説明

弾球遊技機

【課題】副基板ケースを開放しての不正行為等を防止できると共に、ロック手段の他に封止手段等を設ける必要がなく簡単な構造で安価に製造でき、しかも副基板ケース全体を薄型化できるようにする。
【解決手段】遊技盤11の裏側に画像表示手段14と、主基板ケース66に収容され且つ遊技盤11側の遊技動作を制御する主基板65と、副基板ケース62,64に収容され且つ主基板65からの信号により各部を制御する副基板61,63とを備えた弾球遊技機において、副基板ケース62,64は副基板61,63を表裏両面から覆う第1ケース体85と第2ケース体86とを備え、両ケース体85,86を合わせて副基板61,63の板面方向に相対的に摺動させたときに両ケース体85,86を分離不能にロックするロック手段87を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機その他の弾球遊技機に関し、副基板を収納する第1ケース体と第2ケース体とを備えた副基板ケースを薄型とし、その両ケース体を合わせて相対的に摺動したときに分離不能にロックするようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
遊技盤の裏側には、演出画像を表示する画像表示手段が設けられると共に、遊技盤側の遊技動作の制御を行う主基板と、遊技盤側の遊技動作に連動して主基板からの信号により遊技状態の演出制御を行う演出基板と、演出基板からの信号により画像表示手段の演出画像の表示制御を行う表示基板とが設けられている。そして、主基板は主基板ケースに、演出基板は演出基板ケースに、また表示基板は表示基板ケースに夫々収容されている。
【0003】
これらの演出基板、表示基板を基板ケースに収容して遊技盤の裏側に設けるに当たって、画像表示手段の裏側に表示基板を配置して、これら画像表示手段及び表示基板を覆う表示基板ケースを遊技盤の裏面に装着し、この表示基板ケースの裏側に、演出基板を収容する演出基板ケースを装着したものがある(特許文献1)。
【0004】
この演出基板ケースは、演出基板の表裏両側の第1ケース体と第2ケース体とに分割し、演出基板を挟んだ状態でその両ケース体でネジ等によって開閉自在に結合している。
【0005】
また基板ケースには、基板の一端に対応する開口が形成された箱状のケース本体と、このケース本体の開口に着脱自在に装着された蓋体とを備え、ケース本体内に基板を挿入した後、その開口に蓋を挿入して塞ぐようにしたものがある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−157706号公報
【特許文献2】特開2002−273010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の演出基板ケース等の基板ケースは開閉自在であるため、収容されている基板が遊技動作を制御する主基板とは異なる演出基板等であるとは云え、不正に基板ケースを開放して基板を取り出し、遊技動作に影響を及ぼすような不正工作がその基板に加えられる惧れがある。
【0008】
しかし、第1ケース体と第2ケース体とを備えた前者の基板ケースは、両ケース体を嵌合状態でネジ等により結合するのが通常であるため、結合後に両者を分離不能に封止する封止手段を設けるとすれば、構造が非常に複雑になって製作コストが高くなるだけでなく、基板ケース全体の厚さが大となる。
【0009】
また後者の箱状のケース本体と蓋体を備えた後者の基板ケースは、基板を開口側からケース本体内に挿入した後、ケース本体内で基板をその板厚方向に移動させて、基板のコネクタをケース本体のコネクタ孔に嵌合させる必要があるため、本来的にケース本体の基板厚さ方向の寸法が大となる傾向がある上に、ケース本体の片面側に封止手段を設けるとすれば、更に基板ケース全体の厚さが大となり、また構造的にも非常に複雑になる。
【0010】
基板ケースの基板厚さ方向の寸法が大になれば、遊技盤の裏カバー等の裏面に複数個の基板ケースを前後方向に積層状に装着する等の装着形態を採用することが困難になり、複数個の基板ケースを画像表示手段、裏カバーの裏側に積層せずに分散させて配置することになる。
【0011】
そして、パチンコ機は遊技ホールの島設備に設置する際の島設備との関係で前後方向の寸法を一定範囲内に収める必要があるため、画像表示手段の裏側に基板ケースを配置した場合には、画像表示手段をそれだけ遊技盤に接近させて配置しなければならず、遊技盤と画像表示手段との間のスペースを十分に確保できなくなる。
【0012】
従って、近時のパチンコ機では、遊技盤と画像表示手段との間に可動演出手段等を配置する傾向にあるが、遊技盤と画像表示手段との間の十分なスペースを確保できないために、可動演出手段等の大型化を図ることが困難になるという欠点がある。
【0013】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、副基板ケースを開放しての不正行為等を防止できると共に、ロック手段の他に封止手段等を設ける必要がなく簡単な構造で安価に製造でき、しかも副基板ケース全体を薄型化できる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、遊技盤11の裏側に画像表示手段14と、主基板ケース66に収容され且つ前記遊技盤11側の遊技動作を制御する主基板65と、副基板ケース62,64に収容され且つ前記主基板65からの信号により各部を制御する副基板61,63とを備えた弾球遊技機において、前記副基板ケース62,64は前記副基板61,63を表裏両面から覆う第1ケース体85と第2ケース体86とを備え、前記両ケース体85,86を合わせて前記副基板61,63の板面方向に相対的に摺動させたときに該両ケース体85,86を分離不能にロックするロック手段87を備えたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、副基板ケース62,64を開放しての不正行為等を防止できると共に、ロック手段87の他に封止手段等を設ける必要がなく簡単な構造で安価に製造でき、しかも副基板ケース62,64全体を薄型化できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施例を示すパチンコ機の正面図である。
