張力インジケーターを備えるヘッドバンド
着用者の頭部の周りにフィットするようなサイズである低伸縮セグメント、およびこの低伸縮セグメントよりも小さい弾性セグメントを有し、そして自由端部および取付け端部を有し、この弾性セグメントが、この取付け端部でこの低伸縮セグメントに取付けられている、ヘッドバンドが提供される。このヘッドバンドはまた、第1の端部および第2の端部を有するタブ部分をさらに備え、このタブ部分の第1の端部は上記弾性部分の自由端部に接続され、このタブ部分の第2の端部は、着用者の頭部の周りで上記低伸縮セグメントとともに閉じたループを形成するように構成されている。このヘッドバンドはまた、この弾性セグメントの自由端部の伸長位置をモニタリングするように構成されている視覚的インジケーター、および必要に応じて上記弾性セグメントに対して係合しこの弾性セグメントの伸縮を制限するように構成されている止め具部分をさらに備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2003年10月1日出願の出願番号第10/677,742号の一部継続出願であり、この出願の教示は、その全体がすべての目的のために本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の背景)
本発明は、ヘッドバンドに関し、特に、ヘッドバンドが適切に伸長されているときを示すための張力インジケーターを有し、従って着用者の頭部に適切なレベルの圧力を伝え得るヘッドバンドに関する。
【背景技術】
【0003】
種々のヘッドバンドデバイスが公知である。これらとしては、競技タイプのヘッドバンドデバイス、および頭部に保持されるデバイスを取付けるために使用されるヘッドバンドのようなより精巧なヘッドバンドデバイスが挙げられる。中には、特定のレベルの圧力をヘッドバンドの下にある領域に付与するために使用されるヘッドバンドデバイスもある。このように付与される圧力は、例えば、そのヘッドバンドの着用者のための医療用センサーを支持するのに有用である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況では、張力インジケーターを有する改良されたヘッドバンドに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の簡単な要旨)
本発明の実施形態は、ヘッドバンドデバイスに関する。1つの実施形態では、本発明は、着用者の頭部の周りにフィットするようなサイズである低伸縮セグメント;およびこの低伸縮セグメントよりも小さい弾性セグメントを有するヘッドバンドを提供する。この弾性セグメントは、自由端部および取付け端部を有し、この弾性セグメントは、この取付け端部でこの低伸縮セグメントに取付けられ、この弾性セグメントの自由端部は、着用者の頭部の周りでこの低伸縮セグメントと閉じたループを形成するように構成されている。
【0006】
1つの局面では、このヘッドバンドはまた、この弾性セグメントの自由端部の伸長位置をモニタリングするように構成されている視覚的インジケーターを備える。
【0007】
この視覚的インジケーターは、この低伸縮セグメント上のノッチ、線、マーキングまたはこれらの組合せであり得る。
【0008】
1つの局面では、このヘッドバンドはまた、止め具部分をさらに備え、この止め具部分は、上記弾性セグメントに対して係合しこの弾性セグメントの伸縮を制限するように構成されている。1つの実施形態では、この止め具部分は、上記低伸縮セグメントの幅および上記弾性セグメントの幅よりも小さい幅を有する開口部を備える。
【0009】
別の局面では、上記ヘッドバンドは、上記弾性セグメントの自由端部と上記低伸縮セグメントとを連結して上記閉じたループを固定するように構成されている閉鎖機構をさらに備える。この閉鎖機構は、フックとループ閉鎖具、スナップ、ボタン、接着剤、ピン、またはこれらの組合せであり得る。
【0010】
別の局面では、上記ヘッドバンドはまた、第1の端部および第2の端部を有するタブ部分をさらに備え、このタブ部分の第1の端部は上記弾性部分の自由端部に接続され、このタブ部分の第2の端部は上記低伸縮セグメントとともに閉じたループを形成するように構成されている。
【0011】
1つの局面では、上記タブ部分は、上記弾性部分ほどには弾性的でない。
【0012】
別の局面では、上記ヘッドバンドはまた、止め具部分をさらに備え、この止め具部分は、上記弾性セグメントに対して係合しこの弾性セグメントの伸縮を制限するように構成されている。上記タブ部分はまた、その第1の端部とこの止め具部分との間にインジケーター部分を備え、このインジケーター部分が見える場合、このインジケーター部分は、上記ヘッドバンドが再びぴんと張ることを必要としていることを示し、そしてこのインジケーター部分が見えない場合、このインジケーター部分が、静脈圧よりも高く毛細血管圧よりも低い範囲の圧力を上記着用者の前頭に送達していることに対応して、十分なレベルの張力を示すようになっている。
【0013】
別の局面では、本発明は、患者の前頭上の酸素計センサーに圧力を付与するためのヘッドバンドを提供する。このヘッドバンドは、着用者の頭部の周りにフィットするようなサイズである低伸縮セグメント、およびこの低伸縮セグメントよりも小さい弾性セグメントを備える。この弾性セグメントは、自由端部および取付け端部を有し、この弾性セグメントは、この取付け端部でこの低伸縮セグメントに取付けられている。このヘッドバンドはまた、第1の端部および第2の端部を有するタブ部分を備え、このタブ部分のこの第1の端部はこの弾性部分の自由端部に接続され、このタブ部分のこの第2の端部は着用者の頭部の周りでこの低伸縮セグメントと閉じたループを形成するように構成されている。このヘッドバンドはまた、視覚的インジケーターを備え、この視覚的インジケーターはこの弾性セグメントについての伸長位置を示すように構成されている。このヘッドバンドはまた、止め具部分を備え、この止め具部分は、この弾性セグメントに対して係合しこの弾性セグメントの伸縮を制限するように構成されている。この止め具部分は、この低伸縮セグメントの幅およびこの弾性セグメントの幅よりも小さい幅を有する開口部を備える。このヘッドバンドはまた、閉鎖機構を備え、この閉鎖機構は、この弾性セグメントの自由端部とこの低伸縮セグメントとを連結して上記閉鎖ループを固定するように構成されている。
【0014】
1つの局面では、上記タブ部分は、そのタブ部分上でその第1の端部と前記止め具部分との間に視覚的インジケーターを備え、このインジケーター部分が見える場合、このインジケーター部分は、上記ヘッドバンドが再びぴんと張ることを必要としていることを示し、そしてこのインジケーター部分が見えない場合、このインジケーター部分が、静脈圧よりも高く毛細血管圧よりも低い範囲の圧力をその患者の前頭に送達していることに対応して、十分なレベルの張力を示すようになっている。
【0015】
別の局面では、上記インジケーターは、上記低伸縮セグメント上のノッチ、線、マーキングである。
【0016】
本発明の性質および利点をさらに理解するために、添付の図面と組合わせて解釈される以下の記載が参照されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(発明の詳細な説明)
本発明の実施形態は、張力インジケーターを備えるヘッドバンドに関する。そのようなヘッドバンドは、患者にヘルスケア関連サービスの投与を支持するために使用され得る。そのようなサービスとしては、図1に示されるような、例えば酸素計測センサー(例えば、本願の譲受人である、Nellcor Puritan Bennettにより製造される酸素計測センサー)のようなセンサー101の患者の前頭での配置が挙げられる。代表的なパルスオキシメーターは、2つの生理学的パラメーターである、動脈血ヘモグロビンの酸素飽和%(SpO2または飽和)および脈拍速度を測定する。酸素飽和は、種々の技術を使用して見積もられ得る。1つの一般的な技術では、光検出器により発生される光電流が条件設定され、赤色〜赤外線のシグナルの変調比の比(比の比)を決定するように加工される。この変調比は、動脈の酸素飽和とよく相関することが観察されている。パルスオキシメーターおよびセンサーは、患者、健康なボランティアまたは動物の組について、インビボで測定された動脈酸素飽和量(SaO2)の範囲にわたって変調比を測定することにより、経験的に較正される。観察された相関は、患者の変調比の測定値に基づいて血中酸素飽和(SpO2)を見積もるのとは逆の様式で使用される。変調比を使用する酸素飽和の見積もりは、「METHOD AND APPARATUS FOR ESTIMATING PHYSIOLOGICAL PARAMETERS USING MODEL BASED ADAPTIVE FILTERING」と題する米国特許第5,853,364号(1998年12月29日発行)、および「METHOD AND APPARATUS FOR DETECTING OPTICAL PULSES」と題する米国特許第4,911,167号(1990年3月27日発行)に記載されており、そして酸素飽和と変調比との間の関係は、「MEDICAL SENSOR WITH MODULATED ENCODING SCHEME」と題する米国特許第5,645,059号(1997年7月8日発行)にさらに記載されている。これらの開示は、その全体が本明細書中に参考として援用される。ほとんどのパルスオキシメーターは、第1の決定された飽和または脈拍速度を有するプレチスモグラフィーシグナルを抽出する。例示的な前頭用酸素計センサーは、「Stacked Adhesive Optical Sensor」と題する同時係属中の米国特許出願番号第10/256,245号に記載されており、この開示の全体がすべての目的のために本明細書中に参考として援用される。
