説明

心臓弁の支持体および蓋裏打ちシステムならびに方法

置換心臓弁を支持するためのシステムおよび方法が、本明細書中に提供される。バイオプロテーゼは、バイオプロテーゼ(11)を支持構造体(18)から吊り下げることによって、貯蔵容器(19)内に貯蔵され得る。貯蔵溶液の体積は、蓋から延びる突起部(14)を有する蓋(12)を使用し、この貯蔵容器の容積のいくらかを押しのけることによって、減少し得る。この支持構造体は、この貯蔵容器の基部に載り得る。さらに、支持構造体の上方でバイオプロテーゼに取り付けられるホルダ(13)が存在し得る。このホルダ−バイオプロテーゼ−支持構造体は、貯蔵容器の蓋と基部との間に閉じ込められ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年7月19日に出願された、米国仮特許出願番号60/589,427の利益を主張する。この米国仮特許出願は、全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の背景)
本発明は、一般に、バイオプロテーゼ心臓弁を貯蔵および送達するための、システムおよび方法に関する。本発明の原理に従うシステムおよび方法は、心臓弁のあらゆるもの(例えば、大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、および三尖弁)のためのバイオプロテーゼ置換物を貯蔵および輸送するために使用され得る。バイオプロテーゼ置換物(例えば、弁の上部(supra valves))もまた、本発明の原理に従って、貯蔵および輸送され得る。弁の上部は、大動脈弁の代わりをし得るか、または大動脈弁の機能を補い得るが、患者の大動脈において、大動脈弁よりもわずかに高い位置に移植され得る。現在のバイオプロテーゼの貯蔵および送達の手順にとって不利なことが、本発明によって取り組まれる。
【背景技術】
【0003】
現在、バイオプロテーゼ心臓弁は、溶液中に貯蔵され、この溶液は、この弁が移植され得る前にすすぎ落とされなければならない。この弁は、このバイオプロテーゼの組織を保存するために、溶液中に吊り下げられる。代表的に、この溶液は、ホルムアルデヒドベースであるか、またはグルタルアルデヒドベースであり、そして手術室においては、滅菌された手術野をこの貯蔵溶液で汚染しないように注意を払わなければならない。
【0004】
しかし、現在のバイオプロテーゼ心臓弁の梱包は、ホルダのハンドルが取り付けられ得る前に、この弁を、貯蔵容器から取り出すことを必要とする(すなわち、手術室看護士または外科医は、この弁を回収するために貯蔵溶液中に達しなければならないかもしれず、その後、この瓶の中で弁を支えていた構造体を取り外さなければならないかもしれない)。この瓶は、貯蔵溶液で完全に満たされているので、これらの厄介な工程は、この弁を回収する人物の手袋を汚染する可能性を有する。さらに、貯蔵溶液が手術室内で溢れる可能性が高い。なぜなら、この瓶は、貯蔵溶液で完全に満たされているからである。
【0005】
弁をリンスする工程は、それ自体が問題であり得る。なぜなら、この手順は、少なくとも6分間かかるからである。この6分間の間に、手術室看護士は、外科医に器具、縫合糸などを提供し続けなければならない。しかし、この手術室看護士はまた、この弁をリンスする責任を負い得る。リンス用洗面器にこの弁を入れることによって、この弁を損傷し得、そしてこのリンスプロセスは、リンスする人がリンス溶液を攪拌することを必要とし得る。従って、手術室看護士は、外科医と弁リンス手順との両方に注意しなければならない。さらに、最終リンスの完了の際に外科医がこの弁の準備ができていない場合に、この弁は、長時間にわたって最終リンス用洗面器内に置かれ得る。最後に、いく人かの手術室の人員は、弁が滅菌野にある間に、弁ホルダにホルダハンドルを取り付けたがる。これらの理由により、弁が手術の間に下に置かれる場合に、この弁を保護するデバイスを提供することが、望ましくあり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、心臓弁を損傷することを心配する必要なく、リンス手順の間にリンス用洗面器に入れられ得る、心臓弁ホルダと支持体とのアセンブリを提供することである。さらに、本発明の目的は、貯蔵溶液が手術室に溢れる可能性、および手術室内の人物または表面のいずれかを汚染する可能性を低下させることである。
【0007】
