説明

快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造

【課題】快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造の提供。
【解決手段】この発明は快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造に関するものである。多重ペンダント・ヒドロキシルグループを持つ保水、親水性アクリレート化合物、撓性の二官能価のアクリレート架橋剤、撓性のロングチェーン単官能基アクリレート単量体及びHEMA。この構成は快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造を提供するものである。このような構造は保水力、撓性、適正な架橋密度、従来のソフトコンタクトレンズの必要な機械性強度及び光学物質を持つほか、ダングリングチェーンも持つのである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はソフトコンタクトレンズの構造に関するものである。特に、快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造に関するものを指す。
【背景技術】
【0002】
市販のコンタクトレンズは殆どヒドロゲルポリマーで作られたので、通常大量の水分を吸収できるが、機械的強度も必要である。ハードコンタクトレンズと比較すると、ヒドロゲルソフトコンタクトレンズの弾性が良く、水の含有量が高いので、より素晴らしい酸素透過性を持つため、初めて装着する場合の快適さが明らかにハードコンタクトレンズより素晴らしいが、時間を経過すると、ソフトコンタクトレンズが早めに水分損失(脱水)の現象が生じることで、外部環境とレンズの間での水分濃度の差がひどくなるので、目に不快感及び機能上の問題が生じるのである。
【0003】
コンタクトレンズを装着する場合、コンタクトレンズの水分損失によって生じる問題は酸素透過性減少、レンズ強度の変化、レンズがきつくなり又はねじれ、視覚が悪くなり、新陳代謝廃物の沈殿が増え、目が敏感になり、目の乾きにより感染などを含む〔I. Tranoudis, and N.Efron, Contact Lens & Anterior Eye, 27,133-148,2004.〕。
【0004】
水分蒸発の速度及び量を決める原因はレンズの含水量、レンズの厚さ、まばたきの頻度及び程度、涙のpH、涙の量、浸透圧モル濃度、まぶた開き口のサイズ、気温、相対湿度、風速〔I. Tranoudis, and N.Efron, Contact Lens & Anterior Eye, 27,115-131,2004.〕などを含む。このような外部からの原因のほか、レンズの材質の属性例えば、親水性、水素結合、橋かけ密度などはすべてレンズの脱水レートにひどく影響する。
【0005】
最近、酸素透過性を改善する材質が開発された。その方法は水分損失(脱水)を減少、又はレンズの表面を改善することで生体適合性を高めることで、コンタクトレンズを使用してから、病気にかかるリスクを減少することができる。上述の材質は特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8の中に記載される水素化珪素(例えばBausch & Lomb のBalafilcon )、又、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16の中に記載されるGMAヒドロゲル(例えばBenz Research and DevelopmentのHioxifilconの特許文献17に記載されるホスホリルコリン・ヒドロゲル(例えば、Biocompatibles International(Proclear lens)のOmafilcon))、及びその他アクリルアミド機能化炭水化物、スルホキシド、親水性又は疎水性共重合体材質があるスルホン共重合体(特許文献18、特許文献19の記載の通り) を含むバイオミメティック・ヒドロゲル材質などがある。このような材質は親水性、湿潤性及び蛋白質の吸着量が低い長所があるので、酸素透過性及び脱水のため起きた問題を多少緩和できる。
【0006】
シリコーンヒドロゲルはシロキサングループ自体が疎水性を持ち、湿潤性が悪く、その表面に過剰な類脂質沈殿物を生じる低表面エネルギーなどの欠点がある〔Y.C.Lai and G.D.Friends, J. Biomed. Mater. Res.,35,349-356,1997〕。市販のシリコンレンズは殆ど時間がかかるプラズマ処理でこの問題を緩和する。グリセリル・メタクリレートを含むレンズに大量のグリセリル・メタクリレート(又は2,3-ジヒドロキシプロピル・メタクリレート)を添加してあるので、その他アクリレート単量体と比較すると、モル比率が10:90より高い。グリセリル・メタクリレートは特許文献20に記載される方法の通り、希釈された強酸水溶液を利用して、グリセリルピリデン・メタクリレートを加水分解して製造し、又は、M. F. Refojo, J. Appl. Polym. Sci., 9,3161-317-(1965)に記載される方法の通り、グリシジル・メタクリレートを加水分解して製造しても良い。大量のグリセリル・メタクリレートを含むコンタクトレンズは、グリセリル・メタクリレートの中での多重水酸基に強大な水素結合があるので、その粘性が強くなるため、コンタクトレンズの処理が難しくなる。