【0018】
この酸素計センサーに付与される力は、センサーの適正な機能における要因となり得る。特定の臨床シナリオでは、ヘッドバンド200は、図2に示されるように、前頭用センサー101(例えば、酸素計センサー)と組合わせて使用されることが必要とされる。図2は、センサー(示さず)から、ヘッドバンドの下方から外方向に延びるセンサーリード線を示す。このような臨床シナリオとしては、患者が頭部を胸部レベルの近くまたはそれより下にして横たわっている場合、患者が上昇した静脈圧に曝されている場合、患者が発汗している場合、運動の間のように患者が過度に動いている場合、および静脈の脈動が酸素計の計算に誤差を導入し得る他のシナリオが挙げられる。このようなシナリオでは、ヘッドバンドまたは酸素計測センサー上の力がなければ、静脈の脈動は、波形の誤った解釈を引き起こし得、それ故に酸素飽和値および脈拍速度値の正確な決定に満たない結果となり得る。ヘッドバンドは、酸素計測センサーに圧力を付与し、従って静脈の脈動の効果を低減するために使用される。酸素計測センサーを支持するために使用される場合、このセンサーにより前頭に付与される力の量は、静脈より大きく小動脈より小さくあるべきである。一般に、良好な圧力範囲は、付与される圧力が静脈圧(例えば、3〜5mmHg)より高く、そして毛細血管の圧力(例えば、22mmHg)よりも低い。好ましくは、これは、成人の患者においては10mmHgと20mmHgとの間にある。本発明の実施形態に従うヘッドバンドは、例えば、フックとループ閉鎖機構のような調節可能な閉鎖機構を使用することにより、あらゆるサイズの着用者での使用のために調整され得る。あるいは、ヘッドバンドは、着用者の頭部の一般的なサイズに依存して様々なサイズに提供され得る。例えば、新生児に対しては小さいヘッドバンドを使用し、子供に対してはより大きいものを使用し、そして成人の着用者に対してはさらにより大きいものを使用する。使用者は、ヘッドバンドが着用者の頭部の周りに配置される間、ヘッドバンドに付与されている張力の量に依存して、広範な範囲の圧力を前頭の酸素計測センサーに付与し得る。
【0019】
本発明の実施形態は、前頭の周りへの配置の間のヘッドバンドに必要とされる適正量の張力の視覚的インジケーターを介護提供者に提供することにより、介護提供者よる推量を軽減することを意図している。必要とされる張力は、ヘッドバンドが患者に取付けられていいる場合にそのセンサーにより付与されている圧力に関連する。
【0020】
図3に示される1つの実施形態では、弾性のヘッドバンド102が、未引き伸ばし位置で示される。非弾性布地104は、そのエッジ106のうちの2つに沿って弾性部分102に取付けられて示される。この非弾性部分の他の2つのエッジは、上記弾性セグメントには取付けられておらず、従ってこの弾性セグメントの面から離れて外側に自由に突出している。この非弾性セグメントは、弾性セグメントよりも小さい。この非弾性セグメントは、その弾性セグメントが引き伸ばされた場合にその弾性セグメントの一部にまたがるようなサイズである。非弾性セグメントは、弾性セグメントが引き伸ばされていない場合にそれがまたがる弾性セグメントの一部分よりも大きい。弾性セグメント102が、その非引き伸ばし位置から引き伸ばされるとき、非弾性部分は、エッジ間の弾性部分が上記非弾性部分の長さと等しい長さに伸びるまで、そのエッジ106で伸びている弾性セグメント102に沿って引かれる。このヘッドバンドはまた、閉鎖機構(示さず)を備え、この閉鎖機構は、図4に関連して以下で説明される。図5は、使用者によって着用されて示される、本発明に従うヘッドバンドの1つの実施形態の前面図を示す。このヘッドバンドは、図2に示されるように、患者の前頭に適用された酸素計測センサーのようなセンサーを保持し、それに対して圧力を付与するために使用され得ることが注記される。張力インジケーターを説明する際の明瞭さのために、そのようなセンサーは、図5〜7には示されていない。図6は、使用者によって着用されている場合の適正な張力で示される、本発明に従うヘッドバンド102の1つの実施形態の上面図である。この図に示されるように、ヘッドバンドが適正にぴんと張られている場合、圧力インジケーター部分104は、弾性部分102にわたってきつく引っ張られ、従ってヘッドバンドが再びぴんと張られる必要があるという視覚による表示を提供しない。他方、図7は、使用者によって着用されている場合の適正な張力より低い張力で示される、本発明に従うヘッドバンドの実施形態の上面図を示す。図7に示されるように、不十分な圧力がヘッドバンドにより使用者の前頭に付与されている場合、またはそのヘッドバンドが十分に張られていない場合、インジケーター104は、その表面から外に突出し、ループを生成する。このループは、ヘッドバンドが再びぴんと張られることを必要とするという視覚による合図を提供する。
【0021】
ヘッドバンドが引き伸ばされていない場合、非弾性部分と弾性部分との間にある量のたるみが存在する。ヘッドバンドが引き伸ばされる場合、この非弾性ストラップのたるみは排除され、ヘッドバンドの引き伸ばしが十分であるという視覚による表示を与える。ヘッドバンドは、使用者(または患者)の頭部の周りにフィットするに十分長いように選択される。弾性材料は、連続気泡ポリウレタンフォームのような任意の適切な布地から作製され得る。非弾性ストラップは、弾性部分より短く、このストラップは、非弾性部分の長さよりも短い間隔で、弾性ヘッドバンドの上に縫い付けられるかまたは別の方法で(例えば、接着剤によるなど)取付けられる。非弾性材料は、Darcron型布地のような任意の適切な布地から作製され得る。
【0022】
図4は、本発明に従うヘッドバンドの代替の実施形態の図解である。弾性ヘッドバンド102は、引き伸ばされていない位置で示されている。非弾性布地104は、弾性部分102のエッジ106のうちの2つに沿って弾性部分102に取付けられて示される。非弾性部分の他の2つのエッジは、弾性セグメントに取付けられておらず、従って弾性セグメントの面から離れて外方向に自由に突出している。非弾性セグメント104は、弾性セグメント102よりも小さい。非弾性セグメントは、弾性セグメントが引き伸ばされたときに弾性セグメントの一部にまたがるようなサイズである。非弾性セグメントは、弾性セグメントが引き伸ばされていないときにそれがまたがる弾性セグメントの一部よりも大きい。弾性セグメント102がその非引き伸ばし位置から引き伸ばされたとき、非弾性部分は、エッジ間の弾性部分が上記非弾性部分の長さと等しい長さに伸びるまで、そのエッジ106で、伸びている弾性セグメント102に沿って引かれる。
【0023】
図4はまた、永続的な折り目またはひだ110を収容するための非弾性部分を示す。図4Aに示されるように、そのようなひだ110は、非弾性部分を重ねてひだを形成し、次いでその布地を熱プレスするかまたは熱シールして永続的な折り目またはひだを形成することにより、作製され得る。1つの実施形態では、そのひだまたは折り目は、非弾性セグメントの中央に作製され、これにより、弾性的なバンド102が縮むかまたは緩和したときに、ひだまたは折り目が、鋭角的な角度のついた様式で外方向に突出するようになる。作動中は、鋭角的な角度のついた折り目またはひだは、機械的な増幅器として作用し、そして最小のヘッドバンド張力の閾値を過ぎた場合に関するより際立った視覚的合図およびよりよい感度を提供する。この折り目のついた張力インジケーター110は、歪んだ様式で弾性的バンドからさらに離れて突出することにより、ヘッドバンドの張力の減少に対する向上した感度を示す。この折り目のついた張力インジケーター110は、遠くから直接前頭を見る場合および前頭の上方(エッジ)を見下ろす場合の両方から、より目立つ視覚的合図を提供する。ひだまたは折り目を有する非弾性部分のために選択される材料は、折り目がないかまたはひだのない非弾性材料に類似し得る。さらに、折り目またはひだを保持し得るポリエステル織物材料もまた、使用され得る。弾性材料は、上記のような材料から作製され得るか、またはテリーバンドのような他の適切な材料を使用して作製され得る。
【0024】
ヘッドバンドが引き伸ばされていない場合、非弾性部分と弾性部分との間にある量のたるみが存在する。ヘッドバンドが引き伸ばされる場合、この非弾性ストラップのたるみは排除され、ヘッドバンドの引き伸ばしが十分であるという視覚による表示を与える。
【0025】
また図4に示され、そして図3に関連して説明される実施形態に当てはまるのは、閉鎖デバイス108である。1つのそのような閉鎖デバイスは、フックとループ型の閉鎖具である。本発明の実施形態に従うヘッドバンドは、スナップ、ボタン、接着剤、ピン、またはこれらの組合せ、ならびに関連する分野の当業者に公知の他の他の閉鎖機構のような他の閉鎖機構を使用し得る。あるいは、ヘッドバンドは、別の閉鎖具を備えない、前もって形成されたループであり得る。
【0026】
上に記載されるヘッドバンドは、センサー取付け圧力インジケーターを備える。上に記載されたように、ヘッドバンドは、患者の組織の位置(例えば、前頭など)に対する、静脈の脈動(例えば、5〜10mmHg)よりも高いが最大量(例えば、30mmHgなど)よりも低いセンサーの取付け圧力が選択されることを可能にするために使用され得る。上に記載されるように、このような圧力インジケーターは、ヘッドバンドに取付けられる。あるいは、この圧力インジケーターは、酸素計測センサーのようなセンサーに取付けられ得る。圧力インジケーターの1つの実施形態は、図3〜4を参照して説明されるような張力インジケーターである。他の圧力表示手段としては、センサーまたはヘッドバンドアセンブリのいずれかとともに収容されるに十分小さくて軽い圧力センサーまたは力センサーが挙げられる。