これらの目的に関する心臓弁支持体および蓋裏打ちシステムは、St.Jude Medical’s BiocorおよびEpic心臓弁製品の種類のような、既存の心臓弁製品を用いて実施され得る。しかし、このような支持体および蓋裏打ちシステムは、あらゆる既存または将来の心臓弁製品の種類に適合され得ることが理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明に従う弁支持体は、瓶の蓋が外されるとすぐに、そして弁/ホルダ/支持体のアセンブリが依然として瓶の中にある間に、ホルダハンドルが、弁ホルダに取り付けられることを可能にする。本発明に従う支持体は、外科医がこの弁を移植する直前まで、この弁に取り付けられたままにされ得、この弁が必要とされるまで、この弁を保護する。このような支持体は、手術室での手順を単純にし得る。なぜなら、手術室の看護士は、この弁/ホルダ/支持体をこの瓶から取り出す必要も、ハンドルを取り付ける前にこの瓶から支持体を取り外す必要もないからである。この支持体はまた、貯蔵溶液による手術室看護士の手袋の汚染(これは、手術室看護士が手でこの瓶から弁を取り出す場合に最も起こりやすい)を排除する。このような支持体は、さらに、手術室看護士がこの弁を瓶から器具を用いて取り出す場合に、この器具の汚染およびこの弁を落下させる危険性を排除し得る。
【0009】
本発明の1つの実施形態は、クリップ様のデバイス(例えば、把持部)を包含する。このデバイスは、置換心臓弁の縫合カフに取り付けられ、そしてこの弁を下から支持する。この様式で弁を支持することにより、手術室看護士または外科医は、蓋が瓶から取り外されるとすぐに、ホルダハンドルを弁ホルダの中に直接差し込むことが可能である。この弁支持体は、外科医が移植手順を実施する準備ができるまで、置換弁に取り付けられたままであり、この置換弁を保護し得る。
【0010】
この弁を瓶の中に垂直に固定する目的で、中心に突出部を有する蓋裏打ちが、心臓弁ホルダと支持体とのアセンブリを適所に保持するために使用され得る。この突出部は、この蓋に取り付けられ、そしてこの瓶の中の容積を占有し得、より少ない貯蔵溶液の使用を可能にする。従って、蓋および蓋裏打ちが取り外される場合、この瓶の内部の流体の液面が下がり、そしてこの流体は、おそらく手術室に溢れない。
【0011】
本発明のさらなる特徴、その性質、および種々の利点は、以下の詳細な説明および添付の図面から、より明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明の原理に従う例示的な装置が、図1に図示されている。このような装置は、外科的な移植のために調製された心臓弁プロテーゼを貯蔵および輸送するための、瓶19および蓋12を備え得る。蓋12は、蓋裏打ち14をはめられ得る。心臓弁11は、弁ホルダ13および支持体18に取り付けられ得る。弁ホルダ13、心臓弁11、および支持体18が、図1に示されるように、瓶19の内部で組み立てられると、心臓弁11は、蓋裏打ち14と瓶19の基部との間に垂直方向に閉じ込められることによって、瓶19の内部で吊り下げられる。心臓弁ホルダと支持体とのアセンブリは、瓶19の基部におけるタブ17によって、回転が制限され得る。
【0013】
一般に、瓶19は、支持体18が瓶19の基部に載り、そして弁ホルダ13が心臓弁11の上方に位置した状態で、心臓弁11を収容する。しかし、心臓弁1の配向は、意図される用途に依存して、変化し得る。例えば、置換僧帽弁は、弁小葉および交連ポストが、弁の縫合カフのレベルより下方に延びた状態で、貯蔵(すなわち、保持)され得る。一方で、大動脈弁および弁の上部弁小葉および交連ポストが、弁の縫合カフのレベルから上方に延びた状態で、保持され得る。
【0014】
弁ホルダ13は、交連ポストの下端部を半径方向内向きに曲げるための、内部回転機構を備え得る。置換僧帽弁の場合、弁ホルダ13は、置換心臓弁11の縫合カフに、この弁の周囲で円周方向に間隔を空けた位置で係合し得る。大動脈弁および弁上部の置換弁を保持する場合、弁ホルダ13は、置換心臓弁の交連ポストの端部に係合するように、設計され得る。
【0015】
心臓弁11は、プロテーゼ全体が常に完全に、貯蔵溶液に浸漬するように、梱包されるべきである。このことは、代表的に、瓶19を貯蔵溶液で完全に満たすことによって、達成される。しかし、蓋裏打ち14は、瓶19の容積のいくらかを押しのけるように設計され得る。従って、瓶19は、心臓弁11の全体の浸漬を確実にするために、貯蔵溶液で完全に満たされる必要はない。本発明の原理に従う装置はまた、ホルダハンドル15を備え得る。
【0016】
支持体の1つの実施形態の拡大小サイズが、図2に示される。支持対23(これは、図1の支持体18として使用され得る)は、フィンガータブ22、リング24、支柱29、および把持部28を備え得る。把持部28は、プロテーゼ心臓弁の、縫合カフまたは他の適切な把持表面を把持するように、設計され得る。フィンガータブ22は、把持部28を支持されたプロテーゼ心臓弁から解放するように、絞るように操作可能であり得る。さらに、フィンガータブ22は、瓶19の内部での支持体23に対する、静止支持を提供し得る。リング24は、瓶19が落下する場合、または瓶が何らかの他の形態の衝撃もしくは衝突に供される場合に、貯蔵された心臓弁が瓶19の壁に衝突することから保護し得る。