【0007】
コンタクトレンズを装着する時、不快適である場合、目が赤くなるし、感染される可能もあるので、コンタクトレンズを装着する場合の快適さは皆の心配する問題になる。但し、レンズを装着する場合の不快適は必ず脱水問題に関係があることとは言えない。しかも、レンズを装着する場合の不快適は材質の物理及び表面の属性、レンズの幾何設計のほうが関係あると考えられる。
【0008】
高いDk及び/又は高い含水量のほか、コンタクトレンズの快適さはレンズ表面の湿潤度と密接の関係がある〔K.Edwards, Optometry Today, June 1, 20-25,2001〕。
湿潤度が良いレンズであれば、瞬きする時、瞼とレンズの間に生じる摩擦がより少ないし、涙の交換を助けるので、不適正なレンズ移動で生じる問題を最小限まで下げることができる。又、涙の交換が足りない場合、感染又は炎症を生じるか恐れがあり、レンズと角膜の間での涙の交換が十分できる場合、目の中でのごみを流すことができる。又、感染された細胞、細菌、その他累積物質、目の乾き(脱水)の現象がある場合、レンズの表面での涙フィルム物質が変性及び水晶化になるので、そのレンズの上での沈殿物がより多くなる〔I. Tranoudis, and N. Efron, Contact Lens & Anterior Eye, 27, 115-131.2004.〕。目の中でのごみはレンズの後ろに粘着して、微生物を吸収するので、抗原濃度が高くなることで、免疫反応(浸透)が生じる。又、レンズ物質の粘着ヒステリシスは表面接触、インターフェースでの分子の絡み合い、接触エリアの化学引力、取り出す場合の散逸的プロセス例えば粘着及び伸縮性の損失などの表面整復によって決まるのである〔E.Girard-Reydet, R. Oslanec, P. Whitten, and H.R. Brown, Langmuir, 20, 708-713,2004〕。新陳代謝の廃物をクリアできる涙の交換が粘着に影響されるが、目が開く時、レンズを快速的に移動すればその粘着を最低限まで下がることができるので、レンズの移動程度はレンズの快適さに重大的な影響がある。
【0009】
涙の分泌とレンズの移動がレンズの弾性、曲率、厚さ、レンズ及び角膜の間での摩擦抵抗に影響される〔I. Tranoudis, and N. Efron, Contact Lens & Anterior Eye,27,133-148,2004〕。ヒドロゲルの摩擦はレンズと角膜の界面の相互作用によって決まる。ヒドロゲルが滑動する場合、そのヒドロゲルと基質の間での界面反応は相互に排斥するので、界面のウォーターレーヤの摩擦係数が低くなる。更に、モールドの表面も界面属性を影響し、モールドの表面と隣接するポリマー表層の架橋密度が減少したので、疎水性基質例えばPS、PTFE、PE、PP、PVC、PMMA等の摩擦係数を減少しやすいのである。
【0010】
低い架橋密度があるダングリングのレンズ表面は溶剤層の流体力学厚みを強化できるので、ゲル表面との近い所にあるフリーのポリマーチェーンと枝状のダングリングチェーンは、瞬き又は移動等の軽い動作で摩擦係数を減少できる〔J.P. Gong, T. Kurokawa, T. Noaita, G. Kagata, Y. Osada, G. Nishimura, and M. Kinjo, J. Am. Chem., Soc., 123.5582-5583,2001〕。そのほか、特定の構造がある表面の接触面積はすべり表面より小さいし、低い摩擦及び微小な振動の移動システムが必要な潤滑剤を最小まで減少できる(潤滑剤消耗の減少)。
【0011】
チェーンの弾性が摩擦の減少に重要である。滑動する時、二つの基質の表面での凸塊(粗面)の交互作用は表面の加熱によるエネルギーを発散することになる。これは物質の属性及び電子刺激に関係ある。この滑動ワークで生じる転換熱は摩擦力を生じる原因である。滑動する表面の上に弾性のロングチェーンを持つことで、滑動する場合の直接のぶつかることを避けられ、更に、ハイロードの場合、低い摩擦を維持できる。又、チェーンの障害が摩擦する時のエネルギー発散と強烈な関係があるので、チェーンが長いほど、障害の程度が低く、摩擦も低くなる〔D.W. Brenner, Adv. Mat. & Process. Technol., 5,1-6,2001〕。
【0012】
【特許文献1】米国特許第3808178号
【特許文献2】米国特許第4136250号
