説明

患者又は動物の身体内の検体を検出する方法

本発明は、患者又は動物の組織内の検体を検出するための方法に関する。医学的検査において、血液のような体液内の検体の量を判定することはしばしば必要である。そのため、経験のある医療担当者により血液回収が行われ、血液は検査室において分析される。検体のこの体外測定は患者にとって不快なものである。さらに、血液回収時と検査室から測定値を得る時との間の望ましくない遅延がある。こうした不利な点を回避するため、レーザ誘起破壊分光法(LIBS)により体液における検体1を検出することが提案される。この態様においては、組織、例えば皮膚3の表面の下の或る深さにおける身体2の皮膚3の中にプラズマ6を発生し、プラズマ光16を検出し、検出されたプラズマ光の分析から所望の情報を抽出することができる。この方法は、自宅で患者により行うことができ、患者に受け入れ易くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者又は動物の身体内の身体組織に含まれる検体を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患者又は動物を治療するための診断方法を実行するときの最初の重要なステップは、測定値の取得である。代表的な第2のステップは、重要な偏差を記録するために測定値の通常値との比較である。第3のステップでは、医療担当者は、患者を治療するために適切なステップを採るために特定の臨床画像にその偏差を帰属させるよう試みる。この発明は、専ら上述の第1のステップに関連するものである。
【0003】
上述した測定値は、しばしば、血液、尿又は唾液のような体液から得られる。体液は、病気の場合に患者が健康であるときに生じる組成から外れる組成を呈する電解質を含む。
【0004】
体液が血液である場合、これは血液の引き抜きにより患者から集められ、研究室において生体外で分析され、その結果は適切なステップを採るために一般の医師に連絡される。血液回収は、患者にとってリスクを最小限にするために経験のある医療担当者により行われるべき仕事である。その担当者の脈管系へのカニューレの挿入は、非常に正確で慎重に行わなければならない医師の日常の業務であると思われる。したがって、医療担当者は、血液回収のような仕事に非常に熟練していなければならない。医師は、適切な血管を見つけなければならず、血腫又は滲出の発生を回避するために高い精度でカニューレの遠位末端を導入しなければならない。患者の脈管系によっては、高度に熟練した経験豊かな医師でも、血管内への針の挿入を何度か試みる必要もありうる。しかしながら、複数回にわたる穿刺の試みは痛みの伴うものであり、患者に相当な不快感をもたらすものである。それ故、血液回収は、多くの患者に嫌われており、不快であると考えられている。さらに、血管へ穿刺するこのような複数回の試行は、かなり時間のかかるものでもあり、緊急事態においては特に不都合である。
【0005】
人体の血液のような体液から測定値を得る上記方法の不利な点は、測定の時と結果が得られる時との間に長い遅延があることである。この遅延は、常に許容可能なものではない。かなり多くの場合において、特に不整脈の場合は適時の処置が必要である。他の不利な点は、当該方法の侵襲性とこれに関連する感染のリスクである。
【0006】
レーザプラズマ分光法又はレーザ誘起プラズマ分光法としても知られているレーザ誘起破壊分光法(LIBS;laser-induced breakdown spectroscopy)は、物質及び化合物の定性的及び定量的な側面の双方に関する元素分析を行うための周知の技術である。LIBSは、気体、液体又は固体の形態の化合物を含む多くの異なる物質の元素分析をなすために多かれ少なかれ効果的に用いることができるものである。従来技術において熟練した人に知られている基本的技術によれば、パルスレーザから出力される光は、オブジェクトの表面上に焦点を合わされる。焦点合わせさせられたレーザパルスが十分な強度を有する場合、当該オブジェクトの表面における少量の物質は、気化させられて当該気化物質の元素成分に対応する光の特定のスペクトルを放出するイオン及び励起原子からなる高温プラズマを形成する。そして、この照射された物質の元素組成を、プラズマにより放出される放射線のスペクトル分析を通じて正確に判定することができる。複数のプラズマ発生レーザパルスは、しばしば、分析の精度を向上させるよう付加的なスペクトルデータを得るために連続して用いられる。
【0007】
