情報コード読取装置
【課題】 ドットパターンに影響されず液晶に表示された情報コードを読み取ることができる情報コード読取装置を提供する。
【解決手段】 圧電アクチュエータ26で反射鏡22を振動させて、エリアセンサ30に結像されるドットパターンの画像を変位させることでぼやかし、ドットパターンに影響されず液晶に表示された情報コードを読み取ることができるようにする。ここで、反射鏡22をエリアセンサ30の露光時間Fに対して、1/F以上の周波数で振動させることで、エリアセンサ30に結像されるドットパターンの画像がぼやかされる。
【解決手段】 圧電アクチュエータ26で反射鏡22を振動させて、エリアセンサ30に結像されるドットパターンの画像を変位させることでぼやかし、ドットパターンに影響されず液晶に表示された情報コードを読み取ることができるようにする。ここで、反射鏡22をエリアセンサ30の露光時間Fに対して、1/F以上の周波数で振動させることで、エリアセンサ30に結像されるドットパターンの画像がぼやかされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等に表示されたQRコード(登録商標)等の二次元光学情報を読み取る情報コード読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、光学的情報の新たな使用形態として、携帯電話にQRコード(登録商標)を表示させ、据え置き型のスキャナで読み取ることが行われている。例えば、携帯電話にQRコードを配信し、コンサート会場において、携帯電話に表示されたQRコードをスキャナで読み取ることでチケットの代わりをさせる等の態様で使用されている。特許文献1、2には、ミラーをアクチュエータで振動させる光学機器が開示されている。
【0003】
図13(A)及び図13(B)は、液晶面を拡大して示す説明図である。液晶画面は、格子状のドットパターンDに囲まれた開口部Oに、それぞれ白黒表示がなされる。図13(A)は開口率の高い(例えば70%)液晶面を示し、図13(B)は開口率の低い(例えば30%)液晶面を示している。図13(A)に示す高開口率(70%)の場合に、ドット寸法(DW)0.165mmの際に、ドットの非開口部の寸法(DB)は0.027mmになる。図13(B)に示す低開口率(30%)の場合に、高開口率と同じドット寸法(DW)0.165mmで非開口部の寸法(DB)は0.076mmとなる。
【特許文献1】特開2003−29191号公報
【特許文献2】特開平8−327927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報コード読取装置で液晶面に表示されたQRコードを読み取ろうとした際に、液晶のドットパターンに影響されて、読み取りが行い難いことがある。特に、図13(B)に示すように、低開口率(30%)の場合に非開口部の寸法(DB)が、ドット寸法(DW)に対して相対的に大きくなり、低開口率の液晶面の開口部Oに表示されたQRコードの黒、白の判別が難しくなる。ここで、ドットパターンをソフトウエアー上の処理で目立たなくすることも考え得るが、ソフトウエアー処理を行うと読み取り時間が長くなることになる。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ドットパターンに影響されず液晶に表示された情報コードを読み取ることができる情報コード読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、液晶に表示された情報コードを読み取る情報コード読取装置であって、
前記液晶面からの光を反射するミラー22と、
前記ミラー22で反射された光を受光するエリアセンサ30と、
前記ミラー22で反射された光を前記エリアセンサに結像させる結像レンズ32と、
前記エリアセンサ32に結像される画像をぼかす結像調整手段26、60、64とを備えることを技術的特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の情報コード読取装置では、結像調整手段がエリアセンサに結像される画像をぼかすため、ドットパターンがぼやかされ、ドットパターンに影響されず液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。
【0008】
請求項2の情報コード読取装置では、アクチュエータでミラーを、エリアセンサの露光時間Fに対して、1/F以上の周波数で振動させる。エリアセンサに結像されるドットパターンの画像がぼやかされ、ドットパターンに影響されず液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。
【0009】
請求項3の情報コード読取装置では、ミラーの振動振幅を、液晶の1ドットの非開口部の寸法DB、ミラーから結像レンズ側への出射角θとした場合に、2×DB×sigθ以上に設定することで、非開口部の寸法DBの2倍分以上、液晶面をエリアセンサの像で移動させる。このため、エリアセンサに結像されるドットパターンの画像をぼやかし、ドットパターンに影響されず、液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。
【0010】
請求項4の情報コード読取装置では、アクチュエータは複数の圧電アクチュエータから成り、当該複数の圧電アクチュエータを同時に振動させるため、振動動作を安定して行わせることができる。
【0011】
請求項5の情報コード読取装置では、アクチュエータは、液晶が検出された際に振動を開始するため、液晶に表示された情報コードを読み取るときのみ振動させることで、電力消費を下げ、アクチュエータの劣化を防ぐことができる。
【0012】
請求項6の情報コード読取装置では、結像レンズをアクチュエータにより移動させることでエリアセンサに結像されるドットパターンの画像がぼやかされる。このため、ドットパターンに影響されず、液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。
【0013】
