説明

微量磁性薬剤検出装置及び磁性薬剤検出方法

【課題】
磁気微粒子とSQUID磁気センサーを用いて、微量な磁気微粒子を磁気的方法により3次元的に、高感度に効率的に検出可能な微量磁性微粒子計測技術を提供する。
【解決手段】
前記複数の円盤型試料ホルダーは前記円盤型試料ホルダーの回転により順次前記磁気シールドの外部から内部に挿入されるよう構成され、かつ、前記磁化手段は前記標準化検体を前記磁気シールドの外部で磁化し、前記磁気センサーは磁化された前記標準化検体から発生する磁場を前記磁気シールドの内部で検出し、前記磁場の検出と前記磁化とが並行して実行され、前記検体を連続的に切削し、切削前後に前記磁気センサーで、磁化された前記標準化検体から発生する磁場を計測するよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微量磁性薬剤検出装置及び磁性薬剤検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、DDS(Drug Delivery System)によって癌患部への薬剤の集積効率を高めることで患者への投薬量を低減する治療が検討されてきている。この治療は副作用が軽減されるため患者に優しく、癌患部を効率的に殺滅する将来の医療技術として有望視されている。
【0003】
血液中に投与された薬剤を患部まで誘導する手段の1つとして、例えば図1に示すようなものがある。これは材質がフェライトで、粒子径が100ナノメートル前後の磁性粒子50の周りに直接もしくは間接的に微小薬剤51を結合させた磁性薬剤を血液中に投薬し、体外に配置した磁気誘導手段で、患者の動脈血管の分岐部において所定の方向に磁性薬剤を誘導するものである。これにより、患部近傍に磁性薬剤を人為的に集積効率を高めて誘導することが可能である。このDDSにおいては、ナノサイズの磁性薬剤粒子が患部付近に定量的に集積したか計測することが、磁気誘導手段および磁性薬剤自身の開発研究評価に必要不可欠となる。
【0004】
一方、免疫検査の一般的な方法として、検出対象とする抗原に選択的に結合する検出用抗体を蛍光酵素等の光学マーカーで標識して、抗原−抗体の結合反応を光学マーカーからの光信号を検出し、抗原の種類及び量を検出する光学的方法がある。しかし、光学的方法では、細胞内部の光源に関し、光源外部の細胞が光の透過を阻害してしまい、検出感度が十分ではない。したがって、定量的計測が十分行えず、また、検出感度を低下させる未結合の光学マーカーを完全に洗い流す工程が必要であった。
【0005】
光学的方法を上回る検出感度を得る方法として、近年、SQUID (超電導量子干渉素子:Superconducting Quantum Interference Device)磁気センサーを用い、微量な磁気微粒子を定量的に検出する磁気的方法が提案されている。この磁気的方法では、微量な磁気微粒子を、非常に高感度なSQUID磁気センサーを用いて検出する。
【0006】
微量な磁気微粒子を検出する方法について、以下に説明する、(1)磁化率の測定、
(2)残留磁気の測定に基づく方法が提案されている。
【0007】
以下、(1),(2)について説明する、
(1)磁化率を測定する方法:
SQUID磁気センサーの磁束検出方向と直角な方向から、微量な磁気微粒子を磁化させる直流磁界を印加し、SQUID磁気センサーの磁束検出領域内を移動する微量な磁気微粒子より生じた磁界の変化を測定している(例えば、特開2001−33455号公報を参照)。
【0008】
また、微量な磁気微粒子に対して交流磁界を印加し、その信号をSQUID磁気センサーを用いて磁気微粒子を検出している(例えば、特開2001−133458号公報を参照)。
(2)残留磁気を測定する方法:
磁気微粒子のサイズが大きくなると、磁気微粒子の残留磁気は緩和しなくなる。SQUID磁気センサーから離れた場所で微量な磁気微粒子に0.1T 程度の磁界を印加し、磁気微粒子に残留磁化を発生させる。この後に、試料を乗せた基板を移動し残留磁化をSQUID 磁気センサーで測定する(例えば、特表平10−513551号公報を参照)。
【0009】
また、特開2004−068645号公報記載された微量な磁気微粒子を検出する磁気的方法に関する具体例を説明しておく。
【0010】
図2は、微量な磁気微粒子を用いた従来技術の磁気微粒子検査装置を説明する図である。
図2は従来技術になる磁気微粒子検査装置の一部構成を示す断面を含む図であり、装置の測定時における構成要素の配置状態を説明するものである。
複数の円盤型試料ホルダー2は、非磁性の円盤型試料ホルダー3(以下、単に、試料ホルダー3という)により円周上に固定されている。試料ホルダー3は回転機構4によって回転する。回転機構4は、移動ステージ5上で3次元方向に移動可能に保持されている。移動ステージ5上での回転機構4の移動により、試料ホルダー3は磁気シールド1の内部へ移動され位置調整される。
【0011】
微量な磁気微粒子の磁気信号を検出する高温超電導SQUID11(以下、単に、
