説明

強度の向上したミクロフィブリル化セルロース含有樹脂成形体

【課題】弾性率及び強度の向上した、ミクロフィブリル化セルロースを含有する樹脂成形体の提供
【解決手段】ミクロフィブリル化セルロース及び樹脂を含有する混練物を成形してなる樹脂成形体であって、
ミクロフィブリル化セルロースの含有量が成形体全体の4〜15重量%であり、
前記成形体の強度がミクロフィブリル化セルロースを含まないことを除いて同じ方法で成形された成形体の強度と比較した相対強度が1.10以上であることを特徴とする樹脂成形体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミクロフィブリル化セルロースを含有し、強度に優れた樹脂成形体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
すべての植物の細胞壁は、セルロースミクロフィブリルと呼ばれる幅約4nmの高強度ナノファイバーが基本骨格となっている。ミクロフィブリル化セルロースはパルプなどの植物繊維をセルロースミクロフィブリルのレベルにまで解繊して得られる、伸びきり鎖結晶からなるナノファイバーである。また、バクテリア(主として酢酸菌)由来のミクロフィブリル化セルロースも知られており、これを利用した食品としてナタデココがよく知られている。ミクロフィブリル化セルロースは、一般的には、セルロース系繊維をリファイナー、ホモジナイザー等により磨砕ないし叩解することにより製造できることが知られている(例えば、特許文献1参照)。ミクロフィブリル化セルロースは軽くて強度が高く、さらには生分解性も高いためパソコン、携帯電話等の家電製品の筐体、文房具等の事務機器、スポーツ用品、輸送機器、建築材料など幅広い分野への応用が期待されている。
【0003】
このようなミクロフィブリル化セルロースの機械的特性を、既に幅広く利用されている樹脂の分野に活用することが試みられている。例えば、樹脂の物性、機能等の向上、新たな物性、機能等の付与を目的として、樹脂にミクロフィブリル化セルロースを混合、複合等することが試みられている。特に、環境負荷の観点から生分解性樹脂が注目されており、この生分解性樹脂とミクロフィブリル化セルロースを混合、複合することが試みられている。しかしながら、ミクロフィブリル化セルロースはその繊維径が多くの場合200nm以下と非常に小さいため通常のセルロース繊維と比較してはるかに凝集等がおこりやすい。このため、ミクロフィブリル化セルロースを樹脂中に分散させることが非常に困難であり、均一な複合樹脂を得ることが難しかった。これを解決するため、ポリ乳酸を含有する脂肪族ポリエステルと、一次壁及び二次壁外層を傷づけられた前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維とを溶融混練中に繊維成分を解繊してミクロフィブリル化することによって、樹脂中にミクロフィブリル化セルロースを均一に分散させようとする技術(例えば、特許文献2参照)、ミクロフィブリル化セルロースとポリ乳酸繊維を混合し、抄紙によりシート状物を作成する技術(例えば、特許文献3参照)が知られている。しかしながら、これらの技術で得られる樹脂の成形体はもともとの樹脂の成形体よりも、弾性率は高くなることはあるが強度は低く、総じて脆いものであった。
【特許文献1】特公昭50−38720号公報
【特許文献2】特開2005−42283号公報
【特許文献3】特開2003−211695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は、弾性率だけでなく、樹脂成形体本来の強度も大きく向上したミクロフィブリル化セルロース含有樹脂成形体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、ミクロフィブリル化セルロースと樹脂の混合においてさまざまな方法を検討したところ、ミクロフィブリル化セルロースの分散液と、樹脂の溶解液を採用することによって、ミクロフィブリル化セルロースと樹脂が均一に混合された液が得られ、この液から溶媒を除去して得られる混合物を混練することによって、塑性加工に供しうるミクロフィブリル化セルロース含有樹脂を製造できることを見出した。
さらに、本発明者は、当該製造方法により製造されたミクロフィブリル化セルロース含有生樹脂を成形することによって、優れた強度と弾性率を備えた成形体となることをも見出した。
【0006】
すなわち、本発明は下記の樹脂成形体及び製造方法にかかるものである。
項1.ミクロフィブリル化セルロース及び樹脂を含有する混練物を成形してなる樹脂成形体であって、
ミクロフィブリル化セルロースの含有量が成形体全体の4〜15重量%であり、
前記成形体の強度がミクロフィブリル化セルロースを含まないことを除いて同じ方法で成形された成形体の強度と比較した相対強度が1.10以上であることを特徴とする樹脂成形体。