請求項7では、結像調整手段が液晶が検出されたときに画像をぼかすため、液晶以外の読み取りの際には、画像がぼけることがなく、迅速な読み取りを行うことができる。
【0014】
請求項8では、情報コードが読み取れないときに画像をぼかすため、ドットパターンの影響で読み取れない情報コードを読み取ることができる。
【0015】
請求項9では、ミラーと結像レンズとの間に設けられた磨りガラス板又は拡散フィルムにより、エリアセンサに結像される画像をぼかすため、ドットパターンをぼやかし、ドットパターンに影響されず、液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明の情報コード読取装置の実施形態について図を参照して説明する。まず、第1実施形態に係る情報コード読取装置10の構成概要を図1に基づいて説明する。図1(A)は、第1実施形態の情報コード読取装置10の平面図であり、図1(B)は図1(A)のb矢視図であり、図1(C)は図1(A)のc矢視図である。
図1(A)に示すように情報コード読取装置10は、ほぼ矩形箱状なすハウジング12を備え、該ハウジング12の上面には、携帯電話の表示器に表示されたQRコード等の情報コードを読み取る読取窓14と、携帯電話を検出するための近接センサからなる検出センサ16とが設けられている。読取窓14には樹脂プレート14Gが嵌められている。図1(A)及び図1(B)に示すようにハウジング12内には、携帯電話の表示器に対して、白色光を照射する面光源となる導光板18と、導光板18からの光が携帯電話の表示器に反射した反射光を更に反射させる反射装置20と、反射装置20で反射された光を集光する結像レンズ32と、CCDから成るエリアセンサ30と備える。
【0017】
図2(A)は反射装置20の斜視図であり、図2(B)は側面図である。反射装置20は、反射鏡22と反射鏡貼付樹脂24と、反射鏡22を振動させるための圧電素子からなる圧電アクチュエータ26と、圧電アクチュエータ26を固定するための固定部材28とから成る。圧電アクチュエータ26は、軸方向に伸張し、反射鏡22を面直方向へ振動させる。
【0018】
図3は、第1実施形態の情報コード読取装置の回路構成を示すブロック図である。
情報コード読取装置10は、エリアセンサ30からの出力信号をA/D変換するAD変換部40と、信号のインターフェイスを行う信号インターフィイス44と、制御のインターフィイスを行う制御インターフィイス46と、デコード及び制御を行うメイン回路42と、ブザー54とを備える。信号のインターフェイス44、制御インターフィイス46により、LANを含む汎用通信インターフィイスIFを介して、パソコン、POS端末等の上位装置50に接続されている。検出センサ16は、携帯電話を検出すると制御インターフィイス46側へ検出信号を出力する。制御インターフィイス46は、圧電アクチュエータ26を制御して反射鏡22を振動させる。
【0019】
情報コード読取装置10は、図1(A)に示す読取窓14の上に、表示器を下向きにした携帯電話が翳されることで、携帯電話の表示器に表示されたQRコードを読み取る。即ち、導光板18からの照射光が携帯電話の表示器52に表示されたQRコードを照明する。鏡面反射する表示器52のQRコードにより反射された拡散反射成分は、再度、ハウジング12内に入り、反射装置20の反射鏡22で反射して結像レンズ32へ入射し、受光素子がマトリクス状に配列されたエリアセンサ30にQRコードの像を結像させる。このQRコードの像を光電変換して読み取ったエリアセンサ30は、像のパターンを表す電気信号としてAD変換部40に出力する。メイン回路42は、AD変換部40でAD変換された信号からQRコードの読み取りデータをデコード(解読)して、QRコードが表している情報を得る。ここで、QRコードのデコードに成功した場合に、メイン回路42は、ブザー54を鳴動させ、デコード結果を上位装置50へ送信する。
【0020】
図2(C)は、エリアセンサ30と結像レンズ32と反射鏡22と、ベストフォーカス点BPとの説明図である。反射鏡22は、エリアセンサ30と結像レンズ32との位置関係によりベストフォーカス点BPが携帯電話の表示器52に合うように配置されている。
【0021】
図4は、反射鏡22を振動させることによるエリアセンサ30での画像の揺れ量を説明するための説明図である。
ここで、第1実施形態の情報コード読取装置10では、図13(B)を参照して上述した低開口率(30%)の液晶の非開口部の寸法(DB)0.076mmの2倍分以上、画像を振動させる。即ち、液晶の1ドットの非開口部の寸法DB、ミラーから結像レンズ側への出射角θとした場合に、反射鏡22の振動振幅BWを2×DB×sigθ以上に設定することで、非開口部の寸法DBの2倍分以上、圧電アクチュエータ26で反射鏡22を振動させて、液晶面をエリアセンサ30の像上で移動させる。エリアセンサ30に結像されるドットパターンの画像を2×DB分以上変位させることでぼやかし、ドットパターンに影響されず液晶に表示された情報コードを読み取ることができるようにする。
【0022】
引き続き、図5を参照して、第1実施形態の情報コード読取装置10による携帯電話の表示器52に表示されたQRコードの読み取り処理について説明する。
情報コード読取装置10は、検出センサ16により携帯電話を検出している。ここで、携帯電話を検出すると(S12:Yes)、反射鏡22の振動を開始する(S14)。そして、QRコードを撮像し、読み取りを行い(S16)、読み取ったQRコードをデコードする(S18)。ここで、デコードが成功するまでは(S20:No)、S16に戻り、QRコードの読み取り、デコードを続ける。一方、デコードに成功すると(S20:Yes)、デコード結果を上位装置50へ出力し(S22)、反射鏡22の振動を終了する(S24)。
【0023】
第1実施形態では、反射鏡22をエリアセンサ30の露光時間Fに対して、1/F以上の周波数で振動させる。これにより、エリアセンサ30に結像されるドットパターンの画像がぼやかされ、ドットパターンに影響されず液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。
【0024】
