説明

微量試料用撹拌装置、及びそれを用いた微量試料の特性測定方法、並びにその装置。

【課題】 本発明は、細管状試料容器内の微量液体試料を自動的に均一かつ精確に撹拌せしめる微量試料用撹拌装置、該撹拌装置を使用して微量試料の特性を光学的に測定せしめる測定方法、及びその装置を提供する。
【解決手段】 撹拌装置は、細管状の試料容器1内に磁性撹拌子3a・3b・3cが遊装されると共に、その外側に駆動磁石5が配設され、該駆動磁石5を往復作動せしめつつ撹拌子3a・3b・3cを遊動せしめて試料容器1内の試料を撹拌せしめる。測定装置は
、上記撹拌装置を備えた試料容器1の一側に発光波長の異なる複数の光を投射して透過せしめる投光手段7と、透過せしめた光を受光して光電変換せしめる受光手段17と、得られた複数の検出値を一つの演算値とする信号処理部23と、前記一つの演算値を取込んで試料の光学的特性値に変換せしめる演算処理部27とより構成され、微量試料の特性を光学的に測定せしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細管状試料容器内に血液など所要の微量液体試料を入れて撹拌せしめるさいに使用する微量試料用撹拌装置、及びそれを用いた微量試料の特性測定方法、並びにその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、血液等の液体試料を試料容器内に収納して撹拌せしめる試料用撹拌手段としては、
(1)試料容器を振盪せしめつつ撹拌せしめる方法
(2)試料容器内に撹拌棒を挿入して回動作動、または上下動せしめつつ撹拌せしめる方 法
等が知られている。
【0003】
しかしながら、第1の試料容器を振盪せしめつつ撹拌せしめる方法は、試料容器を密閉する必要があり、また、蓋のない試料容器には使用することが出来ないのみならず、均一な撹拌効果が期待しずらいものである。
【0004】
また、第2の試料容器内に撹拌棒を挿入して回転作動、または上下動せしめつつ撹拌せしめる方法は、細長い容器内では撹拌による試料の分散が局地的に行われるため、試料全体を均一化せしめるためには長時間を要する。また、場合によっては、撹拌棒が試料容器の内壁に接触して相互に損傷する等のおそれがあるものである。
【0005】
かかる従来例の問題点を解決するものとして、特開平8−122233号公報には、先端部にノズル部が形成されると共に、中間箇所に側孔が形成されてなる中空パイプと、該中空パイプの内部に配設された回転軸を有する撹拌翼とを備え、ノズル部および側孔のいづれか一方を流出口、他方を流入口とされてなり、上記中空パイプを試料容器内に挿入して回転軸を回転作動せしめ、試料を流出口から中空パイプ外側、流入口、中空パイプ内側へと順次循環せしめつつ試料を撹拌せしめる、試料撹拌装置が開示されている。
【0006】
また、特開平6−148043号公報には、少量試料容器内にエア−ノズルを配設し、該エア−ノズルより試料容器内の液体試料液面に空気を継続的、あるいは断続的に吹き付けて撹拌せしめる、試料の撹拌方法及び装置が開示されている。
【特許文献1】特開平8−122233号公報
【特許文献2】特開平6−148043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、例えば血液の凝固・凝集や生化学・免疫化学的等の特性を測定するさいには
、相応の採血量が必要とされるが、乳幼児などの場合には自ずと採血量が限定され、微量しか採血することが出来ないものである。このため、かかる微量の血液の特性を測定するさいには、一般に内径が2mm以下の細管状試料容器が用いられている。
【0008】
しかして、上記特開平8−122233号公報記載の試料撹拌装置は、ノズル部と側孔とが各々形成された中空パイプ内に回転軸を介して撹拌翼を挿入せしめ、撹拌翼を回転作動せしめつつ、ノズル部と側孔とを通して試料を循環せしめて試料容器内の試料を撹拌せしめるものであるから、比較的内径の大な試料容器内に挿入して試料を有効に撹拌せしめることが出来る反面、内径が2mm以下の試料容器内には挿入せしめることが出来ないものであり、ひいては、これらの細管状試料容器内の試料の撹拌には到底適用せしめることが出来ないものである。
【0009】
また、特開平6−148043号公報記載の試料撹拌方法及び装置は、エア−ノズルより試料容器内の液体試料液面に空気を吹き付けて撹拌せしめるものであるから、内径が2mm以下の細管状試料容器内に空気を吹き付けた場合には試料液面の表面張力により撹拌作動が阻害されやすく、ひいては、試料の撹拌が不十分となりやすいものである。