SQUID11という)は、サファイアロッド9及び銅ロッド10を介して、液体窒素7によって超電導転移温度以下に冷却され、真空断熱容器の外槽6a,真空断熱容器の内槽6bから構成される真空断熱容器6によって外部と熱的に遮断されている。真空断熱容器6は、SUSやFRP等の非磁性材料から構成される。真空断熱容器6の内槽6bの内部へ排気・供給ポート8を通して、気化した窒素の排気,液体窒素の供給が行われる。
SQUID昇温用光源13は、SQUID11を加熱しトラップ磁束の除去に使用される。
【0012】
SQUID11は、環境磁気雑音の入力を低減するために、磁気シールド1によって囲まれている。磁気シールド1は、パーマロイ等の高透磁率材料から構成され、磁気シールド1a,1b,1cから構成される3層構造をもっている。なお、磁気シールドの効率をより向上させるために、磁気シールド1を多層構造とすることが望ましい。
【0013】
磁気シールド1(1a,1b,1c)の一部には切欠き穴19が形成されている。測定時には、円盤型試料ホルダー2及び試料ホルダー3の一部は切欠き穴19から円盤型試料ホルダー2の交換時、又はSQUID11の制御回路の調整時には試料ホルダー3及び円盤型試料ホルダー2は完全に磁気シールド1の外部に露出した状態となる。
【0014】
本構成により、永久磁石又は磁場印加用コイルの発する磁場のSQUID11に対する影響が低減される。よって、磁気シールド1の内部にある円盤型試料ホルダー2内の微量な磁気微粒子の磁気信号をSQUID11によって測定しながら、磁気シールド1の外部にある他の円盤型試料ホルダー2内の微量な磁気微粒子に磁場を印加し、試料ホルダー3を回転させることによって、磁気シールド1の内部にある円盤型試料ホルダー2内の微量な磁気微粒子から発生する磁場の測定と、磁気シールド1の外部にある他の円盤型試料ホルダー2内の微量な磁気微粒子の磁化とを、同時にもしくは並行して行う。
【0015】
【特許文献1】特開2001−33455号公報
【特許文献2】特開2001−133458号公報
【特許文献3】特表平10−513551号公報
【特許文献4】特開2004−068645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
癌細胞を含有する細胞組織(以下、検査細胞組織と称す)中に、例えば磁気的誘導等の手段で薬剤成分を担架された状態でデリバリーされた微量な磁気微粒子が、どの程度の量で集積され、2次元および3次元的にどのように分布しているかを磁気的方法により測定できる微量磁性微粒子測定検査装置の実用化のためには、検査細胞組織の試料の効率的な測定が要求される。従来技術の磁気的方法では、いかに微量な磁気微粒子を測定するかに主眼が置かれ、2次元および3次元的な微量な濃度分布を計測するための方法の具体的な提案は従来なされていない。
【0017】
従来の磁気的方法では、細胞組織試料あるいは微量な磁気微粒子サンプルを収納する円盤容器上に、単数もしくは複数個固定して測定する方法が採られており、それぞれの試料の個別の計測を実施するのみであった。
【0018】
前述の従来技術では、光学顕微鏡で検査細胞組織の母体端面のスライス面を薄くスライスしながらその顕微鏡観察画像を取得し、検査細胞組織の母体の各断層断面画像を映像的に再構成し、2次元および3次元の画像を可視化する電子的多層画像構成手段を具備しているが、微量な磁性粒子を計測することを目的とするものではない。
【0019】
本発明の目的は、磁気微粒子とSQUID磁気センサーを用いて、微量な磁気微粒子を磁気的方法により、高感度に効率的に2次元および3次元的な微量な濃度分布を検出可能な微量磁性微粒子計測技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的は、非磁性物質と結合した微少な磁気微粒子を含有する微量磁性薬剤を含む細胞組織の検体を収納する試料ホルダーを円周上に保持する円盤型試料ホルダーと、前記円盤型試料ホルダーをその中心軸の回りに回転させる回転手段と、前記検体を前記円盤型試料ホルダー上で昇降させる昇降手段と、前記検体の一部を切削除去する切削手段と、前記検体の一部を切削除去した部分を拡大撮影する画像取得手段と、前記検体を磁化する磁化手段と、磁化された前記標識化検体から発生する磁場を検出する磁気センサーと、前記磁気センサーを囲む磁気シールドとを有し、前記複数の円盤型試料ホルダーは前記円盤型試料ホルダーの回転により順次前記磁気シールドの外部から内部に挿入されるよう構成され、前記磁化手段は前記標準化検体を前記磁気シールドの外部で磁化し、前記磁気センサーは磁化された前記標準化検体から発生する磁場を前記磁気シールドの内部で検出し、前記磁場の検出と前記磁化とが並行して実行され、前記検体を連続的に切削し、切削前後に前記磁気センサーで磁化された前記標準化検体から発生する磁場を計測するよう構成したことにより達成される。
【0021】
前記細胞組織の検体を氷結固形化する冷却手段を前記円盤型試料ホルダーに具備することにより達成される。
【0022】
前記冷却手段を液体冷媒で構成されることにより達成される。
【0023】
前記冷却手段をドライアイスで冷却される液体冷媒で構成されることにより達成される。
【0024】