【0017】
支持体23は、心臓弁11の縫合カフに直接取り付けられ得る。あるいは、支持体23は、弁ホルダ13に取り付けられ得る。いくらかの心臓弁支持製品は、ホルダを上方から支持し、この貯蔵容器が開けられる場合に、ハンドル取り付け手段を遮断する。従って、ハンドルを置換弁およびホルダに取り付けるためには、この支持体がまず取り除かれなければならない。支持体23は、心臓弁を下から支持し得、そしてホルダの代わりに、置換弁の特徴と係合し得る。この特徴は、即時のハンドルの取り付けを可能にし、そしてホルダおよび支持体の相互依存を排除し、いずれかの構成要素が、他方に影響を与えることなく変更されることを可能にする。
【0018】
支持体23のような支持体は、位置工程での除去のために適合され得る。このような設計において、3つの直立する支柱29を接続するリング24は、旋回点として働き得る。リング24の下方のフィンガータブ22が弁の流れ軸の方に押されると、把持部28は、弁の縫合カフまたは他の係合表面から離れるように回転し、そしてこの弁を解放する。この特徴は、手術室での手順を単純にする。なぜなら、現行の弁支持体は、支持体を弁から取り外すために、より複雑な方法(例えば、複数の解体工程、縫合糸の切断など)を必要とするからである。
【0019】
図3は、蓋および蓋裏打ちが瓶19から取り外された後に、ホルダ13と支持体18とが把持部28によって取り付けられている、心臓弁11を図示する。ホルダ13は、アイレット34および縫合カフ36を通過する縫合糸によって、弁11に取り付けられ得る。ホルダ13は、切断溝38を有し得、その結果、弁11をホルダ13に固定している縫合糸が、弁11をホルダ13から取り外すために適切な時点に容易に切断され得る。図3に示されるように、ホルダ13は、ホルダハンドル15(図1を参照のこと)の取り付けのためのねじ山32を備え得る。
【0020】
図4に示されるように、ホルダハンドル15は、弁ホルダ13にねじ込まれ、その結果、ホルダハンドル15のねじ山42は、弁ホルダ13のねじ山32に螺合係合する。これにより、弁/ホルダ/支持体のアセンブリ50(図5を参照のこと)が、ホルダハンドル15に固定される。ねじ山32は、組み合わせられた蓋と蓋裏打ちとを取り外すと露出するので、手術室看護士または外科医が、自分の滅菌された手袋をはめた手を瓶19に実際に入れる理由がない。ホルダハンドル15は、アセンブリ50(図5を参照のこと)を瓶19から取り出すために、瓶19に直接挿入される。あるいは、ホルダハンドル15は、ホルダ13にはまり得るか、または他の任意の適切な取り付け機構が使用され得る。
【0021】
ホルダハンドル15は、弁ホルダ13にねじ込まれるので、ホルダハンドル14が締められる間に、支持体18が弁を正確に保持し得ることが、重要である。縫合カフ36が支持体18の把持部28を通って滑り始める前に、弁ホルダ13に付与され得るねじれ力を増加させる(例えば、ホルダハンドルの軸の周りで回転させて把持部を通して滑らせる)ために、小さい隆起部(例えば、図21の隆起部210を参照のこと)が、把持部28に追加され得る。
【0022】
図5は、瓶19(図示せず)から取り出されたアセンブリ50を図示する。アセンブリ50は、支持体18、心臓弁11、およびホルダ13を備え得る。一旦、アセンブリ50が取り出されると、心臓弁11がリンスされる。好ましいリンス手順は、3つの滅菌用洗面器に滅菌等張生理食塩水を充填する工程を包含し得る。アセンブリ50と、ホルダハンドル15の弁貯蔵溶液内に浸漬された部分とは、第一の洗面器の滅菌等張生理食塩水溶液に完全に浸漬されるべきである。弁は、第一の洗面器内で、穏やかに前後に動かしながら一定の時間にわたってリンスされ得る。このリンスプロセスは、3つの洗面器の各々において繰り返され得る。一旦、このリンス手順が完了すると、アセンブリ50は、外科医が移植の準備ができるまで、第三の洗面器に浸漬されたままにされ得る。好ましくは、アセンブリ50の全体がリンスされ、その結果、図5中の全てのものが滅菌され、アルデヒド残留物(または毒性残留物)がなく、手術環境のための準備ができる。
【0023】
一旦、このリンスプロセスが完了すると、リング24の下方のフィンガータブ22が、図6に示されるように、弁の流れ軸(矢印62によって図示される)の方へと押され、把持部28を、心臓弁11の縫合カフ36から離れるように回転させる(矢印64によって図示される)。これにより、心臓弁11および弁ホルダ13が、支持体18から解放される。支持体18は、心臓弁11と一緒にリンスおよび滅菌されたので、外科医または手術室看護士は、自分の手袋をはめた手を用いて、タブ22を自由に絞る。
