説明

弾球遊技機

【課題】遊技盤と、該遊技盤の下方に配設されて遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置と、を備え、該発射装置から発射された遊技球を遊技領域の上方部に誘導する遊技球誘導部を備えた弾球遊技機において、遊技球誘導部の一部を遊技盤の後面に配設しても遊技球の発射状態を視認可能とする。
【解決手段】遊技球誘導部10を透光性を有する部材で形成し、遊技球の発射状態を遊技者が視認可能とすることで、戻り球の発生などの異常を即座に発見できるようにし、不安感を防止する。さらに、遊技盤1後方の画像表示装置(表示ユニット173)により発射関連画像210を表示し、遊技球誘導部10の部位において従来にない斬新な発射に関連した各種報知や装飾等を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤と、該遊技盤の下方に配設されて遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置と、を備え、該発射装置から発射された遊技球を遊技領域の上方部に誘導する遊技球誘導部を備えた弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技盤の前面に遊技領域区画壁を設けて、この遊技領域区画壁で遊技盤表面を区画することで内側に遊技領域が形成されている。
また、遊技領域区画壁の一側部(左側)の外側には、所定間隔を設けて、湾曲状のガイドレールが設けられ、このガイドレールの内側において発射装置から発射された遊技球を上方に誘導する遊技球誘導部が形成され、該遊技球誘導部の上端に位置する遊技領域区画壁には開口部が形成されていて、この開口部から遊技球誘導部で誘導された遊技球球が遊技領域に向けて導出されるようになっている。
【0003】
近年においては、遊技領域に配設される各種役物装置が大型化する傾向にあり、特に遊技領域の中央部に配設される変動表示装置に液晶表示装置等を備える場合には、液晶画面の大型化に伴い変動表示装置自体が大型化して、遊技球が流下する遊技領域が狭くなってしまうという課題が生じていた。
このような課題を解決するために上記ガイドレール(遊技球誘導部)の一部を遊技盤の後面側に設けるようにした遊技機が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−208815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、遊技球誘導部の一部を遊技盤の後面に配設する場合、その上方側において誘導部を遊技盤の前面に蛇行させる必要が生じる。すなわち、遊技盤に開口部を形成して遊技球誘導部をその開口部内を通して遊技盤の前面に導く必要がある。従来、遊技盤は木製のものが使用されているが、このような木製の遊技盤に開口部を形成して、遊技球誘導部を開口部内で蛇行させるようにすると、比較的厚い木製の遊技盤の場合では、蛇行幅が大きくなってしまい、曲率の大きい蛇行流路を形成しなければならず、遊技球をスムーズに誘導することが困難となる。
【0005】
さらに、木製の遊技盤の後面に遊技球誘導部を形成した場合、遊技者から発射された遊技球が視認できなくなることから、遊技者に不安感を与えることも考えられる。そのためには、遊技球誘導部内での遊技球の通過に応じて点灯する発光部材を遊技盤に配設したりすることも考えられるが、この場合には余分な部材が別途必要となるし、やはり確実に遊技球の発射状態を遊技者に知らせることも困難である。
【0006】
本発明の目的は、遊技盤と、該遊技盤の下方に配設されて遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置と、を備え、該発射装置から発射された遊技球を遊技領域の上方部に誘導する遊技球誘導部を備えた弾球遊技機において、遊技球誘導部の一部を遊技盤の後面に配設しても遊技球の発射状態を視認可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、前面側に遊技領域が形成された遊技盤と、該遊技盤の下方に配設されて遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置と、を備え、該遊技盤に該発射装置から発射された遊技球を遊技領域の上方部に誘導する遊技球誘導部を備えた弾球遊技機において、
前記遊技盤を透光性を有する部材で形成するとともに、該遊技盤後方の所定間隔を空けた位置に表示ゲームを表示可能な画像表示装置を備えて、当該弾球遊技機の前方位置から該遊技盤を透かして表示ゲームを視認可能に構成し、
前記遊技盤は、前記遊技球誘導部の下方所定範囲を当該遊技盤表面よりも後方に配設することで、当該範囲の前面側に遊技領域を形成するように構成し、
前記遊技球誘導部における下方所定範囲の部位を透光性を有する部材で形成するとともに、当該下方所定範囲の後方に位置する前記画像表示装置の画像表示部において遊技球の発射に関連した発射関連画像を表示するようにしたことを特徴とする。
【0008】
ここで、「遊技盤面よりも後方に配設する」とは、例えば、遊技盤の後面上に配設することや遊技盤の後面もしくは前面に溝状の開口部を形成してその溝内に配設することである。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、遊技球誘導部の所定範囲を遊技盤表面よりも後方に配設することで、その分遊技領域が広く形成できるので、変動表示装置等が大型化しても、遊技球が流下する領域を広範囲に設定することが可能となり、興趣の高い流下態様を実現することができるし、遊技球の流下態様に影響を与えるような役物を配設することも可能となる。
また、遊技球誘導部を透光性を有する部材で形成したことにより、その後方に位置する遊技球誘導部における遊技球の発射状態を遊技者が視認可能となり、戻り球の発生などの異常を即座に発見できるようになるので不安感を防止できる。
さらに、遊技盤後方の画像表示装置により発射関連画像を表示するので、遊技球誘導部の部位において従来にない斬新な発射に関連した各種報知や装飾等が行えるようになる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の弾球遊技機であって、発射装置の作動中に、前記発射関連画像として、発射装置が作動中である旨を報知する画像を表示する発射状態表示制御手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、発射状態表示制御手段を備え、発射装置の作動中に、発射関連画像として、発射装置が作動中である旨を報知する画像を表示するので、遊技者に確実に発射装置が作動中であることを認識させることが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の弾球遊技機であって、前記発射関連画像として、前記遊技球誘導部の領域を報知する領域表示制御手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、領域表示制御手段を備え、発射関連画像として、遊技球誘導部の領域を報知するようにしたので、遊技球の発射状態を確実に遊技者に知らしめることが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の弾球遊技機であって、前記発射関連画像として、前記発射装置の発射勢を報知可能な画像を表示する発射勢表示制御手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、発射勢表示制御手段を備え、発射関連画像として、発射装置の発射勢を報知可能な画像を表示するようにしたので、発射された遊技球の飛び位置を確認することなく、発射勢の確認や調整を行うことが可能となる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の弾球遊技機であって、前記発射装置から発射された遊技球を検出する検出手段を備え、
前記発射関連画像として、前記検出手段からの検出信号の入力に基づき、前記遊技球誘導部における遊技球の移動に対応して移動する画像を表示する発射球状態表示制御手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、発射装置から発射された遊技球を検出する検出手段を備え、発射関連画像として、検出手段からの検出信号の入力に基づき、遊技球誘導部における遊技球の移動に対応して移動する画像を表示する発射球状態表示制御手段を備えたので、遊技球誘導部を移動する遊技球の報知および装飾を確実に行うことができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の弾球遊技機であって、前記遊技球誘導部は、
前記遊技盤表面よりも後方側に配設される第1遊技球誘導部と、
当該遊技球誘導部の上部を構成し、誘導部が前記遊技盤表面よりも前方側に配設されるとともに該遊技球誘導部からの遊技球を前記遊技領域に導出する導出部を有する第2遊技球誘導部と、
前記第1遊技球誘導部と第2遊技球誘導部との間に介在され、該第1遊技球誘導部からの遊技球を前方側に案内する屈曲した誘導部を有する中間遊技球誘導部と、
を有し、
前記第2遊技球誘導部の下部に、当該遊技球誘導部で誘導された遊技球のうち前記導出部から遊技領域に導出されずに下方に流下した遊技球を前記遊技領域に排出可能な排出部を設けるようにしたことを特徴とする。
【0019】
ここで、第1遊技球誘導部、中間遊技球誘導部、第2遊技球誘導部の各誘導部は、別部材でなくてもよく、例えば、第1遊技球誘導部と中間遊技球誘導部あるいは第2遊技球誘導部と中間遊技球誘導部が一体成型されていてもよい。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、遊技球誘導部の下部を構成する第1遊技球誘導部を遊技領域面より後方側に配設することにより、その部分に遊技領域を形成することが可能となり、遊技領域を従来よりも広くすることができる。
また、遊技球誘導部の上部を構成する第2遊技球誘導部が遊技領域に向けて遊技球を導出する導出部を有し、該導出部から導出されなかった遊技球を排出する排出部を備えたことにより、従来排出できなかった遊技球誘導部内での戻り球を排出でき、戻り球による不具合を防止できる。すなわち、第2遊技球誘導部内の戻り球は排出部から遊技領域に排出されるので、その戻り球により球突き状態が発生して、遊技領域に遊技球を導出できないような発射の不具合を防止できる。特に、第2遊技球誘導部10cから中間遊技球誘導部10bにかけた屈曲部を利用して効率よく遊技球を排出できる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の弾球遊技機であって、前記第2遊技球誘導部と中間遊技球誘導部との間の誘導部を閉鎖可能に設けられて、該中間遊技球誘導部から第2遊技球誘導部への遊技球の通過を許容する一方、該第2遊技球誘導部から中間遊技球誘導部への遊技球の通過を防止する逆流防止部材を設けるようにしたことを特徴とする。
【0022】
ここで、「逆流防止部材」は、第2遊技球誘導部に設けるようにしても良いし、中間遊技球誘導部に設けるようにしても良い。
また、「逆流防止部材」は、遊技球が中間遊技球誘導部から第2遊技球誘導部に誘導される際には、当該遊技球を遊技領域の面方向に誘導方向を変換する誘導方向変換部材としての機能も有している。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、第2遊技球誘導部と中間遊技球誘導部との間の誘導部を閉鎖可能に設けられて、該中間遊技球誘導部から第2遊技球誘導部への遊技球の通過を許容する一方、該第2遊技球誘導部から中間遊技球誘導部への遊技球の通過を防止する逆流防止部材を設けたので、中間遊技球誘導部への遊技球の逆流を確実に防止できるとともに、戻り球を確実に排出部に導くことが可能となる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項6または請求項7に記載の弾球遊技機であって、前記第1遊技球誘導部の前方位置に形成された遊技領域に、前記排出部から排出された遊技球を前記遊技領域の中央方向に流下案内する流下案内部材を設けるようにしたことを特徴とする。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、第1遊技球誘導部の前方位置に形成された遊技領域に、排出部から排出された遊技球を遊技領域の中央方向に流下案内する流下案内部材を設けたので、排出球が無駄球となることを防止できる。
すなわち、戻り球が排出部から排出される場合には、比較的遊技領域の側方部で排出されることとなるが、このような場合でも流下案内部材を備えることにより、排出された遊技球を変動入賞装置などが設けられる遊技領域の中央方向に集めることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、遊技球誘導部を透光性を有する部材で形成したことにより、遊技球の発射状態を遊技者が視認可能となり、戻り球の発生などの異常を即座に発見できるようになるので不安感を防止できる。
さらに、遊技盤後方の画像表示装置により発射関連画像を表示するので、遊技球誘導部の部位において従来にない斬新な発射に関連した各種報知や装飾等が行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる弾球遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について図1から図14を用いて説明を行う。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の弾球遊技機100は、遊技店の島設備に固定される矩形枠状に構成された機枠110を備えている。この機枠110の前面における左側部の上下にはそれぞれ、上下方向に沿って延在するヒンジ軸111が形成されたヒンジ部材112が設けられており、これによって、機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に前面枠120が軸着されるようになっている。なお、矩形枠状の機枠110は、裏面側から見て左側の一辺が金属製とされ、その他の辺は木製となっている。これによって、裏面側から見て左側の一辺においては、強度を保ったまま厚みを薄くでき、後述するように大型の表示ユニット173を備える裏機構枠160の配設を可能としている。
【0029】
図1から3に示すように、前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支された透明部材保持枠140と、前面枠本体130の前面の透明部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、前面枠本体130の裏面側に回動可能に軸支され、表示ユニット173を備える裏機構枠160とを有する。
【0030】
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状であり、その前面における左側部の上下にはそれぞれ、機枠110に形成されたヒンジ軸111を受け入れ可能なヒンジ穴121が形成されたヒンジ部材122が設けられていて、機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に軸着されるようになっている。また、前面枠本体130の中央から上端部にわたる部分には、後述する遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部131が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部131から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
【0031】
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部131、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うように透明部材保持枠140が配置されている。
【0032】
