説明

弾性複合構造を有する複合ウェブ

基材上に位置する1個以上の弾性複合構造を有する複合ウェブ、そのような複合ウェブの製造方法および弾性複合構造と基材とを含む物品が開示される。弾性複合構造は好ましくは2ヶ所以上の位置でアンカーに取り付けられた1個以上の弾性構成部品を含み、ここではアンカー自体が基材に取り付けられている。アンカーは好ましくは非弾性ポリマー材料から構成され(そして/または使用時に弾性のないものに限定され)、そして弾性構成部品は好ましくはエラストマーポリマー材料から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾性構造を有する複合ウェブおよびその製造方法の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの理由のため、弾性、すなわち適度な伸長後にそれらの最初の形状を少なくとも部分的に回復する能力を示す複合ウェブの製造が望まれている。弾性は、例えば衣類(例えば、おしめ、トレーニングパンツ、ガウン、寝具類等)などの品目用のファスナーシステムと関連して有用であり得る。衣類の弾性は、動的な適合と呼ばれる着用者による移動に応じた伸長および回復する能力を提供可能である。
【0003】
また弾性は他の物品またはデバイスと関連して有用でもあり得る。例えば、所望の引張を提供するようにファスナーの伸長および回復力への依存によって供給され得る引張にファスナーが保持される場合、いくつかのファスナーはより整合的な取付けを提供し得る。他の例において、弾性はファスナーまたは他の物品の大きさまたは長さの簡単な調整を可能にする。
【0004】
様々な適用において弾性は有利であり得るが、それは製造において問題を引き起こし得る。例えば複合ウェブおよび他の物品に弾性を提供する試みの多くは、例えば、所望の弾性を提供するために基材または他の非弾性部材に接着または縫合された別々の弾性構成部品に依存する。弾性構成部品の確実な取り付けの達成および/または維持が困難であるという点で、かかる複合物品の製造は問題を含み得る。接着剤(例えば感圧接着剤)を使用して弾性構成部品を取り付ける場合の共通の問題は接着剤クリープ、すなわち剪断力に応じてウェブまたは他の物品の表面を横切る弾性構成部品の傾向である。
【0005】
さらに別々の弾性構成部品の提供および取り付けの費用および困難は比較的高い。別々の弾性構成部品の取り扱いおよび取付けは原料量を減少し得、追加的な廃棄物(別々の成分が確実に取り付けられない部分)等を引き起こし得る。
【0006】
他の例において、全ての複合ウェブまたは基材が弾性を示し得る。例えば多くのファスナーシステムは弾性積層物バッキングの使用に依存し、ここでは基材と同一の広がりを有するフィルムの形態で弾性材料が提供される。かかるアプローチは、同一の広がりを有する弾性層の提供に関連して費用を増加し得る。さらに多くの弾性材料は通気性ではない。弾性積層物バッキングが衣類に使用される場合、その通気性を改善するためにバッキングを穿孔することが望ましい。しかしながら、かかる追加的な処理は弾性積層物バッキングの製造費用を増加する。弾性積層物バッキングの潜在的なもう一つの欠点は、バッキングの異なる部分において発生する弾性回復力のいずれの調整も提供が困難であり得ることである。
【0007】
基材上に不連続ポリマー構造を提供するための様々なアプローチについては、例えば2001年11月5日出願の「構造化不連続ポリマー領域を有する複合ウェブのためのシステムおよび方法(SYSTEMS AND METHODS FOR COMPOSITE WEBS WITH STRUCTURED DISCRETE POLYMERIC REGIONS)」という表題の米国特許出願公報第2003/0085485A1号明細書;2001年11月5日出願の「補強ポリマー領域および弾性ポリマー領域を有する複合ウェブ(COMPOSITE WEBS WITH REINFORCING POLYMERIC REGIONS AND ELASTIC POLYMERIC REGIONS)」という表題の米国特許出願公報第2003/0087098A1号明細書;2001年11月5日出願の「補強不連続ポリマー領域を有する複合ウェブの製造方法(METHODS FOR PRODUCING COMPOSITE WEBS WITH REINFORCING DISCRETE POLYMERIC REGIONS)」という表題の米国特許出願公報第2003/0084996A1号明細書;2001年11月5日出願の「不連続弾性ポリマー領域を有する複合ウェブ(COMPOSITE WEBS WITH DISCRETE ELASTIC POLYMERIC REGIONS)」という表題の米国特許出願公開第2003/0087059A1号明細書;2003年3月13日出願の「ポリマー転送装置、方法および複合ウェブ(POLYMER TRANSFER APPARATUS,METHODS,AND COMPOSITE WEBS)」という表題の米国特許出願第10/387,699号明細書(代理人整理番号58357US002)および2003年12月22日出願の「複合ウェブおよびクロージャーシステム(COMPOSITE WEBS AND CLOSURE SYSTEMS)」という表題の米国特許出願10/744,141号明細書(代理人整理番号58357US008)に記載されるが、これらのアプローチはロール温度および基材の組成等などの特定の態様において限定されており、そしてそれらの限定は本発明に関しては適用されても、適用されなくてもよい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、基材上に位置する1個以上の弾性複合構造を有する複合ウェブ、そのような複合ウェブの製造方法および弾性複合構造と基材とを含む物品を提供する。弾性複合構造は好ましくは2ヶ所以上の場所でアンカーに取り付けられた1個以上の弾性構成部品を含み得、ここでアンカー自体が基材に取り付けられている。アンカーは好ましくは非弾性のポリマー材料から構成され(そして/または使用時に弾性のないものに限定され)、そして弾性構成部品は好ましくはエラストマーポリマー材料から構成される。
【0009】
基材自体が伸展性である場合、本発明による基材に取り付けられた1個以上の弾性複合構造を有する複合ウェブは都合よく基材に弾性を提供し得る。基材はいくつかの例で弾性であり得、その場合は弾性複合構造が基材の弾性を変更し得る。
【0010】
エラストマーおよび/または非弾性ポリマー材料は、好ましくは熱可塑性材料である。本発明と関連して使用される場合、「熱可塑性物質」(およびその変形)とは、熱への暴露時に軟化し、そして室温に冷却時にその最初の条件またはその最初の条件付近に戻るポリマーまたはポリマー組成物を意味する。本発明の方法と関連して使用される熱可塑性の材料は、好ましくは本明細書に記載の総形工具の凹部中に流動または侵入可能である。
【0011】
本発明と関連する使用のために適切なポリマー材料は好ましくは溶融加工可能であり、例えば熱可塑性ポリマー材料である。溶融加工可能なポリマー材料(本明細書では溶融ポリマー材料とも記載される)は、他では平滑な表面の凹部を少なくとも部分的に充填するために十分に流動し、溶融加工間に著しく分解しないポリマー材料として説明されてよい。多種多様なポリマー材料が、凹部の幾何学および加工条件次第で本発明と関連する使用に関して適切な溶融および流動特性を有し得る。そしてさらに好ましくは、溶融加工可能なポリマー材料および加工条件は、ポリマー材料のいずれの粘弾性回復特性によって、例えば本明細書に記載されるような溶融ポリマー材料のワイピング間に、凹部からのそれらの著しい引き出しが生じないように選択される。
【0012】
1個以上の弾性複合構造を基材へと形成および転送するために総形工具が使用される本発明による方法の少なくともいくつかにおいて、その総形工具によって転送されるポリマー材料の溶融加工温度未満のロール温度で総形工具の表面を維持することが好ましい。本発明と関連して使用されるポリマー材料の溶融加工温度は、例えば5秒以下の期間で低圧から中圧下(例えばドクターブレード、ニップロール等を使用して発生され得る圧力)でポリマー材料が(本明細書に記載される)総形工具の凹部中に流動または侵入可能である最低温度である。
【0013】