項2.ミクロフィブリル化セルロースの含有量が成形体全体の5〜15重量%である項1に記載の樹脂成形体。
項3.相対強度が1.15以上である項1又は2に記載の樹脂成形体。
項4.樹脂が生分解性樹脂及び脂肪族ポリエステルからなる群から選択される少なくとも1種である項1〜3のいずれかに記載の樹脂成形体。
項5.ミクロフィブリル化セルロース分散性及び樹脂溶解性を備えた溶媒に、ミクロフィブリル化セルロースの分散及び樹脂の溶解を行い、混合した後、溶媒を除去する工程を有することを特徴とするミクロフィブリル化セルロース含有樹脂成形体の製造方法。
項6.溶媒がアセトンである項5に記載のミクロフィブリル化セルロース含有樹脂の製造方法。
項7.樹脂を溶解した溶媒とミクロフィブリル化セルロースを分散した溶媒を混合した後、溶媒を除去する工程を有することを特徴とするミクロフィブリル化セルロース含有樹脂成形体の製造方法。
項8.樹脂を溶解した溶媒の溶媒がジクロロメタンであり、ミクロフィブリル化セルロースを分散した溶媒がアセトンである項7に記載の製造方法。
項9.ミクロフィブリル化セルロース含有樹脂成形体におけるミクロフィブリル化セルロースの含有量が4〜15重量%である項5〜8のいずれかに記載の製造方法。
項10.樹脂が生分解性樹脂及び脂肪族ポリエステルからなる群から選択される少なくとも1種である項5〜9のいずれかに記載の製造方法。
項11.項5〜10のいずれかの方法によって製造されたミクロフィブリル化セルロース含有樹脂成形体。
【0007】
ミクロフィブリル化セルロースの製造方法は公知であり、一般的には、セルロースをリファイナー、高圧ホモジナイザー、媒体撹拌ミル、石臼、グラインダー等により磨砕ないし叩解することによって解繊又は微細化して製造されるが、特開2005−42283号公報に記載の方法等の公知の方法で製造することもできる。また、市販品を利用することも可能である。セルロースは、植物(例えば木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農地残廃物、布、パルプ、再生パルプ、古紙)、動物(例えばホヤ類)、藻類、微生物(例えば酢酸菌(アセトバクター))等を起源とするものが知られているが、本発明ではそのいずれも使用できる。好ましくは植物、微生物由来のセルロース繊維であり、より好ましくは植物由来のセルロース繊維である。
【0008】
ミクロフィブリル化セルロースの繊維径は平均値が4nm〜400nmであることが好ましく、4nm〜200nmであることがより好ましく、4nm〜100nmであることがより一層好ましい。また、その繊維長は平均値が50nm〜50μmであることが好ましく、100nm〜10μmであることがより好ましい。
【0009】
本発明において、樹脂は特に限定されるものではなく、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。例えばポリ乳酸、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート、繊維素プラスチック、ポリグリコール酸、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−4−ヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレートポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトン、ポリプロピオラクトン等のポリエステル、ポリエチレングリコール等のポリエーテル、ポリグルタミン酸、ポリリジン等のポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂などを使用でき、一種単独又は二種以上組み合わせて使用できるがこれらに限定されない。好ましくは、生分解性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、脂肪族ポリエステルである。
【0010】
生分解性樹脂の例としては、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、ε−カプロラクトン、N−メチルピロリドン、炭酸トリメチレン、パラジオキサノン、1,5−ジオキセパン−2−オン、水酸化酪酸、水酸化吉草酸などのホモポリマー、コポリマー又はこれらポリマーの混合物が挙げられ、一種単独又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい生分解性樹脂は、ポリ乳酸、ポリカプロラクトンであり、より好ましいのはポリ乳酸である。
【0011】