【0027】
圧力インジケーターにより提供される情報は、患者に対するセンサーの取り付けのための受容可能な圧力ウィンドウを確立するのを支援するために使用され得る。この受容可能な圧力ウィンドウはまた、患者の頭部を患者の心臓に対してより高い位置に置く影響を含めるように広げられ得る。
【0028】
さらに、受容可能なセンサー取り付け圧力を確実にするためのヘッドバンドの使用の概念は、患者の身体の他の位置、センサー取付け圧力がより正確なセンサーの読み値を提供するのに役立ち得る位置へ広げられる。
【0029】
本発明に従う張力表示ヘッドバンドまたは圧力表示ヘッドバンドの代替の実施形態は、図8に示される。図8に示されるように、そのヘッドバンドは、非弾性部分604および弾性部分602を備える。張力表示部分606はまた、非弾性材料から作製される。張力表示部分606は、図4に関連して記載されたように、折り目またはひだを有していてもよく、または図3に関連して記載されたように折り目もひだも有していなくてもよい。閉鎖デバイスの説明、ならびに弾性部分および非弾性部分の互いへの取付け方法もまた、上に示されている。この実施形態では、主要な伸縮部分は、弾性部分602である。いったんヘッドバンドが引き伸ばされて、その結果セクション602がセクション606の長さに合うように引き伸ばされると、ヘッドバンドの引き伸ばしは制限される。この実施形態は、より短い弾性部分を有することにより、ヘッドバンドの伸長を制限し、従って使用者の前頭または使用者の前頭に適用されるセンサーに対してヘッドバンドにより付与され得る圧力の範囲を制限する。
【0030】
図9は、本発明に従うヘッドバンドの別の実施形態の図解である。ヘッドバンドは、小さい制御された量の圧力を着用者の前頭に付与する目的で使用され得る。上に示されるように、酸素計測センサーを支持するために使用される場合、前頭上のセンサーにより付与される力の量は、静脈圧よりも高いが、小動脈の圧力よりも低くあるべきである。一般に、良好な圧力範囲は、付与される圧力が静脈圧(例えば、3〜5mmHg)より高く、そして毛細血管の圧力(例えば、22mmHg)よりも低い範囲である。好ましくは、これは、成人の患者では、10mmHgと20mmHgとの間である。本発明の実施形態に従うヘッドバンドは、例えばフックとループの閉鎖機構のような調整可能な閉鎖機構を使用することにより、あらゆるサイズの着用者との使用のために調整され得る。あるいは、ヘッドバンドは、着用者の頭部の一般的なサイズに依存して様々なサイズで提供され得る。例えば、新生児に対しては小さいヘッドバンドを使用し、子供に対してはより大きいものを使用し、そして成人の着用者に対してはさらにより大きいものを使用する。使用者は、ヘッドバンドが着用者の頭部の周りに配置される間、ヘッドバンドに付与されている張力の量に依存して、広範な範囲の圧力を前頭の酸素計測センサーに付与し得る。1つの実施形態では、着用者の頭部の異なる頭部サイズは、一揃いの異なるサイズのヘッドバンドを提供することにより対応され得る。この一揃いのヘッドバンドは、最小のサイズで始まり徐々に大きいサイズのヘッドバンドへと変化し、すべてが本明細書中に記載される共通の特徴を有する。別の実施形態では、フックとループ型の閉鎖デバイスが、低伸縮バンド(以下に記載される)の背面全体が嵌合するフックとループを有するヘッドバンドの端部と係合し得るように構成される。このようにして、1つのサイズのヘッドバンドが、あらゆるサイズの頭部に適応するようにされ得る。さらなる詳細は、以下に記載される。
【0031】
図9に示される実施形態は、臨床医が、適正な張力で以下に記載される直感的な様式で正確にかつ一貫してヘッドバンドを適用することを可能にする。図9に示されるように、ヘッドバンドは、その端部にまたはその端部の近くに、そして好ましくはその外面の一部またはその全体に、閉鎖デバイス208を有する実質的に非弾性であるかまたは低伸縮性のバンド202を備える。1つのそのような閉鎖デバイスは、フックとループ型の閉鎖具である。本発明の実施形態に従うヘッドバンドは、スナップ、ボタン、接着剤、ピンまたはこれらの組合せ、ならびに関連する分野の当業者に公知の他の閉鎖機構を使用し得る。非弾性または低伸縮性のバンド202は、ナイロン、ポリエステルまたは等価な材料のような上に記載されたものを含めたあらゆるタイプの低伸縮性の布地から作製され得る。
【0032】
上記ヘッドバンドは、特定の長さの弾性セグメント204を備え、いったん引き伸ばされ、1つの端部203で患者の頭部に巻きつく低伸縮性材料(すなわちバンド202)の外に面した側に取付けられると、特定のばね力を提供する。1つの端部203でのバンド202への弾性セグメント204の取付けは、203でのセグメント204の202への縫付けにより達成され得る。あるいは、セグメント204は、接着剤により203でバンド202に取付けられ得る。他の自由端部205では、弾性セグメント204は、上に記載されるように(例えば、VelcroTMフック材料のパッチを有する非弾性材料)閉鎖デバイス208を使用してバンド202のセグメントに取付けられるように構成される。1つの実施形態では、上記弾性セグメントの自由端部205は、低伸縮部分またはタブ206に取付けられ、この低伸縮部分またはタブ206は、閉鎖デバイス208を使用してバンド202のセグメントに取付けられ、閉鎖ループを形成する。バンド206は、ループを通るベルトと類似の様式で、止め具207にあるバンド202のスロットを通して滑る。適正な張力を付与し、そして従って適正量の圧力を皮膚に対して、頭部の周りに巻かれた低伸縮性材料のバンド202に付与するために、弾性セグメント204は、制御された距離を引き伸ばされ、そして閉鎖デバイス208を使用して低伸縮性のストリップ202に取付けられる。弾性セグメント204の伸縮は、それが物理的止め具に出会うときに制御される。1つの実施形態では、その物理的止め具は、バンド202中の止め具207の開口部よりもわずかに大きいサイズの弾性部分204の幅を有することにより提供され、従って、いったん特定の距離を引き伸ばされると、弾性部分204は、物理的止め具207に出会う。止め具207は、弾性部分204より幅がわずかに小さいバンド202中の開口部であり得る。あるいは、止め具は、バンド202に縫付けられるかまたはそれに取付けられるベルトループと形状および機能が類似している幅の狭いバンドにより提供され得る。弾性部分204をバンド202に対して引き伸ばしかつ固定することにより、弾性セグメント204の張力は、患者の頭部の周りで巻かれた低伸縮性ストリップ全体に伝達される。この制御された張力は、今度は、患者の前頭の皮膚に対する制御された圧力に変換される。言い換えると、バンドの適正な張力および従って患者の前頭に対する適正な圧力は、患者の頭部の周りでバンド202を巻きつけ、次いで弾性セグメントのエッジ210が止め具207に出会うまで、直接にかまたは部材206上の引張り力を介して弾性セグメントを引張って弾性セグメントを伸長し、そして閉鎖デバイス208を使用して、セグメント206の自由端部をバンド202に対して固定することにより達成される。
【0033】
ヘッドバンドはまた、弾性部分204の伸縮をモニタリングするのに使用される視覚的インジケーターを備える。1つの実施形態では、タブ206は、弾性部分205の自由端部と止め具207との間に視覚的インジケーター部分211を備え、ヘッドバンドが適正に引っ張られるとき、弾性部分204が引き伸ばされ、従って弾性部分204が止め具207に隣接するので、部分211はもはや見えない。あるいは、ヘッドバンドは、視覚的インジケーター212(図10D’および10D”に示される)を備え、これによりセグメント204が引き伸ばされるとき、インジケーター212に対する弾性セグメント204の自由端部のエッジの視覚的モニタリングが可能になる。インジケーター212は、ノッチとして示されているが、それは、線または任意の他の適切なマーカーであり得る。本明細書中で記載されるヘッドバンドは、弾性セグメント204の伸縮をモニタリングおよび/または制御する構造を提供する。弾性セグメントの伸縮は、止め具207により制御される。止め具207は、上記のように、弾性セグメントの伸縮が制限されることを確実にする。例えば、臨床医は、この弾性セグメントを過剰に引き伸ばすことを妨げられる。なぜなら、その弾性セグメントの自由端部は、いったんそれが完全に引き伸ばされると、止め具207に出会うからである。視覚的インジケーター211または212により、弾性セグメントの伸縮量のモニタリングが可能になる。さらに、このセグメントの張力または伸縮が十分であることは、インジケーター211またはインジケーター212に対するそのセグメントの自由端部の位置のいずれかを観察することにより、視覚的にモニタリングされる。そうして、例えば、いったんヘッドバンドが適正に適用されると、ヘッドバンドまたはその一部分はゆるみ得ることが予想され、そしてその場合には視覚的インジケーターは、ヘッドバンドが再びぴんと張られる必要があることを示す。
【0034】