また、第1実施形態では、携帯電話が検出された際に振動を開始するため、液晶に表示されたQRコードを読み取るときのみ振動させることで、電力消費を下げ、圧電アクチュエータ26の劣化を防ぐことができる。
【0025】
[第1実施形態の第1改変例]
以下図6及び図7を参照して第1実施形態の第1改変例に係る情報コード読取装置10について説明する。
図6(A)は第1実施形態の第1改変例に係る反射装置の斜視図であり、図6(B)は側面図である。図2(A)を参照して上述した第1実施形態では、反射装置20が1本の圧電アクチュエータ26により反射鏡22を振動させた。これに対して、第1実施形態の第1改変例では、反射装置20が3本の圧電アクチュエータ26が同期を取り同時に反射鏡22を振動させる。第1実施形態の第1改変例に係る情報コード読取装置10では、複数の圧電アクチュエータ26を同時に振動させるため、振動動作を安定して行わせることができる。
【0026】
図7を参照して、第1実施形態の第1改変例に係る情報コード読取装置10による携帯電話の表示器52に表示されたQRコードの読み取り処理について説明する。
図5を参照して上述した第1実施形態では、情報コード読取装置10が携帯電話を検出すると反射鏡22の振動を開始した。これに対して、第1実施形態の第1改変例では、QRコードの読み取りを試みて、デコードが出来ない場合に反射鏡22の振動を開始する。
【0027】
情報コード読取装置10は、検出センサ16により携帯電話を検出している。ここで、携帯電話を検出すると(S12:Yes)、QRコードを撮像し、読み取りを行い(S16)、読み取ったQRコードをデコードする(S18)。ここで、デコードに成功すると(S20:Yes)、デコード結果を上位装置50へ出力し(S22)、処理を終了する。他方、デコードに失敗すると(S20:No)、反射鏡22の振動を開始する(S14)。そして、QRコードを撮像し、読み取りを行い(S36)、読み取ったQRコードをデコードする(S38)。ここで、デコードに失敗すると(S40:No)、S36に戻り、QRコードの読み取り、デコードを続ける。一方、デコードに成功すると(S40:Yes)、反射鏡22の振動を終了してから(S24)、デコード結果を上位装置50へ出力する(S22)。
【0028】
第1実施形態の第1改変例に係る情報コード読取装置10では、読み取りを行ったQRコードが読み取れないときに圧電アクチュエータ26を振動させてエリアセンサ30の画像をぼかすため、図13(A)に示すドットパターンの影響を大きく受けない開口率の高い液晶面に表示されたQRコード、或いは、商品、シール等に印刷されたQRコードを画像をぼかさないことで迅速に読み取ることができる。一方、図13(B)は開口率の低い液晶面でのドットパターンの影響で読み取れない情報コードを確実に読み取ることができる。
【0029】
[第1実施形態の第2改変例]
以下図8を参照して第1実施形態の第2改変例に係る情報コード読取装置10について説明する。
上述した第1実施形態、第1実施形態の第1改変例では、情報コード読取装置10が携帯電話を検出すると読み取りを開始した。これに対して、第1実施形態の第2改変例では、常時読み取りを行っており、デコードが出来ない場合に液晶面のQRコードの読み取りを行っているかを判断し、反射鏡22の振動を開始する。
【0030】
情報コード読取装置10は、常時、QRコードを撮像し、読み取りを行い(S16)、読み取ったQRコードをデコードする(S18)。ここで、デコードに成功すると(S20:Yes)、デコード結果を上位装置50へ出力し(S22)、処理を終了する。他方、デコードに失敗すると(S20:No)、画像中の白黒が変化しているかを判断することで液晶面が読取窓14(図1(A)参照)に翳されているかを検出する(S42)。液晶面の翳が検出されない時は(S42:No)、S16に戻り読み取りを続ける。一方、液晶面の翳が検出された時は(S42:Yes)、反射鏡22の振動を開始する(S14)。そして、QRコードを撮像し、読み取りを行い(S36)、読み取ったQRコードをデコードする(S38)。ここで、デコードに失敗すると(S40:No)、S36に戻り、QRコードの読み取り、デコードを続ける。一方、デコードに成功すると(S40:Yes)、反射鏡22の振動を終了してから(S24)、デコード結果を上位装置50へ出力する(S22)。
【0031】
第1実施形態の第2改変例では、液晶面が検出されたときにのみ圧電アクチュエータ26を振動させてエリアセンサ30の画像をぼかすため、液晶面以外の読み取りの際には、画像がぼけることがなく、迅速な読み取りを行うことができる。
【0032】
[第2実施形態]
引き続き、本発明の第2実施形態に係る情報コード読取装置について図9〜図11を参照して説明する。図9(A)、図9(B)は第2実施形態の情報コード読取装置10の側面図であり、図9(A)は結像レンズ32の移動前を、図9(B)は結像レンズ32の移動後を示している。上述した第1実施形態では、反射鏡22を振動させることでエリアセンサ30の画像をぼかした。これに対して、第2実施形態では、図9(A)の状態から図9(B)に示すようにソレノイド60で結像レンズ32を移動させることで、エリアセンサ30に結像される画像をぼかす。
【0033】
図10は、第2実施形態の情報コード読取装置の回路構成を示すブロック図である。
第2実施形態の情報コード読取装置10は、図3を参照して上述した第1実施形態の構成と同様である。但し、第2実施形態では、圧電アクチュエータの代わりに結像レンズ32を移動させるためのソレノイド60が設けられている。
【0034】
図11を参照して、第2実施形態に係る情報コード読取装置10による携帯電話の表示器に表示されたQRコードの読み取り処理について説明する。第2実施形態では、QRコードの読み取りを試みて、デコードが出来ない場合に結像レンズ32を移動し、エリアセンサ30に結像される画像をぼかす。
【0035】