【0010】
本発明は従来例の問題点を解決し、内径が2mm以下の細管状試料容器内の微量液体試料を自動的に、しかも、均一かつ精確に撹拌せしめる事が出来る微量試料用撹拌装置、及びかかる微量試料用撹拌装置により均一に撹拌せしめた細管状試料容器内の微量試料の特性を光学的に測定せしめる測定方法、並びにその装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、細管状の試料容器内に所要の磁性撹拌子が遊装されると共に、該試料容器の外側にはその長手方向に沿って駆動磁石が往復作動自在に配設されてなり、上記駆動磁石を往復作動せしめつつその磁力により撹拌子を連動して遊動せしめ、試料容器内の試料を撹拌せしめるべく構成されてなることを特徴とする、微量試料用撹拌装置を要旨とするものである。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の微量試料用撹拌装置を備えた試料容器に発光波長の異なる複数の光を交互に投射し、該試料容器内を透過した複数の光の光量を電気的に検出すると共にその検出値を所定の演算式でもって一つの演算値とし、該演算値の経時的変化から試料の特性値を測定することを特徴とする、微量試料の特性測定方法を要旨とするものである。
【0013】
請求項3記載の発明は、複数の光を2つに分光し、一方の光を試料容器に投射せしめると共に、他方の光を複数の光の発光強度安定に供しめることを特徴とする、請求項2記載の微量試料の特性測定方法を要旨とするものである。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の微量試料用撹拌装置を備えた試料容器の一側に発光波長の異なる複数の光を交互に投射して透過せしめる投光手段と、該投光手段により試料容器内を透過せしめた光を受光して光電変換せしめる受光手段と、該受光手段の出力より得られた複数の検出値を所定の演算式でもって一つの演算値とする信号処理部と、前記一つの演算値を取込んで試料の光学的特性値に変換せしめる演算処理部とより構成されてなることを特徴とする、微量試料の特性測定装置を要旨とするものである。
【0015】
請求項5記載の発明は、投光手段は発光波長の異なる複数の発光源と、所定の同期信号でもって該発光波長の異なる複数の発光源を交互に点灯せしめる点灯制御回路とを備えてなることを特徴とする、請求項4記載の微量試料の特性測定装置を要旨とするものである

【0016】
請求項6記載の発明は、投光手段に発光強度制御手段が付設され、該発光強度制御手段はハ−フミラ−により分光せしめた発光強度補助光を受光する光センサ−と、受光した光を光電変換せしめる同期検波器と、該同期検波器より得られた検出値でもって複数の発光源の発光強度を安定的に制御せしめる光量制御回路とより構成されてなることを特徴とする、請求項4及び5記載の微量試料の特性測定装置を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明は上述のように構成されているから、駆動磁石を細管状とされた試料容器内の長手方向に沿って往復作動せしめつつ、その磁力により磁性撹拌子を連動して遊動せしめ、試料容器内の微量試料を自動的に、しかも、均一かつ精確に撹拌せしめることが出来るものである。
【0018】
請求項2記載の発明は上述のように構成されているから、微量の試料を均一に撹拌せしめた試料容器に発光波長の異なる複数の光を交互に投射せしめつつ、試料容器内を透過する複数の光の光量を電気的に検出すると共に、その検出値を所定の演算式でもって一つの演算値とし、該演算値の経時的変化から微量試料の特性値を常に迅速、かつ、精確に測定することが出来るものである。また、撹拌開始から測定までのタイムラグがないため撹拌初期からエンドポイントまで経時的に追跡することが出来るものである。
【0019】
請求項3記載の発明は上述のように構成されているから、発光波長の異なる複数の光を各々2つに分光せしめ、一方の光を試料容器に投射せしめると共に、他方の光を複数の光の発光強度安定に供しめるものであって、常に複数の光の発光強度を安定的に保持せしめつつ微量試料の特性値を常に迅速、かつ、精確に測定することが出来るものである。
【0020】
請求項4記載の発明は上述のように構成されているから、微量の試料を均一に撹拌せしめた試料容器に発光波長の異なる複数の光を交互に投射せしめつつ、試料容器内を透過する複数の光の光量を電気的に検出すると共に、その検出値を所定の演算式でもって一つの演算値とし、該演算値の経時的変化から微量試料の特性値を常に迅速、かつ、精確に測定することが出来るものである。