この透明部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部131をほぼ閉塞するように、該開口部131に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重の透明部材としてのガラス板141が固定されている。そして、透明部材保持枠140において、弾球遊技機100の前側からガラス板141を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、透明部材保持枠140の前面であって、ガラス板141が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、枠装飾装置142としてのランプやLED、音声を出力するスピーカ58(図14に図示)などが設けられている。
【0033】
前面枠本体130の前面であって、遊技盤1が嵌め込まれた開口部131の左側部の上下にはヒンジ部材132,133が設けられており、下側のヒンジ部材133には透明部材保持枠ヒンジ軸133aが形成され、上側のヒンジ部材132には透明部材保持枠ヒンジ穴132aが形成されている。そして、透明部材保持枠140には、その前面側から見た左側部の上下に、前面枠本体130に形成された透明部材保持枠ヒンジ軸133a、透明部材保持枠ヒンジ穴132aとそれぞれ嵌合可能な図示しないヒンジ軸、ヒンジ穴が形成されている。これによって、透明部材保持枠140は、前面枠本体130に対して前方向へ扉状に回動可能に軸着され、透明部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域の前側を開放可能となっている。
【0034】
また、透明部材保持枠の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、透明部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば右回り)に回すと透明部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
【0035】
前面枠本体130の遊技盤1が取り付けられた開口部131の下側となる前面枠本体130の下部には、各種部材の取付ベースとなる取付盤134が設けられている。この取付盤134の前面には、遊技領域1aに遊技球を発射する発射装置70や、発射したにもかかわらず戻ってきた遊技球(ファール球)を回収するファール球回収部135、賞球、貸球、ファール球を前面側から見て右方向に流下させる排出流路136などが取り付けられている。また、取付盤134の前面側から見て右上部には、裏機構枠160の裏面側に設けられた排出装置190より排出されて排出流路136を流下した賞球、貸球や、ファール球回収部135で回収されて排出流路136を流下したファール球を排出する流出口137が形成されている。
【0036】
また、取付盤134の前面側には、前面枠本体130に対して前方向へ扉状に回動可能に発射操作ユニット150が取り付けられている。前面枠本体130の前面であって、取付盤134の左側部の上下にはヒンジ部材133,138が設けられている。下側のヒンジ部材138には発射操作ユニットヒンジ穴138aが形成され、上側のヒンジ部材133には発射操作ユニットヒンジ軸133bが形成されている。そして、発射操作ユニット150には、その前面側から見た左側部の上下に、この前面枠本体130に形成された発射操作ユニットヒンジ軸133b、発射操作ユニットヒンジ穴138aとそれぞれ嵌合可能な図示しないヒンジ軸、ヒンジ穴が形成されている。これによって、発射操作ユニット150は、前面枠本体130に対して前方向へ扉状に回動可能に軸着され、発射操作ユニット150を開くことにより、取付盤134の前側を開放可能となっている。
【0037】
なお、取付盤134の上側に位置するヒンジ部材133は、透明部材保持枠140を軸支するヒンジ部材133と共通であって、上面に透明部材保持枠ヒンジ軸133aが形成され、下面に発射操作ユニットヒンジ軸133bが形成されている。よって、透明部材保持枠140と発射操作ユニット150は、前面枠本体130の前面を覆うように上下に隣接して配されることとなる。
【0038】
このような発射操作ユニット150には、図1に示すように、取付盤134に形成された流出口137と対向する位置に、前後に貫通する開口が形成され、発射操作ユニット150の前面側に流出口137が開口するようになっている。そして、発射操作ユニット150の前面には、この発射操作ユニット150の前面側に開口した流出口137から流出した遊技球を受け入れて貯留するとともに、発射装置70へ送る遊技球貯留部151が形成されている。
【0039】
この遊技球貯留部151は発射操作ユニット150の前面側に膨出するように形成され、その上部には、左右方向に延在するとともに所定の前後幅を有し、かつ、所定の深さを有する貯留皿(図示略)が形成されている。貯留皿の前面側から見て右側の端部には流出口137が隣接しており、流出口137から流出した遊技球は貯留皿に流入するようになっている。また、貯留皿の底面は、前面側から見て左側へ下るように傾斜しており、遊技球はこの傾斜に沿って流下するようになっている。貯留皿の左端部は、取付盤134に設けられた発射装置70へ遊技球を誘導する図示しない発射球流路に連通しており、傾斜に沿って左側へ流下した遊技球は、この発射球流路に流入することとなる。
【0040】
また、遊技球貯留部151の内部には、上下に延在する図示しない余剰球排出流路が形成されており、その上流側端部が、貯留皿の底面であって左右方向の中央よりも流出口寄りの位置に、余剰球排出口として開口している。余剰球排出流路の下流側端部は遊技球貯留部151の下面に開口しており、貯留皿に形成された余剰球排出口から余剰球排出流路に流入した遊技球は遊技球貯留部151の下方に排出されるようになっている。これによって、例えば、特別遊技状態において貯留皿上に多量の賞球が排出された際に、余剰した遊技球を弾球遊技機100の外部に抜き取ることができる。すなわち、遊技球貯留部151は、従来の遊技機における発射球を貯留する上皿と、余剰球を貯留する下皿の機能をあわせ持つものである。
【0041】
余剰球排出口には、余剰球排出口を開放して遊技球が余剰球排出流路に流入可能な開状態と、余剰球排出口を閉鎖して遊技球が余剰球排出流路に流入不能な閉状態とに変換可能な開閉部材が設けられている。この開閉部材は、遊技球貯留部の前面に設けられた操作部152を操作する(側方にスライドさせる)ことにより変換できるようになっている。なお、開閉部材は図示しない付勢部材によって、常に余剰球排出口を閉じた閉状態となるように付勢されており、操作部152を付勢力に抗して操作することで、開閉部材を閉状態から開状態に変換できるようになっている。
【0042】
また、遊技球貯留部151の前面には、貯留皿上において余剰球排出口よりも下流側(前面側から見て左側)にある遊技球を抜き取るための抜き取り操作部153が設けられている。この抜き取り操作部153を操作する(側方にスライドさせる)ことで、貯留皿上において余剰球排出口よりも下流側にある遊技球が、余剰球排出流路に連通した図示しない抜き取り流路に誘導され、遊技球貯留部151の下方から排出されるようになっている。
【0043】
また、発射操作ユニット150の前面には、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル154や灰皿155、遊技者が操作可能な演出用ボタン59(図14に図示)が設けられている。操作ハンドル154は可変抵抗器に接続していて、操作ハンドル154の回動角度を変化させることで可変抵抗器における抵抗値を変化可能とされており、これにより遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節できるようになっている。
【0044】
図2に示すように、取付盤134の前面に取り付けられた発射装置70は、取付盤134に固定される金属製の板状の発射ベース部材71と、この発射ベース部材71の前面に固定される発射球ガイド部材72と、この発射球ガイド部材72上の遊技球を打撃して遊技領域1aへ発射する発射杵73を備える。
【0045】
発射球ガイド部材72は合成樹脂製の矩形筒状の部材であって、その内部の空間を遊技球が通過可能となっている。この発射球ガイド部材72は、遊技盤1に形成された後述する遊技球誘導部10の真下となる位置に配置されており、この遊技球誘導部10に遊技球を誘導するように上下に延在するとともに、弾球遊技機100の前面側から見て下端部より上端部が左側に位置するように斜めに配置されている。
【0046】
発射球ガイド部材72の上端部は開放端となっており、遊技盤1に形成された遊技球誘導部10に連通するようになっている。また、発射球ガイド部材72の下端部の前面側には、貯留皿に連通する発射球流路に接続し、遊技球を受け入れる球供給口72aが開口しており、ここから遊技球が一つずつ供給されるようになっている。さらに、発射球ガイド部材72の下端部であって底面には、遊技球は通過しないが発射杵73の杵部73aは通過可能な大きさの開口72bが形成されており、球供給口72aから発射球ガイド部材72内に流入した遊技球が、発射球ガイド部材72の下端部に保持されるとともに、一部がこの開口72bから下方に露出した状態となる。そして、この開口72bの下側から発射杵73の杵部73aが遊技球を打撃し、遊技球が上方へ発射されるようになっている。
【0047】
また発射装置70は、発射ベース部材71の前面側に回動可能に配された発射杵73と、発射杵73の回動角度を規制するストッパ部材74,74を備え、発射ベース部材71の裏面側に、発射杵73を回動駆動する図示しない電気的駆動源としてのモータ(ステッピングモータ)を備えている。
【0048】
発射杵73は、発射ベース部材71の裏面側に配置されたモータに接続される回転軸部73bと、その回転軸部73bからほぼ半径方向に延出するアーム部73cと、アーム部73cの先端からほぼ回転方向(半径方向にほぼ直交する方向)に延出する丸棒状の杵部73aと、を備えている。この発射杵73は、発射ベース部材71に形成された二つのストッパ部材74,74の間を回動可能となっているが、図示しない付勢部材によって杵部73aの延出方向に付勢されており、通常は上側のストッパ部材74に係止された状態(図2に点線で示す状態)で停止している。このように発射杵73が上側のストッパ部材74に係止された位置では、杵部73aが発射球ガイド部材の開口72bに挿通された状態となっている。
【0049】
そして、モータを駆動することにより、発射杵73は付勢部材の付勢力に抗して下方のストッパ部材74に当接する位置まで回動される。モータから発射杵73に加えられる駆動力は、例えばカムを介して伝達されるようになっており、発射杵73がこの位置に達すると、モータからの駆動力が加わらない状態となる。これにより、発射杵73はこの位置から付勢部材の付勢力により元の位置へ戻るように回動し、杵部73aが発射球ガイド部材の開口72bから露出した遊技球を下側から打撃することで遊技球が上方向に発射されるようになっている。
【0050】
また、発射球ガイド部材72の上端部の左右には、発射されたにもかかわらず、後述する第2遊技球誘導部10cに至らずに発射装置側(下側)160へ戻ってしまったファール球を回収するファール球回収部135が設けられている。このファール球回収部135は上側に開口した樋状に形成され、落下した遊技球を受け入れるとともに、その後方に接続した排出流路136に流下案内するようになっている。そして、排出流路136は、ファール球回収部135から受け入れた遊技球を流出口137へ誘導するように配されており、これによって、ファール球として回収された遊技球が再び発射可能となる。
【0051】
また、前面枠本体130の裏面側であって、遊技盤1が嵌め込まれた開口部の上端部から中央より少し下側にわたる部分には、前面枠本体130の裏面側を覆うように裏機構枠160が配置されている。
裏機構枠160の前面の左側の端部は、前面枠本体130の裏面であって弾球遊技機100の裏面側から見て右側の側部に回動可能に軸支されて扉状に開閉自在とされ、裏機構枠160を開くことにより、遊技盤1の裏面側の上部を開放可能となっている。なお、裏機構枠160と前面枠本体130の連結部分は着脱自在であって、前面枠本体130、裏機構枠160はそれぞれユニット単位で交換やメンテナンスが可能となっている。
【0052】
その他、前面枠本体130には、各部材の取付位置に各部材を取り付けるための構造が設けられており、例えば、取り付けられた部材を囲むように補強用のリブが形成されていたり、ビス等による部材の取り付けのためのボス等が形成されている。
【0053】
図3から5に示すように、裏機構枠160は、裏機構枠本体161と、画像を表示する表示ユニット173を案内するためのガイド部162とを有し、表示ユニット173の他、表示ユニット173を制御する演出制御装置33、賞球などを排出する排出装置190と排出装置190に遊技球を供給する貯留タンク192が設けられている。
【0054】
上述したように、裏機構枠160の前から見て左側の端部は、前面枠本体130の裏面であって弾球遊技機100の裏面側から見て右側の側部に回動可能に軸支されており、前面枠本体130に形成されて遊技盤1が嵌め込まれる開口部131を裏面側から覆って遊技盤1の裏面に臨む状態から、後方に扉状に回動して遊技盤1の裏面側を開放する状態との間で回動可能となっている。すなわち、裏機構枠160に表示ユニット173が配設されることで、表示ユニット173は該裏機構枠160を介して前面枠120側に配設された状態で遊技盤1の後方位置に配設されることとなる。そして、裏機構枠本体161において遊技盤1と平行に配され、遊技盤1の裏面側を覆うように配される部分が後面部161aとなる。
【0055】
裏機構枠本体161は所定の厚みを有し、この裏機構枠本体161の前後面に種々の機構体が取り付けられている。裏機構枠本体161の前面には、表示ユニット173を前側に付勢する表示ユニット付勢手段をなす付勢部材としての圧縮コイルばね182を収納する付勢部材収納部181や、裏機構枠本体161を補強するための補強リブ164が形成されている。また、後述するように裏機構枠本体161の後面部161aの背面には、演出制御装置配設部165や接続用凹部183、流路形成凹部184、排出装置配設凹部185などの前方に窪んで後方に開口した凹部が形成されており、裏機構枠本体161の前面の一部はこれら凹部の裏面によって形成されている。また、裏機構枠本体161の前面の周囲には、上下の一部を除いて前側に延出する周囲壁187が形成されており、裏機構枠本体161の前面側は全体が凹部となっている。
【0056】
また、裏機構枠本体161の前面であって上部には、左右の周囲壁187に隣接して、所定の左右幅を有する下側に開口した溝状の凹部169a,169aが形成されている。この所定の左右幅とは、後述する表示ユニット173の上部に形成された被案内部84の左右幅より若干広い幅であり、この部分が被案内部84を前後方向に案内する案内部169の一部をなす。
【0057】
また、上述した溝状の凹部169a,169aと上下に対向するように、裏機構枠本体161の前面であって下部には、左右の周囲壁187に隣接して、所定の左右幅を有する上側に開口した溝状の凹部169a,169aが形成されている。この溝状の凹部169a,169aの所定の左右幅は、後述する表示ユニット173の下部に形成された被案内部84の左右幅より若干広い幅であり、この部分も被案内部84を前後方向に案内する案内部169の一部をなす。
【0058】
付勢部材収納部181は、表示ユニット付勢手段としての圧縮コイルばね182の外径と略同じ内径を有する円筒形の凹部で、裏機構枠本体161の左右方向の中心に沿って上下に2つ設けられている。この付勢部材収納部181に収容される圧縮コイルばね182の前側の端部には、表示ユニット173の裏面に当接する押圧部材186が取り付けられている。この押圧部材186は、圧縮コイルばね182の内径と略等しい径を有する円柱状の挿入部186aと、挿入部186aの一端部に形成され、挿入部186aより大きい径を有する円形板状の当接部186bからなり、挿入部186aを圧縮コイルばね182に挿入することで、当接部186bが前側に配され、表示ユニット173の裏面に当接するようになっている。
【0059】
また、裏機構枠本体161の前側には、それぞれコ字状のガイド部162,162が左右の側面を前側に延長するように取り付けられている。