情報コード読取装置10は、検出センサ16により携帯電話を検出している。ここで、携帯電話を検出すると(S12:Yes)、QRコードを撮像し、読み取りを行い(S16)、読み取ったQRコードをデコードする(S18)。ここで、デコードに成功すると(S20:Yes)、デコード結果を上位装置50へ出力し(S22)、処理を終了する。他方、デコードに失敗すると(S20:No)、図9(B)を参照して上述したようにソレノイド60を駆動して結像レンズ32の焦点をずらし、エリアセンサ30に結像される画像をぼかす(S14)。そして、QRコードを撮像し、読み取りを行い(S36)、読み取ったQRコードをデコードする(S38)。ここで、デコードに失敗すると(S40:No)、S36に戻り、QRコードの読み取り、デコードを続ける。一方、デコードに成功すると(S40:Yes)、ソレノイド60を駆動して結像レンズ32を図9(A)に示す位置に復帰し、エリアセンサ30に結像される画像を適正化してから(S24)、デコード結果を上位装置50へ出力する(S22)。
【0036】
第2実施形態の情報コード読取装置10では、結像レンズ32をソレノイド60により移動させることでエリアセンサ30に結像されるドットパターンの画像がぼやす。このため、ドットパターンに影響されず、液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。
【0037】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る情報コード読取装置について図12を参照して説明する。
図12(A)は、第3実施形態の情報コード読取装置の平面図であり、図12(B)は、図12(A)のd矢視図である。第3実施形態の情報コード読取装置10では、反射鏡22と結像レンズ32との間に磨りガラス板64を設け、エリアセンサ30に結像される画像をぼかすよう構成されている。このため、ドットパターンをぼやかし、ドットパターンに影響されず、液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。なお、磨りガラス板の代わりに拡散フィルム等の画像をぼかし得る種々の物を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1(A)は本発明の第1実施形態の情報コード読取装置の平面図であり、図1(B)は図1(A)のb矢視図であり、図1(C)は図1(A)のc矢視図である。
【図2】図2(A)は反射装置の斜視図であり、図2(B)は側面図である。図2(C)は、エリアセンサと結像レンズと反射鏡と、ベストフォーカス点BPとの説明図である。
【図3】第1実施形態の情報コード読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【図4】反射鏡を振動させることによるエリアセンサでの画像の揺れ量を説明するための説明図である
【図5】第1実施形態に係る情報コード読取装置による読み取り処理を示すフローチャートである。
【図6】図6(A)は第1実施形態の第1改変例に係る反射装置の斜視図であり、図6(B)は側面図である。
【図7】第1実施形態の第1改変例に係る情報コード読取装置による読み取り処理を示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態の第2改変例に係る情報コード読取装置による読み取り処理を示すフローチャートである。
【図9】図9(A)、図9(B)は第2実施形態の情報コード読取装置の側面図であり、図9(A)は結像レンズの移動前を、図9(B)は結像レンズの移動後を示している。
【図10】第2実施形態の情報コード読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【図11】第2実施形態に係る情報コード読取装置による読み取り処理を示すフローチャートである。
【図12】図12(A)は第3実施形態の情報コード読取装置の平面図であり、図12(B)は図12(A)のd矢視図である。
【図13】図13(A)及び図13(B)は、液晶面を拡大して示す説明図であり、図13(A)は開口率の高い液晶面を示し、図13(B)は開口率の低い液晶面を示している。
【符号の説明】
【0039】
10 情報コード読取装置
12 ハウジング
14 読取窓
18 導光板
20 反射装置
22 反射鏡(ミラー)
26 圧電アクチュエータ(結像調整手段:アクチュエータ)
30 エリアセンサ
32 結像レンズ
60 ソレノイド(結像調整手段:アクチュエータ)
64 磨りガラス(結像調整手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等に表示されたQRコード(登録商標)等の二次元光学情報を読み取る情報コード読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、光学的情報の新たな使用形態として、携帯電話にQRコード(登録商標)を表示させ、据え置き型のスキャナで読み取ることが行われている。例えば、携帯電話にQRコードを配信し、コンサート会場において、携帯電話に表示されたQRコードをスキャナで読み取ることでチケットの代わりをさせる等の態様で使用されている。特許文献1、2には、ミラーをアクチュエータで振動させる光学機器が開示されている。
【0003】
図13(A)及び図13(B)は、液晶面を拡大して示す説明図である。液晶画面は、格子状のドットパターンDに囲まれた開口部Oに、それぞれ白黒表示がなされる。図13(A)は開口率の高い(例えば70%)液晶面を示し、図13(B)は開口率の低い(例えば30%)液晶面を示している。図13(A)に示す高開口率(70%)の場合に、ドット寸法(DW)0.165mmの際に、ドットの非開口部の寸法(DB)は0.027mmになる。図13(B)に示す低開口率(30%)の場合に、高開口率と同じドット寸法(DW)0.165mmで非開口部の寸法(DB)は0.076mmとなる。
【特許文献1】特開2003−29191号公報