図10A〜Eは、図9のヘッドバンドを患者の頭部に置く方法を示す図解である。説明を容易にするために、患者またはヘッドバンド着用者は、背中を表面に置き上を向いて横たわっていることが仮定されている。図10Aに示されるように、まずヘッドバンドが、弾性セグメント側が下を向き、前頭用酸素計測センサー300の側と同じ側にあるようにして、患者の頭部の下に置かれる。配置を容易にするために、バンドの長さが弾性セグメント側により延びることが好ましい。次に、図10Bに示されるように、短いほうの端部が患者の前頭に向かって巻かれる。次に、図10Cに示されるように、弾性セグメント側が、患者の前頭上にセンサー300を覆うように巻かれる。ヘッドバンドの弾性部分にセンサー設計の輪郭を提供することが好ましいかも知れない。この場合、前頭用センサーの弾性バンド部分の上のこのセンサーの輪郭をセンサー300とほぼ整列させることが好ましい。次に、図10Dに示されるように、弾性部分204が止め具207に届き、このバンドのインジケーターまたは視覚的部分211がもはや見えなくなるまで、タブ206が引っ張られる。タブ206は、バンドが十分に引き伸ばされていない場合、図10Cの弾性部分204と止め具207との間に部分的に見えている部分211(例えば、インジケーター部分)を有し、そして図10Dおよび10Eに示されるように、弾性部分が十分に引き伸ばされる場合、同じタブ部分211(例えば、インジケーター部分)は、弾性部分204と止め具207との間にもはや見えないことに留意のこと。あるいは、図10D’〜D”に示されるように、上記弾性セグメント側が患者の前頭にセンサー300を覆うように巻かれた後、弾性セグメント204が位置マークまたはインジケーター212に届くまで、タブ206は引張られる。十分に引き伸ばされたヘッドバンドは、ヘッドバンドに十分な張力を与えることを可能にされており、従って前頭および前頭とヘッドバンドとの間に配置されるセンサーに対して十分な圧力を与えることを可能にされている。それゆえに、タブ部分211が、弾性部分204と止め具207との間で見えていないとき、または弾性セグメントが適正にインジケーター212と整列されていないとき、または弾性部分がその止め具に対して十分に引き伸ばされていない場合、臨床医は、適正な圧力が着用者の前頭に付与されているというインジケーターを有する。
【0035】
図11は、適正な張力で、患者の頭部に置かれた場合の図9のヘッドバンドの上面図である。理解され得るように、バンド202は、患者の頭部の周りに巻かれ、弾性部分204は、十分に引き伸ばされ、タブ部分206を介してバンド202と固定されている。
【0036】
当業者に理解されるように、本発明は、本発明の必須の特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で具現化され得る。これらの他の実施形態は、添付の特許請求の範囲に示される本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、患者に適用されている前頭用酸素計センサーの図解である。
【図2】図2は、ヘッドバンドで患者の前頭に保持されている前頭用酸素計センサーの図解である。
【図3】図3は、本発明に従うヘッドバンドの1つの実施形態の図解である。
【図4】図4は、本発明に従うヘッドバンドの代替の実施形態の図解である。図4Aは、図4の折り目またはひだの上面詳細図である。
【図5】図5は、使用者によって着用されている、本発明に従うヘッドバンドの1つの実施形態の前面図である。
【図6】図6は、使用者によって着用されている場合の適正な張力で示される、本発明に従うヘッドバンドの1つの実施形態の上面図である。
【図7】図7は、使用者によって着用されている場合の適正な張力より低い張力で示される、本発明に従うヘッドバンドの実施形態の上面図である。
【図8】図8は、本発明に従うヘッドバンドの別の実施形態の図解である。
【図9】図9は、本発明に従うヘッドバンドの別の実施形態の図解である。
【図10】図10A〜Eは、図9のヘッドバンドを患者の頭部に置く方法を示す図解である。
【図11】図11は、患者の頭部に置かれた場合の図9のヘッドバンドの上面図である。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2003年10月1日出願の出願番号第10/677,742号の一部継続出願であり、この出願の教示は、その全体がすべての目的のために本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の背景)
本発明は、ヘッドバンドに関し、特に、ヘッドバンドが適切に伸長されているときを示すための張力インジケーターを有し、従って着用者の頭部に適切なレベルの圧力を伝え得るヘッドバンドに関する。
【背景技術】
【0003】
種々のヘッドバンドデバイスが公知である。これらとしては、競技タイプのヘッドバンドデバイス、および頭部に保持されるデバイスを取付けるために使用されるヘッドバンドのようなより精巧なヘッドバンドデバイスが挙げられる。中には、特定のレベルの圧力をヘッドバンドの下にある領域に付与するために使用されるヘッドバンドデバイスもある。このように付与される圧力は、例えば、そのヘッドバンドの着用者のための医療用センサーを支持するのに有用である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況では、張力インジケーターを有する改良されたヘッドバンドに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の簡単な要旨)
本発明の実施形態は、ヘッドバンドデバイスに関する。1つの実施形態では、本発明は、着用者の頭部の周りにフィットするようなサイズである低伸縮セグメント;およびこの低伸縮セグメントよりも小さい弾性セグメントを有するヘッドバンドを提供する。この弾性セグメントは、自由端部および取付け端部を有し、この弾性セグメントは、この取付け端部でこの低伸縮セグメントに取付けられ、この弾性セグメントの自由端部は、着用者の頭部の周りでこの低伸縮セグメントと閉じたループを形成するように構成されている。
【0006】
1つの局面では、このヘッドバンドはまた、この弾性セグメントの自由端部の伸長位置をモニタリングするように構成されている視覚的インジケーターを備える。
【0007】
この視覚的インジケーターは、この低伸縮セグメント上のノッチ、線、マーキングまたはこれらの組合せであり得る。
【0008】
1つの局面では、このヘッドバンドはまた、止め具部分をさらに備え、この止め具部分は、上記弾性セグメントに対して係合しこの弾性セグメントの伸縮を制限するように構成されている。1つの実施形態では、この止め具部分は、上記低伸縮セグメントの幅および上記弾性セグメントの幅よりも小さい幅を有する開口部を備える。
【0009】
別の局面では、上記ヘッドバンドは、上記弾性セグメントの自由端部と上記低伸縮セグメントとを連結して上記閉じたループを固定するように構成されている閉鎖機構をさらに備える。この閉鎖機構は、フックとループ閉鎖具、スナップ、ボタン、接着剤、ピン、またはこれらの組合せであり得る。
【0010】
別の局面では、上記ヘッドバンドはまた、第1の端部および第2の端部を有するタブ部分をさらに備え、このタブ部分の第1の端部は上記弾性部分の自由端部に接続され、このタブ部分の第2の端部は上記低伸縮セグメントとともに閉じたループを形成するように構成されている。
【0011】
1つの局面では、上記タブ部分は、上記弾性部分ほどには弾性的でない。
【0012】
別の局面では、上記ヘッドバンドはまた、止め具部分をさらに備え、この止め具部分は、上記弾性セグメントに対して係合しこの弾性セグメントの伸縮を制限するように構成されている。上記タブ部分はまた、その第1の端部とこの止め具部分との間にインジケーター部分を備え、このインジケーター部分が見える場合、このインジケーター部分は、上記ヘッドバンドが再びぴんと張ることを必要としていることを示し、そしてこのインジケーター部分が見えない場合、このインジケーター部分が、静脈圧よりも高く毛細血管圧よりも低い範囲の圧力を上記着用者の前頭に送達していることに対応して、十分なレベルの張力を示すようになっている。
【0013】
別の局面では、本発明は、患者の前頭上の酸素計センサーに圧力を付与するためのヘッドバンドを提供する。このヘッドバンドは、着用者の頭部の周りにフィットするようなサイズである低伸縮セグメント、およびこの低伸縮セグメントよりも小さい弾性セグメントを備える。この弾性セグメントは、自由端部および取付け端部を有し、この弾性セグメントは、この取付け端部でこの低伸縮セグメントに取付けられている。このヘッドバンドはまた、第1の端部および第2の端部を有するタブ部分を備え、このタブ部分のこの第1の端部はこの弾性部分の自由端部に接続され、このタブ部分のこの第2の端部は着用者の頭部の周りでこの低伸縮セグメントと閉じたループを形成するように構成されている。このヘッドバンドはまた、視覚的インジケーターを備え、この視覚的インジケーターはこの弾性セグメントについての伸長位置を示すように構成されている。このヘッドバンドはまた、止め具部分を備え、この止め具部分は、この弾性セグメントに対して係合しこの弾性セグメントの伸縮を制限するように構成されている。この止め具部分は、この低伸縮セグメントの幅およびこの弾性セグメントの幅よりも小さい幅を有する開口部を備える。このヘッドバンドはまた、閉鎖機構を備え、この閉鎖機構は、この弾性セグメントの自由端部とこの低伸縮セグメントとを連結して上記閉鎖ループを固定するように構成されている。
【0014】
