説明

微細構造化表面を有するイオン交換システム構造、その製造方法及び使用方法

表面とレーザとの相互作用を利用して、イオン交換システム構造の表面を粗加工する方法。レーザによる表面粗加工プロセスによって、細かい繊維状構造に製造できない種類のものを含む、金属、セラミック、シリケート、ポリマーなどのような広範な基材を使用できるようになる。表面が粗加工されたイオン交換システム構造は、大きい交換表面積が望ましい、燃料電池、バッテリー、及び他の触媒システムなどの用途におけるイオン交換媒体として利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術分野は、イオン交換システム構造における微細構造化(microtextured)表面、及びそれを形成するための方法に関する。微細構造化されたイオン交換システム構造は、燃料電池、バッテリー、センサ、電解槽などをはじめとする、電気化学的装置において利用することができる。
【背景技術】
【0002】
背景
燃料電池、バッテリー、センサ、電解槽及び他の触媒システムなどの用途において利用されるイオン交換媒体に望まれる特徴は、システム全体の寸法及び重量を最小限に抑えながら、最大の交換表面積を達成できる能力である。種々のシステム設計の性能を比較する際に用いられる重要な測定基準は、システム容積に対する交換面積の比である。例えば、燃料電池の場合、電解質、反応物及び触媒表面間の接触面積が増加する結果として、単位時間当たりの反応の回数が増加するようになる。それゆえ、表面積を増加させる方法の開発は、イオン交換による技術を改善する場合に非常に重要である。表面積を増加させる一般的な方法は、3つの部類、即ちマイクロファイバー、多孔性材料、及び粗加工表面もしくは微細構造化表面のうちの1つに分類される。
【0003】
最後に挙げた部類に関しては、ナノスケールの粗加工表面を生成するために既知の方法はプラズマプロセスである。しかしながら、このプロセスは高温及び高圧を要し、それはある種の基材に損傷を与える可能性がある。粗加工表面を生成する他の方法には、表面に対して砂又は他の微粒子を衝突させること、又は基材上に載せられた研削材;例えば研削砥石及び研磨紙を利用することが含まれる。しかしながら、これらのプロセスにより増加する表面積は限られており、また、汚染(contamination)に関連する問題を伴う。
【0004】
燃料電池、バッテリー、センサ及び電解槽などの触媒システムでは、イオン交換膜に通常連続又は不連続の触媒層をコーティングすることにより、化学反応の速度を向上させる。一般に使われる触媒としては、プラチナ(Pt)及びPt合金、バナジウム(V)及びV合金、二酸化チタン、鉄、ニッケル、リチウム及び金が挙げられる。
【0005】
燃料電池は、燃料と酸化剤との化合により生成される化学エネルギーを触媒の存在下で電気エネルギーに変換する、電気化学装置である。燃料は負の極性を有する燃料極に供給され、酸化剤は逆に正の極性を有する空気極に供給される。2つの電極は電解質によって燃料電池内で接続されており、燃料極から空気極にプロトンが送られる。電解質は、酸性もしくはアルカリ性溶液か、又は高いイオン伝導性によって特徴付けられる固体ポリマーイオン交換膜とし得る。固体ポリマー電解質は、多くの場合、プロトン交換膜(PEM)と呼ばれる。
【0006】
最も簡単で、最も一般的なタイプの燃料電池は、酸電解質を利用するものである。燃料極触媒層において水素がイオン化され、プロトンが生成される。そのプロトンは、電解質を通って燃料極から空気極に移動する。空気極触媒層では、酸素がプロトンと反応して水が形成される。このタイプの燃料電池における燃料極及び空気極反応は以下の式で知られている。
燃料極反応(燃料側):2H→4H+4e (I)
空気極反応(空気側):O+4H+4e→2HO (II)
正味の反応 :2H+O→2HO (III)
【0007】
目標は、前記式において示される、最大限のエネルギーを生成するために完全に水素を酸化することである。しかしながら、酸化及び還元反応を有用な速度で進行させるためには、触媒が必要である。あらゆる燃料電池のエネルギー効率は燃料電池の燃料極及び空気極において必要とされる過電圧によって部分的に決定されるので、触媒は重要である。触媒の不存在下では、一般的な電極反応は、仮に生じるとしても、非常に高い過電圧においてのみ生じる。
【0008】
一般的な燃料電池、そして実際にあらゆるイオン交換システムの基本的要件のうちの1つは、電極に容易に到達できることと、反応のための表面積が大きいことである。この要件は、燃料電池内の流体反応物及び生成物に対して電極を透過性とする、導電性の多孔性基材から形成された電極を利用することによって満たすことができる。反応のための表面積を大きくするために、触媒も多孔性基材内に充填するか、又は基材上に付着させることができる。
