説明

弾球遊技機

【課題】遊技球の発射が不能となる球詰まりを防止する。
【解決手段】遊技領域9の上部を画定する外レール28、パチンコ玉の移動が可能なスペースを隔てて外レール28と向かい合った内レール27とによってパチンコ玉を発射装置側から遊技領域9側に導く誘導路29が形成されている。誘導路29内には誘導路29を塞ぐ閉じ位置と開き位置との間で揺動する案内部材36が設けられている。内レール27には誘導路29と遊技領域9とを連通させる排出口37が設けられ、誘導路29内を遊技領域9側から発射装置側に移動するパチンコ玉は案内部材36によって排出口37から遊技領域9に案内され、遊技領域9に案内されたパチンコ玉はガイドレール40と内レール27との間を通って回収口33に至る。パチンコ玉は、排出口37を通る際、球検出センサ39によって検出され、これに応答して受け皿にパチンコ玉が払い出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパチンコ店等の遊技場に設置して使用される弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機として、例えばパチンコ機はパチンコ玉を射出する発射装置を備え、発射装置によって射出されたパチンコ玉は遊技領域の上部に打ち出されていた。遊技領域内には入賞口が設けられ、入賞口にパチンコ玉が入賞した場合には受け皿にパチンコ玉が払い出される。受け皿のパチンコ玉は、発射装置に送られ、遊技領域に打ち出すことが可能となっていた。
【0003】
発射装置と遊技領域との間にはパチンコ玉を遊技領域の上部に案内するための誘導路が形成されており、発射装置によって射出されたパチンコ玉はこの誘導路を通って遊技領域の上部に放出されるが、勢いが足りず誘導路から遊技領域に放出されなかったパチンコ玉は遊技領域側から発射装置側に向かって誘導路を戻り、誘導路の下端部に設けられた回収用の開口から回収されていた。回収用の開口は受け皿に通じており、受け皿に送られたパチンコ玉は再度、発射装置から射出されていた。一方、誘導路を遊技領域側から発射装置側に戻るパチンコ玉が発射装置内に進入して玉詰まりが発生し、パチンコ玉の発射が不能になってしまうことがあった。このような問題を解決するため、例えば特許文献1では、パチンコ玉が発射装置に到達することがないように、誘導路を遮る弁を設けたパチンコ機が示されている。
【特許文献1】特開2003−117107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、誘導路を遊技領域側から発射装置側に移動するパチンコ玉を回収する開口は受け皿に通じているため、受け皿から挿入された不正部材が開口を通して遊技領域に差し込まれ、例えば、入賞口にパチンコ玉が入賞しやすくなるように入賞口上に設けられた役物が操作されてしまうことがあった。また、パチンコ玉を誘導路から受け皿に送るための機構を備えたためにパチンコ機が大型化してしまうことがあった。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、受け皿から遊技領域に不正部材を挿入する不正行為を困難にしつつ、遊技球の発射が不能となる球詰まりを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の弾球遊技機では、受け皿から供給される遊技球を発射する発射装置と、発射装置によって発射された遊技球を入賞口が設けられた遊技領域に導く誘導路と、誘導路から遊技領域に射出された遊技球を回収して島設備側へ排出する回収路とを備えた弾球遊技機において、誘導路内を遊技領域側から発射装置側に移動する遊技球を回収路に通じる回収口に案内する案内部材と、案内部材によって回収口に案内された遊技球を検知する検知手段と、検知手段からの検知信号に応答して遊技球を受け皿に払い出す払出手段とを設けたことを特徴とする。
【0007】
また、誘導路は前記遊技領域の下部から外周を囲む外レールとこの外レールの内側において対向し遊技領域の下部から上部まで延設された内レールとの間に形成され、遊技領域は前記内レールによって誘導路と仕切られており、内レールに案内部材によって案内される遊技球を誘導路内から遊技領域に排出するための排出口を形成し、回収口を遊技領域内に設けたことを特徴とする。
