説明

循環と段階的温度変化を利用するノニル化ジフェニルアミンの製造方法

【課題】改善されたノニル化ジフェニルアミンの製造方法を提供する。
【解決手段】前の操作でストリップしたノネンを循環再使用することにより、ノネンの使用態様が改善されたノニル化ジフェニルアミンの製造方法を提供する。回収したノネンの連続循環を含む方法を、連続する二段階の加熱反応、即ち、より苛酷な温度とそれに続くより低い温度の反応で実施する。この方法で製造した生成物は潤滑油組成物のための有用な酸化防止剤になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前の操作でストリップした未反応ノネンを循環させて再使用することにより、ノネンの使用態様が改善されたノニル化ジフェニルアミンの製造方法に関するものである。その方法は、回収したノネンの連続循環を用い、二段階の段階的に変化する温度での反応により実施する。ノネンアルキル化ジフェニルアミン生成混合物は、潤滑油組成物に添加されると有用な酸化防止剤になる。
【背景技術】
【0002】
アルキル化ジフェニルアミンなどのアルキル化ジアリールアミン類は、当該分野ではよく知られていて、広範な種類の有機材料において、特に鉱油から誘導される潤滑剤および合成潤滑剤において、安定剤または酸化防止剤として機能する。この用途では、未反応ジフェニルアミンの濃度が低い、淡色の液体生成物(約20℃で)が、多くの実用的な理由から望ましい。
【0003】
ジフェニルアミンなどのジアリールアミン類を、好適なアルキル化触媒の存在下でオレフィンを用いてアルキル化することは、当該分野ではよく知られている。一般に未反応のジフェニルアミンが好ましくない量で存在する場合には、粗生成物の高温高減圧蒸留によって除去される。生成物の高沸点と熱不安定性のために、必要になるこれら蒸留技術は費用のかかる作業工程であり、更に生成物の損失を招いている。未反応ジフェニルアミンの量を減らすために別の技術も利用されていて、例えばジフェニルアミンに比べて極めて大過剰のアルキレートを使用することに関する方法があり、特許文献1には、8倍過剰のアルキレートが例示されている。明らかなことであるが、大過剰のアルキレートの使用は特に原価効率が良いわけではない。アルキレートの循環は問題とされており、部分的には転位生成物が生成するために残留アルキル化剤は出発アルキレートよりも反応性が低く、またフリーデル・クラフツアルキル化ではアルキル化剤が触媒でハロゲン化される可能性がある。普通は未反応アルキレートは燃料など他の用途に使用されているが、ハロゲン含量によってはこれらの代替用途も制限されることがある。特許文献2には、フリーデル・クラフツアルキル化を用いてルイス酸触媒の存在下で(ただし、AlCl3およびZnCl2が好適な触媒と記されている)、ジノニルジフェニルアミン80%と、モノノニルジフェニルアミン15%と、未反応ジフェニルアミン約2%との混合物を製造することが記載されている。ルイス酸触媒は、生成物のハロゲン化を招くことがあり、また精製で生じるプロセス水の量のために、どちらかと云えば望ましくない。
【0004】
イソブチレンから誘導されるジフェニルアミンの製造に普通用いられる別の方法では、未反応のジフェニルアミンを更にアルキル化するのに、より反応しやすい掃去用のアルキレートが使用される。特許文献3には、ジフェニルアミンを第二級アルケンのような比較的反応しないオレフィンでアルキル化した後(第4欄第9〜23行)、より反応しやすいオレフィンを用いたアルキル化反応により未反応ジフェニルアミンを掃去することからなる二段法が教示されている。また、所望の淡色を達成するためにアルキル化反応触媒として酸活性粘土を使用することも、上記特許文献3により教示されている。
【0005】
同様に、特許文献4(第1欄第26〜67行)には、ジフェニルアミンをアルキル化するのに酸性粘土触媒を使用することが教示され、更に、アルキル化反応体を一定のモル比と温度の範囲内で、ジアルキル化ジフェニルアミンを25%未満で含むアルキル化生成物を生成させるのに充分な時間をかけて反応させることからなる方法により、淡色の液体生成物を製造することができるとも教示されている。このジアルキル化ジフェニルアミンの低い割合は、結晶化固体生成物の生成を避けるためには必然であると開示されており、固体生成物は、取扱いや輸送、貯蔵、安定化すべき基質への混合の容易さの点では有利ではない。この結晶化の問題は、ジフェニルアミンをジイソブチレンでアルキル化したときには関心事になるが、ノネンを用いたときにはそれほどの関心事にならない。
【0006】
また、同じ問題を処理するのに、すなわち、ジフェニルアミンとジイソブチレンとから室温で液体の有効な酸化防止剤を製造するのに、特許文献5及び6にはレイにより、ジフェニルアミンを粘土触媒の存在下で線状アルファオレフィンとジイソブチレンとでアルキル化する方法が教示されている。これらの方法では、開示されているように、結果として選択的に、モノアルキル化ジフェニルアミンを高い割合で、そして未置換ジフェニルアミン及び/又は二置換又は多置換ジフェニルアミンが低い割合で生成する。これらの特許文献には更に、所望の液体生成物を得るためには、反応混合物中のオレフィンとジフェニルアミンとの比が反応の温度および時間と共に重要であり、ジフェニルアミンとアルキル化DPAの全質量に基づき、ジオクチルジフェニルアミンが25質量%未満、未反応ジフェニルアミンが25質量%未満、そしてモノオクチルジフェニルアミンが50質量%より多い生成混合物を与えることができることが開示されている。