【0009】
しかしながら、これらの変性は、脆弱な多孔性電極に帰着し、それは機械的支持をさらに必要とする。1つの代替案は、固体基材上に多孔性コーティングを焼結し、その多孔性コーティングを触媒で満たすか、又は多孔性コーティングにさらに触媒をコーティングすることである。しかしながら、この焼結プロセスは、高温で焼くことを必要とする複数のステップからなる手順である。
【0010】
Hockadayに付与された米国特許第6,326,097号では、表面複製技術(surface replica technique)を用いて、マイクロ燃料電池内の膜上に「卵包装用箱(egg crate)」構造を形成する。触媒及び金属電極を膜の表面上に適用し、その後、触媒及び電極表面がその構造を複製するように膜をエッチングする。この手順は複雑であり、計画性のないエッチングと、数多くの別個の作業とを必要とする。
【0011】
他は、電極の実効的な表面積を増加させるためにシリコンの微細加工(micro machining)を利用している(Lee, S. J. et al., Miniature Fuel Cell with Non-Planar Interface by Microfabrication. In: Power Source for the New Millenium, Jain, M.et al.(eds.), Proceedings Volume 2000-22, The Ion exchange Society Proceeding Series, Pennington, NJ, 2000)。シリコンのエッチングは、非常に時間がかかる工程である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
概要
レーザと表面との相互作用を用いて、イオン交換システム構造の表面におけるイオン生成を促進するプロセスを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一実施形態では、電極基材の表面に、その基材のアブレーション閾値に近いレーザ照射が適用され、円錐状及び繊維状構造をはじめとする種々の形状が形成される。他の実施形態では、イオン交換膜システム内の電極表面にレーザ照射が適用され、その表面の一部を溶融、沸騰又は急冷し、その表面に粗い多孔性の層が形成される。さらに他の実施形態では、レーザによって粗加工された表面上で又はレーザによって粗加工された内側表面を有する型内で溶液を凝固させるか、又はレーザによって粗加工された表面をイオン交換膜基材に型押しすることにより、粗加工表面を有するイオン交換膜を作製する。
【発明の効果】
【0014】
レーザ照射は、電極の製造後に電極表面に適用することができ、それゆえ、表面の損傷及び/又は汚染の度合いが低減する。その粗さは、レーザビームが表面に衝突する場所においてのみ形成されるため、表面粗さをパターニングして、非常に厳密な位置精度を有する特定の用途に適合させることができる。さらに、レーザ粗加工操作は、バッチ処理又は連続ウエブ上といった、比較的大規模生産可能なプロセスによって、周囲環境下で迅速に実施することができる。
【0015】
レーザによる表面粗加工プロセスによって、細かい繊維状構造には製造することができない種類のものも含め、ポリマー、セラミック、シリケートなどの広範な電極基材を利用できるようになる。レーザ粗加工方法を用いることによって、不織の固体複合物を製造するために必要とされる複数のステップからなる処理とは対照的に、1つのステップで拡大された表面積を形成するように固体薄膜を処理することができる。表面が粗加工された電極は、大きい交換表面積が望ましい燃料電池、バッテリー及び他の触媒システムなどの用途におけるイオン交換システムに利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
詳細な説明では、添付の図面を参照するが、それらにおいては、同様の符号は同様の構成要素を意味している。
【0017】
詳細な説明
レーザ照射と材料との相互作用は、材料の表面及び表面付近の形状の大きな変化に帰着する。表面変化を引き起こし得る多数の機構が存在する。その例には、接触又は投影マスクを用いてビームをイメージングすることによる選択的アブレーション、アブレーションによって誘起される錐体形成、多相材料からなるマトリクスの優先的アブレーション、粒界の優先的エッチング、表面材料の沸騰及び急速凝固、並びに他の機構が挙げられる。適切に制御される場合、これらの処理によって生じる3次元表面トポグラフィによって、元の表面の何倍も大きな表面積が生じる。従って、レーザ照射は、拡大された交換表面を有するイオン交換膜を製造するための別の方法をもたらす。