【0008】
また、回収口を排出口よりも下側の遊技領域内であって前記内レール沿いに配置し、遊技領域内に、一端が排出口と向かい合い、他端が回収口側に向かって延びたガイドレールを遊技球の移動が可能なように内レールと向かい合わせて設けたを特徴とする。
【0009】
また、回収口は、遊技領域の下端に配置され、排出口から排出された遊技球と入賞口を逸れた遊技球とを回収することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の弾球遊技機によれば、遊技領域側から発射装置側に移動する遊技球が案内部材によって回収路に通じた回収口に案内され、回収口に案内された遊技球が検知手段によって検知されたとき、払出制御手段が払出装置を駆動させて遊技球が受け皿に払い出され、これにより、遊技球が発射装置に進入することを防いで、遊技球の発射が不能となる球詰まりを防止することができる。また、遊技領域側から発射装置側に移動する遊技球の回収口は、受け皿ではなく島設備側に遊技球を排出する回収路に通じているため、受け皿から遊技領域に不正部材を挿入することが困難になる。
【0011】
また、内レールに、案内部材によって案内される遊技球を誘導路内から遊技領域に排出するための排出口を形成し、回収口を遊技領域内に設けたことで、遊技領域内のスペースを利用して誘導路を遊技領域側から発射装置側に移動する遊技球を回収することができ、誘導路内を遊技領域側から発射装置側に移動する遊技球を回収する機構をよりコンパクトにすることができる。
【0012】
また、回収口を排出口よりも下側の遊技領域内であって前記内レール沿いに配置し、遊技領域内に、一端が排出口と向かい合い、他端が回収口側に向かって延びたガイドレールを遊技球の移動が可能なように内レールと向かい合わせて設けたことにより、排出口から排出された遊技球はガイドレールと内レールとの間を通って回収口に進入し、これにより遊技球が入賞口に入賞することを確実に防ぐことができる。
【0013】
また、回収口は遊技領域の下端に配置され、排出口から排出された遊技球と入賞口を逸れた遊技球とを回収することにより、回収口は入賞口を逸れた遊技球の回収と排出口から排出された遊技球の回収とを兼ねるため、遊技球の流通構造がシンプルな弾球遊技機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を実施した弾球遊技機であるパチンコ機の外観斜視図を図1に示す。パチンコ機2の前面には、上扉4及び下扉5からなる2枚の前面扉6が遊技機本体3に対して回動自在に設けられている。上扉4及び下扉5は一方の側端部に設けられたヒンジ部8を介して開閉自在に遊技機本体3に取り付けられ、それぞれ閉じられた状態で図示しない施錠装置によってロックされている。
【0015】
遊技機本体3には、遊技盤18、センター役物30などの駆動を制御する制御回路などがユニット化された遊技盤ユニットが着脱自在に取り付けられており、これにより遊技盤ユニットは容易に交換できるようになっている。上扉4の中央には開口4aが設けられ、この開口4aにはガラス板7が組み付けられている。ガラス板7と遊技盤18との間にはパチンコ玉が流下する遊技領域9が形成され、遊技者はガラス板7を通して遊技領域9を視認することができる。
【0016】
下扉5には、受け皿12、発射操作装置14、球通路15、払出口16等が設けられている。受け皿12には遊技を開始する際にパチンコ玉が流入する他、遊技領域9を流下するパチンコ玉が遊技盤18に設けられた入賞口に入賞することに応じてパチンコ玉が払出口16から払い出される。球通路15は、受け皿12に貯留されたパチンコ玉を発射装置59まで案内し、発射操作装置14は、パチンコ玉を遊技領域9に打ち出す際に操作される。発射操作装置14には遊技者によって回される回動部材14aが備えられ、この回動部材14aの位置に応答してパチンコ玉の打ち出しの強さが変化する。
【0017】