【図2】同遊技盤の背面図である。
【図3】同遊技盤の背面側の斜視図である。
【図4】同図2のa−a矢視断面図である。
【図5】同画像表示手段、支持枠、裏カバーの分解斜視図である。
【図6】同図2のb−b矢視破断図である
【図7】同保持枠の固定部の斜視図である。
【図8】同図2のc−c矢視断面図である。
【図9】同インバータ基板の固定部の斜視図である。
【図10】同図2のd−d矢視断面図である。
【図11】同図2のe−e矢視断面図である。
【図12】同裏カバー、基板ケースの分解斜視図である。
【図13】同基板ケースの分解斜視図である。
【図14】同ケース体のロック部の背面断面図である。
【図15】同ケース体の組立て方法の説明図である。
【図16】同中継基板側の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図面は本発明をパチンコ機に採用した一実施例を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側にヒンジ3により縦軸廻りに開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側にはガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、前枠4に対してヒンジ3と同じ側のヒンジ(図示省略)により縦軸廻りに開閉自在に枢支されている。
【0018】
前面板6の前側には発射用の遊技球を貯留する球供給皿8が配置され、その側方に遊技球を発射する発射手段9の発射ハンドル10が設けられている。ガラス扉5の裏側には、このガラス扉5に対応するように前枠4に遊技盤11が着脱自在に装着されている。
【0019】
遊技盤11の前面には、発射手段9から発射された遊技球を案内するガイドレール12が略円弧状に配置されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に画像表示手段14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種の遊技部品が配置されている。なお、遊技領域13はガラス扉5の窓孔19に対応している。
【0020】
画像表示手段14は液晶式であって、図2〜図4に示すように、遊技領域13の略中央に形成された表示窓21に対応して遊技盤11の裏側に支持枠22を介して装着され、遊技中の遊技状態に応じて、例えば特別図柄表示手段(図示省略)の特別図柄に同期して変動する演出図柄、この演出図柄の背景となる背景画像、或いは大当たり態様を予告する予告演出画像等を適宜表示し、また遊技中以外のときにはデモ画像等を表示するようになっている。なお、遊技盤11の前面には表示窓21の前端開口の外周を飾る前飾り体23が装着され、また前飾り体23の内周と画像表示手段14との間には表示窓21を取り囲む窓カバー24(図4参照)が設けられている。
【0021】
普通図柄始動手段15は表示窓21のガイドレール12側の側部に、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18は表示窓21の下部側に夫々配置されている。普通図柄始動手段15は遊技球の通過を検出したときの普通図柄表示手段(図示省略)の普通図柄を所定時間変動させるようになっている。特別図柄始動手段16は固定入賞口16aと、普通図柄表示手段の変動後の普通図柄が当たり態様で停止したときに所定時間開放する可変入賞口16bとを上下に有し、その何れかの入賞口16a,16bに遊技球が入賞したときに特別図柄表示手段の特別図柄を所定時間変動させるようになっている。大入賞手段17は、特別図柄表示手段の変動後の特別図柄が大当たり態様で停止したときに開閉板が前側に所定回数開放するようになっている。
【0022】
特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18の内、特別図柄始動手段16、大入賞手段17は図4に示すように遊技盤11の裏側への突出量が大であり、普通入賞手段18の突出量は特別図柄始動手段16、大入賞手段17に比して小さくなっている。そして、突出量の大きい特別図柄始動手段16、大入賞手段17はその機構部16c,17aが遊技盤11の裏側に突出するように、表示窓21の下側で左右方向の略中央で上下に装着されている。また突出量の小さい普通入賞手段18は、大入賞手段17の左右両側に装着されている。
【0023】
普通入賞手段18は大入賞手段17に対してガイドレール12側の片側に配置してもよい。また特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18は何れも遊技球が入賞したときに、その遊技球を遊技盤11の裏側へと誘導して落下させるようになっている。従って、特別図柄始動手段16は一種の入賞手段を構成する。
【0024】
遊技盤11の裏側には図2〜図4に示すように支持枠22と裏カバー25とが上下に近接して装着されている。支持枠22の上部裏側には画像表示手段14が、下部裏側には中継基板26が夫々装着されている。画像表示手段14は液晶式の画像表示部27と、この画像表示部27のバックライトを高周波駆動する等、画像表示部27に電源を供給するインバータ基板28とを備え、その画像表示部27とインバータ基板28は、前後に重ならないように保持枠43に左右に配置されている。
【0025】
裏カバー25は特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18、支持枠22の下部、中継基板26等を裏側から覆うもので、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18に入賞して遊技盤11の裏側へと誘導された遊技球を集めて下方へと落下させるように構成されている。なお、この裏カバー25は大入賞手段17等に入賞した遊技球を集めて下方へと落下させる集球ケースを兼用しているが、裏カバー25内に別途集球ケース又は集球案内部材を設けてもよい。
【0026】