【特許文献3】米国特許第4153641号
【特許文献4】米国特許第4182822号
【特許文献5】米国特許第4640941号
【特許文献6】米国特許第4711943号
【特許文献7】米国特許第5034461号
【特許文献8】米国特許第5070215号
【特許文献9】米国特許第4056496号
【特許文献10】米国特許第4543371号
【特許文献11】米国特許第5532289号
【特許文献12】米国特許第5891932号
【特許文献13】米国特許第6566417号
【特許文献14】米国特許第6627674号
【特許文献15】米国特許第6599959号
【特許文献16】米国特許第6555598号
【特許文献17】米国特許第6828029号
【特許文献18】米国特許第6552103号
【特許文献19】米国特許第6107365号
【特許文献20】イギリス特許第852348号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述の通り、この発明の重要な目的は、快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造を提供するものである。このような構造は保水力、撓性、適正な架橋密度、従来のソフトコンタクトレンズの必要な機械性強度及び光学物質を持つほか、ダングリングチェーンも持つのである。更に、この構成に保水、親水性アクリレート化合物、多重ペンダント・ヒドロキシルグループ、撓性の二官能価のアクリレート架橋剤、撓性のロングチェーン単官能基アクリレート単量体及びメタクリル酸−2-ヒドロキシエチル(HEMA)を含有する。
【0014】
多重ペンダント・ヒドロキシルグループを持つ保水、親水性アクリレート化合物はジヒドロキシプロピル・メタクリレート、ジヒドロキシプロピル・アクリレート、ジヒドロキシブチル・メタクリレート、ジヒドロキシブチル・アクリレート、ジヒドロキシペンチル・メタクリレート、ジヒドロキシペンチル・アクリレート、ジヒドロキシヘキシル・メタクリレート、ジヒドロキシヘキシル・アクリレート、ジヒドロキシルポリエチレ・メタクリレート、ジヒドロキシルポリエチレン・アクリレート、グリセリル・メタクリレート及びその類似なものを含むが、それだけに限定されるものではない。これらの化合物はすべて多重ヒドロキシルグループを持ち、強大な水素結合を提供することで、適切な架橋密度で緊密に水分を吸引する。又、グリセリル・メタクリレートが良く使われ、100partsのメタクリル酸−2-ヒドロキシエチル(HEMA)の反応体であれば、できるだけ3〜9%(PHR)の比率で添加するほうが良いので、レンズでのグリセリル・メタクリレートの添加が3PHR未満の場合、その保水力が明らかではない。前述で記載されるグリセリル・メタクリレートを使用して、保水コンタクトレンズを製造する特許は、殆ど大量のグリセリル・メタクリレート(9PHRを超える)を添加するため、レンズの表面が粘着になるので、レンズの取り扱いも難しくなる。
【0015】
撓性の二官能価のアクリレート架橋剤はジエチレングリコール・ジメタクリレート、トリエチレングリコール・ジメチアクリレート、テトラエチレングリコール・ジメチアクリレート、ペンタンジオール・ジメチアクリレート、ヘキサンジオール・ジメチアクリレート、ポリエチレングリコール・ジメチアクリレート、ジプロピレングリコール・ジメチアクリレート、トリプロピレングリコール・ジメチアクリレート、テトラプロピレングリコール・ジメチアクリレート、ポリプロピレングリコール・ジメチアクリレート、ジエチレングリコール・ジアクリレート、トリエチレングリコール・ジアクリレート、テトラエチレングリコール・ジアクリレート、ペンタンジオール・ジアクリレート、ヘキサンジオール・ジアクリレート、ポリエチレングリコール・ジアクリレート、ジプロピレングリコール・ジアクリレート、トリプロピレングリコール・ジアクリレート、テトラプロピレングリコール・ジアクリレート、ポリプロピレングリコール・ジアクリレート、ポリグリセロール・ジアクリレート、及びその類似なものを含むが、それだけに限定されるものではない。撓性の二官能価のアクリレート架橋剤例えばテトラエチレングリコール・ジメタクリレートについて、ウェイト100partsの2‐ヒドロキシエチルメタクリレートの反応体であれば、できるだけ0.5〜2%の比率で添加するほうが良い。架橋剤の量が不適切な場合、その弾性、引っ張り強さ、保水力、レンズの移動に障害を生じさせる。
【0016】
