説明

弦楽器用ケーブル

本発明は、有効外径を有する中心導体、その中心導体の周囲に位置する誘電性材料、その誘電性材料の周囲に位置する半導電層、及びその誘電性材料の周囲に位置する外側導体又はシールドを有するケーブルであって、そのシールドが有効内径を有し、その中心導体が、2.026×10-3cm2(3.141×10-4in2)以下の断面積を有し、そのケーブルが、約49pF/m(約15pF/ft)以下の静電容量を有し、そのケーブルが、111N(25lbf)以上の引張力条件下で電気的導通性を維持し、そのケーブルが約30000サイクル超の屈曲寿命を有し、及びそのケーブルが音楽楽器ケーブルである、ケーブルを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弦楽器用の改良ケーブルに関し、特には、低静電容量を有する弦楽器用の改良ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
ギター及び他の弦楽器は、度々、振動金属弦に接近したところにパッシブタイプの磁気ピックアップを取り付け、ケーブルを利用してアンプ及びスピーカーにこのピックアップを接続することによって増幅される。振動弦は、ピックアップのコア内で磁束に変化する。この磁束変化は、ピックアップの外側のコイルで電圧変化を促進し、このようにして、機械的な振動を電気信号に変換することを完成させる。この信号は、ケーブルの中を通ってアンプに送信される。
【0003】
アンプにピックアップを接続するケーブルは、演奏中に音楽家が適切に行動することが可能なように、典型的には長さで1.5〜9.1メートル(5〜30フィート)である。演奏の行動範囲を広くするために、何人かの音楽家は、ギターとアンプとの間の距離を実質的に長くすることが可能である無線送信機を利用する。ところが、圧倒的大多数の音楽家は更にその距離を長くすることを必要とせず、費用がかからないケーブル接続部品を使うことを好む。
【0004】
ギターケーブルの電気的な要求に加えて、ギターケーブルは、機械的な特性をも合わせて有していなければならない。ギター及びアンプのジャックからギターケーブルを抜き出す時に、そのケーブルは引張力に耐える必要がある。ケーブルは、演奏者の動きを抑制しないように適切な屈曲性を必要とし、演奏者の持続する動きによって影響される任意の屈曲に耐えることに充分な頑強さを必要とする。また、ケーブルは、利用しない場合には保存するのに関連してグルグルに巻いたり、真っ直ぐに伸ばしたりするのに必要な力に耐える必要がある。
【0005】
360度の金属ワイヤーシールドによって信号を取り囲む同軸ケーブルは、エレキギターとアンプ間の最も一般的な接続形態である。さらに、同軸ケーブル構造は別のケーブル設計において、幾つかの有利な点を提供する。任意の無線周波妨害(RFI)と共に、ギター信号がスピーカー前で有意に増幅されるので、重要事項であるRFIノイズから、外側のシールドはケーブルコアの内部で流れる低電圧信号を保護する。同軸ケーブル構造は、所定の静電容量のシールドケーブルに対して必要最小限のサイズを提供する。円形構造は、全方向において屈曲性を最大にすることが可能である。このことは、保存のためにケーブルを巻きつけておく場合は勿論のこと、使用中においても重要である。
【0006】
ケーブルを用いてパッシブタイプのギターピックアップをアンプに接続する回路の電気的モデルを作製した(例えば、the Instruction Manual for the Lemme Pickup Analyzerを参照)。図1に表される回路は、ピックアップ、ケーブル及びアンプのモデルである。152メートル(500フィート)の長さまでオーディオ周波数として利用される場合のケーブルは、信号経路の全抵抗に相当する直列抵抗及び、容量値が信号経路の集中容量に等しい並列コンデンサーとして示される。アンプ入力回路は非常に高いインピーダンスであり、典型的には、500000オーム〜1000000オームである。ケーブル抵抗とアンプ入力抵抗との間の電圧除算回路を前提とすると、その回路の信号送信は、50−100オームより低いケーブル抵抗値に対して比較的敏感ではない。楽器ケーブルは、この範囲よりはるかに下回った抵抗値を有する。
【0007】
回路の周波数応答は、ピックアップインダクタンスとケーブル静電容量との相互作用によって決定される。ケーブル静電容量とピックアップインダクタンスのそれぞれのリアクタンスが振幅において等しくなる場合に、共鳴周波数は算出される。図1の回路の共鳴周波数は次の式によって計算される。
【0008】
【数1】