ポリ乳酸は、特に限定されないが、好ましい数平均分子量は3万以上、好ましくは10万以上である。ポリ乳酸の数平均分子量の上限は特に制限はないが、通常100万以下、好ましくは50万以下である。得られるポリ乳酸の物性から、ポリ乳酸を構成するL体とD体のモル比はL/Dは100/0〜0/100の全ての組成で使用できるが、弾性率の高いものを得る上で、L体が95モル%以上であることが好ましい。ポリ乳酸の製造法は公知であり、特に限定されるものではなく、ラクチドを経由する開環重合法、乳酸の直接重縮合法等が挙げられる。
【0012】
脂肪族ポリエステルとして好ましいのは、ポリエステル生成条件下に、(a)脂肪族ジオールと、(b)脂肪族ジカルボン酸及び/又はその機能的誘導体と、必要に応じて(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体とを反応させて得られるものであり、より好ましくは、この反応をゲルマニウム触媒の存在下に行って得られるものである。
<(a)脂肪族ジオール>
(a)脂肪族ジオール(脂環族ジオールを含む)は、水酸基を2個持つ化合物であるが、その好ましい具体例は下記一般式(I)で表されるものである。
【0013】
HO−R−OH …(I)
一般式(I)中、Rは、2価の脂肪族炭化水素基であり、好ましくは炭素数2〜11、特に好ましくは炭素数2〜6の脂肪族炭化水素基である。Rは、分岐鎖を有するものであっても良く、シクロアルキレン基であっても良い。Rは、好ましくは−(CH)n−(ただし、nは2〜11の整数、好ましくは2〜6の整数を示す。)である。
【0014】
(a)脂肪族ジオールは特に限定されないが、その具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,6−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上の混合物として用いても良い。
【0015】
得られる脂肪族ポリエステルの物性の点からは、(a)脂肪族ジオールは、1,4−ブタンジオールであることが特に好ましい。
【0016】
<(b)脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体>
(b)脂肪族ジカルボン酸(脂環族ジカルボン酸を含む)及び/又はその誘導体は、下記一般式(II)で表されるもの、或いはそれらの炭素数1〜4の低級アルキルエステル又はそれらの無水物などである。
【0017】
HOOC−R−COOH …(II)
一般式(II)中、Rは直接結合、又は2価の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数2〜11、特に好ましくは炭素数2〜6の2価の脂肪族炭化水素基である。Rは、分岐鎖を有するものであっても良く、シクロアルキレン基であっても良い。Rは好ましくは−(CH)m−(ただし、mは0又は1〜11の整数、好ましくは0又は1〜6の整数を示す。)である。
【0018】
脂肪族ジカルボン酸の好ましい具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸等が挙げられ、その機能的誘導体としてはこれらの酸無水物が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上の混合物として用いても良い。即ち、各群内及び/又は各群間で併用しても良い。
【0019】
得られる脂肪族ポリエステルの物性の点からは、(b)脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体は、コハク酸又は無水コハク酸、或はこれらとアジピン酸との混合物であることが好ましい。
【0020】
<(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体>
(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸(脂環族ヒドロキシカルボン酸を含む)及び/又はその誘導体の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、分子中に1個の水酸基と1個のカルボン酸基を有するものであれば特に限定されるものではないが、下記一般式(III)の脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位に相当する脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好適であり、誘導体としてはそれらの炭素数1〜4の低級アルキルエステル又はそれらの分子内エステルが好適である。
【0021】
HO−R−COOH …(III)