【0021】
請求項5記載の発明は上述のように構成されているから、点灯制御回路により波長の異なる複数の発光源を交互に点灯せしめ、各光量の経時的変化を測定して微量試料の特性値を精確に測定することが出来るものである。
【0022】
請求項6記載の発明は上述のように構成されているから、発光波長の異なる複数の光を各々2つに分光せしめ、一方の光を試料容器に投射せしめると共に、他方の光を複数の光の発光強度安定に供しめることが出来るものであって、常に複数の光の発光強度を安定的に保持せしめつつ微量試料の特性値を常に迅速、かつ、精確に測定することが出来るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に示す一実施例に基づいて説明する

【0024】
図1は、本発明にかかる微量試料用撹拌装置の一実施例を示すものであり、同図中、1は血液等の液体試料を収容する試料容器で、該試料容器1は微量の液体試料を収容すべく長さが20mm以下、内径が2mm以下の細管状とされると共に、視外光〜近赤外光を透過せしめる無機ガラスやプラスチックなどの材質により形成されている。2は上記試料容器1の下端部に嵌合自在とされたゴム製栓、3aは試料容器1内の長手方向に沿って遊動自在に遊装された略螺旋形状の磁性撹拌子、4は試料容器1を起立状に支持せしめる支持スタンド、5は上記撹拌子3aを磁力でもって遊動せしめるべく試料容器1の長手方向に沿ってその外側に配設された駆動磁石で、該駆動磁石5はスタンド付きガイドバ−6に沿って所要の駆動手段(図示略)により往復作動せしめるものとされている。
【0025】
図2は、本発明にかかる微量試料の特性測定装置の一実施例を示すもので、同図中、7は前記試料容器1の一側に発光波長の異なる2種類の光(投射光)を投射せしめる投光手段で、該投光手段7は第1発光源8と第2発光源9とより構成されている。そして、上記第1発光源8は赤外光、好適には発光波長が950nmの赤外発光ダイオ−ドや赤外発光レ−ザ−ダイオ−ドなどを、また、第2発光源9としては可視光、好適には発光波長が640nmの赤色発光ダイオ−ドや赤色発光レ−ザ−ダイオ−ド等が各々用いられる。10は上記第1・第2発光源8・9の光を同一光路上に投射せしめるべく配設されたダイクロックミラ−、11は第1・第2発光源8・9の光を各々試料透過光Aと発光強度補助光Bとに分光せしめるべく該ダイクロックミラ−10の前方に配設されたハ−フミラ−、12は試料透過光Aを平行光に保持せしめるべく該ハ−フミラ−11の前方に配設されたレンズ、13・14は一定量の光を試料容器1に投射して透過・受光せしめるべく該レンズ12の前方に配設された両側一対の投光用スリットと受光用スリットで、該投光用スリット13及び受光用スリット14には試料容器1の内径とほぼ同一幅の投光口15と受光口16とが各々対向状に形成されている。
【0026】
17は投光用スリット13及び受光用スリット14を通して試料容器1内を透過した試料透過光Aを受光すべく受光用スリット14の前方に配設された受光手段で、該受光手段17は試料透過光Aを収束せしめる集光レンズ18と、該集光レンズ18に収束された試料透過光Aを検知する光センサ19とより構成されている。
【0027】
20は前記第1・第2発光源8・9に各々スイッチ回路21・22を介して接続された点灯制御回路で、該点灯制御回路20は内蔵するクロックが発する所定の信号でもって第1・第2発光源8・9を交互に点灯せしめ、試料容器1に発光波長が950nmの赤外光と発光波長が640nmの赤色可視光とを交互に投射せしめるものとされている。
【0028】
23は前記受光手段17を構成する光センサ19の受光量を電気的に検出してその経時的変化を測定せしめる信号処理部で、該信号処理部23はアナログアンプ24と、同期検波器25と、変換器26とより構成されている。そして、上記同期検波器25は、光センサ19により検知した光量値が第1発光源8のものか、あるいは、第2発光源9のものかを検知せしめるもので、上記点灯制御回路20の同期信号に基づいて検波するものとされている。また、変換器26は上記2つの検知信号、即ち、赤外光透過信号と赤色可視光信号とを各々透過率に変換せしめるものとされている。
【0029】
27は上記信号処理部23を構成する変換器26に接続された演算処理部で、該演算処理部27は変換器26により演算された赤外光の透過率と赤色可視光の透過率をA/D変換して取り込み、試料容器1内の試料の特性値を算出せしめるものとされている。