式中、「L」は、一定のピックアップインダクタンスであり、そして、「C」は集中ケーブル静電容量であって、その静電容量は、ケーブルの構造と長さとによって決定される。共鳴周波数は、ケーブル静電容量に反比例する。ケーブル静電容量が小さくなると、共鳴周波数は大きくなる。
【0009】
Lemme Pickup Analyzerを利用して、好ましい静電容量値を得るために、2005 Fender American Series Stratocasterのブリッジピックアップの応答が、様々な長さのケーブルと直列にして測定された(図2参照)。また、その応答カーブはSPISEソフトウェアを利用してシミュレートされた。
【0010】
また、図2において、測定結果と共に回路シミュレーションは、ケーブル静電容量が小さくなるとギターの中音域の周波数においてより平坦な応答を作り出して、共鳴周波数の振幅が小さくなることを示す。また、回路応答の−3dBのロールオフ周波数は、ケーブル静電容量に比例する。所定のピックアップインダクタンスに対して、ケーブル静電容量が小さくなると、−3dBロールオフ周波数は増大する。このことは、広範なオーディオ周波数を送信して聴くことを許容する。
【0011】
−3dBより上の範囲にオーディオ周波数を拡げるようにシフトすること及び共鳴周波数を目立たなくさせることによって、ギター奏者は、明瞭性と明るさが増大する方向で音調がシフトすることを容易に見抜くことができる。パッシブタイプの磁気ピックアップを備える楽器を使って、この効果を奏することを希望するギター奏者に対してケーブル静電容量を最小化することは必要である。
【0012】
フット当たりのピコファラド(pF/ft)としての同軸ケーブルの静電容量(C)は以下の式によって求められる。
【0013】
【数2】

式中、
εr=相対誘電定数、
e=外側シールドの有効内径、
e=中心導体の有効外径、
である。
【0014】
有効径は、多導体形状の電気的相当径である。その有効径は特定の構造物中のワイヤー間のギャップを考慮する。
【0015】
シールドの有効径(De)は次の式によって計算される。
【0016】
【数3】

式中、
D=シールド構造物の内径に接触する絶縁構成要素の幾何学的外径、
w=シールド構成要素のワイヤーの幾何学的径、
である。
【0017】
同心の撚り線の中心導体の有効径が次の式を使って計算される。
【0018】
【数4】