【特許文献2】特開平8−327927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報コード読取装置で液晶面に表示されたQRコードを読み取ろうとした際に、液晶のドットパターンに影響されて、読み取りが行い難いことがある。特に、図13(B)に示すように、低開口率(30%)の場合に非開口部の寸法(DB)が、ドット寸法(DW)に対して相対的に大きくなり、低開口率の液晶面の開口部Oに表示されたQRコードの黒、白の判別が難しくなる。ここで、ドットパターンをソフトウエアー上の処理で目立たなくすることも考え得るが、ソフトウエアー処理を行うと読み取り時間が長くなることになる。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ドットパターンに影響されず液晶に表示された情報コードを読み取ることができる情報コード読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、液晶に表示された情報コードを読み取る情報コード読取装置であって、
前記液晶面からの光を反射するミラー22と、
前記ミラー22で反射された光を受光するエリアセンサ30と、
前記ミラー22で反射された光を前記エリアセンサに結像させる結像レンズ32と、
前記エリアセンサ32に結像される画像をぼかす結像調整手段26、60、64とを備えることを技術的特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の情報コード読取装置では、結像調整手段がエリアセンサに結像される画像をぼかすため、ドットパターンがぼやかされ、ドットパターンに影響されず液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。
【0008】
請求項2の情報コード読取装置では、アクチュエータでミラーを、エリアセンサの露光時間Fに対して、1/F以上の周波数で振動させる。エリアセンサに結像されるドットパターンの画像がぼやかされ、ドットパターンに影響されず液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。
【0009】
請求項3の情報コード読取装置では、ミラーの振動振幅を、液晶の1ドットの非開口部の寸法DB、ミラーから結像レンズ側への出射角θとした場合に、2×DB×sigθ以上に設定することで、非開口部の寸法DBの2倍分以上、液晶面をエリアセンサの像で移動させる。このため、エリアセンサに結像されるドットパターンの画像をぼやかし、ドットパターンに影響されず、液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。
【0010】
請求項4の情報コード読取装置では、アクチュエータは複数の圧電アクチュエータから成り、当該複数の圧電アクチュエータを同時に振動させるため、振動動作を安定して行わせることができる。
【0011】
請求項5の情報コード読取装置では、アクチュエータは、液晶が検出された際に振動を開始するため、液晶に表示された情報コードを読み取るときのみ振動させることで、電力消費を下げ、アクチュエータの劣化を防ぐことができる。
【0012】
請求項6の情報コード読取装置では、結像レンズをアクチュエータにより移動させることでエリアセンサに結像されるドットパターンの画像がぼやかされる。このため、ドットパターンに影響されず、液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。
【0013】
請求項7では、結像調整手段が液晶が検出されたときに画像をぼかすため、液晶以外の読み取りの際には、画像がぼけることがなく、迅速な読み取りを行うことができる。
【0014】
請求項8では、情報コードが読み取れないときに画像をぼかすため、ドットパターンの影響で読み取れない情報コードを読み取ることができる。
【0015】
請求項9では、ミラーと結像レンズとの間に設けられた磨りガラス板又は拡散フィルムにより、エリアセンサに結像される画像をぼかすため、ドットパターンをぼやかし、ドットパターンに影響されず、液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明の情報コード読取装置の実施形態について図を参照して説明する。まず、第1実施形態に係る情報コード読取装置10の構成概要を図1に基づいて説明する。図1(A)は、第1実施形態の情報コード読取装置10の平面図であり、図1(B)は図1(A)のb矢視図であり、図1(C)は図1(A)のc矢視図である。
図1(A)に示すように情報コード読取装置10は、ほぼ矩形箱状なすハウジング12を備え、該ハウジング12の上面には、携帯電話の表示器に表示されたQRコード等の情報コードを読み取る読取窓14と、携帯電話を検出するための近接センサからなる検出センサ16とが設けられている。読取窓14には樹脂プレート14Gが嵌められている。図1(A)及び図1(B)に示すようにハウジング12内には、携帯電話の表示器に対して、白色光を照射する面光源となる導光板18と、導光板18からの光が携帯電話の表示器に反射した反射光を更に反射させる反射装置20と、反射装置20で反射された光を集光する結像レンズ32と、CCDから成るエリアセンサ30と備える。
【0017】
図2(A)は反射装置20の斜視図であり、図2(B)は側面図である。反射装置20は、反射鏡22と反射鏡貼付樹脂24と、反射鏡22を振動させるための圧電素子からなる圧電アクチュエータ26と、圧電アクチュエータ26を固定するための固定部材28とから成る。圧電アクチュエータ26は、軸方向に伸張し、反射鏡22を面直方向へ振動させる。
【0018】
図3は、第1実施形態の情報コード読取装置の回路構成を示すブロック図である。
情報コード読取装置10は、エリアセンサ30からの出力信号をA/D変換するAD変換部40と、信号のインターフェイスを行う信号インターフィイス44と、制御のインターフィイスを行う制御インターフィイス46と、デコード及び制御を行うメイン回路42と、ブザー54とを備える。信号のインターフェイス44、制御インターフィイス46により、LANを含む汎用通信インターフィイスIFを介して、パソコン、POS端末等の上位装置50に接続されている。検出センサ16は、携帯電話を検出すると制御インターフィイス46側へ検出信号を出力する。制御インターフィイス46は、圧電アクチュエータ26を制御して反射鏡22を振動させる。
【0019】