スペイン国特許出願に係る文献のES2170022は、液体、特に尿又は血液のような生物学的タイプの液体の定量的な元素分析を開示している。この元素分析は、LIBSを用いることによって行われる。著者は、その特許出願の序説の部分において、液体の場合にLIBSを行うために適切なレーザパラメータを見つけることは従来技術においては難しかったと書いている。彼らは、例えば液体窒素によりその液体の急速凍結によりこの問題を回避している。生体外測定においては、532nmの波長を有するレーザ光は、剥離を生じる凍結サンプルの表面に差し向けられる。剥離される物質は、プラズマ状態に転移され分析される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、患者又は動物の身体内の検体、特に体液中の検体の検出のための非侵襲的方法を提供することである。本方法は、測定の時とデータを得る時との間の特に短い遅延を示すのがよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的及びその他の目的は、独立請求項の特徴により達成される。本発明の他の実施例は、従属請求項の特徴により説明される。なお、請求項における参照符号は、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならないことに留意されたい。
【0010】
当該目的は、LIBSにより患者又は動物の組織内の少なくとも1つの検体を検出するための方法により達成されるものであり、本方法は、次のステップを有する。
【0011】
a)電磁放射線を患者又は動物の組織(例えば粘性物質、粘膜、皮膚)に浴びせるステップ。
【0012】
b)そこでの電磁放射線は、その組織の最外層により十分に伝達される波長(λ)を有するように選択されるステップ。
【0013】
c)そこでの電磁放射線の強度(I)は、当該組織の最外層の下にプラズマを発生するように選択されるステップ。
【0014】
d)当該プラズマにより放出される電磁放射線を検出するステップ。
【0015】
e)検体の少なくとも1つのスペクトル線に係る特徴を識別するステップ。
【0016】
最後の段落から得られることができる通り、生死にかかわらず当該組織の最外層の下にある患者又は動物の組織の中で検体が検出される。露出される組織は、患者及び動物の身体の外側に配置可能であり、皮膚、例えば腕又は足の皮膚とすることが可能である。露出される組織はまた、当該身体内に位置付けることもでき、口、肛門、鼻又は耳のような身体の開口部によりアクセスすることができる。さらに、動物の任意の解体された部分は、調査目的で放射線により露光可能である。以下の説明は、主として人間の患者の皮膚の調査の場合を実例を挙げる目的で引用するが、当業者であれば、本発明がこうした場合に限定されないことを理解する筈である。
【0017】
皮膚の最外層、例えば人間の場合における表皮は、レーザ剥離がないのでこの方策により損傷を受けない。これは、本方法は、表皮に対して非破壊性のものであり概して事実上非侵襲性のものであり、患者により受け入れられるものとすると同時に感染のリスクを減らすものである。
【0018】
用いられる放射線は、プラズマボリュームが身体内の表皮下にあることを保証するために当該表皮により吸収可能なものではない。無視しうる身体ボリュームだけが気化されプラズマ状態に転移されるので、これは、熱伝導性により限られた量のエネルギのみが当該プラズマ領域から表皮へと移されることを意味する。したがって患者は、熱により誘起される痛みを受けず、本方法は、患者により容易に受け入れられることになる。
【0019】
提案の方法のもう1つの利点は、測定の時と測定値が得られる時との間の特に短い遅延を有する測定値の或る意味で瞬時的な取得である。その理由は次の如くである。プラズマは長続きしないものであり、数ナノ秒間存在する。プラズマの電磁スペクトルの取得は、同じ時間間隔で生じる。これは、測定値を得るために必要な時間は、電子回路及び/又はコンピュータプログラム手段により電磁スペクトルを処理し分析する時間に概ね等しいことを意味している。その目的のために選ばれた処理ユニットについての容量に応じて、当該取得は数秒未満しかかからない。
【0020】
なお、LIBS方法により得られる測定値は、発生されるプラズマが全ての化学結合を崩壊させるので化学元素の存在に関する。したがって、少なくとも直接には、LIBSによる蛋白質のような化合物の存在を検出することができない。
【0021】
使用される方法は、非常に感度の高い方法であり、その感度は、化学元素に依存している。感度は、殆ど全てのケースにおいて500ppmよりも小さく、多くのケースでは100ppmよりも小さい。
【0022】
ここで説明される方法の他の利点は、LIBSが検体の同時測定のための単一の方法を呈することである。これは、単一の方法が、同時に複数の検体を検出するために用いられることを意味する。すなわち、異なる検体を検出するために異なる技術を用いる必要がない。