いくつかの例において、溶融加工温度は非晶質ポリマー材料のガラス転移温度もしくはそれよりわずかに上であってよく、または結晶性もしくは半結晶性ポリマー材料の溶解温度もしくはわずかに上であってよい。ポリマー材料が、一種以上の結晶性および一種以上の半結晶性ポリマーの一方もしくは両方とブレンドされた一種以上の非晶質ポリマーを含む場合、溶融加工温度は非晶質ポリマーの最高ガラス転移温度または結晶性および半結晶性ポリマーの最高融解温度より高い。加えて、総形工具上で付着させる時、ロール温度が溶融ポリマー材料の温度よりも少なくとも摂氏20℃以上低いことが好ましい。
【0014】
比較的冷たい総形工具を維持することの1つの潜在的な利点は、総形工具(その外側表面上またはその中に形成される凹部内のいずれか)に適用される溶融ポリマー材料がポリマー材料の溶融加工温度より低い範囲に収まり、それが少なくとも部分的には凍結または凝固し得るが、外側の工具表面から遠位に位置する溶融ポリマー材料の少なくとも一部が、ポリマー材料の転送をもたらして弾性複合構造の選択された構成部品を形成するために十分長い間、溶融状態を維持するということである。好ましい結果は、外側の工具表面から遠位にある溶融ポリマー材料によって所望の構成部品(例えば基材、アンカー、弾性構成部品等)への取り付けが可能でありながら、外側の工具表面と接触しているポリマー材料が表面からきれいに剥離される(例えば凍結または凝固されて)ということである。
【0015】
比較的冷たい総形工具を維持するもう1つの潜在的な利点は、溶融熱可塑性組成物が転送される基材の組成が総形工具の温度によって制限されないということである。例えば工具温度は、移動プロセスの間の基材へのいずれの著しい損傷も制限するために十分低くてよい。弾性複合構造は、弾性複合構造と同一または類似ポリマー材料から構成される多孔性および非多孔性基材(例えばフィルム)上に形成されてよい。熱可塑性物質ポリマーから形成される基材を含むいくつかの例において、基材の熱可塑性ポリマー組成物は、好ましくはその上に形成される弾性複合構造に使用されるポリマー材料の溶融加工温度またはそれ以下の溶融加工温度を有する。基材の熱可塑性ポリマー組成物の溶融加工温度は、弾性複合構造を形成するために使用されるポリマー材料と関連して上記で提供された溶融加工温度と同じ定義を受ける。加えて、ロール温度が基材の熱可塑性ポリマー組成物の溶融加工温度よりも少なくとも摂氏20℃以上低いことが好ましい。
【0016】
基材の内部結合力および/または基材の引張強さに関する懸念は、基材が繊維状構造(例えば織物、不織物または編物繊維)を含む場合により懸念され得る。これは例えば基材が総形工具から引き出される時に作用する力によって基材の残部から分離し得る。凹部中のポリマー材料の好ましい凍結または凝固のため、これらの考慮すべき事項は本発明によって制限され得る。基材およびポリマー材料によってその上に形成されるいずれかの取り付けられた構造が総形工具から取外される時、ポリマー材料の凍結または凝固は基材上で作用するいずれの力も制限し得る。
【0017】
本発明の方法のもう1つの潜在的な利点は、基材の主面上へポリマー材料の1以上の集団を転送するが、基材に面するポリマー材料の少なくとも一部が溶融される(すなわちその溶融加工温度より高い)能力である。基材が例えば多孔性、繊維状等である場合、転送間に基材およびポリマー材料集団に適用される圧力は、溶融ポリマー材料の一部を基材に浸透させ、そして/または基材の繊維をカプセル化することを強制することによって基材へポリマー材料の1以上の集団の取り付けを向上し得る。基材が多孔性ではないが、凹部中の溶融ポリマー材料の温度と比較して十分に低い溶融加工温度を有する熱可塑性組成物から製造される場合、基材へのポリマー材料集団の取り付けはポリマー材料と基材の熱可塑性組成物との内部混合によって達成され得る。
【0018】
一態様において、本発明は、溶融エラストマーポリマー組成物を総形工具上に送達する工程と;エラストマーポリマー組成物の溶融加工温度未満のロール温度に総形工具を維持する工程と;エラストマーポリマー組成物の少なくとも一部上で溶融アンカーポリマー組成物を付着させる工程と;アンカーポリマー組成物をベース基材の第1の主面に転送する工程であって、基材の第1の主面とアンカーポリマー組成物との接触を含む工程と;転送後に総形工具からエラストマーポリマー組成物を分離する工程と;による複合ウェブの製造方法であって、ベース基材の第1の主面上に1個以上の弾性複合構造を有する複合ウェブが形成され、各弾性複合構造が2個のアンカーに取り付けられた弾性構成部品を含み、アンカーがアンカーポリマー組成物を含み、そして弾性構成部品が弾性ポリマー組成物を含む方法を提供する。
【0019】
もう1つの態様において、本発明は、その中に形成された1個以上の凹部を含む外側表面を有する総形工具を提供する工程と;溶融エラストマーポリマー組成物を総形工具の外側表面上に送達する工程と;エラストマーポリマー組成物の溶融加工温度未満であるロール温度で総形工具の外側表面を維持する工程と;総形工具の外側表面上の溶融エラストマーポリマー組成物をワイピングして、少なくともいくらかの溶融エラストマーポリマー組成物が総形工具の外側表面の1個以上の凹部に侵入する工程と;エラストマーポリマー組成物の少なくとも一部上の溶融アンカーポリマー材料を付着して、溶融アンカーポリマー組成物の少なくとも一部が1個以上の凹部のエラストマーポリマー組成物のアンカー部分上に位置する工程と;アンカーポリマー組成物をベース基材の第1の主面に転送する工程であって、工程が基材の第1の主面とアンカーポリマー組成物との接触を含み、ベース基材の第1の主面が多孔性表面であり、そして転送後にアンカーポリマー組成物の一部が多孔性表面に浸透する工程と;転送後に1個以上の凹部の弾性ポリマー組成物とアンカーポリマー組成物とを総形工具から分離する工程と;による複合ウェブの製造方法であって、ベース基材の第1の主面上に1個以上の弾性複合構造を含む複合ウェブが形成され、各弾性複合構造が2個のアンカーに取り付けられた弾性構成部品を含み、アンカーがアンカーポリマー組成物を含み、そして弾性構成部品がエラストマーポリマー組成物を含む方法を提供する。
【0020】
もう1つの態様において、本発明は、ベース基材および弾性基材をニップに送達する工程と;ベース基材と弾性基材との間に溶融アンカーポリマー組成物を送達する工程と;による複合ウェブの製造方法であって、ベース基材の第1の主面上に1個以上の弾性複合構造を含む複合ウェブが形成され、各弾性複合構造が2個のアンカーに取り付けられたエラストマー構成部品を含み、アンカーがアンカーポリマー組成物を含み、そして弾性構成部品が弾性基材を含む方法を提供する。
【0021】
もう1つの態様において、本発明は、第1の主面を有するベース基材と;ベース基材の第1の主面に取り付けられ、各アンカーがベース基材の第1の主面に取り付けられたアンカーポリマー組成物の集団を含む2個のアンカーと;2個のアンカー間に取り付けられて延在し、エラストマーポリマー組成物を含み、2個のアンカー間で基材の第1の主面に取り付けられず、そして2個のアンカー間のベース基材の伸長によって伸長される弾性構成部品と;を含む弾性複合構造を提供する。
【0022】
もう1つの態様において、本発明は、多孔性の第1の主面を有するベース基材と;ベース基材の第1の主面に取り付けられ、各アンカーがベース基材の第1の主面に取り付けられたアンカーポリマー組成物の集団を含み、各アンカーのアンカーポリマー組成物の少なくとも一部によって多孔性の第1の主面が浸透される1個以上のアンカーと;1個以上のアンカーの少なくとも1個のアンカーに取り付けられ、エラストマーポリマー組成物を含む弾性構成部品と;を含む弾性複合構造を提供する。
【0023】
もう1つの態様において、本発明は、第1の主面を有するベース基材と;ベース基材の第1の主面に取り付けられ、各アンカーがベース基材の第1の主面に接着力によって取り付けられたアンカーポリマー組成物の集団を含む2個のアンカーと;2個のアンカー間に取り付けられて延在し、エラストマーポリマー組成物を含む弾性構成部品と;を含む弾性複合構造であって、そして2個のアンカーを通して延在する伸長方向で弾性複合構造が伸長されて、弾性構成部品がこの方向に沿って測定される場合に50%伸長を示す時に2個のアンカーの各アンカーがこの伸長方向に沿って測定される場合に10%以下の伸長を示す弾性複合構造を提供する。