式中、
d=中心導体の構成要素ワイヤーの幾何学的径
n=構成要素ワイヤーの数
【0019】
ケーブルの静電容量を小さくする方法は幾つかあるが、各々の方法は、別個独立の不利な点を有する。
【0020】
中心導体とシールドとの間に位置する材料の相対誘電率を小さくすること、
ポリエチレンのような幾つかの安価な材料は、およそ1.5まで誘電率を小さくするために、処理中にガスを注入することができる。そして、これより低い誘電率を得るためには、更に高価な処理とフルオロポリマーのような更に低い誘電性材料を必要とする。
【0021】
外側シールドの有効内径を増大させること、
この選択は、添加する材料のコストがかかること及び、コネクターサイズに適合するためにケーブル径が実用的に制限されることによって拘束される。
【0022】
中心導体の有効外径を小さくすること、
典型的な市販ケーブルは、18−22AWGの銅の中心導体を用いる。ワイヤーゲージのこの範囲は、およそ0.127〜0.0643センチメートル(およそ0.0500〜0.0253インチ)の範囲に及ぶ外径を有する導体を表す。適切なサイズを得るために、導体は固体導体又は多導体でよい。幾つかの多導体の例は、26AWGの銅に至るまで確認することが可能であり、それは、およそ0.0508センチメートル(およそ0.0200インチ)の外径を有する。これらの多形状における構成要素ワイヤー径(d)は0.00508センチメートル(0.002インチ)に至るまで確認することができる。中心導体の有効径を小さくするために、式1で示されるように、構成要素ワイヤー(d)と撚り線の数とを減らすべきである。構成要素ワイヤー径(d)と撚り線の数とを減らせば、中心導体ワイヤーの全断面積は小さくなる。断面積が小さくなれば、所定の材料に対して破損時の引張力が小さくなるという結果を導くことになる。このことは、ケーブルの屈曲寿命と引張強度の両方を危うくすることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
楽器ケーブルの信号忠実度を改良するために必要とされるものは、強度、耐久性、コネクター適合性を維持ながら低静電容量を有し、さらにコストパフォーマンスを有するケーブルである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、有効外径を有する中心導体、その中心導体の周囲に位置する誘電性材料、及び、その誘電性材料の周囲に位置する半導電層、及びその誘電性材料の周囲に位置する外側導体又はシールドを有するケーブルであって、そのシールドが有効内径を有し、その中心導体が、2.026×10-3cm2(3.141×10-4in2)以下の断面積を有し、そのケーブルが、約49pF/m(約15pF/ft)以下の静電容量を有し、そのケーブルが、111N(25lbf)以上の引張力条件下で電気的導通性を維持し、そのケーブルが約30000サイクル超の屈曲寿命を有し、及びそのケーブルが音楽楽器ケーブルである、ケーブルを提供する。その中心導体が1.140×10-3cm2(1.767×10-4in2)以下の断面積を有することが好ましく、そして、約241N/mm2(約35ksi)超の引張強度を有する銅を含むことが好ましい。その中心導体が合金を含むことがより好ましく、その合金がベリリウムと銅との合金であることが好ましい。その中心導体が、その中心導体の周囲に補強層を有することが好ましく、その補強層がポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から作られていることが好ましい。代替的には、前記補強層が、フルオロポリマー、熱硬化性若しくは熱可塑性ポリマー、セルロース系材料又は金属箔を含む。
【0025】
また、そのシールドが編組構造であって、撚り線が該編組構造の軸から40度未満の角度に位置することが好ましい。そのシールド有効内径のその中心導体有効外径に対する比が約8超であり、約10超であることが好ましく、約12超であることが最も好ましい。その静電容量が約39pF/m(約12pF/ft)以下であることが好ましく、約33pF/m(約10pF/ft)以下であることがより好ましい。そのケーブルが約222N(約50lbf)以上の引張力条件下で電気的導通性を維持し、さらに約445N(約100lbf)以上の引張力条件下で電気的導通性を維持する。その屈曲寿命が約150000サイクル以上であることが好ましく、約275000サイクルであることが好ましい。その音楽楽器がパッシブタイプの磁気ピックアップを導入する弦楽器であることが好ましい。
【0026】
別の態様として、本発明は、パッシブタイプの磁気ピックアップを導入する弦楽器と組み合わさる本発明のケーブルを含む物品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、パッシブタイプのギターピックアップ、ケーブル及びアンプの概略的な回路モデルである。
【図2】図2は、ケーブルの静電容量毎のパッシブシステムについての周波数応答をシミュレートし、測定したグラフである。
【図3】図3は、本発明の典型的な実施形態にしたがった編組シールドの概略的な側面図である。
【図4】図4は、屈曲試験装置の概略図である。
【図5】図5は、本発明の典型的な実施形態にしたがったケーブルの応力-変形グラフである。
【図6】図6は、本発明の典型的な実施形態にしたがったケーブルの力−伸長度グラフである。
【図7】図7は、本発明の一つの実施形態の斜視図である。
【図8】図8は、テープ補強した中心導体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図7に示される好ましい実施形態に関連して、本発明は、ここで述べられる。図7に示されるように、本発明の楽器ケーブルは、中心導体11、誘電体12、半導体層13、シールド14、任意的なバインダー15及びジャケット16を含む。
【0029】
中心導体11の周りの誘電体12は、好ましくは、発泡ポリエチレンである。上記で述べたように、中心導体11の有効外径を最小化することは、静電容量を減少させる。代替的に、シールド14の有効内径を増大させることによって、より大きな中心導体11を利用して静電容量を減少させることは可能であるが、そのような解決策は、最大のケーブル外径(好ましくは、0.9525センチメートル(0.375インチ))という、特有の要件を有する楽器ケーブルのため実用的ではない。したがって、出願人ら(発明者ら)は、中心導体11の有効外径を減少させることに関連して、シールド14の有効内径に対する中心導体11の有効外径の比が約8超であることを保証することが必要であることを見出した。
【0030】
誘電体12と外側のシールド14との間の電荷蓄積を減少させる必要があるため、半導体層13が、誘電体12とシールド14との間に、好ましく配置される。シールド14が誘電体12との関連で動く場合に、半導体層13は、半導体固体ポリエチレンから形成されることが好ましく、摩擦電気効果及びそれに伴う電気ノイズが発生することを最小限にとどめるのに役立つ。
【0031】
ジャケット16、好ましくは、TPE添加剤を有するPVCが、シールド14の周囲に配置される。バインダー15は、ジャケット16とシールド14との間に、任意に配置される。用いられるならば、バインダー15は、好ましくは、0.00508センチメートル(0.002インチ)の厚みのePTFEで作製される。代替的には、例えば、フルオロポリマー、熱硬化性若しくは熱可塑性ポリマー、セルロース系材料又は金属箔のような材料も、また、この構造物においてバインダー15として利用され得る。
【0032】
好ましい実施形態における中心導体11は、ベリリウムと銅との合金である。そのような合金ワイヤーはIWG High Performance Conductors、 Inc.から市販されている。合金は、中心導体11に対して好ましい。なぜならば、下記の実施例において例示されるように、典型的には、合金は、非合金よりもより良好な引張強度及び屈曲寿命を有するからである。当該技術分野の当業者であれば認識するように、他の銅合金が、本発明において用いられてもよい。更なる代替の実施形態としては、中心導体11は、図8に示されるように、延伸PTFE(ePTFE)テープ111を巻き付けて補強される。この代替的な実施形態に関して、下記の実施例で示されるように、中心導体11の引張強度と屈曲寿命は最大となる。なぜならば、ePTFEテープを有する補強中心導体11は、引張強度と屈曲寿命とを非常に顕著に強化し、また、中心導体11のためのePTFEテープ巻き付け物と組み合わした状態で、合金よりはむしろ銅中心導体を利用することが、更なる代替の実施態様として検討される。代替的には、例えば、フルオロポリマー、熱硬化性若しくは熱可塑性ポリマー、セルロース系材料又は金属箔のような材料も、また、この構造物において補強材として利用され得る。
【0033】
静電容量を最小化にして、それによって、音声信号の明瞭性及び輝度を増大させるために、誘電体12の相対誘電率は低い状態である。2未満の誘電率が好ましく、そして、1.5未満の誘電率が最も好ましい。シールド有効内径(De)に対する中心導体有効外径(de)の比もまた、静電容量を最小化にして、増大することができる。
【0034】
8超の有効径比が好ましく、そして、その比が12であることが最も好ましい。0.3048センチメートル(0.120インチ)超のシールド有効内径が好ましく、0.4064センチメートル(0.160インチ)超のシールド有効径が最も好ましい。許容可能なシールド径を維持しながら、中心導体11は、低静電容量を達成するために非常に小さなワイヤーから作製されることが好ましい。
【0035】
一つだけのワイヤーを有する中心導体に対して、有効径は、導体の幾何学的な径に等しい(式1を参照)。ところが、単一の導体は屈曲状態でも通常状態と同様に機能しない。中心導体は、屈曲性を改良するために、複数の導体で作製されることが好ましい。0.0508センチメートル(0.020インチ)未満の中心導体有効外径が好ましく、そして、0.0381センチメートル(0.015インチ)の径が最も好ましい。複数の導体のトータルの幾何学的な径は測定することに困難であるので、全断面積が、中心導体を画定するために利用される。また、その全断面積は、引張強度を決定する際にも有用な値である。2.026×10-3cm2(3.141×10-4in2)未満の全断面積を有する中心導体が好ましく、1.140×10-3cm2(1.767×10-4in2 )未満の面積を有することが最も好ましい。低誘電性材料と有効径比とを組み合わせて、そのような品質の優れた中心導体を使用することは、楽器ケーブル10の最適な性能のために必要とされる低い静電容量を提供する。好ましくは、下記の実施例に示されるように、ケーブルの静電容量は、49pF/m(15pF/ft)未満であり、最も好ましくは33pF/m(約10pF/ft)である。中心導体11サイズを最小化にすることによって、中心導体11を弱体化させるという副作用を引き起こすことになるので、出願人ら(発明者ら)は、中心導体11のために合金を使うか、若しくは半導体11にePTFEテープを巻くか、又はその両方の方法によってその機械的特性の低下を解決することができることを見出した。さらに、下記に述べるように、出願人ら(発明者ら)は、本発明の楽器ケーブル10を作り出すケーブルの強度増進機構を更に見出した。
【0036】
出願人ら(発明者ら)は、ある中心導体構造物が、驚くべきことに、良好な引張強度及び屈曲寿命の性能結果を作り出すことを見出した。試験、結果及び結論は、後述する実施例のところに示される。
【0037】
図7に戻って参照すると、シールド14は、誘電体12の周囲に配置される。シールド14は、好ましくは、編組構造であり、図3に示されるように、約0.419センチメートル(約0.165インチ)の幾何学的内径(編組部が絶縁構成要素の外径に接触する地点 )「D」(34)を有し、キャリア「E」(32)毎に、8個の末端部(又は「ワイヤー」(31))を備える24個のキャリアで編組されて直径「dw」(33)が約0.010(約0.004インチ)である38AWG−銅撚り線からなり、実施形態として図示されているように、およそ22度の編組角度「α」(37)である。一つのキャリアの編組ワイヤーが他のキャリアを通過する地点「P」(35)は、「ピック」と呼ばれる。インチ毎の好ましいピック数は、約9である。
【0038】
出願人ら(発明者ら)は、好ましく、シールド14が、中心導体を支持して楽器ケーブル10の引張強度を最大にする編組構造であることを見出した。シールド14の好ましい編組角度「α」(37)はケーブルの縦軸に対して40度未満である。さらに、任意の編組角又はシールド構造物(例えば、ワイヤーシールドが供給されるところ)において、代替的な強度部材、例えば、ポリマーテープ、金属箔及びファイバーが、中心導体を補強するために導入されてよい。ファイバーは、多導体構造の一つ又は複数の部分であってよい。さらに、ファイバーは、ケーブルの縦軸方向に平行に走ってよい。
【0039】
編組角度は、次の式2にしたがって計算される。
【0040】
【数5】