【0023】
用いられる方法の他の利点は、検体の検出を定性的かつ定量的に行うことができることである。したがって、定性的結果、例えば組織が砒素(As)で汚染されていることを得ることができる。同様に、定量的結果を得ること、例えば水銀のような望ましくない化学元素による汚染を検出することができる。例えば世界保健機関(WHO)は、殆どの種類の魚はkg当たり0.5mg未満を含んでいると指摘している。この閾値の超過は、提案の方法により容易に確認することができる。これは、望ましくない検体の存在を確認するために本方法を食品産業において用いることができることを実証するものである。
【0024】
提案の方法の他の利点は、非常にコンパクトな装置により実行することができる点である。電子構成部の小型化を考慮すると、さほどの労力を伴うことなくテーブルトップ装置のような携帯型装置を設計することができる。そして、そのサイズは概して靴箱の半分となる。最適化された設計を用いそして特に小さい部品を用いることにより、この装置をさらに小型化することができることが期待できる。装置の小さいサイズにより、患者にそれを与え、その患者が自宅で測定を行うことができるようにすることも可能になる。これは、費用のかかる医療担当者を必要としない方法を実行する非常に快適で柔軟性のある方法であり、もって高価な健康システムに金をかけないで済む。さらに、測定間の時間間隔は、測定が診療所又は病院において行われなければならない場合よりも短くなるように選択可能である。これは、医療の問題が突然出現し実際一定ではないときの場合、例えば不整脈の場合に特に有用である。
【0025】
請求項に記載の方法の第1のステップは、組織、このケースでは患者又は動物の皮膚を電磁放射線で露光することによる。この電磁放射線は、以下に続く説明において光とも呼ばれるが、好ましくはレーザの光である。この光は、皮膚へ差し向けられ焦点合わせさせられる。これは、ミラー及びレンズ又は繊維光学素子のような従来の手段によって行うことができる。
【0026】
電磁放射線の波長は、当該組織の最外層により殆ど吸収されないようなものが選ばれる。この選択の意図は、組織の最外層は、人の患者の皮膚の場合には表皮であり、傷や出血などを回避するためにダメージを受けないと見込まれる、というものである。
【0027】
焦点は、皮膚の最外層の下に選ばれる。その位置は、次のように決定される。皮膚表面の下の焦点の最小の深さは、表皮の厚さによって決定される。したがって、皮膚表面の下の最小の深さは、測定が行われる身体箇所に応じて0.03mmないし0.3mmの間となる。技術的には、皮膚表面の4mm下まで焦点を選ぶことができる。皮膚層の構造及び組成に応じて、皮膚表面の下の焦点の深さは、表皮中へ入るエネルギが1064nmの波長で3.5J/cm−2を下回るのが良いという事実により制限される。この理由は、より大なるエネルギ入力により、表皮が熱的にダメージを受け、患者はその処置から痛みを被るリスクが増大するからである。皮膚表面の下の焦点の深さを決める他の態様は、光がメラニンにより吸収されるかどうかである。皮膚の中にメラニンが無ければ、当該深さを4mmよりも大きく選択することができるのに対し、皮膚の中にメラニンがある場合には深さは4mmを超えないものとするのが良い。
【0028】
電磁放射線の強度は、皮膚の外層の下にプラズマを生じるよう選択されなければならない。焦点における強度は、波長に依存し、1000nm波長における5×1011W/cmを超えるのがよい。焦点の近くにかけられるレーザエネルギは、皮膚を気化しそれをプラズマ状態に移す。ホットプラズマは、プラズマ光とも呼ばれる放射線を放出し、これは特に分光器などの適切な検出手段により検出される。電磁スペクトルは、化学元素の特性であるスペクトル内のスペクトル線を検出することができる適切な処理手段により処理される。当該方法を実行するための装置が既知の含有成分及び既知の量を伴う組成によりキャリブレートされている場合、定量的な結果が得られる。
【0029】
本発明の好ましい形態において、調査される体液は、涙、唾液又は最も重要なものとして血液である。代替例において、検体は、組織の構成要素であり、可能性としては骨もある。
【0030】
電解質としての血液は、血液の化学組成が頻繁に医学的検査において検査されるように身体の種々の部分に血液により多くの物質が搬送されるので、特に重要なものである。提案の方法が血管内の焦点を選択することにより非侵襲性の方法により血液内の元素を検出することができることは特に価値のあることである。
【0031】