1つの局面では、上記タブ部分は、そのタブ部分上でその第1の端部と前記止め具部分との間に視覚的インジケーターを備え、このインジケーター部分が見える場合、このインジケーター部分は、上記ヘッドバンドが再びぴんと張ることを必要としていることを示し、そしてこのインジケーター部分が見えない場合、このインジケーター部分が、静脈圧よりも高く毛細血管圧よりも低い範囲の圧力をその患者の前頭に送達していることに対応して、十分なレベルの張力を示すようになっている。
【0015】
別の局面では、上記インジケーターは、上記低伸縮セグメント上のノッチ、線、マーキングである。
【0016】
本発明の性質および利点をさらに理解するために、添付の図面と組合わせて解釈される以下の記載が参照されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(発明の詳細な説明)
本発明の実施形態は、張力インジケーターを備えるヘッドバンドに関する。そのようなヘッドバンドは、患者にヘルスケア関連サービスの投与を支持するために使用され得る。そのようなサービスとしては、図1に示されるような、例えば酸素計測センサー(例えば、本願の譲受人である、Nellcor Puritan Bennettにより製造される酸素計測センサー)のようなセンサー101の患者の前頭での配置が挙げられる。代表的なパルスオキシメーターは、2つの生理学的パラメーターである、動脈血ヘモグロビンの酸素飽和%(SpO2または飽和)および脈拍速度を測定する。酸素飽和は、種々の技術を使用して見積もられ得る。1つの一般的な技術では、光検出器により発生される光電流が条件設定され、赤色〜赤外線のシグナルの変調比の比(比の比)を決定するように加工される。この変調比は、動脈の酸素飽和とよく相関することが観察されている。パルスオキシメーターおよびセンサーは、患者、健康なボランティアまたは動物の組について、インビボで測定された動脈酸素飽和量(SaO2)の範囲にわたって変調比を測定することにより、経験的に較正される。観察された相関は、患者の変調比の測定値に基づいて血中酸素飽和(SpO2)を見積もるのとは逆の様式で使用される。変調比を使用する酸素飽和の見積もりは、「METHOD AND APPARATUS FOR ESTIMATING PHYSIOLOGICAL PARAMETERS USING MODEL BASED ADAPTIVE FILTERING」と題する米国特許第5,853,364号(1998年12月29日発行)、および「METHOD AND APPARATUS FOR DETECTING OPTICAL PULSES」と題する米国特許第4,911,167号(1990年3月27日発行)に記載されており、そして酸素飽和と変調比との間の関係は、「MEDICAL SENSOR WITH MODULATED ENCODING SCHEME」と題する米国特許第5,645,059号(1997年7月8日発行)にさらに記載されている。これらの開示は、その全体が本明細書中に参考として援用される。ほとんどのパルスオキシメーターは、第1の決定された飽和または脈拍速度を有するプレチスモグラフィーシグナルを抽出する。例示的な前頭用酸素計センサーは、「Stacked Adhesive Optical Sensor」と題する同時係属中の米国特許出願番号第10/256,245号に記載されており、この開示の全体がすべての目的のために本明細書中に参考として援用される。
【0018】
この酸素計センサーに付与される力は、センサーの適正な機能における要因となり得る。特定の臨床シナリオでは、ヘッドバンド200は、図2に示されるように、前頭用センサー101(例えば、酸素計センサー)と組合わせて使用されることが必要とされる。図2は、センサー(示さず)から、ヘッドバンドの下方から外方向に延びるセンサーリード線を示す。このような臨床シナリオとしては、患者が頭部を胸部レベルの近くまたはそれより下にして横たわっている場合、患者が上昇した静脈圧に曝されている場合、患者が発汗している場合、運動の間のように患者が過度に動いている場合、および静脈の脈動が酸素計の計算に誤差を導入し得る他のシナリオが挙げられる。このようなシナリオでは、ヘッドバンドまたは酸素計測センサー上の力がなければ、静脈の脈動は、波形の誤った解釈を引き起こし得、それ故に酸素飽和値および脈拍速度値の正確な決定に満たない結果となり得る。ヘッドバンドは、酸素計測センサーに圧力を付与し、従って静脈の脈動の効果を低減するために使用される。酸素計測センサーを支持するために使用される場合、このセンサーにより前頭に付与される力の量は、静脈より大きく小動脈より小さくあるべきである。一般に、良好な圧力範囲は、付与される圧力が静脈圧(例えば、3〜5mmHg)より高く、そして毛細血管の圧力(例えば、22mmHg)よりも低い。好ましくは、これは、成人の患者においては10mmHgと20mmHgとの間にある。本発明の実施形態に従うヘッドバンドは、例えば、フックとループ閉鎖機構のような調節可能な閉鎖機構を使用することにより、あらゆるサイズの着用者での使用のために調整され得る。あるいは、ヘッドバンドは、着用者の頭部の一般的なサイズに依存して様々なサイズに提供され得る。例えば、新生児に対しては小さいヘッドバンドを使用し、子供に対してはより大きいものを使用し、そして成人の着用者に対してはさらにより大きいものを使用する。使用者は、ヘッドバンドが着用者の頭部の周りに配置される間、ヘッドバンドに付与されている張力の量に依存して、広範な範囲の圧力を前頭の酸素計測センサーに付与し得る。
【0019】
本発明の実施形態は、前頭の周りへの配置の間のヘッドバンドに必要とされる適正量の張力の視覚的インジケーターを介護提供者に提供することにより、介護提供者よる推量を軽減することを意図している。必要とされる張力は、ヘッドバンドが患者に取付けられていいる場合にそのセンサーにより付与されている圧力に関連する。
【0020】
図3に示される1つの実施形態では、弾性のヘッドバンド102が、未引き伸ばし位置で示される。非弾性布地104は、そのエッジ106のうちの2つに沿って弾性部分102に取付けられて示される。この非弾性部分の他の2つのエッジは、上記弾性セグメントには取付けられておらず、従ってこの弾性セグメントの面から離れて外側に自由に突出している。この非弾性セグメントは、弾性セグメントよりも小さい。この非弾性セグメントは、その弾性セグメントが引き伸ばされた場合にその弾性セグメントの一部にまたがるようなサイズである。非弾性セグメントは、弾性セグメントが引き伸ばされていない場合にそれがまたがる弾性セグメントの一部分よりも大きい。弾性セグメント102が、その非引き伸ばし位置から引き伸ばされるとき、非弾性部分は、エッジ間の弾性部分が上記非弾性部分の長さと等しい長さに伸びるまで、そのエッジ106で伸びている弾性セグメント102に沿って引かれる。このヘッドバンドはまた、閉鎖機構(示さず)を備え、この閉鎖機構は、図4に関連して以下で説明される。図5は、使用者によって着用されて示される、本発明に従うヘッドバンドの1つの実施形態の前面図を示す。このヘッドバンドは、図2に示されるように、患者の前頭に適用された酸素計測センサーのようなセンサーを保持し、それに対して圧力を付与するために使用され得ることが注記される。張力インジケーターを説明する際の明瞭さのために、そのようなセンサーは、図5〜7には示されていない。図6は、使用者によって着用されている場合の適正な張力で示される、本発明に従うヘッドバンド102の1つの実施形態の上面図である。この図に示されるように、ヘッドバンドが適正にぴんと張られている場合、圧力インジケーター部分104は、弾性部分102にわたってきつく引っ張られ、従ってヘッドバンドが再びぴんと張られる必要があるという視覚による表示を提供しない。他方、図7は、使用者によって着用されている場合の適正な張力より低い張力で示される、本発明に従うヘッドバンドの実施形態の上面図を示す。図7に示されるように、不十分な圧力がヘッドバンドにより使用者の前頭に付与されている場合、またはそのヘッドバンドが十分に張られていない場合、インジケーター104は、その表面から外に突出し、ループを生成する。このループは、ヘッドバンドが再びぴんと張られることを必要とするという視覚による合図を提供する。
【0021】
ヘッドバンドが引き伸ばされていない場合、非弾性部分と弾性部分との間にある量のたるみが存在する。ヘッドバンドが引き伸ばされる場合、この非弾性ストラップのたるみは排除され、ヘッドバンドの引き伸ばしが十分であるという視覚による表示を与える。ヘッドバンドは、使用者(または患者)の頭部の周りにフィットするに十分長いように選択される。弾性材料は、連続気泡ポリウレタンフォームのような任意の適切な布地から作製され得る。非弾性ストラップは、弾性部分より短く、このストラップは、非弾性部分の長さよりも短い間隔で、弾性ヘッドバンドの上に縫い付けられるかまたは別の方法で(例えば、接着剤によるなど)取付けられる。非弾性材料は、Darcron型布地のような任意の適切な布地から作製され得る。
【0022】
図4は、本発明に従うヘッドバンドの代替の実施形態の図解である。弾性ヘッドバンド102は、引き伸ばされていない位置で示されている。非弾性布地104は、弾性部分102のエッジ106のうちの2つに沿って弾性部分102に取付けられて示される。非弾性部分の他の2つのエッジは、弾性セグメントに取付けられておらず、従って弾性セグメントの面から離れて外方向に自由に突出している。非弾性セグメント104は、弾性セグメント102よりも小さい。非弾性セグメントは、弾性セグメントが引き伸ばされたときに弾性セグメントの一部にまたがるようなサイズである。非弾性セグメントは、弾性セグメントが引き伸ばされていないときにそれがまたがる弾性セグメントの一部よりも大きい。弾性セグメント102がその非引き伸ばし位置から引き伸ばされたとき、非弾性部分は、エッジ間の弾性部分が上記非弾性部分の長さと等しい長さに伸びるまで、そのエッジ106で、伸びている弾性セグメント102に沿って引かれる。