【0007】
特許文献7にはレイにより、ジフェニルアミンをアルキル化して淡色の液体生成物を得るまた別の方法であって、二段法からなり、第二工程でジフェニルアミンとジイソブチレン(および/または開示された式のアルファオレフィン)を含む反応混合物に第二のオレフィンを添加して、生成物中の未反応ジフェニルアミンの量を掃去または低減する方法が開示されている。特許文献5及び6と同様に、室温で液体の所望のアルキル化ジフェニルアミンを得るには、特定のモル比範囲、反応温度および反応時間が重要であると開示されている。
【0008】
特許文献8には、酸性白土の存在下、遊離プロトン酸の不在下で過剰のノネンを用いてジフェニルアミンをアルキル化することが開示されている。ガスクロマトグラフの面積パーセントにより特定の組成が明らかにされ、特にはトリノニルジフェニルアミンが面積で3.5%以下であることが明らかにされている。
【0009】
【特許文献1】米国特許第5186852号明細書(イシダ、外)
【特許文献2】米国特許第3452056号明細書
【特許文献3】米国特許第2943112号明細書(ポポフ、外)
【特許文献4】米国特許第4824601号明細書(フランクリン)
【特許文献5】米国特許第5672752号明細書(レイ)
【特許文献6】米国特許第5750787号明細書(レイ)
【特許文献7】米国特許第6204412号明細書(レイ)
【特許文献8】米国特許第6315925号明細書(エブリ、外)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、アルキル化試薬としてノネンを使用し、回収した残留ノネンを再利用し、そして二つの全く別の反応温度を用いて、アルキル化ジフェニルアミン酸化防止剤組成物を製造することに関する。有利なことには、(ジフェニルアミンのアルキル化のための)ノネンの使用が改善され、転化率が80パーセントに近づく。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明は、回収したノネンの逐次循環を利用してアルキル化ジフェニルアミンを製造する方法であって、下記の工程を含む方法に関する:
a)ノネンとジフェニルアミンとの酸性粘土触媒によるアルキル化反応物から、残留ノネンを回収する工程、
b)ジフェニルアミンおよび工程a)で回収した残留ノネンを、ノネンまたはノネン異性体と共に、酸性粘土触媒を備える反応器に充填する工程、
c)該反応器を該酸性粘土触媒の存在下にて、約175℃乃至約200℃の第一の温度にて適切な時間反応性条件にて加熱して、充填したジフェニルアミンの大部分をアルキル化する工程、
d)反応温度を約140℃乃至約160℃の第二の温度に、全組成物が未反応ジフェニルアミンが約1質量%未満で含まれるようになる適切な時間で下げる工程、
e)工程a)からd)を繰り返す工程。
【0012】
本発明の方法により、室温かつ大気圧で液体であるアルキル化ジフェニルアミン生成物が得られる。ノネンの反応器への連続循環は順次行なってもよく、工程e)を何度も繰り返すことができる。従って、例えば工程a)からd)を複数回連続して繰り返すことができる。好ましくは、工程e)を3回またはそれ以上繰り返す。一般には、工程d)で未反応ジフェニルアミンが約1質量%より多いとき、あるいは結果を達成するのにかかる時間が初期実施の二倍になったときに、製造方法を終了する。
【0013】
循環させた未反応ノネンを用いることによって、ノネンの全体的な使用および転化が改善され、試薬の浪費が最小になる。だが、回収したノネンには、アルキル化反応で新鮮なノネンとは違った反応をする異性化生成物や分解生成物が含まれることがあるので、循環使用には多少の困難さも加わっている。ジフェニルアミンにノネンをモル過剰で、例えば4乃至6倍過剰で添加することが好ましい。この場合に、回収した全残留ノネンは、反応器に充填する全ノネンのうちの約25乃至約50モルパーセントであることが好ましく、より好ましくは反応器に充填する全ノネンのうちの約25乃至約60モルパーセント、更に好ましくは反応器に充填する全ノネンのうちの40乃至約60モルパーセントである。
【0014】
この方法は、アルキル化反応に段階的に変化する温度を使用する。第一の温度はより苛酷に選択され、好ましくは第一温度は175℃乃至約200℃、より好ましくは約180℃乃至195℃であり、第二温度はそれほど苛酷ではなく、好ましくは第二温度は約140℃乃至約160℃、より好ましくは約145℃乃至155℃である。
【0015】