レンズのダングリングチェーンを調整するための撓性のロングチェーン単官能価のアクリレート単量体はメトキシジエチッレングリコール・メタクリレート、メトキシテトラエチレングリコール・メタクリレート、ペンタンジオール・メタクリレート、ヘキサンジオール・メタクリレート、メトキシテトラエチレングリコール・メタクリレート、メトキシジポリエチレングリコール・メタクリレート、メトキシポリエチレングリコール・メタクリレート、メトキシトリプロピレングリコール・メタクリレート、メトキシテトラプロピレン・メタクリレート、ポリプロピレングリコール・メタクリレート、メトキシポリギリセリン・メタクリレート、メトキシポリグリセロール・メタクリレート、メトキシジエチレン・アクリレート、メトキシトリエチレングリコール・アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール・アクリレート、メトキシペンタンジオール・アクリレート、ヘキサンジオール・アクリレート、メトキシポリエチレングリコール・アクリレート、メトキシジプロピレングリコール・アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール・アクリレート、メトキシテトラプロピレングリコール・アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール・アクリレート、ポリグリセロール・アクリレート類似なものを含むが、それだけに限定されるものではない。重合作用期間に分離状態を避けるため、その選んだ撓性のロングチェーン単官能基アクリレートがその他成分との間に適合性を持たなければならない。撓性のロングチェーン単官能基アクリレート例えばメトキシテトラエチレングリコール・アクリレートについて、ウェイト100partsの2‐ヒドロキシエチルメタクリレートの反応体であれば、できるだけ0.05〜1%の比率(PHR)で添加するほうが良いのである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1の発明は、快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造に関するものである、それは多重ペンダント・ヒドロキシルグループを持つ保水、親水性アクリレート化合物、撓性の二官能価のアクリレート架橋剤、撓性のロングチェーン単官能基アクリレート単量体及びHEMAを含むことを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造としている。
請求項2の発明は、請求項1記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、多重ペンダント・ヒドロキシルグループを持つ保水、親水性アクリレート化合物はジヒドロキシプロピル・メタクリレート、ジヒドロキシプロピル・アクリレート、ジヒドロキシブチル・メタクリレート、ジヒドロキシブチル・アクリレート、ジヒドロキシペンチル・メタクリレート、ジヒドロキシペンチル・アクリレート、ジヒドロキシヘキシル・メタクリレート、ジヒドロキシヘキシル・アクリレート、ジヒドロキシルポリエチレン・メタクリレート、ジヒドロキシルポリエチレン・アクリレート、及びグリセリル・メタクリレートを含むものから選ぶことを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造としている。
請求項3の発明は、請求項1記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、多重ペンダント・ヒドロキシルグループを持つ保水、親水性アクリレート化合物はグリセリル・メタクリレートで構成されるものであることを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造としている。
請求項4の発明は、請求項3記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、グリセリル・メタクリレートの使用範囲は100partsのHEMAの中での3〜9partsであることを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造としている。
請求項5の発明は、請求項1記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、撓性の二官能価のアクリレート架橋剤はジエチレングリコール・ジメタクリレート、トリエチレングリコール・ジメチアクリレート、テトラエチレングリコール・ジメチアクリレート、ペンタンジオール・ジメチアクリレート、ヘキサンジオール・ジメチアクリレート、ポリエチレングリコール・ジメチアクリレート、ジプロピレングリコール・ジメチアクリレート、トリプロピレングリコール・ジメチアクリレート、テトラプロピレングリコール・ジメチアクリレート、ポリプロピレングリコール・ジメチアクリレート、ジエチレングリコール・ジアクリレート、トリエチレングリコール・ジアクリレート、テトラエチレングリコール・ジアクリレート、ペンタンジオール・ジアクリレート、ヘキサンジオール・ジアクリレート、ポリエチレングリコール・ジアクリレート、ジプロピレングリコール・ジアクリレート、トリプロピレングリコール・ジアクリレート、テトラプロピレングリコール・ジアクリレート、ポリプロピレングリコール・ジアクリレート、及びポリグリセロール・ジアクリレートを含むものから選ぶことを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造としている。