【0023】
図4はまた、永続的な折り目またはひだ110を収容するための非弾性部分を示す。図4Aに示されるように、そのようなひだ110は、非弾性部分を重ねてひだを形成し、次いでその布地を熱プレスするかまたは熱シールして永続的な折り目またはひだを形成することにより、作製され得る。1つの実施形態では、そのひだまたは折り目は、非弾性セグメントの中央に作製され、これにより、弾性的なバンド102が縮むかまたは緩和したときに、ひだまたは折り目が、鋭角的な角度のついた様式で外方向に突出するようになる。作動中は、鋭角的な角度のついた折り目またはひだは、機械的な増幅器として作用し、そして最小のヘッドバンド張力の閾値を過ぎた場合に関するより際立った視覚的合図およびよりよい感度を提供する。この折り目のついた張力インジケーター110は、歪んだ様式で弾性的バンドからさらに離れて突出することにより、ヘッドバンドの張力の減少に対する向上した感度を示す。この折り目のついた張力インジケーター110は、遠くから直接前頭を見る場合および前頭の上方(エッジ)を見下ろす場合の両方から、より目立つ視覚的合図を提供する。ひだまたは折り目を有する非弾性部分のために選択される材料は、折り目がないかまたはひだのない非弾性材料に類似し得る。さらに、折り目またはひだを保持し得るポリエステル織物材料もまた、使用され得る。弾性材料は、上記のような材料から作製され得るか、またはテリーバンドのような他の適切な材料を使用して作製され得る。
【0024】
ヘッドバンドが引き伸ばされていない場合、非弾性部分と弾性部分との間にある量のたるみが存在する。ヘッドバンドが引き伸ばされる場合、この非弾性ストラップのたるみは排除され、ヘッドバンドの引き伸ばしが十分であるという視覚による表示を与える。
【0025】
また図4に示され、そして図3に関連して説明される実施形態に当てはまるのは、閉鎖デバイス108である。1つのそのような閉鎖デバイスは、フックとループ型の閉鎖具である。本発明の実施形態に従うヘッドバンドは、スナップ、ボタン、接着剤、ピン、またはこれらの組合せ、ならびに関連する分野の当業者に公知の他の他の閉鎖機構のような他の閉鎖機構を使用し得る。あるいは、ヘッドバンドは、別の閉鎖具を備えない、前もって形成されたループであり得る。
【0026】
上に記載されるヘッドバンドは、センサー取付け圧力インジケーターを備える。上に記載されたように、ヘッドバンドは、患者の組織の位置(例えば、前頭など)に対する、静脈の脈動(例えば、5〜10mmHg)よりも高いが最大量(例えば、30mmHgなど)よりも低いセンサーの取付け圧力が選択されることを可能にするために使用され得る。上に記載されるように、このような圧力インジケーターは、ヘッドバンドに取付けられる。あるいは、この圧力インジケーターは、酸素計測センサーのようなセンサーに取付けられ得る。圧力インジケーターの1つの実施形態は、図3〜4を参照して説明されるような張力インジケーターである。他の圧力表示手段としては、センサーまたはヘッドバンドアセンブリのいずれかとともに収容されるに十分小さくて軽い圧力センサーまたは力センサーが挙げられる。
【0027】
圧力インジケーターにより提供される情報は、患者に対するセンサーの取り付けのための受容可能な圧力ウィンドウを確立するのを支援するために使用され得る。この受容可能な圧力ウィンドウはまた、患者の頭部を患者の心臓に対してより高い位置に置く影響を含めるように広げられ得る。
【0028】
さらに、受容可能なセンサー取り付け圧力を確実にするためのヘッドバンドの使用の概念は、患者の身体の他の位置、センサー取付け圧力がより正確なセンサーの読み値を提供するのに役立ち得る位置へ広げられる。
【0029】
本発明に従う張力表示ヘッドバンドまたは圧力表示ヘッドバンドの代替の実施形態は、図8に示される。図8に示されるように、そのヘッドバンドは、非弾性部分604および弾性部分602を備える。張力表示部分606はまた、非弾性材料から作製される。張力表示部分606は、図4に関連して記載されたように、折り目またはひだを有していてもよく、または図3に関連して記載されたように折り目もひだも有していなくてもよい。閉鎖デバイスの説明、ならびに弾性部分および非弾性部分の互いへの取付け方法もまた、上に示されている。この実施形態では、主要な伸縮部分は、弾性部分602である。いったんヘッドバンドが引き伸ばされて、その結果セクション602がセクション606の長さに合うように引き伸ばされると、ヘッドバンドの引き伸ばしは制限される。この実施形態は、より短い弾性部分を有することにより、ヘッドバンドの伸長を制限し、従って使用者の前頭または使用者の前頭に適用されるセンサーに対してヘッドバンドにより付与され得る圧力の範囲を制限する。
【0030】
図9は、本発明に従うヘッドバンドの別の実施形態の図解である。ヘッドバンドは、小さい制御された量の圧力を着用者の前頭に付与する目的で使用され得る。上に示されるように、酸素計測センサーを支持するために使用される場合、前頭上のセンサーにより付与される力の量は、静脈圧よりも高いが、小動脈の圧力よりも低くあるべきである。一般に、良好な圧力範囲は、付与される圧力が静脈圧(例えば、3〜5mmHg)より高く、そして毛細血管の圧力(例えば、22mmHg)よりも低い範囲である。好ましくは、これは、成人の患者では、10mmHgと20mmHgとの間である。本発明の実施形態に従うヘッドバンドは、例えばフックとループの閉鎖機構のような調整可能な閉鎖機構を使用することにより、あらゆるサイズの着用者との使用のために調整され得る。あるいは、ヘッドバンドは、着用者の頭部の一般的なサイズに依存して様々なサイズで提供され得る。例えば、新生児に対しては小さいヘッドバンドを使用し、子供に対してはより大きいものを使用し、そして成人の着用者に対してはさらにより大きいものを使用する。使用者は、ヘッドバンドが着用者の頭部の周りに配置される間、ヘッドバンドに付与されている張力の量に依存して、広範な範囲の圧力を前頭の酸素計測センサーに付与し得る。1つの実施形態では、着用者の頭部の異なる頭部サイズは、一揃いの異なるサイズのヘッドバンドを提供することにより対応され得る。この一揃いのヘッドバンドは、最小のサイズで始まり徐々に大きいサイズのヘッドバンドへと変化し、すべてが本明細書中に記載される共通の特徴を有する。別の実施形態では、フックとループ型の閉鎖デバイスが、低伸縮バンド(以下に記載される)の背面全体が嵌合するフックとループを有するヘッドバンドの端部と係合し得るように構成される。このようにして、1つのサイズのヘッドバンドが、あらゆるサイズの頭部に適応するようにされ得る。さらなる詳細は、以下に記載される。
【0031】
図9に示される実施形態は、臨床医が、適正な張力で以下に記載される直感的な様式で正確にかつ一貫してヘッドバンドを適用することを可能にする。図9に示されるように、ヘッドバンドは、その端部にまたはその端部の近くに、そして好ましくはその外面の一部またはその全体に、閉鎖デバイス208を有する実質的に非弾性であるかまたは低伸縮性のバンド202を備える。1つのそのような閉鎖デバイスは、フックとループ型の閉鎖具である。本発明の実施形態に従うヘッドバンドは、スナップ、ボタン、接着剤、ピンまたはこれらの組合せ、ならびに関連する分野の当業者に公知の他の閉鎖機構を使用し得る。非弾性または低伸縮性のバンド202は、ナイロン、ポリエステルまたは等価な材料のような上に記載されたものを含めたあらゆるタイプの低伸縮性の布地から作製され得る。
【0032】
上記ヘッドバンドは、特定の長さの弾性セグメント204を備え、いったん引き伸ばされ、1つの端部203で患者の頭部に巻きつく低伸縮性材料(すなわちバンド202)の外に面した側に取付けられると、特定のばね力を提供する。1つの端部203でのバンド202への弾性セグメント204の取付けは、203でのセグメント204の202への縫付けにより達成され得る。あるいは、セグメント204は、接着剤により203でバンド202に取付けられ得る。他の自由端部205では、弾性セグメント204は、上に記載されるように(例えば、VelcroTMフック材料のパッチを有する非弾性材料)閉鎖デバイス208を使用してバンド202のセグメントに取付けられるように構成される。1つの実施形態では、上記弾性セグメントの自由端部205は、低伸縮部分またはタブ206に取付けられ、この低伸縮部分またはタブ206は、閉鎖デバイス208を使用してバンド202のセグメントに取付けられ、閉鎖ループを形成する。バンド206は、ループを通るベルトと類似の様式で、止め具207にあるバンド202のスロットを通して滑る。適正な張力を付与し、そして従って適正量の圧力を皮膚に対して、頭部の周りに巻かれた低伸縮性材料のバンド202に付与するために、弾性セグメント204は、制御された距離を引き伸ばされ、そして閉鎖デバイス208を使用して低伸縮性のストリップ202に取付けられる。弾性セグメント204の伸縮は、それが物理的止め具に出会うときに制御される。1つの実施形態では、その物理的止め具は、バンド202中の止め具207の開口部よりもわずかに大きいサイズの弾性部分204の幅を有することにより提供され、従って、いったん特定の距離を引き伸ばされると、弾性部分204は、物理的止め具207に出会う。止め具207は、弾性部分204より幅がわずかに小さいバンド202中の開口部であり得る。あるいは、止め具は、バンド202に縫付けられるかまたはそれに取付けられるベルトループと形状および機能が類似している幅の狭いバンドにより提供され得る。弾性部分204をバンド202に対して引き伸ばしかつ固定することにより、弾性セグメント204の張力は、患者の頭部の周りで巻かれた低伸縮性ストリップ全体に伝達される。この制御された張力は、今度は、患者の前頭の皮膚に対する制御された圧力に変換される。言い換えると、バンドの適正な張力および従って患者の前頭に対する適正な圧力は、患者の頭部の周りでバンド202を巻きつけ、次いで弾性セグメントのエッジ210が止め具207に出会うまで、直接にかまたは部材206上の引張り力を介して弾性セグメントを引張って弾性セグメントを伸長し、そして閉鎖デバイス208を使用して、セグメント206の自由端部をバンド202に対して固定することにより達成される。