一般式(III)中、Rは2価の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜11、特に好ましくは炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基である。Rはシクロアルキレン基であっても良いが、好ましいのは鎖状炭化水素基である。なお、この「鎖状」とは、「直鎖状」であるもののみならず、「分岐鎖状」のものも包含する。
【0022】
(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体としては、より好ましくは、1つの炭素原子に水酸基とカルボキシル基とが結合したものであり、下記一般式(IV)で表されるものが好ましい。下記一般式(IV)で表される2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸、或いはその誘導体を用いた場合には、重合速度が増大するため、特に好ましい。
【0023】
【化1】

【0024】
(一般式(IV)中、aは0又は1以上の整数、好ましくは0又は1〜10、より好ましくは0又は1〜5の整数である。)
この2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸、又はカプロラクトン等のラクトン類を開環させたものが挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上の混合物として用いても良い。なお、これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、又はラセミ体のいずれでも良く、形状としては固体、液体、或いは水溶液であっても良い。特に、使用時の重合速度の増大が特に顕著で、なおかつ入手容易な乳酸及びこれらの水溶液が好ましい。乳酸は、50%、70%、90%の水溶液が一般的に市販されており、入手が容易である。しかも、乳酸を用いることにより脂肪族ポリエステルとポリ乳酸との相溶性が高められるため、樹脂として脂肪族ポリエステルとポリ乳酸を併用する場合には乳酸の使用が好ましい。
【0025】
本発明に用いられる脂肪族ポリエステルの数平均分子量Mnは、一般に、1万以上30万以下、通常は3万以上30万以下である。
【0026】
本発明の樹脂成形体は、ミクロフィブリル化セルロース及び樹脂を含有する混練物を成形してなる樹脂成形体であって、ミクロフィブリル化セルロースの含有量が成形体全体の4〜15重量%であり、前記成形体の強度がミクロフィブリル化セルロースを含まないことを除いて同じ方法で成形された成形体の強度と比較した相対強度が1.10以上であることを特徴とする。なお、強度とは、引張強度及び曲げ強度をいう。また、相対強度とは、ミクロフィブリル化セルロースを含む成形体の強度であって、ミクロフィブリル化セルロースを含まないこと除けば本発明の成形体と同じ方法で成形された成形体の強度を1としたときの強度である。したがって、相対強度の1.10とは、ミクロフィブリル化セルロースを含む成形体の強度が、ミクロフィブリル化セルロースを含まないことを除けば同じ方法で成形された成形体の強度の1.10倍であることをいう。本発明ではこの相対強度が1.10以上、好ましくは1.15以上、より好ましくは1.20以上、より一層好ましくは1.30以上である。相対強度が高いほうが好ましいため特に上限は必要ないが、通常1.60以下、好ましくは1.50以下、より好ましくは1.40以下である。
【0027】
なお、強度の測定は後述の試験例1と同様の手法で行うことができる。
【0028】
また、本発明の樹脂成形体において、ミクロフィブリル化セルロースの含有量は重要であり、後述の試験例ではこの含有量が成形体全体の10重量%付近で強度が最大であった。この含有量が4重量%未満又は15重量%より大きいと、相対強度がほぼ1かそれ以下となり、ミクロフィブリル化セルロースを配合したにもかかわらず強度の向上がほとんどみられないか低下する。成形体全体におけるミクロフィブリル化セルロースの好ましい含有量は5〜15重量%であり、より好ましくは5〜13重量%、より一層好ましくは6〜12重量%、さらにより一層好ましくは6〜11重量%である。
【0029】
本発明の樹脂成形体は、本発明のミクロフィブリル化セルロース含有樹脂成形体の製造方法によって製造できる。本発明のミクロフィブリル化セルロース含有樹脂成形体の製造方法は、ミクロフィブリル化セルロースと樹脂を混合するにあたって、ミクロフィブリル化セルロースを分散状態とし、樹脂を溶解状態とすることを特徴とする。例えば、ミクロフィブリル化セルロース分散液と樹脂溶解液とを別々に調製し、両液を混合する工程とすることもできるし、ミクロフィブリル化セルロースを分散する性質と樹脂を溶解する性質の両方の性質を備えた溶媒に、ミクロフィブリル化セルロース及び樹脂を入れて混合する工程とすることもできる。なお、前者の混合する工程を含んだ製造方法を「2液型製造方法」、後者の混合する工程を含んだ製造方法を「1液型製造方法」と称することがある。なお、両方の性質を備えた溶媒を使用してミクロフィブリル化セルロース分散液と樹脂溶解液を別々に調製し、両液を混合する工程を有する製造方法は、2液型製造方法とする。