裏機構枠160の前面側から見て左側に設けられたガイド部162には、上下に軸受け部162a,162aが形成されており、前面枠本体130の裏面側に設けられた上下方向に延在する回動軸(図示略)を軸受け部162a,162aに回動可能に嵌合することで、裏機構枠160が前面枠本体130に対して回動可能に軸支されるようになっている。また、裏機構枠160の前面側から見て右側に設けられたガイド部162には、上下にねじ穴162d,162dが形成されており、裏機構枠160を遊技盤1の裏面に配した状態(裏機構枠160を閉じた状態)で、ねじ穴162d,162dにねじを挿通し、前面枠本体130に形成された図示しないねじ止め部に螺合することで裏機構枠160が固定されるようになっている。
【0060】
また、後面部161aおよび周囲壁187、ガイド部162,162によって形成される、所定の奥行きを有するとともに前面側(遊技盤1の裏面に臨む側)に開口した略矩形凹室形状の空間(少なくとも背面と左右側面とを囲まれた空間)が、表示ユニット173を収納する表示ユニット収納部168となる。すなわち、ガイド部162,162は裏機構枠本体161における後面部161aの左右端部の各々に設けられ、周囲壁187とともに表示ユニット収納部168の側面部をなす。
【0061】
このようなガイド部162,162は、左右の周囲壁187,187から裏機構枠本体161の中央側へ向かう所定範囲と、裏機構枠本体161の前面側における左右端部の上下に形成された溝状の凹部169a,169a,…および隔壁189で囲まれた領域の前側を覆うように取り付けられる。そして、裏機構枠本体161の上下に形成された溝状の凹部169a,169a,…と対向するように配される部分には、裏機構枠本体161に形成された溝状の凹部169a,169a,…と同じ形状をした溝状の凹部(図示略)が形成されている。この溝状の凹部は、ガイド部162,162の後端部から前後幅の略半分の位置まで形成されている。
【0062】
そして、ガイド部162,162を裏機構枠本体161に取り付けることによって、溝状の凹部が裏機構枠本体161の上下に形成された溝状の凹部169a,169a,…と連続する。これにより、上下にそれぞれ対向するように、ガイド部162,162から裏機構枠本体161にかけて前後方向に沿って延在する溝状の凹部である案内部169が形成される。すなわち、裏機構枠本体161とその前側に配されたガイド部162,162により形成される表示ユニット収納部168における上下の内側面の左右に、表示ユニット173の上下の側部にそれぞれ設けられるとともに前記上下の側部の左端部及び右端部の合わせて4カ所から外側(上側もしくは下側)に突出する後述の被案内部84,84,…を前後に移動自在に案内する概略溝状の案内部169,169,…が設けられることとなる。
【0063】
以上のように形成される表示ユニット収納部168には、画像表示面171が前側(開口した側)となるように表示ユニット173が配設されており、図3に示すように、裏機構枠160を遊技盤1の裏面に臨むように配することで、遊技盤1の裏面側に表示ユニット173の画像表示面171が臨むようになっている。
【0064】
表示ユニット173は、図4,5に示すように、前面側が開口した矩形箱状(額縁状)に形成された表示ユニットケース174と、この矩形箱状の表示ユニットケース174に収容された液晶表示パネル175(液晶表示器55、バックライト56を含む)とを有する。そして、表示ユニットケース174の前面側から液晶表示パネル175の画像表示面171を有する前面が露出している。
【0065】
表示ユニットケース174は金属製であって、上述した裏機構枠160の案内部169,169,…内に収容されて案内される被案内部84,84,…を有し、裏機構枠160の表示ユニット収納部168内において前後動自在に配される。被案内部84,84,…は表示ユニットケース174の上下の側部であって、左端部及び右端部の合わせて4ヶ所から側部に対して垂直に外側に突出するように設けられている。この被案内部84,84,…は、摩擦係数が低い材質(例えば、ポリアセタール、金属)からなる被案内部材84aを、表示ユニットケース174の上下部(上下面の左右両端)に固定することで形成されている。また、表示ユニット173の下面に設けられた被案内部84,84は、その下部に滑動体として左右方向に沿った回転軸を有するローラ(図示略)を備えており、このローラが案内部169,169の底面に接するようになっている。
【0066】
このような構成によって、案内部169に対して摩擦係数が低い材質からなる被案内部84もしくは回転可能なローラが当接することとなり、被案内部84と案内部169との間の摩擦抵抗が軽減され、表示ユニット173を円滑に前後方向に移動することができるようになる。
【0067】
表示ユニットケース174の裏面には、表示ユニットケース174に収納される液晶表示パネル175と、裏機構枠160の裏面側に配される演出制御装置33とを接続する配線を通すための、前後に貫通した図示しない配線用開口が形成されている。この配線用開口は、液晶表示パネル175の裏面側に設けられたコネクタ部の位置に対応して形成されており、液晶表示パネル175を表示ユニットケース174に収納すると、この配線用開口からコネクタ部が露出するようになっている。なお、この配線用開口が形成された位置は、表示ユニット173を表示ユニット収納部168に収納した際に、後面部161aに形成された後述する配線用開口165aと対応する位置でもある。
【0068】
液晶表示パネル175は、矩形板状であって表示ユニットケース174にちょうど収まる大きさとなっている。この液晶表示パネル175は、液晶表示器55とバックライト56などから構成され、液晶表示器55の画像表示面171が、前側に臨むように配されている。
【0069】
液晶表示器55の画像表示面171の面積は、前面枠本体130に形成された開口部131に嵌め込まれた遊技盤1の大部分を裏面側から覆うことができる面積となっており、後述する遊技盤裏面構成部材80に形成された遊技盤本体1bを透して後方を視認可能な視認開口よりも広いものである。すなわち、画像表示面171の面積が、少なくとも遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口よりも広く、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口の大きさが変化してもそれに対応できるようになっている。このように、液晶表示器55の画像表示面171が遊技盤1の裏面側を幅広く覆うようにすることで、遊技盤1を交換して弾球遊技機100の遊技内容を変更する場合に、多種の遊技盤1に対応できるようになっている。
【0070】
また、液晶表示器55は、画像表示面171の面積が遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口よりも広いので、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口から露出する領域に所定の画像が表示されるように演出制御装置33によって制御されている。この画像表示領域を決定する遊技盤1の遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口の大きさや位置に関する初期情報や、変動表示ゲームの画像に関する情報は演出データ装置32に記憶されているが、演出データ装置32は遊技盤1に取り付けられており、遊技盤1と一緒に演出データ装置32も交換される。よって、遊技盤1の交換に伴い、例えば、これまでの遊技盤に対応した画像表示領域から、新たな遊技盤1に対応した画像表示領域に変更できるようになっている。
【0071】
また、表示ユニット収納部168の上下幅および左右幅は、表示ユニット173の上下幅および左右幅よりも大きくなっており、表示ユニット173の周囲に空間があいた状態とされる。これによって、表示ユニット173の前後方向への移動が容易になるとともに、表示ユニット173が表示ユニット収納部168内で僅かに傾斜した状態(遊技盤1の左右方向と非平行状態)になることも可能となる。なお、溝状の凹部となった案内部169,169,…内に被案内部84,84,…が収納された状態となっているので、表示ユニット173が非平行状態になっても被案内部84,84,…が案内部169,169,…から脱落することがない。
【0072】
また、表示ユニット173は、圧縮コイルばね182からなる表示ユニット付勢手段により前方側に向かって付勢された状態となっているが、裏機構枠160を開放した状態あるいは、遊技盤1を前面枠120から取り外した状態では、ガイド部162の前半部分であって、裏機構枠本体161の前面側を覆う部分に表示ユニット173の被案内部84の前端部が当接した状態となる。すなわち、この状態の表示ユニット173の裏機構枠160に対する前後位置が、表示ユニット173の前後方向の移動範囲における最も前側の位置である。
【0073】
なお、遊技盤1が装着されて裏機構枠160を閉じた状態においては、後述する遊技盤裏面構成部材80の裏面に設けられて後方に突出する押圧部83,83,…が、表示ユニット173の前後方向の移動範囲における最も前側の位置より後方に位置するようになっている。よって、図6に示すように、押圧部83の後端部にある押圧部材83bが表示ユニット173の前面に密着し、表示ユニット173は遊技盤裏面構成部材80のベース盤81の裏面から押圧部83,83,…の突出幅の分だけ後方側へ隔離した位置に配されるようになっている。
以上のような構成によって、液晶表示器55を備えた表示ユニット173は、裏機構枠160に前後移動可能に保持されることとなる。
【0074】
図3に示すように、裏機構枠160の後面部161aの背面(裏面)には、前方に窪んで後方に開口した略矩形状の凹部である演出制御装置配設部165が形成され、演出制御装置33を収容したボックス33aが配設されている。また、後面部161aの背面であって、演出制御装置配設部165が形成された部分には、図5に示すように、演出制御装置配設部165の前面側に形成された表示ユニット収納部168に連通する配線用開口165aが形成されており、この配線用開口165aを通して液晶表示パネル175(液晶表示器55、バックライト56)と演出制御装置33とが配線によって接続されるようになっている。
【0075】
演出制御装置33を収容したボックス33aの上下幅は、演出制御装置配設部165の上下幅よりも広く、演出制御装置配設部165にこのボックス33aを収容すると、ボックス33aの下部が演出制御装置配設部165の下方に延出するようになっている。そして、図4,5に示すように、ボックス33aの前面側であって本体部の下縁の下方に延出する部分からは、演出制御装置33に設けられたコネクタ部33mがボックス33aの外側に露出している。
【0076】
また、後述するように、遊技盤1の裏面には図6に示す演出データ装置32が取り付けられており、この演出データ装置32の裏面であって、演出制御装置33が取り付けられた演出制御装置配設部165の下方に位置する部分には、コネクタ部32fが設けられている。そして、この演出データ装置32のコネクタ部32fと演出制御装置33のコネクタ部33mは、互いに対向するように配され、演出データ装置32と演出制御装置33が直接接続できるようになっている。
【0077】
また、図3に示すように、後面部161aの背面であって、裏機構枠160の裏面側から見て、演出制御装置配設部165の右側には、演出制御装置33と他の装置等を接続する配線を収納する接続用凹部183が形成されている。
【0078】
この接続用凹部183の上半部は、カバー部材204によって覆われるようになっているが、カバー部材204の上部には開口部204aが形成されており、カバー部材204を取り付けた状態で、遊技機外部の装置(管理装置など)との通信を行うための外部端子基板205の枠用外部出力端子205aが裏機構枠160の裏面側に露出するようになっている。また、接続用凹部183の下半部は、遊技制御装置30を収納したボックス30aによって覆われるようになっている。このように配線を接続用凹部183内に収納し、接続用凹部183の開口部分をカバー部材204およびボックス30aで覆って閉鎖することにより、配線が露出してばらけてしまうことを防止することができる。
【0079】
裏機構枠本体161の上面には、弾球遊技機100が設置される図示しない島設備に設けられた供給装置から供給される遊技球を一時貯留し、排出装置190に供給する貯留タンク192が取り付けられるようになっている。
【0080】
貯留タンク192の底面は、裏機構枠本体161の後方に向かって下るとともに、裏機構枠本体161の裏面側から見て左方向に下る傾斜を有しており、この傾斜下流側に位置する貯留タンク192の底面には、貯留タンク192内の遊技球を外部に排出する排出口(図示略)が形成されている。
【0081】
貯留タンク192の排出口は後面部161aの背面に位置しており、後面部161aの背面に形成された流路形成凹部184には、この排出口に連通した導出流路を形成する導出流路形成部材195,196が取り付けられている。この導出流路は、排出口から排出された遊技球を裏機構枠160の右端部へ誘導するとともに、裏機構枠160の右端部においてさらに下方へ誘導するように形成されており、その下流側端部は裏機構枠160の裏面に設けられた排出装置190に接続している。
【0082】
排出装置190は、裏機構枠本体161の裏面側から見た右端部における上下方向の略中央に形成された排出装置配設凹部185に取り付けられている。この排出装置190は、上部に導出流路に接続する遊技球を受け入れる流入口を、下部に下部流路に接続する遊技球を排出する排出口を備えており、排出発射制御装置34が遊技制御装置30の制御の下で排出装置190を作動させることで、所定数の遊技球を下部流路に排出するようになっている。
【0083】
排出装置190の排出口に接続した下部流路は、裏機構枠160の裏面側から見た右端に沿って取り付けられた下部流路形成部材197によって形成されており、排出装置190から排出された遊技球を下方に誘導するようになっている。この下部流路の下流側端部は、取付盤134に設けられた排出流路136に接続しており、排出装置190から排出された所定数の遊技球が、発射操作ユニット150の前面に形成された遊技球貯留部151に排出されるようになっている。なお、貯留タンク192の排出口から排出装置190に至る導出流路内には、常に遊技球が待機している状態となっており、排出装置190によって導出流路内の遊技球が排出されることに伴って貯留タンク192から流路に遊技球が流入するようになっている。
【0084】
図2,6に示すように、前面枠本体130の開口部に嵌め込まれる遊技盤1は、遊技盤本体1bと、遊技盤本体1bの裏面側に配される遊技盤裏面構成部材80とを備える。遊技盤本体1bは透明な合成樹脂(例えば、ポリカーボネートやアクリル)からなり、前面には、遊技領域区画壁9で囲まれた遊技領域1aを有し、この遊技領域1a内に発射装置70から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。なお、遊技盤1の前面側から見て左側部には、発射装置70から発射された遊技球を遊技領域1aの上部に誘導する遊技球誘導部10が、遊技盤本体1bの前面側および後面側に配設されている。この遊技球誘導部10の詳細については後述する。
【0085】
遊技盤本体1bの前面側には、遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9を備える遊技領域区画部材8,8,…、流下案内部材19aを備える案内部形成部材17が取り付けられている。
【0086】
案内部形成部材17は、遊技盤本体1bの側面に沿って配される平板状の側板部18と、該側板部18の一側面に側板部18に対して垂直に形成された案内部形成部19、装飾部材20とを備えている。
【0087】
側板部18は平板状であって、その板面が遊技盤本体1bの前面に対して垂直になるように配され、後側の略半分は遊技盤本体1bの側面に形成された収容凹部1cに収容されるようになっている。そして、収容凹部1cに収容された状態では、側板部18の外側の面が遊技盤本体1bの側面と同一面を形成するようになっている。また、側板部18にはねじ穴18a,18aが形成され、収容凹部1cにはこのねじ穴18a,18aに対応するようにねじ止め部1d,1dが形成されており、ねじによって側板部18を遊技盤本体1bに固定できるようになっていて、これによって案内部形成部材17が遊技盤本体1bに固定できるようになっている。