ジフェニルアミン以外の他の芳香族アミン類も、ここに開示する方法によりアルキル化することができる。そのような他の芳香族アミン類としては、例えば次のものを挙げることができる:N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、p,p’−フェニレンジアミン、フェノチアジン、フェノキサジン、p−アミノ−ジフェニルアミン、p−メチルアミノ−ジフェニルアミン、およびp−イソプロピルアミノ−ジフェニルアミン。
【0016】
別の態様では、本発明は、下記の工程を含む方法により製造された生成物に関する:
a)ノネンとジフェニルアミンとの酸性粘土触媒を利用したアルキル化反応から、残留ノネンを回収する工程、
b)ジフェニルアミンおよび工程a)で回収した残留ノネンを、ノネンまたはノネン異性体と共に、酸性粘土触媒を備えた反応器に充填する工程、
c)反応器を酸性粘土触媒の存在下、反応性条件で約175℃乃至約200℃の第一の温度に適切な時間加熱して、充填したジフェニルアミンの大部分をアルキル化する工程、
d)反応温度を約140℃乃至約160℃の第二の温度に、全組成物が未反応ジフェニルアミンを約1質量%未満で含むようになる適切な時間下げる工程、そして、
e)アルキル化したジフェニルアミン反応生成物を反応器から取り出す工程、そして
f)工程a)からe)を繰り返す工程。
【0017】
特に好ましいアルキル化ジフェニルアミン反応生成物は、モノアルキレートが約15乃至約30質量%、ジアルキレートが約65乃至約75質量%、そしてトリアルキレートが約5乃至約12質量%であることを特徴とする。より好ましくは、アルキル化ジフェニルアミン生成物は、モノノニルジフェニルアミンが約15乃至約25質量%、ジノニルジフェニルアミンが約65乃至約75質量%、そしてトリノニルジフェニルアミンが約7より多く約10質量%までであることを特徴とする、特に好ましくは、トリノニルジフェニルアミンは約8質量%より多い。この多量のジノニルジフェニルアミンと特にトリノニルジフェニルアミンを含む組成物が、さほど揮発性でなく、安定していて、この潤滑油組成物の部類で酸化防止剤として非常に適していることは予測されたことである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、アルキル化試薬としてノネンを使用し、回収した残留ノネンを再利用し、そして二つの全く別の反応温度を用いて、アルキル化ジフェニルアミン酸化防止剤組成物を製造することに関する。有利なことには、(ジフェニルアミンのアルキル化のための)ノネンの使用が改善され、転化率が80パーセントに近づく。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
上述したように、本発明は、ジフェニルアミンを適切なアルキル化反応条件で、適切なアルキル化触媒を存在させてノネンオリゴマーでアルキル化することを含む方法により、有効な酸化防止剤である液体のアルキル化ジフェニルアミンを提供する。一般的に、ノネンオリゴマーとしてはノネンおよびノネン異性体が挙げられ、α−オレフィンおよび第三級オレフィンも含まれる。ノネンはプロピレンの重合から誘導されることが好ましく、普通はプロピレン三量体と呼ばれる。一般に、プロピレン三量体はリン酸塩(リン酸系)触媒を用いたプロピレンの重合の生成物である。従って、生成物はプロピレン三量体を主要量で含み、その質量含有量は一般に約85%より多く、好ましくは約90乃至97%、より好ましくは約95%又はそれ以上である。プロピレン三量体は、C8又はそれ以下のオレフィンを最小量で、またC10又はそれ以上のオレフィンを最小量で含み、一般には各々の質量含有量は5%未満、より好ましくは各々3%未満である。好適な生成物はC8又はそれ以下のオレフィンの最大質量含有量が2.0%、C10又はそれ以上のオレフィンの最大質量含有量が3.0%である。プロピレン三量体を用いたジフェニルアミン反応体のアルキル化は、ノニル化ジフェニルアミン組成物と少量の他の反応生成物を与える、ただし、ノニル化ジフェニルアミンは任意のノネン異性体でアルキル化されたジフェニルアミンの全てを意味する。好適なプロピレン三量体の市販の原料供給元としては例えば、スノコ社(Sunoco Inc.、ペンシルヴェニア州フィラデルフィア)、およびエクソンモービル・ケミカルズ社(ExxonMobil Chemicals、テキサス州ヒューストン)がある。
【0020】
この方法に用いるノネンは、反応器に充填するジフェニルアミンに基づきモル過剰で使用する。好ましくは全ノネンを、充填するジフェニルアミンのモル数に基づき約3乃至6倍のモル過剰で充填し、より好ましくは約4倍モル過剰で充填する。
【0021】