支持枠22は図4、図5に示すように遊技盤11から後方への突出量の大きい上半部30と、この上半部30の下側に設けられ且つ遊技盤11から後方への突出量の小さい下半部31とを有し、上半部30の裏側に画像表示手段14が、下半部31の裏側に中継基板26が夫々装着されている。
【0027】
上半部30は表示窓21の外周を取り囲むもので、上周壁部32と、上周壁部32の左右両端から下方へと屈曲する左右一対の横周壁部33と、横周壁部33の上下方向に中間に配置された下周壁部34と、これらの後端に連接する上後壁部35とを一体に備え、正面視形状が略矩形状になっている。各横周壁部33は前後方向の中間に段差部36を有し、その段差部36よりも前側が可動演出手段の側部機構、その他の所要機構(図示省略)を収容する収容空間37となっている。
【0028】
下半部31は各横周壁部33の段差部36より前側から下方に延びる左右一対の横壁部38と、下周壁部34の前端から下方に屈曲し且つ横壁部38の後端間を左右に接続する下後壁部39と、下後壁部39の下端から前側に屈曲する底壁部40とを備え、その前側が可動演出手段等の下部機構、その他の所要機構(図示省略)を収容する収容空間41となっている。支持枠22は上半部30の上周壁部32及び横周壁部33と、下半部31の横壁部38及び底壁部40の前端が遊技盤11の裏面に当接して固定されている。
【0029】
なお、支持枠22の内周には、窓カバー24の上側にも所定の収容空間41aがあり、必要に応じてその収容空間37,41,41aの全周又は一部に可動演出手段、固定式装飾手段、発光演出手段等を配置できるようになっている。また可動演出手段、固定式装飾手段、発光演出手段を配置する場合には、窓カバー24に開口を設ける等により、それらと窓カバー24とが干渉しないようにすればよい。
【0030】
下半部31は図4に示すように突出量の大きい特別図柄始動手段16と略同程度の突出量であって、後方への突出量の大きい特別図柄始動手段16、大入賞手段17を避けて、突出量の小さい普通入賞手段18を覆うようになっている。
【0031】
この実施例では、左右方向の寸法の大きい大入賞手段17が下側に、この大入賞手段17の上側の左右略中央に左右方向の寸法の小さい特別図柄始動手段16が配置されているため、支持枠22の下後壁部39、底壁部40は、この特別図柄始動手段16、大入賞手段17を避けてその上側近傍にあり、下端形状は特別図柄始動手段16に対応する中央が深く、その左右両側が大入賞手段17に対応して浅くなる二段状に上側へと凹入している。下周壁部34の左右両端と左右の横周壁部33の下端との間は、左右の普通入賞手段18からの遊技球が裏カバー25内に落下すべく開放部40aとなっている。
【0032】
保持枠43は図4〜図6に示すように横方向に長く前後方向に薄い横長偏平状であって、画像表示部27に対応して矩形状に形成され且つ前側へと開放する第1凹部44と、この第1凹部44の横にインバータ基板28に対応して縦長状に形成され且つ後側へと開放する第2凹部45とを有し、その第1凹部44には画像表示部27が前側から、第2凹部45にはインバータ基板28が裏側から夫々嵌合して固定されている。第1凹部44の底壁には放熱孔46等が設けられている。
【0033】
画像表示手段14、即ち画像表示部27、インバータ基板28を含む保持枠43側は、前後方向の寸法が小さい薄型偏平状であり、図2に示すように支持枠22の上後壁部35の裏面に前側へと凹入して形成された取り付け凹部47に裏側から嵌合して、下部側の左右一対の係合手段48と、その上側の左右一対のネジ等の締結手段49とにより着脱自在に固定されている。係合手段48は図7に示すように取り付け凹部47内に設けられた係合部50と、保持枠43に設けられ且つ係合部50に係脱自在に係合するた被係合部51とを備えている。
【0034】
なお、支持枠22の上後壁部35にはその取り付け凹部47の底部側に画像表示部27に対応して開口52が形成されており、遊技盤11の前面から表示窓21、開口52を経て画像表示部27の画像を視認可能である。
【0035】
遊技盤11から画像表示部27、インバータ基板28、保持枠43を含む画像表示手段14の後端までの寸法は、図4に示すように遊技盤11から支持枠22の後端までの寸法と略同一であり、両者の後端面は遊技盤11と略平行な略平坦状になっている。つまり、画像表示手段14はその略全体が支持枠22の取り付け凹部47内に収まっている。
【0036】
画像表示手段14を支持枠22の後端部に取り付ける際には、保持枠43の下部を支持枠22の取り付け凹部47内に挿入した状態で被係合部51を係合部50に係合した後、係合手段48を支点として保持枠43を取り付け凹部47内に嵌合して左右の締結手段49により保持枠43を支持枠22に締結すればよい。
【0037】
インバータ基板28は画像表示部27と前後に重ならないようにその横に縦長状に配置され、第2凹部45に嵌合して着脱自在に固定されている。第2凹部45内には、図2、図6、図8、図9に示すように、その下壁部45aにインバータ基板28の下端が係脱自在に係合する係合部54が設けられ、また底壁部45bにインバータ基板28を前側から受ける受け部55が、画像表示部27と反対側の側壁部45cには受け部55との間でインバータ基板28の上部側を挟む係止爪56が夫々設けられており、インバータ基板28は第2凹部45の底壁部45b近傍で略平行に保持されている。
【0038】
係止爪56は前端がインバータ基板28に係脱すべく左右方向に弾性変形可能であり、その内側にはインバータ基板28を第2凹部45内へと案内する案内面56aが傾斜状に形成されている。側壁部45cには係止爪56の弾性変形を容易にするためにその近傍にL字状等のスリット57が設けられている。インバータ基板28には、その裏面側に各種の電子部品が装着されている。
【0039】
インバータ基板28を保持枠43の第2凹部45内に装着する際には、インバータ基板28の下端を第2凹部45内に挿入して係合部54に係合し、その下端を支点としてインバータ基板28の上部側を第2凹部45内に押し込む。するとインバータ基板28の上部側の側縁が係合爪56の案内面56aに案内され、係合爪56が外側へと弾性変形してインバータ基板28が係合爪56を通過する。
【0040】