上述したように、患者又は動物の説明のために選ばれるレーザ光は、組織/皮膚の最外層に対して略透明となるように選ばれる。その目的のため、近赤外領域の放射線は、600nmないし1200nmの、好ましくは800nmないし1200nmの波長を有するものが用いられる。この波長範囲は、治療窓とも呼ばれる。
【0032】
本方法の非崩壊性の性質のために特に重要なのは、限られた身体ボリュームだけが気化されることである。その目的のため、この身体ボリュームを大きくする可能性のある機械的な副作用を最小に維持するのが良い。この目的は、フェムト秒ないしピコ秒範囲にあるパルスを有する例えばパルスレーザ光などのパルス化電磁放射線を用いることによって達成される。但し、パルスが長いほど、例えばナノ秒範囲にあるパルスは、衝撃波及びキャビテーション泡のような関連の機械的作用により周囲の皮膚を崩壊させる高エネルギプラズマを発生する。
【0033】
LIBSにより患者又は動物の皮膚内の検体を検出するための方法は、広い範囲の応用を有する。多くの可能性の中の第1の可能性は、当該方法が不整脈の検出及び/又は予測のために適用されることである。その場合、患者が自宅で自分の健康状態を管理することができ必要に応じて医師又は病院に連絡することができるので、本方法は患者にとって特に価値のあるものである。不整脈の治療のために、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)及び可能性としては銅(Cu)及び錫(Zn)は、LIBSにより検出される。
【0034】
提案の方法の他の応用例は、心不全を患う患者の追跡利尿治療である。この場合、多数の化学元素は、本方法により検出される可能性があり、患者の治療を改善するよう一般開業医により用いることができる。応用例の他の領域は、心臓発作の診断又は微量栄養素欠乏症の診断用である。
【0035】
本発明のこれらの態様及びその他の態様を、以下に説明する実施例を参照して詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
図1は、上述した方法を実行するための装置及び本方法により治療される患者を非常に概略的に示している。なお、この図1は、一律の縮尺に従っておらず、これはまた、例示を目的として当該装置のサイズが患者の身体のサイズと比べて誇張されていることを意味するものである。
【0037】
本方法を実行する装置は、患者2へ下に向かってダイクロイックビームスプリッタ13´により反射される光を放出するパルスレーザ源7を有する。このレーザ光は、1064nmの波長を有し、患者2内の焦点15において高アパーチャレーザ対物レンズ14により焦点合わせさせられるレーザ光を有するNd:YAGレーザから生じる。
【0038】
図2の助けを借りて以下に説明するように、レーザ光の焦点15は、皮膚表面の下にあり、プラズマを生成する。検出されるプラズマ光は、装置の中へ結合され、高アパーチャレーザ対物レンズ14、ダイクロイックビームスプリッタ13´、第2のダイクロイックビームスプリッタ13、投射レンズ12及び光ファイバ11を通過した後に分光器9に達する。
【0039】
分光器9は、プラズマ光を分離しそのスペクトル成分を検出ユニット(図示せず)により検出するマッチ箱のサイズの従来の分光器である。当該検出ユニットの出力は、どの化学元素がプラズマにおいて検知されたかの情報を得るために処理及び制御ユニット10に伝送される。処理ユニット10は、その化学元素の既知の量によるプローブから生じるキャリブレーションデータを含む。キャリブレーションデータを用いて、プラズマ自体の中の化学元素の存在を判定することだけでなく、それらの量を判定することもできる。
【0040】
プラズマが生じる位置は、対物レンズ14を通じて皮膚を観察するカメラ/画像形成システム8により制御することができ、レーザ7は、適切な目標位置が合焦状態にあるときにのみパルス出力することが可能となる。
【0041】
身体2内の目標、例えば血管が長めの時間期間において焦点15に留まるようにレーザ焦点(図示せず)に対して目標の位置を操作するための手段を用いることができる。これにより、種々の検体の濃度の時間発展を得るため、又は多数のプラズマイベントの結果を平均化することにより検出感度を増加させるために、多数の測定を行うことが容易になる。
【0042】
図1に示される実施例において、レーザ光、分光器9に達する光、カメラ8に達する光の様々な光路は、ダイクロイックビームスプリッタ13,13´により空間的に分離される。代替例において、フォーカシング、プラズマ光の集光及び選択される皮膚部分の画像形成のために種々の要素を用いることにより様々な経路を物理的に分離することができる。
【0043】