請求項6の発明は、請求項1記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、撓性の二官能価のアクリレート架橋剤はテトラエチレングリコールで構成されるものであることを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造としている。
請求項7の発明は、請求項6記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、テトラエチレングリコールの使用範囲は100partsのHEMAの中での0.5〜2partsであることを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造としている。
請求項8の発明は、請求項1記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、撓性のロングチェーン単官能価のアクリレート単量体はメトキシジエチッレングリコール・メタクリレート、メトキシテトラエチレングリコール・メタクリレート、ペンタンジオール・メタクリレート、ヘキサンジオール・メタクリレート、メトキシテトラエチレングリコール・メタクリレート、メトキシジポリエチレングリコール・メタクリレート、メトキシポリエチレングリコール・メタクリレート、メトキシトリプロピレングリコール・メタクリレート、メトキシテトラプロピレン・メタクリレート、ポリプロピレングリコール・メタクリレート、メトキシポリギリセリン・メタクリレート、メトキシポリグリセロール・メタクリレート、メトキシジエチレン・アクリレート、メトキシトリエチレングリコール・アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール・アクリレート、メトキシペンタンジオール・アクリレート、ヘキサンジオール・アクリレート、メトキシポリエチレングリコール・アクリレート、メトキシジプロピレングリコール・アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール・アクリレート、メトキシテトラプロピレングリコール・アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール・アクリレート、及びポリグリセロール・アクリレートを含むものから選ぶことを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造としている。
請求項9の発明は、請求項1記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、撓性のロングチェーン単官能価のアクリレート単量体はメトキシテトラエチレングリコール・アクリラートで構成されることを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造としている。
請求項10の発明は、請求項9記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、メトキシテトラエチレングリコール・アクリラートの使用範囲は100partsのHEMAの中での0.05〜1partsであることを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造としている。
【発明の効果】
【0018】
この発明は快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造に関するものである。多重ペンダント・ヒドロキシルグループを持つ保水、親水性アクリレート化合物、撓性の二官能価のアクリレート架橋剤、撓性のロングチェーン単官能基アクリレート単量体及びHEMA。この構成は快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造を提供するものである。このような構造は保水力、撓性、適正な架橋密度、従来のソフトコンタクトレンズの必要な機械性強度及び光学物質を持つほか、ダングリングチェーンも持つのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
ソフトコンタクトレンズを作製する基本処方は100partsのHEMA、15partsのN−ビニルピロリドン、1.25partsのメタクリル酸、0.2partsの2-クロロチオキサンテノン(フォトイニシェーター)、1.5partsのエチレングリコール・ジメタクリレート(架橋剤)、0.05partsの調整後のLevafix Blue E-BRA(調整後の反応染料)、及び100partsのグリセリン希釈液を含む。材料の配合は直径12.66mmのポリスチレンモールドの中で行う。その基本のカーブは8.625で、中央レンズの厚さは110ミクロン、強度は100である。15ワットのUVランプ(波長、300-410mm)を使って、60℃で15分間硬化を行うが、その合計累積ライトエネルギーは硬化2100mJ/cm2である。硬化後、そのレンズをモールドから取り出して、80℃のお湯の中に20分を洗うことで、そのグリセリン希釈液と反応しない残留材料をクリアした後、25℃のスタンダード食塩水の水化物の中に24時間を置いてから、121℃、2atm圧力釜の中に約30分間を消毒する。