インバータ基板28が係合爪56を通過すると、インバータ基板28が受け部55に当接すると共に、係合爪56が復帰してインバータ基板28に係合し、これによってインバータ基板28を第2凹部45内に固定できる。逆に係合爪56の案内面56a側を外側に押圧すれば、係合爪56がインバータ基板28から外れ、第2凹部45内のインバータ基板28を取り外すことができる。
【0041】
なお、インバータ基板28の固定構造は、係合部54、受け部55、係止爪56によるものに限定されず、これ以外のものを採用してもよい。インバータ基板28には裏側にコネクタその他の電子部品が装着されているが、それらは上後壁部35から後方に突出しないように第2凹部45の深さ内に収まっている。
【0042】
裏カバー25は図4、図10、図11に示すようにその裏側にケース取り付け部60を有し、そのケース取り付け部60に、表示基板61を収容する表示基板ケース62と、演出基板63を収容する演出基板ケース64と、主基板65を収容する主基板ケース66とが前後方向に積層状に装着され、またケース取り付け部60の側方に電気系統の接続手段67が装着されている。
【0043】
なお、表示基板61、演出基板63により副基板が構成され、表示基板ケース62、演出基板ケース64により副基板ケースが構成されている。1枚の副基板に演出制御機能、表示制御機能を持たせて、この副基板を1個の副基板ケースに収容してもよい。
【0044】
裏カバー25は図4、図5、図10〜図12に示すように、支持枠22の横壁部38の外側に近接する左右一対の側壁部69と、この側壁部69間を接続する底壁部70と、これら側壁部69及び底壁部70の後端間を塞ぐ後壁部71とを一体に備え、側壁部69、底壁部70の前端が遊技盤11の裏側に当接して固定されている。底壁部70には、遊技盤11の裏側で遊技球を下方に排出する排出口72が設けられている。後壁部71は支持枠22の下後壁部39の裏側に、下周壁部34の下側に夫々接近して配置されている。
【0045】
裏カバー25の裏面は基板ケース62,64,66用のケース取り付け部60となっている。ケース取り付け部60は図5、図10〜図12に示すように、外周に後壁部71から裏側に突出して基板ケース62,64,66を取り囲む横長矩形状の囲繞壁(囲繞枠)73が設けられ、各基板ケース62,64,66はこの囲繞壁73内で前後方向に積層され固定手段74により纏めて着脱自在に嵌合されている。遊技盤11から最後部の基板ケース62,64,66の裏面までの寸法は、遊技盤11から画像表示手段14の裏面までの寸法と略同一であり、画像表示手段14の裏面と最後部の主基板ケース66の裏面は遊技盤11と略平行な略面一状になっている。
【0046】
固定手段74は図11、図12に示すように、左右方向の一側に各基板ケース62,64,66に対応して設けられた3個の係合手段75と、他側に設けられた各基板ケース62,64,66に共通の1個の係止手段76とにより構成されている。各係合手段75は基板ケース62,64,66の左右方向の一端側に設けられた被係合部77と、被係合部77に対応して囲繞壁73の一側壁78の内面に設けられ且つ被係合部77が係脱自在に係合する3個の係合部79とを有し、各基板ケース62,64,66毎に上下方向に位置を変えて設けられている。一側壁78の内面には、係合時に各基板ケース62,64,66の被係合部77が入る凹入部80が形成され、その凹入部80の後端側が係合部79となっている。
【0047】
各被係合部77は各基板ケース62,64,66毎に上下方向に位置を変えて設けられている。各係合部79は各基板ケース62,64,66の各被係合部77に対応して上下方向に設けられており、上側の係合部79が下後壁部39に近く、中間、下側の各係合部79が下後壁部39から順次離れるように配置されている。各基板ケース62,64,66の被係合部77、一側壁78の係合部79は逆に配置してもよい。
【0048】
係止手段76側の囲繞壁73には、各基板ケース62,64,66からのハーネスの取り出し口81が切り欠き状に形成され、この取り出し口81の上下方向の一側に係止手段76が設けられている。係止手段76は取り出し口81の一側で下後壁部39から後方に突出する係止爪82を備えている。係止爪82は係脱方向(左右方向)に弾性変形可能であり、その後端部には最後部の主基板ケース66の他端側に係脱自在に係止する係止部82aと、基板ケース62,64,66の装着時にその他端側を囲繞壁73内へと案内する案内面82bとが設けられている。
【0049】
ケース取り付け部60に各基板ケース62,64,66を取り付ける場合には、先ず表示基板ケース62の被係合部77側を囲繞壁73内に嵌めて、その被係合部77を凹入部80内に挿入して係合部79に前側から係合した後、その係合部79側を支点として表示基板ケース62の他端側を囲繞壁73内に押し込む。同様にして演出基板ケース64、主基板ケース66の各被係合部77を係合部79に係合し、その係合部79側を支点として演出基板ケース64、主基板ケース66の他端側を囲繞壁73内に押し込む。
【0050】
そして、表示基板ケース62が裏カバー25の裏面に当接し、演出基板ケース64が表示基板ケース62の裏面に、主基板ケース66が演出基板ケース64の裏面に夫々当接すると、係止爪82の係止部82aが主基板ケース66の他端側を係止するため、各基板ケース62,64,66を纏めてケース取り付け部60に固定できる。各基板ケース62,64,66を取り外す場合には、係止爪82を外側へと弾性変形させて係止を解除すればよい。
【0051】
各基板ケース62,64,66は何れも背面視形状が略同一の横長矩形状であって、前後方向の寸法が小さい薄型状になっている。表示基板ケース62、演出基板ケース64は、図10〜図13に示すように基板61,63,65を表裏両側から覆う底側の第1ケース体85と蓋側の第2ケース体86とを備えている。そして表示基板ケース62、演出基板ケース64には両ケース体85,86を合わせて基板61,63の板面方向に相対的に摺動させたときに両ケース体85,86を分離不能にロックするロック手段87が設けられている。
【0052】