遊技盤18上には、釘、スタートチャッカ23、入賞チャッカ24、アタッカ26、内レール27、外レール28、センター役物30等が設けられている。スタートチャッカ23には、例えば電動チューリップと呼ばれる開閉式の可動装置が設けられ、これによってパチンコ玉が入賞しやすい状態と入賞しにくい状態とが切り替えられるようになっている。遊技領域9に打ち出されたパチンコ玉が入賞チャッカ24やアタッカ26等に入賞しない場合は回収口33に進入する。
【0018】
センター役物30には、例えば4つの保留表示部及び表示画面35が備えられており、保留表示部は、センター役物30上に設けられた表示画面35において図柄が変動表示されている間にスタートチャッカ23に設けられた始動入賞口(図示省略)にパチンコ玉が入賞するごとに1つ点灯する。この入賞は、電子抽選を行って図柄を変動させる権利として持ち越され、この権利の持ち越しは上限が4つまでと予め定められている。この権利を消化した場合には保留表示部は1つずつ消灯する。
【0019】
センター役物30に備えられた表示画面35は、例えば、横に3つ並べられた図柄など各種画像を表示する。始動入賞口にパチンコ玉が入賞したときには後述する電子抽選が開始され、表示画面35には3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が縦に流れるように示される変動表示が行われた後に、3つの図柄が停止表示される。表示画面35に停止表示された図柄の組み合わせを通して遊技者に抽選結果が告知される。図柄は、例えば1〜9までの数字であり、変動表示後、大当たりでは同じ数字が3つ停止表示される。
【0020】
始動入賞口にパチンコ玉が入賞すると予め決められた個数のパチンコ玉が払出口16から受け皿12に払い出される。また、始動入賞口にパチンコ玉が入賞すると電子抽選が開始され、乱数を抽出して当たりとなる乱数であるか否かの判定が行われ、判定の結果が表示画面35に表示される。
【0021】
入賞チャッカ24は、例えば、遊技領域9の左右に1つずつ配置され、入賞チャッカ24に設けられた通常入賞口にパチンコ玉が入賞すると、所定の個数のパチンコ玉が受け皿12に払い出されるようになっている。
【0022】
アタッカ26には大入賞口及び大入賞口を開閉する可動扉が備えられ、表示画面35によって大当たりが告知されたときに可動扉が開放されるようになっており、一定期間の開放が所定の回数繰り返されたときもしくは一定個数のパチンコ玉が入賞したときに、大当たりの告知に伴うアタッカ26の開放は終了する。
【0023】
遊技盤18の裏側にはパチンコ玉を回収する図示しない回収路を形成する集合樋(図示省略)が設けられ、始動入賞口、通常入賞口、大入賞口、及び回収口33に入賞したパチンコ玉は回収路に排出される。回収路に排出されたパチンコ玉は島設備側に排出される。
【0024】
受け皿12には、例えば略260個のパチンコ玉を貯留することができ、その内側には球通路15を分け隔てる仕切り壁が形成されている。受け皿12に供給されたパチンコ玉は、仕切り壁伝いに少しずつ球通路15内を整列しながら発射装置59側に流下し、球詰まりを発生させることなく発射装置59側に送られる。
【0025】
発射操作装置14は遊技者によって回動される回動部材14aを備え、回動部材14aはパチンコ玉を発射しない初期位置とパチンコ玉を最も強く発射する最大位置との間で回動可能となっている。発射操作装置14の内部には図示しない位置検出センサが設けられ、発射装置59は位置検出センサからの位置検知信号に応答してパチンコ玉の発射強度を調節する。
【0026】
図2に示すように、遊技領域9の上部は外レール28によって囲まれ、この外レール28の内側に内レール27が設けられている。内レール27は外レール28の左サイドのうち下部と上部との間でパチンコ玉の移動が可能な間隔を隔てて対向しており、外レール28と内レール27との間には発射装置59によって射出されたパチンコ玉を遊技領域9まで誘導する誘導路29が形成されている。
【0027】