式中、
α=編組角度(37)、
Q=1インチ毎のピック「P」(35)の数、
m=キャリア(32)の数、
ave=次の式によって計算される平均編組径:
ave=D(34)+2dw(33)、
である。
【0041】
例示されたケーブル構造物に対して編組パラメーターを変更することによって、ケーブルが引張応力の状態下でどのように挙動するかに関して変化する。編組パラメーターを変更すること次第で、如何に上手に、ケーブルのコンポジット材料構造が高い引張応力及び究極的には、破損から中心導体を保護することが可能であるかが決定される。編組撚り線の直径を増大させるか、又は編組部のワイヤーのトータル数を増やすによって、編組金属を追加することは、ケーブルの全体の強度を改良する。また、他の強度増強用構成材料も、ケーブルの全体の強度を改良する。ところが、この極限強度が実行される前に、小さな中心導体であれば破損する可能性がある。強度とともに、ケーブルの引張剛性は、弱い力で破損することからより小さな中心導体の構成要素を保護するために充分高い必要がある。
【0042】
出願人ら(発明者ら)は、本発明のケーブルを形成するために、ここにおいて述べられる中心導体と組み合わせて、ここにおいて述べられる編組線を利用する。ケーブル剛性は、本発明のケーブルを特徴付けるために利用される一つのパラメーターである。ケーブル剛性は、ケーブルのコード係数を用いて測定する。コード係数は、初期状態の8.9N(2.0lbf)のプレロード地点とケーブルの電気的導通がなくなる地点との間の応力変形の曲線上のコード(弦)の傾斜度によって定義される(下記、式3参照)。
【0043】
【数6】