ジフェニルアミンのアルキル化に触媒として粘土を使用することは、米国特許第3452056号明細書に開示されていて、そこには、触媒として粘土を用いてアルファ−メチルスチレンと関連オレフィンで、ジフェニルアミンをアルキル化することが記載されている。米国特許第2943112号明細書及び他の先行技術には、粘土には幾つかの利点があり、例えば次のことが挙げられると記載されている:(1)淡色生成物を与える利点があること、(2)反応後、ろ過による除去の容易さ、および(3)アルキル化生成物の低い黄色色度。触媒として粘土とAlCl3やBF3などの他のルイス酸とは、一般に交換可能であると教示されている(米国特許第3452056号及び第5672752号明細書、それぞれ第3欄第3−6行及び第1欄第33−41行参照)。本発明ではノネンの順次連続循環のために、アルキレートに残留するハロゲン分は望ましくないので、ルイス酸は好ましいアルキル化触媒ではない。循環成分のハロゲン含量は1.0質量%未満であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%未満であり、更に好ましくは反応にハロゲン分が実質的に含まれないことである。
【0022】
好適な粘土触媒については、米国特許第5672752号、第5750787号及び第6204412号の各明細書に開示されていて、その開示内容も全て参照内容として本明細書の記載とする。市販の粘土触媒としては、フィルトロール(Filtrol、商品名)及びレトロール(Retrol、商品名)(BASF社製);フルキャット14(Fulcat、商品名)、フルモント700C(Fulmont、商品名)、フルモント237(商品名)及びフルキャット22B(商品名)(ロックウッド・アディティブス社(Rockwood Additives Comp)製);およびカタリセイターK10(Katalysator、商品名)(スード・ケミィ社(Sud-Chemie)製)を挙げることができる。これらの粘土には酸活性粘土または酸抽出粘土も含まれる。BASF社製の好適な酸処理粘土としては次のものが挙げられる:「F−1」、「F−2」、「F−6」、「F−13」、「F−20X」、「F−22」、「F−24」、「F−105」及び「F−160」、特に好ましいのは「F−20X」と「F−24」である。粘土触媒は多少の水を吸収して含むことがある。使用前に水を取り除くことによって、結果として淡色の反応生成物が生じ、また触媒の酸度およびアルキル化活性度が最大になる。自由会合した水は各種技術により除去することができ、熱処理、減圧処理、窒素または空気またはそれらの組合せなどの乾燥大気処理が挙げられる。固体酸触媒から除去した自由会合水は、触媒と会合した水(物理吸着した水)またはヒドロキシル基(化学吸着した水)から誘導されたものと言える。実質的に全ての自由会合水を除去することは、基本的に全ての物理吸着した水を除去し、かつ少なくとも大部分の化学吸着した水を除去することを意味する。従って、水分の少ない粘土を使用するか、あるいは粘土を窒素掃去又は減圧ストリッピングしながら加熱して水を除去することが望ましい。同様に、供給流も水分を約500ppm未満で含んでいるべきで、好ましくは200ppm未満、より好ましくは100ppm未満、そして最も好ましくは約50ppm未満である。酸で活性化した粘土が好ましい。
【0023】
好ましい粘土はアルミノケイ酸塩である。アルミノケイ酸塩粘土は一般に、ケイ酸アルミニウムと、他の金属酸化物、例えば酸化アルミニウム、二酸化ケイ素または他の遊離基との化合物である。そのような粘土の構造は普通は、六方最密充填配列であるか、あるいは酸素イオンがアルミニウムイオンと共に秩序だった配列の八面体空孔のおよそ3分の2を占めている。粘土触媒のアルミニウム(III)カチオンは一般に、酸素アニオンに八面体配置で結合している。これら二次元のAlO6単位の繰返しが八面体の層を成している。同様に、四面体の層はSiO4ケイ酸塩単位からできている。粘土は四面体の層と八面体の層の相対数に従って分類される。活性粘土は、普通は亜ベントナイト又はベントナイトの酸活性化により製造され、モンモリロナイトが挙げられる。モンモリロナイト粘土は、有機化学分野で使用されているが、八面体の層が2つの四面体の層間に挟まれてなる。特に好ましい酸活性モンモリロナイト粘土としては、F−24などBASF社製のものが挙げられ、より好ましくはF−20およびF−20Xとして販売されている粉末グレードのモンモリロナイト粘土である。この方法に使用する酸性粘土は、ろ過、遠心分離またはデカントにより反応混合物から取り除くことができる。実際には酸性粘土は、ジフェニルアミンの5.0乃至20.0質量%、好ましくは約10.0乃至20.0質量%の量で用いられる。好ましい粘土触媒は一般に、嵩密度が約400〜700グラム/リットル、全酸度が5乃至約20mgKOH/g、そして表面積が150乃至約350m2/g(BET法)である。粘土触媒は、10/20メッシュのような粗粒物であってもよく、好ましくは約10/60メッシュの粒状物、より好ましくは例えば平均粒径が約30ミクロンの粉末物である。
【0024】
本発明で用いられる粘土触媒は、ルイス酸(例えば、AlCl3、AlBr3、BF3、BF3の錯体、TiCl4および従来よりフリーデル・クラフツ反応に使用されている他の物質)に勝る幾つかの利点を与える。これらの利点の多くは、固体触媒の必須部分で、不純物の混入を制限する酸性部位に起因する。その結果、粘土触媒は触媒残留物のために生成物に着色を与えることがない。一般的に、粘土触媒を再生させ循環使用して、それにより使用済みの触媒の廃棄処分を最小にすることができる。反対に、ルイス酸は一般に使い捨ての触媒であり、通常は分離の際に腐食性の液体が発生する。