前記冷却手段を電子冷却手段で冷却される液体冷媒で構成されることにより達成される。
【0025】
前記冷却手段を電子冷却手段で冷却される非磁性蓄熱物質で構成されることにより達成される。
【0026】
前記冷却手段を電子冷却手段で冷却される非磁性ホルダーで構成されることにより達成される。
【0027】
前記切削手段で切削後発生する切片を除去,回収する清掃手段を具備することにより達成される。
【0028】
非磁性物質と結合した微少な磁気微粒子を含有する微量磁性薬剤を含む細胞組織の検体を収納する試料ホルダーを円周上に保持する円盤型試料ホルダーと、前記円盤型試料ホルダーをその中心軸の回りに回転させる回転工程と、前記検体を前記円盤型試料ホルダー上で昇降させる昇降工程と、前記検体の一部を切削除去する切削工程と、前記検体の一部を切削除去した部分を拡大撮影する画像取得工程と、前記検体を磁化する磁化工程と、磁化された前記標識化検体から発生する磁場を検出する工程とが連続的もしくはプログラム化されて実行されることにより達成される。
【0029】
前記磁場を検出する工程で、切削工程前後に計測された結果から、その差分を演算する演算工程がなされることにより達成される。
【0030】
切削工程前後に計測される工程で、検体を上昇させる工程後に切削工程を実行され、その後計測される工程前に検体を降下させる工程を実行させ、検体を切削前の位置に戻して切削後の計測される工程前を実行し、その後再度検体を切削後の位置に上昇させる工程を実施され、前記切削後の検体を磁化する磁化工程を実施する工程を有することにより達成される。
【0031】
前記円盤型試料ホルダーをその中心軸の回りに回転させる回転工程とその回転の半径方向に移送する半径方向移動工程を組み合わる工程が必要に応じてなされることにより達成される。
【0032】
前記円盤型試料ホルダーをその中心軸の回りに回転させる回転工程と正逆方向の切り返し回転工程が必要に応じてなされることにより達成される。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、磁気微粒子とSQUID磁気センサーを用いて、微量な磁気微粒子を磁気的方法により、高感度に効率的に2次元および3次元的な微量な濃度分布を検出可能な微量磁性微粒子計測技術を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の一実施例を添付した図にしたがって説明する。
【実施例1】
【0035】
本発明の実施例で説明する微量磁性薬剤検出装置及び磁性薬剤検出方法では、図1に示すような微量な磁性薬剤が適用される。また、本実施例による微量磁性薬剤検出装置において、磁場検出を行う近傍で使用される構成要素は、非磁性材料で構成されることが計測への磁気雑音の混入抑制の点から望ましい。
【0036】
図3は、本実施例の微量磁性薬剤検出装置の構成を示す断面図であり、SQUID及び冷却系の構成を示す図である。
図3において、例えばイットリューム系の高温超電導材で構成れたSQUIDセンサー61は、円盤型試料ホルダー62内細胞組織試料である検査細胞組織63の端面とSQUID1との距離を小さくし、磁気信号の検出感度及び空間分解能を高くするために、円盤型試料ホルダー62にSQUID61を接近して配置した構成とする。円盤型試料ホルダー62にSQUID61を接近して配置するために、SQUID61を液体窒素64により直接冷却するのではなく、熱伝導率の高い銅ロッド65及びサファイアロッド66を介して
SQUID61を間接的に冷却する構造を採用している。SQUID61と銅ロッド65との間にサファイアロッド66を介することにより、銅ロッド65から発生する磁気雑音の影響を低減する効果がある。
【0037】
真空断熱容器67の外槽67a,内槽67bはSUSやFRP等の非磁性材料で構成される。また、円盤型試料ホルダー62内の微量な磁気微粒子とSQUID61の距離を小さくするために、SQUID61と検査細胞組織63の端面との間は、厚さ1mm以下の薄いサファイアウインドウ68で隔てられている。磁場を高効率で検出するためには、
SQUID61と検査細胞組織63の端面の内部底面との距離は1.5mm 以下であることが望ましい。液体窒素64は補給配管69から補充される。外槽67a,内槽67bとの間は断熱真空空間である。
【0038】
検査細胞組織63は非磁性材料で作製された円盤型試料ホルダー62に固定された円筒状のサファイア支持筒70内をスライドできるように挿入されている。これにより、上下移動機構71で支持された上下移動体72に端部を支持された上下ロッド73により、検査細胞組織63は円筒状のサファイア支持筒70内を上下に昇降制御される。円盤型試料ホルダー62内には、例えばドライアイス等で冷却されたアルコールや不凍液等の冷媒
74が満たされているため、その冷熱で円筒状のサファイア支持筒70は−80℃の低温に冷やされ、検査細胞組織63は氷結して固形化されている。
【0039】
