説明

微多孔膜およびこれを含む画像記録材料の製造法

本発明は、放射線により化合物を硬化させることにより微多孔膜を製造する方法に関する。本発明はさらに、画像記録媒体に関し、ここにおいて、これらの微多孔膜が使用される。本発明によると、微多孔膜は、硬化性化合物溶媒混合物を準備する工程であって、ここで、前記硬化性化合物の濃度は20から80重量パーセントの間であり、前記溶媒の少なくとも30重量パーセントは水である工程と、前記混合物を支持体に塗布する工程と、前記硬化性化合物混合物を放射線に暴露することにより前記硬化性化合物混合物を硬化させ、これにより架橋した硬化性化合物と溶媒の間に相分離を引き起こす工程と、得られる微多孔膜を乾燥または洗浄工程に付して、前記溶媒を除去する工程と、任意行われる支持体および微多孔膜を分離する工程と、により調製される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線により化合物を硬化させることにより得られる微多孔膜、ならびにこのような膜の調製法に関する。本発明はさらに、これらの微多孔膜が使用された画像記録
材料に関する。
【背景技術】
【0002】
最新の記録媒体を製造するための様々な方法がある。このような媒体は、画像解像度、色再現、耐変色性などの特性に関して従来のハロゲン化銀系画像記録システムと競合できなければならない。溶媒系着色剤が付与される記録材料、例えば、インクジェット記録媒体に関する具体的な問題は、着色剤の付与中または付与後の溶媒の取り扱いの問題である。この問題に関する重要なパラメータは、溶媒吸収の速度および溶媒吸収能力である。これらのパラメータを最適化できないことは、染みまたは汚れ、気泡(beading)、艶消しなどの望ましくない結果を引き起こす。
【0003】
付与された着色剤に由来する溶媒量(load)の大部分を収容(accommodate)するための一つの方法は、膨潤性ポリマー、例えば、(架橋)ゼラチン、PVA、PVPなどを含有する層の使用である。溶媒量(load)を収容するためのもう一つ別の方法は、(微)多孔質層の使用である。欧州特許出願公開第1289767号明細書(EP−A−1289767)、欧州特許出願公開第1418058号明細書(EP−A−1418058)および欧州特許出願公開第1477318号明細書(EP−A−1477318)は、UVまたは他の放射線により硬化された層を開示し、ここで、十分な溶媒吸収を得るために、微孔は有機または無機粒子を含有しなければならない。しかしながら、無機粒子の使用は、層の物理的弱さの原因になり、その結果、層の亀裂または破損が生じる。
【0004】
欧州特許出願公開第0738608号明細書(EP−A−0738608)は、水溶性高分子化合物を含有する硬化組成物を記載しているが、これらの組成物は、固体層を生じる。
【0005】
国際公開第99/21723号パンフレット(WO−A−99/21723)は、水性溶媒混合物中に溶解したバインダーでコーティングされた基体であって、次いで電子線照射により硬化される層を開示し、また任意の量の溶媒が好適であり、好ましくは、溶液は20%より低い固形分で使用されることを教示している。
【0006】
国際公開第01/91999号パンフレット(WO−A−01/91999)は、コーティングの乾燥後に硬化する硬化性インクジェットコーティングを開示している。
【0007】
国際公開第01/92023号パンフレット(WO−A−01/92023)は、コーティングされた基体の製造法を開示し、放射線硬化性物質および粒子状物質を液体担体中に含むコーティング物質が表面に塗布され、次に依然として湿潤状態のままで照射されて、多孔性コーティングが基体上に形成される。
【0008】
もう一つ別の方法は、例えば、欧州特許出願公開第0888903号明細書(EP−A−0888903)におけるような発泡層の適用である。
【0009】
前記の従来技術において、受容層は単離されないが、コーティングされた基体の乾燥および/またはさらなる操作後に基体上に直接形成される。このような層が、そのように使用できるか、または有利な特性が得られるように別の方法において基体に付与することができる膜として単離できることは有利である。膜は、多くの方法、例えば、ポリマー溶液の乾燥及び湿潤相反転(dry and wet phase inversion)、均質な部分結晶性ポリマーフィルムの延伸、粒子状物質の焼結、均質ポリマー溶液の熱ゲル化および照射または熱開始反応による同時相分離でのラジカル重合により製造される。これらの方法のうち、ポリマー溶液が沈殿剤または非溶媒と接触し、固体ポリマー豊富な相と液状溶媒豊富な相に分離する湿潤相反転法は、間違いなく多孔構造を得るための最も広く用いられる技術である。この技術が適用される例は、米国特許第5079272号明細書(US−A−5079272)および欧州特許第0803533号明細書(EP−B−0803533)において見出すことができる。湿潤相反転の主な欠点は、得られる製造速度が限定されていること、および必要とされる有機溶媒の量が多いことである。別の方法は、米国特許第4466931号明細書(US−A−4466931)および欧州特許第0481517号明細書(EP−B−0481517)において開示され、これらは、低沸点の洗浄液で洗浄することにより除去される不揮発性有機溶媒中で硬化性モノマーを照射することにより製造される膜を記載している。多くの硬化性化合物は、本来は疎水性であるので、透明溶液を得るためには有機非極性溶媒を必要とする。不揮発性溶媒は除去するのが困難であり、従って好ましくない。
【0010】
安全性を保証し、環境汚染を予防するために高価な手段を必要とすることなく、高速で製造できる膜が必要とされる。本発明はこの目標に関する。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1289767号明細書(EP−A−1289767)
【特許文献2】欧州特許出願公開第1418058号明細書(EP−A−1418058)
【特許文献3】欧州特許出願公開第1477318号明細書(EP−A−1477318)
【特許文献4】欧州特許出願公開第0738608号明細書(EP−A−0738608)
【特許文献5】国際公開第99/21723号パンフレット(WO−A−99/21723)
【特許文献6】国際公開第01/91999号パンフレット(WO−A−01/91999)
【特許文献7】国際公開第01/92023号パンフレット(WO−A−01/92023)
【特許文献8】欧州特許出願公開第0888903号明細書(EP−A−0888903)
【特許文献9】米国特許第5079272号明細書(US−A−5079272)
【特許文献10】欧州特許第0803533号明細書(EP−B−0803533)
【特許文献11】米国特許第4466931号明細書(US−A−4466931)
【特許文献12】欧州特許第0481517号明細書(EP−B−0481517)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、汚染が限定された高フラックスを有する微多孔膜を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、高い構造完全性(structural integrity)を有するこのような膜を提供することである。
【0013】
また、本発明の目的は、高い溶媒吸収能力および溶媒吸収速度を有する記録物質を提供することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、優れた光、オゾンおよび水堅牢度を有し、高光沢性を有するインクジェット記録シートであって、高い色濃度の印刷に関連する高溶媒量(load)を収容できるシートを提供することである。
【0015】
高い生産速度で膜を製造する方法を提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
驚くべきことに、前記目的の1つ以上は、少なくとも1種の硬化性化合物および揮発性水性溶媒の有効な濃度(好ましくは、混合物1グラムあたり0.2から0.8グラムの間の化合物)の混合物を準備する工程であって、ここで、前記溶媒の少なくとも30重量パーセントは水である工程、前記混合物を支持体に塗布する工程(applying)、前記硬化性化合物混合物を放射線に暴露することにより硬化させ、これにより架橋した硬化性化合物と溶媒の間に相分離を引き起こす工程、得られた微多孔膜の乾燥および/または洗浄により前記溶媒を除去する工程、支持体および微多孔膜を分離する任意で行われる工程により得ることができる微多孔膜により達成できることが見出された。
【0017】
さらなる実施形態において、得られる微多孔層は支持体から分離されず、その結果、微多孔膜層を備えた支持体が得られ、これは記録媒体として使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
現在まで、溶媒ベースの着色剤が支持体に付与されて、文章または画像を生成させるほとんどの画像記録物質は、溶媒にポリマー構造を膨潤させることにより、付与された溶媒を収容する膨潤性(ポリマー)層、または溶媒吸収または微多孔粒子ベースの微多孔層のいずれかに依存する。粒子を含有する層は、粒子量が高いほど層の構造的完全性が低下し得る欠点を有する。また、微多孔性である層に関して良好な光沢を達成することは困難である。
【0019】
本発明者らは意外にも、例えば、硬化性化合物混合物の濃度および組成を慎重に選択し、前記混合物を基体上にコーティングし、前記硬化性化合物混合物を硬化させ、これにより架橋した硬化性化合物と溶媒間の相分離を引き起こし、その後、微多孔層を備えた基体が形成され、得られた組成物を乾燥工程に付すことにより、膨潤性層の高光沢などの利点を維持しつつ、例えば、インクジェット記録媒体におけるように印刷高密度部分に関連した多量の溶媒を収容できる微多孔膜を調製できることを見出した。任意で、膜を洗浄して、非架橋成分を、硬化した化合物混合物から除去することができる。このような状況における混合物は、溶液中の化合物の任意の種類の可能な状態であると定義される。従って、混合物は、溶液、懸濁液、分散液などを含む。
