形成される通路を通して、結局空洞16と貫流孔14とを通して空気は外から容器の内部に達することができる。空気のこの流れは矢印24で示唆してある。空隙23が周方向で形成されているので、空隙23は空気を逆吸引するための十分に大きな横断面を有する。空気はほぼ支障なく外部から内部へと流れ、そこに存在する負圧を減退させることができる。負圧が完全に減退したなら、押出し容器は再びその出発形状となる。吐出されるべき製品の残存分によって隙間23の一部がまだ閉鎖されている場合でも、周方向隙間23によって十分な空気逆吸引は保証されている。しかしこの製品分も逆吸引作用によって容器内部に逆吸引される。このことは、流出口18の領域または案内栓08の領域に残存した製品分にも同様にあてはまる。というのも、そこでも逆吸引作用が与えられているからである。
【0024】
弁蓋04は流出口18の周りに周方向で管端部26を有する。この管端部26は、流出口18の領域で弁蓋04上に製品分が留まることのないように、吐出された製品が所望の目的箇所に達するうえで有利である。吐出過程の終了時に管端部26に製品分が留まる限り、この製品分は例えば手で拭き取ることができる。それに加えて管端部26は弁01の内部を保護する。
【0025】
詳しく述べた実施形態において本発明に係る弁は単に3つの部品から成る。そのことから簡単かつ迅速な組立が可能となる。というのも、弁膜02および案内皿体09をプランジャで取付枠13に押し込まねばならないだけであるからである。有利には、案内皿体09は係止結合で弁蓋04または取付枠13内で固着される。有利には、弁膜02はシリコーンまたは相応する軟質弾性プラスチックで構成することができる一方、取付枠13は比較的剛性のプラスチックから射出成形品として作製しておくことができる。
【0026】
変更実施形態において取付枠13は弁蓋04も含めて押出し容器または類似の容器と一体に形成しておくこともできる。
【0027】
変更実施形態において弁膜02の横方向案内は案内要素によって行われ、これらの案内要素は遊隙をもって弁膜02の周方向エッジ11に当接する。この実施形態では、案内口03内に突出する案内手段は省くことができる。
【0028】
望ましくは、未使用時に弁は、周知の如くに押出し容器に取付けられた(図示しない)閉鎖キャップでなお覆われる。閉鎖キャップは、有利には、管端部26に入り込んで管端部を閉鎖する栓を備えている。
【0029】
図4〜図6は本発明に係る自動閉鎖弁01の第2実施形態の横断面である。図4は弁01を閉鎖位置で示す。図5は弁01を施与位置で示し、図6は弁01を逆吸引位置で示す。図4〜図6で使用する符号は、それらが同じ特徴を表している限り、図1〜図3で使用した符号に一致する。図4〜図6に示す実施形態は、4つの案内栓の代わりに1つの溝付き案内栓27を有する点で、図1〜図3に示す実施形態と相違しているにすぎない。溝付き案内栓27は案内皿体09と一体に形成されている。溝付き案内栓27は内部が中空であり、これにより材料が節約される。案内栓27の側面が複数の溝28を有し、溝は流出口18の領域から案内皿体09にまで延びている。溝付き案内栓27は図1〜図3に示す4つの案内栓と同じ機能を有する。一方で、溝付き案内栓27は弁膜02の横方向動きを防止する。他方で、案内栓27の溝28は空気逆吸引通路の一部を形成する。というのも、空気は外から流出口18と溝28とを通して案内皿体09と弁膜02との間の領域に達することができるからである。
【0030】
図7〜図9は本発明に係る自動閉鎖弁01の第3実施形態の横断面である。図7は弁01を閉鎖位置で示す。図8は弁01を施与位置で示し、図9は弁01を逆吸引位置で示す。図7〜図9で使用する符号は、それらが同じ特徴を表している限り、図1〜図6で使用した符号に一致する。
【0031】
図7〜図9に示す実施形態は、弁膜02が同心に配置されるシールリップ29を有し、これらのシールリップが弁蓋04の流出口18のブシュ31の円錐形に成形された内面に対向している点で、図4〜図6に示す実施形態と相違している。弁膜02のシールリップ29は締付けられて円錐形ブシュ31内に突出し、こうしてシールリップ29がブシュ31の内面に押付けられるので、特に閉鎖位置のとき載置面06内で空洞16の確実な密封が保証されている。弁膜02が保持鍔部の代わりに案内ディスク32を有し、案内ディスクの中心に案内口03が配置されている。溝付き案内栓27はやはり案内口03内に係合し、こうして弁膜02の案内を保証する。案内口03はそれが案内ディスク32内に配置されているので図4〜図6に示す実施形態におけるよりも小さいので、溝付き案内栓27も小さな直径を有する。溝付き案内栓27は案内皿体09への移行部に台座33を有し、この台座は一方で溝付き案内栓27を安定させ、他方で弁膜02の案内用の止めを形成する。案内ディスク32の案内口03内で弁膜02を案内すると、溝付き案内栓27の軸線で台座33に至るまで円滑な案内が可能となる。
【0032】