サファイア支持筒70内面には、検査細胞組織63との摩擦係数を低減するためにフッ素樹脂等の低摩擦係数を有する物質がコーティングされていることが望ましい。上下ロッド73と円盤型試料ホルダー62はベロー75で気密的に一体化され、冷媒74が漏れ出さないようにされている。また、サファイア支持筒70下部と円盤型試料ホルダー62は接着剤で気密的に一体化されている。円筒状のサファイア支持筒70には、その内部に冷媒74が入り込み検査細胞組織63をより良く冷却するために、導入口を設けることが望ましい。
【0040】
円盤型試料ホルダー62は回転シャフト76で回転制御される。円盤型試料ホルダー
62と回転シャフト76は接着剤等で気密的に一体化されている。回転シャフト76は支持台77上を移動可能な支持移動体78内の磁気ノイズの少ない例えば超音波モータ(図示せず)で回転制御されている。また、上下移動体72は、円盤型試料ホルダー62と伴周りし、しかも回転シャフト76を芯軸として上下移動機構71により上下に昇降制御される。それぞれの制御は、電気演算制御装置79から信号線80を通じて操作される。
【0041】
円盤型試料ホルダー62の回転位置検出を行うために、円盤型試料ホルダー62の周辺部につけられたマーカー(図示せず)に位置検知装置81からレーザー光を照射し、その反射光を位置検知装置内の光学センサーで読み取り、その情報を信号線82で電気演算制御装置79に送信する。
【0042】
また、SQUID61の周囲は検査環境の磁気的ノイズを遮蔽するために、パーマロイ製等の外磁気シールド壁83a,内磁気シールド壁83bの二重の磁気シールド83で囲われており、一部は円盤型試料ホルダー62が出入りできるように開放されている。磁気シールド83の外には、検査細胞組織3の端面部を切削する目的で、回転するセラミック等の素材で製作された鋭利な非磁性のカッター刃84を有する等の切削手段である回転カッター85が設けられている。回転カッター85はモーター86,上下昇降機構87に支持された軸88で、その回転数,位置を支持アーム89を通じて電気演算制御装置79からの信号線80を通じて操作される。
【0043】
回転カッター85の端部域には、カッター刃に付いた検査細胞組織63の切削片を例えば空気吹き付け吸引機構等を有して除去し回収するクリーナ90が、支持アーム91回して支持アーム89に設けられている。そして、その運転は電気演算制御装置79からの信号線80を通じて操作される。また、円盤型試料ホルダー62の上部カバー92に切削時に落ちた検査細胞組織63の切削片は、例えば空気吹き付け吸引機構等を有して除去し回収するクリーナ93で同様に除去される。そしてその運転は信号線94を介して電気演算制御装置79で操作される。
【0044】
このようにして、円盤型試料ホルダー62上に固形化された検査細胞組織63は、カッター刃84でその端面をスライス除去され回転方向に平行な面を露出する。検査細胞組織63の端面を所定の厚さ例えば0.5mm 削りとられた後は、その端面を所定の円盤型試料ホルダー62の回転位置で光学的な顕微鏡95で撮影し、その画像データは例えばデジタルカメラ96で信号化され、信号線97を通じて電気演算制御装置79に伝送されて電子的画像データとして保存される。検査細胞組織63の端面部は、発光ダイオード等で構成された照明98で撮影に必要な適切な照度が確保され、その制御は信号線99を介して電気演算制御装置79で操作される。こうして、端面を光学顕微鏡で撮影されて例えばデジタル化された第一画像データを取得する。
【0045】
検査細胞組織63内に含まれる微量な磁性薬剤を構成する微磁性粒子を磁化するための磁化用の永久磁石100は、上限昇降機構101に支持された軸102に取り付けられ、信号線103を介してその昇降位置は電気演算制御装置79で制御操作される。ここで、検査細胞組織63内に含まれる微量10の移動により、永久磁石100円盤型試料ホルダー62側に移動され、かつ円盤型試料ホルダーが回転して検査細胞組織63の切削端面部を永久磁石の直下に移動させる。このようにして検査細胞組織63内に含まれる微量な磁性薬剤を構成する微磁性粒子を磁化させる。
【0046】
その後、一旦励磁用の永久磁石100は、SQUID61の磁気ノイズに成らない位置に円盤型試料ホルダー62およびSQUID61側から離れるように移動させる。その後、円盤型試料ホルダー2を回転させて検査細胞組織3を磁気シールド23で囲まれた
SQUID61の直下に移動させる。ここで検査細胞組織63端面部分をSQUID61直下で回転移動させ、SQUID61をよぎる磁束変化量を精密に計測する。この際、測定精度を増すために、円盤型試料ホルダー62をSQUID61の直下で複数回例えば
10回、回転もしくは正逆運転による往復回転させて複数のデータを取得しデータを信号線104で電気演算制御装置79に送信し、電気演算制御装置79内でその平均値を算出して第一磁束量aとしてそのデータを保存する。
【0047】
その後、円盤型試料ホルダー62を回転させて検査細胞組織63を磁気シールドの外に移動し、上下移動機構71により上下移動体72を所定の上昇量例えば0.5mm 上昇させ、上下ロッド73によりサファイア支持筒70内の検査細胞組織63を0.5mm 上昇させる。その上昇分をカッター刃84で切削して再び上下移動機構71により上下移動体72を切削前に上昇した量0.5mm 下降させ、上下ロッド73によりサファイア支持筒70内の検査細胞組織63を0.5mm 下降させる。