第1ケース体85はその外周から第2ケース体86側に突出する外周壁部88を有する。第2ケース体86はその外周から第1ケース体85側に突出し且つ外周壁部88内に上下方向に相対自在に嵌合する内周壁部89と、内周壁部89の外周に形成され且つ分離不能にロックしたときに外周壁部88の端面に当接する外周縁90とを有する。
【0053】
なお、第1ケース体85に外周壁部88が設けられ、第2ケース体86に内周壁部89と外周縁90とが設けられているが、逆に第1ケース体85に内周壁部89と外周縁90とが設けられ、第2ケース体86に外周壁部88が設けられたものでもよい。その場合、基板61,63,65は第2ケース体86に取り付けてもよいし、第1ケース体85に取り付けてもよい。
【0054】
基板ケース62,64の第2ケース体86には上部側にコネクタ孔91を有する段部92が形成されている。基板61,63はそのコネクタ孔91からコネクタ91aが突出するように段部92に当接又は近接して第2ケース体86内にネジ等により着脱自在に固定されている。なお、基板61,63にはコネクタ91aと同一の裏面側にその他の電子部品が装着されている。
【0055】
ロック手段87は相対摺動方向と略直交する方向の対向辺に設けられている。このロック手段87は図13、図14に示すように、内周壁部89を外周壁部88内に嵌合させた嵌合状態で内周壁部89の下部が外周壁部88の下部に当接するまで両ケース体85,86を上下方向に相対的に摺動させたときに夫々係合して、両ケース体85,86の基板の板厚方向への相対移動を規制する第1係合手段93と、板面方向への相対摺動を規制する第2係合手段94とを左右の対向辺に備えている。
【0056】
第1係合手段93は第1ケース体85の外周壁部88の左右両側の内周面に設けられた上下一対の係合部95と、第2ケース体86の内周壁部89の左右両側の外周面に設けられ且つ各係合部95に係合する上下一対の被係合部96とを有する。上下一対の被係合部96の内、上側の被係合部96は内周壁部89の上端又はその近傍に配置され、この上側の被係合部96に対応する上側の係合部95は、外周壁部88の上側内周から少なくとも上側の被係合部96の上下寸法分の間隔をおいて配置されている。下側の係合部95、被係合部96は、上側の係合部95、被係合部96から所定の間隔をおいて配置されている。なお、上側の被係合部96は内周壁部89の近傍よりも下に配置してもよい。
【0057】
第2係合手段94は第1ケース体85の外周壁部88の内周面で上下の係合部95間に設けられた係合部97と、第2ケース体86の内周壁部89の外周で上下の被係合部96間に設けられ且つ両ケース体85,86を相対摺動させたときに下側から係合する係合爪98とを備えている。係合爪98は内周壁部89との間にL字状のスリット99を介して設けられ、内外方向に弾性変形可能である。
【0058】
各基板ケース62,64を組立てる際には、第2ケース体86内に基板61,63を入れてネジ等で固定する。次に図15(A)(B)に示すように、第1ケース体85の外周壁部88の上部と上側の係合部95との間に、第2ケース体86の上側の被係合部96を対応させて第1ケース体85の外周壁部88内に第2ケース体86の内周壁部89を嵌合させる。これによって第2ケース体86の内周壁部89が第1ケース体85に当接し、また外周壁部88の先端に外周縁90を当接又は近接する。
【0059】
続いて第1ケース体85に対して第2ケース体86を相対的に下側へと摺動させると、図15に示すように、第1係合手段93の係合部95と被係合部96とが係合し、第2係合手段94の係合爪98が弾性変形しながら係合部97を通過して下側から係合する。
【0060】
これによって第1ケース体85と第2ケース体86とを分離不能に結合できる。また第1ケース体85の外周壁部88の先端には第2ケース体86の外周縁90が当接しており、第1ケース体85の開口側を第2ケース体86により全周で塞ぐことができる。第2ケース体86の外周縁90は、第2ケース体86を下側へと摺動させてロックするため、その摺動量を考慮して他の部分よりも若干長くなっている。
【0061】
なお、第1ケース体85に対して第2ケース体86を上側へと摺動させるようにしてもよい。また第1ケース体85、第2ケース体86は左右方向に相対的に摺動させるようにしてもよい。その場合には、第1係合手段93、第2係合手段94は上下両側に夫々配置すればよい。
【0062】
主基板ケース66も図10、図11に示すように、他の基板ケース62,64と同様に第1ケース体85と第2ケース体86とに分割されており、この第1ケース体85と第2ケース体86は左右方向に相対的に摺動させることにより係脱自在に係合する係合手段(図示省略)によって開閉自在に結合されている。第2ケース体86には上部側左右方向の一側部にコネクタ孔91を有する段部92が形成され、その段部92に当接して第2ケース体86内に主基板65がネジ等で固定されている。
【0063】
主基板ケース66の左右方向の他端側には、図2、図3に示すように第1ケース体85と第2ケース体86とを封止する封止手段101が上下方向に複数個設けられると共に、第1ケース体85と第2ケース体86とを開閉可能に連結する連結体102が設けられている。封止手段101は特定の部位を切断したときに両ケース体85,86の封止を解除して開閉可能であり、その特定の部位に切断の痕跡が残るようになっている。連結体102は両ケース体85,86を分離不能に連結するもので、両ケース体85,86を開閉できるように可撓性を有する。連結体102の一端は第1ケース体85の外側面等に、他端は第2ケース体86の封止手段101の近傍等に夫々接着、その他で固着されている。
【0064】
中継基板26は、主基板65に接続されたハーネス、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18、遊技盤11に装着された可動演出手段(図示省略)等の遊技部品の電気的部分(電子的部分を含む)と主基板65、演出基板63とを相互に中継するためのもので、図4、図10、図16に示すように遊技盤11から裏側に突出する特別図柄始動手段16、大入賞手段17等の機構部16c,17aを避けてその上側近傍に遊技盤11と略平行に配置されている。
【0065】