【0024】
もう1つの態様において、本発明は本明細書に記載の弾性複合構造を1個以上含む衣類または失禁デバイスを提供する。
【0025】
本発明の様々な実例となる例示的な実施形態と関連して、以下に本発明のこれらおよび他の特徴および利点を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
上記の通り、本発明は、基材の表面上に位置する1個以上の弾性複合構造を含む複合ウェブ、その複合ウェブの製造方法、ならびに弾性複合構造と基材とを含み、そして本発明のクロージャー要素およびシステムを提供するクロージャー物品を提供する。以下の本発明の例示的実施形態の記載において、本発明の一部を形成し、そして本発明が実行され得る具体的な例示的実施形態が例示される添付の図面が参照される。本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態が利用されてもよく、そして構造的変更が行なわれてもよいことは理解されるだろう。
【0027】
図1は、本発明の1つの複合ウェブの一部の断面図である。この複合ウェブは、第1の主面12および第2の主面14を有する基材10を含む。弾性複合構造は、基材10の第1の主面12上に位置するように示される。弾性複合構造は、アンカー30に取り付けられた弾性構成部品20を含む。アンカー30は、好ましくは基材10の表面12上で互いに間隔をあけている。
【0028】
好ましくは、弾性構成部品20はアンカー30間で基材10の表面12に取り付けられない。しかしながら、いくつかの例において弾性構成部品20はアンカー30間で基材10の表面12に取り付けられていてもよい。しかしながら、かかる状況において基材10の表面12への弾性構成部品20の取り付けは、弾性構成部品20とアンカー30との間での主要な取り付けに対して副次的である。例えば弾性構成部品20と基材10の表面12との間の取り付けは、弾性構成部品20および/または基材10を伸長することによって破壊され得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、本発明の弾性複合構造は1個のみのアンカー30がベース基材10に取り付けられ、そして弾性構成部品20がアンカー30に取り付けられる(そして好ましくは他の様式では基材10に取り付けられない)片側の形態で提供されてもよい。
【0030】
弾性複合構造の製造後、弾性複合構造の弾性構成部品20は弾性を示す。したがって弾性構成部品20が本明細書に記載されるようなエラストマーポリマー材料から構成されることは好ましい。いくつかの例において、好ましくは弾性構成部品20は総形工具の表面の1個以上の凹部中で形成され、そして本明細書に記載されるような弾性複合構造へと転送される。
【0031】
本発明と関連して使用される場合、「弾性構成部品」は伸長後に実質的にその最初の形状を回復する構成部品を意味する。さらに弾性構成部品は、好ましくは変形および緩和の後にわずかな永久歪のみを受け、この歪は好ましくは、適度の伸長、例えば約50%において最初の長さの約30%以下、そしてより好ましくは約20%以下である。
【0032】
弾性複合構造は基材10の第1の表面12に取り付けられたアンカー30も含む。アンカー30は好ましくは非弾力性ポリマー材料から構成される。アンカー30が非弾力性ポリマー材料の不連続集団であることが好ましい。不連続集団とは、異なるアンカーが基材10の表面12に渡って互いに分離していることを意味する。しかしながら、いくつかの例において、アンカー30の間の基材10の伸展性が妨害されなければアンカー30は互いに連結していてもよい。
【0033】
アンカー30が非弾性ポリマー組成物から形成されることが好ましいが、いくつかの例において、得られるアンカー30が弾性構成部品20によって示される弾性と比較して、ほとんどまたは全く弾性を示さない場合、アンカー30がエラストマーポリマー材料を含んでもいてよい。例えばベース基材10の主面上でいずれの面内方向に沿って、アンカーが伸長後50%以下の弾性回復を示すことが好ましい。あるいは基材10の主面上でいずれの面内方向に沿って、アンカー30が伸長後30%以下の弾性回復またはさらには伸長後10%以下の弾性回復を示すことが好ましい。
【0034】
本発明の弾性複合構造においてアンカーを特徴づけるもう1つの様式は、弾性構成部品に相対してアンカーの弾性を説明することを伴う。例えばいくつかの実施形態において、アンカーはエラストマーポリマー材料から構成されてもよい。しかしながら、弾性複合構造が通常経験する力の下、適用された力によって弾性構成部品が伸長する時にアンカーが著しい伸長を経験しないように、アンカーの弾性は好ましくは所定の弾性複合構造における弾性構成部品の弾性未満である。アンカーおよび弾性構成部品の伸長差は、例えばアンカーおよび弾性構成部品中の異なるエラストマーポリマー材料、アンカーおよび弾性構成部品中のエラストマーポリマー材料の断面積(例えばアンカーは弾性構成部品より厚い)等の結果である。例えば、方向に沿って測定すると弾性構成部品が50%の伸長を示すように弾性複合構造が2個のアンカーを通して延在する伸長方向で伸長される場合、伸長方向に沿って測定すると2個のアンカーの各アンカーが10%以下の伸長を示すことが好ましい。あるいは伸長方向に沿って測定すると弾性構成部品が25%の伸長を示すように弾性複合構造が2個のアンカーを通して延在する伸長方向で伸長される場合、伸長性方向に沿って測定すると2個のアンカーの各アンカーが2%以下の伸長を示すことが好ましい。相対的な弾性のなおさらに別の記載において、弾性複合構造が弾性構成部品の弾性限界まで2個のアンカーを通して延在する伸長方向で伸長される場合、アンカーが弾性構成部品の伸長の20%以下のみを示すことが好ましく、より好ましくは弾性構成部品の伸長の10%以下のみ、そしてなおより好ましくは弾性構成部品の伸長の5%以下のみを示す。
【0035】
アンカー30を基材10に転送または取り付ける方法は様々な形態であってよい。例えば、外側表面に凹部が形成された総形工具を使用して、スムースツールおよびノッチドドクターブレードを使用して、または凹部およびノッチドドクターブレードを有する工具の組み合わせを使用してアンカー30を適用してよい。アンカー30を基材10に取り付けるいくつかの潜在的に適切なシステム、装置および方法の例は、例えば2001年11月5日出願の「不連続弾性ポリマー領域を有する複合ウェブ(COMPOSITE WEBS WITH DISCRETE ELASTIC POLYMERIC REGIONS)」という表題の米国特許出願公開第2003/0087059A1号明細書、2003年3月13日出願の「ポリマー転送装置、方法および複合ウェブ(POLYMER TRANSFER APPARATUS,METHODS,AND COMPOSITE WEBS)」という表題の米国特許出願第10/387,699号明細書(代理人整理番号58357US002)および2003年12月22日出願の「複合ウェブおよびクロージャーシステム(COMPOSITE WEBS AND CLOSURE SYSTEMS)」という表題の米国特許出願10/744,141号明細書(代理人整理番号58357US008)に記載される。
【0036】
アンカーを本発明の基材に取り付ける他の方法が示されてもよい。例えば本明細書で解説されるように、接着剤を使用してアンカーを基材に取り付けてもよい(例えば図4および相当する考察を参照のこと)。他の取り付け技術としては、例えば熱による取り付け(例えば熱シーリング、点溶接、押出結合等)、超音波による取り付け、化学的溶接(例えば溶媒を使用して等)が挙げられる。加えて基材に面する各アンカーの全表面が基材に取り付けられることが好ましいが、いくつかの実施形態においてはアンカーの表面の一部のみが基材に取り付けられてもよい。
【0037】
弾性構成部品20は、基材10から外側を向く表面22および基材10に面する表面24を含む。同様にアンカー30は基材10から外側を向く表面32を含む。弾性構成部品20はアンカー30の表面32に取り付けられる。
【0038】