【0048】
次に、今度は磁化させずにそのまま円盤型試料ホルダー62を回転させて検査細胞組織63を磁気シールドで囲まれたSQUID61の直下に移動させ、第一磁束量aを取得した時と同様な操作で検査細胞組織63端面部分の第一磁束量bのデータを取得する。
【0049】
次に、電気演算制御装置79で第一磁束量aから第一磁束量bを差し引いた第一の磁束差分量を求める。この操作により、第一磁束量aから第一磁束量bの計測間に削除された第一の画像データが削除した検査細胞組織端面切片分の磁束量と計算される。
【0050】
第二の磁束量を計測するために、円盤型試料ホルダー62を回転させて検査細胞組織
63を磁気シールドの外に移動して上下移動機構71により上下移動体72を所定の上昇量0.5mm 上昇させる。
【0051】
次に、カッター刃84による切削操作は行わず、その端面を所定の円盤型試料ホルダー62の回転位置で光学的な顕微鏡95で撮影する。撮影された画像データは例えばデジタルカメラ96で信号化され、信号線97を通じて電気演算制御装置79に伝送されて第二画像データとしてとして保存される。
【0052】
次に、上限昇降機構101により永久磁石100円盤型試料ホルダー62側に移動して円盤型試料ホルダーが回転し、検査細胞組織63の切削端面部を永久磁石の直下に移動して検査細胞組織63内の微磁性粒子を磁化させる。
【0053】
その後、励磁用の永久磁石100はSQUID1の磁気ノイズにならない位置に、円盤型試料ホルダー62およびSQUID61側から離れるように移動させる。移動後、円盤型試料ホルダー62を回転させて検査細胞組織63を磁気シールド83で囲まれたSQUID
61の直下に移動させる。その後、検査細胞組織63端面部分をSQUID61直下で回転移動させ、円盤型試料ホルダー62をSQUID61の直下で10回、回転もしくは正逆運転による往復回転させて複数のデータを取得しデータを信号線104で電気演算制御装置79に送信し、電気演算制御装置79内でその平均値を算出し、第二磁束量aとしてそのデータを保存する。
【0054】
その後、円盤型試料ホルダー62を回転させて検査細胞組織63を磁気シールドの外に移動し、上下移動機構71により上下移動体72を所定の上昇量例えば0.5mm 上昇させ、上下ロッド73により、サファイア支持筒70内の検査細胞組織63を0.5mm 上昇させ、その上昇分をカッター刃84で切削し、再び、上下移動機構71により上下移動体
72を切削前に上昇した量0.5mm 下降させ、上下ロッド73により、サファイア支持筒70内の検査細胞組織63を0.5mm 下降させる。
【0055】
次に、今度は磁化させずにそのまま円盤型試料ホルダー62を回転させて検査細胞組織3を磁気シールドで囲まれたSQUID61の直下に移動させ、第二磁束量aを取得した時と同様な操作で検査細胞組織63端面部分の第二磁束量bのデータを取得する。
【0056】
次に、電気演算制御装置79で第二磁束量aから第二磁束量bを差し引いた第二の磁束差分量を求める。この操作により、第二磁束量aから第二磁束量bの計測間に削除された第二の画像データの検査細胞組織端面切片分の磁束量と計算される。次に、第三の磁束量を計測するために、円盤型試料ホルダー62を回転させて検査細胞組織63を磁気シールドの外に移動し、上下移動機構71により上下移動体72を所定の上昇量0.5mm 上昇させる。
【0057】
この作業を繰り返して各層のデータを所得し、電気演算制御装置79に保存した各層毎のデータをデジタル処理し、画像データから検査細胞組織全体の立体画像化する。さらに、各層の磁束量データから同装置を使用して別途実験的に求めた微量磁性薬剤単体量と、測定磁束量の校正データから各切削層の磁束量から微量磁性薬剤量を計算により求め、検査細胞組織63内の微量磁性薬剤量の分布から濃度分布を画像化し、光学的3D映像と重なるように微量磁性薬剤量の濃度分布を画像化することができる。画像化した画像は、モニター105に写しだされる。
【0058】
また、検査装置は低温下で操作されるので大気中の水分が結露する。したがって、これを防止するために装置をカバーで覆い、除湿装置106で湿度を下げた空気をダクト107でカバー105a内に送風し、カバー105a内を僅かにカバー外の大気の圧力より高めに維持し、結露を防止するようにしている。
【0059】
以上、本実施例では、細胞組織試料の位置制御及び連続計測を容易操作でき、細胞組織試料を冷却固形化し、細胞組織試料を順次スライスし、その切片毎の画像撮影するともに、磁束量を切削前後の磁束量の差分値により求め、その磁性質量を精密に、かつ正確に計測できるので、細胞組織試料の厚さ方向の濃度分布を正確に効率良く計測することができ、細胞組織試料に含まれる磁性薬剤の総量と濃度分布を3次元的に画像データとともに計測し、その濃度分布を細胞組織試料の3次元画像とともにモニター105に表示し、可視化することができる効果がある。
【0060】
なお、本実施例では細胞組織試料を固形化するのに、ドライアイスで冷却した冷媒を使用したが、ドライアイスの代わりに液体窒素や液体空気を使用しても同様な効果が生じる。