この中継基板26は支持枠22の下後壁部39の裏面から前側へと凹入状に形成された凹部103内に配置され、凹部103内の取り付けボス等に裏側からネジ等を介して着脱自在に固定されている。中継基板26の裏側には複数個のコネクタが装着され、そのコネクタに普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等からのハーネス、主基板65からのハーネス、演出基板63からのハーネス等が夫々着脱自在に接続されている。その他、必要に応じて中継基板26は、画像表示手段14と表示基板61とを中継するようにしてもよい。
【0066】
なお、中継基板26が電源を中継する場合には、この中継基板26は主基板65、演出基板63の他、表示基板61、インバータ基板28等にもハーネスを介して接続される。主基板65は演出基板63に、演出基板63は表示基板61に夫々中継基板26を経由せずに接続されている。
【0067】
また中継基板26は特別図柄始動手段16、大入賞手段17を避けながら十分な面積を確保するために、その下縁が底壁部40の屈曲形状に沿う形状になっているが、左右方向に長い横長矩形状でもよいし、縦長状のものを左右に2個配置してもよい。
【0068】
接続手段67は図2、図3に示すように遊技盤11の裏側の複数個のコネクタ105と、これに対応する前枠4側の複数個のコネクタ(図示省略)とを備え、遊技盤11を前枠4の所定の装着部に装着したときに、その各コネクタ105が前枠4側の各コネクタに接続して、遊技盤11側の電気回路と前枠4側の電気回路とを接続するようになっている。遊技盤11の裏側のコネクタ105は取り付け台106を介して裏カバー25に装着されている。
【0069】
このような構成のパチンコ機では、次のような利点がある。即ち、主基板ケース66と、副基板ケースを構成する表示基板ケース62及び演出基板ケース64とを、画像表示手段14から外れた位置で前後方向に積層状に配置して固定手段74により纏めて固定しているので、従来に比較して全体の前後方向の寸法を小さく抑えつつ画像表示手段14をできる限り遊技盤11の後方に配置することができる。このため遊技盤11と画像表示手段14との間に可動演出手段等を配置する場合にも、遊技盤11と画像表示手段14とのスペースを大きく確保でき、大型の可動演出手段等を容易に配置することができる。
【0070】
また遊技盤11から最後部の主基板ケース66の裏面までの寸法が、遊技盤11から画像表示手段14の裏面までの寸法と略同一であるため、画像表示手段14、主基板ケース66を前後方向の許容寸法内の後部に配置することが可能になり、前後方向の許容寸法を最大限に活用することができる。
【0071】
しかも画像表示手段14を装着する支持枠22の下側に特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18を覆う裏カバー25を設け、この裏カバー25の裏面が基板ケース62,64,66用のケース取り付け部60となっているため、支持枠22の上半部30の突出量を大きくしながら裏カバー25の突出量を小さくして、ケース取り付け部60から画像表示手段14の後端までの寸法を各基板ケース62,64,66の積層寸法に一致させることが容易である。
【0072】
ケース取り付け部60はその外周に裏カバー25の後壁部71から後方に突出する囲繞壁73があり、この囲繞壁73内に各基板ケース62,64,66が裏側から着脱自在に嵌合しているので、各基板ケース62,64,66の全てが露出した状態に比較して纏まりがよく、各基板ケース62,64,66に対するハーネス等の絡まりを防止できるだけでなく、各基板ケース62,64,66を着脱する際に個々の基板ケース62,64,66が不測に脱落するようなこともない。
【0073】
各基板ケース62,64,66、ケース取り付け部60は横長状であり、固定手段74は各基板ケース62,64,66に個別に対応してケース取り付け部60の左右方向の一側に配置された係合手段75と他側に配置された係止手段76とを備えているので、支持枠22に沿ってその下側に各基板ケース62,64,66を配置でき、また個々の各基板ケース62,64,66に個別に対応する係合手段75があるため、他方側は1個の係止手段76で各基板ケース62,64,66を固定することができる。
【0074】
各係合手段75は基板ケース62,64,66に設けられた被係合部77と、囲繞壁73に設けられ且つ各被係合部77が係脱自在に係合する係合部79とを備え、係止手段76は最後部の主基板ケース66を係脱自在に係止するようになっているため、各係合手段75、係止手段76を構造的にも簡単にすることができる。
【0075】
表示基板ケース62、演出基板ケース64は第1ケース体85と第2ケース体86とを合わせて基板61,63の板面方向に相対的に摺動させたときにロック手段87により両ケース体85,86を分離不能にロックするため、ロック手段87によりロックした後の不正な開閉を防止できる。
【0076】
また基板ケース62,64,66の不正な開放を防止するためにロック手段87の他に封止手段等を設ける必要がないので、簡単な構造で安価に製作できる上に、基板ケース62,64全体を薄型化することができる。このため複数の基板ケース62,64,66を前後方向に積層状に配置できることから、画像表示手段14の裏側に一部の基板ケース62,64,66を配置するような必要もなく、この点からも画像表示手段14をできる限り遊技盤11の後方に配置することができる。
【0077】
しかもロック手段87は両ケース体85,86を板面方向に摺動させたときに夫々係合して、両ケース体85,86の基板の板厚方向への相対移動を規制する第1係合手段93と、両ケース体85,86の板面方向への相対摺動を規制する第2係合手段94とに分けているため、ロック手段87の構造を簡単にできる。
【0078】
両ケース体85,86の内、その一方のケース体85,86に外周壁部88が、他方に基板61,63の外周に設けられ且つ外周壁部88に嵌合する内周壁部89が夫々あり、両ケース体85,86の相対摺動方向と略直交する方向の両側で相対向する両周壁部88,89相互間にロック手段87があるため、ロック手段87が外周壁部88の外側、内周壁部89の内側に夫々出ないように構成できる。
【0079】