【0020】
硬化性化合物を含むこのような混合物を基体上にコーティングし、その後に混合物の硬化の工程を行い、得られる微多孔層を乾燥し、任意に微多孔層を基体から分離する場合、様々な用途において使用でき、その高い溶媒フラックスおよび/または吸収能力により特徴づけられる微多孔膜を得ることができる。分離されるならば、後にあらゆる支持体に本発明の微多孔膜を固定することができ、その結果、高い構造完全性および優れた水吸収能力を有する媒体が得られる。基体からの分離は、硬化性化合物混合物を基体上にコーティングする前に基体を適切に処理することにより容易に達成できる。本発明の単離された微多孔膜は接着層により基体に別途付着させることができる。この接着層は得られる媒体にある性質を付与することもできる。
【0021】
もう一つ別の実施形態において、基体は硬化性化合物混合物の2以上の層でコーティングされる。この方法により、微多孔膜全体で変化する特性を有する微多孔膜を設計することができる。従って、着色剤定着特性、高光沢および/または防汚特性を有する外層を設計でき、最適化された水フラックスまたは吸収能力を有する内部微多孔層を構築することができる。
【0022】
一般に、単離形態における本発明の微多孔膜の乾燥厚さは、典型的には30μmから500μmの間、さらに好ましくは50から400μmの間である。基体に接着された場合、膜は内部強度を与える必要はなく、最適厚さは溶媒吸収能力またはフラックスなどの特性に基づく。後者の場合、乾燥厚さは典型的には5から50μmの間である。基体が水性溶媒に対して不浸透性である場合、例えば、高品質インクジェット記録媒体に用いられる場合、乾燥厚さは好ましくは20から50μmの間であり、一方、例えば、(コーティングされた)原紙の場合のように、基体が溶媒の一部を吸収できる場合、好ましい乾燥厚さは5から30μmの間である。多孔層が多層である場合、様々な層の厚さは達成したい特性に応じて自由に選択することができる。
【0023】
好適な硬化性化合物は、好ましくは水希釈性であって、水溶液を形成するが、水または水溶液中に分散させることもできるか、または懸濁液として存在することができる。安全性の理由だけでなく、健康および環境を考慮し、また経済的観点から、水が最も好ましい溶媒である。多くの硬化性化合物は本来は疎水性であり、透明な溶液を得るために非水性(有機)溶媒を必要とする。不揮発性溶媒は除去するのが困難であり、好ましくなく、一方、揮発性有機溶媒は、膜の乾燥相の間で製造領域において有害な状態をもたらし得るので好ましくなく、従ってその使用は最小限に抑えるべきである。化合物は25℃で少なくとも2重量%の水が硬化性化合物と混合可能(compatible)である場合に水希釈性であると見なされる。好ましくは、水は本発明の硬化化合物と少なくとも10:90の比で混和性である。適切な水希釈性は、透明溶液を得るために必要な共溶媒の量を制限することを可能にする。溶媒は、好ましくは少なくとも30重量%の水、すなわち、70重量%までの共溶媒、さらに好ましくは少なくとも50重量%水を含み、他の極性または非極性共溶媒をさらに含むことができる。水との混和性が、硬化性化合物を完全に溶解させるために十分でない場合、1以上の共溶媒を混合することが望ましい。好ましくは、溶媒は少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、さらに好ましくは少なくとも80重量%の水を含有する。特別の実施形態において、溶媒は水であり、有機共溶媒を含有しない。例えば、10重量%のCN132および27.5重量%のCN435および62.5重量%の水、または21.5重量%のCN132および21.5重量%のCN435および57重量%の水、または60重量%のCN132および40重量%の水、または49.75重量%のCN132、49.75重量%の水および0.5重量%のドデシルトリメチルアンモニウムクロリドは好ましい微多孔マトリックスをもたらし得る。CN132およびCN435はフランスのクレイ・バレイ(Cray Valley)から入手可能な硬化性化合物である。CN132は低粘度脂肪族エポキシアクリレートである。CN435(米国においてSR9035として入手可能)はエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートである。
【0024】
共溶媒として、乾燥により十分に除去できる極性揮発性溶媒が好ましい。好ましい補助溶媒は、低級アルキルアルコール、アルカノン、アルカナール、エステル、またはアルコキシ−アルカンである。低級アルキルとは、アルキル鎖が7未満、好ましくは6未満、さらに好ましくは5未満の炭素原子、最も好ましくは1〜4個の炭素原子を含有することを意味する。1つの実施形態において、溶媒はイソプロパノールと水の混合物である。他の好適な共溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、アセトン、エチルアセテート、ジオキサン、メトキシエタノール、テトラヒドロフラン、エチレングリコールおよびジメチルホルムアミドである。最も好ましいのは、水よりも低い沸点を有する共溶媒である。
【0025】
本発明の硬化性化合物は、例えば、「紫外線および電子線硬化性材料の開発(Development of ultraviolet and electron beam curable materials)」(Y.Tabata、CMC出版、2003)に記載され、これに限定されないが、エポキシ化合物、オキセタン誘導体、ラクトン誘導体、オキサゾリン誘導体、環状シロキサン、またはエチレン性不飽和化合物、例えば、アクリレート、メタクリレート、ポリエン−ポリチオール、ビニルエーテル、ビニルアミド、ビニルアミン、アリルエーテル、アリルエステル、アリルアミン、マレイン酸誘導体、イタコン酸誘導体、ポリブタジエンおよびスチレンから選択することができる。好ましくは、主成分として、(メタ)アクリレート、例えば、アルキル−(メタ)アクリレート、ポリエステル−(メタ)アクリレート、ウレタン−(メタ)アクリレート、ポリエーテル−(メタ)アクリレート、エポキシ−(メタ)アクリレート、ポリブタジエン−(メタ)アクリレート、シリコン−(メタ)アクリレート、メラミン−(メタ)アクリレート、ホスファゼン−(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、およびその組み合わせが用いられる。他の種類の硬化性化合物は、得られる膜のある特性を変更するために主成分と組み合わせることができる。これらの化合物は、モノマー溶液、モノマー懸濁液、モノマー分散液、オリゴマー溶液、オリゴマー懸濁液、オリゴマー分散液、ポリマー溶液、ポリマー懸濁液およびポリマー分散液の形態で使用できる。最も好ましいのは、1以上のアクリレートまたはメタクリレート基、あるいはその組み合わせを含む、一、二または多官能性エチレン性不飽和化合物である。
【0026】
本発明の微多孔膜を得るために、硬化性組成物および加工条件を慎重に選択しなければならない。照射により、硬化性モノマー(またはオリゴマーまたはプレポリマー)は架橋してポリマーを形成する。このプロセスの間、成長するポリマーの溶媒中の溶解度は減少し、その結果、相分離が起こり、ポリマーが溶液から分離する。最後に、ポリマーは微多孔構造を有するネットワークを形成し、ここにおいて、溶媒が孔を満たしている。乾燥により、溶媒は除去され、微多孔膜が残る。膜はその後、洗浄されて、未硬化成分が除去される。任意に、溶媒を乾燥前の洗浄工程により除去する。微多孔膜の最適構造を得るために、硬化性化合物または硬化性化合物の混合物の濃度を慎重に選択することが重要である。濃度が低すぎる(約20重量パーセントより低い)場合、硬化によりネットワーク構造が形成されず、濃度が高すぎる(例えば、80重量パーセントより高い)場合、実験により、多少の均一性ゲル化層が形成され、無孔透明層が乾燥後に得られることが示される。微多孔構造は、迅速な溶媒吸収または高フラックスに必須である。硬化性化合物の濃度または化合物の溶媒中の濃度は、好ましくは20から80重量パーセントの間、さらに好ましくは30から60重量パーセントの間である。硬化性化合物の溶媒中の溶解度は、もう一つの重要なパラメータである。好ましくは、硬化性組成物は透明溶液である。溶媒は、選択された硬化性化合物または化合物混合物が完全に溶解するように選択できる。透明溶液は、高光沢膜が望ましい場合に重要である。艶消し表面が目的とされる場合、白濁溶液を用いることができ、溶媒を対応して選択することができる。一方、相分離が起こるためには、成長ポリマーは溶媒中に不溶性でなければならない。これにより、ある溶媒との組み合わせにおいて選択できる硬化性化合物に制限が課せられる。
【0027】
溶媒を慎重に選択することによって、高MWポリマーでも多孔性膜を実現することができるが、初期化合物と、得られたポリマーとの間の溶解度において大きな差を生じさせ、従って迅速な相分離を得るために、好ましくは、初期化合物の分子量(MW)はあまり大きくない。硬化性モノマーまたはオリゴマーのMWは好ましくは10000ダルトン未満、さらに好ましくは5000ダルトン未満である。1000ダルトン未満のMWを有する化合物で良好な結果が得られる。
【0028】
例えば、エポキシジアクリレート(CN132、クレイ・バレイ(Cray Valley)により供給)の場合、水/イソプロパノール(重量基準で約6:1から約4:1)中の濃度は好ましくは38±15重量パーセント、さらに好ましくは38±10重量パーセント、および最も好ましくは38±5重量パーセントであることが判明した。エポキシジアクリレートの場合の「38」という中央値は、他の硬化性化合物または硬化性化合物の混合物と異なりうる。例えば、エポキシジアクリレートが、より水溶性が高い硬化性モノマーにより部分的に置換されている場合、水/イソプロパノール比および/または硬化性化合物の濃度を増大させることが可能である。