【0024】
図7に示されるように、支持体18は、心臓弁11および弁ホルダ13から引き離される。この時点で、心臓弁11および弁ホルダ13は、図8に示されるアセンブリとして患者に設置するために、外科医の手に持たれる準備ができる。この設置手順が完了すると、ホルダハンドル15および弁ホルダ13は、一まとめで患者から取り除かれ得る。
【0025】
図9は、瓶110の上から下に見た図を示す。この瓶は、図1の瓶9と類似の、本発明の原理に従う瓶の別の例示である。ハンドルが弁ホルダにねじ込まれる場合に、図5のアセンブリ50と類似の、弁/ホルダ/支持体のアセンブリが、瓶110の中で回転することを防ぐために、図9および図10に示されるもののような複数のタブ117が、瓶10の底部に追加され得る。タブ117は、心臓弁の支持体のフィンガータブと協働し、そして弁/ホルダ/支持体のアセンブリが、この瓶の中で自由に回転することを防ぐ。
【0026】
図9〜図13は、蓋のねじ山112およびタブ117を備える、瓶110の細部を示す。
【0027】
蓋裏張り(例えば、図14〜図18に図示される蓋裏張り140)は、弁貯蔵容器の有効性を高め得る。蓋裏張り140は、瓶19のような瓶の蓋にプレスばめされ得、そしてこの蓋が取り外されると、この瓶から取り外される。蓋が瓶に取り付けられると、円筒形の突起部142が、この蓋裏張りから瓶の中へと延び、そしてこの瓶の中の貯蔵溶液の体積を減少させる、これらの2つの要因に起因して、この蓋が取り外される場合に、この瓶の中の流体レベルは、この瓶の縁の充分に下方まで低下し、貯蔵溶液が手術室に溢れる可能性を大いに低下させる。
【0028】
蓋裏張り140は、弁/ホルダ/支持体のアセンブリを瓶の中で垂直に固定し、そして輸送の間の損傷を防止するために、使用され得る。蓋裏張り140の円筒形の突起部142は、中空であり得、その結果、曲がることが可能であり、そして様々な高さの弁/ホルダ/支持体のアセンブリを固定することが可能である。中空領域160は、図16に示される。図14〜図18は、本発明の原理に従う蓋裏張りの細部を示す。
【0029】
図19〜図33は、本発明の原理に従う心臓弁支持体の、種々の実施形態の細部を図示する。具体的には、図19〜図23は、大動脈弁支持体の特徴を示し、図24〜図28は、僧帽弁支持体の特徴を示し、そして図29〜図33は、弁の上部の支持体の特徴を示す。この支持体は、可撓性であり得、その結果、1つの支持体が、各型の心臓弁についてのサイズ範囲全体に適合し得、異なるサイズの支持体の必要性を排除する。
【0030】
図19は、大動脈弁支持体190を示す。大動脈弁支持体190は、支柱192、把持部194、リング196、およびフィンガータブ200(図20を参照のこと)を有し得る。把持部194は、ねじれ隆起部210(図21を参照のこと)を有し得、これは、縫合カフの布の小さい溝にはまるように設計されており、そして主にハンドルの締め付けに抵抗するように、非対称的である。大動脈支持体190は、置換大動脈弁の周囲で円周方向に間隔を空けた位置で、この置換大動脈弁の縫合カフに係合する。
【0031】
図24は、置換僧帽弁を支持するために適合された特別な特徴を有し得る支持体240を図示する。図1のホルダ13と類似のホルダが、置換僧帽弁の周囲で円周方向に互いから間隔を空けた3つの領域で、縫合カフに隣接して、置換僧帽弁に係合し得る。支持体240は、ホルダがこの弁に係合する位置で円周方向に挿入され、そしてこれらの位置から間隔を空けた位置で、縫合カフに係合し得る。
【0032】
僧帽弁支持体240は、支柱242、把持部244、リング246、およびフィンガータブ250(図25を参照のこと)を有し得る。把持部244は、ねじれ隆起部260(図26を参照のこと)を有し得、これは、縫合カフの布の小さい溝にはまるように設計されており、そして主としてハンドルの締め付けに抵抗するように、非対称的である。僧帽弁支持体240は、置換僧帽弁の縫合カフに、この置換僧帽弁の周囲で円周方向に間隔を空けた位置で係合する。
【0033】
図29は、上方の置換心臓弁を係合するための支持体290を示す。上方の支持体290は、置換上方弁の縫合カフに、この弁の周囲で円周方向に間隔を空けた位置で係合し、そして支柱292、把持部294、リング296、およびフィンガータブ300(図30を参照のこと)を有し得る。把持部294は、ねじれ隆起部310(図30を参照のこと)を有し得、これは、ハンドルの締め付けに主として抵抗するように設計される。
【0034】