【0030】
28は第1・第2発光源8・9の発光強度を一定に保持せしめる発光強度制御手段で、該発光強度制御手段28は前記ハ−フミラ−11より分光された発光強度補助光Bを検知する光センサ29と、該光センサ29により検知した光量が第1発光源8のものか、あるいは第2発光源9のものかをアナログアンプ30を介して検波せしめる同期検波器31と
、第1・第2発光源8・9の光量を一定に制御せしめる第1・第2光量制御回路32・33とより構成されている。そして、上記第1・第2光量制御回路32・33は前記点灯制御回路20を構成するスイッチ回路21・22に各々接続されると共に、同期検波器31は点灯制御回路20の同期信号に基づいて検波するものとされている。34は上記第1・第2光量制御回路32・33の電源を示す。
【0031】
次に、上述の如く構成された実施例により、例えば微量血液の赤沈を測定せしめる場合には、先ず、採血した微量の血液にクエン酸ナトリウム溶液などを添加せしめて試料を調製する。次いで、調製した試料を試料容器1に吸引、あるいは手細管現象により吸い上げて一定量の試料を収容せしめた後、下端部に栓2を嵌合せしめて閉塞せしめる。なお、試料容器1をフロ−として使用する場合には、試料容器1の両端に各々チュ−ブを接続して調製試料を収容せしめるとよい。しかるのち、駆動磁石5をガイドバ−6にガイドせしめつつ、試料容器1の長手方向に沿って所要のストロ−クでもって往復作動せしめ、その磁力により撹拌子3aを連動して往復作動状に遊動せしめつつ試料を撹拌する。このさい、駆動磁石5を細管状とされた試料容器1の長手方向に沿って往復作動せしめつつその磁力でもって撹拌子3aを連動状に遊動せしめるものであるから、試料容器1内の微量試料を自動的に、しかも、均一かつ精確に撹拌せしめることが出来る。
【0032】
そして、試料の撹拌が完了すると、第1・第2発光源8・9を点灯制御回路20により制御せしめつつ、赤外光と赤色可視光とを交互に点灯せしめ、試料容器1方向に投射せしめる。第1・第2発光源8・9より投射せしめた赤外光と赤色可視光を各々ダイクロックミラ−10により同一光路上に保持せしめつつハ−フミラ−11により試料透過光Aと発光強度補助光Bとに分光する。そして、分光した発光強度補助光Bを光センサ29によりその光量を検知せしめると共に、検知光量が赤外光か、赤色可視光かを点灯制御回路20の信号に基づき同期検波器31でもって検知せしめ、その信号に基づいて第1・第2光量制御回路32・33により第1・第2発光源8・9の発光強度を安定的に保持せしめる。このさい、第1・第2発光源8・9の発光強度を安定的に保持せしめることが出来るため
、微量試料の赤沈を常に迅速、かつ精確に測定せしめることが出来る。
【0033】
他方、ハ−フミラ−11により分光せしめた赤外光と赤色可視光の試料透過光Aをレンズ12でもって平行光線状に保持せしめつつ、投光用スリット13の投光口15を通して一定量の光量を試料容器1に投射せしめ、試料中を透過せしめる。次いで、試料を透過せしめた試料透過光Aを、受光用スリット14を介して集光レンズ18により収束せしめつつ、光センサ19により受光量を電気的に検出せしめる。しかるのち、アナログアンプ24を介して受光量値が第1発光源8の赤外光か、第2発光源9の赤色可視光かを同期検波器25により点灯制御回路20の同期信号に基づいて検波せしめ、その経時的変化を変換器26でもって各々透過率に変換して信号処理せしめる。そして、変換器26により演算せしめた赤外光の透過率と赤色可視光の透過率を演算処理部27によりA/D変換して取り込み、試料の赤沈を算出する。このさい、赤沈値を算出するための演算式は、その一例として下記の式を用いる。
【0034】
赤沈値=K1{(1−K2・T1/T2)T2−A}
なお、式中、K1、K2、Aは定数を示す。
以下、同様に操作し、微量血液の赤沈を測定せしめるとよい。
【0035】
図4は試料の蛍光測定のための光学系の実施例を示すもので、受光用スリット14と集光レンズ18との間にフィルタ−35を介在せしめ、第1・第2発光源8・9の可視光を遮断せしめるべく構成された点が上記実施例と相違し、他の部分は同一であり、同一符号は同一部分を示す。
【0036】
なお、上記実施例において、微量試料用撹拌装置の磁性撹拌子3aは略螺旋形状とされているが、これに限定されるものでなく、例えば、図3(イ)に示す略ダンベル形状の磁性撹拌子3b、あるいは、図3(ロ)に示す球状の磁性撹拌子3c等所要形状の磁性撹拌子を採択使用することが出来る。また、適用例として微量血液の撹拌例を示したが、これに限定されるものでなく、他の単数あるいは複数の微量液体試料の撹拌にも適用せしめることが出来るものである。