【実施例2】
【0061】
図4は他の実施例を示す装置の概略構成図である。
図3の実施例では、検査細胞組織63を氷結固形化するのに、ドライアイスで冷却した冷媒を使用したが、図4の実施例ではドライアイスの代わりにペルチェ素子等を用い、電磁ノイズが少ない電子冷凍装置108で冷却する構成としたものである。これにより、電子冷凍装置108への電力供給は電気演算制御装置79に結線された配線109を介して行われる。
【0062】
本実施例によれば、ドライアイスを供給しなくても冷媒74を冷却できるので、ドライアイス等の冷却源を購入冷凍保存する必要が無く、さらに運転操作がより容易となる新たな効果が生じる。
【実施例3】
【0063】
図5は他の実施例を示す装置の概略構成図である。
図4の実施例では、検査細胞組織63を氷結固形化するのに、ドライアイスで冷却した液体冷媒を使用したが、図5の実施例では液体冷媒の代わりに電子冷凍装置108で検査運転前に事前に時間をかけて冷却できるアルミニュームや銅のような蓄熱効果のある非磁性の蓄熱体111を配置する構成としたものである。このとき、蓋110は容器全体を断熱的に覆い、円盤型試料ホルダー62は断熱性に優れた材料で構成する。サファイア支持筒70と蓄熱体111は接着剤等で熱的に一体化されている。
【0064】
本実施例によれば、液体冷媒を供給,補給しなくてもサファイア支持筒70を冷却できるので運転操作がより容易となる効果が生じる。
【実施例4】
【0065】
図6は他の実施例を示す装置の概略構成図である。
本実施例が図5の実施例と異なる点は、検査細胞組織63を氷結固形化するのに、サファイア支持筒70を電子冷凍装置108で直接冷却する構成とした点である。サファイア支持筒70と電子冷凍装置108は接着剤等で熱的に一体化されている。
【0066】
本実施例によれば、液体冷媒や蓄熱体を必要としないので装置構成が簡単となり装置がさらに軽量化できる新たな効果が生じる。
【0067】
また、以上の実施例では、SQUID61で測定する範囲を、円盤型試料ホルダー62を支持台77の一点の位置で、円盤型試料ホルダー62を回転させて検査細胞組織63がSQUID61直下をよぎる際の磁場変化量で磁束量を計測していたが、円盤型試料ホルダー62をSQUID61直下で小刻みに移動させることにより、検査細胞組織63端面の移動円周平面内の小領域間の磁束変化を測定することで、検査細胞組織63端面内の回転方向の円周方向磁束量分布も測定可能となる。この場合、支持移動台を円盤型試料ホルダー62の回転半径方向に移動制御し、同様な計測を実施することにより、検査細胞組織63端面内の回転方向の半径方向磁束量分布も測定可能となる効果が生じる。
【0068】
なお、本発明では検査細胞組織63を寒天等の常温固形剤で固形化すれば、冷却源および結露防止構造は不要となり、さらに運転効率よく細胞組織試料に含まれる磁性薬剤の総量と濃度分布を3次元的に画像データとともに計測し、その濃度分布を作成できる。
【0069】
以上、本発明によれば、細胞組織試料の位置制御及び連続計測を容易操作でき、細胞組織試料を冷却固形化し、細胞組織試料を順次スライスし、その切片毎の画像撮影するともに、磁束量を切削前後の磁束量の差分値により求め、その磁性質量を精密に、かつ正確に計測できるので、細胞組織試料の厚さ方向,平面方向の濃度分布を正確に効率良く計測することができ、細胞組織試料に含まれる磁性薬剤の総量と濃度分布を3次元的に画像データとともに計測し、その濃度分布を細胞組織試料の3次元画像とともにモニター105に表示し、可視化することができる効果がある。
【0070】
以上のごとく本発明は、検査細胞組織内に3次元的に分布した微量な磁気微粒子に外部磁場を印加する手段として磁石又は磁場発生コイルが磁気シールドの外部に配置され、微量な磁気微粒子から発生する磁場を検出する磁気センサーが磁気シールドの内部に配置される。微量な磁気微粒子を含有する検査細胞組織を収納する円盤型試料ホルダーは、非磁性体から構成される円盤型試料ホルダーの円周上に保持される。
【0071】
非磁性の円盤型試料ホルダーは、複数の円盤型試料ホルダーを円周上に固定する機構を具備する。円盤型試料ホルダーは、超音波モーターから構成される回転機構により回転可能である。SQUID磁気センサーは、磁気シールド装置の内部に配置される。円盤型試料ホルダーを磁気シールド装置内に挿入するための移動機構及び位置調整機構が設けられる。
【0072】
円盤型試料ホルダーの回転位置検出を行うために、円盤型試料ホルダーの周辺部につけられたマーカーにレーザー光を照射し、その反射光を光学センサーで読み取ることによって位置検出を行う機構が設けられる。円盤型ホルダーの一部が磁気シールドの外部に露出するように、磁気シールドの一部には円盤型ホルダー及び上記の回転機構を通すための穴が空けられており、ある位置の円盤型試料ホルダーに設置された試料中の微量な磁気微粒子から発生する磁場の計測中も上記の磁石又は磁場発生コイルにより、上記のある位置と異なる位置の円盤型試料ホルダーの試料中の微量な磁気微粒子を磁化させることが可能なように構成される。