情報コード読取装置10は、図1(A)に示す読取窓14の上に、表示器を下向きにした携帯電話が翳されることで、携帯電話の表示器に表示されたQRコードを読み取る。即ち、導光板18からの照射光が携帯電話の表示器52に表示されたQRコードを照明する。鏡面反射する表示器52のQRコードにより反射された拡散反射成分は、再度、ハウジング12内に入り、反射装置20の反射鏡22で反射して結像レンズ32へ入射し、受光素子がマトリクス状に配列されたエリアセンサ30にQRコードの像を結像させる。このQRコードの像を光電変換して読み取ったエリアセンサ30は、像のパターンを表す電気信号としてAD変換部40に出力する。メイン回路42は、AD変換部40でAD変換された信号からQRコードの読み取りデータをデコード(解読)して、QRコードが表している情報を得る。ここで、QRコードのデコードに成功した場合に、メイン回路42は、ブザー54を鳴動させ、デコード結果を上位装置50へ送信する。
【0020】
図2(C)は、エリアセンサ30と結像レンズ32と反射鏡22と、ベストフォーカス点BPとの説明図である。反射鏡22は、エリアセンサ30と結像レンズ32との位置関係によりベストフォーカス点BPが携帯電話の表示器52に合うように配置されている。
【0021】
図4は、反射鏡22を振動させることによるエリアセンサ30での画像の揺れ量を説明するための説明図である。
ここで、第1実施形態の情報コード読取装置10では、図13(B)を参照して上述した低開口率(30%)の液晶の非開口部の寸法(DB)0.076mmの2倍分以上、画像を振動させる。即ち、液晶の1ドットの非開口部の寸法DB、ミラーから結像レンズ側への出射角θとした場合に、反射鏡22の振動振幅BWを2×DB×sigθ以上に設定することで、非開口部の寸法DBの2倍分以上、圧電アクチュエータ26で反射鏡22を振動させて、液晶面をエリアセンサ30の像上で移動させる。エリアセンサ30に結像されるドットパターンの画像を2×DB分以上変位させることでぼやかし、ドットパターンに影響されず液晶に表示された情報コードを読み取ることができるようにする。
【0022】
引き続き、図5を参照して、第1実施形態の情報コード読取装置10による携帯電話の表示器52に表示されたQRコードの読み取り処理について説明する。
情報コード読取装置10は、検出センサ16により携帯電話を検出している。ここで、携帯電話を検出すると(S12:Yes)、反射鏡22の振動を開始する(S14)。そして、QRコードを撮像し、読み取りを行い(S16)、読み取ったQRコードをデコードする(S18)。ここで、デコードが成功するまでは(S20:No)、S16に戻り、QRコードの読み取り、デコードを続ける。一方、デコードに成功すると(S20:Yes)、デコード結果を上位装置50へ出力し(S22)、反射鏡22の振動を終了する(S24)。
【0023】
第1実施形態では、反射鏡22をエリアセンサ30の露光時間Fに対して、1/F以上の周波数で振動させる。これにより、エリアセンサ30に結像されるドットパターンの画像がぼやかされ、ドットパターンに影響されず液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。
【0024】
また、第1実施形態では、携帯電話が検出された際に振動を開始するため、液晶に表示されたQRコードを読み取るときのみ振動させることで、電力消費を下げ、圧電アクチュエータ26の劣化を防ぐことができる。
【0025】
[第1実施形態の第1改変例]
以下図6及び図7を参照して第1実施形態の第1改変例に係る情報コード読取装置10について説明する。
図6(A)は第1実施形態の第1改変例に係る反射装置の斜視図であり、図6(B)は側面図である。図2(A)を参照して上述した第1実施形態では、反射装置20が1本の圧電アクチュエータ26により反射鏡22を振動させた。これに対して、第1実施形態の第1改変例では、反射装置20が3本の圧電アクチュエータ26が同期を取り同時に反射鏡22を振動させる。第1実施形態の第1改変例に係る情報コード読取装置10では、複数の圧電アクチュエータ26を同時に振動させるため、振動動作を安定して行わせることができる。
【0026】
図7を参照して、第1実施形態の第1改変例に係る情報コード読取装置10による携帯電話の表示器52に表示されたQRコードの読み取り処理について説明する。
図5を参照して上述した第1実施形態では、情報コード読取装置10が携帯電話を検出すると反射鏡22の振動を開始した。これに対して、第1実施形態の第1改変例では、QRコードの読み取りを試みて、デコードが出来ない場合に反射鏡22の振動を開始する。
【0027】
情報コード読取装置10は、検出センサ16により携帯電話を検出している。ここで、携帯電話を検出すると(S12:Yes)、QRコードを撮像し、読み取りを行い(S16)、読み取ったQRコードをデコードする(S18)。ここで、デコードに成功すると(S20:Yes)、デコード結果を上位装置50へ出力し(S22)、処理を終了する。他方、デコードに失敗すると(S20:No)、反射鏡22の振動を開始する(S14)。そして、QRコードを撮像し、読み取りを行い(S36)、読み取ったQRコードをデコードする(S38)。ここで、デコードに失敗すると(S40:No)、S36に戻り、QRコードの読み取り、デコードを続ける。一方、デコードに成功すると(S40:Yes)、反射鏡22の振動を終了してから(S24)、デコード結果を上位装置50へ出力する(S22)。
【0028】
第1実施形態の第1改変例に係る情報コード読取装置10では、読み取りを行ったQRコードが読み取れないときに圧電アクチュエータ26を振動させてエリアセンサ30の画像をぼかすため、図13(A)に示すドットパターンの影響を大きく受けない開口率の高い液晶面に表示されたQRコード、或いは、商品、シール等に印刷されたQRコードを画像をぼかさないことで迅速に読み取ることができる。一方、図13(B)は開口率の低い液晶面でのドットパターンの影響で読み取れない情報コードを確実に読み取ることができる。
【0029】
[第1実施形態の第2改変例]
以下図8を参照して第1実施形態の第2改変例に係る情報コード読取装置10について説明する。