【0025】
アルキル化反応では溶媒が使用されてきたが、本発明では、溶媒を最少で用いるか、あるいは全く用いないでアルキル化することが好ましい。溶媒を使用する場合に好適な溶媒としては例えば、ミネラルスピリット、トルエン、キシレン、もしくはアロマチック(Aromatic、商品名)液及びソベッソ(Sovesso、商品名)液(エクソン・ケミカル・カンパニー(Exxon Chemical Company)製)、またはシェルソル(Shellsol、商品名)液(シェル・ケミカル・カンパニー(Shell Chemical Company)製)などの芳香族溶媒を挙げることができる。
【0026】
反応生成物から蒸留により未反応オレフィンを取り除いてもよい。同様に、必要であれば、分別蒸留または減圧蒸留などの方法により、未反応ジフェニルアミンを取り除いてもよい。本発明で開示する方法のために有利なことには、アルキル化ジフェニルアミン生成物は未反応ジフェニルアミンの残留量が低いので、一般に以降の未反応ジフェニルアミンの除去は不要となる。生成物中のジフェニルアミンの量は、最終生成物で約1.0質量%未満であることが望ましく、好ましくは最終生成物で約0.8質量%未満である。(粘土は、ろ過または公知の他の分離法により取り除くことができる)。
【0027】
オレフィンの蒸気圧のため、または別の理由から高圧が予想されるなら、アルキル化反応をオートクレーブで行うことができる。反応に使用する圧力は、主として使用するオレフィンと反応温度によって規定される。生成物が常に液体であるので、反応体および生成物をポンプで反応器に出し入れすることができる。本発明の目的で好ましい触媒は、BASF社製のF−24酸活性粘土(以前には、フィルトロールズ・レトロール粘土と呼ばれた)であることが確認されている。
【0028】
アルキル化反応の反応温度は、順次採用される相違する温度範囲である。第一の温度は、約175℃乃至約200℃の範囲にあり、好ましくは約180℃乃至約195℃の範囲にあり、そしてより好ましくは約180℃乃至約190℃の範囲にある。部分的にはこの方法に加えられる循環ノネンの量のために、第一の反応温度は比較的苛酷である。前回のバッチからストリップして循環させた未反応ノネンは一般に、最初に反応させた新鮮なノネンのうちの最も反応し難い部分である。循環ノネンは、アルキル化反応の反応度が異なる異性化種または分解生成物を含んでいることがある。混合循環ノネンとノネンとの混合物が、最初により激しい反応条件を必要とすることが見出された。一般には、循環ノネンを反応器に充填し、新鮮なノネンを所望の充填モル比で加え、そして反応器を加熱する。反応器に充填したノネンのうちの少なくとも25モルパーセント乃至約60モルパーセントは、回収した残留ノネンであることが好ましく、より好ましくは反応器に充填したノネンのうちの少なくとも35モルパーセント、更に好ましくは40モルパーセント乃至約60モルパーセントは、前のアルキル化反応の残留ノネンである。充填したジフェニルアミンの大部分がアルキル化されるように、第一の温度範囲を適切な時間をかけて維持する。その後、反応温度を下げて、約140℃乃至約160℃の範囲、好ましくは約145℃乃至約155℃の範囲、そしてより好ましくは約150℃乃至約155℃の範囲の第二の温度にする。全組成物が未反応ジフェニルアミンを生成物中に約1.0質量%未満、より好ましくは約0.8質量%未満、好ましくは約0.8質量%未満で約0.2質量%以上含むような時間をかけて、第二の温度を維持する。
【0029】
反応圧は、最大で約250psi又はそれ以上の範囲にあってよいが、好ましくは約250未満、より好ましくは約25乃至100psiの範囲にある。反応過程で生成物の酸化を最少にするために、ただし主として低沸点オリゴマーを用いた高温での操作を可能にするために、窒素などの不活性ガスを使用することができる。空気とは対照的に、窒素または他の不活性ガス雰囲気は粘土触媒を失活させる生成物の生成を抑える。窒素圧による他の利益としては、高い反応速度、短い反応時間およびジアルキル化DPA生成の増大が挙げられ、トリアルキル化DPAに影響を及ぼすことがある。後者は、揮発物の雰囲気中への損失を防ぐことにより達成することができる。
【0030】
実際には、反応が続くにつれて反応体の濃度が減って速度が非常に遅くなるから、反応をDPAの消尽まで持って行くことは困難である。一般的に本発明の方法では、生成混合物中に1%未満、通常は0.8%未満のDPAが未反応のまま残る。所望により、連続ストリッピングにより、あるいはイソブチレンまたはスチレンなどの反応性の高いオレフィンを用いた二次処理により、ジフェニルアミンの残量を少なくすることができる。所望の反応温度に制御維持し、また非反応性オレフィンへの短時間での異性化を最小にするためには、ノネンを反応混合物に徐々に増やしながら添加すべきである。だが、所望とする生成混合物によっては、反応温度よりも低い温度で、ノネンを一度に全部反応混合物に添加することが有利であることもある。
【0031】