式中、
Δσr=中心導体の相対応力の変化、
ε= ケーブル変形、
である。
【0044】
相対応力は、構造物中の中心導体を特徴付ける応力変形との関連で用いられる。相対応力は、ケーブルが試験される際に、中心導体の断面積と関連付けてケーブル力を用いて計算される(下記の式4を参照)。
【0045】
【数7】

【0046】
これは、引張状態での全断面積ではないが、中心導体の材料及び大きさ毎にケーブル剛性の相対値を提供する。編組角度は、このコード係数を制御するために利用することができる。編組角度は、ケーブルの縦軸と編組撚り線との間の角度として定義される。編組角度が小さいということは、編組撚り線がケーブルの縦軸と一列に並ぶことを意味する。編組角度が小さい場合は、撚り線がケーブル構造物の引張強度に寄与し始める時に少しの拡張の程度しか必要とされない。このことは、より大きいコード係数を作り出すことになる。編組角度が大きい場合は、編組撚り線が、縦軸に対して垂直に並び、ケーブル構造物の引張強度に寄与し始める時により大きい拡張の程度が必要とされる。このことは、より小さいコード係数を作り出すことになる。小さい静電容量に必須である、これらの小さな中心導体に関して、その導体が、ケーブルの引張剛性を増大させる部材によって支持されることが重要である。剛性があまりにも小さいならば、ケーブル構造物の他の部分が適切にロードを共有する前に、中心導体が引張状態で破損する。
【0047】
出願人ら(発明者ら)は、本発明のケーブルに対して編組特性を実証するいくつかのサンプルを作り出した。これらのサンプルに関する、試験、結果及び結論の詳細については、後述する実施例のところに示される。
【0048】
本発明の様々な実施形態の実施例は後程述べる。実施例で利用される関連する試験はこの後に述べる。実施例は、本発明を例示して述べることを意図するが、実施例によって任意の特定の実施形態に本発明を限定するつもりはない。むしろ、出願人ら(発明者ら)は、添付の特許請求の範囲によって画定される充分な範囲で本発明が述べられることを意図する。
【0049】
II.試験方法
A.中心導体の引張強度
lnstron2714−006 Cord&Yarn Gripsを装備したlnstron5565試験装置を利用して、中心導体サンプルの引張試験をした。サンプルは、38.1センチメートル(15インチ)のゲージ長を備えた。2.2N(0.5lbf)のプレ荷重をして20.00センチメートル(7.874インチ)/minの速度でサンプルを引っ張った。
【0050】
B.中心導体寿命
中心導体の屈曲寿命は、改良されたASTMB470−02試験を利用して測定した。試験の装置は図4に示され、図において、荷重は、かたまり「M」(49)の重し(43)を取り付けることによって、サンプルに適用される。サンプル(41)は、ギャップ「G」(48)によって相隔たれた、直径「D」のマンドレル(47)の中を通って供給される。マンドレルは、重し(43)から長さ「L2」(46)のところでセットされる。サンプル(41)は、マンドレルギャップ「G」(48)から長さ「L1」(45)のところで、クランプ(42)に取り付けられる。サンプル(41)は、マンドレルギャップ「G」(48)の上側で角度「A」(44)まで曲げられる。一つの充分な屈曲サイクルは、サンプルがスタート地点まで戻った後にカウントされる。+/−60度については、サンプルは、充分なサイクルがカウントされる前に、一つのある方向に120度動き、反対の方向に120度動く。サンプルは、速度「R」で曲げられる。下記の表1は、この装置で用いられた試験パラメーターを示す。
【0051】
【表1】

【0052】
導体サンプルは、装置に取り付けられ、その導体が機械的に破損するまで曲げられた。
【0053】
C.ケーブル引張試験
サンプルは、Qualitest THS185−50 Rope Gripsを装備した、lnstron5565試験装置を利用して試験をした。サンプルは、25.4センチメートル(10インチ)のゲージ長を備えた。そして、8.9N(2.0lbf)のプレ荷重をして12.7センチメートル(5.0インチ)/minの速度でサンプルを引っ張った。各々のケーブルの中心導体の導通性は試験中監視され、破損時の力と拡張度が記録された。これは、中心導体の破損に対する編組部の破損の比較を可能とする。引張破損は、電気的導通性が失われた地点をもとに決定された。
【0054】
D.ケーブル静電容量試験
ケーブル静電容量は、BK Precision 875B LCR Meter及びワニ口クリップを備える試験導線を利用して、全体のケーブルアセンブリ静電容量を測定することによって決定した。クリップが中心導体及びケーブルのシールドワイヤーに取り付けられ、全体のケーブルの静電容量を測定した。その後、この値は、単位長の静電容量であるpF/ftを得るためにケーブルのフィート長で除された。
【0055】
E.ケーブルの屈曲寿命
図4に表されるのと同様な装置を利用するが、次のパラメーターを用いてケーブル屈曲寿命を測定した。
【0056】
【表2】