例えば弾性構成部品20およびアンカー30に使用されるポリマー材料の内部混合(例えばポリマー材料の、例えば溶融結合または熱シーリングにおいて見られる表面混合)によって、弾性構成部品20の弾性ポリマー材料がアンカーに取り付けられるか、または結合されることが好ましい。別の特徴評価においては、アンカー30自体を形成するために使用されるポリマー材料とは別に適用される、例えば接着剤または他の結合剤の補助なしで、弾性構成部品がアンカー30に直接的に取り付けられることが好ましい。例えば弾性構成部品20をアンカーに取り付けるために、アンカー30のポリマー材料と接触させながら溶融加工温度以上の温度で弾性構成部品20のエラストマーポリマー材料が存在することが好ましい。弾性構成部品20の全てのエラストマーポリマー材料が溶融加工温度以上にある必要はなく、またはそれが好ましくもない。いくつかの例において、弾性構成部品20をアンカー30に取り付けるため、アンカー30に面するエラストマーポリマー材料の部分のみが溶融加工温度で存在することで十分である。
【0039】
本発明の弾性複合構造において弾性構成部品をアンカーに取り付ける他の方法が示されてもよい。例えば別の取り付け技術としては、例えば熱による取り付け(例えば熱シーリング、点溶接等)、超音波による取り付け、化学的溶接(例えば溶媒を使用して等)が挙げられる。加えてアンカーに面する各弾性構成部品の全表面がアンカーに取り付けられることが好ましいが、いくつかの実施形態においては弾性構成部品の表面の一部のみがアンカーに取り付けられてもよい。
【0040】
弾性構成部品20のエラストマーポリマー材料を転送する方法は総形工具、ドクターブレードおよびそれらに類似の方法を使用して達成され、例えば、2001年11月5日出願の「不連続弾性ポリマー領域を有する複合ウェブ(COMPOSITE WEBS WITH DISCRETE ELASTIC POLYMERIC REGIONS)」という表題の米国特許出願公開第2003/0087059A1号明細書、2003年3月13日出願の「ポリマー転送装置、方法および複合ウェブ(POLYMER TRANSFER APPARATUS,METHODS,AND COMPOSITE WEBS)」という表題の米国特許出願第10/387,699号明細書(代理人整理番号58357US002)および2003年12月22日出願の「複合ウェブおよびクロージャーシステム(COMPOSITE WEBS AND CLOSURE SYSTEMS)」という表題の米国特許出願10/744,141号明細書(代理人整理番号58357US008)に記載される。いくつかの他の潜在的に適切な本発明の複合ウェブの製造方法は、図7および8と関連して本明細書で記載される。
【0041】
図1には1個のみの弾性複合物品が示されているが、基材10が好ましくは表面12上に2個以上の弾性複合構造を含むことは理解されるべきである。さらに、1個の示された弾性複合構造が基材10の表面12に取り付けられるが、1個以上の弾性複合構造が基材10の主面12および14に位置してもよいことは理解されなければならない。1個以上の弾性複合構造は、それらが位置する基材10の表面12および/または14のいずれの所望の部分をカバーしてもよい。例えば、弾性複合構造は基材10の一方または両方の主面の全てまたは一部のみをカバーしてもよい。
【0042】
本発明の複合ウェブ上の弾性複合構造は、(xおよびy方向の両方で)規則正しい繰返しパターンで基材の表面上に均一に間隔をあけていてもよいが、所望の場合は弾性複合構造の間隔および配置は不均一であってもよい。さらに、弾性複合構造が配置されるパターンは不規則であってもよい。
【0043】
他の変形において、本発明に従って製造される複合ウェブの一部が均一に間隔をあけた弾性複合構造を含むが、同複合ウェブの他の部分がいずれの弾性複合構造も含まなくてもよい。なおもう1つの選択肢において、本発明に従って製造される複合ウェブの一部が均一に間隔をあけた弾性複合構造を含むが、同複合ウェブの他の部分が不均一に間隔をあけたパターンで配置された弾性複合構造を含んでもよい。さらに本発明に従って製造される複合ウェブの種々の部分が、互いに異なる繰返しパターンで両方が均一に間隔をあけた弾性複合構造の種々の組を含んでもよい。
【0044】
弾性複合構造は、いずれかの所望の形状、例えば、正方形、長方形、六角形等で提供されてよい。形状が、認識された幾何学形状の形態であっても、またはそうでなくてもよいが、不規則な周辺部でランダムに形成されてもよい。加えて、形状が立体図形である必要はないが、総形工具上のポリマー材料が転送されない形状で形成される島状構造を含んでもよい。
【0045】
図2および図3は、ファスナー構成部品150の反対側の末端部102を含む1つの例示的な複合物品100の形態で本発明の第2の実施形態を示す。示された例示的な複合物品100は、例えばクロージャータブ、例えば、おしめまたは他の衣類、物品等用として使用されてもよい。
【0046】
複合物品100はベース基材110およびカバー140を含み、弾性複合構造はベース基材110とカバー140との間に位置する。弾性複合構造は、アンカー130と、本発明の弾性複合構造においてアンカーに弾性構成部品を取り付けるための本明細書に記載のいずれかの適切な技術によってアンカー130に取り付けられた弾性構成部品120とを含む。それらは他ではカバー140によって隠されているため、弾性構成部品120および弾性構成部品120によってカバーされないアンカー130のそれらの部分を図2に点線で示す。
【0047】
図2および図3に示されるファスナー構成部品150は機械式ファスナーの形態であるが、ファスナー構成部品150がいずれの所望の形態で提供されてもよいことは理解されるべきであり、例えばファスナー構成部品150は感圧接着剤、非粘着性材料等の領域であってもよい。さらにファスナー構成部品150が機械式ファスナーの形態である場合、例えばホック構造(例えば、ホックおよびループクロージャーシステム)、マッシュルーム構造(またはいずれかの他の適切なオスメス型ファスナーシステム)、スナップ、ボタン、クラスプ等などのいずれかの適切な機械式ファスナーであってもよい。本発明と関連して使用され得るいくつかの潜在的に適切なファスナー構成部品およびクロージャーの例は、例えば米国特許第3,899,803号明細書;同第5,983,467号明細書;同第4,887,339号明細書;および同第4,183,121号明細書に記載される。
【0048】
ファスナー構成部品150は、いずれかの適切な技術または技術の組み合わせによって製造され、そして複合物品100に取り付けられてもよい。ファスナー構成部品150がベース基材110から外側を向くカバー基材140の表面142に取り付けられることは好ましい。あるいはファスナー構成部品150をベース基材110の表面114に取り付けることが可能である。なおもう1つの選択肢において、ファスナー構成部品150はカバー140の表面142およびベース基材110の表面114の両方に取り付けられることが可能である。さらに別の選択肢において、ファスナー構成部品150を、カバー基材140によってカバーされない領域において基材110の表面112に取り付けることが可能である。
【0049】
いずれかの適切な技術および材料を使用して、カバー基材140をベース基材110に取り付けてもよい。示された実施形態において、接着剤160の層は、弾性複合構造によって占有される領域の外でカバー基材140およびベース基材110の間に位置する。示されていないが、カバー基材140自体が接着剤の層を含むか、または他の形態でベース基材110から外側を向く弾性複合構造の表面に取り付けられてもよい。もう1つの選択肢において、ベース基材110上に接着剤160の層を含まずに、カバー基材140自体がベース基材110に面する接着剤の層を含んでよい。
【0050】
他の特徴の中でも、基材110の表面112に取り付けられる複数のアンカー130が図2および図3に示される。同様に弾性構成部品120はアンカー130の上部表面132に取り付けられる。加えて、アンカー130を弾性構成部品120の最外縁126aおよび126b近位の基材110に取り付け、弾性複合構造は、弾性構成部品120の最外縁で見えるそれらの間に位置するアンカー130を含む。1つ以上の種々の機能を果たすように、かかる中間体アンカー130を提供する。例えば中間体アンカーは、より確実に弾性構成部品120を基材110に取り付け得る。あるいは中間体アンカーは、より大きい領域上での伸長間、弾性構成部品120およびアンカー130の間で発生する力を分配し得る。もう1つの選択肢において、中間体アンカー130は、伸長力を基材110および弾性構成部品120の両方のより多くの位置に分配するために使用され得る。