反応時間は、非常に弾力的な反応パラメータであり、反応温度や反応体と触媒のモル比、圧力に依存する。一般には約2乃至30時間又はそれ以上の時間をかけて、好ましくは約5乃至24時間の時間をかけて、より好ましくは約6乃至20時間の時間をかけて反応を行う。
【0032】
反応の終了後、減圧でのストリッピング、またはカラムクロマトグラフィーを用いたヘキサンによる溶出分離などの従来技術を使用して、所望のアルキル化ジフェニルアミン生成物を単離することができる。選択した特定の反応条件に応じて、生成混合物中のモノアルキル化DPAとジアルキル化DPAとトリアルキル化DPAの量は一般に次のような範囲にある:モノアルキレート約15乃至約25質量%、ジアルキレート約65乃至約75質量%、トリアルキレート約7乃至約10質量%。ただし、一定の条件下では生成混合物が主にモノアルキレート、または主にジアルキレートのいずれかであることがある。
【実施例】
【0033】
以下の実施例は、本発明の一定の態様について説明するために提示するためのものであって、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【0034】
[実施例1](実験1.1乃至1.7)
ブーチAG社(Buchi AG、スイス)製のジャケット付きSS2リットルバッチ式組立オートクレーブ(モデルBep280)内で、反応を実施した。325rpmで回転する傾斜した羽根付き羽根車で混合を行った。羽根車を磁気撹拌駆動により駆動させた。ジュラボ・ラブルテクニクGmbH社(Julabo Labortechnik GmbH、独国)製のジュラボ12(Julabo)熱油循環装置で、温度を制御した。ワンダウェア社(Wonderware、カリフォルニア州)製のワンダウェア・ファクトリー・スウィート(Wonderware Factory Suite)を備えたPCにインターフェースで接続した、ジーメンスAG社(Siemens AG、独国)製のシマチックTI505/545PLC(Simatic、商品名)を使用して、温度および圧力をモニタした。
【0035】
オートクレーブを、窒素で数回パージした後、DPA(アルドリッチ(Aldrich)社製、99%+)251.6g、ノネン(エクソンモービル(ExxonMobil)社製、ノネン/DPAのモル比4.03)752.5g、およびBASF社のF−24、50.3g(DPA充填量の20%)で満たした。F−24触媒は、予め150℃のオーブンで減圧及び窒素パージしながら乾燥しておいた。次いで、オートクレーブを密閉した。オートクレーブを180℃に加熱して10時間保持した。次に、オートクレーブを150℃に冷却して更に10時間保持した。反応中の圧力は最大で38.1psigに達した。保持時間の終了時点でオートクレーブを20〜65℃まで冷却し、そしてオートクレーブの下部弁を使って粗生成物を滴下により取出した。粗生成物を計量し、そしてブフナーろ過器を用いてろ過してF−24触媒を取り除いた。その後、未反応ノネンをロータリーエバポレータを用いて160〜165℃、0〜50mmHgでストリップした。ろ過粗生成物、ろ過ストリップ粗生成物およびストリップ上部留出物について、ガスクロマトグラフ「GC」により下記の構成で分析を行った。
【0036】
ガスクロマトグラフ:7683シリーズ噴射器付きのアリジェント(Aligent)
6890N
注入方法 :カラム上に直接注入
注入容量 :1マイクロリットル
カラム :アリジェントHP−5 1091J−211
長さ15m、公称直径:320マイクロメートル
固定相 :5%フェニルメチルシロキサン膜厚:1マイクロ
メートル
検出器 :FID
積分器 :減衰:0
キャリアガス :ヘリウム:4.0mL/分、水素流:30mL/分、
空気流:400mL/分、窒素:25mL/分
温度 :注入器:250℃
オーブン:1)開始温度:50℃、2分、2)傾斜:
10℃/分で300℃まで、3)保持:300℃で5分
測定時間 :32分
【0037】
ろ過粗生成物は未反応ノネンを39.9質量%含んでいた。ストリップ上部留出物はノネンを99.5質量%を超える量で含んでいた。ストリップ上部留出物を次回のバッチに循環させるために保存した。ろ過ストリップ粗生成物は薄い琥珀色の液体であった。それは、ノネン0.2質量%、ノネン二量体0.8質量%、DPA0.3質量%、C3−C8−DPA0.2質量%、モノノニルジフェニルアミン15.9質量%、ジノニルジフェニルアミン74.6質量%、およびトリノニルジフェニルアミン8質量%を含有していた。第1表に、反応条件および結果を表示する。
【0038】
実験1.2(1回目の循環)
実験1.1と同じ条件で反応を行ったが、ノネンは次の二種類の原料によるものであった:実施例1のストリップ上部留出物全部(346.4g)、およびノネン/DPAモル比が4となるように充填した新鮮なノネン(404g)。生成物は、DPA0.4質量%、およびトリアルキル化DPA8.4質量%を含有していた。
【0039】
実験1.3乃至1.7(2乃至6回目の循環)
実験1.2と同じ条件で反応を行ったが、前の実験例でストリップしたノネンを使用した。これら実験の生成物は、未反応DPAを0.8質量%未満、およびトリアルキル化物を7.4質量%より多く含有していた。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【0042】