【0088】
この側板部18の一側面に垂直に形成された案内部形成部19は、側板部18を遊技盤本体1bに取り付けることで、裏面が遊技盤本体1bの前面に沿って配されるようになっている。この案内部形成部19は透明な材質からなり、後述する発射関連画像を案内部形成部19を透して視認できるようになっている。また、案内部形成部19の前面には、ここを流下する遊技球の流下方向を変更する板状の流下案内部材19aが突設されている。この流下案内部材19aは、その板面が遊技領域1aの中央方向に向かって下る斜面となるように設けられており、遊技領域1aの左端部を流下する遊技球を、遊技領域1aの中央方向に誘導するものである。
【0089】
側板部18の一側面に垂直に形成された装飾部材20も、側板部18を遊技盤本体1bに取り付けることで、裏面が遊技盤本体1bの前面に沿って配されるようになっている。なお、装飾部材20は案内部形成部19よりも下側に配されるようになっている。この装飾部材20は、光を透過可能な材質からなるレンズ部材21と、このレンズ部材21の裏面側に配された図示しない電気的発光部材(例えばLED)を備えており、この部分において光による装飾が可能となっている。また、後述する発射関連画像の帯状表示211,211の一部を構成するようになっている。なお、レンズ部材21は、遊技盤本体1bの前面に突出して配されるようになっており、その上面は、遊技球を遊技領域1aの中央方向に誘導する誘導面となっている。
【0090】
また、側板部18の前側は遊技盤本体1bの前面よりも前側に突出するように配され、遊技盤本体1bの前面に形成される遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9の一部をなしており、この遊技領域区画壁9よりも遊技盤1の中央側が遊技領域1aとなっている。すなわち、案内部形成部材17が配された部分においては、遊技盤1の左端までが遊技領域1aとされている。この遊技領域区画壁9の上下端部には段部22,22が形成されており、この段部22,22が、案内部形成部材17の上下にそれぞれ配される遊技領域区画部材8に形成された遊技領域区画壁9の端部に設けられた段部8aと噛み合うことで、遊技領域区画壁9はさらに上下に連続するようになっている。また、遊技領域区画壁9の外側面には、上述の装飾部材20の電気的発光部材のコネクタ部23が設けられており、このコネクタ部23から弾球遊技機100の裏面側の制御装置に配線が接続されるようになっている。
【0091】
遊技領域区画部材8,8,…は所定の厚みを有し、遊技盤本体1bの前面の四隅に配されて遊技領域1aを区画するものであって、遊技盤1の中心側に配される側面は、遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9をなしている。また、遊技領域区画部材8,8,…は不透明な材質からなり、遊技領域1a以外から弾球遊技機100の内部が見えないようになっている。
【0092】
また、この遊技領域区画部材8,8,…には、複数のねじ穴8d,8d,…が形成されているとともに、裏面から後方へ突出するボス8e,8e,…が形成されている。そして、遊技盤本体1bの前面における遊技領域区画部材8,8,…を取り付ける位置には、ねじ穴8d,8d,…とボス8e,8e,…に対応するようにねじ止め部1e,1e…とボス8e,8e,…を挿入可能な挿入穴1f,1f,…が形成されており、これらによって、遊技領域区画部材8,8,…を遊技盤本体1bの前面における所定位置にねじによって固定できるようにされている。
【0093】
この遊技領域区画部材8,8,…のうち、遊技盤1の前面側から見て左側の上下に配される二つの遊技領域区画部材8,8は、上述の案内部形成部材17を挟むように上下に隣接して配されるようになっている。
【0094】
このうち、案内部形成部材17の上側に配された遊技領域区画部材8に形成された遊技領域区画壁9は、後述する遊技球誘導部10の遊技球流出口25を形成する第2遊技球誘導部形成部材24に隣接して配されるようになっており、遊技球誘導部10から流出した遊技球がこの遊技領域区画壁9に沿って遊技領域1aの中央方向へ案内されるようになっている。
【0095】
さらに、遊技盤本体1bの四隅に配された遊技領域区画部材8,8,…には、遊技盤1を前面枠本体130に形成された開口部131に対して着脱可能とする係合凹部8b、固定凹部8cが形成されている。前面側から見て左側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた係合部材130aが係合可能な係合凹部8bが形成され、遊技盤1の前面側から見て右側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた固定部130bが係合可能な固定凹部8cが形成されている。そして、前面枠本体130に形成された開口部131に対して、前面側から係合凹部8b,8bを係合部材130a,130aに係合させ、この係合部分を軸として他端部を後方に回動させて開口部131に収容し、固定凹部8c,8cに固定部130b,130bを係合させることで遊技盤1が前面枠本体130に固定されるようになっている。
【0096】
遊技領域1a内には、普図始動ゲート6が設けられ、該普図始動ゲート6内には遊技球の通過を検出するゲートセンサが設けられている。そして、該ゲートセンサで遊技球が検出されることに基づき普図変動表示ゲームの始動条件が成立するようになっている。この普図変動表示ゲームは、遊技盤1の前面側に設けられた7セグからなる普図変動表示器62にて表示されるようになっている。また、遊技盤1の前面側には、未処理となっている第1普図変動表示ゲームの回数をLEDの点滅で表示する普図始動記憶表示器63が設けられている。
【0097】
また、遊技領域1a内には、始動入賞口48および普通変動入賞装置3が設けられ、始動入賞口48および該普通変動入賞装置3内には遊技球の流入を検出する始動口センサ3b(図14に図示)が設けられている。この始動入賞口48および普通変動入賞装置3は、特図始動入賞口であって、始動口センサ3bで遊技球が検出されることに基づき特図変動表示ゲームの始動条件が成立するようになっている。この特図変動表示ゲームは、遊技盤1の前面側に設けられた7セグからなる特図変動表示器64にて表示されるようになっている。また、遊技盤1の前面側には、未処理となっている特図変動表示ゲームの回数をLEDの点滅で表示する特図始動記憶表示器65が設けられている。
【0098】
普通変動入賞装置3は左右一対の開閉部材3a,3aを具備し、始動入賞口48の下部に配設され、この開閉部材3a,3aは、常時は遊技球が流入不能な閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示器62の普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置3の開閉部材3a,3aが所定時間(例えば、0.5秒間)逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置3に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化されるようになっている。これにより、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0099】
また、特図変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた特図変動表示器64で実行されるが、ここで実行される特図変動表示ゲームに対応する表示ゲームが表示ユニット173の画像表示面171に表示されるようになっている。この特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームの表示領域は、後述するように、遊技盤1を構成する遊技盤裏面構成部材80に形成された表示領域区画壁82によって区画された領域であって、透明な材質からなる遊技盤本体1bを通して、その裏面側に配された表示ユニット173の画像表示面171を視認可能な領域となっている。なお、弾球遊技機100に特図変動表示器64を備えずに、表示ユニット173のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図変動表示器64の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して画像表示面171における表示ゲームの表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。
【0100】
また、遊技領域1a内には、特別変動入賞装置4、遊技盤装飾装置54(図14に図示)、一般入賞口2,2、風車と呼ばれる打球方向変換部材、多数の障害釘(図示略)、鎧部材7、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口5などが設けられている。
【0101】
特別変動入賞装置4は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉4aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。なお、開閉扉4aは、ソレノイド(大入賞口SOL53、(図14に図示)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するための大入賞口用センサ(カウントセンサ51、図14に図示)が配設されている。
【0102】
また、遊技領域1aに設けられた一般入賞口2,2には、一般入賞口2,2に入った遊技球を検出するための一般入賞口センサ52(図14に図示)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2,2、特図始動入賞口(始動入賞口48、普通変動入賞装置3)、大入賞口(特別変動入賞装置4)等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球としての遊技球が後述の排出発射制御装置34(排出発射制御基板)の制御により排出装置190によって貯留皿に排出される(払い出される)ようになっている。
【0103】
また、鎧部材7は、遊技領域1aの上部となる遊技盤本体1bの前面に突出するように取り付けられており、遊技領域1aに発射されて流下する遊技球を左右に振り分け、遊技領域1aの中央部における画像表示面171の視認性を良くするものである。
【0104】
また、図6に示すように、遊技盤裏面構成部材80は、遊技盤本体1bの周囲に沿う矩形状をしており、不透明又は半透明とされた合成樹脂(例えば、ポリカーボネートやABS)からなる。この遊技盤裏面構成部材80における遊技盤本体1bの裏面に沿って配されるベース盤81の略中央部には、遊技盤本体1bに形成された遊技領域1aの大部分と重なるように視認開口が形成されている。また、ベース盤81の裏面側には、視認開口の周縁に沿って後方に突出する表示領域区画壁82が形成されており、これによって前後方向に沿った筒状の空間が形成されている。この表示領域区画壁82は、遊技盤1の後方に配される後述する表示ユニット173の画像表示面171に近接するように配される(当接はしない)ようになっており、特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームなどの表示領域を区画するものである。すなわち、表示ユニット173の画像表示面171のうち、視認開口の周縁に沿って形成された表示領域区画壁82で囲まれた領域が遊技盤1の前面側から視認可能な表示領域(視認領域)となる。よって、遊技領域1aの大部分に表示ユニット173の画像が表示されることとなる。
【0105】
なお、上述したように画像表示面171の面積は、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口よりも広いので、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口から露出する領域に所定の画像が表示されるように演出制御装置33によって制御されている。また、表示領域区画壁82の上半部および左右側部は、表示領域区画壁82を通して弾球遊技機100の内部が透けて見えない程度の半透明とされており、下半部は着色されて不透明とされ、弾球遊技機100の内部(例えば、変動入賞装置の駆動源や配線)が見えないようになっている。
【0106】
ベース盤81の裏面には、左右の端部に隣接する位置に、後方へ突出する押圧部83,83,…が上下に形成されている。この押圧部83,83,…は、遊技盤1の裏面側に配される表示ユニット173の前面(表示ユニット173の外枠をなす表示ユニットケース174の前面)に、その後端部が当接するようになっている。表示ユニット173は、表示ユニット付勢手段(圧縮コイルばね182)によって前側に付勢されているので、押圧部83,83,…と表示ユニット173は密着した状態で保持されるようになっている。
【0107】
また、押圧部83,83,…は、所定の前後幅を有しており、押圧部83,83,…が表示ユニット173の前面に当接することで、図6,10に示すように、遊技盤1と表示ユニット173は所定の間隔をおいて平行に配され、両者の間に空間部が形成されるようになっている。なお、押圧部83,83,…の前後幅は、上述した表示領域区画壁82の前後幅よりも若干広くされており、押圧部83,83,…が表示ユニット173の前面に当接することで、表示領域区画壁82が画像表示面171に近接した位置に配されるようになっている。
【0108】
このように、遊技盤1に対して表示ユニット173が所定の間隔をおいて弾球遊技機100の奥側に配されるので、表示ユニット173と遊技者との距離を確保でき、奥行き感を出すことができるとともに、大型の表示ユニット173を用いた場合でも、遊技者にとって見やすい構成とすることができる。また、遊技盤側から入り込む外光によって画像表示面171における表示が見にくくなることを防止できる。
【0109】
また、押圧部83,83,…はベース盤81に形成された基部83aと、基部83aの後端部にねじによって取り付けられた摩擦係数が低い材質(例えば、ポリアセタール、金属)からなる押圧部材83bとを有している。さらに、ベース盤81の裏面側から見て右側に位置する押圧部83,83の押圧部材83bには、上下方向に沿った軸を中心に回動可能なローラ(図示略)が、外側に位置する角部に取り付けられている。
【0110】
表示ユニット173の前面に当接する押圧部材83b,83b,…がこのような構成を有することで、押圧部材83b,83b,…が表示ユニット173の前面に当接し、押圧した状態で、容易に適切な位置に移動することができるようになっている。
【0111】
遊技盤裏面構成部材80の裏面側であって、視認開口の下側には、取り付けベース85が設けられている。この取り付けベース85には、始動入賞口48、普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4、一般入賞口2,2などに入賞した遊技球を流下させる入賞球流路が設けられている。この入賞球流路は、弾球遊技機100の外部(島設備の回収樋)に連通する図示しない流路に接続するようになっている。この他に、取り付けベース85には配線を中継する中継基板などが設けられている。また、この取り付けベース85の裏面側から見て左側の端部は、上下方向に沿って延在する回動軸86,86が形成されており、演出データ装置32を収納したボックス32aに形成された軸受け32g,32gに嵌合することで、ボックス32aが左右方向に扉状に回動可能に軸支されるようになっている。
【0112】
さらに、図3に示すように、演出データ装置32を収納したボックス32aの裏面側には、左右方向に沿って延在する回動軸を備える支持部32h,32hが形成されており、後述する遊技制御装置30を収納したボックス30aに形成された軸受け(図示略)に嵌合することで、ボックス30aが上下方向に回動可能に軸支されるようになっている。また、遊技制御装置30を収納したボックス30aを軸支する支持部32h,32hの近傍には、ボックス30aが演出データ装置32を収納したボックス32aの裏面に沿って配された状態、すなわちボックス30aが起立した状態を保持する保持部材32iが設けられている。
【0113】