【0057】
ケーブルサンプル(41)は、装置に取り付けられ、導体又はシールドが機械的に破壊するまで曲げられた。機械的な破損は、導体又はシールドを横切る抵抗が0.5オーム増加するところで決定された。
【実施例】
【0058】
A.中心導体サンプル
上記の中心導体の引張強度及び中心導体屈曲寿命で述べられたような試験方法を利用して、出願人ら(発明者ら)は、複数の中心導体の性能を測定した。各々の中心導体の構造の詳細内容と試験結果は、下記の表10に示される。
【0059】
【表3】

【0060】
試験をした22AWG銅導体(サンプル1)は、市販ケーブルとして確認できる典型的な導体タイプの代表的なものである。そのピーク力を、24%の伸張度で91.2N(20.5lbf)まで観察した。28AWG銅導体(サンプル3)は、21.3%の伸張度で22.2N(5.0lbf)のピーク力を有した。銅導体は、207−241Nmm2(約30−35ksi)の最大引張応力を有する。合金135は、約414Nmm2(約60ksi)(銅の引張応力のおよそ2倍)の最大引張応力を有したベリリウムと銅との合金である。28AWG合金135サンプルは、8.4−10.7%の伸張度で40.0−41.4N(9.0−9.3lbf)まで平均ピーク力を増加させる(サンプル5及び6)。HS95及びCS95は、約621Nmm2(約90ksi)(銅の引張応力のおよそ3倍)の最大引張応力を有したベリリウムと銅との同様な合金である。HS95及びCS95は、7.9−9.4%の伸張度で64.5−66.7N(14.5−15.0lbf)まで平均ピーク力を増加させる(サンプル7及び8)。合金(サンプル5−8)の強度は大きいので、破損までの伸張度が銅に対して約40%未満である。合金導体の強度が大きくなるまでテープ補強材を加えることによって、引張強度は、更に44N(10lbf)増大して、伸張度は、未加工合金と比較して100%分増加する(サンプル9−15)。
【0061】
22AWG銅導体(サンプル1)の平均屈曲寿命を、141サイクルになるまで観察した。28AWG銅導体(サンプル3)は、21サイクルの平均屈曲寿命を有した。28AWG414Nmm2(60ksi)及び621Nmm2(90ksi)の合金導体を用いることによって、平均屈曲寿命は、それぞれ74−99及び400−413サイクル(サンプル5−8)まで増加した。28AWG621Nmm2(90ksi)の合金導体(サンプル7及び8)は、28AWG銅(サンプル3及び4)の寿命の約20倍の平均屈曲寿命を示し、22AWG銅(サンプル1)の寿命の約3倍の平均屈曲寿命を示し、そして、24AWG銅(サンプル2)の寿命の約5倍の平均屈曲寿命を示す。28AWG621Nmm2(90ksi)合金導体(サンプル13−15)に様々な形態のテープ補強材を追加することによって、平均屈曲寿命は、2046−3747サイクル又は28AWG銅導体(サンプル3)の約97〜178倍まで、更に延びる。
【0062】
B.編組サンプル
ケーブルは、編組角度を様々に変更して構成された。下記の表2はケーブル構成を示す。これらのケーブルパラメーターは、編組角度を変更した時に、一定に保たれた。そのケーブルについて、上記で述べた引張試験にしたがって、引張特性の試験を行った。そして、試験の結果を表3に示す。
【0063】
【表4】

【0064】
【表5】

【0065】
表3は、三つの異なる編組角度に対する、ケーブル力と導通性が失われる拡張度とを示す。また、システム中の第一の機械構成要素が引張破損となる破損状態が、この表で示される。サンプル3580_2_S1中の中心導体は、編組部よりも有意に低い力と拡張度で破損する。このことは、他方の二つのサンプルと比較して、破損時の力が有意に低いことを表す。サンプル2及び3のそれぞれにおいて、編組角度が減少する場合に、編組部が、変形に応じて高い速度で引張強度に寄与するので、相対応力は増大し、コード係数は増大する(図5)。これは、中心導体を保護して、更に高い破損時のケーブル力となる(図6)。この知見は、編組角度を制御することによって、別のケーブル構造物に変換させることができる。
【0066】
C.本発明のケーブルの実施例
本発明にしたがったケーブルは、下記の表4に表されるように、様々な構造物として作製された。誘電体、半導体層及びジャケットは、一定に固定された。そして、それらは表2に定義されたものと同一である。各々の構造物に対して、シールド(14)は、AWG38(1)の錫メッキした銅ワイヤーで作製された編組構造である。各々の例示に対して、およそ0.439センチメートル(0.173インチ)の平均編組径(Dave)を構成した。各々の例示に対するシールド有効内径は、およそ 0.434センチメート(0.171インチ)である。全ての中心導体はAWG28(7/36)であり、低い静電容量値を得るためにおよそ0.0361センチメートル(0.0142インチ)の有効外径を有する。
【0067】
【表6】