レーザ7により放出される光は、焦点15において5×1011W/cmのレーザ強度を発生する10Hzの繰り返しレートの1064nmの波長を有する。この焦点は、皮膚表面の概して0.6mm下の血管の中に位置するように選択される。本方法は、自宅で、利尿治療のフォローアップ及び心不全の患者のために用いられる。その目的のため、血中Cu,Ca,Mg,Na,K及びZnの存在及び量が判定される。
【0044】
図2は、皮膚表面17の下のプラズマ6を伴う皮膚3の断面を概略的に示してる。皮膚3の最外層、表皮5は、レーザ光4が大幅に吸収されることなく身体2の中に結合可能であることを許容する。レーザ光4は、皮膚表面17の概して0.6cm下の焦点15において表皮5の下に焦点合わせされる。焦点15は、血管(図示せず)の中にある。レーザ光4は、プラズマ6を形成する。非常に高温のこのプラズマ6において、血液の全ての成分は、気化され引き剥がされ、プラズマは、専ら原子、イオン及び電子からなるものとなる。プラズマ光16の検出は、プラズマ内の検体1を検出することを可能にする。
【0045】
図3の表1は、元素の周期表とLIBSの代表的検出限界とを示している。この元素の周期表から導くことができるように、検出限界は、ほぼ常に500ppmを下回る。これは、本発明による方法が、化学元素の広い範囲が高精度で検出可能である非常に感度の高い方法であることを意味している。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明を実行するための装置を概略的に示す図。
【図2】皮膚の断面を概略的に示す図。
【図3】表1として元素の周期表及びLIBSの代表的検出限界を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LIBSにより患者又は動物の組織内の検体を検出するための方法であって、
a)電磁放射線により前記患者又は動物の組織を露光するステップと、
b)前記電磁放射線を前記皮膚の最外層が本質的に透過するような波長を有するものとするステップと、
c)前記電磁放射線の強度を前記皮膚の最外層の下にプラズマを発生するよう選択するステップと、
d)前記プラズマにより放出される電磁放射線を検出するステップと、
e)前記検体の少なくとも1つのスペクトル線の特性を識別するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記検体は、前記組織内の体液に含まれ、前記体液は、血液を含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記電磁放射線は、近赤外領域における波長を有する、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記電磁放射線の波長は、約600nmと1200nmとの間、又は約800nmと1200nmとの間にある、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記強度は、5×1011W/cmを上回る、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、当該パルス長は、フェムト秒ないしピコ秒範囲内にある、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、不整脈の検出及び/又は予測に適用される方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、利尿治療に適用される方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、心臓発作の診断に用いられる方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、微量栄養素欠乏症の診断に適用される方法。
【請求項11】
患者又は動物の身体における検体の体内検出のためのレーザ誘起破壊分光法のための装置の使用法。
【請求項12】
請求項11に記載の使用法であって、前記検体は、体液又は血液に含まれる、使用法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−544799(P2008−544799A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519111(P2008−519111)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052194
【国際公開番号】WO2007/004167
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】