図19〜図33に見られるように、支柱、把持部、リング、およびタブの種々の特徴は、種々の型の置換心臓弁を支持するように改変され得る。しかし、これらの支持構造体の基本的な構造原理は、本発明の原理に従って一定なままである。
【0035】
上記のことは、本発明の原理の例示のみであること、および種々の改変が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者によってなされ得ることが、理解される。例えば、記載された手順におけるいくつかの工程の順序は、重要ではなく、所望であれば変更され得る。また、種々の工程が、種々の技術を用いて実施され得る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明の原理に従う装置の例示的な実施形態の切り取り斜視図である。
【図2】図2は、本発明の原理に従う装置の例示的な実施形態の斜視図である。
【図3】図3は、図1に図示される装置の拡大図を示す、図1と類似の図であり、本発明に従う特定の例示的な手順の一部および関連する装置を示す。
【図4】図4は、図3によって部分的に示される例示的な手順における、後の段階を、関連する装置と一緒に示す、図1と類似の図であり、全て、本発明に従う。
【図5】図5は、図3および図4によって部分的に示される例示的な手順における、さらに後の段階を、関連する装置と共に示し、全て、本発明に従う。
【図6】図6は、図3〜図5に部分的に示される例示的な手順における、さらに後の段階を、関連する装置と共に示し、全て、本発明に従う。
【図7】図7は、図3〜図6によって部分的に示される例示的な手順における、さらに後の段階を、関連する装置と共に示し、全て、本発明に従う。
【図8】図8は、図3〜図7によって部分的に示される例示的な手順における、さらに後の段階を、関連する装置と共に示し、全て、本発明に従う。
【図9】図9は、本発明の原理に従う装置の例示的な実施形態の斜視図である。
【図10】図10は、図9の線10−10から見た、図9に示される装置の断面図である。
【図10A】図10Aは、図10の細部Aの拡大図を示す、図10と類似の図である。
【図10B】図10Bは、図10の細部Aの拡大図を示す、図10と類似の図である。
【図11】図11は、本発明の原理に従う装置の例示的な実施形態の斜視図である。
【図12】図12は、図11に示される装置の等角図である。
【図13】図13は、図11に示される装置の等角図である。
【図14】図14は、本発明の原理に従う装置の例示的な実施形態の斜視図である。
【図15】図15は、図14に図示される装置を示す、図14と類似の図である。
【図16】図16は、図15の線16−16から見た、図15に示される装置の断面図である。
【図17】図17は、図14〜図16に示される装置の等角図である。
【図18】図18は、図14〜図16に示される装置の等角図である。
【図19】図19は、本発明の原理に従う装置の例示的な実施形態の斜視図である。
【図20】図20は、図19の線20−20から見た、図19に示される装置の断面図である。
【図21】図21は、図19の線21−21から見た、図19に示される装置の拡大詳細断面図である。
【図22】図22は、本発明の原理に従う装置の例示的な実施形態の斜視図である。
【図23】図23は、図22に示される装置の等角図である。
【図23A】図23Aは、図23の細部Aの拡大図を示す、図23と類似の図である。
【図24】図24は、本発明の原理に従う装置の例示的な実施形態の斜視図である。
【図25】図25は、図24の線25−25から見た、図24に示される装置の断面図である。
【図26】図26は、図24の線26−26から見た、図24に示される装置の拡大詳細断面図である。
【図27】図27は、本発明の原理に従う装置の例示的な実施形態の斜視図である。
【図28】図28は、図27に示される装置の等角図である。
【図28A】図28Aは、図28の細部Aの拡大図を示す、図28と類似の図である。
【図29】図29は、本発明の原理に従う装置の例示的な実施形態の斜視図である。
【図30】図30は、図29の線30−30から見た、図29に示される装置の断面図である。
【図31】図31は、図29の線31−31から見た、図29に示される装置の拡大詳細断面図である。
【図32】図32は、本発明の原理に従う装置の例示的な実施形態の斜視図である。
【図33】図33は、図32に示される装置の等角図である。
【図33A】図33Aは、図33の細部Aの拡大図を示す、図33と類似の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオプロテーゼを貯蔵するための装置であって、
容積および基部を有する瓶;ならびに
蓋から延びる突起部を有する蓋、