【0018】
光吸収材料に光が適用される場合、材料の表面を著しく変化させることができ、且つ、波、小波、穴、小塊、錐体及び亀裂のような極めて多数の種々の表面構造を形成することができる。生成される構造の特性は、その構造を形成する機構に基づく。それらの機構そのものは様々であり、光の特性、及び光子と材料との相互作用の性質に基づく。
【0019】
一実施形態では、図1A及び図1Bに示すように、エクシマーレーザ101が基材105に向けられる。レーザビーム103の波長、フルエンス(fluence)及びエネルギーは、アブレーションとして既知のプロセスにおいて、光子107が基材105の表面109から材料を除去し得るように選択される。アブレーション時、アブレーション破壊屑111からなる柱状物が基材105の表面109上に噴出する(図1C参照)。妥当な周波数及び供給量、並びに基材アブレーション閾値より大きく、且つ破壊屑アブレーション閾値よりも小さいフルエンスを選択することにより、破壊屑111が再び沈降して基材105の表面109上に戻るのを促すことができる。再沈降した破壊屑111は、下側の基材材料の部分をレーザ光から遮断し、基材105は不均一にアブレーションされて、図1Cに示すような錐体構造113が形成される。破壊屑111が付着した錐体構造113は、イオン交換膜のための有用な材料である。レーザアブレーション工程によって、基材105の表面上に2種の寸法オーダの粗さが生成される(図2)。1〜100ミクロンオーダの寸法を有する大規模な粗さ(すなわち錐体構造113)は、破壊屑111によってもたらされた遮断に起因して生成する。数十ナノメートルの寸法範囲にある、微細規模の粗さ(図2中の拡大部分によって示している)は、アブレーション破壊屑111が付着することに起因して生成される。この大規模及び小規模の粗さの組み合わせによって、イオン交換のための露出表面積が大幅に増大する。
【0020】
破壊屑110を再付着させることは、表面109上に構造を形成するために基材105に遮蔽物を設け得る数多くの方法のうちの1つにすぎない。図3は他の実施形態を示しており、そこでは、より高いアブレーション閾値を有する粒子115が基材105の内部に予め付着されている。基材表面109は、粒子115が露出するように下方向にアブレーションされ、この場合、下側にある材料が遮られ、錐体構造113が形成される。図示しない他の実施形態では、種々のマスクを、光源と基材105との間に挿入するか、又は基材105の表面上に付着させることができる。マスクの例には、接触マスク、投影マスク、フィルム、表面上に付着した粒子及びコーティングなどが含まれる。回折光学を利用して、表面109上に画像を投影することができる。
【0021】
機構の全く異なる他の実施形態がある。例えば、金属及びガラスに関しては、レーザで基材表面を溶融、さらには沸騰さえさせて、それによって粗い表面を形成することができる。
【0022】
表面をレーザアブレーションによって処理し得る膜材料には、限定はしないが、金属、プラスチック、シリコン、セラミック及びその複合物が含まれる。レーザで処理し得るあらゆる材料が、可能性のある候補材料である。材料の表面上にそのような変化を引き起こすことができる光源の種類は、当技術分野において既知である。その例には、エクシマーなどの気体レーザ、及びYAGレーザのような固体レーザ、並びにフラッシュランプ、UV露光手段などが含まれる。重要なのは、材料と光源とを整合させて、光源が粗加工作用を与えるほど十分に所望の材料と相互作用するようにさせることである。
【0023】
レーザによって粗加工された表面を有する膜は、容積に対して表面積の割合の高いことが望ましい、燃料電池、バッテリー及び他の触媒システムなどの用途において利用することができる。図4は、レーザ処理された基材をアルカリ直接メタノール燃料電池200の電極131に利用している一実施形態を示す。この実施形態では、アルカリ直接メタノール燃料電池200は、燃料/電解質混合物133によって隔てられた、アノード131(燃料電極)とカソード141(空気電極)とを含む。燃料/電解質混合物133には、KOH溶液(電解質)にメタノール(燃料)が溶解しているものを用いることができる。燃料/電解質混合物133は、燃料極131及び空気極141の両方に完全に接触している。表面が粗加工された材料を燃料極131に適用することにより、有効反応表面積が拡大し、結果として反応速度が高まるであろう。