【0068】
表4に概要された全てのケーブル構造物について、上記で述べた手順にしたがって静電容量の試験をした。また、比較として、次の市販ケーブル、すなわち、Planet WavesTM PW−AG−15、ProCo SEG−10、MonsterTM Cables Monster RockTM、Horizon HCS−25についても試験をした。全ての結果を下記の表5に示す。
【0069】
【表7】

【0070】
ケーブルに関する静電容量結果は、全ての典型的な実施形態が、33.1pF/m(10.1pF/ft)以下の静電容量を有することを示している。この目的は、およそ12の有効径比と約1.5の誘電率である発泡PEとによって達せられた。試験を実施した身近に商業的に入手可能なオプションである、PW−AG−15は、59pF/m(18pF/ft)の静電容量を有した。他方のケーブルは、80.7pF/m(24.6pF/ft)(HCS−25)から140pF/m(42.6pF/ft)(Monster Rock)の範囲である。本発明のケーブルの静電容量はそのように低いので、結果として得られる音質が、比較例の音質よりもかなり優れているということになる。
【0071】
次に、全ての典型的なケーブルと比較例ケーブルとについて、上記で概要を述べた手順にしたがって、引張強度とケーブル屈曲寿命の試験をした。各々のサンプルの中心導体の断面積(A)を測定した。破損時の相対応力(B)とコード係数(D)とが、破損時のケーブル変形(C)及びケーブル力(E)の測定値に基づいて計算された。いくつかのモデルに対して、三つのサンプルが、ケーブル屈曲寿命(F)について試験された。その結果は表6に示される。
【0072】
【表8】