【0030】
また、ミクロフィブリル化セルロースを分散する性質を「ミクロフィブリル化セルロース分散性」、樹脂を溶解する性質を「樹脂溶解性」、両方の性質をあわせて「分散溶解性」と称することがある。
【0031】
1液型製造方法は、ミクロフィブリル化セルロース分散性及び樹脂溶解性を備えた溶媒に、ミクロフィブリル化セルロースの分散及び樹脂の溶解を行い、混合した後、溶媒を除去する工程を有することを特徴とする。例えば、アセトンにミクロフィブリル化セルロースを分散させて撹拌し、ついで非晶性ポリ乳酸を溶解させて撹拌混合した後、溶媒を除去して、ミクロフィブリル化セルロースが分散した樹脂を製造する。1液型製造方法において、ミクロフィブリル化セルロースの分散と樹脂の溶解の順番は特に限定されず、上例と異なり、アセトンに樹脂を溶解して撹拌し、ついでミクロフィブリル化セルロースを分散し、撹拌混合してもよいし、樹脂とミクロフィブリル化セルロースをアセトンに同時に入れて撹拌混合してもよい。好ましい順番は、ミクロフィブリル化セルロースを分散した後、樹脂を溶解する順番である。
【0032】
2液型製造方法は、樹脂を溶解した溶媒とミクロフィブリル化セルロースを分散した溶媒を混合した後、溶媒を除去する工程を有することを特徴とする。例えば、ミクロフィブリル化セルロースをアセトンに分散させた液と、結晶性ポリ乳酸をジクロロメタンに溶解した液とを用意し、次いで両液を混合して撹拌した後、溶媒を除去して、ミクロフィブリル化セルロースが分散した樹脂を製造する。したがって、ミクロフィブリル化セルロースと樹脂の混合を考慮すると、ミクロフィブリル化セルロース分散性溶媒と樹脂溶解性溶媒は互いに相溶性の良いものであることが好ましい。
【0033】
以下、1液型製造方法と2液型製造方法に共通の事項について説明する。ミクロフィブリル化セルロース含有樹脂成形体の製造方法において、ミクロフィブリル化セルロースの使用量は、ミクロフィブリル化セルロース含有樹脂成形体におけるミクロフィブリル化セルロース含有量が4〜15重量%、好ましくは5〜15重量%、より好ましくは5〜13重量%、より一層好ましくは6〜12重量%、さらにより一層好ましくは6〜11重量%となるように調整する。樹脂の使用量は成形体からミクロフィブリル化セルロースを除いた残量とするか、他の添加剤を使用する場合は成形体からミクロフィブリル化セルロースと添加剤とを除いた残量とすればよい。また、樹脂使用重量に対するミクロフィブリル化セルロースの使用重量は5〜15重量%が好ましく、5〜13重量%がより好ましく、6〜12重量%がより一層好ましい。上記の範囲にあると、得られる成形物が強度に優れたものとなる。
【0034】
分解溶解性を備えた溶媒は、使用する樹脂によって異なるが、例えばアセトン、ジクロロメタン、シクロヘキサン、クロロホルム、酢酸エチル等であり、好ましくはアセトン、ジクロロメタン、シクロヘキサンであり、より好ましくはアセトン、ジクロロメタンである。なお、分解溶解性を備えた溶媒は、当然のことながら、ミクロフィブリル化セルロース分散性を備えた溶媒及び樹脂溶解性を備えた溶媒としても利用できる。
【0035】
ミクロフィブリル化セルロース分散性を備えた溶媒は、上記の分散溶解性溶媒に加え、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等である。好ましくは、上記の分散溶解性溶媒に加え、メタノール、エタノールであり、より好ましくはメタノールである。
【0036】
樹脂溶解性を備えた溶媒は使用する樹脂に応じて適宜選択すればよく、上記の分散溶解性溶媒に加え、樹脂溶解性として知られる溶媒を使用することができる。
【0037】
特に、樹脂として非晶性ポリ乳酸を使用する場合、分散溶解性溶媒としてはアセトン、ジクロロメタンが好ましく、ミクロフィブリル化セルロース分散性溶媒としてはアセトンが好ましく、樹脂溶解性溶媒としてはジクロロメタン等の非晶性ポリ乳酸溶解性を備えた溶媒が好ましい。また、樹脂として結晶性ポリ乳酸を使用する場合、ミクロフィブリル化セルロース分散性溶媒としてはアセトンが好ましく、樹脂溶解性溶媒としてはジクロロメタンの結晶性ポリ乳酸溶解性を備えた溶媒が好ましい。
【0038】
各々の溶媒は同種の分散性、溶解性を備えるものであれば2種以上を併用することもできる。溶媒の使用量は、ミクロフィブリル化セルロースの分散、樹脂の溶解、ミクロフィブリル化セルロースと樹脂の混合、溶媒の除去等を考慮し、適宜設定すればよい。なお、混合工程において2種以上の溶媒を使用する場合、溶媒は互いに相溶性であることが、混合の均一性の観点からは望ましい。
【0039】