[実施例2](実験2.1乃至2.3)
主として実施例1に示した条件および手順を繰り返したが、パラメータおよび結果を下記第2表に示す。反応時間は第一の反応温度180℃で約5時間、その後150℃に下げて約5時間に設定した。生成物中の未反応DPA含有量は順次0.4から0.7、0.9質量%にまで変化した。下記第2表に、実施例2の詳細を記す。
【0043】
【表3】

【0044】
[実施例3](実験3.1乃至3.3)
実施例2に示した手順に従ったが、条件および結果を第3表に示す。実施例3では、高い第一の温度は再度約180℃で約5時間であったが、約150℃の下げた温度は約10時間保持した。生成物中の未反応DPA含有量は実施例毎にそれぞれ0.3質量%、0.3質量%、および0.6質量%であった。下記第3表に、実施例3の詳細を記す。
【0045】
【表4】

【0046】
[比較例A](実験A.1乃至A.5)
実施例1と同様にしてこの比較例を実施したが、二つの全く別の温度(180℃/10時間と150℃/10時間)の代わりに、反応温度150℃、20時間で行った。生成物のDPA含有量は0.3から1.2質量%まで変化した。下記第4表に、比較例Aの詳細を記す。
【0047】
【表5】

【0048】
【表6】

【0049】
[比較例B](実験B.1乃至B.3)
比較例Aと同様にしてこの比較例を実施したが、反応温度を180℃/20時間で維持し、そして触媒は10質量%であった。DPA含有量は順次0.8から1.2、1.3質量%まで変化した。下記第5表に、比較例Bの詳細を記す。
【0050】
【表7】

【0051】
[比較例C](実験C.1乃至C.2)
実施例1と同様にしてこの比較例を実施したが、ノネン/DPAモル比は3であった。DPAは0.3から1.0まで変化した。下記第6表に、比較例Cの詳細を記す。
【0052】
第 6 表: 比較例C、充填モル比
────────────────────────────────────
実験番号 C.1 C.2
実験条件
ノネン XOM XOM
S/S# 4246 4246
DAP アルドリッチ99+ アルドリッチ99+
ノネン/DPAモル比 3 3
触媒 F−24(150℃乾燥) F−24(150℃乾燥)
触媒(DPAの質量%) 20% 20%
温度1(℃) 180 180
反応時間1(時間) 10 10
温度2(℃) 150 150
反応時間2(時間) 10 10
循環# 0 1
循環上部留出物実験# 0 C.1
循環触媒# 0 0
循環触媒実験# 0 0
注 循環1(実験C.1)
────────────────────────────────────
【0053】
第 6 表(続き): 比較例C、充填モル比
────────────────────────────────────
実験番号 C.1 C.2
ノネン1 0.1 30.4
ノネン二量体1 0.4 0.4
DPA1 0.6 1.0
3〜C8DPA1 0.3 0.3
9DPA1 21.3 18.9
ジC9DPA1 69.7 44.7
トリC9DPA1 7.6 4.4
その他1 0.0 0.0
N計算質量% 3.6 2.6
DPA(g) 325.8 326.5
追加ノネン(g) 732.0 460.2
循環ノネン(g) 0.0 271.9
触媒(g) 65.0 65.3
粗生成物(g) 953.2 948.5
ストリップ生成物(g) 674.6 665.4
ろ過粗生成物中の
未反応ノネン% 29.2 29.8
────────────────────────────────────
1:全組成物に基づく成分質量%
【0054】
[比較例D]
実施例1と同様にしてこの比較例を実施したが、高い第一の温度に続いて低い第二の温度を使用する代わりに、この比較例では低い温度の後に高い温度を使用した。従って、条件は大部分が実施例1と同じであるが、低い第一温度の150℃/10時間および高い第二温度の180℃/10時間を使用している。DPA含有量は1.2質量%である。DPA含有量が満足できないものであったため、循環を試みなかった。
【0055】
第 7 表: 比較例D
────────────────────────
実験番号 D.1
実験条件
ノネン XOM
S/S# 4246
DAP アルドリッチ99+
ノネン/DPAモル比 4
触媒 F−24(150℃乾燥)
触媒(DPAの質量%) 20%
温度1(℃) 150
反応時間1(時間) 10
温度2(℃) 180
反応時間2(時間) 10
循環# 0
循環上部留出物実験# 0
循環触媒# 0
循環触媒実験# 0

────────────────────────
【0056】
第 7 表(続き): 比較例D
────────────────────────
実験番号 D.1
ノネン1 0.1
ノネン二量体1 0.9
DPA1 1.2
3〜C8DPA1 0.3
9DPA1 21.2
ジC9DPA1 67.2
トリC9DPA1 9.0
その他1 0.0