上述した第1実施形態、第1実施形態の第1改変例では、情報コード読取装置10が携帯電話を検出すると読み取りを開始した。これに対して、第1実施形態の第2改変例では、常時読み取りを行っており、デコードが出来ない場合に液晶面のQRコードの読み取りを行っているかを判断し、反射鏡22の振動を開始する。
【0030】
情報コード読取装置10は、常時、QRコードを撮像し、読み取りを行い(S16)、読み取ったQRコードをデコードする(S18)。ここで、デコードに成功すると(S20:Yes)、デコード結果を上位装置50へ出力し(S22)、処理を終了する。他方、デコードに失敗すると(S20:No)、画像中の白黒が変化しているかを判断することで液晶面が読取窓14(図1(A)参照)に翳されているかを検出する(S42)。液晶面の翳が検出されない時は(S42:No)、S16に戻り読み取りを続ける。一方、液晶面の翳が検出された時は(S42:Yes)、反射鏡22の振動を開始する(S14)。そして、QRコードを撮像し、読み取りを行い(S36)、読み取ったQRコードをデコードする(S38)。ここで、デコードに失敗すると(S40:No)、S36に戻り、QRコードの読み取り、デコードを続ける。一方、デコードに成功すると(S40:Yes)、反射鏡22の振動を終了してから(S24)、デコード結果を上位装置50へ出力する(S22)。
【0031】
第1実施形態の第2改変例では、液晶面が検出されたときにのみ圧電アクチュエータ26を振動させてエリアセンサ30の画像をぼかすため、液晶面以外の読み取りの際には、画像がぼけることがなく、迅速な読み取りを行うことができる。
【0032】
[第2実施形態]
引き続き、本発明の第2実施形態に係る情報コード読取装置について図9〜図11を参照して説明する。図9(A)、図9(B)は第2実施形態の情報コード読取装置10の側面図であり、図9(A)は結像レンズ32の移動前を、図9(B)は結像レンズ32の移動後を示している。上述した第1実施形態では、反射鏡22を振動させることでエリアセンサ30の画像をぼかした。これに対して、第2実施形態では、図9(A)の状態から図9(B)に示すようにソレノイド60で結像レンズ32を移動させることで、エリアセンサ30に結像される画像をぼかす。
【0033】
図10は、第2実施形態の情報コード読取装置の回路構成を示すブロック図である。
第2実施形態の情報コード読取装置10は、図3を参照して上述した第1実施形態の構成と同様である。但し、第2実施形態では、圧電アクチュエータの代わりに結像レンズ32を移動させるためのソレノイド60が設けられている。
【0034】
図11を参照して、第2実施形態に係る情報コード読取装置10による携帯電話の表示器に表示されたQRコードの読み取り処理について説明する。第2実施形態では、QRコードの読み取りを試みて、デコードが出来ない場合に結像レンズ32を移動し、エリアセンサ30に結像される画像をぼかす。
【0035】
情報コード読取装置10は、検出センサ16により携帯電話を検出している。ここで、携帯電話を検出すると(S12:Yes)、QRコードを撮像し、読み取りを行い(S16)、読み取ったQRコードをデコードする(S18)。ここで、デコードに成功すると(S20:Yes)、デコード結果を上位装置50へ出力し(S22)、処理を終了する。他方、デコードに失敗すると(S20:No)、図9(B)を参照して上述したようにソレノイド60を駆動して結像レンズ32の焦点をずらし、エリアセンサ30に結像される画像をぼかす(S14)。そして、QRコードを撮像し、読み取りを行い(S36)、読み取ったQRコードをデコードする(S38)。ここで、デコードに失敗すると(S40:No)、S36に戻り、QRコードの読み取り、デコードを続ける。一方、デコードに成功すると(S40:Yes)、ソレノイド60を駆動して結像レンズ32を図9(A)に示す位置に復帰し、エリアセンサ30に結像される画像を適正化してから(S24)、デコード結果を上位装置50へ出力する(S22)。
【0036】
第2実施形態の情報コード読取装置10では、結像レンズ32をソレノイド60により移動させることでエリアセンサ30に結像されるドットパターンの画像がぼやす。このため、ドットパターンに影響されず、液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。
【0037】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る情報コード読取装置について図12を参照して説明する。
図12(A)は、第3実施形態の情報コード読取装置の平面図であり、図12(B)は、図12(A)のd矢視図である。第3実施形態の情報コード読取装置10では、反射鏡22と結像レンズ32との間に磨りガラス板64を設け、エリアセンサ30に結像される画像をぼかすよう構成されている。このため、ドットパターンをぼやかし、ドットパターンに影響されず、液晶に表示された情報コードを読み取ることができる。なお、磨りガラス板の代わりに拡散フィルム等の画像をぼかし得る種々の物を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1(A)は本発明の第1実施形態の情報コード読取装置の平面図であり、図1(B)は図1(A)のb矢視図であり、図1(C)は図1(A)のc矢視図である。
【図2】図2(A)は反射装置の斜視図であり、図2(B)は側面図である。図2(C)は、エリアセンサと結像レンズと反射鏡と、ベストフォーカス点BPとの説明図である。
【図3】第1実施形態の情報コード読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【図4】反射鏡を振動させることによるエリアセンサでの画像の揺れ量を説明するための説明図である
【図5】第1実施形態に係る情報コード読取装置による読み取り処理を示すフローチャートである。
【図6】図6(A)は第1実施形態の第1改変例に係る反射装置の斜視図であり、図6(B)は側面図である。