【0051】
図2および図3に示される任意のもう1つの特徴は、縁126aと126bとの間で延在する軸121に対して横断方向で測定される弾性構成部品120の幅の変化(図2を参照のこと)および基材110の表面112に対して垂直方向で測定される弾性構成部品120の厚さの変化である。例えば図2および図3に示されるように、幅がより狭い領域において弾性構成部品120がより厚いことは好ましい。かかる構造の1つの潜在的な利点は、弾性構成部品120の伸長間に生じる弾性回復力が軸121に沿ってより均一となり得ることである(特に弾性構成部品内で生じる弾性回復力が容積依存性である場合)。別の構造において、弾性構成部品120の最も厚い領域が弾性構成部品120の外側の縁以外のいずれか、例えば中央等に位置してもよい。
【0052】
弾性構成部品120の厚さの変化は一般的に、軸121に沿って移動する間に段階的に示されるが、弾性構成部品120の厚さはいずれかの適切な様式で、例えば直線的等で変化してもよいことは理解されなければならない。
【0053】
図3に示されるなおもう1つの任意の特徴は、ベース基材110の表面112上の接着剤160の層である。接着剤160は適切ないずれかの形態、例えば感圧接着剤、圧力活性化接着剤、熱活性化接着剤、ホットメルト接着剤、エポキシ、非粘着性材料等であってよい。接着剤160は主にカバー基材140をベース基材110に取り付けるために提供されてよく、またはそれは弾性構成部品120の低部表面124近位のベース基材110の表面112を保持する際に有用であり得る。
【0054】
接着剤160は、好ましくはアンカー130が取り付けられる前に基材の表面112に適用される。かかる構造において、アンカー130は接着剤160がない領域に取り付けられてもよい。あるいは(特にアンカー用に使用されるポリマー材料が高温にある場合、)接着剤の昇華または置換をもたらす技術によって、アンカー130が接着剤層160上に適用されてもよい。
【0055】
(アンカー130によって置換される場所を除き、)接着剤160はベース基材110の表面112上に連続的に位置するように示されているが、いくつかの実施形態において、接着剤は、基材110のかかる領域が接着剤160を含まないように不連続に提供されてもよい。かかる実施形態において、カバー140は不連続な様式で基材110に取り付けられてもよい。カバー140の不連続な取り付けは、例えば複合ウェブの屈曲性を増加し得る。
【0056】
本発明の弾性複合構造のもう1つの別の例示的な実施形態を図4に示す。弾性複合構造は、同様に基材210の表面214に取り付けられたアンカー230に取り付けられた弾性構成部品220を含む。多くの点で図4の弾性複合構造は図1〜3に関して上記の弾性複合構造と類似する。しかしながら1つの差異は、接着剤260を使用してアンカー230が基材210の表面214に取り付けられることである。
【0057】
例えば接着剤260を使用して基材210に取り付けられたアンカー230を使用して取り付けられた弾性複合構造に関して、本明細書に記載のように弾性構成部品220が伸長された時にアンカー230が著しい伸長をいずれも示さないことが好ましい。さらに、非弾性アンカー230が、接着剤260を使用してアンカー230が取り付けられる基材210のそれらの部分の伸展性または伸長を減少または防止することも好ましい。それら自体が実質的に非弾性であるアンカー230を提供することによって、基材への弾性構成部品の接着剤取り付けに関する上記の接着剤クリープの問題が制限され得るか、または完全に回避され得る。いくつかの例において、アンカーが非弾性ポリマー材料から形成されることが好ましい。
【0058】
図4に示されるもう1つの任意の特徴は、弾性複合構造上に位置するカバー240である。図2および図3に関連して上記されるカバー140の変形において、カバー240は、アンカー230が弾性構成部品220から外方向に延在するアンカー230の表面234に直接的に取り付けられる。かかる実施形態におけるカバー240は、例えば本明細書に記載されるもののいずれかの適切な基材であってもよい。アンカー230へのカバー240の取り付けは、例えば熱による取り付け(例えば熱シーリング、点溶接、押出結合等)、超音波による取り付け、化学的溶接(例えば溶媒を使用して等)、接着剤等などのいずれの適切な方法であってもよい。カバー240は連続的または不連続的(すなわち、カバーが取り付けられない領域によって特定の領域が分離される)に取り付けられてよい。
【0059】
本発明の物品のもう1つの別の実施形態を図5および図6に示す。物品300は、基材310の表面312に取り付けられた弾性複合構造を有する基材310を含む。弾性複合構造は、アンカー330およびアンカー330に取り付けられた弾性構成部品320を含む。多くの点で、図5および図6の弾性複合構造は、図1〜3に記載のものと類似する。しかしながら1つの差異は、弾性構成部品320は、表面322から表面324まで弾性構成部品320を通して形成される1個以上の空隙328を含むことである。
【0060】
空隙328は1つ以上の種々の機能を提供し得る。例えば材料を空隙328中に通過させることによって、空隙328は、弾性複合構造によって占有される基材310の領域において物品300の通気性を向上し得る。空隙328によって実行され得るもう1つの潜在的な機能は、弾性構成部品320上での引張に応じて弾性構成部品320によって示される弾性回復力の調節である。空隙328中に存在する弾性ポリマー材料は弾性回復力の寄与に利用不可能であるため、回復力は空隙328によって調節され得る。
【0061】
例えば、総形工具上の凹部内に位置する島状構造または他の構造を使用して、弾性構成部品320が形成または構成される時に空隙328を弾性構成部品320に提供してもよい(例えば米国特許出願公開第2003/0087098A1号明細書を参照のこと)。空隙328を有する弾性構成部品320を構成するもう1つの選択肢は、別の様式で空隙を含まない弾性構成部品320であったものに空隙328を形成することである。例えばパンチング、ダイカッティング、レーザーエネルギー、ウォータージェット等によって空隙が形成されてよい。
【0062】
本発明の複合ウェブの製造に関する1つの潜在的に有用なプロセスの1つの例示的な実施形態を図7に示す。この方法は総形工具としてロール470の使用を含む。バックアップロール472は、ロール470と一緒にニップを形成するために提供される。基材410は、ロール470および472によって形成されるニップに導かれる。
【0063】
総形ロール470は、例えば本明細書で引用される多くの特許出願に記載されるように溶融エラストマーポリマー組成物を受け取るために使用され得る凹部474を含む。しかしながら、凹部474にエラストマーポリマー組成物を送達するために使用される装置は図7に示される。エラストマーポリマー凹部474および得られる弾性構成部品420が別々の不連続な特徴または物品の形態で示されているが、いくつかの実施形態において、エラストマーポリマー材料は、好ましくは物品(好ましくは連続的)、例えばメッシュまたは網(それを通して開口部が形成される)、連続フィルム、トラバーシングストランド等に形成される。総形工具(例えばロール)がかかる弾性構成部品を形成するために使用される場合、総形工具中の凹部がメッシュ、網、フィルム等を形成するために適切な形状を有することが好ましい(または総形工具上でエラストマーポリマー材料を付着させるために使用される装置が所望の形状または形態であることが好ましい)。
【0064】
しかしながら図7はロール470上にアンカーポリマー組成物478を提供するための装置を含み、ここではアンカーポリマー組成物478の一部が凹部474のエラストマーポリマー組成物上に位置する(本明細書でエラストマーポリマー組成物のアンカー部分として示されることがある)。示された方法および装置において、アンカーポリマー組成物は、ロール470および472の回転によって画定される機械方向に沿って延在する2本のラインの形態で提供される。いくつかの例においては、アンカーポリマー材料がエラストマーポリマー組成物上のみに位置するようにアンカーポリマー組成物の適用範囲が限定されていてもよい。