【0029】
モノマー系を変えるか、または溶媒系をかえるか、または添加剤を添加することによっても、中央値を調節することが可能である。例えば、「50」という中央値は、モノマーCN132およびCN435の混合物(1/1比)と水、またはCN132のみと水/イソプロパノール混合物(9/1比)を用いることにより、またはドデシルトリメチルアンモニウムクロリドまたはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの界面活性剤を添加することにより達成することができる。「60」の中央値は、CN132のみと水を用いることにより達成することができる。
【0030】
水中に分散された、もう一つ別のアクリレート、すなわち、ポリウレタン−アクリレートは、エポキシ−ジアクリレートと類似した濃度において硬化後に微多孔膜を形成する。数え切れないほどのモノマーまたはオリゴマーと溶媒混合物の組み合わせが可能であるので、全ての可能な硬化性化合物および溶媒の組み合わせについて、この中央値を予測することは不可能である。しかしながら、このような選択は微多孔膜を得るために必須であることは明らかであるので、当業者は、微多孔膜が得られる所与の硬化性化合物の濃度範囲を容易に決定できる。好適な組み合わせの選択を容易にできる可能な方法は、例えば、欧州特許出願公開第0216622号明細書(EP−A−0216622)(曇り点)および米国特許第3823027号明細書(US−A−3823027)(ハンセン(Hansen)システム)において記載されている。
【0031】
本発明によると、膜は、好ましくは0.001から2.0μmの間の直径を有する実質的な量の孔を含有するならば、「微多孔」と称される。さらに好ましくは、本発明の微多孔膜のほとんどは、0.003から1.0μの間、なおいっそう好ましくは0.01から0.7μmの間のサイズを有する。孔の形状についての選択性はない。孔は球状または不規則であるか、またはその両方の組み合わせであり得る。好ましくは、孔は、迅速な溶媒吸収および高フラックスに貢献するので、相互接続している。
【0032】
膜の湿潤多孔率は、SEM断面像を分析し、20℃の水中での膨潤を測定することにより決定すると、好ましくは5から90パーセントの間である。膜を構成するポリマーの親水性のために、多くの膜は水性溶媒中で膨潤する。湿潤条件が膜の現実的な操作状況であるので、湿潤多孔率が指定される。湿潤多孔率は、次の式により決定される。
(湿潤厚さ/コーティングされた固体量*100%)−100%
乾燥厚さはSEM断面像から決定され、湿潤厚さは、膨潤量を乾燥厚さに加えることにより決定される。膨潤量は、20℃の水中で層を膨潤させ、針を用いて高さの増加を記録することにより決定される。膜が膨潤しない場合、湿潤多孔率は乾燥多孔率と同じである。さらに好ましくは、湿潤多孔率は35から85パーセントの間であり、なおいっそう好ましくは、湿潤多孔率は少なくとも50パーセントである。
【0033】
光開始剤を本発明に従って使用することができ、硬化性化合物の混合物と、好ましくは混合物を支持体に塗布する前に混合することができる。光開始剤は、コーティングされた混合物がUVまたは可視光照射により硬化される場合に必要とされる。好適な光開始剤、例えばラジカルタイプ、カチオンタイプまたはアニオンタイプ光開始剤などは当分野において既知である。
【0034】
ラジカルタイプI光開始剤の例は、α−ヒドロキシアルキルケトン、例えば、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパノン(イルガキュア(Irgacure)(商標)2959:チバ(Ciba))、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(イルガキュア(Irgacure)(商標)184:チバ(Ciba))、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン(サーキュア(Sarcure)(商標)SR1173:サートマー(Sartomer))、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{4−(1−メチルビニル)フェニル}プロパノン](サーキュア(Sarcure)(商標)SR1130:サートマー(Sartomer))、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−tert−ブチル)フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−[4’−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパノン(ダルキュア(Darcure)(商標)1116:チバ(Ciba))、α−アミノアルキルフェノン、例えば、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4’−モルホリノブチロフェノン(イルガキュア(Irgacure)(商標)369:チバ(Ciba))、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノン(イルガキュア(Irgacure)(商標)907:チバ(Ciba))、α,α−ジアルコキシアセトフェノン、たとえば、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン(イルガキュア(Irgacure)(商標)651:チバ(Ciba))、2,2−ジエチオキシ−1,2−ジフェニルエタノン(ウバトーン(Uvatone)(商標)8302:アップジョン(Upjohn))、α,α−ジエトキシアセトフェノン(DEAP:ラーン(Rahn))、α,α−ジ−(n−ブトキシ)アセトフェノン(ウバトーン(Uvatone)(商標)8301:アップジョン(Upjohn))、フェニルグリオキソレート、例えば、メチルベンゾイルホルメート(ダロキュア(Darocure)(商標)MBF:チバ(Ciba))、ベンゾイン誘導体、例えば、ベンゾイン(エサキュア(Esacure)(商標)BO:ランベルティ(Lamberti))、ベンゾインアルキルエーテル(エチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルなど)、ベンジルベンゾインベンジルエーテル、アニソイン、モノおよびビスアシルホスフィンオキシド、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(ルシリン(Lucirin)(商標)TPO:BASF)、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィネート(ルシリン(Lucirin)(商標)TPO−L:BASF)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア(Irgacure)(商標)819:チバ(Ciba))である。
【0035】
タイプII光開始剤の例は、ベンゾフェノン誘導体、例えば、ベンゾフェノン(アディトール(Additol)(商標)BP:ユーシービー(UCB))、4−ヒドロキシベンゾフェノン、3−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,5−ジメチルベンゾフェノン、3,4−ジメチルベンゾフェノン、4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、[4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N,N−トリメチルベンゼンメタナミニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミウムクロリド、4−(13−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)ベンゾフェノン(ウベクリル(Uvecryl)(商標)P36:ユーシービー(UCB))、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニル)オイ]エチルベンゼンメタナミニウムクロリド、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、アントラキノン、エチルアントラキノン、アントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム塩、ジベンゾスベレノン、アセトフェノン誘導体、例えば、アセトフェノン、4’−フェノキシアセトフェノン、4’−ヒドロキシアセトフェノン、3’−ヒドロキシアセトフェノン、3’−エトキシアセトフェノン、チオキサンテノン誘導体、例えば、チオキサンテノン、2−クロロチオキサンテノン、4−クロロチオキサンテノン、2−イソプロピルチオキサンテノン、4−イソプロピルチオキサンテノン、2,4−ジメチルチオキサンテノン、2,4−ジエチルチオキサンテノン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド(カヤキュア(Kayacure)(商標)QTX:日本化薬(Nippon Kayaku))、ジオン、例えば、ベンジル、カンファーキノン、4,4’−ジメチルベンジル、フェナントレンキノン、フェニルプロパンジオン、ジメチルアニリン、例えば、4,4’,4”−メチリジン−トリス(N,N−ジメチルアニリン)、イミダゾール誘導体、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1−2’−ビスイミダゾール、チタノセン、例えば、ビス(エタ−5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス−[2,6−ジフルオロ−3−1H−ピロール−1−イル]フェニル]チタン(イルガキュア(Irgacure)(商標)784:チバ(Ciba)):ヨードニウム塩、例えば、ヨードニウム、(4−メチルフェニル)−[4−(2−メチルプロピル−フェニル)−ヘキサフルオロホスフェート(1−)である。所望により、光開始剤の組み合わせも使用できる。