【0024】
燃料極131は、導電層135及び触媒層137でコーティングされている、レーザで微細構造化加工された表面109を有するカプトン又は任意の他の適切なポリマーなどのプラスチック基材105を備えることができる。導電層135は、微細構造化加工された表面109上に、無電解めっき、スパッタリング、原子層堆積、又は非導電性材料の表面をコーティングし得る任意の他のプロセスによって導電性材料を付着させることにより形成し得る。導電性材料には、Ni、Cu、Al、Fe、Zn、In、Ti、Pb、V、Cr、Co、Sn、Au、Sb、Ca、Mo、Rh、Mn、B、Si、Ge、Se、La、Ga、Ir又は合金のような任意の対象となる材料を用いることができる。触媒層137には、Pt、又はPt−Ru及びPt−Ru−OsのようなPt合金、V、V合金、二酸化チタン、鉄、ニッケル、リチウム、金又は対象となる任意の他の材料を用いることができる。触媒層137は、電気めっき、原子層堆積、化学気相成長、スパッタ堆積又は導電性表面をコーティングし得る任意の他のプロセスによって、導電層135上に付着させることができる。触媒は、導電層135上に不連続な表面層137を形成するように適用し得る。不連続な触媒層137の形成は錐体構造によって促進され、錐体構造の最上部に触媒材料を優先的に適用することができる。あるいはまた、非導電性の微細構造化加工された表面109は、原子層堆積、化学気相成長、スパッタ堆積又は非導電性表面をコーティングし得る任意の他のプロセスを用いて、連続的な触媒層137(導電性及び触媒機能の両方の役割を果たすであろう)によって直にコーティングすることができる。
【0025】
図5は、固体ポリマー電解質膜(PEM)を有する燃料電池において粗加工された電極膜を利用する、他の実施形態を示す。この実施形態では、燃料電池300は、PEM155によって隔てられた、アノード151(燃料極)とカソード153(空気極)とを含む。燃料極151は、導電層135及び触媒層137でコーティングされている、粗加工された可撓性材料157から形成される。表面が粗加工された可撓性材料157は、背面から薄肉化され且つエッチングされて、燃料極側の燃料143が開口部139を通って活性触媒表面137に達することができるようにする、微細加工された細孔139が形成される。ここで重ねて、可撓性材料157の表面の粗加工によって、高い反応速度と、より効率的な作動とが提供される。
【0026】
他の実施形態では、レーザによって粗加工された表面を有する基材を鋳型又は押型として利用して、粗加工された1つ又は複数の表面を有するPEMを生成する。図6Aに示すように、電解質材料は溶融させるか、又は溶媒と混合して、溶液161を形成させる。その溶液は、レーザによって粗加工された表面109上に流し込まれ、凝固して膜163になることができ、その後、膜163を表面109から分離させる。このようにして、膜163の表面165は、レーザによって粗加工された表面109とは凹凸が逆になったレリーフとなる(図6B)。その後、膜163を導体135及び触媒137でコーティングすることができ、燃料電池用のPEMとして利用することができる。
【0027】
電解質材料には、限定はしないが、スルホン化、ホスホネート化又はカルボキシ化されたイオン伝導性芳香族ポリマー及びパーフルオロ化コポリマーが含まれる。溶媒には、限定はしないが、プロパノール、ブタノール及びメタノールのような低級脂肪族アルコール及び水、又はそれらの混合物が含まれる。
【0028】
図6Cは、膜163とレーザによって粗加工された表面109とをローラ171で押し付けることによって微細構造化加工された表面を有するイオン交換膜167が生成される、他の実施形態を示している。
【0029】
さらに他の実施形態では、溶液161を、レーザによって粗加工された内側表面を有する型内に流し込み、膜の上側及び下側の両方において微細構造化加工された表面を有するイオン交換膜163を形成することができる。
【0030】
両側が微細構造化加工された表面を有するイオン交換膜は、PEM電極構造内のPEMとして用いることができ、この場合、当該PEMの両側が導体層及び触媒層によってコーティングされる。その後、燃料供給と酸素交換とを可能にする多孔性電極が、PEMの触媒層に対して押し付けられ、PEM電極構造を形成することができる。
【0031】
複数の実施形態及びその利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲及びその等価物によって規定されるような、レーザによる粗加工プロセス及び粗加工された製品の用途の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の変形、置換及び変更がなされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】レーザ照射によって表面上に錐体を形成する装置及びプロセスを示す概略図