なお、遊技盤1を前側から取り付ける構成としたが、遊技盤1を前面枠120に後側から取り付ける(或いはサイドからスライド挿入する)構成としても良い。この場合は、前面枠120に遊技盤1を装着した後に裏機構枠160を閉鎖することとなり、この際に表示ユニット173が後方へ押圧されることとなる。また、本実施形態のように遊技盤1を前側から取り付ける構成であっても、メンテナンス等の場合に裏機構枠160を開放した場合は、再び裏機構枠160を閉鎖する際に表示ユニット173が後方へ押圧されることとなる。
【0114】
また、裏機構枠160を開閉可能としたが、遊技盤1を前側から取り付ける構成の場合は、開閉できない裏機構枠160であってもよい。また、裏機構枠160を別途設けずに、前面枠本体130の裏面側に案内部169,169,…を形成するようにしても良い。また、表示ユニット173が遊技盤1の後方の所定間隔を空けた位置に配されるように、前面枠120などに固定されている構成としても良い。
【0115】
本実施形態の弾球遊技機100の遊技盤1における遊技球誘導部10は、そのほとんどが遊技盤本体1bの後面に埋設されている。以下、この遊技球誘導部10の詳細について説明する。この遊技球誘導部10は、図2,10,11に示すように、遊技球誘導部10の下部を構成し、誘導部が遊技領域面(遊技盤本体1bの前面)よりも後方側に配設される第1遊技球誘導部10aと、遊技球誘導部10の上部を構成し、誘導部が遊技領域面よりも前方側に配設されるとともに導出部を有する第2遊技球誘導部10cとを備える。また、第1遊技球誘導部10aと第2遊技球誘導部10cとの間に介在され、第1遊技球誘導部10aからの遊技球を前方側に案内する屈曲した誘導部を有する中間遊技球誘導部10bを備える。なお、この遊技球誘導部10は、下部を除いて表示領域区画壁82で囲まれた視認開口内に配されている。
【0116】
この遊技球誘導部10は、図7から図11に示すように、遊技盤本体1bの後面に形成された溝状の凹部11および遊技盤本体1bの前後に貫通する開口部16からなる流路形成部12に各種部材が取り付けられることで構成されている。
【0117】
流路形成部12は、図7に示すように、遊技盤1の後面側から見て右側にあって、遊技盤本体1bの下端部から上端部の近傍まで上下に延在し、かつ、遊技盤本体1bの後面側から見た右側面に向かって突出する略円弧状に形成されている。この流路形成部12は、上方端部の所定範囲が遊技盤本体1bの前後に貫通する開口部16とされ、開口部16より下方の部分が後方に開口する溝状の凹部11とされている。また、流路形成部12の下端部となる溝状の凹部11の下端部は遊技盤本体1bの下端部と一致し、遊技盤1(遊技盤本体1b)の下方に開口している。
【0118】
また、流路形成部12は、開口部16においては所定の左右幅(遊技球の直径より広い左右幅)を有し、この開口部16の下方に連続する溝状の凹部11においては下方に向かって徐々に左右幅が広くなるように形成されている。また、流路形成部12は、上方端部から下方に向かって徐々に曲率が小さく緩やかな湾曲となるように形成されている。
【0119】
また、遊技盤本体1bの後面における流路形成部12の周囲には、この流路形成部12の後方に取り付けられる後述の誘導部形成部材13に形成された鍔状の取付片15を収容できるように、遊技盤本体1bの後面よりも一段低くなった段部12aが形成されている。さらに、遊技盤本体1bの後面における開口部16の周囲には、この開口部16内に取り付けられる後述の中間遊技球誘導部構成部材40に形成された鍔状の取付片41を収容できるように、上述の段部12aよりも一段低くなった段部16aが形成されている。
【0120】
流路形成部12における開口部16には、図8に示すような中間遊技球誘導部構成部材40が取り付けられている。この中間遊技球誘導部構成部材40は透明な合成樹脂からなり、遊技盤本体1bに形成された開口部16にちょうど収まるような形状をした部材で、中央部に前後に貫通する中間遊技球誘導部10bを有している。
【0121】
この中間遊技球誘導部構成部材40の後端部には、中間遊技球誘導部構成部材40を流路形成部12に固定するための鍔状の取付片41が形成されている。この取付片41は、中間遊技球誘導部構成部材40を開口部16に取り付けると、開口部16の周囲に形成された段部16aにちょうど収まるようになっており、取付片41の後面、すなわち中間遊技球誘導部構成部材40の後面が流路形成部12の周囲に形成された段部12aと略同一面をなすようになっている。さらに、取付片41には前後に貫通するねじ穴41a,41a,…が形成されており、ねじによって中間遊技球誘導部構成部材40を流路形成部12に固定できるようになっている。また、この取付片41には、中間遊技球誘導部構成部材40の後方に取り付けられる誘導部形成部材13に形成されたボス(図示略)を受入可能な挿入穴41b,41bが形成されており、誘導部形成部材13を所定の位置に取り付けられるようになっている。また、図9に示すように、中間遊技球誘導部構成部材40の前面は、中間遊技球誘導部構成部材40を開口部16に取り付けた状態で遊技盤本体1bの前面と略同一面を形成するようになっている。そして、中間遊技球誘導部構成部材40の前面には、第2遊技球誘導部形成部材24が取り付けられるようになっている。
【0122】
また、中間遊技球誘導部構成部材40の下部は、遊技盤本体1bに形成された溝状の凹部11の深さの分だけ、後端部から前方へかけて切欠き状の開口部49が形成されており、中間遊技球誘導部10bの前方の内側面を形成する前方内側面45の後方端部は、開口部49の前端部に位置している。これによって、中間遊技球誘導部構成部材40を開口部16に取り付けた際に、前方内側面45の後方端部と、第1遊技球誘導部10aの前方側の内側面の上方端部、すなわち溝状の凹部11の底面が段差なく連続するようになる。
【0123】
この中間遊技球誘導部構成部材40に形成された中間遊技球誘導部10bは、遊技球が一個通過できる程度の幅を有し、中間遊技球誘導部構成部材40を開口部16に取り付けた状態で、遊技盤本体1bの後面から前面に向かって斜め上方へ延在するように配される。なお、遊技盤本体1bは合成樹脂製であるため、木製の場合よりも前後の幅を小さく(厚みを薄く)でき、その分屈曲した中間遊技球誘導部10bの曲率を小さくでき、安定した発射を実現できる。
【0124】
図7に示すように、遊技盤本体1bの後面に取り付けられる誘導部形成部材13は、透明な材質からなり、遊技盤本体1bに形成された流路形成部12と同様の略円弧状に形成され、その延在方向に沿って溝状(断面コ字状)の流路形成溝13aが形成されている。この誘導部形成部材13は、流路形成溝13aが前面側に開口する向きで、流路形成部12の後方を覆うように遊技盤本体1bの裏面に取り付けられている。
【0125】
流路形成溝13aの開口部分の形状は、開口部16に取り付けられた中間遊技球誘導部構成部材40の後方開口と、これに連続した溝状の凹部11の後方開口とを合わせた形状と略同じ形状をしている。すなわち、上方端部においては遊技球の直径より若干広い程度の左右幅を有し、下方に向かって徐々に左右幅が広くなるように、かつ、上方端部から下方に向かって徐々に曲率が小さく緩やかな湾曲となる形状とされている。また、この流路形成溝13aの前後幅は、遊技球の直径より若干広い前後幅となっており、誘導部形成部材13を遊技盤本体1bの後面に取り付けることで、遊技盤1(遊技盤本体1b)の後面側に一部が埋設された状態の矩形筒状の第1遊技球誘導部10aが形成されることとなる。すなわち、遊技球誘導部10の下方所定範囲をなす第1遊技球誘導部10aを遊技盤本体1bの表面よりも後方に配設するようにしたこととなる。
【0126】
また、流路形成溝13aの上方端部から所定の範囲の後方壁部(底壁)は、上方端部に向かって前方向に傾斜した誘導傾斜部14となっていて、遊技球誘導部10を上方向に移動する遊技球を斜め前方向、すなわち、遊技盤1の表面に向かう方向に誘導するようになっている。
【0127】
また、誘導部形成部材13の前端部には、誘導部形成部材13を遊技盤本体1bの後面に固定するための鍔状の取付片15が形成されている。この取付片15は、誘導部形成部材13を遊技盤本体1bの後面に配設した状態で、流路形成部12の周囲に形成された段部12aに収容されるようになっている。さらに、取付片15には前後に貫通するねじ穴15a,15a,…が形成されており、また、取付片15が収容される段部12aには、このねじ穴15a,15a,…と対応する部分にねじ止め部12b,12b,…が形成されていて、ねじによって誘導部形成部材13を遊技盤本体1bに固定できるようになっている。
【0128】
また、取付片15の前面の下端部近傍には、ボス15bが前方向へ突出するように形成されており、誘導部形成部材13を遊技盤本体1bの後面に取り付ける際に、段部12aに形成された挿入穴12cに挿入されるようになっている。これにより、誘導部形成部材13を遊技盤本体1bに取り付ける際の位置合わせが容易になるとともに強固に取り付けることが可能となる。
【0129】
以上のように、誘導部形成部材13は、発射装置70から発射された遊技球を誘導する遊技球誘導部10の内面の一部を形成するものであって、摩擦係数の低い材質(例えば、ポリアセタール)からなり、遊技球との摩擦が低減されるようになっている。
なお、誘導部形成部材13を、透明でかつ導電性を有する合成樹脂により形成するとともにアースに接続して、通過する遊技球の静電気を除去できるようにしても良い。
【0130】
このように構成される第1遊技球誘導部10aと中間遊技球誘導部10bは、図11に示すように、遊技球の誘導の妨げとならないように滑らかに連続するようになっている。このうち、第1遊技球誘導部10aの後方の内側面を形成する誘導部形成部材13の誘導傾斜部14は、後方(下方)端部から前方(上方)端部に向かって、遊技盤本体1bの後面に平行な状態から、徐々に前方向への傾きが大きくなるような曲面となっている。そして、誘導傾斜部14に接続する中間遊技球誘導部10bの後方内側面44は、後方端部においては誘導傾斜部14の上方端部近傍の傾きと等しく、前方端部に向かって前側への傾きが徐々に大きくなり、前方端部の近傍で、逆に前側への傾きが小さくなるような曲面となっている。この誘導部形成部材13の誘導傾斜部14の上方端部と、中間遊技球誘導部10bの後方内側面44の後方端部は、段差なく接続するようになっており、滑らかな曲面が形成される。
【0131】
また、中間遊技球誘導部10bの前方内側面45は、後方端部から前方端部に向かって、遊技盤本体1bの後面に略平行な状態から、徐々に前側への傾きが大きくなるような曲面となっている。そして、中間遊技球誘導部10bの前方内側面45の後方端部と、第1遊技球誘導部10aの前方側の内側面の上方端部は、段差なく連続するようになっており、滑らかな曲面が形成される。
【0132】
また、誘導部形成部材13の上方部における左右の内側面と、中間遊技球誘導部10bにおける左右の内側面も段差なく連続するようになっており、第1遊技球誘導部10aと中間遊技球誘導部10bとは滑らかに連続するようになっている。そして、中間遊技球誘導部10bの前方端部は遊技盤本体1bの前面に開口しており、この前方に第2遊技球誘導部10cが形成されている。
【0133】
図2および図9から11に示すように、第2遊技球誘導部形成部材24は、遊技盤本体1bの前面側であって、中間遊技球誘導部構成部材40の前面側に突出状態で取り付けられる部材で、第2遊技球誘導部10cを形成するとともに遊技球誘導部10の導出口をなす遊技球流出口25を形成するものである。
【0134】
第2遊技球誘導部形成部材24は、その延在方向に沿って、中間遊技球誘導部10bの左右幅と略等しい左右幅を有する溝部26を有している。そして、第2遊技球誘導部形成部材24は、この溝部26と中間遊技球誘導部10bとが対向し、かつ、溝部26の延在方向が中間遊技球誘導部10bの延在方向に沿うように遊技盤本体1bの前面に配されている。これにより、第2遊技球誘導部形成部材24の上方部分によって、遊技盤本体1bの前面(遊技領域1a)に遊技球誘導部10の下流側部分としての第2遊技球誘導部10cが形成され、その上端部に遊技球誘導部10の導出口をなす遊技球流出口25が形成されることとなる。また、第2遊技球誘導部形成部材24の下方部分によって、第2遊技球誘導部10cに連通し、戻り球を排出する排出部60が形成され、下端部に排出部60の出口をなす排出口61が形成されることとなる。
【0135】
また、第2遊技球誘導部形成部材24には、溝部26の側壁における開口側の端部(後端部)に、鍔状に外側へ延出する取付片27が形成されている。この取付片27の後面には、後方へ突出するボス(図示略)が形成されており、このボスを中間遊技球誘導部構成部材40の前面に形成された挿入穴42,42に挿入することで、第2遊技球誘導部形成部材24を所定の位置に取り付けられるようになっている。また、取付片27には、ねじ穴(図示略)が形成されており、ねじによって第2遊技球誘導部形成部材24を中間遊技球誘導部構成部材40の前面側に固定できるようになっている。
【0136】
また、図11に示すように、第2遊技球誘導部形成部材24と中間遊技球誘導部構成部材40との間には、逆流防止部材46が配されている。この逆流防止部材46は、溝部26の後方開口に沿って配された金属性の可撓性を有する板状の部材で、第2遊技球誘導部10cから中間遊技球誘導部10bへ遊技球が逆流することを防ぐものであって、第2遊技球誘導部形成部材24の下端部に一端部が取り付けられている。
【0137】
この逆流防止部材46は、図11(b)に示すように、遊技球が接触していない通常時において、遊技盤本体1bの前面と平行な状態となり、中間遊技球誘導部10bの前方開口を閉鎖するようになっている。この状態においては、逆流防止部材46の上端部が中間遊技球誘導部10bの前方開口の上縁よりも上側に位置し、中間遊技球誘導部構成部材40の前面に当接して後方への移動が規制された状態となっている。
【0138】
そして、図11(a)に示すように、発射された遊技球が中間遊技球誘導部10b側から衝突すると、固定された下端部を中心に前方に撓んで第2遊技球誘導部10cへの流入を可能とするようになっている。このとき逆流防止部材46の上端部は、第2遊技球誘導部形成部材24の溝部26を形成する内面であって、中間遊技球誘導部10bと対向する面、すなわち、前面壁部24aの後面に当接することで係止されるようになっている。さらに、逆流防止部材46の中間遊技球誘導部10b側の面29bによって、中間遊技球誘導部10bにより遊技盤1の前面に向かう方向に誘導された遊技球が、遊技盤1の前面(遊技盤本体1bの前面)に沿った方向(遊技領域1aの面方向)に誘導されるようになっている。
【0139】
また、第2遊技球誘導部形成部材24の前面壁部24aの後面には、逆流防止部材46の上端部が当接する部分から上端部にかけて、撓んだ状態となった逆流防止部材46の中間遊技球誘導部10b側の面29bと連続し、遊技球を遊技領域1aの面方向に誘導する屈曲誘導面29aが形成されている。すなわち、第2遊技球誘導部10cにおいては、逆流防止部材46の中間遊技球誘導部10b側の面29bと第2遊技球誘導部形成部材24の屈曲誘導面29aによって、遊技球の誘導方向を遊技領域面方向(遊技盤本体1bの面方向)に変換する前面誘導部29が形成されるようになっている。
【0140】
撓んだ状態となった逆流防止部材46の中間遊技球誘導部10b側の面29bは、前方端部に向かって徐々に前側への傾きが大きくなるような屈曲面となり、この上端部と接続する屈曲誘導面29aは、逆に、徐々に前側への傾きが小さくなるような屈曲面となっている。また、この前面誘導部29を形成する逆流防止部材46の固定部分は、前方内側面45の前方端部よりも下方に位置するようにされている。これによって、固定部分を中心に撓む逆流防止部材46の中間遊技球誘導部10b側の面29bと、中間遊技球誘導部10bの前方内側面45が滑らかに連続するとともに、遊技球を遊技領域面方向に滑らかに誘導することができる。
【0141】
また、図11(b)に示すように逆流防止部材46は、遊技球の通過後には即座に元の状態に戻るようになっており、第2遊技球誘導部10cに流入したにもかかわらず戻ってきた戻り球が、中間遊技球誘導部10bに流入することを防ぐようになっている。なお、戻り球は、第2遊技球誘導部形成部材24の下方部分に形成された排出部60に流入し、下方に排出されるようになっている。
【0142】