弁蓋04と案内皿体09との間に軸線方向遊隙34が設けられている。この軸線方向遊隙34のゆえに弁膜02は閉鎖位置のとき付加的に圧縮することができ、弁膜02の周方向エッジ11と案内皿体09との間でも載置面06でも強い閉鎖力を達成することができる。弁膜02のこの圧縮は容器を弁01に強く載置することによって引き起こすことができる。というのも、こうして製品はその質量と発生する衝撃とでもって案内皿体09の製品側に作用するからである。弁膜02の圧縮は衝撃振動または類似の過程によって引き起こすこともできる。施与位置を達成するために容器内の圧力、従って空洞16内の圧力が高まると、弁膜02が軸線方向遊隙34の枠内で案内皿体09と弁蓋04とを互いに加圧する。その結果、弁膜02のシールリップ29は弁蓋04のブシュ31内の載置面06から持ち上がることができ、こうして製品は方向22に流出できる。
【0033】
図10〜図12は本発明に係る自動閉鎖弁01の第4実施形態の横断面である。図10は弁01を閉鎖位置で示す。図11は弁01を施与位置で示し、図12は弁01を逆吸引位置で示す。図10〜図12で使用する符号は、それらが同じ特徴を表している限り、図7〜図9で使用した符号に一致する。
【0034】
図10〜図12に示す実施形態が図7〜図9に示す実施形態と相違するのは弁膜02の特殊成形に関してのみである。弁膜02はシールリップ29と周方向エッジ11との間の領域で弁蓋04の方向で周方向湾曲36を有する。この湾曲36により、施与位置に移行時に空洞16内に存在する製品圧力がシールリップ29と湾曲36との間の領域で弁膜02の変形を引き起こすことになる。この変形は弁膜02が弁蓋04のブシュ31の載置面06からさらに持ち上がるのを可能とし、そのために強い力が必要ではない。図11は弁01を施与位置で示しており、この位置のとき弁膜02はシールリップ29と湾曲36との間の領域でさらに案内皿体09の方向に変形している。本発明に係る弁01のこの実施形態は特別容易かつ確実な製品吐出を保証する。湾曲36はさらに案内皿体09からの弁膜02の周方向エッジ11の容易な持ち上がりを引き起こす。というのも、弁膜02は周方向エッジ11と湾曲36との間の領域でやはり容易に変形できるからである。従って、本発明に係る弁01のこの実施形態では容器内部の負圧がごく小さいときに既に空気逆吸引が保証されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る自動閉鎖弁の第1実施形態を閉鎖位置で示す横断面図である。
【図2】図1に示す弁を施与位置で示す横断面図である。
【図3】図1に示す弁を逆吸引位置で示す横断面図である。
【図4】本発明に係る自動閉鎖弁の第2実施形態を閉鎖位置で示す横断面図である。
【図5】図4に示す弁を施与位置で示す横断面図である。
【図6】図4に示す弁を逆吸引位置で示す横断面図である。
【図7】本発明に係る自動閉鎖弁の第3実施形態を閉鎖位置で示す横断面図である。
【図8】図7に示す弁を施与位置で示す横断面図である。
【図9】図7に示す弁を逆吸引位置で示す横断面図である。
【図10】本発明に係る自動閉鎖弁の第4実施形態を閉鎖位置で示す横断面図である。
【図11】図10に示す弁を施与位置で示す横断面図である。
【図12】図10に示す弁を逆吸引位置で示す横断面図である。
【符号の説明】
【0036】
01 自動閉鎖弁
02 弁膜
03 案内口
04 弁蓋
06 弁蓋の載置面
07 保持鍔部
08 案内栓
09 案内皿体
11 弁膜の周方向エッジ
12 案内皿体の傾斜載置面
13 取付枠
14 貫流孔
16 弁膜と弁蓋との間の空洞
17 弁蓋方向の流れ
18 流出口
19 弁膜の周方向エッジへの空気流れ
21 貫流隙間
22 製品の流れ方向
23 空隙
24 空気流れ
26 管端部
27 溝付き案内栓
28 溝
29 シールリップ
31 円錐形ブシュ
32 案内ディスク
33 台座
34 軸線方向遊隙
36 弁膜の湾曲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容積から流動性製品を吐出するための自動閉鎖弁(01)であって、
流出口(18)を有する弁蓋(04)を含み、
弁蓋(04)の製品側で弁蓋から離間させて配置される案内皿体(09)を含み、
弁蓋(04)と案内皿体(09)との間で保持されかつ案内口(03)を有する弁膜(02)を含み、生成された圧力差に基づいて弁膜(02)が閉鎖位置と施与位置と逆吸引位置との間で切り換わることができ、
弁蓋(04)と弁膜(02)との間の空洞(16)を含み、閉鎖位置および逆吸引位置のとき弁膜(02)が弁蓋(04)に当接することによって弁膜が流出口(18)に対して閉鎖され、施与位置のときには弁膜(02)が弁蓋(04)から持ち上がることによって弁膜が流出口に対して開放されており、
製品の容積から空洞(16)にかけて延びる少なくとも1つの貫流口(14)を含み、
逆吸引位置のとき少なくとも流出口(18)と案内口(03)と弁膜(02)を案内皿体(09)から持ち上げたときに開口する空隙(23)とによって形成された空気逆吸引通路を含み、閉鎖位置および施与位置のとき弁膜(02)が案内皿体(09)に載置されることによってこの空気逆吸引通路が閉鎖されている自動閉鎖弁。
【請求項2】
弁膜(02)が案内要素(08;27)によって案内されており、案内要素(08;27)が弁膜(02)の案内口(03)内に突出し、かつ同時に空気逆吸引通路の一部を形成する請求項1記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項3】