【0073】
一方、資料容器に固定された検査細胞組織は、磁気シールドの外部で回転するセラミック等の素材で製作された鋭利な非磁性のカッター刃等の切削手段でその端面を厚さ1μm以上の所定の厚さで削りとられ、その端面を所定の円盤型試料ホルダーの回転位置で光学的な顕微鏡で撮影し、その画像データはパーソナルコンピュータ等の電子的画像保存され、加工装置及びカッティング,回転駆動制御は、電気的制御装置でコントロールされることが可能なように構成される。ここで、検査細胞組織を冷凍装置等の固形化手段で例えば氷結させ固相状態を維持させることが可能なように構成される。
【0074】
このようにして、円盤型試料ホルダー上に固形化された検査細胞組織は、切削手段でその端面をスライス除去され回転方向に平行な面を露出し、円盤型試料ホルダーを回転させて検査細胞組織を光学顕微鏡直下に移動させ、まずその端面を光学顕微鏡で撮影されて例えばデジタル化された第一の画像データを取得する。なお、切削手段のカーター部は切削作業後、ふき取り容器内に移動し刃先部の切削片を十分に除去される。その後、励磁用の永久磁石を円盤型試料ホルダー側に移動させ、かつ、円盤型試料ホルダーを回転させて検査細胞組織を永久磁石直下に移動させ磁化させ、その後、一旦、励磁用の永久磁石を円盤型試料ホルダー側から離れるように移動させる。その後、円盤型試料ホルダーを回転させて検査細胞組織を磁気シールドで囲まれたSQUID素子の直下に移動させ、検査細胞組織端面部分の第一磁束量aのデータを取得する。
【0075】
その後、円盤型試料ホルダーを回転させて検査細胞組織を磁気シールドの外に移動し、微量昇降手段で所定の距離分上昇させ、切削手段でその昇降分の端部をスライス除去する。次に、今度はそのまま円盤型試料ホルダーを回転させて検査細胞組織を磁気シールドで囲まれたSQUID素子の直下に移動させ、検査細胞組織端面部分の第一磁束量bのデータを取得する。そして、電子演算手段で第一磁束量aから第一磁束量bを差し引いた第一の磁束差分量が、第一磁束量aから第一磁束量bの計測間に削除された第一の画像データの検査細胞組織端面部分の磁束量と計算される。この作業を繰り返して各層のデータを所得し、各層毎のデータを画像化することで、光学的3D映像と重なるように磁束量の濃度分布を画像化することができる。
【0076】
本発明の微量磁性薬剤検出装置は、微量な磁気微粒子から発生する磁場を高感度に検出するSQUID,SQUIDを冷却するクライオスタット,SQUIDを駆動する駆動回路を有し、SQUIDの出力を収集し、表示及び加算処理を行う装置を有する。また、
SQUIDをレーザー又はハロゲンランプの光源によって超電導転移温度以上に加熱して、磁気雑音の原因となる磁束トラップを除去するためのSQUID昇温用光源を有する。この磁束トラップの除去は、磁場の計測に先立って実行される。
【0077】
なお、本発明の微量磁性薬剤検出装置では、磁気センサーの検出コイル面と検査細胞組織端面との距離をdとした時、隣接する試料もしくは磁気を有する部品等をd√2以上の間隔を置いて配置して、即ち、隣接する試料もしくは磁気を有する部品等との間のギャップ距離をd√2以上として、隣接する部材から発する磁気信号の干渉を抑制している。また、SQUIDの磁気雑音の原因となる磁束トラップを短時間で除去するために、SQUID昇温用光源を設けている。円盤型試料ホルダーのための回転機構には磁気雑音の小さな超音波モーターを使用した。微量な磁気微粒子の磁気信号をより正確に計測するために、円盤型試料ホルダーを複数回回転させて、試料が回転している状態で、1回転毎に微量な磁気微粒子の磁気信号を計測し、加算平均を行えるようにしている。
【0078】
以上、本発明の微量磁性薬剤検出装置を要約すると、以下の通りである。細胞組織試料の位置制御及び連続計測を容易にするため、回転機構により回転制御可能な固形化手段を有する円盤型試料ホルダーを用いた。細胞組織試料を順次スライスし、その切片毎の磁束量を切削前後の磁束量の差分値により求める計測の検出方法を用いた。
【0079】
以上のようにして、微量な磁気微粒子の計測において、細胞組織試料の厚さ方向の濃度分布を効率良く計測可能としている。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】微量な磁気微粒子を用いた磁性薬剤の構造を説明する図である。
【図2】従来の磁気微粒子をSQUIDを用いてその磁束量を計測する装置の構造例を説明する図である。
【図3】本発明の一実施例になる微量磁性薬剤検出装置の構成を説明する図である。
【図4】本発明の他の実施例になる微量磁性薬剤検出装置の構成を説明する図である。
【図5】本発明の他の実施例になる微量磁性薬剤検出装置の構成を説明する図である。
【図6】本発明の他の実施例になる微量磁性薬剤検出装置の構成を説明する図である。
【符号の説明】
【0081】
4 回転機構
61 高温超電導SQUID
62 円盤型試料ホルダー
63 検査細胞組織
64 液体窒素
65 銅ロッド
66 サファイアロッド
67 真空断熱容器
68 サファイアウインドウ
70 サファイア支持筒
71 上下移動機構