【0036】
アクリレート、ジアクリレート、トリアクリレートまたは多官能性アクリレートについて、タイプI光開始剤が好ましく、特に、アルファ−ヒドロキシアルキルフェノン、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−tert−ブチル)フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−[4’−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよびオリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{4−(1−メチルビニル)フェニル}プロパノン]、またはアシルホスフィンオキシド、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネートおよびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドが好ましい。好ましくは、光開始剤と硬化性化合物の比は、重量基準で、0.001から0.1の間、さらに好ましくは0.005から0.05の間である。1より多い層が適用される場合、各層の光開始剤の種類および濃度は独立して選択できる。例えば、多層構造において、最上層における光開始剤は、下層における光開始剤と異なってもよく、このことは一つの開始剤が全ての層にわたって適用される場合よりも、より効率的な硬化を、低い開始剤濃度で、もたらすことができる。ある種類の光開始剤は表面の硬化において最も有効であり、一方、他の種類は放射線で照射された場合に、層のより深くまで硬化させることが一般に既知である。下層について、良好な硬化(a good through cure)は重要であり、高効率の硬化のために、最上層において適用される光開始剤のスペクトルと完全には重複しない吸収スペクトルを有する光開始剤を選択することが好ましい。好ましくは、最上層と最下層における光開始剤間の吸収最大値における差は少なくとも20nmである。UV照射が使用される場合、幾つかの波長で発光を有する光源を選択することができる。十分な放射線が下層まで透過して光開始剤を活性化するように、UV光源および光開始剤の組み合わせを最適化することができる。典型的な例は、フュージョンUVシステムズ(Fusion UV Systems)により供給される600ワット/インチの出力を有するHバルブであって、これは220nm、255nm、300nm、310nm、365nm、405nm、435nm、550nmおよび580nm付近で発光極大(emission maxima)を有する。これらのうち、200と450nmの間の発光が硬化反応にとって最も重要である。UV光源のスペクトルと光開始剤のスペクトルの間に十分な重複がある必要があることは明らかである。この方法により、より厚い層を同じ強度の照射で効率的に硬化することが可能になる。さらに、異なる種類の光開始剤特性を適用することにより、光沢および多孔率などの特徴を、1種の光開始剤では可能でないレベルに最適化することができる。
【0037】
硬化性化合物混合物に放射線を与えて、微多孔膜を得る。原則として、光開始剤が存在する場合は光開始剤の吸収スペクトルと適合する限り、または光開始剤を必要とせずに硬化性化合物を直接硬化させるために十分なエネルギーが提供される限り、任意の適した波長を有する(電磁)放射線、例えば、紫外線、可視光線または赤外線を使用することができる。赤外線照射による硬化は、熱硬化とも呼ばれる。従って、エチレン性不飽和モノマーをフリーラジカル開始剤と組み合わせ、混合物を加熱することにより、硬化重合を引き起こすことができる。フリーラジカル開始剤の例は、有機過酸化物、例えば、過酸化エチルおよび過酸化ベンジル、ヒドロペルオキシド(hydroperoxide)、例えば、メチルヒドロペルオキシド、アシロイン、例えば、ベンゾイン、特定のアゾ化合物、例えば、α,α’−アゾビスイソブチロニトリルおよびγ,γ’−アゾビス(γ−シアノ吉草酸)、過硫酸塩、過酢酸塩、例えば、過酢酸メチルおよび過酢酸tert−ブチル、過シュウ酸塩、たとえば、過シュウ酸ジメチルおよび過シュウ酸ジ(tert−ブチル)、ジスルフィド、例えば、ジメチルチウラムジスルフィドおよびケトンパーオキシド、例えば、メチルエチルケトンパーオキシドである。約23℃から約150℃の範囲の温度が一般に用いられる。約37℃から約110℃の範囲の温度がさらに頻繁に使用される。
【0038】
紫外線光による照射が好ましい。適した波長は、光開始剤が存在する場合、光開始剤の吸収波長と波長が適合するならば、例えば、UV−A(440〜320nm)、UV−B(320〜280nm)、UV−C(280〜220nm)である。
【0039】
好適な紫外線光源は、水銀アーク灯、炭素アークランプ、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、渦流プラズマアークランプ、金属ハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、レーザーおよび紫外線発光ダイオードである。特に好ましいのは、中圧または高圧水銀蒸気タイプの紫外線発光ランプである。水銀に加えて、ランプの発光スペクトルを変更するために、金属ハロゲン化物など添加剤が存在してもよい。ほとんどの場合、200から450nmの間の発光極大を有するランプが最も適している。
【0040】
露光装置のエネルギー出力は20から240W/cmの間、好ましくは40から150W/cmの間であるが、所望の照射線量が実現される限り、さらに高くてもよい。露光強度は膜の最終構造に影響を及ぼす硬化の程度を制御するために使用できるパラメータのうちの1つである。好ましくは、放射線量は、高エネルギーUVラジオメーター(EITインスツルメント・マーケッツ(EIT−Instrument Markets)から入手したUVパワーパック(UV Power Puck)(商標))で測定して、その装置により表示されるUV−B範囲において、少なくとも40mJ/cm2、さらに好ましくは40から600mJ/cm2の間、最も好ましくは70から220mJ/cm2の間である。露光時間は自由に選択できるが、長くする必要はなく、典型的には1秒未満である。
【0041】
光開始剤が添加される場合、硬化性化合物は、当分野において既知のように電子線暴露により有利に硬化できる。好ましくは、出力は50から300keVの間である。硬化は、プラズマまたはコロナ露光によっても達成できる。
【0042】
所望であれば、表面張力を調節するために、または良好な光沢など他の目的のために、界面活性剤または界面活性剤の組み合わせを湿潤剤として水性組成物に添加することができる。所望の用途およびコーティングされる基体に応じて、適当な界面活性剤を用いることは当業者の技術範囲内である。放射線硬化性界面活性剤をはじめとする市販の界面活性剤を用いることができる。硬化性組成物における使用に好適な界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、両性界面活性剤およびその組み合わせが挙げられる。好ましい非イオン性界面活性剤としては、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化脂肪族アルコール、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、フルオロアルキルエーテルなどが挙げられる。好ましいイオン性界面活性剤としては、これに限定されないが、次のものが挙げられる。アルキルトリメチルアンモニウム塩であって、アルキル基が8〜22(好ましくは12〜18)の炭素原子を含有するもの、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩であって、アルキル基が8〜22(好ましくは12〜18)の炭素原子、およびエチルスルフェートを含有するもの、およびアルキルピリジニウム塩であって、アルキル基が8〜22(好ましくは12〜18)の炭素原子を含有するもの。界面活性剤はフッ素系または珪素系である。好適なフルオロ界面活性剤の例は:フルオロC2−C20アルキルカルボン酸およびその塩、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸二ナトリウム、3−(フルオロ−C6−C11アルキルオキシ)−1−C3−C4アルキルスルホン酸ナトリウム、3−(オメガ−フルオロ−C6−C8アルカノイル−N−エチルアミノ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)−プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、パーフルオロアルキルカルボン酸(例えば、C7−C13アルキルカルボン酸)およびその塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、Li、KおよびNaパーフルオロC4−C12アルキルスルホン酸塩、Li、KおよびNaN−パーフルオロC4−C13アルカンスルホニル−N−アルキルグリシン、ゾニル(Zonyl)(登録商標)(イー・アイ・デュポン(E.I.DuPont)により製造)の名称で市販され、RfCH2CH2SCH2CH2CO2LiまたはRfCH2CH2O(CH2CH2O)xH(式中、Rf=F(CF2CF23-8であり、x=0〜25である)の化学構造を有するフルオロ界面活性剤、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、2−スルホ−1,4−ビス(フルオロアルキル)ブタンジオエート、1,4−ビス(フルオロアルキル)−2−[2−N,N,N−トリアルキルアンモニウム]アルキルアミノ]ブタンジオエート、パーフルオロC6−C10アルキルスルホンアミドプロピルスルホニルグリシネート、ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エタノールアミノエチル)ホスホネート、モノ−パーフルオロC6−C16アルキル−エチルホスホネート、およびパーフルオロアルキルベタインである。例えば、米国特許第4781985号明細書(US−A−4781985)および米国特許5084340号明細書(US−A−5084340)において記載されているフッ化炭素界面活性剤も有用である。