誘導路29にはパチンコ玉を遊技領域9に案内するための案内部材36が設けられ、内レール27には案内部材36に案内されるパチンコ玉を誘導路29内から遊技領域9内に排出するための排出口37が形成されている。案内部材36は、排出口37の下縁に軸支されており、誘導路29を開く開き位置と誘導路29を塞ぐ閉じ位置との間で揺動自在に設けられ、例えば、トーションバネによって常時は閉じ位置に付勢されている。発射装置59によって発射されたパチンコ玉が重力に逆らって発射装置59側から遊技領域9側に移動するとき、案内部材36は閉じ位置から開き位置に移動してパチンコ玉を通過させ、パチンコ玉が遊技領域9側から発射装置59側に移動するとき、パチンコ玉は案内部材36によって排出口37に案内される。
【0028】
遊技領域9内には、センター役物30、スタートチャッカ23、入賞チャッカ24、アタッカ26の他、回収口33、ガイドレール40が設けられている。回収口33は、遊技領域9の下端に配置され、パチンコ玉を島設備側に排出するための回収路に通じている。ガイドレール30は、例えば軟質なビニルによって形成され、その一端が排出口37に対向し、他端が回収口33に向かって延び、パチンコ玉の移動が可能なスペースを隔てて内レール27と向かい合っており、内レール27とガイドレール40との間には、排出口37から排出されたパチンコ玉を回収口33まで案内する案内通路41が形成される。排出口37から排出されたパチンコ玉はガイドレール40の一端に当たった際に勢いが減じられ、案内通路41内を下方に流下して回収口33に進入する。これにより、回収口33は、始動入賞口、通常入賞口、大入賞口を逸れたパチンコ玉のほかに、排出口37から排出されたパチンコ玉を回収して回収路に集める。
【0029】
排出口37にはパチンコ玉を検出するための球検知センサ(検知手段)39が配置されている。球検知センサ39としては、例えば発光部と受光部とを備えた反射型のフォトセンサが用いられ、発光部の前をパチンコ玉が通過するごとに検出信号が出力される。球検知センサ39からの検出信号は後述する制御部に入力される。
【0030】
図3にパチンコ機2の電気的な構成を概略的に示したブロック図を示す。パチンコ機2は電子回路からなる制御部42、この制御部42に接続された各種センサ等から構成されている。パチンコ機2は制御部42内に設けられたCPU43によって主要な部分が制御されている。
【0031】
制御部42にはCPU43のほか、RAM45、ROM46、当たり決定部47、停止図柄決定部49、遊技制御部51などが設けられている。
【0032】
ROM46には、遊技を演出するための複数の画像データ、パチンコ機2に備えられた可動物を画像や音声に合わせて駆動させるための駆動データなどか格納されている。CPU43はROM46の制御プログラムに従ってパチンコ機2全般を制御する。
【0033】
当たり決定部47は乱数発生器、乱数サンプリング回路、当たり決定テーブルを備え、始動入賞口入賞球検出センサ60がパチンコ玉の入賞を検出するたびに乱数値をサンプリングする。サンプリングされた乱数値は当たり決定テーブルに照合されて大当たりまたははずれが決定される。
【0034】
停止図柄決定部49では表示画面35に停止表示させる図柄の組み合せが決定される。停止図柄決定部49は停止図柄テーブルを備え、当たり決定部47での抽選後、抽選結果に応じて停止図柄テーブルを参照して停止図柄を決定する。停止図柄テーブルは大当たり用とはずれ用とがあり、大当たり用の図柄テーブルには複数種類の大当たり用の画像データが格納されている。大当たり用の画像データには、例えば、遊技者に有利な大当たり遊技を付与することを告知する単発図柄、大当たり遊技の実行後に大当たりに当選する確率が通常よりも高い高確率遊技を付与することを示す高確率遊技用図柄用の画像データなどが格納されている。
【0035】
パチンコ機2には制御部42の他、払出制御装置55、可動物制御装置57、発射装置59、始動入賞口入賞球検出センサ60、大入賞口入賞球検出センサ61、通常入賞口入賞球検出センサ62、通過球検出センサ63、表示制御装置70、音声制御装置(図示省略)などが設けられている。通過球検出センサ63は遊技領域9に設けられた通過チャッカに設けられ、パチンコ玉の通過の応じて検出信号がCPU43に入力される。入賞チャッカ24に設けられた通常入賞口内には通常入賞口入賞球検出センサ62が、スタートチャッカ23に設けられた始動入賞口内には始動入賞口入賞球検出センサ60が、アタッカ開放時に露呈する大入賞口内には大入賞口入賞球検出センサ61がそれぞれ設けられており、それぞれパチンコ玉の検出に応じて検出信号がCPU43に入力される。