72 上下移動体
73 上下ロッド
74 冷媒
76 回転シャフト
79 電気演算制御装置
83,83a,83b 磁気シールド
84 カッター刃
87 上下昇降機構
90 クリーナ
95 顕微鏡
96 デジタルカメラ
100 永久磁石
101 上限昇降機構
105 モニター
105a カバー
106 除湿装置
108 電子冷凍装置
109 配線
111 蓄熱体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性物質と結合した微少な磁気微粒子を含有する微量磁性薬剤を含む細胞組織の検体を収納する試料ホルダーを円周上に保持する円盤型試料ホルダーと、前記円盤型試料ホルダーをその中心軸の回りに回転させる回転手段と、前記検体を前記円盤型試料ホルダー上で昇降させる昇降手段と、前記検体の一部を切削除去する切削手段と、前記検体の一部を切削除去した部分を拡大撮影する画像取得手段と、前記検体を磁化する磁化手段と、磁化された前記標識化検体から発生する磁場を検出する磁気センサーと、前記磁気センサーを囲む磁気シールドとを有し、
前記複数の円盤型試料ホルダーは前記円盤型試料ホルダーの回転により順次前記磁気シールドの外部から内部に挿入されるよう構成され、前記磁化手段は前記標準化検体を前記磁気シールドの外部で磁化し、前記磁気センサーは磁化された前記標準化検体から発生する磁場を前記磁気シールドの内部で検出し、前記磁場の検出と前記磁化とが並行して実行され、前記検体を連続的に切削し、切削前後に前記磁気センサーで磁化された前記標準化検体から発生する磁場を計測するよう構成したことを特徴とする微量磁性薬剤検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の微量磁性薬剤検出装置において、
前記細胞組織の検体を氷結固形化する冷却手段を前記円盤型試料ホルダーに具備することを特徴とする微量磁性薬剤検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の微量磁性薬剤検出装置において、
前記冷却手段を液体冷媒で構成されることを特徴とする微量磁性薬剤検出装置。
【請求項4】
請求項2に記載の微量磁性薬剤検出装置において、
前記冷却手段をドライアイスで冷却される液体冷媒で構成されることを特徴とする微量磁性薬剤検出装置。
【請求項5】
請求項2に記載の微量磁性薬剤検出装置において、
前記冷却手段を電子冷却手段で冷却される液体冷媒で構成されることを特徴とする微量磁性薬剤検出装置。
【請求項6】
請求項2に記載の微量磁性薬剤検出装置において、
前記冷却手段を電子冷却手段で冷却される非磁性蓄熱物質で構成されることを特徴とする微量磁性薬剤検出装置。
【請求項7】
請求項2に記載の微量磁性薬剤検出装置において、
前記冷却手段を電子冷却手段で冷却される非磁性ホルダーで構成されることを特徴とする微量磁性薬剤検出装置。
【請求項8】
請求項1に記載の微量磁性薬剤検出装置において、
前記切削手段で切削後発生する切片を除去,回収する清掃手段を具備することを特徴とする微量磁性薬剤検出装置。
【請求項9】
非磁性物質と結合した微少な磁気微粒子を含有する微量磁性薬剤を含む細胞組織の検体を収納する試料ホルダーを円周上に保持する円盤型試料ホルダーと、前記円盤型試料ホルダーをその中心軸の回りに回転させる回転工程と、前記検体を前記円盤型試料ホルダー上で昇降させる昇降工程と、前記検体の一部を切削除去する切削工程と、前記検体の一部を切削除去した部分を拡大撮影する画像取得工程と、前記検体を磁化する磁化工程と、磁化された前記標識化検体から発生する磁場を検出する工程とが連続的もしくはプログラム化されて実行されることを特徴とする磁性薬剤検出方法。
【請求項10】
請求項9に記載の磁性薬剤検出方法において、
前記磁場を検出する工程で、切削工程前後に計測された結果から、その差分を演算する演算工程がなされることを特徴とする磁性薬剤検出方法。
【請求項11】
請求項9に記載の磁性薬剤検出方法において、
切削工程前後に計測される工程で、検体を上昇させる工程後に切削工程を実行され、その後計測される工程前に検体を降下させる工程を実行させ、検体を切削前の位置に戻して切削後の計測される工程前を実行し、その後再度検体を切削後の位置に上昇させる工程を実施され、前記切削後の検体を磁化する磁化工程を実施する工程を有することを特徴とする磁性薬剤検出方法。
【請求項12】
請求項9に記載の磁性薬剤検出方法において、
前記円盤型試料ホルダーをその中心軸の回りに回転させる回転工程とその回転の半径方向に移送する半径方向移動工程を組み合わせる工程が必要に応じてなされることを特徴とする磁性薬剤検出方法。
【請求項13】
請求項9に記載の磁性薬剤検出方法において、
前記円盤型試料ホルダーをその中心軸の回りに回転させる回転工程と正逆方向の切り返し回転工程が必要に応じてなされることを特徴とする磁性薬剤検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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