流出口(18)と弁膜(02)と案内口(03)が円形かつ同心に実施されている請求項1または2記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項4】
弁膜(02)が、閉鎖位置のとき吐出方向に湾曲する皿ばねの態様である請求項1ないし3のいずれか1つに記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項5】
弁膜(02)の案内口(03)が保持鍔部(07)を有し、弁膜(02)が保持鍔部(07)によって案内要素(08;27)で案内されている請求項2ないし4のいずれか1つに記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項6】
弁膜(02)が同心案内ディスク(32)を有し、案内口(03)が案内ディスク(32)内に配置されている請求項2ないし5のいずれか1つに記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項7】
弁膜(02)が周方向シールリップ(29)を有し、閉鎖位置のときシールリップ(29)が弁蓋(04)の流出口(18)のブシュ(31)の円錐形内面に押付けられている請求項1ないし6のいずれか1つに記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項8】
案内皿体(09)が弁蓋(04)に対して軸線方向遊隙(34)をもって配置されている請求項1〜7のいずれか1つに記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項9】
相互に離間して案内皿体(09)に固着される複数の案内栓(08)によって案内要素が形成されている請求項2ないし8のいずれか1つに記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項10】
案内要素が溝付き案内栓(27)によって形成されており、この案内栓がその側面に少なくとも1つの溝(28)を有し、この溝が同時に空気逆吸引通路の一部を形成する請求項2ないし請求項8のいずれか1つに記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項11】
弁膜(02)が弁蓋(04)の方向で周方向同心湾曲(36)を有する請求項1ないし10のいずれか1つに記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項12】
弁膜(02)がシリコーン樹脂または熱可塑性エラストマーから作製されている請求項1ないし11のいずれか1つに記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項13】
弁蓋(04)が、押出し容器の容器ネック開口部内で固着可能な取付枠(13)と一体に形成されている請求項1ないし12のいずれか1つに記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項14】
弁蓋(04)と取付枠(13)が押出し容器と一体に形成されている請求項13記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項15】
案内皿体(09)が係止結合によって弁蓋(04)内および/または取付枠(13)内で固着されている請求項1ないし14のいずれか1つに記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項16】
閉鎖位置のとき弁膜(02)がその外周面でもって案内皿体(09)の、弁膜(02)の方向で傾いた周方向載置面(12)に当接する請求項1ないし15のいずれか1つに記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項17】
流出口(18)がその外面に管端部(26)を有する請求項1ないし16のいずれか1つに記載の自動閉鎖弁(01)。
【請求項18】
貫流口(14)が案内皿体(09)の周面に多重配置されている請求項1ないし17のいずれか1つに記載の自動閉鎖弁(01)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−536135(P2009−536135A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508330(P2009−508330)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054236
【国際公開番号】WO2007/128741
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(508306200)クンストシュトッフテヒニク ヴァイトホーフェン アン デア タヤ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (3)
【Fターム(参考)】