【0036】
音声制御装置はサウンドメモリを備え、図柄の変動表示を行っているときや当たりを示す図柄が停止表示されたときなどにサウンドメモリから音声データを読み出し、この音声データを基にパチンコ機2に備え付けられたスピーカを駆動させて外部に音声を出力する。
【0037】
表示制御装置70は表示画面35の駆動を制御する。表示制御部70は、停止図柄決定部49から送信される画像データを基にして表示画面35に大当たりもしくははずれの図柄を表示する。
【0038】
発射装置59は発射操作装置14に備えられた回動部材14aが初期位置から回動されたときにパチンコ玉を遊技領域9に向けて射出する。図示はしないが、発射装置59は遊技領域9にパチンコ玉を打ち出すための打球部材を備え、発射装置59は球送り装置(図示省略)から供給されるパチンコ玉を打球部材で叩いて誘導路29内に射出している。打球部材がパチンコ玉を打球する強さは発射操作装置14に備えられた回動部材14aの回し具合によって決定され、回動部材14aの回し具合が少ないとき、打球部材に叩かれたパチンコ玉は誘導路29から遊技領域9内に脱出できず、誘導路29内を遊技領域9側から発射装置59側に逆流することになる。
【0039】
払出制御装置55は払出装置56とともに払出手段を構成しており、受け皿12にパチンコ玉を払い出している。払出制御装置55は、例えば、通常入賞口入賞球検出センサ62や大入賞口入賞球検出センサ61からの検出信号の入力に応じて払出装置を駆動させてパチンコ玉を払い出す。それぞれの入賞口にパチンコ玉が入賞した場合に払い出されるパチンコ玉の個数は予め定められており、払出装置56によって払い出されたパチンコ玉は払出口16から受け皿12に排出される。また、払出制御装置55は球検出センサ39からの検出信号が入力されたとき払出装置56にパチンコ玉を1球払い出させる。
【0040】
次に本発明の作用について図4のフローチャートを用いて説明する。発射装置59によって打ち出されたパチンコ玉が、勢いが足りないために遊技領域9内に射出されず誘導路29内を発射装置59側に向かって逆流するとき、パチンコ玉は案内部材36によって排出口37から遊技領域9内に排出される。
【0041】
パチンコ玉が排出口37から遊技領域9内に排出されるとき、パチンコ玉が球検出センサ39によって検出され、払出制御装置55が球検出センサ39からの検出信号に応答して払出装置56にパチンコ玉を1球払い出させる。払出装置56から払い出されたパチンコ玉は受け皿12に流入し、発射装置59による打ち出しが可能となる。
【0042】
このように、誘導路29内を遊技領域9側から発射装置59側に逆流するパチンコ玉を、案内部材36を介して排出口37から遊技領域9内に排出することで、パチンコ玉が発射装置59に進入することを防止して、パチンコ玉が発射できなくなる玉詰まりを防ぐことができる。また、誘導路29内を遊技領域9側から発射装置59側に逆流するパチンコ玉を回収口33から回収する替わりに、払出装置56によって受け皿12にパチンコ玉を払い出すようにしたことで、受け皿12から遊技領域9に通じる経路がなくすことができ、受け皿12の払出口16から遊技領域9内に不正部材を挿通させることができなくなる。
【0043】
なお、上記の実施形態では、誘導路29内を遊技領域9側から発射装置59側に移動するパチンコ玉を遊技領域9内の回収口33まで案内して回収したが、パチンコ玉の回収方法はこれに限らない。例えば、遊技領域側から発射装置側に向かって誘導路からY字状に分岐した分岐路を設け、分岐点に遊技領域側から発射装置側に誘導路内を逆流するパチンコ玉を分岐路に案内するように案内部材を設け、分岐路内に回収口を設けてもよい。このようにすることにより、遊技領域を使用せずに遊技領域側から発射装置側に誘導路内を逆流するパチンコ玉を回収することができる。
【0044】