N計算質量% 3.6
DPA 250.8
追加ノネン 750.0
循環ノネン 0.0
触媒 50.2
粗生成物 908.3
ストリップ生成物 532.0
ろ過粗生成物中の
未反応ノネン% 41.4
────────────────────────
1:全組成物に基づく成分質量%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回収したノネンを順次循環させてアルキル化ジフェニルアミンを製造する方法であって、下記の工程を含む方法:
a)ノネンとジフェニルアミンとの酸性粘土触媒によるアルキル化反応から、残留したノネンを回収する工程、
b)ジフェニルアミンおよび工程a)で回収した残留ノネンを、ノネンまたはノネン異性体と共に、酸性粘土触媒を備える反応器に充填する工程、
c)該反応器を該酸性粘土触媒の存在下にて、約175℃乃至約200℃の第一の温度にて適切な時間反応性条件にて加熱して、充填したジフェニルアミンの大部分をアルキル化する工程、
d)反応温度を約140℃乃至約160℃の第二の温度に、全組成物が未反応ジフェニルアミンが約1質量%未満で含まれるようになる適切な時間下げる工程、
e)工程a)からd)を繰り返す工程。
【請求項2】
回収した残留ノネンが、反応器に充填する全ノネンのうちの約25乃至約60モルパーセントである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
回収した残留ノネンが、反応器に充填する全ノネンのうちの約40乃至約60モルパーセントである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程e)を複数回繰り返す請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程e)を3回またはそれ以上繰り返す請求項4に記載の方法。
【請求項6】
工程b)において、ジフェニルアミンと全ノネンとの充填モル比が1:4乃至1:6である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
工程b)において、ジフェニルアミンと全ノネンとの充填モル比が約1:4である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程c)で、第一の温度が約180℃乃至195℃である請求項1に記載の方法。
【請求項9】
触媒がジフェニルアミンの質量に基づき5乃至20質量パーセントである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
触媒が10質量パーセント又はそれ以上である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
工程c)の触媒が工程a)で用いる触媒と同じ種類である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
触媒が粉末グレードの酸活性モンモリロナイト粘土である請求項9に記載の方法。
【請求項13】
粉末触媒の平均粒径が約30ミクロンである請求項9に記載の方法。
【請求項14】
さらに、触媒を使用前に熱処理する工程を含む請求項9に記載の方法。
【請求項15】
熱処理により、触媒から自由会合した水を実質的に全部取り除くようにされる請求項14に記載の方法。
【請求項16】
触媒が再生可能である請求項14に記載の方法。
【請求項17】
該方法を実質的にハロゲンの不存在で実施する請求項1に記載の方法。
【請求項18】
さらに、反応器からアルキル化ジフェニルアミン反応生成物を回収する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法に従って製造された生成物。
【請求項20】
アルキル化ジフェニルアミン生成物が、モノアルキレートが約15乃至約30質量%、ジアルキレートが約65乃至約75質量%、そしてトリアルキレートが約5乃至約10質量%であることを特徴とする、請求項19に従って製造された生成物。
【請求項21】
アルキル化ジフェニルアミン生成物が、モノノニルジフェニルアミンが約15乃至約25質量%、ジノニルジフェニルアミンが約65乃至約75質量%、そしてトリノニルジフェニルアミンが約7より多く約10質量%までであることを特徴とする、請求項20に従って製造された生成物。
【請求項22】
トリノニルジフェニルアミン含有量が約8質量%より多い請求項21に従って製造された生成物。
【請求項23】
主要量の潤滑粘度の油、および少量の請求項20に従って製造された生成物を含む潤滑油組成物。

【公開番号】特開2008−222704(P2008−222704A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−335105(P2007−335105)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(598037547)シェブロン・オロナイト・カンパニー・エルエルシー (135)
【Fターム(参考)】