以上のことから、第2遊技球誘導部10cと中間遊技球誘導部10bとの間の誘導部を閉鎖可能に設けられて、該中間遊技球誘導部10bから第2遊技球誘導部10cへの遊技球の通過を許容する一方、該第2遊技球誘導部10cから中間遊技球誘導部10bへの遊技球の通過を防止する逆流防止部材46を設けたこととなる。
【0143】
第2遊技球誘導部形成部材24は、溝状の部材であって、図11(b)に示すように、逆流防止部材46が遊技盤本体1bの前面に平行な状態においては、溝部26および逆流防止部材46によって、上下端部が開放した筒状の空間が形成されることとなる。そしてこの筒状の空間の下方部分が排出部60となっている。
【0144】
また、図2に示すように、第2遊技球誘導部形成部材24には、上述の逆流防止部材46に加え、一端が第2遊技球誘導部形成部材24に固定され、他端部は遊技球流出口25の前方を覆うように湾曲した可撓性を有する板状の戻り球防止部材47が設けられている。この戻り球防止部材47は、遊技球流出口25から流出した遊技球が衝突することで撓んで遊技領域1aへの流出を可能とする一方、遊技領域1aから遊技球流出口25への遊技球の流入を防止するようになっている。なお、戻り球防止部材47の先端部の湾曲方向を後方向となるように構成し、遊技領域1aの後方に配された第1遊技球誘導部10aから遊技盤本体1bの前面方向に誘導された遊技球を、確実に遊技盤本体1bの面方向(遊技領域1aの面方向)に沿って誘導できるようにしても良い。
【0145】
発射勢が弱く戻り球防止部材47をこえて遊技領域1aに至らなかった戻り球は、前面誘導部29に沿って下方へ流下することとなる。このとき、逆流防止部材46が元の位置に戻っていることで、前面誘導部29は屈曲誘導面29aの下方で途切れた状態となっており、戻り球は下方に形成された排出部60に流入する。排出部60は筒状であって、その下端部には排出口61をなす開口が形成されており、戻り球はこの排出口61から遊技領域1aへ排出されるようになっている。
【0146】
図2に示すように、この排出口61から排出された遊技球が流下する遊技領域1aは、第1遊技球誘導部10aを遊技領域1aの後方側に配したことで形成された遊技領域1aである。この部分には、案内部形成部材17が取り付けられることによって流下案内部材19aが設けられており、遊技球は遊技領域1aの中央方向に誘導されるようになっている。
【0147】
以上のことから、第1遊技球誘導部10aの前方位置に形成された遊技領域1aに、排出部60から排出された遊技球を遊技領域1aの中央方向に流下案内する流下案内部材19aを設けるようにしたこととなる。
【0148】
そして、以上のように構成される遊技球誘導部10を備える遊技盤1を、図2に示すように、前面枠本体130の開口部131に取り付けることで、遊技球誘導部10は、その下端部において発射装置70の発射球ガイド部材72と連通するようになっている。これにより、発射装置70から発射された遊技球が、発射球ガイド部材72を通って遊技球誘導部10(第1遊技球誘導部10a)に流入することとなる。
【0149】
ここで、発射球ガイド部材72は、左右幅の広くなった遊技球誘導部10の下端部における略中央に接続するようになっており、かつ、下端部より上端部が遊技盤1の前面側から見て左側に位置するように斜めに配設されている。この発射球ガイド部材72の傾斜角度は、その先端が、遊技球誘導部10が最も左側端側に突出した部分に向くような傾斜角度とされている。よって、発射装置70から発射された遊技球は、遊技球誘導部10が最も左側端側に位置する部分の付近まで、すなわち第1遊技球誘導部10aの途中まで左右の側壁に触れずに上方向へ移動した後、湾曲した部分に沿って第1遊技球誘導部10aの上方部へ誘導されるようになっている。また、遊技球が誘導される過程において、後述するように画像表示面171において遊技球の発射に関連した発射関連画像が表示されるようになっている。
【0150】
第1遊技球誘導部10aの上方部へ誘導された遊技球は、その上方部に連続する中間遊技球誘導部10bに流入する。この中間遊技球誘導部10bによって、まず、遊技盤本体1bの後面側の第1遊技球誘導部10aで遊技盤本体1bの面方向に沿って誘導された遊技球が、遊技盤本体1bの前面へ向かって斜め前方に誘導される。中間遊技球誘導部10bによって遊技盤本体1bの前面へ向かって誘導された遊技球は、中間遊技球誘導部10bと第2遊技球誘導部10cの境界部分に設けられた逆流防止部材46に衝突する。逆流防止部材46は、中間遊技球誘導部10b側から遊技球が衝突することで前方へ撓み、第2遊技球誘導部10cの屈曲誘導面29aとともに前面誘導部29を形成する。そしてこの前面誘導部29により、遊技盤本体1bの前面へ向かって斜め前方に誘導された遊技球が、遊技盤本体1bの前面側(遊技領域1a)へ遊技盤本体1bの面方向に沿うように誘導され、遊技球流出口25から排出される。
【0151】
なお、略円弧状に形成された遊技球誘導部10において、上方端部に位置する第2遊技球誘導部10cは最も曲率が大きい部分であり、遊技球を遊技領域1aの中央方向へ誘導する機能も有する。また、略円弧状に形成された遊技球誘導部10において、上方端部に位置する第2遊技球誘導部10cは最も曲率が大きい部分であり、遊技球は第2遊技球誘導部10cの外側の壁(前面側から見て左側の内側壁)に接触しながら安定して進行する。よって、安定して遊技球を遊技盤本体1bの後面から前面に誘導することができ、ムラ飛び等を防止できる。
【0152】
遊技領域1aに至った遊技球は、図示しない障害釘などにより流下方向を変更されながら下方へ流下することとなるが、その多くが遊技領域1aの上部に配された鎧部材7の上部に至り、左右へ振り分けられるようになっている。このうち、遊技盤1の左側部においては、従来は遊技球誘導部10が遊技盤本体1bの前面にあったことから、狭い領域しか確保できず、単に遊技球を下方へ流下させるのみとなっていた。これに対し、本実施形態の弾球遊技機100では、遊技球誘導部10の大部分を遊技盤本体1bの後面側に配設することによって、その部位の前面に遊技領域1aが拡大されており、多彩な流下態様が形成できるようにされている。そして、遊技球誘導部10の大部分を遊技盤本体1bの後面側に配設することによって左側方に拡大した部分には、遊技球の流下方向を遊技盤1の中央方向へ変更する流下案内部材19a、装飾部材20が設けられており、普通変動入賞装置3などへの入賞を可能としている。すなわち、左側方に拡大した遊技領域1aを効率よく活用することが可能となっている。
【0153】
ここで、遊技球の発射勢が弱かった場合において、逆流防止部材46を十分に撓ませられず、もしくは、逆流防止部材46まで到達せずに発射装置70側へ戻ってきた戻り球は、発射球ガイド部材72の左右に設けられたファール球回収部135によって回収されるようになっている。また、第2遊技球誘導部10cに達したが、発射勢が弱く戻り球防止部材47をこえて遊技領域1aに至らなかった戻り球は、前面誘導部29に沿って下方へ流下することとなる。このとき、逆流防止部材46は元の状態に戻っていて、前面誘導部29は屈曲誘導面29aの下方で途切れており、戻り球は排出部60に流入して下端部に形成された排出口61から排出されるようになっている。このように排出された遊技球は、案内部形成部19に設けられた流下案内部材19aによって遊技盤1の中央方向へ誘導され、有効に活用されるようになっている。
【0154】
以上のことから、遊技球誘導部10は、遊技盤1(遊技盤本体1b)表面よりも後方側に配設される第1遊技球誘導部10aと、当該遊技球誘導部10の上部を構成し、誘導部が遊技盤1(遊技盤本体1b)表面よりも前方側に配設されるとともに遊技球誘導部10からの遊技球を遊技領域1aに導出する導出部を有する第2遊技球誘導部10cと、第1遊技球誘導部10aと第2遊技球誘導部10cとの間に介在され、該第1遊技球誘導部10aからの遊技球を前方側に案内する屈曲した誘導部を有する中間遊技球誘導部10bと、を有し、第2遊技球誘導部10cの下部に、当該遊技球誘導部10で誘導された遊技球のうち導出部から遊技領域1aに導出されずに下方に流下した遊技球を遊技領域1aに排出可能な排出部60を設けたこととなる。
【0155】
なお、第1遊技球誘導部10aは、遊技球を上方に誘導するとしているが、完全に鉛直方向に向いているものであっても良いし、完全に鉛直方向に向いていなくても良く、例えば、多少湾曲していても良い。また、第1遊技球誘導部10aは遊技盤1の前面よりも後方に配設されていれば良く、後面上に配設されるものの他、一部または全部が後面に埋設されているもの、後面から離れて(中間遊技球誘導部10bとの接続部分を除いて)配設されるものも含む。さらに、第1遊技球誘導部10aが遊技盤本体1bの前面に埋設されることで遊技盤1の前面よりも後方に配設されているものも含む。
【0156】
また、逆流防止部材46は平板状の部材としたが、前方に撓んだ状態で前面誘導部29をなす中間遊技球誘導部10b側の面29bが、徐々に前側への傾きが小さくなるような曲面となるようにすれば、より遊技球の誘導が滑らかになる。このために、逆流防止部材46を前側に突出するように全体が湾曲した形状としても良い。ただしこの場合は、中間遊技球誘導部10bの前方端部を閉鎖した状態において、逆流防止部材46が溝部26内に突出することとなるので、その突出量を戻り球の流下を妨げない程度とすることが望ましい。
【0157】
また、逆流防止部材46は、金属製に限られず、可撓性を有し、やわらかく即座に常態に復帰する(撓んだ状態のままとならない)材質のものであれば良い。また、例えば、一端(一部)が回動可能に軸支され、中間遊技球誘導部10bの前方開口を開放した状態と閉鎖した状態とに変換可能な部材としても良い。
【0158】
また、逆流防止部材46は、第2遊技球誘導部10cと中間遊技球誘導部10bの境界部分に設けるとしたがこれに限られるものではなく、第2遊技球誘導部10cに設けるようにしても良いし、中間遊技球誘導部10bに設けるようにしても良い。
また、逆流防止部材46を設けずに、発射された遊技球が中間遊技球誘導部10bから屈曲誘導面29aへ向かって排出部60を飛び越えるような構成としても良い。
【0159】
また、第2遊技球誘導部10cの長さを長くして遊技球を確実に誘導できるようにしても良い。この場合、戻り球が発生し易くなるが、逆流防止部材46を設けたことで、戻り球を確実に排出でき、問題が発生することがない。
【0160】
また、第1遊技球誘導部10a、中間遊技球誘導部10b、第2遊技球誘導部10cはそれぞれ別部材で構成されるとしたが、例えば、第1遊技球誘導部10aと中間遊技球誘導部10bあるいは第2遊技球誘導部10cと中間遊技球誘導部10bが一体成型されていてもよい。
【0161】
図3,6,14に示すように、弾球遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御装置30(主制御基板、主制御回路)、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行う演出データ装置32(演出ROM基板、第1制御回路)、演出制御装置33(演出制御基板、第2制御回路)、排出装置190による賞球または貸球の払い出しの制御と、発射装置70による遊技球の発射の制御を行う排出発射制御装置34(排出発射制御基板、排出発射制御回路)、電力を供給する電源供給装置37(電源基板、電源回路)を備えている。
【0162】
遊技制御装置30は、図14に示すようにCPU30b、RAM30c、ROM30d等を有する遊技用マイクロコンピュータを備えるとともに、図示しない入出力インタフェース、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力するクロック(発振器)等により構成されている。
【0163】
CPU30bは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。RAM30cは、始動入賞口48および普通変動入賞装置3内に設けられた始動口センサ3bのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU30bの作業領域等を備えている。ROM30dには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図変動表示ゲームの大当り発生を判定するための特図変動表示ゲームの大当り判定値、変動パターン(リーチアクションの種類)の判定値などが記憶されている。
【0164】
また、入出力インタフェースには、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、始動入賞口48および普通変動入賞装置3の始動口センサ3b、大入賞口のカウントセンサ51、一般入賞口2,2の一般入賞口センサ52などが接続されており、これらからの各種信号が入力され、これら各種信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、CPU30bに対し出力される。
さらに、入出力インタフェースには、CPU30bから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、特別変動入賞装置4の駆動手段としての各種開閉ソレノイド(例えば、大入賞口SOL53)、演出制御装置33、賞球の排出や遊技球の発射を制御する排出発射制御装置34などに出力されている。
【0165】
演出データ装置32は、演出の制御内容を記憶した制御ROM32c、画像や映像データが記憶されたキャラクタROM32b、音データが記憶された音声データROM32dを備えている。なお、この演出データ装置32に備えられた各種ROMの記憶内容は、遊技機の機種に依存するものである。
また、演出データ装置32は、遊技制御装置30から出力される制御信号(各種コマンドなど)を中継して演出制御装置33に送信するようになっている。なお、遊技制御装置30と演出制御装置33との間の通信において、演出データ装置32は単に信号を通過させるのみ(スルー接続)となっている。
【0166】
また、演出データ装置32には、盤装飾ランプ・LEDなどの遊技盤装飾装置54を駆動する盤装飾ドライバを備えた盤装飾ドライバ基板35が接続されており、演出制御装置33が遊技制御装置30から受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)この盤装飾ドライバ基板35を制御し、盤装飾を行うようになっている。また、盤装飾ドライバ基板35には、遊技球誘導部10に隣接して設けられた発射球検出センサ36a,36bが接続されており、発射球検出センサ36a,36bから出力された検出信号が、盤装飾ドライバ基板35、演出データ装置32を介して演出制御装置33に入力されるようになっている。
【0167】
また、この演出データ装置32と直接接続された演出制御装置33は、制御装置としてのCPU33b、RAM33cや、表示ユニット173(液晶表示パネル175)における表示を制御する画像用メモリとしてのRAMや、グラフィックプロセッサとしてのVDP33d(video display processor)、画像や映像データが記憶されたサブ画像ROM33eなどを含むビデオ回路、音の出力を制御する音声LSI33f、音量を調節する音声ボリューム33gを備えている。また、前面枠120に設けられたランプ、LEDなどの前面枠120を装飾する枠装飾装置142を駆動する枠装飾ドライバ33hを備えている。さらに、表示ユニット173の液晶表示パネル175における表示状態を調節するための、輝度調節器33i、コントラスト調節器33jが備えられている。
【0168】
演出制御装置33は図示しない入出力インタフェースを有し、この入出力インタフェースにはローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置30、演出データ装置32、遊技機の前面(例えば、遊技球貯留部151の周囲)に設けられた遊技者が操作可能な演出用ボタン59などが接続されており、これらからの各種信号が入力され、これら各種信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、CPU33bに対し出力される。
【0169】