【0033】
ヘッドバンドはまた、弾性部分204の伸縮をモニタリングするのに使用される視覚的インジケーターを備える。1つの実施形態では、タブ206は、弾性部分205の自由端部と止め具207との間に視覚的インジケーター部分211を備え、ヘッドバンドが適正に引っ張られるとき、弾性部分204が引き伸ばされ、従って弾性部分204が止め具207に隣接するので、部分211はもはや見えない。あるいは、ヘッドバンドは、視覚的インジケーター212(図10D’および10D”に示される)を備え、これによりセグメント204が引き伸ばされるとき、インジケーター212に対する弾性セグメント204の自由端部のエッジの視覚的モニタリングが可能になる。インジケーター212は、ノッチとして示されているが、それは、線または任意の他の適切なマーカーであり得る。本明細書中で記載されるヘッドバンドは、弾性セグメント204の伸縮をモニタリングおよび/または制御する構造を提供する。弾性セグメントの伸縮は、止め具207により制御される。止め具207は、上記のように、弾性セグメントの伸縮が制限されることを確実にする。例えば、臨床医は、この弾性セグメントを過剰に引き伸ばすことを妨げられる。なぜなら、その弾性セグメントの自由端部は、いったんそれが完全に引き伸ばされると、止め具207に出会うからである。視覚的インジケーター211または212により、弾性セグメントの伸縮量のモニタリングが可能になる。さらに、このセグメントの張力または伸縮が十分であることは、インジケーター211またはインジケーター212に対するそのセグメントの自由端部の位置のいずれかを観察することにより、視覚的にモニタリングされる。そうして、例えば、いったんヘッドバンドが適正に適用されると、ヘッドバンドまたはその一部分はゆるみ得ることが予想され、そしてその場合には視覚的インジケーターは、ヘッドバンドが再びぴんと張られる必要があることを示す。
【0034】
図10A〜Eは、図9のヘッドバンドを患者の頭部に置く方法を示す図解である。説明を容易にするために、患者またはヘッドバンド着用者は、背中を表面に置き上を向いて横たわっていることが仮定されている。図10Aに示されるように、まずヘッドバンドが、弾性セグメント側が下を向き、前頭用酸素計測センサー300の側と同じ側にあるようにして、患者の頭部の下に置かれる。配置を容易にするために、バンドの長さが弾性セグメント側により延びることが好ましい。次に、図10Bに示されるように、短いほうの端部が患者の前頭に向かって巻かれる。次に、図10Cに示されるように、弾性セグメント側が、患者の前頭上にセンサー300を覆うように巻かれる。ヘッドバンドの弾性部分にセンサー設計の輪郭を提供することが好ましいかも知れない。この場合、前頭用センサーの弾性バンド部分の上のこのセンサーの輪郭をセンサー300とほぼ整列させることが好ましい。次に、図10Dに示されるように、弾性部分204が止め具207に届き、このバンドのインジケーターまたは視覚的部分211がもはや見えなくなるまで、タブ206が引っ張られる。タブ206は、バンドが十分に引き伸ばされていない場合、図10Cの弾性部分204と止め具207との間に部分的に見えている部分211(例えば、インジケーター部分)を有し、そして図10Dおよび10Eに示されるように、弾性部分が十分に引き伸ばされる場合、同じタブ部分211(例えば、インジケーター部分)は、弾性部分204と止め具207との間にもはや見えないことに留意のこと。あるいは、図10D’〜D”に示されるように、上記弾性セグメント側が患者の前頭にセンサー300を覆うように巻かれた後、弾性セグメント204が位置マークまたはインジケーター212に届くまで、タブ206は引張られる。十分に引き伸ばされたヘッドバンドは、ヘッドバンドに十分な張力を与えることを可能にされており、従って前頭および前頭とヘッドバンドとの間に配置されるセンサーに対して十分な圧力を与えることを可能にされている。それゆえに、タブ部分211が、弾性部分204と止め具207との間で見えていないとき、または弾性セグメントが適正にインジケーター212と整列されていないとき、または弾性部分がその止め具に対して十分に引き伸ばされていない場合、臨床医は、適正な圧力が着用者の前頭に付与されているというインジケーターを有する。
【0035】
図11は、適正な張力で、患者の頭部に置かれた場合の図9のヘッドバンドの上面図である。理解され得るように、バンド202は、患者の頭部の周りに巻かれ、弾性部分204は、十分に引き伸ばされ、タブ部分206を介してバンド202と固定されている。
【0036】
当業者に理解されるように、本発明は、本発明の必須の特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で具現化され得る。これらの他の実施形態は、添付の特許請求の範囲に示される本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、患者に適用されている前頭用酸素計センサーの図解である。
【図2】図2は、ヘッドバンドで患者の前頭に保持されている前頭用酸素計センサーの図解である。
【図3】図3は、本発明に従うヘッドバンドの1つの実施形態の図解である。
【図4】図4は、本発明に従うヘッドバンドの代替の実施形態の図解である。図4Aは、図4の折り目またはひだの上面詳細図である。
【図5】図5は、使用者によって着用されている、本発明に従うヘッドバンドの1つの実施形態の前面図である。
【図6】図6は、使用者によって着用されている場合の適正な張力で示される、本発明に従うヘッドバンドの1つの実施形態の上面図である。
【図7】図7は、使用者によって着用されている場合の適正な張力より低い張力で示される、本発明に従うヘッドバンドの実施形態の上面図である。
【図8】図8は、本発明に従うヘッドバンドの別の実施形態の図解である。
【図9】図9は、本発明に従うヘッドバンドの別の実施形態の図解である。
【図10】図10A〜Eは、図9のヘッドバンドを患者の頭部に置く方法を示す図解である。
【図11】図11は、患者の頭部に置かれた場合の図9のヘッドバンドの上面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアバンドであって、
着用者の頭部の周りにフィットするようなサイズである低伸縮セグメント;および
該低伸縮セグメントよりも小さい弾性セグメントであって、該弾性セグメントは、自由端部および取付け端部を有し、該弾性セグメントは、該取付け端部で該低伸縮セグメントに取付けられ、該弾性セグメントの該自由端部は、着用者の頭部の周りで該低伸縮セグメントと閉じたループを形成するように構成されている、弾性セグメント、
を備える、ヘッドバンド。
【請求項2】
視覚的インジケーターをさらに備え、該視覚的インジケーターが前記弾性セグメントの前記自由端部の伸長位置をモニタリングするように構成されている、請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項3】
前記視覚的インジケーターが、前記低伸縮セグメント上のノッチ、線、マーキングまたはこれらの組合せである、請求項2に記載のヘッドバンド。
【請求項4】
止め具具部分をさらに備え、該止め具部分は、前記弾性セグメントに対して係合し該弾性セグメントの伸縮を制限するように構成されている、請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項5】
前記止め具部分が、前記低伸縮セグメントの幅および前記弾性セグメントの幅よりも小さい幅を有する開口部を備える、請求項4に記載のヘッドバンド。
【請求項6】
閉鎖機構をさらに備え、該閉鎖機構は、前記弾性セグメントの自由端部と前記低伸縮セグメントとを連結して前記閉じたループを固定するように構成されている、請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項7】
前記閉鎖機構が、フックとループ閉鎖具、スナップ、ボタン、接着剤、ピン、またはこれらの組合せである、請求項6に記載のヘッドバンド。
【請求項8】
第1の端部および第2の端部を有するタブ部分をさらに備え、該タブ部分の該第1の端部は前記弾性部分の前記自由端部に接続され、該タブ部分の該第2の端部は前記低伸縮セグメントとともに閉じたループを形成するように構成されている、請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項9】
前記タブ部分が、前記弾性部分ほどには弾性的でない、請求項8に記載のヘッドバンド。
【請求項10】
止め具部分をさらに備え、該止め具部分は、前記弾性セグメントに対して係合し該弾性セグメントの伸縮を制限するように構成されており;そして