【0043】
珪素系界面活性剤は、好ましくは、ポリシロキサン、例えば、ポリシロキサン−ポリアルキレンコポリマーである。このようなコポリマーは、例えば、ジメチルシロキサン−メチル(ポリオキシエチレン)コポリマー、ジメチルシロキサン−メチル(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン)シロキサンコポリマー、トリシロキサンとポリエーテルのコポリマーとしてのトリシロキサンアルコキシレート、およびシロキサンとポリプロピレンオキシドのコポリマーとしてのシロキサンプロポキシレートであってよい。シロキサンコポリマー界面活性剤は、当業者に既知の任意の好適な方法により調製することができ、ランダム、交互、ブロック、またはグラフトコポリマーとして調製できる。ポリエーテルシロキサンコポリマーは好ましくは100〜10000の範囲の重量平均分子量を有する。市販されているポリエーテルシロキサンコポリマーの例としては、SILWET DAシリーズ、例えば、SILWET408、560または806、SILWET Lシリーズ、例えば、SILWET−7602またはCOATSILシリーズ、例えば、COATSIL1211(CK WITCOにより製造)、KF351A、KF353A、KF354A、KF618、KF945A、KF352A、KF615A、KF6008、KF6001、KF6013、KF6015、KF6016、KF6017(信越化学(SHIN−ETSU)により製造)、BYK−019、BYK−300、BYK−301、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−325、BYK−330、BYK−333、BYK−331、BYK−335、BYK−341、BYK−344、BYK−345、BYK−346、BYK−348(ビックケミー(BYK−CHEMIE)により製造)、およびGLIDEシリーズ、例えば、GLIDE450、FLOWシリーズ、例えば、FLOW425、WETシリーズ、例えば、WET265(TEGOにより製造)が挙げられる。
【0044】
プリンター輸送能力、耐ブロッキング性および耐水性を改善する目的で、界面活性剤を硬化性組成物に添加することができる、および/または膜の含浸により導入することができる。界面活性剤は、使用される場合は、膜の乾燥重量基準で、好ましくは0.01から2%の間、さらに好ましくは0.02から0.5%の間の量で存在する。好ましくは、界面活性剤は使用される濃度において組成物中に可溶性である。
【0045】
多孔性膜は、放射線への露光により架橋しない、1以上の非硬化性水溶性ポリマーおよび/または1以上の親水性ポリマーも含むことができる。非硬化性水溶性ポリマーを硬化性化合物混合物に硬化の前または後に添加することができる。
【0046】
非硬化水溶性ポリマーを微多孔膜中に含浸により、膜を少なくとも部分的に乾燥した後に、あるいは非硬化性水溶性ポリマー溶液を微多孔膜層上に乾燥前にコーティングすることにより添加し、非硬化性水溶性ポリマーを少なくとも部分的に微多孔膜に浸透させることも可能である。
【0047】
本発明の微多孔膜は100グラムの乾燥層あたり40グラムまでの非硬化性水溶性ポリマーを含むことができる。さらに好ましくは、非硬化性水溶性ポリマーの量は、100グラムの膜あたり、0.5から10グラムの間である。
【0048】
好適な水溶性ポリマーは、例えば、欧州特許出願公開第1437229号明細書(EP−A−1437229)に記載されている。従って、水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール系樹脂であって、親水性構造単位としてヒドロキシ基を有するもの、完全または部分的に加水分解したポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなど、セルロース系樹脂、例えば、アルキルセルロース(メチルセルロース、エチルセルロース)、ヒドロキシアルキルセルロース(ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、カルボキシアルキルセルロース(カルボキシメチルセルロース)など)、デキストリン、カゼイン、アラビアゴム、デキストラン、キチン、キトサン、デンプン、エーテル結合を有する樹脂(ポリオキシエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE)など)、カルバモイル基を有する樹脂(ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸ヒドラジドおよびそのコポリマーまたはターポリマー)、2−ピロリドンのポリマーおよびその誘導体、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドンおよびN−シクロヘキシル−2−ピロリドン、尿素およびその誘導体、例えば、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、2−ヒドロキシエチルエチレン尿素、およびエチレン尿素、ならびに遊離基としてカルボキシル基を有するポリアクリレート、マレイン酸およびクロトン酸樹脂、アルギネート、ゼラチンなどの1以上である。好ましい非硬化性水溶性ポリマーはポリビニルアルコールまたは(部分)ケン化ポリビニルアルコールである。好適なPVAのコポリマー、例えば、PVA−NVFコポリマーは、国際公開第03/054029号パンフレット(WO−A−03/054029)に開示されている。これらの水溶性ポリマーまたはポリマー混合物の量は、好ましくは0.2〜30.0g/m2、さらに好ましくは1.0〜20.0g/m2である。
【0049】
ゼラチンまたは変性ゼラチンも非硬化性水溶性ポリマーとして好ましい。国際公開第2005/032837号パンフレット(WO−A−2005/032837)に記載されている高い等電点を有するゼラチンを用いることができる。国際公開第2005/032386号パンフレット(WO−A−2005/032386)に記載されているような酸タイプゼラチンも有利に適用できる。「変性ゼラチン」なる用語は、本明細書において用いられる場合、NH2基の少なくとも一部が化学的に変性されているゼラチン化合物を意味する。フタル化およびアセチル化ゼラチンなどの様々な変性ゼラチンを用いることができる。ゼラチンのNH2基の少なくとも30%が、特にDE−A−19721238に記載されているような少なくとも1つのカルボン酸基を有する化合物との縮合反応により変性されている場合、良好な結果が得られる。少なくとも1つのカルボン酸基を有する化合物は、第二カルボン酸基などの他の官能基および脂肪族ロングテール(long aliphatic tail)であって、本質的に変性されていないものを有することができる。この点に関してロングテール(long tail)とは少なくとも5から20個までの炭素原子を意味する。この脂肪族鎖は、水溶性およびインク受容性などの特性を調節するためにさらに変性することができる。この種類の特に好ましいゼラチンは、コハク酸変性ゼラチンであって、コハク酸部分が少なくとも5から10の炭素原子の脂肪族鎖を含有するものであり、ここにおいて、鎖は水溶性またはインク受容性を調節するためにある程度までさらに変性することができる。最も好ましいのは、ドデセニルコハク酸変性ゼラチンでの使用であって、ここにおいて、前記ゼラチンのNH2基の少なくとも30%は前記ドデセニルコハク酸で変性されている。
【0050】
変性ゼラチンを得るための他の好適な方法は、欧州特許出願公開第0576911号明細書(EP−A−0576911)、V.N.Izmailovaら(Colloid Journal、第64巻、5号、2002年、640〜642ページ)、およびO.Toledanoら(Journal of Colloid and Interface Science 第200巻、1998年、235〜240ページ)に記載されている。
【0051】
良好な結果をもたらす他の好適な変性ゼラチンは、第四アンモニウム基を有するように変性されたゼラチンである。このようなゼラチンの一例は、クロダ・コロイズ社(Croda Colloids Ltd.)により製造される「クロクアット(Croquat)(商標)」ゼラチンである。
【0052】
変性ゼラチンの出発点として使用できるゼラチンは、石灰処理または酸処理されているかどうかに関係なく任意の既知ゼラチンを含み、例えば、石灰処理されたブタ、ウシまたは魚の骨または皮革ゼラチン、組み換えゼラチン、またはその組み合わせからなる群から選択することができる。
【0053】
非硬化性水溶性ポリマーの添加は、微多孔膜の親水性を増加させる働きをする。増加した親水性とは、多孔膜のぬれ性が改善されて、より良好な溶媒吸収をもたらすことを意味する。ぬれ性は、50ピコリットルの脱塩水を膜の1cm上方から滴下し、液滴が膜に触れた1ミリ秒後で接触角を測定することにより測定される。この測定は25℃、1気圧で行われる。好ましくは、本方法により測定される接触角は80°未満、好ましくは5°から50°の間である。
【0054】