さらに、入出力インタフェースには、CPU33bから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出データ装置32、液晶表示パネル175のバックライト56、枠装飾装置142(枠装飾ドライバ33hを介して)などに出力されている。なお、CPU33bから出力される制御信号のうち、画像の制御に関する制御信号は、CPU33bからVDP33dに出力され、VDP33dから該制御信号に基づく画像データが液晶表示器55に出力される。また、音声の制御に関する制御信号は、CPU33bから音声LSI33fに出力され、音声LSI33fから該制御信号に基づく音声データがスピーカ58に出力される。
【0170】
そして、演出制御装置33は、遊技制御装置30から演出データ装置32を介して受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)、枠装飾装置142による枠装飾の制御、表示ユニット173に備えられる液晶表示パネル175(液晶表示器55、バックライト56)の制御、スピーカ58による音の出力の制御を行う。さらに、遊技制御装置30から演出データ装置32を介して受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)演出データ装置32に接続された盤装飾ドライバ基板35を介して遊技盤装飾装置54の制御を行う。また、後述するように、表示ユニット173において遊技球の発射に関連した発射関連画像を表示する制御を行う。
【0171】
排出発射制御装置34は、CPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータを有し、遊技制御装置30からの制御信号(賞球コマンド)や、球貸機(図示略)からの制御信号(球貸しコマンド)に基づいて所要数の遊技球(賞球、貸球)を排出装置190から排出させる制御を行う。また、発射装置70による遊技球の発射制御を行う。この排出発射制御装置34には、操作ハンドル154からの信号(操作ハンドル154に設けられたタッチセンサからの信号や、操作ハンドル154の回動角度を判断するための信号)が入力されるようになっており、この入力信号に基づき発射装置70を作動、停止する制御や発射勢を調節する制御を行う。また、この操作ハンドル154の操作に関する情報を、遊技制御装置30を介して演出制御装置33に出力し、演出制御装置33では、この情報に基づき遊技球の発射に関連した発射関連画像を表示する制御を行う。
【0172】
そして、上述の各制御基板や、弾球遊技機100に備えられた各装置には、電源供給装置37(電源回路、電源基板)から電力が供給されるようになっている。なお、演出データ装置32への電源供給は演出制御装置33を介して行われるようになっている。
【0173】
これらの制御回路においては、例えば以下のような制御が行われる。
遊技制御装置30のCPU30bでは、始動入賞口48および普通変動入賞装置3に備えられた始動口センサ3bからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM30dに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。また、この他に変動パターンの判定を行う処理などを行い、これらの結果を含む制御信号を、演出データ装置32を介して演出制御装置33に出力する。
【0174】
演出制御装置33とこれに接続した演出データ装置32では、遊技制御装置30からの制御信号に基づき、表示ユニット173の液晶表示パネル175で特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームを表示する処理や、スピーカ58からの音の出力、ランプ、LEDなどの遊技盤装飾装置54を制御する処理、ランプ、LEDなどの枠装飾装置142を制御する処理を行う。そして、遊技制御装置30のCPU30bは、特図変動表示ゲームが大当たりであった場合に特別遊技状態を発生し、大入賞口SOL53により特別変動入賞装置4を動作する制御を行う。
【0175】
また、遊技制御装置30のCPU30bは、各種入賞口に設けられたセンサ(始動口センサ3b、カウントセンサ51、一般入賞口センサ52)から入力される遊技球の検出信号に基づき排出発射制御装置34に制御信号を出力する。排出発射制御装置34は、制御信号の入力に基づき排出装置190を制御して所定数の遊技球が払い出されるようにする。また、排出発射制御装置34は、操作ハンドル154の操作に基づく入力および操作ハンドル154に設けられた図示しないタッチセンサからの入力に基づき、発射装置70を制御して遊技球が遊技領域1aに発射されるようにする。すなわち、以上のことから主制御回路をなす遊技制御装置30は、遊技の進行を制御する遊技制御装置をなし、第1制御回路をなす演出データ装置32と第2制御回路をなす演出制御装置33とが弾球遊技機100における種々の演出を制御する演出制御装置をなす。
【0176】
そして、これらの各基板は以下のように遊技機に取り付けられている。
図3,6に示すように、画像表示面171における表示データなど、機種に依存するデータが記憶された演出データ装置32は、ボックス32aに収納された状態で、遊技盤1の裏面側下方部に設けられた取り付けベース85の裏面側であって、裏機構枠160の下縁からその下側に取り付けられている。このボックス32aの裏面側には、演出制御装置33と接続するためのコネクタ部32f、遊技制御装置30と接続するため(遊技制御装置30と演出制御装置33との間の中継のため)や、遊技盤装飾装置54と接続するためのコネクタ部32jが設けられている。さらに、ボックス32aの裏面側には、ボックス30aに収納された遊技を制御する遊技制御装置30が取り付けられるようになっている。すなわち、ボックス32aの裏面は遊技制御装置30を取り付けるための台座をなす。また、ボックス32aに隣設して、遊技機外部の装置(管理装置)と接続するための盤用外部出力端子206が設けられている。
【0177】
また、図3に示すように、複数の機種で共通使用可能な演出制御装置33は、ボックス33aに収納された状態で前面枠本体130の裏面側に取り付けられた裏機構枠160に取り付けられている。なお、図4に示すように、ボックス33aの前側の下部には、コネクタ部33mが、裏機構枠160の下縁から下方に突出するように設けられ、演出データ装置32のコネクタ部32fと接続することが可能となっており、これによって両者が直接接続されるようになっている。
【0178】
また、図3に示すように、排出装置190による賞球の排出、発射装置70による遊技球の発射を制御する排出発射制御装置34、弾球遊技機100内の各装置に電力を供給する電源回路としての電源供給装置37は、それぞれボックス34a、37aに収納された状態で、前面枠本体130の裏面側の遊技盤1より下側となる位置に取り付けられている。
【0179】
すなわち、機種に依存する演出データ装置32、遊技制御装置30は遊技盤1に取り付けられ、複数の機種で共通使用可能な演出制御装置33や排出発射制御装置34、電源供給装置37は前面枠本体130もしくは裏機構枠160に取り付けられている。よって、遊技盤1を変更することにより機種に依存する装置(基板)のみが交換され、弾球遊技機100の遊技内容を変更することが可能である。
【0180】
次に、画像表示面171に表示される遊技球の発射に関連した発射関連画像210について説明する。遊技盤本体1bの後方に形成された第1遊技球誘導部10aは、透明な部材から構成されていて、その後方に位置する画像表示面171における画像を遊技盤1の前面側から視認可能となっており、図12(a)に示すように、この部分で発射に関連する発射関連画像210を表示するようになっている。このような発射関連画像210を表示することで、遊技の興趣を向上させるとともに、遊技者に種々の情報を報知することができるようになっている。
【0181】
この発射関連画像210としては、遊技球誘導部10の左右の側端に沿ってそれぞれ表示される破線状の帯状表示211,211と、左右の帯状表示211,211の間で表示される文字表示212とがある。なお、帯状表示211,211のうち、装飾部材20が遊技盤本体1bの前面側に配された部分では、遊技球誘導部10の延在方向に沿って配された複数の発光部材(例えばLED)が帯状表示211,211の一部を構成するようになっている。
【0182】
この発射関連画像210は、演出制御装置33において制御され、発射操作の状態に応じて所定の画像が表示されるようになっている。まず、遊技球の発射が行われていない発射待機状態においては、図12(b)に示すように、帯状表示211,211は、破線の枠部分だけが表示(白抜き表示)されるとともに、文字表示212において「発射可能」と表示され、発射可能である旨が報知されるようになっている。なお、帯状表示211,211のうち、装飾部材20で構成された部分では、発射待機状態において発光部材を消灯した状態とする。また、文字表示212は、所定時間ごとに上方にスクロール表示するようになっている。
【0183】
そして、遊技者が操作ハンドル154を時計回り方向に回動することで発射装置70が作動し、遊技球が発射される発射状態になると、その旨が発射関連画像210として報知されるようになっている。
【0184】
操作ハンドル154の操作は排出発射制御装置34で検出され、これに基づき排出発射制御装置34が発射装置70を作動させるようになっている。また、操作ハンドル154の操作(タッチセンサのオン信号)は、排出発射制御装置34から遊技制御装置30を介して演出制御装置33に入力されるようになっており、演出制御装置33ではこの入力信号に基づき発射装置70の作動を検出し、画像表示面171に発射状態に応じた発射関連画像210を表示する制御を行うようになっている。すなわち、演出制御装置33が発射関連画像210として、発射装置70が作動中である旨を報知する画像を表示する発射状態表示制御手段をなす。
【0185】
この発射状態における発射関連画像210においては、発射待機状態において白抜き表示となっていた帯状表示211,211を、遊技者が認識しやすいように所定の色で表示するようになっている。また、文字表示212は表示しないようになっている。このように帯状表示211,211を所定の色で表示することで、遊技球誘導部10の領域(幅および長さ)を遊技者に示すことができ、ここを発射球が通過することを報知することができる。すなわち、演出制御装置33が発射関連画像210として、遊技球誘導部10の領域を報知する領域表示制御手段をなす。
【0186】
なお、後述するように発射状態での帯状表示211,211における表示色は発射勢の報知の機能も兼ねており、その色は操作ハンドル154の回動角度に応じて変化するようになっている。また、操作ハンドル154に触れていてタッチセンサでは検出されているが、操作ハンドル154を回動していない状態でも帯状表示211,211は所定の色で表示されるようになっている。
【0187】
以上のことから、発射装置70の作動中に、発射関連画像210として、発射装置70が作動中である旨を報知する画像を表示する発射状態表示制御手段(演出制御装置33)を備えたこととなる。
【0188】
また、発射関連画像210として、遊技球誘導部10の領域を報知する領域表示制御手段(演出制御装置33)を備えたこととなる。
【0189】
さらに、発射状態における帯状表示211,211によって、遊技球の発射勢が報知されるようになっている。遊技球の発射勢は、操作ハンドル154の回動角度によって変化するようになっており、排出発射制御装置34は操作ハンドル154の回動角度に応じて発射装置70における発射勢を変化する制御を行うようになっている。具体的には、排出発射制御装置34は、操作ハンドル154を時計回り方向に回動させていくのに伴い、発射勢が強くなるように制御するようになっている。この排出発射制御装置34による発射勢の制御も遊技制御装置30を介して演出制御装置33に入力されるようになっており、演出制御装置33においてはこれに基づき画像表示面171に発射勢の強弱を表示する制御を行うようになっている。すなわち、演出制御装置33が発射装置70の発射勢を報知可能な画像を表示する発射勢表示制御手段をなす。
【0190】
この発射勢の表示は、図12(a)に示すように、上下方向に延在する帯状表示211,211をレベルメータに見立て、濃色と淡色の表示領域を変化させることで行うようになっている。操作ハンドル154の時計回り方向への回動角度が大きく発射勢が強い場合は、濃色の表示領域が帯状表示211,211の上部まで拡大し、逆に操作ハンドル154の時計回り方向への回動角度が小さく発射勢が弱い場合は、濃色の表示領域が帯状表示211,211の下部のみとなるようにされている。また、操作ハンドル154に触れていてタッチセンサでは検出されているが、操作ハンドル154を回動していない場合は、帯状表示211,211は全て淡色の表示となるようにされている。すなわち、操作ハンドル154の回動角度に応じて強弱が変化する発射勢にあわせて、帯状表示211,211における濃色の領域を上下に増減することで発射勢の強弱を表示するようになっている。
【0191】
以上のことから、発射関連画像210として、発射装置70の発射勢を報知可能な画像を表示する発射勢表示制御手段(演出制御装置33)を備えたこととなる。
【0192】
また、帯状表示211,211において、発射された遊技球の位置にあわせて帯状表示211,211の表示色を変化し、遊技球の発射の装飾を行うようになっている。このような表示を行うための発射球の検出は、図13(a)に示すように、遊技盤本体1bにおける遊技球誘導部10の下端側の側部に設けられた2つの発射球検出センサ36a,36bによって行われるようになっている。
【0193】
この2つの発射球検出センサ36a,36bは上下に並んで配されており、遊技盤1の下側から発射された発射球の通過によって、下側の発射球検出センサ36b、上側の発射球検出センサ36aの順に遊技球を検出し、検出信号を出力する。この検出信号は、盤装飾ドライバ基板35、演出データ装置32を介して演出制御装置33に入力されるようになっており、これによって演出制御装置33において遊技球が発射されたことを検出できるようになっている。また、上述したように、演出制御装置33には遊技球の発射勢に関する情報が入力されるようになっており、演出制御装置33はこの情報に基づき遊技球が遊技球誘導部10を移動する速度を検出することができる。なお、遊技球の移動速度を2つの発射球検出センサ36a,36bにおける遊技球の検出時間の差から検出するようにしても良い。
【0194】
そして演出制御装置33においては、発射球の検出および移動速度の検出に基づき、図13(a)に示すように、発射状態において所定の色で表示された帯状表示211,211のうち、遊技球の位置に対応した部分を白抜きで表示するとともに、遊技球の移動に対応して白抜き部分を移動表示する制御を行う。すなわち、演出制御装置33が発射関連画像210として、発射球検出センサ36a,36b(検出手段)からの検出信号の入力に基づき、遊技球誘導部10における遊技球の移動に対応して移動する画像を表示する発射球状態表示制御手段をなす。
【0195】
以上のことから、発射装置70から発射された遊技球を検出する検出手段(発射球検出センサ36a,36b)を備え、発射関連画像210として、検出手段からの検出信号の入力に基づき、遊技球誘導部10における遊技球の移動に対応して移動する画像を表示する発射球状態表示制御手段(演出制御装置33)を備えたこととなる。
【0196】
また、遊技球の発射勢が弱く戻り球が発生した場合は、遊技球が上から下へ通過することとなるので、上下に並んだ発射球検出センサ36a,36bにおいて、上側の発射球検出センサ36a、下側の発射球検出センサ36bの順に遊技球が検出される。これによって演出制御装置33で戻り球を検出することができる。そして、この戻り球が連続して所定個数(例えば5個)検出された場合は、何らかのトラブルが発生していると判定され、図13(b)に示すように、文字表示212において「トラブル発生」と表示することにより、その旨が報知されるようになっている。なお、文字表示212は、所定時間ごとに上方にスクロール表示するようになっている。また、文字表示212で報知するだけでなく、帯状表示211,211を点滅させたり表示色を変更したりして報知するようにしても良い。
【0197】