また、上記の実施形態では、案内部材36は誘導路29を開く開き位置と誘導路29を塞ぐ閉じ位置との間で揺動自在に設けられ、トーションバネによって常時は閉じ位置に付勢されていたが、案内部材の形態はこれに限らない。例えば、遊技盤から誘導路内に誘導路を遮るように突出する突出位置と、遊技盤に引き込まれた引込み位置との間で移動する案内部材を設けてもよい。このような案内部材を利用する場合、誘導路から遊技領域に射出されるパチンコ玉を監視し、この監視結果から案内部材の移動をソレノイド等によって制御することで、パチンコ玉を回収口に案内することができる。
【0045】
また、上記の実施形態では、払出制御装置55と払出装置56とが、各入賞口にパチンコ玉が入賞したときのパチンコ玉の払い出しと誘導路29から回収口33にパチンコ玉が回収されたときのパチンコ玉の払い出しとを兼ねたが、それぞれのパチンコ玉の払い出しは別々に実行してもよい。
【0046】
また、上記の実施形態では弾球遊技機としてパチンコ機を例示したが、本発明はパチンコ機に限らず、例えば、遊技領域内に複数の入球口が横に配列され、これら入球口に遊技球が入球して特定の当たり役が成立した際に受け皿に遊技球が払い出されるアレンジボールマシンに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明のパチンコ機を前側から観察した外観斜視図である。
【図2】遊技領域及びその周囲を正面から観察した平面図である。
【図3】パチンコ機の電気的な構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の作用を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
2 パチンコ機(弾球遊技機)
12 受け皿
14 発射操作装置
27 内レール
28 外レール
29 誘導路
33 回収口
36 案内部材
37 排出口
39 球検知センサ(検知手段)
40 ガイドレール
41 案内通路
55 払出制御装置(払出手段)
56 払出装置(払出手段)
59 発射装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け皿から供給される遊技球を発射する発射装置と、前記発射装置によって発射された遊技球を入賞口が設けられた遊技領域に導く誘導路と、前記誘導路から前記遊技領域に射出された遊技球を回収して島設備側へ排出する回収路とを備えた弾球遊技機において、
前記誘導路内を前記遊技領域側から前記発射装置側に移動する遊技球を前記回収路に通じる回収口に案内する案内部材と、
前記案内部材によって前記回収口に案内された遊技球を検知する検知手段と、
前記検知手段からの検知信号に応答して遊技球を前記受け皿に払い出す払出手段とを設けたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記誘導路は、前記遊技領域の下部から外周を囲む外レールとこの外レールの内側において対向し前記遊技領域の下部から上部まで延設された内レールとの間に形成され、前記遊技領域は、前記内レールによって前記誘導路と仕切られており、
前記内レールに、前記案内部材によって案内される遊技球を前記誘導路内から前記遊技領域に排出するための排出口を形成し、
前記回収口を、前記遊技領域内に設けたことを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記回収口を前記排出口よりも下側の前記遊技領域内であって前記内レール沿いに配置し、
前記遊技領域内に、一端が前記排出口と向かい合い、他端が前記回収口側に向かって延びたガイドレールを遊技球の移動が可能なように前記内レールと向かい合わせて設けたことを特徴とする請求項2記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記回収口は、前記遊技領域の下端に配置され、前記排出口から排出された遊技球と前記入賞口を逸れた遊技球とを回収することを特徴とする請求項2または3記載の弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−73297(P2008−73297A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−257091(P2006−257091)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】