【0065】
基材410へのエラストマーポリマー組成物およびアンカーポリマー組成物の転送は、ロール470および472によって形成されるニップの範囲内で生じる。ニップを通過後、基材410は、本明細書に記載されるように主面に取り付けられたアンカー430および取り付けられたアンカー430の間に延在する弾性構成部品420を含む。弾性構成部品420およびアンカー430の転送後、ウェブ410をシート状にすることができるか、または他の様式で分離することができ、そして本発明の複合物品が提供される。
【0066】
図8は、ベース基材510および弾性基材538がロール570および572の間で形成されたニップに導かれるもう1つの例示的な製造方法を示す。アンカーポリマー材料578がベース基材510と弾性基材538との間に位置するように、溶融アンカーポリマー材料578をニップへと送達する。供給源580から2以上の別々の連続ストランドで、または不連続集団でアンカーポリマー材料578をニップへと送達してよい。例えば、供給源580は押出ダイ、または所望の形態で溶融アンカーポリマー材料578をニップへと送達可能な他のデバイスであってよい。
【0067】
ポリマーアンカーがベース基材510および弾性基材538の両方に取り付けられることは好ましく、ここでは弾性基材538が2個以上のアンカー間で延在して、本発明の弾性複合構造を形成する。好ましくはベース基材は不織ウェブの形態で提供されるが、本明細書で記載されるような多くの他の基材が使用可能である。また弾性基材538は様々な形態、例えばメッシュまたは網(それを通して開口部が形成される)、連続的フィルム、トラバーシングストランド等であってよい。弾性基材538はかかる構造において弾性構成部品を形成する。ベース基材510、弾性基材538およびアンカーポリマー材料578によって形成された複合ウェブをシート状にすることができるか、または他の様式で分離することができ、そして本発明の複合物品が提供される。
【0068】
本発明の複合ウェブおよび物品を製造するための2つの例示的な方法および装置を図7および図8に示すが、多くの異なる方法および装置が本発明と関連して使用可能であることは理解される。図8に示される方法および装置の1つの変形において、例えば弾性基材538は、ロール570および572によって形成されるニップに対して直列形式で形成されてもよい。例えば、弾性基材538がロール570上で直接的に形成され、次いでロール572によってニップ中に弾性基材538が導かれてもよい。
【0069】
弾性複合構造を多種多様な物品およびデバイスにおいて使用してよいが、弾性複合構造を衣類の締結、失禁デバイス(例えば、おしめ)等用のクロージャータブの製造のために使用してよい。図9にクロージャータブ600が取り付けられたシャシー692を含む失禁デバイスの形態で、かかるデバイス690の1つを示す。クロージャータブ600および/またはシャシー692自体は本発明の原則に従って製造されて、弾性複合構造を含んでもよい。いくつかの失禁デバイスは、例えば米国特許第5,399,219号明細書(レスラー(Roessler)ら)および同第5,685,873号明細書(ブルーマー(Bruemmer)ら)に記載される。
【0070】
以下の解説は、本発明の複合ウェブで使用されてもよい潜在的に適切な基材およびポリマー材料(弾性および非弾性の両方)に関するいくつかの指針を提供する。
【0071】
基材
本発明の複合ウェブに関連して使用される基材は様々な構造を有してよい。例えば基材は、織物材料、不織物材料、編物材料、網、スクリム、フォーム、紙、フィルム、またはニップポイントを通して供給され得る他の連続媒体であってよい。基材は、例えば伸展性、弾性、屈曲性、適合性、通気性、多孔性、剛性等などの多種多様な特性を有し得る。さらに基材は平坦な平面シート構成からプリーツ、しわ、マイクロクレーピングまたは他の変形を含んでもよい。加えて、本発明と関連して使用される基材は、活性化、すなわち使用前の伸長または伸展を必要としても、または必要としなくてもよい。
【0072】
いくつかの例において、繊維を使用して基材が製造されてもよい。本明細書で使用される場合、用語「繊維」は、不定長の繊維(例えばフィラメント)および別々の長さの繊維(例えばステープルファイバー)を含む。本発明と関連して使用される繊維は複数成分繊維であってもよい。用語「複数成分繊維」は、領域が分散しているか、ランダムであるかまたは構造化されていない傾向があるブレンドに対して、繊維の横断面において少なくとも2つの別々の縦方向に同一の広がりを有する構造のポリマー領域を有する繊維を指す。従って、別々の領域は異なるポリマー種(例えばナイロンおよびポリプロピレン)からのポリマーから形成されてもよく、または同一ポリマー種(例えばナイロン)であるが特性が異なるポリマーから形成されてよい。従って、用語「複数成分繊維」としては、限定されないが同心性および偏心性シース−コア繊維構造、対称および非対称サイドバイサイド繊維構造、海島状(island−in−sea)繊維構造、パイウェッジ繊維構造およびこれらの構造の中空繊維が挙げられる。
【0073】
基材がいくらかのレベルの伸展性およびまた、いくつかの例においては弾性を示すことは好ましい。好ましい伸展性ウェブは、少なくとも約50gm/cm、好ましくは少なくとも約100gm/cmの初期降伏引張力を有し得る。さらに伸展性ウェブは、好ましくは伸展性不織ウェブである。
【0074】
本発明と関連して使用され得る不織ウェブ製造のための適切なプロセスとしては、限定されないが、エアレイニング、スパンボンド、スパンレース、結合メルトブローンウェブおよび結合カードウェブ形成プロセスが挙げられる。スパンボンド不織ウェブは、紡糸口金の一連の細密ダイオリフィスからフィラメントとして、溶融された熱可塑性物質を押出すことによって製造される。例えば、非エダクティブ(non−eductive)もしくはエダクティブ(eductive)流動体引き抜き、または例えば米国特許第4,340,563号明細書(アペル(Appel)ら);同第3,692,618号明細書(ドルスクナー(Dorschner)ら);同第3,338,992号明細書および同第3,341,394号明細書(キンネー(Kinney));同第3,276,944号明細書(レビ(Levy));同第3,502,538号明細書(ピーターソン(Peterson));同第3,502,763号明細書(ハートマン(Hartman))ならびに同第3,542,615号明細書(ドボ(Dobo)ら)に記載の他の既知のスパンボンド機構によって引張下で押出されたフィラメントの直径は迅速に減少する。スパンボンドウェブは、好ましくは結合される(点または連続結合)。
【0075】
また不織ウェブ層は、結合カードウェブから製造されてもよい。カードウェブは別個のステープルファイバーから製造され、そしてこの繊維は一般的に機械方向で配向された繊維状不織ウェブを形成するように機械方向でステープル繊維を分離および整列するコーミングまたはカーディングユニットを通して送られる。しかしながら、ランダマイザーを使用して、このような機械方向での配向を減少することができる。
【0076】
カードウェブが形成されたら、次いで適切な引張特性を与えるためにいくつかの結合方法の1つ以上によってそれを結合する。1つの結合方法は、粉末接着剤がウェブを通して分散され、次いで通常、熱空気によってウェブおよび接着剤を加熱することによって活性化される粉末結合である。もう1つの結合方法は、加熱されたカレンダーロールまたは超音波結合装置を使用して繊維を一緒に結合するパターン結合である。通常、局在化された結合パターンで結合されるが、所望であれば全表面に渡ってウェブを結合することも可能である。一般的に、より多くのウェブの繊維が一緒に結合されているほど、不織ウェブの引張特性が大きい。
【0077】
エアレイニングは、本発明において有用な繊維状不織ウェブの製造が可能なもう1つのプロセスである。エアレイニングプロセスにおいて、6〜19ミリメートル間の範囲の長さを通常有する小繊維の束が分離され、そして空気の供給に同伴され、次いでしばしば真空供給の補助を伴って形成スクリーン上へ付着される。次いで、例えば熱空気またはスプレー接着剤を使用して、ランダムに付着した繊維を互いに結合させる。
【0078】