以上のことから、前面側に遊技領域1aが形成された遊技盤1と、該遊技盤1の下方に配設されて遊技領域1aに向けて遊技球を発射する発射装置70と、を備え、該遊技盤1に該発射装置70から発射された遊技球を遊技領域1aの上方部に誘導する遊技球誘導部10を備えた弾球遊技機100において、遊技盤1(遊技盤本体1b)を透光性を有する部材で形成するとともに、該遊技盤後方の所定間隔を空けた位置に表示ゲームを表示可能な画像表示装置(表示ユニット173)を備えて、当該弾球遊技機100の前方位置から該遊技盤1を透かして表示ゲームを視認可能に構成し、遊技盤1は、遊技球誘導部10の下方所定範囲を当該遊技盤表面よりも後方に配設することで、当該範囲の前面側に遊技領域1aを形成するように構成し、遊技球誘導部10における(少なくとも)下方所定範囲の部位を透光性を有する部材で形成するとともに、当該下方所定範囲の後方に位置する画像表示装置の画像表示部(画像表示面171)において遊技球の発射に関連した発射関連画像210を表示するようにしたこととなる。
【0198】
なお、遊技盤1の中央前方に位置する遊技者から見て、帯状表示211,211と遊技球誘導部10の左右端部が重なって見えるように、帯状表示211,211の表示位置を遊技球誘導部10の左右端部に対する真後ろの位置よりも外側(前面側から見て左側)の位置に設定するようにしても良い。
【0199】
また、帯状表示211,211の表示位置は予め設定されているとしたが、画像表示面171にタッチパネルを設け、誘導部形成部材13がタッチパネルを押圧することで遊技球誘導部10の位置を検出して、その結果に基づき帯状表示211,211の位置を調整するようにしてもよい。
【0200】
また、リーチなどが発生して遊技球誘導部10の後方の領域も演出表示に利用する場合は、帯状表示211,211を消去しても良い。
また、発射勢の報知や、遊技球の移動に対応して移動する画像は、帯状表示211,211を利用するとしたが、帯状表示211,211とは別の表示をするようにしても良い。
【0201】
また、発射装置70をロータリソレノイドによって発射杵73を駆動するタイプの発射装置70とすれば、排出発射制御装置34からの情報に基づいてより正確に発射勢を検出でき、遊技球誘導部10における遊技球の移動に対応した画像の表示がより確実になる。
【0202】
また、発射装置70が作動しているにもかかわらず、発射球検出センサ36a,36bが遊技球を(所定時間)検出しない場合に空打ち状態と判断し、空打ちを中止するように促す旨の表示を行っても良い。
また、画像表示面171における遊技球誘導部10の後方の領域全体において遊技球と対照的な色の表示を行い、遊技球の視認性を高めるようにしても良い。
また、第2遊技球誘導部形成部材24および逆流防止部材46を透明な合成樹脂で形成し、第2遊技球誘導部10cの後方の部位においても発射関連画像を表示するようにしても良い。
【0203】
また、帯状表示211,211は破線状に限られず、その表示色も任意で良い。また、文字表示212の表示内容も任意である。
さらに、発射関連画像210の表示は上述した帯状表示211,211、文字表示212に限られるものではなく、遊技球誘導部10における少なくとも下方所定範囲の後方に位置する画像表示面171において遊技球の発射に関連した画像を表示するものであれば良い。
【0204】
以上のような弾球遊技機100は、前面側に遊技領域1aが形成された遊技盤1と、該遊技盤1の下方に配設されて遊技領域1aに向けて遊技球を発射する発射装置70と、を備え、該遊技盤1に該発射装置70から発射された遊技球を遊技領域1aの上方部に誘導する遊技球誘導部10を備えた弾球遊技機100であって、遊技盤1を透光性を有する部材で形成するとともに、該遊技盤後方の所定間隔を空けた位置に表示ゲームを表示可能な画像表示装置(表示ユニット173)を備えて、当該弾球遊技機100の前方位置から該遊技盤1を透かして表示ゲームを視認可能に構成し、遊技盤1は、遊技球誘導部10の下方所定範囲を当該遊技盤表面よりも後方に配設することで、当該範囲の前面側に遊技領域1aを形成するように構成し、遊技球誘導部10における下方所定範囲の部位を透光性を有する部材で形成するとともに、当該下方所定範囲の後方に位置する画像表示装置の画像表示部(画像表示面171)において遊技球の発射に関連した発射関連画像210を表示するようにしている。
【0205】
したがって、遊技球誘導部10の所定範囲を遊技盤表面よりも後方に配設することで、その分遊技領域1aが広く形成できるので、変動表示装置等が大型化しても、遊技球が流下する領域を広範囲に設定することが可能となり、興趣の高い流下態様を実現することができるし、遊技球の流下態様に影響を与えるような役物を配設することも可能となる。
また、遊技球誘導部10を透光性を有する部材で形成したことにより、その後方に位置する遊技球誘導部10における遊技球の発射状態を遊技者が視認可能となり、戻り球の発生などの異常を即座に発見できるようになるので不安感を防止できる。
さらに、遊技盤後方の画像表示装置により発射関連画像210を表示するので、遊技球誘導部10の部位において従来にない斬新な発射に関連した各種報知や装飾等が行えるようになる。
【0206】
また、発射装置70の作動中に、発射関連画像210として、発射装置70が作動中である旨を報知する画像を表示する発射状態表示制御手段(演出制御装置33)を備えている。
【0207】
したがって、発射状態表示制御手段を備え、発射装置70の作動中に、発射関連画像210として、発射装置70が作動中である旨を報知する画像を表示するので、遊技者に確実に発射装置70が作動中であることを認識させることが可能となる。
【0208】
また、発射関連画像210として、遊技球誘導部10の領域を報知する領域表示制御手段(演出制御装置33)を備えている。
【0209】
したがって、領域表示制御手段を備え、発射関連画像210として、遊技球誘導部10の領域を報知するようにしたので、遊技球の発射状態を確実に遊技者に知らしめることが可能となる。
【0210】
また、発射関連画像210として、発射装置70の発射勢を報知可能な画像を表示する発射勢表示制御手段(演出制御装置33)を備えている。
【0211】
したがって、発射勢表示制御手段を備え、発射関連画像210として、発射装置70の発射勢を報知可能な画像を表示するようにしたので、発射された遊技球の飛び位置を確認することなく、発射勢の確認や調整を行うことが可能となる。
【0212】
また、発射装置70から発射された遊技球を検出する検出手段(発射球検出センサ36a,36b)を備え、発射関連画像210として、検出手段からの検出信号の入力に基づき、遊技球誘導部10における遊技球の移動に対応して移動する画像を表示する発射球状態表示制御手段(演出制御装置33)を備えている。
【0213】
したがって、発射装置70から発射された遊技球を検出する検出手段を備え、発射関連画像210として、検出手段からの検出信号の入力に基づき、遊技球誘導部10における遊技球の移動に対応して移動する画像を表示する発射球状態表示制御手段を備えたので、遊技球誘導部10を移動する遊技球の報知および装飾を確実に行うことができる。
【0214】
また、遊技球誘導部10は、遊技盤表面よりも後方側に配設される第1遊技球誘導部10aと、当該遊技球誘導部10の上部を構成し、誘導部が遊技盤表面よりも前方側に配設されるとともに該遊技球誘導部10からの遊技球を遊技領域1aに導出する導出部(遊技球流出口25)を有する第2遊技球誘導部10cと、第1遊技球誘導部10aと第2遊技球誘導部10cとの間に介在され、該第1遊技球誘導部10aからの遊技球を前方側に案内する屈曲した誘導部を有する中間遊技球誘導部10bと、を有し、第2遊技球誘導部10cの下部に、当該遊技球誘導部10で誘導された遊技球のうち導出部から遊技領域1aに導出されずに下方に流下した遊技球を遊技領域1aに排出可能な排出部60を設けるようにしている。
【0215】
したがって、遊技球誘導部10の下部を構成する第1遊技球誘導部10aを遊技盤表面より後方側に配設することにより、その部分に遊技領域1aを形成することが可能となり、遊技領域1aを従来よりも広くすることができる。
また、遊技球誘導部10の上部を構成する第2遊技球誘導部10cが遊技領域1aに向けて遊技球を導出する導出部を有し、該導出部から導出されなかった遊技球を排出する排出部60を備えたことにより、従来排出できなかった遊技球誘導部10内での戻り球を排出でき、戻り球による不具合を防止できる。すなわち、第2遊技球誘導部10c内の戻り球は排出部60から遊技領域1aに排出されるので、その戻り球により球突き状態が発生して、遊技領域1aに遊技球を導出できないような発射の不具合を防止できる。特に、第2遊技球誘導部10cから中間遊技球誘導部10bにかけた屈曲部を利用して効率よく遊技球を排出できる。
【0216】
また、第2遊技球誘導部10cと中間遊技球誘導部10bとの間の誘導部を閉鎖可能に設けられて、該中間遊技球誘導部10bから第2遊技球誘導部10cへの遊技球の通過を許容する一方、該第2遊技球誘導部10cから中間遊技球誘導部10bへの遊技球の通過を防止する逆流防止部材46を設けるようにしている。
【0217】
したがって、第2遊技球誘導部10cと中間遊技球誘導部10bとの間の誘導部を閉鎖可能に設けられて、該中間遊技球誘導部10bから第2遊技球誘導部10cへの遊技球の通過を許容する一方、該第2遊技球誘導部10cから中間遊技球誘導部10bへの遊技球の通過を防止する逆流防止部材46を設けたので、中間遊技球誘導部10bへの遊技球の逆流を確実に防止できるとともに、戻り球を確実に排出部60に導くことが可能となる。
【0218】
また、第1遊技球誘導部10aの前方位置に形成された遊技領域1aに、排出部60から排出された遊技球を遊技領域1aの中央方向に流下案内する流下案内部材19aを設けるようにしている。
【0219】
したがって、第1遊技球誘導部10aの前方位置に形成された遊技領域1aに、排出部60から排出された遊技球を遊技領域1aの中央方向に流下案内する流下案内部材19aを設けたので、排出球が無駄球となることを防止できる。
すなわち、戻り球が排出部60から排出される場合には、比較的遊技領域1aの側方部で排出されることとなるが、このような場合でも流下案内部材19aを備えることにより、排出された遊技球を変動入賞装置などが設けられる遊技領域1aの中央方向に集めることができる。
【0220】
なお、本発明の弾球遊技機は、弾球遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての弾球遊技機に適用可能である。
【0221】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0222】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の構成を示す弾球遊技機の正面図である。
【図2】前面枠の正面図である。
【図3】弾球遊技機の裏面側を示す斜視図である。
【図4】裏機構枠の前面側を示す斜視図である。
【図5】裏機構枠の前面側を示す分解斜視図である。
【図6】遊技盤と表示ユニットの位置関係を示す側面図である。
【図7】遊技盤の後面側であって、遊技球誘導部が形成された部分を示す分解斜視図である。
【図8】中間遊技球誘導部構成部材の前面側を示す斜視図である。
【図9】遊技盤の前面側であって、遊技球誘導部が形成された部分を示す分解斜視図である。
【図10】遊技盤と表示ユニットの位置関係を示す側部断面図である。
【図11】遊技球誘導部の上方端部近傍における側部断面図であって、(a)発射球が逆流防止部材を撓ませた状態を示す図、(b)戻り球が発生した状態を示す図である。
【図12】遊技盤の正面図であって、(a)画像表示面に画像が表示された状態での全体を示す図(b)発射関連画像が表示された部分を示す図である。
【図13】遊技盤の発射関連画像が表示された部分の正面図であって、(a)遊技球が遊技球誘導部を通過している状態での発射関連画像の図、(b)トラブルが発生した場合の発射関連画像の図である。
【図14】遊技機の制御系の一部を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0223】
1 遊技盤
1a 遊技領域
10 遊技球誘導部
10a 第1遊技球誘導部
10b 中間遊技球誘導部
10c 第2遊技球誘導部
19a 流下案内部材
25 遊技球流出口(導出部)
33 演出制御装置(発射状態表示制御手段、領域表示制御手段、発射勢表示制御手段、発射球状態表示制御手段)
36a 発射球検出センサ(検出手段)
36b 発射球検出センサ(検出手段)
46 逆流防止部材
60 排出部
70 発射装置
100 弾球遊技機
171 画像表示面(画像表示部)
173 表示ユニット(画像表示装置)
210 発射関連画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側に遊技領域が形成された遊技盤と、該遊技盤の下方に配設されて遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置と、を備え、該遊技盤に該発射装置から発射された遊技球を遊技領域の上方部に誘導する遊技球誘導部を備えた弾球遊技機において、
前記遊技盤を透光性を有する部材で形成するとともに、該遊技盤後方の所定間隔を空けた位置に表示ゲームを表示可能な画像表示装置を備えて、当該弾球遊技機の前方位置から該遊技盤を透かして表示ゲームを視認可能に構成し、
前記遊技盤は、前記遊技球誘導部の下方所定範囲を当該遊技盤表面よりも後方に配設することで、当該範囲の前面側に遊技領域を形成するように構成し、
前記遊技球誘導部における下方所定範囲の部位を透光性を有する部材で形成するとともに、当該下方所定範囲の後方に位置する前記画像表示装置の画像表示部において遊技球の発射に関連した発射関連画像を表示するようにしたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
発射装置の作動中に、前記発射関連画像として、発射装置が作動中である旨を報知する画像を表示する発射状態表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記発射関連画像として、前記遊技球誘導部の領域を報知する領域表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記発射関連画像として、前記発射装置の発射勢を報知可能な画像を表示する発射勢表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記発射装置から発射された遊技球を検出する検出手段を備え、
前記発射関連画像として、前記検出手段からの検出信号の入力に基づき、前記遊技球誘導部における遊技球の移動に対応して移動する画像を表示する発射球状態表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の弾球遊技機。
【請求項6】
前記遊技球誘導部は、
前記遊技盤表面よりも後方側に配設される第1遊技球誘導部と、
当該遊技球誘導部の上部を構成し、誘導部が前記遊技盤表面よりも前方側に配設されるとともに該遊技球誘導部からの遊技球を前記遊技領域に導出する導出部を有する第2遊技球誘導部と、
前記第1遊技球誘導部と第2遊技球誘導部との間に介在され、該第1遊技球誘導部からの遊技球を前方側に案内する屈曲した誘導部を有する中間遊技球誘導部と、
を有し、
前記第2遊技球誘導部の下部に、当該遊技球誘導部で誘導された遊技球のうち前記導出部から遊技領域に導出されずに下方に流下した遊技球を前記遊技領域に排出可能な排出部を設けるようにしたことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の弾球遊技機。
【請求項7】
前記第2遊技球誘導部と中間遊技球誘導部との間の誘導部を閉鎖可能に設けられて、該中間遊技球誘導部から第2遊技球誘導部への遊技球の通過を許容する一方、該第2遊技球誘導部から中間遊技球誘導部への遊技球の通過を防止する逆流防止部材を設けるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の弾球遊技機。
【請求項8】
前記第1遊技球誘導部の前方位置に形成された遊技領域に、前記排出部から排出された遊技球を前記遊技領域の中央方向に流下案内する流下案内部材を設けるようにしたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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