上記溶媒を使用してミクロフィブリル化セルロースが樹脂に均一に分散するまで混合されるが、混合温度は通常0〜40℃、好ましくは0〜30℃、混合時間は通常1分〜24時間、好ましくは3分〜12時間である。
【0040】
混合工程で調製された混合液は、溶媒除去工程にて溶媒が除去される。溶媒の除去は、その効率を考慮し、減圧条件で行うことが好ましい。また、溶媒除去温度は溶媒の沸点、減圧条件等を考慮して適宜選択することができる。溶媒除去工程では、前述の密度差によってミクロフィブリル化セルロースがやや沈降しやすいことを考慮し、なるべく短時間で工程を終わらせることが好ましい。このため、混合液を薄く広範囲に広げ短時間で溶媒を除去する方法が有利である。また、溶媒量が少ないと混合液がゲル状となり、撹拌後の密度ムラが生じにくくなるため好ましい。
【0041】
溶媒除去工程で溶媒が除去されると、ミクロフィブリル化セルロースが分散した固形の樹脂が得られる。この混合物を混練することなく成形材料として使用することも可能であるが、混練して得られる混練物を成形材料として使用する方が得られる成形物の弾性率及び強度が高い。混練工程は樹脂を混練する分野で使用されている方法を利用することができる。例えば、単軸、二軸又は多軸混練機、ミキシングロール、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー、スクリュープレス、ディスパーザーなどを使用できる。混練温度は樹脂によって異なるが、樹脂のガラス転移点以上溶融点以下であり、通常80〜220℃、好ましくは100〜200℃、混練時間は通常1分〜3時間、好ましくは5分〜30分である。
【0042】
混練により得られる混練物はミクロフィブリル化セルロースが分散した樹脂である。この樹脂はミクロフィブリル化セルロースを含有するにもかかわらず、成形加工性に優れている。この樹脂を成形することによって、元々の樹脂の強度よりも増強された樹脂成形体を得ることができる。この成形工程において使用される成形方法は、公知の樹脂の成形方法を適用することができる。成形の条件は当業者が適宜に設定することができる。この成形工程によって製造された成形体は、前述のように元々の樹脂の強度が増強されている。このため、樹脂が利用されていた用途に使用できるだけでなく、樹脂の強度不足により使用を見合わされていた用途にも使用しうる。本発明の成形体は、例えば、自動車、電車、船舶、飛行機等の輸送機器の内装材、外装材、構造材等;パソコン、テレビ、電話、時計等の電化製品等の筺体、構造材、内部部品等;携帯電話等の移動通信機器等の筺体、構造材、内部部品等;携帯音楽再生機器、映像再生機器、印刷機器、複写機器、スポーツ用品等の筺体、構造材、内部部品等;建築材;文具等の事務機器等として使用できる。
【0043】
本発明では可塑剤の添加によって成形性が向上するため、可塑剤を添加することが好ましい。可塑剤の添加時期は可塑剤を樹脂に均一に混合出来る工程であればいつでもよいが、ミクロフィブリル化セルロース分散液や樹脂溶解液への添加や混練工程が好ましい。また、可塑剤の好ましい添加量は樹脂使用重量に対し0.1〜10重量%である。可塑剤は樹脂の分野で一般に使用されているものを使用できる。例えば、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジブチル、フタル酸ジノニル等のフタル酸エステル、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジブチル等のアジピン酸エステル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバシン酸ジブチル等のセバシン酸エステル、アセチルクエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル等のクエン酸エステル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシル等のリン酸系可塑剤、ジエチレングリコールモノレート等の脂肪酸系可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ誘導体などが使用できる。好ましくは生分解性の可塑剤である。
【0044】
また、本発明では、可塑剤の他に、酸化防止剤、着色料、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、発泡剤、充填剤等の樹脂の分野で使用されている添加剤であれば広く使用することができる。
【発明の効果】
【0045】