【0020】
インストロン試験機を使って、レンズの引張特性を測量した結果は50mm/minであり、硬化したレンズから要望するサイズ及び形状を打ち抜くし、そのサンプルの断面積を測る。その測ったレンズの引張力及びその他特性は表1の通りである。
例1、この発明の構成でソフトコンタクトレンズを作製する。
【0021】
ソフトコンタクトレンズを作製する成分は100partsのHEMA、1.3partsのメタクリル酸、0.2partの2-クロロチオキサンテノン(フォトイニシェーター)、1.0partのテトラエチレングリコール・ジメチアクリレート架橋剤、5partsのグリセリル・メタクリレート、0.1partのメトキシテトラエチレングリコール・アクリレート、0.05partの調整後のLevafix Blue E-BRA(調整後の反応染料)、及び100partsのグリセリン希釈液を含む。調整後の材料は比較例の手順によって重合及びテストを行い、そのテストの結果を表1に記載する。
例2。
【0022】
ソフトコンタクトレンズを作製する成分は100partsのHEMA、1.3partsのメタクリル酸、0.2partsの2-クロロチオキサンテノン(フォトイニシェーター)、1.0partのテトラエチレングリコール・ジメチアクリレート架橋剤、10partsのグリセリル・メタクリレート、0.1partのメトキシテトラエチレングリコール・アクリレート、0.05partの調整後のLevafix Blue E-BRA(調整後の反応染料)、及び100partsのグリセリン希釈液を含む。調整後の材料は比較例の手順によって重合及びテストを行い、そのテストの結果を表1に記載する。
【0023】
表1の結果によって、多重ペンダント・ヒドロキシルグループを持つ保水、親水性アクリレート化合物(グリセリル・メタクリレート)、撓性の二官能価のアクリレート架橋剤(テトラエチレングリコール・ジメタクリレート)、撓性のロングチェーン単官能基アクリレート単量体(メトキシテトラエチレングリコール・アクリレート)を使って作製するコンタクトレンズはより良い快適性を提供できるし、脱水の発生時間を伸ばすことができる。又、例2に大量(>>9PHR)のグリセリル・メタクリレートを使う場合、レンズの表面が粘着になることで、取り扱いが難しくなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造に関するものであり、それは多重ペンダント・ヒドロキシルグループを持つ保水、親水性アクリレート化合物、撓性の二官能価のアクリレート架橋剤、撓性のロングチェーン単官能基アクリレート単量体及びHEMAを含むことを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造。
【請求項2】
請求項1記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、多重ペンダント・ヒドロキシルグループを持つ保水、親水性アクリレート化合物はジヒドロキシプロピル・メタクリレート、ジヒドロキシプロピル・アクリレート、ジヒドロキシブチル・メタクリレート、ジヒドロキシブチル・アクリレート、ジヒドロキシペンチル・メタクリレート、ジヒドロキシペンチル・アクリレート、ジヒドロキシヘキシル・メタクリレート、ジヒドロキシヘキシル・アクリレート、ジヒドロキシルポリエチレン・メタクリレート、ジヒドロキシルポリエチレン・アクリレート、及びグリセリル・メタクリレートを含むものから選ぶことを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造。
【請求項3】
請求項1記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、多重ペンダント・ヒドロキシルグループを持つ保水、親水性アクリレート化合物はグリセリル・メタクリレートで構成されるものであることを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造。
【請求項4】
請求項3記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、グリセリル・メタクリレートの使用範囲は100partsのHEMAの中での3〜9partsであることを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造。
【請求項5】