両ケース体85,86がロック状態のときに外周壁部88の先端に当接又は近接して、外周壁部88と内周壁部89との間の少なくともロック手段87に対応する部分を覆う外周縁90があるため、ロック手段87が両周壁部88,89間から露出することがなく、外部からの不正な解除を防止できる。
【0080】
また一方のケース体85,86の外周壁部88の対向辺には、その各対向辺の長手方向の中間に第2係合手段94があり、この第2係合手段94の両側に第1係合手段93があるため、両ケース体85,86の対向辺側に工具その他を挿入して不正にこじ開けられる惧れも少なくなる。両ケース体85,86の一方に、基板61,63のコネクタ91aが嵌合して突出するコネクタ孔91を備え、両ケース体85,86の相対摺動時に基板61,63が一方のケース体85,86と一体に移動するようにしているため、基板61,63を一方のケース体85,86に固定するか否かを問わず、コネクタ91aとコネクタ孔91との隙間を小さくできる。
【0081】
突出量の大きい特別図柄始動手段16、大入賞手段17等の遊技部品を避けて、その遊技部品の後端よりも前側に中継基板26を配置することにより、中継基板26を遊技盤11に接近して配置することができ、その裏側に裏カバー25等の他の機構部品を配置する場合にも、その機構部品の裏側への突出を極力防止することができる。
【0082】
このため特別図柄始動手段16、大入賞手段17、中継基板26を覆う裏カバー25を遊技盤11に接近させて設け、その裏カバー25の裏側に各基板ケース62,64,66を積層状に配置できることから、画像表示手段14の裏側に一部の基板ケース62,64,66を配置するような必要がなく、画像表示手段14をできる限り遊技盤11の後方に配置することができる。
【0083】
特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18の内、遊技盤11から後方への突出量の大きい特別図柄始動手段16、大入賞手段17が左右方向の略中央に、これらよりも後方への突出量の小さい普通入賞手段18がその側方に配置されており、支持枠22の下側で普通入賞手段18の裏側に中継基板26が配置されているので、中継基板26の左右を略対称形状にすることができると共に、中継基板26の面積を大きくすることができる。
【0084】
しかも支持枠22から下方に突出し且つ普通入賞手段18を裏側から覆う下後壁部39を特別図柄始動手段16、大入賞手段17を避けて設け、遊技盤11の裏側に特別図柄始動手段16、大入賞手段17及び下後壁部39を裏側から覆う裏カバー25を設け、下後壁部39と裏カバー25との間に中継基板26を配置しているので、中継基板26を遊技盤11に接近させて配置しながらも、下後壁部39と裏カバー25とにより中継基板26を前後両側から覆うことができる。
【0085】
下後壁部39の裏側に前側へと凹入する凹部103を設け、この凹部103内に中継基板26を配置することにより、コネクタとの干渉を避けながら下後壁部39と裏カバー25とを接近させて配置できる。
【0086】
画像表示手段14は画像表示部27とインバータ基板28とを前後に重ならないように配置しているので、画像表示部27の裏側にインバータ基板28を配置する場合に比較して前後方向の寸法を小さくして薄型化することができる。横長偏平状の保持枠43に画像表示部27とインバータ基板28とを左右に配置し、この保持枠43を遊技盤11の裏側の支持枠22に裏側から着脱自在に装着しているため、画像表示部27、インバータ基板28を一体として取り扱うことができると共に、画像表示手段14の上下方向の寸法を小さくでき、保持枠43が裏カバー25側の基板ケース62,64,66と干渉するようなこともない。
【0087】
また支持枠22の下後壁部39に前側へと凹入する取り付け凹部47を形成し、その取り付け凹部47内に保持枠43を裏側から嵌合して着脱自在に固定し、遊技盤11から画像表示部27、インバータ基板28を含む保持枠43の後端までの寸法が遊技盤11から支持枠22の後端までの寸法とが略同一であるので、支持枠22の後端からの画像表示手段14の突出を防止することができる。
【0088】
以上、本発明の各実施例について詳述したが、本発明はこの各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、各実施例では、表示基板ケース62、演出基板ケース64、主基板ケース66との背面視形状を略同じ大きさにしているが、異なる大きさでもよい。その場合でも、最後部に配置される基板ケース66は、その前側の基板ケース62,64を覆うような大きさとすることが望ましい。
【0089】
前後方向に複数個の基板ケース62,64,66を積層状に配置する場合、ハーネスの接続の都合上、主基板ケース66は最後部とすることが望ましく、他の表示基板ケース62、演出基板ケース64は前後逆でもよい。副基板ケースは表示基板ケース62、演出基板ケース64以外のものでもよい。
【0090】
固定手段74は各基板ケース62,64,66を纏めて固定できるものであれば十分であり、実施例に例示の係合手段75、係止手段76以外のものでもよい。係止手段76は各基板ケース62,64,66毎に設けてもよい。また係合手段75の被係合部77、係合部79は上下方向の略同一位置に前後方向に位置を変えて設けてもよい。
【0091】
実施例では、ケース取り付け部60の外周を囲繞壁73で取り囲んでいるが、後方に突出する突起状のものを周方向に複数個設けたり、柵状のものを設けたりする等、全体としてケース取り付け部60を取り囲む囲繞枠を構成するものであればよい。
【0092】
遊技盤11から最後部の基板ケース66の裏面までの寸法は、遊技盤11から画像表示手段14の裏面までの寸法と略同一であることが望ましいが、必ずしも略同一である必要はなく、画像表示手段14の裏面までの寸法よりも多少小さいか大きい程度でもよい。
【0093】
ロック手段87は両ケース体85,86を副基板61,63の板面方向に相対摺動させたときに分離不能にロックするようにしているが、その摺動方向は基板ケース62,64の長手方向でもよい。またロック手段87は両ケース体85,86の副基板61,63の板厚方向への相対移動を規制する第1係合手段93と、両ケース体85,86の板面方向への相対摺動を規制する第2係合手段94とに分けて構成することにより、夫々の構造を簡単にできるが、両係合手段93,94を1個に合体した構造のものでもよい。第1ケース体85、第2ケース体86はどちらが底側、蓋側でもよい。