従来、ミクロフィブリル化セルロースを含有する樹脂は元々の樹脂の成形加工性を低下させ、その成形体の強度も元々の樹脂の成形体を大きく超えるものではなかった。しかし、本発明のミクロフィブリル化セルロース含有樹脂の製造方法によれば、ミクロフィブリル化セルロースを含有するにも関わらず成形加工性に優れた樹脂が得られ、この樹脂を成形した成形体は、元々の樹脂の成形体より優れた弾性率及び強度を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明を実施例等により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0047】
実施例1
・ミクロフィブリル化セルロース(以下、MFCと称することがある):セリッシュKY100G(ダイセル化学社製)
・漂白済み針葉樹クラフトパルプ:NBKP
・非晶性ポリ乳酸:LACEA H-280(三井化学社製、Tg56℃)
<MFCと非晶性ポリ乳酸の分散混合(1液型製造方法)>
アセトン500gにMFCを1重量%添加し均一に分散するまで撹拌した。これに非晶性ポリ乳酸を95g添加し、ポリ乳酸が溶解して均一なゲル状になるまで十分に撹拌した。次いで、70℃減圧下でアセトンを除去し、MFCを5重量%含有する混合物を得た。
【0048】
得られたMFC分散ポリ乳酸を混練機(ブラベンダー、Labo Plastmill、東洋精機社製)に投入し40rpm、140℃で12分間500回混練した。混練物の光学顕微鏡写真を図1に示す。
【0049】
得られた混練物をスペーサーを用いて厚さ0.3mmのシートに成形した。すなわち、スペーサーを用いて、先ず初めに混練物を160℃で0.5MPaで5分間圧締し、次いで1MPaで5分間圧締し、次いで90℃で1時間加熱処理を行い、シートを作成した。得られたシートを5mm×40mm×0.3mmのサイズにカットしてサンプルとした。
【0050】
比較例1(溶融混練)
MFCを水に1重量%添加した分散水300gを用意し、混練機中で溶融した非晶性ポリ乳酸57gにこの分散水を、20℃で添加し、実施例1と同じ条件で混練及び成形してサンプルを作成した。混練物の光学顕微鏡写真を図1に示す。
【0051】
比較例2(非晶性ポリ乳酸)
混練機中で溶融したポリ乳酸60gを実施例1と同じ条件で混練及び成形してサンプルを作成した。
【0052】
試験例1
実施例及び比較例で作成したサンプルのヤング率及び引張強度を測定した。測定には万能試験機(Instron3365、インストロン社製)を使用した。サンプルのつかみしろは両サイド10mmずつとし、グリップ間はおよそ20mmとした。サンプルの数は各々の試験において6個とした。引張速度は1mm/分、測定温度は20℃であった。結果を図2と表1に示す。
【0053】
【表1】

【0054】
実施例1の成形体は引張強度、ヤング率ともに、元々の樹脂であるポリ乳酸より大きく向上している。これに対し、溶融混練によりミクロフィブリル化セルロースを混合した比較例1の成形体は弾性率は元々の樹脂であるポリ乳酸より1割程度向上しているが、強度は1割以上低下している。また、図1に示すように、比較例1の混練物において凝集体が認められるのに対し、実施例1の混練物では凝集体は認められずきれいに分散していることから、溶融混練では破壊の基点となる凝集体が原因となって強度低下が生じていることがわかる。これに対して、分散混練法ではミクロフィブリル化セルロースがきれいに分散し、強度の向上の寄与していることがわかる。
【0055】
試験例2
非晶性ポリ乳酸に対するMFCの添加量を3重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%とし、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。得られたサンプルと比較例2のサンプルを使用して、試験例1と同様にしてヤング率及び引張強度を測定した。結果を図3と表2に示す。
【0056】
【表2】

【0057】
実施例2
・MFC:セリッシュKY100G(ダイセル化学工業製)
・漂白済み針葉樹クラフトパルプ:NBKP(大昭和製紙(株)製)
・結晶性ポリ乳酸:LACEA H-100(三井化学社製、Tg60℃)
【0058】
<MFCと結晶性ポリ乳酸の分散混合(2液型製造方法)>
MFCをアセトンに浸漬し、MFCが含有する水分をアセトンに置換した後、MFCを濾取し、さらにジクロロメタン浸漬し、アセトンをジクロロメタンに置換した。このMFCをジクロロメタン300gに1重量%添加し均一に分散するまで撹拌した。一方で、200gのジクロロメタンに結晶性ポリ乳酸を57g添加し、ポリ乳酸が溶解して均一なゲル状になるまで十分に撹拌した。次いでMFCをジクロロメタンに分散させた液と、結晶性ポリ乳酸をジクロロメタンに溶解した液と混合して十分撹拌した後、60℃減圧下でジクロロメタンを除去し、MFCを5重量%含有する混合物を得た。
【0059】