【0073】
サンプル4及び5は特に注目すべきである。サンプル5の銅中心導体及びサンプル4の合金中心導体の使用を除いて、これらの二つのサンプルは同一の構造を有する。両方のケーブルは、356N(約80lbs)のピーク力を示すが、編組構造物が中心導体を支持していることを表わす。低伸張度の銅合金中心導体で作製されたケーブルは、破損時に低変形性を有するケーブルを作り出す。これは、同一サイズの銅中心導体で作製されたケーブルにおいて同一のピーク力を維持するために更に高いコード係数を必要とする。市販の対照品は、より低いコード係数でより高いピーク力を達成することができるより大きな中心導体を組み込む。中心導体がより大きくなると断面積が増大するために(AWG28(7/36)導体の2倍の断面積となる。)、市販の対照品のコード係数はより小さくなる。中心導体が大きければ大きいほど、より大きな強度を提供し、より大きなピーク力を得るためのケーブル中の他の部分の支持部材をより少なくすることが可能である。ところが、これらのより大きな中心導体は、楽器ケーブルのために通常利用されるシールド径及び誘電性材料に基づいたより大きな静電容量を有するケーブルを作り出してしまう。
【0074】
低静電容量の全ての例示は、中心導体のサイズが有意な程度で小さくなるにもかかわらず、試験をした市販のケーブル品の引張強度と同じであるか、その強度より大きくなる。
【0075】
標準的なサンプル5の銅中心導体及びサンプル4の二つのサンプルが、333912サイクルの持続の試験で一度も破損しない条件で、そのサンプル5の 銅中心導体は、屈曲状態で1838サイクルしか持続しなかったが、一方、そのサンプル4は、最低限166681サイクルの持続をしたことが、屈曲寿命の試験をすることによって理解できる。また、破損状態になる前で試験の終了後(218512サイクル)に、合金中心導体のサンプル6を取り外した。
【0076】
合金中心導体を有する全てのケーブルは、試験をした市販のケーブルと比較して平均屈曲性能を凌駕した。
【0077】
本発明は、ある好ましい実施形態を参照して例示をしたが、それらの実施形態に限定する意図はない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲内を充分に定める意図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)有効外径を有する中心導体、
(b)該中心導体の周囲に位置する誘電性材料及び、
(C)該誘電性材料の周囲に位置する外側導体又はシールドを含むケーブルであって、該シールドが有効内径を有し、
(d)該中心導体が、2.026×10-3cm2(3.141×10-4in2)以下の断面積を有し、
(e)該ケーブルが、約49pF/m(約15pF/ft)以下の静電容量を有し、
(f)該ケーブルが、111N(25lbf)以上の引張力条件下で電気的導通性を維持し、
(g)該ケーブルが約30000サイクル超の屈曲寿命を有し、及び、
(h)該ケーブルが音楽楽器ケーブルである、
ケーブル。
【請求項2】
前記中心導体が1.140×10-3cm2(1.767×10-4in2)以下の断面積を有する、請求項1に記載のケーブル。
【請求項3】
前記中心導体が銅を含む、請求項1に記載のケーブル。
【請求項4】
前記中心導体が,約241N/mm2(約35ksi)超の引張強度を有する銅を含む、請求項1に記載のケーブル。
【請求項5】
前記中心導体が合金を含む、請求項1に記載のケーブル。
【請求項6】
前記中心導体がベリリウムと銅との合金を含む、請求項1に記載のケーブル。
【請求項7】
前記シールドが編組構造であって、撚り線が該編組構造の軸から40度未満の角度に位置する、請求項1に記載のケーブル。
【請求項8】
前記シールド有効内径の前記中心導体有効外径に対する比が約8超である、請求項1に記載のケーブル。
【請求項9】
前記シールド有効内径の前記中心導体有効外径に対する比が約10超である、請求項1に記載のケーブル。
【請求項10】
前記シールド有効内径の前記中心導体有効外径に対する比が約12超である、請求項1に記載のケーブル。
【請求項11】
前記静電容量が約39pF/m(約12pF/ft)以下である、請求項1に記載のケーブル。
【請求項12】
前記静電容量が約33pF/m(約10pF/ft)以下である、請求項1に記載のケーブル。
【請求項13】
前記ケーブルが約222N(約50lbf)以上の引張力条件下で電気的導通性を維持する、請求項1に記載のケーブル。
【請求項14】
前記ケーブルが約445N(約100lbf)以上の引張力条件下で電気的導通性を維持する、請求項1に記載のケーブル。
【請求項15】
前記屈曲寿命が約150000サイクル以上である、請求項1に記載のケーブル。
【請求項16】
前記屈曲寿命が約275000サイクルである、請求項1に記載のケーブル。
【請求項17】
前記音楽楽器がパッシブタイプの磁気ピックアップを含む、請求項1に記載のケーブル。
【請求項18】
前記音楽楽器が弦楽器である、請求項1に記載のケーブル。
【請求項19】
前記中心導体がベリリウムと銅との合金を含み、及び1.140×10-3cm2(1.767×10-4in2)以下の断面積を有し、前記シールド有効内径の前記中心導体有効外径に対する比が約8超であり、前記静電容量が約33pF/m(約10pF/ft)であり、前記引張強度が約445N(約100lbf)であり、並びに前記屈曲寿命が約275000サイクルである、請求項18に記載のケーブル。
【請求項20】
パッシブタイプの磁気ピックアップと組み合わさる請求項1に記載のケーブルを含む物品。
【請求項21】
前記パッシブタイプの磁気ピックアップを含む弦楽器を更に含む、請求項20に記載の物品。
【請求項22】
パッシブタイプの磁気ピックアップと組み合わさる請求項19に記載のケーブルを含む物品。
【請求項23】
前記パッシブタイプの磁気ピックアップを含む弦楽器を更に含む、請求項22に記載の物品。
【請求項24】
(a)有効外径を有する中心導体、
(b)該中心導体の周囲に位置する補強層、
(C)該補強のポリマーの周囲に位置する誘電性材料及び、
(d)該誘電性材料の周囲に位置する外側導体又はシールドを含むケーブルであって、該シールドが有効内径を有し、
(e)該中心導体が、2.026×10-3cm2(3.141×10-4in2)以下の断面積を有し、
(f)該ケーブルが、約49pF/m(約15pF/ft)以下の静電容量を有し、
(g)該ケーブルが、111N(25lbf)以上の引張力条件下で電気的導通性を維持し、
(h)該ケーブルが約30000サイクル超の屈曲寿命を有し、及び
(i)該ケーブルが音楽楽器ケーブルである、
ケーブル。
【請求項25】
前記補強層がePTFEを含む、請求項24に記載のケーブル。
【請求項26】
前記補強層が、フルオロポリマー、熱硬化性又は熱可塑性ポリマー、セルロース系材料及び金属箔からなる群から選択される、請求項24に記載のケーブル。
【請求項27】
(a)中心導体、
(b)該中心導体に接触する非金属強度ファイバー、
(C)該中心導体の周囲に位置する誘電性材料及び
(d)該誘電性材料の周囲に位置する外側導体又はシールドを含むケーブルであって、該中心導体が、2.026×10-3cm2(3.141×10-4in2)以下の断面積を有し、
(e)該ケーブルが、約49pF/m(約15pF/ft)以下の静電容量を有し、
(f)該ケーブルが、111N(25lbf)以上の引張力条件下で電気的導通性を維持し、
(h)該ケーブルが約30000サイクル超の屈曲寿命を有し、及び
(i)該ケーブルが音楽楽器ケーブルである、
ケーブル。
【請求項28】
(a)中心導体、
(b)該中心導体に接触しない強度ファイバー、
(C)該中心導体の周囲に位置する誘電性材料及び
(d)該誘電性材料の周囲に位置する外側導体又はシールドを含むケーブルであって、該中心導体が、2.026×10-3cm2(3.141×10-4in2)以下の断面積を有し、
(e)該ケーブルが、約49pF/m(約15pF/ft)以下の静電容量を有し、
(f)該ケーブルが、111N(25lbf)以上の引張力条件下で電気的導通性を維持し、
(h)該ケーブルが約30000サイクル超の屈曲寿命を有し、及び
(i)該ケーブルが音楽楽器ケーブルである、
ケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−518579(P2010−518579A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549144(P2009−549144)
【出願日】平成20年2月11日(2008.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/001853
【国際公開番号】WO2008/100513
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】