請求項1記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、撓性の二官能価のアクリレート架橋剤はジエチレングリコール・ジメタクリレート、トリエチレングリコール・ジメチアクリレート、テトラエチレングリコール・ジメチアクリレート、ペンタンジオール・ジメチアクリレート、ヘキサンジオール・ジメチアクリレート、ポリエチレングリコール・ジメチアクリレート、ジプロピレングリコール・ジメチアクリレート、トリプロピレングリコール・ジメチアクリレート、テトラプロピレングリコール・ジメチアクリレート、ポリプロピレングリコール・ジメチアクリレート、ジエチレングリコール・ジアクリレート、トリエチレングリコール・ジアクリレート、テトラエチレングリコール・ジアクリレート、ペンタンジオール・ジアクリレート、ヘキサンジオール・ジアクリレート、ポリエチレングリコール・ジアクリレート、ジプロピレングリコール・ジアクリレート、トリプロピレングリコール・ジアクリレート、テトラプロピレングリコール・ジアクリレート、ポリプロピレングリコール・ジアクリレート、及びポリグリセロール・ジアクリレートを含むものから選ぶことを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造。
【請求項6】
請求項1記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、撓性の二官能価のアクリレート架橋剤はテトラエチレングリコールで構成されるものであることを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造。
【請求項7】
請求項6記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、テトラエチレングリコールの使用範囲は100partsのHEMAの中での0.5〜2partsであることを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造。
【請求項8】
請求項1記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、撓性のロングチェーン単官能価のアクリレート単量体はメトキシジエチッレングリコール・メタクリレート、メトキシテトラエチレングリコール・メタクリレート、ペンタンジオール・メタクリレート、ヘキサンジオール・メタクリレート、メトキシテトラエチレングリコール・メタクリレート、メトキシジポリエチレングリコール・メタクリレート、メトキシポリエチレングリコール・メタクリレート、メトキシトリプロピレングリコール・メタクリレート、メトキシテトラプロピレン・メタクリレート、ポリプロピレングリコール・メタクリレート、メトキシポリギリセリン・メタクリレート、メトキシポリグリセロール・メタクリレート、メトキシジエチレン・アクリレート、メトキシトリエチレングリコール・アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール・アクリレート、メトキシペンタンジオール・アクリレート、ヘキサンジオール・アクリレート、メトキシポリエチレングリコール・アクリレート、メトキシジプロピレングリコール・アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール・アクリレート、メトキシテトラプロピレングリコール・アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール・アクリレート、及びポリグリセロール・アクリレートを含むものから選ぶことを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造。
【請求項9】
請求項1記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、撓性のロングチェーン単官能価のアクリレート単量体はメトキシテトラエチレングリコール・アクリラートで構成されることを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造。
【請求項10】
請求項9記載の快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造において、メトキシテトラエチレングリコール・アクリラートの使用範囲は100partsのHEMAの中での0.05〜1partsであることを特徴とする快適な長時間装着タイプのソフトコンタクトレンズの構造。

【公開番号】特開2007−114712(P2007−114712A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−333347(P2005−333347)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(505427023)
【Fターム(参考)】