得られたMFC分散ポリ乳酸を混練機(ブラベンダー、Labo Plastmill、東洋精機社製)に投入し50rpm、160℃で10分間500回混練した。得られた混練物をスペーサーを用いて厚さ0.3mmのシートに成形した。すなわち、スペーサーを用いて、先ず初めに混練物を190℃で0.5MPaで5分間圧締し、次いで1MPaで5分間圧締し、次いで100℃で1時間加熱処理を行い、シートを作成した。得られたシートを5mm×40mm×0.3mmのサイズにカットしてサンプルとした。
【0060】
比較例3(結晶性ポリ乳酸)
溶融した結晶性ポリ乳酸を比較例2と同じ条件で混練及び成形してサンプルを作成した。
【0061】
試験例3
実施例2及び比較例3で作成したサンプルのヤング率及び引張強度を測定した。測定には万能試験機(Instron3365、インストロン社製)を使用した。サンプルのつかみしろは両サイド10mmずつとし、グリップ間はおよそ20mmとした。サンプルの数は各々の試験において6個とした。引張速度は1mm/分、測定温度は20℃であった。結果を表3に示す。実施例2の成形体は引張強度、ヤング率ともに、元々の樹脂であるポリ乳酸より向上している。
【0062】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明のミクロフィブリル化セルロース含有樹脂成形体は強度に優れる。本発明のミクロフィブリル化セルロース含有樹脂は加工性に優れる。本発明のミクロフィブリル化セルロース含有樹脂の製造方法は、ミクロフィブリル化セルロースの分散性に優れ、該製造方法により得られる樹脂は加工性に優れ、該樹脂の成形体は強度に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施例1及び比較例1の混練物の光学顕微鏡写真を示す。上段が実施例1の混練物の写真、下段が比較例1の混練物の写真である。比較例1の混練物において凝集体(色が濃い部分)が認められるのに対し、実施例1の混練物では凝集体は認められずきれいに分散していた。
【図2】試験例1の結果を表すグラフである。縦軸は応力(MPa)、横軸はひずみを示す。
【図3】試験例2の結果を表すグラフである。縦軸は応力(MPa)、横軸はひずみを示す。なお、20%のグラフは5%のグラフトほぼ同じ傾きであり、5%のグラフトと重複している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミクロフィブリル化セルロース及び樹脂を含有する混練物を成形してなる樹脂成形体であって、
ミクロフィブリル化セルロースの含有量が成形体全体の4〜15重量%であり、
前記成形体の強度がミクロフィブリル化セルロースを含まないことを除いて同じ方法で成形された成形体の強度と比較した相対強度が1.10以上であることを特徴とする樹脂成形体。
【請求項2】
ミクロフィブリル化セルロースの含有量が成形体全体の5〜15重量%である請求項1に記載の樹脂成形体。
【請求項3】
相対強度が1.15以上である請求項1又は2に記載の樹脂成形体。
【請求項4】
樹脂が生分解性樹脂及び脂肪族ポリエステルからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂成形体。
【請求項5】
ミクロフィブリル化セルロース分散性及び樹脂溶解性を備えた溶媒に、ミクロフィブリル化セルロースの分散及び樹脂の溶解を行い、混合した後、溶媒を除去する工程を有することを特徴とするミクロフィブリル化セルロース含有樹脂成形体の製造方法。
【請求項6】
溶媒がアセトンである請求項5に記載のミクロフィブリル化セルロース含有樹脂の製造方法。
【請求項7】
樹脂を溶解した溶媒とミクロフィブリル化セルロースを分散した溶媒を混合した後、溶媒を除去する工程を有することを特徴とするミクロフィブリル化セルロース含有樹脂成形体の製造方法。
【請求項8】
樹脂を溶解した溶媒の溶媒がジクロロメタンであり、ミクロフィブリル化セルロースを分散した溶媒がアセトンである請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
ミクロフィブリル化セルロース含有樹脂成形体におけるミクロフィブリル化セルロースの含有量が4〜15重量%である請求項5〜8のいずれかに記載の製造方法。
【請求項10】
樹脂が生分解性樹脂及び脂肪族ポリエステルからなる群から選択される少なくとも1種である請求項5〜9のいずれかに記載の製造方法。
【請求項11】
請求項5〜10のいずれかの方法によって製造されたミクロフィブリル化セルロース含有樹脂成形体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2008−24795(P2008−24795A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−197512(P2006−197512)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【Fターム(参考)】