メルトブローン不織ウェブは複数のダイオリフィスからの熱可塑性ポリマーの押出によって形成されてもよく、ここでポリマー溶融物の流れは、ポリマーがダイオリフィスから出る位置のすぐ近くのダイの2つの面に沿って熱高速空気または蒸気によって直ちに減少される。得られる繊維は、収集表面上での収集の前に得られる乱気流において密着したウェブ中に絡み合う。一般的に本発明に関して十分な完全性および強度を提供するために、メルトブローンウェブは、例えば前記の空気結合、熱または超音波結合によってさらに結合されなければならない。
【0079】
例えば国際公開第96/10481号パンフレット(アブト(Abuto)ら)に開示されるように、ウェブをスキップスリッティングによって伸展性とすることが可能である。弾性、伸展性のウェブが所望である場合、スリットは不連続であり、そして一般的にウェブがいずれかの弾性構成部品に取り付けられる前にウェブ上で切断される。より困難であるが、また非弾性ウェブが弾性ウェブに積層された後、非弾性ウェブ層においてスリットを作成することも可能である。非弾性ウェブにおけるスリットの少なくとも一部は、弾性ウェブ層の伸展性または弾性の意図された方向(少なくとも第1の方向)に対して略垂直でなければならない(または実質的に垂直のベクトルを有する)。略垂直とは、選択されたスリットの縦軸と伸展性の方向との間の角度が60°と120°との間であることを意味する。全積層物が弾性であるように、記載されたスリットの十分な数が略垂直である。弾性積層物が少なくとも2つの異なる方向で弾性であるように意図される場合、2つの方向のスリットを提供することが有利である。
【0080】
本発明と関連して使用される不織ウェブは、米国特許第4,965,122号明細書;同第4,981,747号明細書;同第5,114,781号明細書;同第5,116,662号明細書;および同第5,226,992号明細書(全てモルマン(Morman))に記載されるようなネック付き(necked)または可逆的にネック付き(reversibly necked)の不織ウェブでありえる。これらの実施形態において、不織ウェブは伸展性が望まれる方向に対して垂直方向に伸長される。不織ウェブがこのような伸長された条件にある場合、それは伸展性の方向で伸長および回復特性を有する。
【0081】
溶融ポリマー材料が基材の主面の一方へ転送される時、溶融ポリマー材料が基材の多孔性表面の一部を浸透および/またはカプセル化して、機械的な結合が溶融ポリマー材料と基材との間で形成されるように、本発明と関連して使用される基材は、好ましくは基材の主面の一方または両方上でいくらかの多孔性を示す。本発明と関連して使用される場合、「多孔性」という用語は、その中で形成される空隙、ならびに繊維間の隙間に溶融ポリマー材料を浸透させる繊維(例えば、織物、不織物、編物等)の収集から形成される構造を含む両方の構造を含む。多孔性表面が繊維を含む場合、ポリマー材料は、好ましくは基材の表面上で繊維または繊維の一部をカプセル化する。
【0082】
基材が多孔性でない(例えばポリマーフィルムなどのフィルムである)が、凹部の溶融ポリマー材料の温度と比較して十分に低い溶融加工温度を有する熱可塑性ポリマー組成物から製造される場合、基材への弾性複合構造の取り付けは、基材の熱可塑性ポリマー組成物と弾性複合構造のポリマー材料とを内部混合(例えばポリマー材料の溶融結合または熱シーリングにおいて見られる表面混合)することによって達成され得る。熱可塑性ポリマー組成物から形成される基材上で本発明による弾性複合構造を取り付けるために、好ましくは、基材の熱可塑性ポリマー組成物は、基材(例えばアンカーの非弾性ポリマー材料)に取り付けられる弾性複合構造のポリマー材料の溶融加工温度以下の溶融加工温度を有してもよい。
【0083】
基材の材料の種類および構造は、好ましくは溶融熱可塑性組成物が適用される適切な基材を選択する場合に考慮されるべきである。例えば、基材は、好ましくはプロセスの間に別々にならないように十分な内部強度を有するべきである。好ましくは、基材は、総形工具から完全に除去するようなプロセス条件下で機械方向で十分な強度を有する。
【0084】
本発明の方法に従って製造される物品の様々な断面図において示される基材は単層構造として図示されるが、基材が単層構造であっても多層構造であってもよいことは理解されるべきである。多層構造が使用される場合、様々な層が同一または異なる特性、構造等を有してもよいことが理解されるであろう。これらの変形のいくつかについては、例えば1999年2月25日出願の「不連続なステム領域を有するウェブ(WEB HAVING DISCRETE STEM REGIONS)」という表題の米国特許出願第09/257,447号明細書(国際公開第00/50229号パンフレットとして公開)に記載される。
【0085】
ポリマー材料
本発明の弾性複合構造の様々な成分は多種多様な異なるポリマー材料から形成されてよい。本発明と関連して使用されてもよいポリマー材料のいくつかの例としては、限定されないが、ポリウレタン、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリメタクリレート、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ塩化ビニル、アクリレート変性エチレン酢酸ビニルポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、ナイロン、フルオロカーボン等が挙げられる。適切なポリマー材料は一般的に、ASTM D 1238で詳述されるようなポリマーの適切な条件で測定される5〜200グラム/10分のメルトフローインデックスを有し得る。さらにいくつかの例では、弾性複合構造を構成するために使用されるポリマー材料の一種以上が、例えば熱可塑性ホットメルト接着剤であってよい。
【0086】
本発明のポリマー材料は非エラストマーまたはエラストマーポリマー材料(好ましくは熱可塑性ポリマー材料)のいずれか、または両方を含み得る。非エラストマーポリマーは溶融加工可能であって、そして(溶融加工後に)冷却時にその最初の条件またはその最初の条件の付近に戻るものであり、また周囲条件(例えば室温および圧力)でエラストマー特性を示さないものである。本発明と関連して使用される場合、「非エラストマー」とは、材料が伸長後に実質的にその最初の形状を回復しないことを意味する。さらに非エラストマーポリマーは、好ましくは変形および緩和後に永久歪を維持し、この歪は適度の伸長、例えば約50%(破断または他の破損を生じずに50%まで伸長可能であるそれらの材料に関して)において最初の長さの好ましくは少なくとも約20%以上、そしてより好ましくは少なくとも約30%以上である。
【0087】
エラストマー(または弾性)ポリマー材料は溶融加工可能であって、そして(溶融加工後に)冷却時にその最初の条件またはその最初の条件の付近に戻るものであり、また周囲条件(例えば室温および圧力)でエラストマー特性を示すものである。本発明と関連して使用される場合、「エラストマー」とは、材料が伸長後に実質的にその最初の形状を回復することを意味する。さらにエラストマーポリマー材料は、好ましくは変形および緩和後にわずかな永久歪のみを維持し、この歪は適度の伸長、例えば約50%において、好ましくは最初の長さの約30%以下、そしてより好ましくは約20%以下である。本発明のエラストマーポリマー材料は純粋なエラストマーおよび、室温でなお実質的なエラストマー特性を示すエラストマー相または内容物とのブレンドの両方である。米国特許第5,501,679号明細書(クルーガー(Krueger)ら)は、本発明に関連する使用に関して考察され得るエラストマー材料に関して、いくつかのさらなる解説を提供する。
【0088】
エラストマーポリマー材料は一種以上のポリマーを含み得る。例えばポリマー材料は、ポリマー材料が室温でエラストマー特性を示すようにエラストマー相との混合物であり得る。適切なエラストマー熱可塑性ポリマー組成物としては、ブロックコポリマー、例えば従来のA−BまたはA−B−Aブロックコポリマー(例えばスチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー)、エラストマーポリウレタン、オレフィンエラストマー、特にエラストマーエチレンコポリマー(例えばエチレン酢酸ビニル、エチレン/オクテンコポリマーエラストマー、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーエラストマー)ならびにこれらの互いとの混合物、他のエラストマーポリマーとの混合物または非エラストマーポリマー材料との混合物が挙げられる。