非硬化性水溶性ポリマーに加えて、層中の非硬化性水溶性ポリマーの量に基づいて、20重量パーセントまで、好ましくは0.5から5重量パーセントの架橋剤を添加することができる。好適な架橋剤は欧州特許出願公開第1437229号明細書(EP−A−1437229)に記載されている。従って、架橋剤は1以上のアルデヒド系化合物、例えば、ホルムアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒドなど;ケトン系化合物、例えば、ジアセチル、シクロペンタンジオンなど;活性化ハライド、例えば、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジンナトリウム塩など;活性化ビニル化合物、例えば、ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセトアミド);1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジンなど;N−メチロール化合物、例えば、ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダントインなど;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;イソシアネート化合物、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなど;米国特許第3017280号明細書(US−A−3017280)および米国特許第2983611号明細書()US−A−2983611に記載されているアジリジン化合物;米国特許第3100704号明細書(US−A−3100704)に記載されているカルボキシイミド化合物;エポキシ系化合物、例えば、グリセロールトリグリシジルエーテルなど;エチレンイミノ系化合物、例えば、1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素など;ハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物、例えば、ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸など;ジオキサン系化合物、例えば、2,3−ジヒドロキシジオキサンなど;金属含有化合物、例えば、乳酸チタン、硫酸アルミニウム、クロミウムアルム、カリウムアルム、酢酸ジルコニル、酢酸クロムなど;ポリアミン化合物、例えば、テトラエチレンペンタミン;ヒドラジド化合物、例えば、アジピン酸ジヒドラジド;2以上のオキサゾリン基を有する低分子量化合物またはポリマーなどであり、単独または組み合わせにおいて用いることができる。
【0055】
1つの実施形態において、少なくとも2つの混合物であって、その少なくとも1つが硬化性化合物混合物であるものを基体上にコーティングし、その後、硬化および乾燥の結果、少なくとも最上層と、最上層の下に位置する、すなわち、最上層よりも基体に近い、少なくとも最下層と、を含む膜が得られる。少なくとも最上層、好ましくは最下層も、本発明の微多孔膜を含む。2層膜構造に関して、最下層は好ましくは3から50μmの間、好ましくは7から40μmの間、最も好ましくは10から30μmの間の乾燥厚さを有し、最上層は好ましくは1から30μmの間、好ましくは2から20μmの間、最も好ましくは4から15μmの間の乾燥厚さを有する。膜が記録媒体として用いられる場合、最上層は好ましくは着色剤定着層であり、最下層は溶媒収容層である。
【0056】
もう一つ別の実施形態において、基体は少なくとも3層でコーティングされ、その少なくとも1層、好ましくは、最上(外)層は硬化性化合物混合物である。基体に塗布された後、少なくとも3層を含む膜の硬化および乾燥を行い、この3層はこの時、3から50μm、好ましくは5から40μm、最も好ましくは7から30μmの間の乾燥厚さを有する少なくとも1つの最下層、1から30μmの間、好ましくは2から25μmの間、最も好ましくは1から30μmの間の乾燥厚さを有する少なくとも1つの中間層、および前記中間層上の少なくとも1つの最上層を含む。最上層は好ましくは10μm未満、好ましくは0.1から8μmの間、最も好ましくは0.4から4μmの間の乾燥厚さを有する。
【0057】
好ましい実施形態において、基体は2、3、またはそれ以上の硬化性化合物混合物でコーティングされ、その後、硬化させ、乾燥させて、その結果微多孔膜が得られる。前記混合物は、達成したい結果に応じて同一または異なる組成を有し得る。さらに、硬化性化合物混合物は同時にコーティングし、次いで硬化させることができるか、あるいは連続してコーティングし、硬化させることができる。連続的とは、第一混合物がコーティングされ、次いで硬化され、第二混合物がコーティングされ、次いで硬化されるなどを意味する。後者の状況において、第二混合物の少なくとも一部が第一層に浸透すると思われ、得られる膜の孔がブロックされないように注意を要する。好ましくは、混合物は化学的に異なり、同時に塗布される。
【0058】
好ましくは、少なくとも最上層および前記最上層の下の層、さらに好ましくは本発明の微多孔膜を含む全ての層は溶媒を吸収できる有機または無機粒子を本質的に含まない。本質的にとは、本明細書において、溶媒吸収または光沢の低下に対して大きな影響を及ぼさないような粒子の量または位置を意味する。0.1g/m2未満の量は、本質的にないと見なされる。例外は、艶消剤であり、これは過度に滑らかな表面により生じるブロッキングなどの取り扱いの問題を防止するために添加され、好ましくは膜の最上層に添加される。通常、微多孔層の合計固形分の0.5重量%未満が艶消剤により形成される。
【0059】
幾つかの印刷されたインクジェット媒体が積層される場合に、摩擦を減少させ、画像転写を防止するために、最上層において艶消剤(ブロッキング防止剤としても知られる)を添加することが望ましい。非常に好適な艶消剤は、1〜20μm、好ましくは2から10μmの間の粒子サイズを有する。艶消剤の量は、0.005〜1g/m2、好ましくは0.01〜0.4g/m2である。ほとんどの場合、0.1g/m2未満の量で十分である。艶消剤は、水性組成物中に分散できる無機または有機物質の粒子として定義できる。無機艶消剤としては、酸化物、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウム、アルカリ土類金属塩、例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、および硫酸マグネシウム、およびガラス粒子が挙げられる。有機艶消剤としては、デンプン、セルロースエステル、例えば、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースエーテル、たとえば、エチルセルロース、および合成樹脂が挙げられる。合成樹脂は、水不溶性またはやや溶けにくいポリマー、例えば、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、オレフィン、例えば、エチレン、スチレン、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリビニルカルバゾールまたはポリ塩化ビニリデンが挙げられる。
【0060】
1つの実施形態において、本発明の微多孔膜およびポリビニルアルコールおよび/または変性ポリビニルアルコールおよび/またはゼラチンおよび/または変性ゼラチンを含む外層、ならびに、任意に、本発明の微多孔膜およびポリビニルアルコールおよび/または変性ポリビニルアルコールおよび/またはゼラチンおよび/または変性ゼラチン、例えば、「クロクアット(Croquat)(商標)」、または前記の変性ゼラチンの1つを含む着色剤定着層を有する画像記録媒体が製造され、前記着色剤定着層は外層と基体の間に位置する。
【0061】
一般に、本発明の微多孔膜は、1以上の可塑剤、例えば、(ポリ)アルキレングリコール、グリセロールエーテルおよび低Tg値を有するポリマー格子、例えば、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレートなどおよび/または1以上の通常の添加剤、例えば、欧州特許出願公開第1437229号明細書(EP−A−1437229)および欧州特許出願公開第1419984号明細書(EP−A−1419984)、および国際公開第2005/032832号パンフレット(WO−A−2005/032832)、国際公開第2005/032834号パンフレット(WO−A−2005/032834)、および国際公開第2006/011800号パンフレット(WO−A−2006/011800)に記載されているもの、例えば、酸、媒染剤、殺生物剤、pH調節剤、保存料、粘度修飾剤、cq安定剤、分散剤、UV吸収剤、光沢剤、酸化防止剤、光安定剤、静電防止剤および/またはアニオン性、カチオン性、非イオン性、および/または両性界面活性剤、増白剤、開始剤、阻害剤、ぶれ防止剤、消泡剤、カール防止剤、耐水性付与剤などを達成されるべき目的に応じてさらに含むことができる。
【0062】
前記添加剤(可塑剤、通常の添加剤)は、当業者に既知のものから選択することができ、好ましくは0.01〜10g/m2の範囲で添加することができる。前記の成分のいずれかを単独または相互に組み合わせて用いることができる。これは、水中に可溶化、分散、ポリマー分散、乳化、油滴に変換後に添加することができるか、あるいはマイクロカプセル中に封入することができる。
【0063】
添加剤の添加は、非常に層特異的であり得る。例えば界面活性剤は、好ましくは少なくとも最上層中に添加される。例えば媒染剤は、好ましくは着色剤定着層または記録媒体の最上層中に添加され、層内での着色剤の拡散、または、不鮮明さを引き起こし得る下層への拡散を防止する。最も好ましくは、媒染剤は、着色剤定着層中にのみ添加される。媒染剤の量は、好ましくは0.01g/m2〜5g/m2、さらに好ましくは0.25g/m2〜4g/m2である。