【0094】
ロック手段87を設ける場合、両ケース体85,86の周壁部88,89を利用して、その周壁部88,89相互間に設ける他、周壁部88,89から分離して係合手段93,94を設けてもよい。外周縁90はロック手段87に対する不正行為を防止する上では、ロック手段87に対応する部分を覆うように設けるのが望ましいが、両ケース体85,86を相対摺動させたときに生じる周壁部88,89を覆うためには、その部分に対応して設けてもよい。第1係合手段93の摺動方向の係合量が十分な場合には、第1係合手段93と第2係合手段94は共に1個でもよい。
【0095】
中継基板26を配置する上で避けるべき遊技部品として、特別図柄始動手段16、大入賞手段17の入賞手段を例示しているが、突出量が大きいものであれば普通入賞手段18でもよいし、また入賞手段16〜18以外の遊技部品でもよい。また実施例では、下後壁部39を突出量の最も大きい特別図柄始動手段(入賞手段)16の後端と略同じ位置で支持枠22から下方に突出させて設け、この下後壁部39に裏側から形成した凹部103に中継基板26を配置しているが、凹部103の底部に対応する位置から板状の下後壁部39を突出させてもよい。
【0096】
裏カバー25の後壁部71は、中継基板26の裏側のコネクタ等と干渉しない範囲内で支持枠22の下後壁部39に近接させてもよい。後壁部39の下端の底壁部40は省略してもよい。
【0097】
画像表示手段14の画像表示部27とインバータ基板28は前後に重ならなければ、左右に配列する他、上下に配列してもよい。また画像表示部27とインバータ基板28との配列方向と略直交する方向の寸法は略同じにしてもよい。保持枠43は画像表示部27とインバータ基板28の配列方向に応じて横長偏平状の他、縦長状でもよい。
【0098】
保持枠43は支持枠22の上後壁部35の取り付け凹部47内に設けるのが望ましいが、上後壁部35に保持枠43用の位置決め突起等を設けて、取り付け凹部47を省略してもよい。また遊技盤11から画像表示部27、インバータ基板28を含む保持枠43の後端までの寸法は、遊技盤11から支持枠22の後端までの寸法とが略同一である他、画像表示手段14側が支持枠22の後端よりも若干後方に突出してもよい。更にパチンコ機の他、アレンジボール機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施可能である。
【符号の説明】
【0099】
11 遊技盤
14 画像表示手段
61 表示基板(副基板)
62 表示基板ケース(副基板ケース)
63 演出基板(副基板)
64 演出基板ケース(副基板ケース)
65 主基板
66 主基板ケース
85 第1ケース体
86 第2ケース体
87 ロック手段
88 外周壁部
89 内周壁部
90 外周縁
93 第1係合手段
94 第2係合手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤(11)の裏側に画像表示手段(14)と、主基板ケース(66)に収容され且つ前記遊技盤(11)側の遊技動作を制御する主基板(65)と、副基板ケース(62,64)に収容され且つ前記主基板(65)からの信号により各部を制御する副基板(61,63)とを備えた弾球遊技機において、前記副基板ケース(62,64)は前記副基板(61,63)を表裏両面から覆う第1ケース体(85)と第2ケース体(86)とを備え、前記両ケース体(85,86)を合わせて前記副基板(61,63)の板面方向に相対的に摺動させたときに該両ケース体(85,86)を分離不能にロックするロック手段(87)を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記ロック手段(87)は前記両ケース体(85,86)を前記板面方向に摺動させたときに夫々係合して、前記両ケース体(85,86)の前記副基板(61,63)の板厚方向への相対移動を規制する第1係合手段(93)と、前記両ケース体(85,86)の前記板面方向への相対摺動を規制する第2係合手段(94)とを有することを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記両ケース体(85,86)の内、その一方の前記ケース体(85,86)に外周壁部(88)を、他方に前記基板(61,63)の外周に設けられ且つ前記外周壁部(88)に嵌合する内周壁部(89)を夫々備え、前記両ケース体(85,86)の相対摺動方向と略直交する方向の両側で相対向する前記両周壁部(88,89)相互間に前記ロック手段(87)を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記両ケース体(85,86)がロック状態のときに前記外周壁部(88)の先端に当接又は近接して、前記外周壁部(88)と前記内周壁部(89)との間の少なくとも前記ロック手段(87)に対応する部分を覆う外周縁(90)を前記他方のケース体(85,86)の外周に設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項5】
一方の前記ケース体(85,86)の前記外周壁部(88)の対向辺に、その長手方向の中間に前記第2係合手段(94)を、該第2係合手段(94)の両側に前記第1係合手段(93)を夫々配置したことを特徴とする請求項3に記載の弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−30120(P2012−30120A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249529(P2011−249529)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【分割の表示】特願2008−289776(P2008−289776)の分割
【原出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】