を備え、
該瓶の容積が該突起部によって減少する、装置。
【請求項2】
前記バイオプロテーゼのための支持構造体をさらに備え、該支持構造体は、前記瓶の基部に載るように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記バイオプロテーゼのためのホルダをさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記支持構造体および前記ホルダが、前記瓶の基部および前記蓋の突起部によって閉じ込められる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
バイオプロテーゼを貯蔵するための方法であって、
容積を有する瓶の内部に該バイオプロテーゼを吊り下げる工程;
該瓶を貯蔵溶液で満たす工程;および
該瓶の容積の一部を、蓋から延びる突起部を有する蓋で押しのける工程、
を包含する、方法。
【請求項6】
前記瓶の内部のバイオプロテーゼを、バイオプロテーゼ支持体上で支持する工程をさらに包含する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
バイオプロテーゼを支持するための装置であって、
貯蔵容器の基部に載るように構成されている支持構造体;ならびに
該支持構造体に操作可能に取り付けられる把持部であって、該把持部は、該バイオプロテーゼを把持および解放するために構成されている、把持部、
を備える、装置。
【請求項8】
前記支持構造体が、リングを備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記支持構造体が、支持タブを備える、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記支持タブが、前記把持部を操作するように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記支持タブが、前記貯蔵容器の基部上のタブに係合する、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記把持部が、隆起部をさらに備え、該隆起部は、該把持部に対する前記バイオプロテーゼの動きを防止するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項13】
前記支持構造体が、前記把持部を前記リングに連結する支柱をさらに備える、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
容量、基部および蓋を有する貯蔵容器内で、バイオプロテーゼを支持するための方法であって、該方法は、
該バイオプロテーゼを、支持構造体を用いて、該貯蔵容器の基部から支持する工程;
該支持構造体の上方で、該バイオプロテーゼにホルダを取り付ける工程;ならびに
該ホルダ、該バイオプロテーゼ、および該支持構造体を、該貯蔵容器の基部と該貯蔵容器の蓋との間に閉じ込める工程、
を包含する、方法。
【請求項15】
前記蓋から延びる突起部を用いて、前記貯蔵容器の容量の一部を押しのける工程をさらに包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記貯蔵容器の基部上のタブを用いて、前記ホルダ、前記バイオプロテーゼ、および前記支持構造体を回転可能に閉じ込める工程をさらに包含する、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図23A】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図28A】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図33A】
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【公表番号】特表2008−506497(P2008−506497A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522613(P2007−522613)
【出願日】平成17年7月18日(2005.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/025352
【国際公開番号】WO2006/023175
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(500232466)セント ジュード メディカル インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】