【0064】
さらなる実施形態において、溶媒吸収能力を向上させるために、超吸収ポリマー(SAP)を用いることができる。本発明において、SAPは、その吸水容量がその乾燥重量の50〜1000倍であるポリマーとして定義される。吸水は、25℃、1気圧で、脱塩水中にSAP粒子を24時間浸漬することにより測定され、24時間後の重量を測定し、浸漬前の重量と比較する。超吸収体の例は、特開昭57−173194号公報(JP57−173194)および特開昭58−024492号公報(JP58−024492)に記載されている。超吸収体は、さらに詳細には、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸リチウム、ポリアクリル酸カリウム、ビニルアルコール−アクリルアミドコポリマー、アクリル酸ナトリウム−アクリルアミドコポリマー、セルロースポリマー、イソブチレン−マレイン酸無水物コポリマー、ビニルアルコール−アクリル酸コポリマー、変性ポリエチレンオキシド、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩、ポリアクリレート第四アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸リチウム、ポリメタクリル酸カリウム、ビニルアルコール−メタクリルアミドコポリマー、メタクリル酸ナトリウム−アクリルアミドコポリマー、アクリル酸ナトリウム−メタクリルアミドコポリマー、メタクリル酸ナトリウム−メタクリルアミドコポリマー、ビニルアルコール−メタクリル酸コポリマー、ポリメタクリレート第四アンモニウム塩から選択することができ、このうち、ポリアクリル酸および/またはその塩、ポリメタクリル酸および/またはその塩、アクリルアミドおよびポリアクリル酸および/またはその塩のコポリマー、アクリルアミドおよびポリメタクリル酸および/またはその塩のコポリマーが好ましい。
【0065】
超吸収体は、好ましくは、その粒子サイズが好ましくは0.01〜10マイクロメートル、さらに好ましくは0.02〜5マイクロメートル、最も好ましくは0.03〜2μmである有機ポリマー粒子として添加される。使用される量は、好ましくは1〜70g/m2、さらに好ましくは2〜50g/m2、最も好ましくは3〜30g/m2である。
【0066】
SAPを好ましくは微多孔外層の下の別の層中に添加することができる。
【0067】
支持体として、プラスチックなどの透明物質からなる透明支持体のいずれか、および紙などの不透明物質からなる不透明または反射性支持体を使用できる。
【0068】
記録媒体の透明支持体において用いることができる物質として、透明で、OHPおよび背面照明ディスプレイにおける使用に際して放射熱に対抗する性質を有する物質が好ましい。物質の例としては、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミドなどが挙げられる。特に、ポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。透明支持体の厚さは特に限定されないが、50〜200μmが取扱適性の観点から好ましい。
【0069】
高光沢を有する不透明支持体として、5%以上、好ましくは15%以上の光沢を有する、その上に着色剤受容層が設けられる表面を有する支持体が好ましい。光沢は、75°で支持体の反射表面光沢の試験法に従って得られる(TAPPI T480)。
【0070】
実施形態は、高光沢を有する紙支持体、例えば、樹脂コート(RC)紙、アートペーパーにおいて用いられるバライタ紙、コート紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体など;白色顔料などを含有させて、ポリエチレンテレフタレート(PET)、セルロースエステル、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミドなど(表面をカレンダー処理に付すことができる)の不透明プラスチックフィルムを製造することにより高光沢を有するフィルム;あるいは白色顔料を含有するか、または含有しないポリオレフィンの被覆層が前記の様々な紙支持体の表面上に設けられた支持体を含み、前記透明支持体またはフィルムは白色顔料などを含有する。
【0071】
好適な実施形態の例としては、白色顔料含有膨張ポリエステルフィルム(例えば、膨張PETであって、ポリオレフィン微粒子を含有し、延伸により空隙が形成されているもの)が挙げられる。不透明支持体の厚さは、特に制限されないが、50〜300μmが取扱適性の観点から好ましい。
【0072】
すでに記載されるように、記録媒体の重要な特性は光沢である。光沢は、好ましくは、ドクターランジェ・レフォ3−D(Dr.Lange Refo 3−D)(商標)反射率計により測定すると、20°で20%より大きく、さらに好ましくは30%より大きい。媒体の光沢は、使用される支持体の適当な表面粗さを選択することにより改善できることが判明している。Ra値が1.0μm未満、好ましくは0.8μmより低いことにより特徴づけられる表面粗さを有する支持体を提供することにより、非常に光沢のある媒体を得ることができることが判明した。低いRa値は、滑らかな表面を示す。RaはDIN4776(次の設定のソフトウェアパッケージバージョン1.62:(1)点密度500P/mm(2)面積5.6×4.0mm2(3)カットオフ波長0.80mm(4)速度0.5mm/s)にしたがって、UBM装置を用いて測定される。
【0073】
紙が本発明の支持体として使用される場合、紙は、高品質印刷紙において通常用いられる物質から選択される。一般に、天然木材パルプベースであり、所望により、充填剤、例えばタルク、炭酸カルシウム、TiO2、BaSO4などを添加することができる。一般に、紙は内部サイジング剤、例えば、アルキルケテンダイマー、高級脂肪酸、パラフィンワックス、アルケニルコハク酸、例えば、キメン、エピクロルヒドリン脂肪酸アミドなども含有することができる。さらに、紙は乾湿増強剤、例えば、ポリアミン、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリエピクロルヒドリンまたはデンプンなどを含有することができる。さらに、紙中の添加剤は、定着剤、例えば、硫酸アルミニウム、デンプン、カチオン性ポリマーなどであり得る。通常のグレードの原紙のRa値は、通常、2.0μmより低く、典型的には1.0から1.5μmの間の値を有する。本発明の多孔質層または、その少なくとも1つが本発明の微多孔層を含む層をこの原紙に直接付与することができる。
【0074】
1.0μmより低いRa値を有する原紙を得るために、このような通常グレードの原紙を顔料でコーティングすることができる。任意の顔料を使用できる。顔料の例は、炭酸カルシウム、TiO2、BaSO4、クレー、例えば、カオリン、スチレン−アクリルコポリマー、Mg−Al−シリケートなどまたはその組み合わせである。量は、0.5から35.0g/m2の間、さらに好ましくは2.0から25.0g/m2の間である。紙の片面または両面をコーティングすることができる。前記の量は、片面にコーティングされる量である。両面がコーティングされるならば、合計量は、好ましくは4.0から50g/m2の間である。この着色コーティングを水中顔料スラリーとして、適当なバインダー、例えば、スチレン−ブタジエンラテックス、スチレン−アクリレートラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエンラテックス、ポリビニルアルコール、変性デンプン、ポリアクリレートラテックスまたはその組み合わせとともに、当分野において既知の任意の技術、例えば、ディップコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、バーコーティング、サイズプレスまたはフィルムプレスにより塗布できる。顔料コート原紙は任意でカレンダー加工することができる。表面粗さは、使用される顔料の種類および顔料とカレンダー加工の組み合わせにより影響を受け得る。顔料コート原紙基体は好ましくは0.4から0.8μmの間の表面粗さを有する。スーパーカレンダー加工により表面粗さがさらに減少して0.4μmより低い値になるならば、厚さおよび剛性の値は一般にかなり低くなるであろう。
【0075】
本発明の多孔質層、または複数の層であってその少なくとも1つが本発明の微多孔層を含むものを顔料コート原紙に直接付与することができる。
【0076】
別の実施形態において、顔料コート原紙であって、着色された上面および裏面を有するものに、高温共押出により両面上にポリマー樹脂が設けられ、積層顔料コート原紙を得る。典型的には、この(共)押出法における温度は280℃よりも高いが、350℃よりも低い。使用される好ましいポリマーは、ポリオレフィン、特にポリエチレンである。好ましい実施形態において、上面のポリマー樹脂は、不透明白色顔料、例えば、TiO2(アナターゼまたはルチル)、ZnOまたはZnS、色素、着色顔料、例えば、青味剤、例えば、ウルトラマリンまたはコバルトブルー、接着促進剤、蛍光増白剤、酸化防止剤などを積層顔料コート原紙の白さを改善するために含む。白色顔料以外を用いることにより、様々な色の積層顔料コート原紙を得ることができる。積層顔料コート原紙の合計重量は、好ましくは80から350g/m2の間である。積層顔料コート原紙は非常に良好な滑らかさを示し、その後、本発明の多孔質層または1または複数の本発明の多孔質層を含む複数の層を付与すると、その結果、優れた光沢を有する記録媒体が得られる。
【0077】
一方、製造しようとする製品に応じて、当分野において周知のものなど、マットな表面または絹のような表面を有するポリエチレンコーティング紙を使用できる。このような表面は、ポリエチレンを紙基体上に押し出す際にエンボス処理を行うことにより得られる。
【0078】