【0089】
また本発明と関連して使用されるポリマー材料は、所望の効果のために様々な添加剤と組み合わせることも可能である。例えばフィラー、粘度減少剤、可塑剤、粘着性付与剤、着色剤(例えば染料または顔料)、酸化防止剤、帯電防止剤、結合助剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、安定剤(例えば熱および紫外線)、発泡剤、ミクロスフェア、ガラスバブル、強化繊維(例えばミクロファイバー)、内部剥離剤、熱伝導性粒子、導電性粒子等が挙げられる。熱可塑性組成物において有用であり得るかかる材料の量は、かかる材料を加工および使用する当業者によって容易に決定可能である。
【0090】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、文脈上、他に明記されない限り、単数形「a」、「および」および「the」は複数の指示物を含む。従って、例えば「弾性複合構造」への参照は複数の弾性複合構造を含み、そして「弾性構成部品」への参照は当業者に既知の1個以上の弾性構成部品およびその等価物への参照を含む。また同様に2個の構成部品または特徴が記載される場合、文脈上、他に明記されない限り、3個以上の構成部品または特徴が含まれることが理解されなければならない(例えば「2個のアンカー」は、3個以上のアンカーを含む)。
【0091】
本発明の実例となる実施形態が検討され、そして本発明の範囲内で可能な変形が参照されている。本発明におけるこれらおよび他の変形および変更は本発明の範囲から逸脱することなく当業者にとって明らかであり、そして本発明が本明細書で明示された実例となる実施形態の組み合わせに限定されないことは理解されるべきである。従って、本発明は特許請求の範囲およびその等価物によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明による1つの例示的な複合ウェブの一部の断面図。
【図2】本発明による1つの例示的な複合物品の平面図。
【図3】図2の線3−3に沿った図2の複合物品の断面図。
【図4】本発明によるもう1つの例示的な複合ウェブの断面図。
【図5】本発明によるもう1つの例示的な複合物品の平面図。
【図6】図5の線6−6に沿った図5の複合物品の断面図。
【図7】本発明による複合ウェブの1つの例示的な製造方法を示す図。
【図8】本発明による複合ウェブのもう1つの例示的な製造方法を示す図。
【図9】本発明による弾性複合物品を1個以上含む1つの例示的なデバイスを示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融エラストマーポリマー組成物を総形工具上に送達する工程と、
前記エラストマーポリマー組成物の溶融加工温度未満のロール温度に前記総形工具を維持する工程と、
前記エラストマーポリマー組成物の少なくとも一部上で溶融アンカーポリマー組成物を付着させる工程と、
前記アンカーポリマー組成物をベース基材の第1の主面に転送する工程であって、前記基材の第1の主面と前記アンカーポリマー組成物との接触を含む工程と、
転送後に前記総形工具から前記エラストマーポリマー組成物を分離する工程と
を含む複合ウェブの製造方法であって、
前記ベース基材の第1の主面上に1個以上の弾性複合構造を含む複合ウェブが形成され、各弾性複合構造が2個のアンカーに取り付けられた弾性構成部品を含み、前記アンカーが前記アンカーポリマー組成物を含み、そして前記弾性構成部品が前記弾性ポリマー組成物を含む方法。
【請求項2】
前記アンカーポリマー組成物によって形成される2個以上のアンカーの各アンカーが、前記ベース基材の第1の主面上でいずれの面内方向に沿って伸長後50%以下の弾性回復を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記弾性複合構造の前記弾性構成部品が前記2個のアンカー間で前記ベース基材に取り付けられていない、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記弾性複合構造の前記弾性構成部品を前記アンカー間で前記ベース基材に接着によって取り付ける工程をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記弾性構成部品が、その間で縦軸を画定する第1の末端部および第2の末端部を含み、そして前記縦軸に垂直な平面で測定された前記弾性構成部品の横断面面積が前記縦軸に沿って選択された位置において異なる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ベース基材の第1の主面が多孔性表面を含み、そして前記多孔性表面が前記アンカーの前記アンカーポリマー組成物の少なくとも一部によって浸透される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ベース基材および弾性基材をニップに送達する工程と、
前記ベース基材と前記弾性基材との間に溶融アンカーポリマー組成物を送達する工程と
を含む複合ウェブの製造方法であって、
前記ベース基材の第1の主面上に1個以上の弾性複合構造を含む複合ウェブが形成され、各弾性複合構造が2個のアンカーに取り付けられたエラストマー構成部品を含み、前記アンカーが前記アンカーポリマー組成物を含み、そして前記弾性構成部品が前記弾性基材を含む方法。
【請求項8】
前記2個のアンカーの各アンカーが、前記ベース基材の第1の主面上でいずれの面内方向に沿って伸長後50%以下の弾性回復を示す、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1の主面を含むベース基材と、
前記ベース基材の第1の主面に取り付けられ、各アンカーが前記ベース基材の第1の主面に取り付けられたアンカーポリマー組成物の集団を含む2個のアンカーと、
前記2個のアンカー間に取り付けられて延在し、エラストマーポリマー組成物を含み、前記2個のアンカー間で前記基材の第1の主面に取り付けられず、そして前記2個のアンカー間の前記ベース基材の伸長によって伸長される弾性構成部品と
を含む弾性複合構造。
【請求項10】
前記2個のアンカーの各アンカーが、前記ベース基材の第1の主面上でいずれの面内方向に沿って前記アンカーの伸長後50%以下の弾性回復を示す、請求項9に記載の弾性複合構造。
【請求項11】
前記弾性構成部品が、その間で縦軸を画定する第1の末端部および第2の末端部を含み、そして前記縦軸に垂直な平面で測定された前記弾性構成部品の横断面面積が前記縦軸に沿って選択された位置において異なる、請求項9または10に記載の弾性複合構造。
【請求項12】
前記アンカーによって占有されない領域において前記弾性構成部品と前記基材の第1の主面との間に位置する感圧接着剤をさらに含む、請求項9〜11のいずれか一項に記載の弾性複合構造。
【請求項13】
前記ベース基材の第1の主面が多孔性表面を含み、そして前記多孔性表面が前記アンカーの前記アンカーポリマー組成物の少なくとも一部によって浸透される、請求項9〜12のいずれか一項に記載の弾性複合構造。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれか一項に記載の弾性複合構造を1個以上含む衣類。
【請求項15】
請求項9〜13のいずれか一項に記載の弾性複合構造を1個以上含む失禁デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−537069(P2007−537069A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513227(P2007−513227)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/015828
【国際公開番号】WO2005/110731
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】