前記タブ部分が、その第1の端部と該止め具部分との間にインジケーター部分を備え、該インジケーター部分が見える場合、該インジケーター部分は、前記ヘッドバンドが再びぴんと張ることを必要としていることを示し、そして該インジケーター部分が見えない場合、該インジケーター部分が、静脈圧よりも高く毛細血管圧よりも低い範囲の圧力を前記着用者の前頭に送達していることに対応して、十分なレベルの張力を示すようになっている、請求項8に記載のヘッドバンド。
【請求項11】
患者の前頭上の酸素計センサーに圧力を付与するためのヘッドバンドであって、
着用者の頭部の周りにフィットするようなサイズである低伸縮セグメント;および
該低伸縮セグメントよりも小さい弾性セグメントであって、該弾性セグメントは、自由端部および取付け端部を有し、該弾性セグメントは、該取付け端部で該低伸縮セグメントに取付けられている、弾性セグメント;
第1の端部および第2の端部を有するタブ部分であって、該タブ部分の該第1の端部は該弾性部分の自由端部に接続され、該タブ部分の該第2の端部は着用者の頭部の周りで該低伸縮セグメントと閉じたループを形成するように構成されている、タブ部分;
視覚的インジケーターであって、該視覚的インジケーターは該弾性セグメントの該自由端部の伸長位置をモニタリングするように構成されている、視覚的インジケーター;
止め具部分であって、該止め具部分は、該弾性セグメントに対して係合し該弾性セグメントの伸縮を制限するように構成されており、該止め具部分は、該低伸縮セグメントの幅および該弾性セグメントの幅よりも小さい幅を有する開口部を備える、止め具部分;ならびに
閉鎖機構であって、該閉鎖機構は、該タブ部分の第2の端部と該低伸縮セグメントとを連結して該閉じたループを固定するように構成されている、閉鎖機構、
を備える、ヘッドバンド。
【請求項12】
前記視覚的インジケーターが、前記タブ部分上でその第1の端部と前記止め具部分との間に存在し、該インジケーター部分が見える場合、該インジケーター部分は、前記ヘッドバンドが再びぴんと張ることを必要としていることを示し、そして該インジケーター部分が見えない場合、該インジケーター部分が、静脈圧よりも高く毛細血管圧よりも低い範囲の圧力を前記患者の前頭に送達していることに対応して、十分なレベルの張力を示すようになっている、請求項11に記載のヘッドバンド。
【請求項13】
前記視覚的インジケーターが、前記低伸縮セグメント上のノッチ、線、マーキングまたはこれらの組合せである、請求項11に記載のヘッドバンド。
【請求項14】
前記閉鎖機構が、フックとループ閉鎖具、スナップ、ボタン、接着剤、ピン、またはこれらの組合せである、請求項11に記載のヘッドバンド。
【請求項1】
ヘアバンドであって、
着用者の頭部の周りにフィットするようなサイズである低伸縮セグメント;および
該低伸縮セグメントよりも小さい弾性セグメントであって、該弾性セグメントは、自由端部および取付け端部を有し、該弾性セグメントは、該取付け端部で該低伸縮セグメントに取付けられ、該弾性セグメントの該自由端部は、着用者の頭部の周りで該低伸縮セグメントと閉じたループを形成するように構成されている、弾性セグメント、
を備える、ヘッドバンド。
【請求項2】
視覚的インジケーターをさらに備え、該視覚的インジケーターが前記弾性セグメントの前記自由端部の伸長位置をモニタリングするように構成されている、請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項3】
前記視覚的インジケーターが、前記低伸縮セグメント上のノッチ、線、マーキングまたはこれらの組合せである、請求項2に記載のヘッドバンド。
【請求項4】
止め具具部分をさらに備え、該止め具部分は、前記弾性セグメントに対して係合し該弾性セグメントの伸縮を制限するように構成されている、請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項5】
前記止め具部分が、前記低伸縮セグメントの幅および前記弾性セグメントの幅よりも小さい幅を有する開口部を備える、請求項4に記載のヘッドバンド。
【請求項6】
閉鎖機構をさらに備え、該閉鎖機構は、前記弾性セグメントの自由端部と前記低伸縮セグメントとを連結して前記閉じたループを固定するように構成されている、請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項7】
前記閉鎖機構が、フックとループ閉鎖具、スナップ、ボタン、接着剤、ピン、またはこれらの組合せである、請求項6に記載のヘッドバンド。
【請求項8】
第1の端部および第2の端部を有するタブ部分をさらに備え、該タブ部分の該第1の端部は前記弾性部分の前記自由端部に接続され、該タブ部分の該第2の端部は前記低伸縮セグメントとともに閉じたループを形成するように構成されている、請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項9】
前記タブ部分が、前記弾性部分ほどには弾性的でない、請求項8に記載のヘッドバンド。
【請求項10】
止め具部分をさらに備え、該止め具部分は、前記弾性セグメントに対して係合し該弾性セグメントの伸縮を制限するように構成されており;そして
前記タブ部分が、その第1の端部と該止め具部分との間にインジケーター部分を備え、該インジケーター部分が見える場合、該インジケーター部分は、前記ヘッドバンドが再びぴんと張ることを必要としていることを示し、そして該インジケーター部分が見えない場合、該インジケーター部分が、静脈圧よりも高く毛細血管圧よりも低い範囲の圧力を前記着用者の前頭に送達していることに対応して、十分なレベルの張力を示すようになっている、請求項8に記載のヘッドバンド。
【請求項11】
患者の前頭上の酸素計センサーに圧力を付与するためのヘッドバンドであって、
着用者の頭部の周りにフィットするようなサイズである低伸縮セグメント;および
該低伸縮セグメントよりも小さい弾性セグメントであって、該弾性セグメントは、自由端部および取付け端部を有し、該弾性セグメントは、該取付け端部で該低伸縮セグメントに取付けられている、弾性セグメント;
第1の端部および第2の端部を有するタブ部分であって、該タブ部分の該第1の端部は該弾性部分の自由端部に接続され、該タブ部分の該第2の端部は着用者の頭部の周りで該低伸縮セグメントと閉じたループを形成するように構成されている、タブ部分;
視覚的インジケーターであって、該視覚的インジケーターは該弾性セグメントの該自由端部の伸長位置をモニタリングするように構成されている、視覚的インジケーター;
止め具部分であって、該止め具部分は、該弾性セグメントに対して係合し該弾性セグメントの伸縮を制限するように構成されており、該止め具部分は、該低伸縮セグメントの幅および該弾性セグメントの幅よりも小さい幅を有する開口部を備える、止め具部分;ならびに
閉鎖機構であって、該閉鎖機構は、該タブ部分の第2の端部と該低伸縮セグメントとを連結して該閉じたループを固定するように構成されている、閉鎖機構、
を備える、ヘッドバンド。
【請求項12】
前記視覚的インジケーターが、前記タブ部分上でその第1の端部と前記止め具部分との間に存在し、該インジケーター部分が見える場合、該インジケーター部分は、前記ヘッドバンドが再びぴんと張ることを必要としていることを示し、そして該インジケーター部分が見えない場合、該インジケーター部分が、静脈圧よりも高く毛細血管圧よりも低い範囲の圧力を前記患者の前頭に送達していることに対応して、十分なレベルの張力を示すようになっている、請求項11に記載のヘッドバンド。
【請求項13】
前記視覚的インジケーターが、前記低伸縮セグメント上のノッチ、線、マーキングまたはこれらの組合せである、請求項11に記載のヘッドバンド。
【請求項14】
前記閉鎖機構が、フックとループ閉鎖具、スナップ、ボタン、接着剤、ピン、またはこれらの組合せである、請求項11に記載のヘッドバンド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10D】
【図10D】
【図10E】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10D】
【図10D】
【図10E】
【図11】
【公表番号】特表2007−524482(P2007−524482A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553309(P2006−553309)
【出願日】平成17年2月11日(2005.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/004582
【国際公開番号】WO2005/079663
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(304053382)ネルコアー ピューリタン ベネット インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月11日(2005.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/004582
【国際公開番号】WO2005/079663
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(304053382)ネルコアー ピューリタン ベネット インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】
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