前述の説明から明らかなように、本発明の微多孔層を含む記録媒体は、支持体上に付与された単層または多層であり得る。本発明の微多孔層を含む記録媒体は、無孔であり、微多孔層の下に位置する層も含むことができる。
【0079】
本発明の微多孔層を含む膜は、好ましい孔サイズ、および多孔率が得られる限り、単一工程または連続工程で製造することができる。
【0080】
コーティング法として、任意の方法を使用できる。例えば、カーテンコーティング、押出コーティング、エアナイフコーティング、スライドコーティング、ロールコーティング法、リバースロールコーティング、ディップコーティング、ロッドバーコーティング。このコーティングは使用される実施形態に応じて、同時に、または連続して行うことができる。
【0081】
コーティングを前記支持体物質の表面に塗布する前に、ぬれ性および接着性を改善する目的で、この支持体をコロナ放電処理、グロー放電処理、フレーム処理、紫外線処理などに付すことができる。
【0082】
所望により、例えば、印刷機におけるカールまたはブロック挙動または輸送能力特性を改善するために、1以上のコーティング層を支持体の裏面、すなわち、微多孔膜が接着される面と反対の面に付与することができる。これらの裏面コーティング層は、ポリマーバインダーおよび粒子またはビーズを含有することができ、所望のレベルの滑らかさおよび光沢が得られる様な方法で構成することができる。
【0083】
記録媒体として使用される場合、本発明の膜は、多数の記録用途に使用できるので、例えば、ジクレー印刷、カラーコピー、スクリーン印刷、グラビア、染料昇華、フレキソグラフィー、インクジェットなどの技術を使用することにより、高品質の画像を形成するために好適な記録媒体を提供することは本発明の範囲内に含まれる。
【0084】
(インクジェット)記録媒体における用途を除いて、微多孔膜は、水処理用膜、塗料のエレクトロコーティングにおける限外濾過処理用、食品産業において、例えば、チーズの製造プロセスにおいて、フルーツジュースおよびビール製造における透明化、有機溶媒用高抵抗膜が必要とされる製薬産業において、および特にタンパク質による汚染のためのフラックスの減少が回避されることが必要とされるバイオテクノロジー産業においてなど、様々な他の用途において使用できる。本発明の微多孔膜の親水性のために、膜の汚染速度が著しく減少し、通常の精密濾過および限外濾過が適用されるあらゆる種類の他の用途に好適になる。
【0085】
本発明を以下の非制限的実施例によりさらに詳細に説明する。特に記載しない限り、全ての比は重量基準である。
【実施例】
【0086】
コーティング組成物の調製:
【表1】

【表2】

【0087】
記録媒体の調製
組成物A、B、D〜Mをポリエチレン積層原紙上にコーティングし、これは、スライドビーズコーターを用いて同時に(適用可能ならば)コーティング層を塗布する前に、コロナ放電処理に付した。
【表3】

【0088】
多孔性
湿潤多孔率は次の式により決定される。
(湿潤厚さ/コーティング固形分*100%)―100%
乾燥厚さはSEM断面像から決定され、湿潤厚さは膨潤量を乾燥厚さに加えることにより決定される。膨潤量は、層を20℃の水中で膨潤させ、針を使って高さの増加を記録することにより決定される。湿潤厚さは操作上の多孔率であるので指標とされる。
【0089】
乾燥速度
この試験のために、エプソンPM−G820(EPSON PM−G820)(商標)プリンターを使用した。4cm×4cm四方を高密度で黒色に印刷した。印刷が終了した直後に、四隅を指で媒体の白い部分へ向かって拭いた。結果を次の基準に従って判断した。
基準A:汚れは全くない
B:非常にわずかの汚れ、実際的な問題はない
C:若干の汚れ
D:ひどい汚れ、許容できない
【0090】
光沢
光沢は、DR LANGEにより供給されるレフォ3−D反射率計(REFO 3−D REFLEKTOMETER)(商標)を用いて20°で測定される。
【0091】
耐オゾン性
耐オゾン性は、1.0、1.5、および2の初期密度の黒、シアン、黄色およびマゼンダパッチを有する試験画像を0.5ppmのオゾンに48時間さらすことにより測定される。耐オゾン性は、次の基準を用いて視覚的に判断される。
A 非常に良好で、ほとんど退色がない
B 良好
C 許容できる
D 悪い
E プリントは悪すぎて判断できない
【表4】

【0092】
前記実施例R−1およびR−2は、EB線およびUV線はどちらも本発明の多孔質膜を製造するために好適であることを示す。
【0093】
実施例R−3およびR−4は、高光沢を有する膜を製造する方法を示す。少量の界面活性剤およびメタクリレートを添加することにより、光沢のある表面が得られる。
【0094】
最適濃度は、実施例R−5およびR−6において例示されるように、20から80重量パーセントの間、好ましくは30から60重量パーセントの間にあり、これらの実施例において、硬化性化合物の濃度がそれぞれ低すぎる場合および高すぎる場合に多孔質膜は形成されない。
【0095】
実施例R−7はR−2およびR−6の利点を二層構造物中に組み合わせる。
【0096】
実施例R−1〜R−7において、硬化性化合物CN132が使用され、実施例R−8〜R−13において、すべて良好な多孔性をもたらす他のモノマーが適用される。各化合物または化合物の組み合わせに関して、溶媒混合物を最適化して、水とイソプロピルアルコールの最も好適な比を見つける必要がある。
【0097】
実施例R−3、R−4、およびR−7は光沢のあるインクジェット記録媒体として最も適している。実施例R−1、R−2、およびR−8〜R−13は光沢がなく、マットインクジェット記録媒体として用いることができるが、これらは多くの膜用途におけるように乾燥速度(または溶媒フラックス)が非常に重要である他の用途に好適である。
【0098】
これらの実施例は、高い製造速度を可能にする主溶媒として水を使用する単純な方法であって、環境にやさしく、安全な(爆発しない)製造を保証するために高価な出資を必要としない方法で高多孔性を有する膜を製造することが可能であることを証明する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微多孔膜を製造する方法であって、
少なくとも1種の硬化性化合物および溶媒の混合物を準備する工程であって、ここにおいて、硬化性化合物の濃度は、20重量パーセントから80重量パーセントの間であり、前記溶媒の少なくとも30重量パーセントは水である工程と、
前記混合物を支持体に塗布する工程と、
放射線に暴露することにより前記硬化性化合物混合物を硬化させ、これにより架橋した硬化性化合物と溶媒の間に相分離を引き起こす工程と、
得られた微多孔膜を乾燥および/または洗浄することにより前記溶媒を除去する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
前記微多孔膜が、溶媒を吸収できる有機および無機粒子を本質的に含まない、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒の少なくとも50重量パーセントが水である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記膜が、0.001から2.0マイクロメートルの間の平均直径を有する孔を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒が、水よりも低い沸点を有する1以上の揮発性共溶媒を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記硬化性化合物が10000ダルトン未満のMWを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記硬化性化合物が、1以上のアクリレート基またはメタクリレート基を含むエチレン性不飽和化合物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記微多孔膜が、化学的に異なる組成を有する少なくとも2層を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記放射線が、200から450nmの間の主な発光を有する放射線源により生成する電磁放射線である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
支持体および請求項1〜9のいずれか一項に従って製造される微多孔膜を含む記録媒体。
【請求項11】
前記支持体が、背面照明用途に適した透明な支持体であり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリイミド、ポリカーボネートおよびポリアミドからなる群から選択される、請求項10に記載の媒体。
【請求項12】
前記支持体が反射支持体であり、紙支持体、プラスチックフィルムおよび任意で白色顔料を含有するポリオレフィンの被覆層が設けられた支持体からなる群から選択される、請求項10に記載の媒体。
【請求項13】
ジクレー(Giclee)印刷、カラーコピー、スクリーン印刷、グラビア、染料昇華、フレキソグラフィー、および/またはインクジェット印刷を用いて、その上に画像または文字を印刷するための、支持体および、請求項1〜9のいずれか一項にしたがって製造された微多孔膜を含む媒体の使用。

【公表番号】特表2008−534709(P2008−534709A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502934(P2008−502934)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際出願番号】PCT/NL2006/000154
【国際公開番号】WO2006/101390
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(505232782)フジフィルム マニュファクチャリング ユーロプ ビー.ブイ. (50)
【Fターム(参考)】