【図7】第1実施形態の第1改変例に係る情報コード読取装置による読み取り処理を示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態の第2改変例に係る情報コード読取装置による読み取り処理を示すフローチャートである。
【図9】図9(A)、図9(B)は第2実施形態の情報コード読取装置の側面図であり、図9(A)は結像レンズの移動前を、図9(B)は結像レンズの移動後を示している。
【図10】第2実施形態の情報コード読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【図11】第2実施形態に係る情報コード読取装置による読み取り処理を示すフローチャートである。
【図12】図12(A)は第3実施形態の情報コード読取装置の平面図であり、図12(B)は図12(A)のd矢視図である。
【図13】図13(A)及び図13(B)は、液晶面を拡大して示す説明図であり、図13(A)は開口率の高い液晶面を示し、図13(B)は開口率の低い液晶面を示している。
【符号の説明】
【0039】
10 情報コード読取装置
12 ハウジング
14 読取窓
18 導光板
20 反射装置
22 反射鏡(ミラー)
26 圧電アクチュエータ(結像調整手段:アクチュエータ)
30 エリアセンサ
32 結像レンズ
60 ソレノイド(結像調整手段:アクチュエータ)
64 磨りガラス(結像調整手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶に表示された情報コードを読み取る情報コード読取装置であって、
前記液晶面からの光を反射するミラーと、
前記ミラーで反射された光を受光するエリアセンサと、
前記ミラーで反射された光を前記エリアセンサに結像させる結像レンズと、
前記エリアセンサに結像される画像をぼかす結像調整手段とを備えることを特徴とする情報コード読取装置。
【請求項2】
前記結像調整手段は、前記ミラーを振動させるアクチュエータであって、前記エリアセンサの露光時間Fに対して、前記ミラーを1/F以上の周波数で振動させることを特徴とする請求項1の情報コード読取装置。
【請求項3】
前記アクチュエータによる前記ミラーの振動振幅が、前記液晶の1ドットの非開口部の寸法DB、前記ミラーから前記結像レンズ側への出射角θとした場合に、2×DB×sigθ以上であることを特徴とする請求項2の情報コード読取装置。
【請求項4】
前記アクチュエータは複数の圧電アクチュエータから成り、当該複数の圧電アクチュエータを同時に振動させることを特徴とする請求項2又は請求項3の情報コード読取装置。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記液晶が検出された際に振動を開始することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1の情報コード読取装置。
【請求項6】
前記結像調整手段は、前記結像レンズをアクチュエータにより移動させることで前記エリアセンサに結像される画像をぼかすことを特徴とする請求項1の情報コード読取装置。
【請求項7】
前記結像調整手段は、前記液晶が検出されたときに画像をぼかすことを特徴とする請求項6の情報コード読取装置。
【請求項8】
前記結像調整手段は、前記情報コードが読み取れないときに画像をぼかすことを特徴とする請求項1の情報コード読取装置。
【請求項9】
前記結像調整手段は、前記ミラーと前記結像レンズとの間に設けられる磨りガラス板又は拡散フィルムであることを特徴とする請求項1の情報コード読取装置。
【請求項1】
液晶に表示された情報コードを読み取る情報コード読取装置であって、
前記液晶面からの光を反射するミラーと、
前記ミラーで反射された光を受光するエリアセンサと、
前記ミラーで反射された光を前記エリアセンサに結像させる結像レンズと、
前記エリアセンサに結像される画像をぼかす結像調整手段とを備えることを特徴とする情報コード読取装置。
【請求項2】
前記結像調整手段は、前記ミラーを振動させるアクチュエータであって、前記エリアセンサの露光時間Fに対して、前記ミラーを1/F以上の周波数で振動させることを特徴とする請求項1の情報コード読取装置。
【請求項3】
前記アクチュエータによる前記ミラーの振動振幅が、前記液晶の1ドットの非開口部の寸法DB、前記ミラーから前記結像レンズ側への出射角θとした場合に、2×DB×sigθ以上であることを特徴とする請求項2の情報コード読取装置。
【請求項4】
前記アクチュエータは複数の圧電アクチュエータから成り、当該複数の圧電アクチュエータを同時に振動させることを特徴とする請求項2又は請求項3の情報コード読取装置。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記液晶が検出された際に振動を開始することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1の情報コード読取装置。
【請求項6】
前記結像調整手段は、前記結像レンズをアクチュエータにより移動させることで前記エリアセンサに結像される画像をぼかすことを特徴とする請求項1の情報コード読取装置。
【請求項7】
前記結像調整手段は、前記液晶が検出されたときに画像をぼかすことを特徴とする請求項6の情報コード読取装置。
【請求項8】
前記結像調整手段は、前記情報コードが読み取れないときに画像をぼかすことを特徴とする請求項1の情報コード読取装置。
【請求項9】
前記結像調整手段は、前記ミラーと前記結像レンズとの間に設けられる磨りガラス板又は拡散フィルムであることを特徴とする請求項1の情報コード読取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−304707(P2007−304707A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130350(P2006−130350)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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