【図2】2種の寸法の粗さが生成されている、レーザによって粗加工された表面の概略図
【図3】基材内に埋め込まれた粒子を用いて錐体を形成する一実施形態を示す図
【図4】粗加工された電極を有するアルカリ直接メタノール燃料電池を示す図
【図5】粗加工された可撓性材料をPEMとして有する直接メタノール燃料電池を示す図
【図6A−6C】PEMを製造するための型又はエンボス加工手段として、粗加工された表面を利用することを示す図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン交換システム構造のための拡大された反応表面を有する基材105を形成するための方法であって、
(a)基材105を設けること;及び
(b)前記基材の表面にレーザビーム103を照射することにより、前記基材上に拡大された反応表面を形成すること、
とを包含する方法。
【請求項2】
前記基材がイオン交換システム構造の一部である、請求項1記載の方法によって製造される拡大された反応表面を有する基材。
【請求項3】
前記拡大された反応表面が、導電性材料の層と、Pt、Pt合金、V、V合金、二酸化チタン、鉄、ニッケル、リチウム及び金から成る群から選択される触媒材料の連続層又は不連続層とによってコーティングされている、請求項2記載の基材。
【請求項4】
拡大された反応表面165を有するイオン交換膜(163又は167)を製造するための方法であって、前記膜が、
(1)基材の表面にレーザビーム103を照射することにより、基材105上に、レーザによって粗加工された表面109を作製すること;及び
(2)(a)前記レーザによって粗加工された表面上で溶液161を凝固させること;又は
(b)少なくとも1つの内側表面が前記レーザによって粗加工された表面である型内で溶液を凝固させること;又は
(c)イオン交換膜167に、前記レーザによって粗加工された表面を型押しすること、
のうちの1つによって拡大された反応表面を有するイオン交換膜を製造すること、
のうちの1つによって製造される方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法によって製造される、拡大された反応表面を有するイオン交換膜。
【請求項6】
前記拡大された反応表面が、導電性材料の層と、Pt、Pt合金、V、V合金、二酸化チタン、鉄、ニッケル、リチウム及び金から成る群から選択される触媒材料の連続層又は不連続層とによってコーティングされている、請求項5記載のイオン交換膜。
【請求項7】
燃料極(131又は151)と、
空気極(153)と、
前記燃料極と前記空気極とを接続する電解質(133又は135)と、
燃料(143)と、
を含み、前記燃料極が、請求項1記載の方法によって製造される拡大された反応表面を有する基材を含む、燃料電池アセンブリ(200又は300)。
【請求項8】
前記拡大された反応表面が、導電性材料の層と、Pt及びPt合金から成る群から選択される触媒材料の連続層又は不連続層とによってコーティングされている、請求項7記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項9】
燃料;及び
PEMを含むPEM電極構造、
とを含み、前記PEMが、請求項4記載の方法によって製造される拡大された反応表面を有するイオン交換膜(163又は167)である、燃料電池アセンブリ。
【請求項10】
前記拡大された反応表面が、導電性材料の層と、Pt及びPt合金から成る群から選択される触媒材料の連続層又は不連続層とによってコーティングされている、請求項9記載の燃料電池アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【公表番号】特表2006−500734(P2006−500734A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−574323(P2003−574323)
【出願日】平成15年3月7日(2003.3.7)
【国際出願番号】PCT/US2003/006960
【国際公開番号】WO2003/076061
【国際公開日】平成15年9月18日(2003.9.18)
【出願人】(398038580)ヒューレット・パッカード・カンパニー (91)
【氏名又は名称原語表記】HEWLETT−PACKARD COMPANY
【Fターム(参考)】