【0037】
さらに、上記微量試料の特性測定装置において、発光源として第1・第2発光源8・9が用いられているが、これに限定されるものでなく、発光源を必要に応じて増加せしめ、発光波長の異る赤外光、赤色可視光、青色可視光、あるいは紫外線などを交互に投射せしめるべく構成してもよい。また、上記微量試料の特性測定装置の適用例として微量血液の赤沈測定を示したが、これに限定されるものでなく、微量血液の凝集・粘性・生化学・免疫化学などの特性測定のみならず、他の液体微量試料の特性測定にも適用せしめることが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明にかかる微量試料用撹拌装置の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる微量試料の特性測定装置の一実施例を示す構成ブロック図である。
【図3】実施例に示す撹拌子3a・3bの変形例を示す斜視図である。
【図4】微量試料の特性測定装置の他の実施例を示す一部構成ブロック図である。
【符号の説明】
【0039】
1 試料容器
3a・3b・3c 撹拌子
5 駆動磁石
7 投光手段
8 第1発光源
9 第2発光源
11 ハ−フミラ−
17 受光手段
18 集光レンズ
19 光センサ
20 点灯制御回路
23 信号処理部
24 アナログアンプ
25 同期検波器
26 変換器
27 演算処理部
28 発光強度制御手段
29 光センサ
30 アナログアンプ
31 同期検波器
32 第1光量制御回路
33 第2光量制御回路
35 フィルタ−
A 試料透過光
B 発光強度補助光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細管状の試料容器内に所要の磁性撹拌子が遊装されると共に、該試料容器の外側にはその長手方向に沿って駆動磁石が往復作動自在に配設されてなり、上記駆動磁石を往復作動せしめつつその磁力により撹拌子を連動して遊動せしめ、試料容器内の試料を撹拌せしめるべく構成されてなることを特徴とする、微量試料用撹拌装置。
【請求項2】
請求項1記載の微量試料用撹拌装置を備えた試料容器に発光波長の異なる複数の光を交互に投射し、該試料容器内を透過した複数の光の光量を電気的に検出すると共にその検出値を所定の演算式でもって一つの演算値とし、該演算値の経時的変化から試料の特性値を測定することを特徴とする、微量試料の特性測定方法。
【請求項3】
複数の光を2つに分光し、一方の光を試料容器に投射せしめると共に、他方の光を複数の光の発光強度安定に供しめることを特徴とする、請求項2記載の微量試料の特性測定方法。
【請求項4】
請求項1記載の微量試料用撹拌装置を備えた試料容器の一側に発光波長の異なる複数の光を交互に投射して透過せしめる投光手段と、該投光手段により試料容器内を透過せしめた光を受光して光電変換せしめる受光手段と、該受光手段の出力より得られた複数の検出値を所定の演算式でもって一つの演算値とする信号処理部と、前記一つの演算値を取込んで試料の光学的特性値に変換せしめる演算処理部とより構成されてなることを特徴とする
、微量試料の特性測定装置。
【請求項5】
投光手段は、発光波長の異なる複数の発光源と、所定の同期信号でもって該発光波長の異なる複数の発光源を交互に点灯せしめる点灯制御回路とを備えてなることを特徴とする
、請求項4記載の微量試料の特性測定装置。
【請求項6】
投光手段に発光強度制御手段が付設され、該発光強度制御手段はハ−フミラ−により分光せしめた発光強度補助光を受光する光センサ−と、受光した光を光電変換せしめる同期検波器と、該同期検波器より得られた検出値でもって複数の発光源の発光強度を安定的に制御せしめる光量制御回路とより構成されてなることを特徴とする、請求項4及び5記載の微量試料の特性測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−90894(P2006−90894A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−277891(P2004−277891)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(504360303)氷見市 (1)
【出願人】(599113822)株式会社センテック (7)
【Fターム(参考)】